2014年3月議会:上原ひでき 意見書に対する討論

 3月27日(木)、日本共産党伊丹市会議員団の2014年3月議会に提案した意見書に対する討論は以下の通りです。

 介護保険制度改正に関する意見書、「ブラック企業」根絶へ実効ある施策を求める意見書、集団的自衛権に道を開く憲法解釈は 行わないことを求める意見書、原発の再稼働はやめ、再生可能エネルギー政策に転換することを求める意見書(以上は賛成)、

 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた環境整備及び地域における取り組みへの支援を求める意見書(反対)

2014年3月議会 本会議 意見書討論

日本共産党議員団 上原秀樹

上程となりました意見書案のうち、意見書案第2号から5号までは賛成の立場から、意見書案第6号には反対の立場から意見を述べます。

はじめに意見書案第2号「介護保険制度改正に関する意見書(案)」に対してです。

安倍内閣がすすめる介護保険改定の一つが、「要支援1・2」と認定された人が受ける訪問・通所介護サービスを、ボランティアなどを活用して市町村が行う「総合事業」に移すとともに、要介護認定を省こうとしている問題です。要支援者が受けているサービスは、「訪問介護」と「通所介護」が6割を占め、これらのサービスが市町村の事業になれば、自治体の財政状況によって左右され、どこでも平等に介護サービスを受けられる権利を奪うものです。二つには、年金収入280万円以上の単身高齢者などのサービス利用料を1割負担から2割負担に引き上げることです。三つには、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定することです。伊丹市でも、昨年8月現在で111名が待機されており、入所を待ち続ける高齢者・家族にとってあまりにも過酷です。このことで、安倍内閣が自ら「介護難民」を増やすことになるものです。

この改定の狙いは、「軽度者」の利用を削減・抑制して、公的介護保険にかかるお金を押さえ込むことにあり、しかしその結果、サービスから締め出された「軽度者」の重度化は、公的費用を更に膨張させることになります。

よって、本意見書案が、拙速な介護保険制度改正を行わないよう求めていることから、賛成とするものです。

次に意見書案第3号「『ブラック企業』根絶へ実効ある施策を求める意見書(案)」についてです。

本意見書案は、不当な雇用管理を行う「ブラック企業」が社会問題となっている現在、労働者や若者を使い捨てにする雇用のあり方を改めるため、相談窓口の設置・拡充と若者への就労支援拡充、「ブラック企業」名の公表、労働行政における監視・指導体制の強化を国に求めるものです。

日本共産党は、国会に「ブラック企業」規制法案を提出しました。その理由は、一つに、若者を「使い捨て」「使いつぶす」働かせ方を放置することはできないからです。いわゆるブラック企業では、採用した労働者を過重な労働に駆り立て、次々に離職に追い込むという、大量採用、大量離職・解雇を前提にした経営が行われ、多くの若者が心と身体の健康を壊して退職に追い込まれていきます。どんな企業であれ、そこで働く人たちの生活と権利、人間としての尊厳が踏みにじられているときに、それを是正することは政治の責任です。二つには、ブラック企業を放置すれば、日本全体の労働条件の悪化をもたらし、日本の企業経営とそこで働くすべての人たちの生活に、大きな被害をもたらすものであり、その規制は日本社会と経済にとっても急務となっています。

よって本意見書案に賛成とするものです。

次に意見書案第4号「集団的自衛権行使に道をひらく憲法解釈は行わないことを求める意見書(案)」についてです。

安倍政権が狙っている「戦争する国づくり」の核心部分が、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認です。政府の「安保法制懇」は、4月にも報告書を提出して6月中にも閣議決定する考えです。

しかし、第1次安倍政権を含む歴代政権は「自衛のための必要最小限を超えるので集団的自衛権を行使できない」との立場を堅持してきました。今の安倍政権がこれを否定すれば自己否定になってしまいます。このため安倍首相は、集団的自衛権行使に関して、自衛権には必要最小限の実力行使の制約があり、その中に入るものがあるかどうか検討しているとしています。しかし内閣法制局は「集団的自衛権は、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処するものではなく、他国に加えられた武力攻撃を武力で阻止することを内容とする」もので、「国民の生命等が危機に直面している状況下で個別的自衛権を行使する場合とは異なる」と説明している通り、集団的自衛権はどう考えても、海外での戦闘参加を可能にするもので、現憲法の下では行使できません。

また、安倍首相は、中国との尖閣諸島の領有権問題や北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、解釈改憲の必要性を強調しています。日本が個別的自衛権を行使できることは自明のことです。「安保法制懇」で示された集団的自衛権行使の事例はいずれも「個別的自衛権で対応できる」、米国向けミサイル迎撃は「技術的に不可能」、「政府が自由に憲法解釈を変更できる性質のものではない」との批判が相次いでいます。

では、なぜ、何のための集団自衛権行使容認なのか。安倍首相は何一つ合理的な理由を示していません。

日本政府は1981年5月の政府答弁書で、集団的自衛権の定義を「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力を持って阻止する権利」と規定、いわば「他衛権」といわれ、戦後米国の発案でソ連も賛成して、国連憲章第51条に書き込まれたものです。しかし、国際的には国内法が優先することは常識となっています。

そしてその後、米国、旧ソ連などの軍事大国は、他国に軍事介入するときに「集団的自衛権」の行使を主張してきました。たとえば、2001年からの米国によるアフガニスタン・対テロ戦争には、NATO諸国が集団的自衛権の行使で参戦、79年から89年の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻、アメリカのベトナム戦争では、集団的自衛権行使で参戦した韓国は5000人近い死者を出しています。

すなわち、日本政府が集団的自衛権を行使すれば、自国への攻撃がなくても、米国の要請があれば海外で武力行使できることになります。自衛隊が海外で人を殺し、殺されることにもなります。

したがって、集団的自衛権行使容認は、憲法のもとでは許されるものではなく、ましてや、解釈によって憲法を変えることなどできるものではなく、立憲主義を否定するものです。

よって本意見書案に賛成するものです。

次に、意見書案第5号「原発の再稼働はやめ、再生可能エネルギー推進政策に転換することを求める意見書(案)」についてです。

本意見書案は、福島第1原子力発電所の事故によって、いまだに多数の人が避難生活を余儀なくされ、放射能被害が広がっている現状から、安倍政権による原発再稼働をやめ、再生可能エネルギー政策に転換することを求めています。

一方、安倍内閣は、財界と一体になって、原発の再稼働への暴走を開始し、原発輸出の「トップセールス」に奔走し、「成長戦略」に「原発の活用」を明記、そして「エネルギー基本計画案」では、原発を重要なベースロード電源と位置づけ、原子力規制委員会の「規制基準」の7月施行を受けて、泊、柏崎刈羽、高浜、大飯などの各原発の再稼働をねらっています。しかし、どの世論調査でも再稼働反対が多数で、国民の願いを無視して、危険な原発の再稼働を強行することは許されません。

原発による低レベル放射性廃棄物に関しても、すべての原発を今廃炉にした場合にも、49万6000㎥以上になることが明らかにされ、その処分地さえ決まっていません。また、高レベル廃棄物でも、技術自体が確立されておらず、政府が計画する「地層処分」も、めどが立っていません。まさに「トイレなきマンション」といわれるとおりで、原発の再稼働はさらにこれらを増やすことになり、無謀でしかありません。莫大な費用が必要にもなります。

原発事故から3年間の体験は、原発と人類は両立できないことを示しました。原発の危険から国民と地球環境を守るという点からも、国民合意という点からも、どの原発も再稼働する条件はありません。すべての原発の稼働がストップしている今、「即時原発ゼロ」を決断し、ただちに廃炉のプロセスに入ることが、最も現実的な道です。

原発にたよらず、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギーの大幅導入への抜本的転換の計画を立てて、実行していくことです。エネルギー確保のためには、当面、5~10年程度の期間は、過渡的な措置として、火力による電力の確保が必要になりますが、その間に、再生可能エネルギーの大規模な普及と低エネルギー社会への移行をすすめます。原発推進派は「自然エネルギーは供給が不安定」などとしますが、多様なエネルギーである太陽光・熱、小水力、風力、バイオマス、地熱、潮力などを組み合わせて普及すれば、安定します。

よって、本意見書案に賛成とするものです。

次に、意見書案第6号「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた環境整備及び地域における取り組みへの支援を求める意見書(案)」についてです。

日本共産党は、もともと、オリンピックの東京への招致に関して、石原都政以来、オリンピックを利用して大規模な開発を進めようとしてきた経過があり招致に反対してきました。

しかし、IOCの総会で決まった以上、これを尊重し、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現に努めるという立場を明らかにしています。同時に、東京招致には内外から様々な不安と疑問の声が出されており、無条件の信任ではありません。

したがって、国立競技場の建て替えに3000億円かけるという話もありますが、オリンピックを口実とした大規模開発はやめるべきであり、今後もしっかりとした監視が必要と考えます。あくまでも、国民生活の向上を図りながら、東京大会を成功させるという見地が大切であり、国民・都民の生活や環境と調和の取れた簡素で無理のない取り組みにすることが大事です。

一方、本意見書案では、国に要望する項目のうち、4項目目に「国際空港機能拡充やアクセス強化に向けた交通インフラの整備」など、「社会基盤整備」を促進する項目があります。このことは、国会の「東京五輪成功決議」にもない項目であり、大規模開発に道をひらくものと言わざるをえません。

したがって本意見書案には反対とするものです。

なお、バリアフリー環境の促進やスポーツ基本法に基づく国民のスポーツ権を保障するための環境整備は、オリンピックに関係なく進められるべきであることはいうまでもありません。今後、オリンピックの準備に向けて、オリンピック憲章の精神と国民・都民の利益を守り、スポーツの民主的発展を促進するために、力をつくしていきたいと思います。

以上、それぞれの意見書案に対する意見とします。議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。

2014年3月議会 本会議:上原ひでき 特定秘密保護法に関する請願書に対する賛成討論

請願第2号 国に対して「「特定秘密の保護に関する法律」を改めて慎重に審議することを求める意見書」を提出することを求める請願書 に対する賛成討論

2014年3月27日

日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、請願第2号 国に対して「『特定秘密の保護に関する法律』を改めて慎重に審議することを求める意見書」を提出することを求める請願書 に対して賛成の立場から討論を行います。

 この法律は、政府が勝手に特定秘密を指定し、その漏洩に厳罰を科すもので、国民の知る権利を侵害し、言論・表現の自由など国民の基本的人権を破壊し、国家安全保障会議設立と一体で戦争への道を推し進める稀代の悪法です。何よりも、国民主権、基本的人権、平和主義という憲法の基本原則を踏みにじる点で、明らかに憲法違反です。

 この法律に反対する声は、わずか1ヶ月の審議期間でしたが大きく盛り上がり、今も広がっています。呼びかけ人に山田洋次監督ら5人が名を連ねた「反対する映画人の会」には、映画監督の宮崎駿さんや女優の大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さんらが名を連ねています。また、ノーベル賞を受賞した白川英樹さん、益川敏英さんなど著名な学者が呼びかけた「反対する学者の会」は、賛同者が約4000人となり、さらに広がっています。

 安全保障上、秘密保護法は必要という声があります。しかし、国家・国民の安全を守るためにはスパイ防止法のようなものがあっていいと主張する小林節慶応大学教授は、「第三チェックをかたくなに拒むところに言い知れぬ不安を感じる。法のつくり方を見ても秘密の対象を列挙した後、その他がついてくるのは対象を恣意的に広げられる」と批判しています。

 情報の漏洩の脅威が高まっているともいわれますが、それには、憲法違反の法律をつくることで対応することではありません。情報漏えいの脅威は、「高度情報通信ネットワーク社会の発展」に起因するもので、これに対処するためには、公的情報の管理の合理化と、情報保全システムの適正化で対応すべきであって、処罰で対応する問題ではありません。伊丹市民にも大いに関係があります。特定秘密を取り扱う自衛隊などの公務員や軍事産業関係の民間事業所で働く従業員は、適正審査が行われ、本人だけではなく家族、親戚友人まで及び、プライバシーが侵害されます。

 このような法律が成立したことで、国連人権高等弁務官事務所は、日本の特定秘密保護法に関して深刻な懸念を表明しました。たとえば「ジャーナリストや市民社会の代表を含め、それが公益にかなうという信念から機密情報を受け取った場合、差し迫った状況に個人が陥ることがない限り、法的制裁から守られるべき」とするとともに、「当局が秘密保護の必要性を確認できる例外的な場合でも、当局の決定を独立機関が審査することは不可欠」としています。日本の場合、特定秘密の指定・監視・検証の機関はすべて内閣総理大臣のもとに置かれており、自分で秘密をきめて自分でチェックするというというものです。

 また、国家の秘密保護には、安全保障と情報へのアクセス権とを調和させた国際的にきめられたガイドライン、すなわち「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」通称ツワネ原則が存在しますが、その作成を率いた財団が「日本の秘密保護法は国際基準を大きく下回る。米国からの圧力は理由にならない」と緊急声明を発表しています。まさに国際的に見ても異常な法律であることがわかります。

 そもそも特定秘密保護法を繰り返し求めてきたのは国民ではなく、米国です。2005年には、日米両国の部隊から首脳レベルまであらゆる範囲で軍事戦略や情報を共有することを日本は約束しました。その際、「秘密保護の追加的措置」、つまり米国の情報が日本から漏れないよう、対策強化を要求されています。

 そして、安倍首相がオバマ米大統領との会談で、特定秘密保護法案は「日米同盟強化を見据えたもの」と説明したとおり、海外で米国と一体に「軍事行動をする国」へ日本を作り変える構想との一環として出てきたものです。日本の国土を守ることとはまったく関係のない集団的自衛権行使の具体的要件等を定める国家安全保障基本法のもとに、国家安全保障会議設置法と特定秘密保護法が位置づけられていることからも、この法律の目的は明らかです。このような憲法にかかわる重大な法律を、わずかな期間で、しかも審議を打ち切って急いで強行採決したことは、異常という以外にありません。法案が可決された後も、請願書に書かれているとおり、共同通信社の世論調査で「廃止する」「修正する」は74.8%を占めており、このまま施行すべきではありません。

 日本共産党はこの特定秘密保護法を廃止することを求めています。しかし、多くの国民が不安に思っている法律を改めて慎重に審議することは、国民に改めてその全容を明らかにすることで、法律の是非も含めた判断を問うことにつながります。よって本請願の願意は妥当と考え、賛成とするものです。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第278号)を発行しました

3月議会本日(3/27)最終日10時~

来年度予算案の討論・採決を実施

日本共産党は予算案等に反対

日本共産党伊丹市議団ニュース(第280号)はこちら(画像PDFファイル)

「平成26年度一般会計予算」等に対する反対討論

 日本共産党議員団は「平成26年度一般会計予算」「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例一部改正」に反対します。

 2014年度は、勤労者の賃金が22ヶ月連続で前年同月比マイナスとなるとともに、アベノミクスにより生活必需品の価格高騰が続き、生活悪化の中で迎えようとしています。その上、国による医療・生活保護・年金などの社会保障の負担増と給付減で、消費税増税と合わせて10兆円も国民負担が増えます。兵庫県も、老人医療費・母子家庭等医療費の助成を削減しようとしています。

 このようなときこそ、伊丹市は深刻な市民生活を守る防波堤としての役割を果たさなければなりません。

問題点

1、全国緊急防災・減災事業の財源確保の名目で、個人市民税の均等割を500円引き上げる一方、法人税に対しては復興税を廃止し、市民だけに増税をおしつけること。

2、兵庫県の「第3次行財政改革プラン」に基づく老人・母子家庭等に対する福祉医療助成制度縮減に従い、生活困窮者に対して、合計約1740万円の負担をふやすこと。

3、中学校給食実現は評価するが、①自校調理方式ではなくセンター方式とすること②調理部門等を民間委託する「基本計画」を策定したこと。

4、学校教育審議会で①公立幼稚園16園を10園に統廃合しようとしていること②3歳児保育実施困難としていること。

5、国民健康保険事業に対する「その他繰り出し」(法定外繰り出し)の見直しをして、高すぎて払えない国保税の引き下げをしない制度としたこと。

評価すべき点

1、国の補正予算等の有利な財源を活用して、学校施設大規模改修やプール整備、市営住宅管理工事等公共施設の保全・改修を実施すること。

2、(仮称)児童発達支援センター整備事業の予算化と、荻野保育所の新築移転による耐震化、私立保育所等の施設整備によって275名の認可保育所定員増員をはかるなど、子育て支援策を充実したこと。

3、自転車安全条例の制定と自転車等対策審議会の設置によって、自転車安全対策を市民と専門家の力を借りて行うこと。

後期高齢者医療事業特別会計予算に反対

 後期高齢者医療保険料は、2014年度と2015年度の保険料を現行7万5869円から7万6702円(+833円)としました。

 また、厚生年金保険料も平均的受給者で2624円増の年額6万1362円となります。消費税増税と年金引き下げ、医療・社会保険料負担増が高齢者に大きな不安を与えています。

 こういう中で、「後期高齢者負担率」を2012、13年度の10.51%に続き、2014、15年度でさらに10.73%に引き上げ、保険料を引き上げることは高齢者の受診抑制をもたらすことにもなり、反対します。

3月議会に提出されている請願

○特定秘密法の慎重審議を求める意見書提出を求める請願

  • 請願者 「特定秘密保護法」廃止を求める伊丹連絡会
  • 紹介議員 上原秀樹
  • 我党の態度 採択に賛成

○ウィルス性肝炎患者に対する医療費助成拡充を求める請願

  • 請願者肝炎友の会兵庫支部
  • 紹介議員 全会派代表者
  • 我党の態度 採択に賛成

3月議会に提出されている意見書

○ブラック企業根絶を求める意見書

  • 我党の態度 採択に賛成

○原発再稼働をやめ再生可能エネルギー推進を求める意見書

  • 我党の態度 採択に賛成

○集団的自衛権行使を容認する憲法解釈は行わないことを求める意見書

  • 我党の態度 採択に賛成

○介護保険制度改正に関する意見書

  • 我党の態度 採択に賛成

○ウィルス性肝炎患者に対する医療費助成拡充を求める意見書

  • 我党の態度 採択に賛成

○2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける環境整備及び地域支援を求める意見書

  • 我党の態度 採択に反対
  • 反対理由 開催自体には反対しないが、それによる大型公共事業誘致等に伴う環境破壊に反対する

次年度に向けての党議員団の要望

1.安倍内閣による地方交付税の一方的な削減に伴い、一般職の給与定昇停止と課長級以上の職員の給与削減を行っているが、その復元を急ぐこと

2.子ども医療費助成は、通院も含めて中学校卒業までの無料化を検討すること

3.障害福祉に関して、障害者権利条約の批准に伴い、条約を誠実に履行する立場からの障害福祉計画の策定をすること

4.農業振興基本条例に関して、農業も含む産業振興基本条例の策定をすること

5.小中学校における就学援助に関し、新入学児童生徒学用品費等は入学前に支給できるように改善すること

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 介護保険制度について

2014.3.7. 上原ひでき議員

6.介護保険制度について

1)安倍内閣による介護保険改定法案について

安倍内閣は介護保険改定法案を国会に提案しました。改定の一つが、「要支援1・2」と認定された人が受ける訪問・通所介護サービスを、ボランティアなどを活用して市町村が行う「総合事業」に移す方針です。「総合事業」では、ヘルパーなど専門家によるサービスは一部に限定され、その大半がNPOやボランティアに丸投げされることになります。しかも、要介護認定を省こうとしているのが、この「総合事業」の対象者です。市町村の窓口で、どんなサービスを使うのかを申請者と相談し、「総合事業」だけを利用する場合は認定を省くことを可能にするものです。現在要支援者が受けているサービスは、ヘルパーによる「訪問介護」とデイサービスなどの「通所介護」が6割を占めています。これらの人が受けるサービスが市町村の事業になれば、自治体の財政状況によって左右され、どこでも平等に介護サービスを受けられる権利を奪うものです。

二つには、年金収入280万円以上の単身高齢者などのサービス利用料を1割負担から2割負担に引き上げることです。対象者は5人に1人に上ります。月々の保険料で収入による負担を求められた上、サービスを利用するときまで収入で差をつけられえることは、保険の建前に反します。

三つには、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定することです。全国的には待機者が40万人を超え、そのうち13万人は「要介護1・2」です。伊丹市でも、昨年8月現在で111名とされていました。入所を待ち続ける高齢者・家族にとってあまりにも過酷です。今、高齢者の貧困化や施設不足の中で、介護の担い手を見つけられない人が増え、マスコミでも「介護難民」「老人漂流社会」などと呼ぶ状況が広がっています。安倍内閣は自ら「難民」を増やそうとしています。

この改定の狙いは、「軽度者」の利用を削減・抑制して、公的介護保険にかかるお金を押さえ込むことです。しかし、サービスから締め出された「軽度者」の重度化は、公的費用を更に膨張させることになります。全日本民主医療機関連合会の調査では、訪問介護を利用する要支援者の81.4%、通所介護を利用する要支援者の87.7%が何らかの認知症を抱えていました。これらの人が介護保険からはずされれば、初期の認知証の人への支援が大幅に切り下げられ、家族の負担がいっそう深刻になるとともに、重度化を加速しかねません。

総務省「就業構造基本調査」によれば、家族の介護のために離職する人は毎年8万から10万人とされています。介護を苦にした心中・殺人など、痛ましい事件も後を絶ちません。

伊丹市として、国に対して、このような改定はやめ、介護保険制度を、抜本的に立て直すことを求めるべきではないでしょうか、見解を伺います。

2)地域包括支援センターについて

第5期介護保険事業計画では、現在地域包括支援センターは1ヶ所で、9ヶ所の介護支援センターがその機能を補完しているが、仕組みとして介護支援センター内で支援が完結できなかったり、チームアプローチができなかったりという理由から、高齢者の多様な生活課題に対して対応しきれなくなっていること、このことから第5期では、高齢化率の高い圏域から優先的に、地域包括支援センターを新に設置するとされました。来年度が第5期の最終年度に当たりますが、どのような計画をお持ちなのかお伺いします。

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 公立幼稚園の統廃合について

2014.3.7. 上原ひでき議員

5.子ども・子育て支援新制度について

来年度予算で、地方版子ども・子育て会議の開催及び子ども・子育て支援事業計画の策定を計上され、教育、保育及び子育て支援事業の供給体制の確保等を主なものとする5年を1期とする事業計画を策定しようとされています。この新制度に関し、幼児教育について質問をします。

幼児教育については、今まで、公立幼稚園の1小学校区1幼稚園を守ることの意義や公立幼稚園における3年保育と預かり保育を実現することについて、また公立幼稚園を幼稚園型認定こども園とすることを視野に入れることも提案してきました。

そこで現在、今後の幼児教育のあり方について学校教育審議会で審議がなされており、その素案も明らかになってきていることから、改めて教育長に見解をお聞きします。

第1に、1クラスの人数は20人以上が望ましいとの議論がなされていることについてです。

この根拠を社団法人全国幼児教育研究会による研究結果に求めておられ、そこでは、教員が望む1学級の幼児数は、3歳児が20人以下、4,5歳児は20人以上とされています。しかし、その結論に到る研究の中で、「個に応じた援助」と「協同性の援助」のそれぞれの得点の平均値を求めていますが、それによると、3歳児は11人から20人、4,5歳児は16人から25人の間がそれぞれの特性が拮抗することになっています。これらの特性がどのような形で調和されるのかは、調査においてもかなりの幅があり、地域性によって異なることや、調査結果はあくまでも一つの傾向であり、絶対化できるものではありません。また、発達や学びの状況に関しては、おおむね学級の人数がすくないほうが肯定的に捉えていると書かれています。したがって、このことを持って統廃合の基準とすることには、無理があるのではないでしょうか。

第2に、4,5歳児とも複数の学級があることが望ましいとの議論についてです。

しかし、さきほどの研究では、複数学級に関してはまったく問題になってはいません。審議会で議論のあった「集団内での子どもの役割の固定化」などの懸念は、先ほどの研究結果での「協同性の育ち」を重視した場合の得点を見ると、3歳児で16人から20人も、36人以上もほぼ変わらず、4,5歳児でも同様の結果です。したがって、幼児教育における「協同性の育ち」ということを考えた場合、単学級が続くことを持って統廃合の基準とすることも無理があります。

第3に、3歳児保育を実施することは難しいという議論についてです。

今まで私立幼稚園との役割分担として、3歳児保育は私立が担ってきました。しかし、新制度では、どの子も等しく受けられる権利として幼稚園の三歳児保育が位置づけられました。全国的には、3歳児で保育所にも幼稚園にも行っていない子どもは、20.2%となっており、伊丹市では約40%と比較的高くなっています。伊丹市の場合、認可外保育所等も含まれている可能性があるので、若干低くなりますが、今後は3歳児の利用率は上がると見込まれます。今後増加する需要をすべて私立が担うのか、3歳以上のすべての子どもに幼児教育を保障する観点からみた場合、公立が受け入れをしなくてもいいのか、疑問が残ります。さらに、公立で3歳児を受け入れた場合、施設不足の可能性があるとの議論がありますが、定員をどうするのかは議論の余地はあります。

第4に、預かり保育を実施することは望ましいとの議論は評価できます。

預かり保育は、議論でも出されている通り、「家庭や地域における幼児期の教育の支援となる」ものです。一方で、子どもの育ちを保障する上で、保育内容を充実させるため、給食室整備等が必要になりますが、幼稚園型認定こども園を展望する議論にはならないのでしょうか。

第5に、2010年(平成22年)の答申に基づいて、すずはら幼稚園を民間による幼保連携型認定こども園とする方針が出されながら、公立幼稚園への信頼性等の議論がなされ、結果として地域や保護者の理解が得られないまま、整備計画の一部修正を行ったという問題に関して、その教訓をどう汲み取るのかについても十分議論したうえで、統廃合の議論がなされなければ、単に公立幼稚園を減らすだけの結論となり、関係者から反発されるのは目に見えています。

以上5点に関しての教育長の見解を伺います。

2014年3月議会代表質問:上原ひでき いじめ防止の基本方針、国の教育委員会制度「改革」

2014.3.7. 上原ひでき議員

4.教育の課題について

1)いじめ防止等のための基本的な方針(案)について

私は昨年6月議会で、国においていじめ問題にかかる法制化の議論が進められている中での問題点を指摘して、教育委員会の見解をお聞きしました。

その後「いじめ防止対策推進法」が成立し、国による「いじめ防止基本方針」が策定されました。問題点は残されているものの、いじめ問題の克服の課題を子どもの権利の視点で捉えなおし、地域、父母、教職員、子どもたちが力を合わせて解決していこうとする方向を見出すこともできます。たとえば、いじめられている子どもに寄り添った対応が強調されるとともに、いじめた子どもに対しても、すべてが厳しい指導を要する場合とは限らないとしていること、いじめの理解では、加害・被害という二者関係だけで捉えるのではなく、学級や部活動の構造、「観衆」「傍観者」の存在も加えて、四者構造の考慮も求めています。これらは今後に生かすべきことだと思います。そこで、いじめ防止等のための基本的な方針(案)について、昨年6月の質問とも関連してお伺いします。

第1に、「Ⅱ基本姿勢」の「1基本的な方向性」で、「いじめはどの子どもにもどの学校でも起こりうるものであるとともに、人権にかかわる問題であり」としながらも、いじめを「しない、させない、許さない」という姿勢を大人が共有するとしています。書かれているとおり、いじめは人権にかかわる問題です。だとしたら、いじめは人権侵害であることを前面に押し出し、憲法や子どもの権利条約の条文やそれらの精神を踏まえ、豊かに安心して生きる権利が子どもたちにはあること、いじめはその権利を侵害すること、そして大人が共有するのは、「しない、させない、許さない」という姿勢よりも、その権利を守るのは大人社会、学校、教師の義務であることを明確にすべきではないかと考えます。見解を伺います。

第2に、教育委員会が実施する施策で、「学校の教育活動全体を通じて道徳教育を推進する」とされていることについてです。私たちは市民道徳の教育を重視しておりますが、それは教員、子供、保護者が自主的、自発的に進めてこそ実を結ぶものであり、上から押しつけるやり方は逆効果になります。大津いじめ自殺事件が起きた中学校は、市内唯一の道徳教育推進指定校でした。

180ページに及ぶ報告書も作成されていて、事件の起きた2年生は、1年生のとき「ルールを守ろう」などの規範教育に取り組んでいました。深刻ないじめはその半年後に起きています。大津市の「第三者調査委員会」の「調査報告」は、「いじめ防止教育(道徳教育)の限界」と題し、「それ自体の意味を否定しないが、道徳教育や命の教育の限界についても認識を持ち、学校の現場で教員が一体となった様々な実践こそが必要」とかかれています。さらに報告書では、「子どものいじめは社会のあり方と根深いところでつながっているが故に、いじめ発生の土壌が存在するとともに、いじめ解決の困難さが理解される」とも書かれています。現代の子どもたちは、学校だけではなく、家庭環境やそれとつながる社会の中で、苛立ちや孤独感にさいなまれており、その生の現実と向きあっていくことがいじめの防止につながるものと思います。

大津市の教訓から、道徳教育をどう考えるのか、見解を伺います。

第3に、「学校が実施すべき施策」の中の「児童、保護者への指導」で、加害者への指導について書かれている点です。ここでは、加害者が抱える問題等に目を向け、健全な人格の発達と教育的な配慮のもとに特別な指導を行うほか、「出席停止や警察との連携による措置も含め、毅然とした対応をする」とされました。

いじめの解決は、いじめている子どもがいじめをやめることが欠かせません。それは、自らのいじめ行為に向き合い、相手の痛みに共感できるようになり、心からの謝罪を通じて、人間として更正することを含んでいます。問題は、いじめをやめることと人間的な更正がどうしたらできるかです。

そこで論点となるのは、出席停止と警察との関係です。出席停止については、書かれているような「毅然とした対応」として行うものなのかどうか、懲戒として行うものかどうかです。いじめにはいじめる子どもに耐えがたいストレス、つらい背景があることは知られています。そこに共感し、その子どもの抱える悩みを解決することに着手してこそ、被害者の痛みに共感することができ、いじめをやめる方向に進むことができます。なお、いじめを行う子どもに対する出席停止措置は、懲戒としてではなく、子どもの安全のための緊急避難としてありうる選択です。しかしその間、子どもの心のケアや学習の保障がないまま停止すれば、その子どもの屈折した心はさらにねじれ、人間的更正の道から排除されることにもなります。

警察との関係ですが、この間伊丹市においても数回にわたって警察への通報が行われています。

もちろん、恐喝や傷害事件などが起きたとき、被害届を出して、家庭裁判所での審判に基づく更正という道を選択する場合もあります。大津の事件の際、警察が捜査を開始し、その過程でのべ30時間以上にも渡って事情を聞かれた子どももいたといわれ、かなりのショックを受けたことが推測されます。警察は犯罪を立件することが目的の捜査機関であり、子どもをケアし更正するための機関ではありません。子どもの安全、更正、成長という目的に沿って、慎重に判断すべきであり、この問題も毅然とした対応で行う懲戒であってはならないと考えます。

以上の件に対する見解を伺います。

2)国における教育委員会のあり方の議論について

自民党は、19日、文部科学部会を開き、安倍政権が進める教育委員会制度「改革」案を了承しました。「改革」案は、憲法にそくして教育の自主性を守るためにつくられた教育委員会制度の根幹を改変し、国・首長という政治権力による教育支配を歯止めなしに拡大しようという、きわめて危険な内容となっています。

一つは、「改革」案は、首長に、教育行政全体についての「大綱的な方針」を定める権限を与えるとともに、これまで教育委員会の権限とされてきた公立学校の設置・廃止、教職員定数等、教育行政の中心的内容を、首長に与えるとしています。これでは教育委員会は、首長の下請け機関となり、首長がその気になればどこまでも政治介入できるということになってしまいます。

二つには、「改革」案は、新に規定する(仮称)新教育長について、首長が直接任命・罷免するとしています。現行法では、教育長は、教育委員会が任命し罷免もできますが、この仕組みを変え、教育長を首長の直属の部下にしようというのです。

安倍政権が当初ねらっていた「教育委員会廃止」論は、教育関係者などからの強い批判もあって採用できませんでした。しかし、自民党「改革」案は、教育委員会から実質的権限を奪い、それを形骸化させるものにほかなりません。それは、1976年の最高裁学力テスト問題の判決に示された、「教育内容に対する権力的介入は抑制的であるべき」とする日本国憲法の要請を踏みにじり、教育への無制限の権力的介入・支配への道を開くものとなっています。

こうした内容が具体化されれば、首長がかわるたびに、その一存で教育現場がふりまわされるという混乱が起こり、子どもたちがその最大の被害者となってしまいます。

この件に関して、中央教育審議会は昨年8月、首長・教育長のアンケート調査結果を報告しています。現在の教育委員会が「首長部局から独立していることが首長にとって制約になっている」かどうかを尋ねたところ、半数を超える首長・教育長が「そうは思わない」とし、「合議制の執行機関としての教育委員会を存続しつつ制度的改善を図る」方向に、首長の57%、教育長の67%が「賛成」としています。従って、教育委員会は、現在伊丹市教育委員会が努力されている通り、子ども、保護者、住民、教職員の声をきちんと受け止め、それを教育行政に反映させる機能を強化していくことこそが求められており、教育委員会制度を変える必要はありません。

市長並びに教育長の見解をお伺いします。

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 住宅リフォーム助成制度、農業振興基本条例について

2014.3.7. 上原ひでき議員

3.地域経済の活性化について

第5次伊丹市基本計画における「活力地域産業の振興と創出」では、地域内経済循環に視点をおいた産業活性化の方策を検討する、「農」を生かしたまちづくりを進めるなどとし、そのもとで、「伊丹市産業振興プラン」と「伊丹市「農」の振興プラン」に基づき、それぞれ施策を進めておられると思います。

一方、「平成25年度伊丹市市民意識調査」によると、市の施策の満足度における加重平均の下位5項目に、すなわち満足度の低い位置に「地域産業の振興」「商業の振興」「働きやすいまちづくり」「農業の振興」が入っていることは大変気になるところです。しかし、住民が地域に暮らし続けるためには、その地域において製造業も建設業も商店も農業も生産活動が持続的に行われ、雇用と所得が再生産されることが必要です。通勤・通学にも、買い物にも便利で、地域で経済が循環する仕組みをつくらなければなりません。そこで、次の点をお伺いします。

1)住宅リフォーム助成制度について

何度も何度も制度創設を求めて質問していますが、2012年3月議会での答弁は、経済的効果は一定あると理解しているが、個人財産への助成であること、特定業種のみへの助成であること、資金が調達できる人に限定されることで制度創設は考えていないとのことです。しかし全国では、昨年5月現在で6県、556市区町村、合計562自治体で実施されています。

一方、国土交通省は住宅リフォーム推進事業を創設し、2013年度と14年度予算合わせて50億6,900万円を予算化し、約7,000戸を対象予定にしています。「長期優良化リフォーム推進事業」という名称で、劣化対策、耐震性能、維持管理・更新、省エネ性能、バリアフリーを行う住宅について国の助成を行うというものです。一歩前進と考えますが、国は「先導的な取り組み」とされ、全国の自治体で実施されているものとは違ったハードルの高いものになっています。しかし、当局ができない理由とされた三つの点は国の制度でクリアーされたのではないでしょうか。改めて伊丹市でも独自に制度を創設することを求めるものですが、見解をお伺いします。

2)農業振興基本条例はどうなったかについて

2012年9月議会での答弁は、「農」の振興プランに条例制定を盛り込んだが、様々な課題があることから引き続き慎重に検討する、(仮称)伊丹市農業の振興プラン推進会議を設置してできるだけ早く制定の議論に入りたいとのことでした。どうなったのでしょうか。

伊丹市は大規模な集積した農地があるわけではありませんが、振興プランに書かれているように、農地は、新鮮で安全・安心な農産物の供給基地としての役割に加え、防災空間、緑地、ヒートアイランドの緩和、遊水機能、市民農園利用など多面的機能を持っています。この貴重な都市部に存在する農地を生かし、農業振興を図ることには意義があります。

さらにそのときの質問で、工業、商業も含めた伊丹市の産業全体を網羅した産業振興条例とすることも提案しています。

以前の答弁では、産業界からの気運の盛り上がりがない、他市の条例は理念規定条例で中小企業基本法にも理念が書いてある、条例自体に実効性がなく別の計画が必要との理由で、条例は考えていないとされています。

しかし、農政懇話会で農業関係者から条例制定の声が上がったのに制定にブレーキをかけているのは行政です。

また、他市で制定されている条例は、その自治体の産業なりを分析し、その自治体に即した理念と目的を定め、実効性のある条例として、具体的な計画策定と合わせて効果を発揮しているものと理解しています。

伊丹市は今、企業への訪問活動をされています。その中で把握された課題を整理し、伊丹市でどんな理念による条例が必要なのか検討することができると思います。合わせと見解を伺います。

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 中学校完全給食は自校調理方式を

2014.3.7. 上原ひでき議員

2.中学校完全給食を実施するに当たって

市長は、来年度の三つの重点事業の一つに、中学校給食の早期実現をあげられました。私は議員になって23年ですが、日本共産党議員団としては、それ以前、30年に渡って、「愛情弁当論」と対峙し、中学校における完全給食を求めてきました。市民の声が広がり、やっと実現できることは大変喜ばしいことです。そこで、次の点をお伺いします。

第1に、自校調理方式ではなく、センター方式にすることについてです。

「基本計画」では、総合的に判断し、自校方式のメリットを取り入れ、様々なニーズに対応した「センター方式」による中学校給食を実施するとされています。しかし、「基本計画」に書かれている実施方式の比較表によると、「食育」では各学校で食育と連動できること、「食中毒リスク」では被害範囲が最小限となること、「配送時間」では2時間喫職が可能であること、「適温提供」では調理後すぐに喫食できることで適温給食が可能、「地産地消」ではセンター方式に比べて調達しやすい、「災害対応」では避難している市民に食事の提供が可能などと、ほとんどの項目で自校方式のほうにメリットがあるとされています。

「アレルギー対応」では、自校方式は専用調理室の設置は困難とされていますが、専用室で多様なアレルギーすべてに対応できるものではなく、多くのセンターは卵と小麦粉ぐらいで、残るアレルギーには結局個別対応となっています。箕面市が昨年9月に自校方式による中学校給食を始めていますが、そこでの自校方式のメリットに、「食物アレルギーのある生徒に対し、きめ細やかな対応ができること」とありますが、自校方式によって栄養士や調理員、教職員が一体となって対応できることが、より安全で安心の給食となるのではないでしょうか。

「早期の実現」では、各学校での調整に時間がかかるとしていますが、もともと「早期実現」を何十年も拒んできたのは当局です。「やるときめたら早く実現」ということもありますが、「やるときめたら最善の給食を提供する」のが教育委員会の役割ではないでしょうか。

「敷地上の条件」では、自校方式の場合は制限を受けるとされています。新に調理室を設置するわけで、敷地内で制限があるのは当然のことです。「基本計画」では、学校を調査した結果、校庭・運動場に調理場をつくるしかなく、その場所は2箇所を除いて不可能であるとの結論を出しています。メリットの多い自校方式を実現するために、あらゆる手段を検討されたのでしょうか。私たちは、自校調理方式を採用することが、子どもたちに最善の学校給食を提供できると考えています。以上述べましたことに対する見解を伺うものです。

第2に、自校方式のメリットを取り入れ、様々なニーズに対応した「センター方式」による中学校給食を実施するとされていることについてです。

一つは、「食育」に関して、「生徒と栄養士・調理員との交流ができ、給食を作る人への感謝の心をはぐくむことができる」とする自校方式のメリットをどう取り入れるのでしょうか。現在の小学校の取り組みではとても十分とはいえません。自校方式は毎日身近のところで調理する姿を見ることができます。

二つには、「地産地消」では自校方式は身近なところで作られた食材が調達しやすく、作る人の顔が見えます。そのことが学校と地域をつなぎ、都市農業の発展にも結びつきます。どのようにしてセンター方式ではこれを実現するのでしょうか。

三つには、自校方式の場合は残食がほとんどないといわれます。それは身近なところで調理する人が見え、栄養士・調理員と交流する中で「嫌いなものもがんばって食べよう」との気持ちになれること、調理してすぐに食べることができることで、おいしいと感じるからだといわれています。どのようにしてこのことを実現するのでしょうか。

以上3点についての見解を伺います。

第3に、「基本計画」で、調理業務等は民間事業者に委託するとされている問題です。

学校給食は、子どもたちに安全で安心な食べ物を提供するという点にありますから、献立の作成から調理まで、職員がその先にいる子どもたちの心身の発達などを思い浮かべながら食材に向かうことが求められます。従って、学校給食調理業務は子どもたちの発達を保障する仕事であり、食育を含めて教育の一環であるということです。調理部門等を民間事業者に委託することで、伊丹市としてこのような公的責任が果たせるのでしょうか。

問題の一つは、民間委託しているところでは、偽装請負が常態化していることです。それは、毎日子どもたちに最もよい状態で給食を届けるためには、詳細な指示文書や口頭による栄養士や調理員との打ち合わせが不可欠であり、その場で臨機応変に対応しなければならないことが度々起こるからです。

民間委託した場合には、事業者が責任者をきめ、そこに指示することしかできません。委託の場合は、事業者が自らの責任で独立して業務を行うこととされ、厚生労働省の請負に関する問答集37号告示では、文書、口頭に限らず、発注者が作業の内容、順序、方法等に関して指示し、そのとおりに事業主が作業を行っている場合も偽装請負としています。

さらに、直営で行っている豊橋市では、調理員が学校の食育の授業に出かけ、食材の納品から調理、配送までの様子をDVDで紹介、調理の実演もしながら話をしているとのことですが、民間委託ではこのようなことはできません。

二つには、経費削減のために民間事業者で働く従業員の給料が抑えられ、入札によって事業者も変わることで、安定した調理業務に支障をきたします。

学校給食の調理業務は、大量生産でかつ味を落とさないことが求められるために、固有の技術・熟練が求められます。これは、経験の中で蓄積されるもので、そのため給食を専門職として雇用し保障することが必要です。ところが、利潤追求が求められる民間事業者に委託することは、コストダウンがメリットとされ、マニュアル化した調理業務になりがちになるとともに、給料も抑制されて官製ワーキングプアを生み、従業者が定着せず経験の蓄積もできません。伊丹市は小学校給食を直営で行っており、そのノウハウは蓄積されていることから、中学校給食を民間に委託することはありません。2010年3月の衆議院文部科学委員会で、当時の川端文科相は「学校給食の本来の目的を損ねてまで民間委託をするのは本末転倒」と答えています。

以上、二つの問題に対する見解を伺います。

第4に、学校運営の課題と対応についてです。「基本計画」では、学校現場では様々な教育課題を抱えていること、教職員がゆとりを持って生徒にかかわることができる教育環境の充実が求められているとし、施設面での環境整備と給食費の公金化、給食担当者会の設置などの対応をするとされています。一方、パブリックコメントでは、アレルギー対応に対する人的サポートの必要性、行政が責任を持つことなどが出されています。マニュアル整備や研修会だけでは不安が残るのではないでしょうか、見解をお伺いします。

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 市長の情勢認識を問う(消費税増税、戦争する国づくり)

2014.3.7. 上原ひでき議員

1.市長の情勢認識と政治姿勢について

1)消費税の増税と市民の暮らし悪化の中でくらしを守る施策を

市長は、提案説明の中で、わが国経済の基調判断について政府の見解を引用し、個人消費の増加等、景気が回復していること、規制緩和などの成長戦略で「経済の好循環」が期待できるかのように言及されましたが、事態はまったく逆の方向に進んでいます。

安倍内閣による4月からの消費税増税によって、市民の暮らしは計り知れない深刻な打撃をもたらし、経済も財政も共倒れ破綻に追い込まれる「経済の悪循環」になることは明らかです。

働いている人の賃金は、18ヶ月連続で前年同月比マイナスとなり、1997年と比べて年間60万円も減少しています。これは、定期給与の抑制や非正規雇用化などによるものですが、その一方で、資本金10億円以上の大企業が保有する内部留保は前年対比で5兆円増の272兆円にも達しています。また、アベノミクスの金融緩和で、レギュラーガソリンや灯油、ガス・電気代、生鮮野菜、マーガリンなどの乳製品など生活必需品の価格高騰が続き、総務省が発表した2013年の消費者物価指数が前年比0.4%上昇しました。

賃金が下がり、物価が上がるその上に、国の2014年度予算案では、医療費では70歳から74歳の窓口負担を1割から2割に倍増し、生活保護の生活扶助費を2.5%削減、年金支給額も1%削減します。これら社会保障の負担増と給付減で負担は約2兆円、消費税増税と合わせて10兆円もの国民の負担が増えることになります。さらに兵庫県も、「第3次県行革プラン」において、老人医療費・母子家庭等医療費の助成を削減しようとしています。

このような国のアベノミクスによる国民の暮らし破壊と消費税増税などによって、市民の暮らしは深刻になっています。市長は、この市民の生活をどう認識されているのでしょうか、また、伊丹市が深刻な市民生活を守る防波堤としての役割を果たすため、国の国民いじめの政治に反対し、市民の暮らしを守るために、何が必要とお考えなのか、お伺いします。

2)安倍内閣による「戦争する国づくり」に対する見解を伺う

伊丹市の「平和都市宣言」は、「平和は人が生きるための大本です。戦争はかけがえのない生命を奪い、幸せをふみにじります」という言葉で始まります。しかし、安倍内閣は人が生きる大本である平和をないがしろにし、戦争の道へと暴走しています。

先の臨時国会で可決成立した「特定秘密の保護に関する法律」は、特定の情報を政府が恣意的に秘密指定でき、国民には何が秘密か明らかにされないというもので、国民主権、基本的人権、平和主義をないがしろにする憲法違反の稀代の悪法です。この法律が強行された後の共同通信の世論調査で、「法律に不安を感じる」が70.8%、「法律を修正する・廃止する」が82.3%に達しました。廃案を訴えた運動は各界に広がり、山田洋次監督ら5人が呼びかけた「反対する映画人の会」には、映画監督の宮崎駿さんや女優の大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さんらが名を連ね、ノーベル賞を受賞した白川英樹さん、益川敏英さんなど著名な学者が呼びかけた「反対する学者の会」は、賛同者が約4,000人にもなり、今も広がっています。

このことは、この法律によって、懲役10年以下の重罰とそれによる威嚇や、適性評価の名によるプライバシー侵害と権力の監視にさらされるのは、限られた公務員の特殊な漏えい行為だけではなく、国民の普通の日常とその自由が広く対象とされるからです。

この法律の目的は、安倍首相がオバマ米大統領との会談で、特定秘密保護法案は「日米同盟強化を見据えたもの」と説明したとおり、集団的自衛権の行使を可能とし、海外で米国と一体に「軍事行動をする国」へ日本を作り変える構想との一環として出てきたものです。

そしてその「集団的自衛権」とは、「自衛」とは無関係の概念で、海外への武力行使を可能とするものあり、大国が侵略や軍事介入する際の口実として使われてきたもので、日本国憲法第9条に違反することは明白です。だからこそ歴代政府は、「憲法9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり、許されない」としてきました。

ところが、安倍首相は、「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることで(行使容認は)可能であり、憲法改正が必要との指摘は当たらない」「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持つ」などと述べ、首相が自由に憲法の解釈を変更できるかのような発言を行っています。これは、最高法規としての憲法のあり方、立憲主義を否定するものに他ならず、さすがに古賀誠自民党元幹事長も、「立憲国としてとても考えられない」「普通だったら予算委員会がとまるほどの大騒動の話」と批判し、同様に河野洋平元衆議院議長や野中広務自民党元幹事長、村上誠一郎元行革担当相、漆原良夫公明党国対委員長らも批判しています。

市長は、伊丹市平和都市宣言に照らして、このような戦争への道を突き進む安倍内閣の暴走をどうお考えでしょうか、立憲主義に対する考え方も含めて、見解を伺います。

「中心市街地活性化・交通安全」等対策特別委:ひさ村真知子議員 視察報告

日本共産党市会議員の各地視察報告

「中心市街地活性化・交通安全」等対策特別委員会 ひさ村真知子議員

千葉県柏市(中心市街地活性化 2月3日)

柏市の中心市街地活性化基本計画で再開発されたJR柏駅東かさあげしき口前「歩行者専用嵩上式広場」を視察しました。

 公民の連携拠点である「広場」で継続してイベント開催ができるよう「まちづくり勉強会」で情報交換を実施しています。20~30代の若者の足を止めさせる努力をしている様子。

 広場には様々な店舗が並んでいて目を引きました。

神奈川県鎌倉市(交通安全 2月4日)

 鎌倉市では「自転車の安全利用を促進する条例」を13年度から施行、「鎌倉市自転車安全総合推進計画」が策定されました。鎌倉市も伊丹市と同様「自転車運転マナーの低下、交通事故トラブルの増加」という状況で、交通安全教育の充実、ルールの周知徹底、自転車損害賠償保険加入促進、走行環境の整備などの対策に力を入れています。

 自転車放置条例の徹底で、駅周辺の放置自転車ゼロでした。

「日本共産党伊丹市議団ニュース 第276号 2014年2月16日」に掲載