2021年9月議会 代表質問 上原秀樹

2021年9月議会 代表質問

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長の情勢認識について

1)コロナ禍における国の経済政策について

 コロナ禍で、格差拡大は深刻になりました。全国の2020年度の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業の内部留保は466.8兆円で、過去最高です。19年度比で株主への配当は11%の大幅増、役員報酬も0.5%増と大企業、富裕層はもうけを膨らませました。一方で労働者の賃金は1・2%減り、コロナ危機は非正規労働者、特に女性と若者に大きな犠牲を負わせています。この1年余、非正規雇用労働者はコロナ以前に比べて月平均92万人減少しました。うち61万人が女性です。

 2020年度予算審査での代表質問で国の経済政策について指摘しました。当時内閣府が発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価上昇分を差し引いた実質成長率が、年率に換算すると6.3%ものマイナスとなったこと、このことは、消費税増税が日本経済にとって大打撃になっていることを浮き彫りにしていること、GDPの約6割を占める個人消費が消費税増税に直撃されて前期に比べ2.9%のマイナスになり、消費の冷え込みを裏付けていること、勤労者の実質賃金も昨年12月0.9%のマイナス、内閣府の景気動向指数も5カ月連続で「悪化」という判断になったことなどを挙げ、市長の国の経済政策について見解を求めました。当時の経済状況以降、所得が増えず消費が落ち込み続けているのは、安倍政権と管政権が続けてきた消費税増税を含めた「アベノミクス」と言われる経済政策が、大企業や富裕層を潤すだけだということは明らかです。

 昨年以来のコロナ禍での安倍・管自公政権の経済政策に関して、市長はどのような認識をされているのでしょうか、また、今必要な政策は、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税減税などによる税の不公平を解消し、正社員が当たり前の雇用のルールをつくり、最低賃金を時給1,500円に引き上げて国民の懐を温めることと考えますが、合わせて見解をお聞きします。

2)米軍と一体となった自衛隊をめぐる動きについて

 6月16日、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(「土地利用規制法」)が、国民、野党が反対する中で、自民、公明、維新などによって参議院において採決が強行されました。

 この法律は、米軍・自衛隊基地や原発など「重要施設」周辺1キロや国境離島に住み、生活し、活動するすべての市民を調査・監視対象にし、政府の機関を総動員してプライバシーまで踏み込み調査・監視することを可能にするものです。調査の対象や内容に制限はありません。情報の提供を拒否した者は30万円以下の罰金を科せられ、密告社会に道を開きかねないものです。しかも、何が規制されるべき基地や原発の「機能を阻害する(おそれのある)行為」なのかは明示されておらず、政府の恣意的判断で際限なく拡大され、土地・建物の利用の中止が命じられ、拒否すれば2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられるという、恐るべき市民弾圧法となっています。これが、日本国憲法の保障する平和的生存権、個人の尊厳、言論・表現、思想・信条の自由、財産権などの基本的人権を蹂躙する、憲法違反の悪法であることは明らかです。

 防衛省は既に、2013~20年度にかけて、全国約650の米軍・自衛隊基地(防衛省施設を含む)に隣接する土地の調査を行い、所有者約8万人が対象になっています。兵庫県内は15か所で、伊丹市においては、伊丹駐屯地、千僧駐屯地、久代射撃演習場が対象として挙げられ、その周辺1キロメートルとなれば、市内の約3分の1の土地所有者等が対象となります。

 この法律の背景には、日米軍事同盟と安保関連法、すなわち戦争法の下で、アメリカの戦争に参戦する体制づくりをすすめる、菅政権の危険な姿勢があります。すでに、6月18日から7月11日にかけて、陸上自衛隊中部方面総監部と在日米軍事司令部を中心にオリエント・シールド21という実動訓練が図上訓練を中心に伊丹駐屯地において行われています。台湾有事を想定したものと思われ、奄美駐屯地では米陸軍の地対空誘導弾(パトリオット)部隊と陸自の中距離地対空誘導弾部隊が共同対空戦闘訓練を行っています。滋賀県のあいば野演習場では実弾訓練も行われ、6月23日には120ミリ迫撃砲弾発射訓練中に、演習場外に着弾する事件も発生し、大きな問題となったところです。

 また、この訓練と連動した日米共同方面隊指揮所演習、ヤマサクラ―81も今年度3四半期に伊丹市に総監部のある中部方面隊で予定されています。

 アメリカは、対中国戦略として軍事的対応を中心にしており、戦争ともなれば日本の自衛隊も参加する方向で作戦がたてられています。まさに戦争準備が伊丹の自衛隊基地で行われていることになります。

 市長は、土地利用規制法とその背景にある日米共同軍事作戦に関してどのような認識をお持ちでしょうか、見解をお聞きします。また、日米共同方面隊指揮所演習、ヤマサクラ―81はこの10月から12月の間に予定されていますが、どんな演習が行われるのか、コロナ感染は大丈夫か、市民にどんな影響があるのか等、情報を提供していただきたいと思います。

2.2020年度決算に関して

 2020年度の決算の内容の中心は新型コロナウイルス感染症対策です。
 伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策関連経費は、243億3,597万円で、そのうち地方創生臨時交付金対象事業は21億7,056万円となり、感染拡大防止や生活や雇用の維持と事業の継続支援、地域経済の活性化、社会的な環境の整備・新しい暮らしのスタイルの確立などの事業を行ってきました。

 これらの事業は感染症対策として一定の効果を上げることはできたと思いますが、現在進行中とはいえ、2020年度の事業の評価をすることは必要です。例えば、2020年度の2月補正予算で議論がありましたが、テイクアウト・デリバリー利用促進キャンペーン事業やキャッシュレス決済ポイント還元委託料、事業所等賃料補助金の減額措置などの周知方法や事業のあり方などへの評価はどうでしょうか。

 また、感染防止事業に関しては、党議員団は一貫して、医療機関(病院・診療所)、介護・福祉施設、保育園・幼稚園、学校、児童クラブなど、クラスター(感染者集団)が発生すれば多大な影響が出る施設等で定期的なPCR検査を行うこと、感染急増地(ホットスポット)となるリスクのあるところに対し、無症状の感染者を把握・保護するための「面の検査」を行うことを求めてきました。しかし、国の「医療崩壊を招く」という非科学的な知見によってPCR検査を抑制する中で、世界で人口当たりの検査数が144番目という最悪の事態になる中で、無症状の感染者が感染を広げています。この中で、市独自の検査体制を行い、感染防止をする必要はなかったのかどうか。

 さらに、新型コロナウイルスの影響で中小企業・商店に深刻な事態が広がる中、これらの実態を調査し、必要な対策をとるべきと主張し、自粛と補償を一体化すべきところを国が持続化給付金と家賃補助を1回きりで終わる中、伊丹市独自に行ってきた支援策、上下水道料金の基本料金免除、事業者への家賃補助、ひとり親世帯への支援などを再度行うことが必要ではないか、特に中小零細企業・業者に対する資金援助として「年越し給付金」を創設することも考えていただきたいと要求しましたが、実現されませんでした。

 これら、感染が広がり、中小業者の営業と暮らしが困難になった状況を見て、どのような見解をお持ちでしょうか、お聞きします。

3.新型コロナウイルス感染症対策について

1)日本共産党の提案と今後の対策について

 コロナ感染第5波の状況は、デルタ型などの変異株の感染力が強く、自宅療養中に家族全員が感染する事例や基礎疾患の有無にかかわらず30代から40代でも重症化する例、自宅療養中に自宅で死亡する事例も相次ぐという深刻な事態となっています。入院・宿泊療養調整中の自宅待機や自宅療養中、医療機関・福祉施設の留め置きで家族や施設内で感染を広げることや、医療が間に合わず命を落とすことは絶対に避けなければなりません。また、保健所の業務が追い付かず、感染者の症状の把握や濃厚接触者の特定に支障をきたしており、これらに対する早急な対策が求められています。

 この間の政府のコロナ対応は、「ワクチンさえ打てば何とかなる」というものとなっています。しかし、国内外で明らかになった科学的知見は、ワクチン接種だけではコロナを抑え込むことはできないことを示しています。ワクチン接種と一体に、医療体制強化、大規模検査、十分な補償など、総合的対策を講じてこそ、コロナを抑え込む道が開かれます。

 そこで、次の日本共産党の提案に対する見解をお聞きします。

 第1に、医療体制強化では、国が「原則自宅療養」の方針を公式に撤回し、症状におうじて必要な医療をすべての患者に提供することを大原則にすえることです。そのために政府がイニシアチブを発揮して、臨時の医療施設の大規模な増設を行うこと、あわせて入院病床をさらに確保し、在宅患者への往診や訪問看護など在宅医療を支える体制を抜本的に強化することです。医療機関への減収補填(ほてん)と財政支援、医療従事者への待遇の抜本的改善をはかり、政府が責任をもって医師・看護師を確保する必要があります。このことを国に対して強く求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、伊丹市の場合、医療のひっ迫度、療養施設の充足率は大丈夫でしょうか。お聞きします。

 第2に、ワクチンの安全で迅速な接種と一体に、感染伝播(でんぱ)の鎖を断つための大規模検査を「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」の立場で、大胆かつ大規模に行うことが必要です。事業所、学校、保育園、幼稚園、児童くらぶ等に対する大規模・定期検査を政府が主導して実行すべきです。家庭に検査キットを配るなど、自主検査を思い切って支援することも急務です。検査の拡大にあたっては、行政検査の抜本的拡充とともに、事業所などが行う集団検査に国が思い切った補助を行うべきです。医療体制強化と大規模検査を実行するうえで、保健所体制の抜本的強化も急務です。

 伊丹市でも、濃厚接触者にもかかわらず長期間検査もしてもらえず放置されている事態があります。保健所体制の強化が必要ではないでしょうか。現状をお聞きします。

 第3に、自粛要請とセットで十分な補償を行うことです。持続化給付金・家賃支援給付金の再支給と継続的支給の実現は、中小業者にとって待ったなしの課題となっています。生活困窮者への支援を抜本的に拡充します。文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場や担い手」への直接支援を拡充するとともに、国費を数千億円の単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に拡充することを国に求めるべきですが、お考えをお聞きします。

 伊丹市独自の施策も何度か求めてきました。現在、中小業者の現状をどう把握されているのか、生活困窮者への支援は十分か、文化・芸術関係者への支援は十分行われているのかお聞きします。

2)就学前教育施設、学校におけるコロナ感染対策について

 これまでの新型コロナウイルスとレベルの違うデルタ株は、子どもの感染をめぐる状況も大きく変えました。

 第1に、全国的に、これまで感染しにくいとされてきた子どもへの感染が顕著に増えていることです。10代以下の新規陽性者が7月半ばから4週間で6倍になったことは軽視できません。その中心は高校生ですが、小中学生の学習塾や保育園、学童保育でのクラスターも増えています。

 第2に、感染は “大人から子どもに伝播する”とされてきましたが、“子どもから大人に伝播する”という新たなパターンが少数ですが報告されていることです。
 第3に、政府の後手の対策と五輪の強行により、現在、「全国各地が災害レベルの状況」(厚労省の専門家会合)となっていることです。しかも保護者世代はワクチン接種が間に合っていないという問題を抱えています。全員が自宅療養となった家族で40代の母親が亡くなった痛ましい出来事は、全国の子育て世代にとって他人事ではありません。
 こうした状況で学校が再開しました。「子どもが感染し親が感染することも心配」などの不安が広がっていることは当然です。よって、デルタ株のもとでの学校の感染対策についてお聞きします。

①登校見合わせの選択や分散登校、オンライン授業などについて

 新学期が開始され、いくつかの学校で学級閉鎖されているという話をお聞きしますが、デルタ株の感染力の強さを考慮し、登校見合わせの選択や分散登校、オンライン授業などを柔軟に組み合わせて対応する必要はないのでしょうか。同時に分散登校は、保護者の減収や失職、医療従事者が出勤できなくなるなどのデメリットがあります。そうしたしわ寄せが起きないよう、必要な子どもが朝から学校で学べるような対応を徹底することが必要です。いかがお考えでしょうか。

②感染対策のため登校を見合わせる選択を検討している保護者や子どもが少なくないことへの対応について

 伊丹市の場合、7月21日付の保護者向けの連絡文書で、「出席停止扱いにするもの」として、園児児童生徒が感染した場合や濃厚接触者に特定された場合、ワクチン接種後の発熱等風邪の症状がみられるとき等6項目があげられています。感染が不安で登校できない場合に関しては「欠席扱い」とすると、昨年6月に保護者向けの連絡文書に記されています。また、昨年6月25日付の教育長からの各学校園長あての事務文書(伊教委保第481号)でも、先ほどの保護者宛連絡文書とともに、「同居者に風症状等が続いた場合に登校しない場合は、7月1日以降、欠席とする」「感染が不安で登校できない場合は、7月1日以降、欠席とする」とされるとともに、「保護者から感染が不安で休ませたいと相談があった場合」という文科省の衛生管理マニュアルを追加しています。それには、学校での感染対策等を十分説明して理解を得るよう努めるとし、その上で、感染経路のわからない患者が急激に増えている地域であるなどにより、感染の可能性が高まっていると保護者が考える合理的な理由があると校長が判断する場合には、指導要録上「出席停止・忌引き等の日数」として記録し、欠席とはしないなど柔軟な取り扱いも可能とされています。しかし、昨年の6月と言えば、第1波と第2波の中間で、ほとんど感染者は見受けられない時期で、現在と状況は全く異なります。しかも現在、伊丹市では「感染経路のわからない患者が急激に増えている地域」にあたり、その中で「感染の可能性が高まっていると保護者が考える合理的な理由」を校長が判断するとなっており、保護者の掲げる理由を校長によっては異なる判断をすることも考えられ、保護者と子どもに不安を広げることになります。さらに、このような詳細は、一切保護者には連絡されていません。

 この点では、国の通知が「同居家族に高齢者や基礎疾患がある者がいる」場合には「出席停止」欠席扱いしないなど、登校見合わせの対象を狭くしていることに原因があります。教育委員会として、広く認めるように転換し、登校を見合わせる子どもたちの学びや成長への支援を明確に位置付けることが必要と考えます。見解をお聞きします。

 また、何らかの理由で出席できない場合、タブレットによるオンライン授業も可能となっているかと思います。その場合、伊丹市は出席扱いとしていません。基本は教師との対面によるみんなと一緒に学ぶことですが、学校に行くことができない場合にはオンライン授業も出席にすることは可能と考えます。一方、不登校の場合のオンライン授業は出席扱いとなります。伊丹市も柔軟に対応すべきと考えます。オンライン授業の現状と合わせて、見解をお聞きします。

 さらに、これらの扱いが自治体によって異なっていると側聞しますが、阪神間各市の状況をお聞きします。

③学校でのクラスター対策と広範な検査を行うことについて

 コロナ感染は半数が無症状感染者からであり、無症状感染者の発見と保護が感染対策に欠かせません。このことを政府が無視してきたことが、事態の悪化を招いた一因です。従って、濃厚接触者を狭くみず、財源を国に求め、実態に応じ、学級・学年・全体など広めのPCR検査を行政検査として行うよう求めます。伊丹市の現状と見解をお聞きします。

 また、国が高校等に配付した抗原簡易キットは症状のある人への緊急のものですが、全国的に、学校現場では採取に必要な場所も防具もないなどの問題が噴出しています。無理なく活用できる対応策を具体的に示すことを求めるものですが、教育委員会の対応をお聞きします。

④コロナについての学びとコミュニケーションを重視することについて

 子どもたちは長い間我慢をしいられ、さまざまな不満を募らせています。新型コロナウイルスと感染のしくみを学び、受け身でなく自分の頭で考え納得して行動変容し、「部活動もこれなら可能では」といった自分たちの学校生活の前向きな話し合いを行うことこそ、この時期に欠かせない学びです。そうした学びの保障を求めます。また、教職員が世界と日本の研究成果などを学び、感染対策を含め討議できるゆとりを保障することを求めます。このことは、子どもや保護者がウイルスを正しく恐れることを助けることにもなります。見解をお聞きします。

 さらに、以前の市のアンケートでも、保護者の認識以上に困ったときに助けを求められない児童・生徒が多く、ストイレスを抱えていることが明らかとなっています。補正予算で不登校対策支援員の配置は行われますが、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの増員で、心のケアの強化を図ること、子どもたちの気持ちをよく聞き、子どもたちの意向を最大限尊重した対応を工夫することが必要です。伊丹市の場合は県の配置に加えて上乗せの配置をされていることは評価をしますが、コロナ禍で増員の必要性は高まっています。議案質疑での答弁は、体制の充実について今後考えるとのことですが、現在、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーは余裕を持って働いておられるのか、過重労働で逆にその人たちが疲弊するのではないかと危惧するものです。現状はどうなっているのでしょうか。そして改めて増員を求めるものですが、見解をお聞きします。

4.演劇ホールの存続をめぐる問題

 伊丹市は、演劇ホールの活用方法について、サウンディング型市場調査を行い、その用途変更も含めて検討されています。そこで次の点をお聞きします。

1)伊丹市の文化政策について

 伊丹市は2018年に、従来の「文化振興ビジョン」を発展させて「伊丹市の文化振興施策にかかる指針」を策定されています。

 その「指針」では、演劇ホールの評価について、その専門的かつ独自性の高い事業展開に対して「地域創造大賞」や「文化庁芸術祭優秀賞」の受賞をはじめ各方面から高い評価を得ていること、また、市内中学校や高等学校へのアウトリーチによるコミュニケーション教育に力を入れていることとともに、一方では市民の認知度は十分とは言えず、今後市民へのアプローチを一層進めていく必要性が述べられています。
 そして基本方針では、文化芸術が身近にあるまちをめざすとされ、文化施設の活用に関しては、潤いと誇りを感じることのできる心豊かな生活を実現するための機能を担い、常に活力ある社会を構築するための役割を担っているとの「劇場法」を引用し、人と人が出合いつながる場所として文化施設を活用するとしています。そして、社会包摂としての鑑賞支援も明記されました。
 さらに、他では味わえない事業を展開するとして、美術館・工芸センターの展示や柿衞文庫の俳諧俳句資料とともに、演劇ホールの演劇、ダンス公演を挙げられ、歴史を感じられる場所の活用とともに、伊丹ブランド構築の一翼を担うとされています。また、2016年12月議会での私の文化政策に関する質問に対して、平田オリザ氏の講演での文化格差が地域格差につながることを危惧する旨を引用し、本市では多くの文化施設があり、各館の個性的な事業展開、アウトリーチ活動などにより、芸術文化に触れられる多様な機会の提供があり、ゆくゆくは選ばれるまちにもつながっていくものと考えていると答弁されました。
 一方、「指針」では、公共施設マネジメントに基づき施設の有効活用を図るとして、財政上の問題とともに市民のライフスタイル、施設使用形態の変化も鑑み、事業・機能の集約や運営主体・形態の変更等、より機動的な活用方法について検討すると書かれています。

そこで、次の点をお聞きします。

①「指針」策定から3年が経過しようとしていますが、その「指針」のまとめとして「終わりに」に書かれている「本市の文化施策の大きな役割を占める文化施設が、個々にとって新たな居場所として心のよりどころになってもらえるような施設でありたい」「その居場所とそこにある演劇や音楽、美術等が今、広がっている地域間、世代間の壁を埋め、人々の心のつながりや相互に理解し、尊重しあう土壌を提供し、心豊かな社会を形成する一助となるよう、『文化芸術がそばにあるまち』を目指し、施策を進めていく」とされていますが、演劇ホールが果した役割を中心に策定後3年間の評価をどうされているのかお聞きします。

②「指針」で「市民のライフスタイル、施設使用形態の変化も鑑み、事業・機能の集約や運営主体・形態の変更等、より機動的な活用方法について検討する」とされていることに関して、今回の施設の有効活用を検討するに至る契機となったのは何かお聞きします。

2)当局が進める演劇ホールの有効活用の検討についてです。

 伊丹市は演劇ホールの有効活用の検討として、国土交通省のサウンディング調査に2回参加し、独自の同調査も行い、その経過を報告されています。そしてさらに演劇ホールの活用に関する市民意識調査も行われています。その伊丹市による検討に関してお聞きします。

①演劇ホールが使用形態の見直しの対象となる評価に関して、市民利用率が低いことをあげていますが、これは逆に市外からの来客者が多いことも示しています。このことを、市民の利用率が低いことをもって利用者一人当たりのコストを割り出すことには疑問があります。「伊丹ブランドの構築」という側面ではどう評価されるのでしょうか。

 また、利用率の算定は公演・講座利用者へのアンケートによるもので、回収率がどのくらいになるかわかりませんが、正確な数字とは言えず、「市民利用15%」と言い切るには問題があると思います。いかがでしょうか。この利用者にはアウトリーチ活動やアイフェス、演劇ワークショップへの参加は含まれているのでしょうか。

 さらに、いたみホールと音楽ホールとの比較もされていますが、施設(メインホール)の利用目的が異なることから比較すること自体が問題です。他市の演劇ホールとの比較はどうでしょうか。以上お聞きします。

②収入の分析で、イベントホールの減免率が高いことを指摘されていますが、貸館利用が少なく、イベントそのものが主催・共催事業等が99%を占めていることから、減免規定を適用すれば当然の結果です。これは文化会館大ホールでも、音楽ホールでも同様の減免規定です。貸館で演劇等のイベントをする場合、観客数が200名までと限られ、採算が困難になる経験をしましたが、このことから指定管理料が高くなることになっているのではないでしょうか。

 また、年間9,000万円の費用がかかっていると言いますが、これも伊丹ホールと音楽ホールのメインホールとは性格が異なることから、他市の演劇専門ホールとの比較が必要ではないでしょうか。以上に対する考えをお聞きします。

③伊丹市は早々に演劇ホールの活用に関する市民意識調査を実施されています。

 なぜそんなに急ぐのかという疑問はぬぐい切れません。確かに演劇ホールは市民の認知度は低いかもしれませんが、今回の伊丹市によるサウンディング型市場調査や関係者・市民からの署名運動等によって、演劇ホールを中心に文化施設のあり方について市民的な議論が始まったと言えます。その途上で調査をすることは十分市民の間で考え、議論する間もないまま、「やっぱり認知度が低い」と判断し、用途変更へと導くのではないかと危惧をするところです。

 市民からも「課題と魅力を知って、存続させるべきか考える時間と機会が欲しい」と言われています。そしてなぜ急ぐ必要があるのか、いつまでに結論を出そうとしているのか、市民や関係者の間で十分時間を取って議論する必要があると考えますが、見解をお聞きします。

④伊丹市が演劇ホールの活用方法についてサウンディング型市場調査を行い、その用途変更も含めて検討するとの報道を受けて、いち早く声をあげたのが演劇関係者と市内中学校高等学校演劇部OBOG会、そして市民の方たちです。

 演劇関係者から「日本全国及び海外の優れた舞台芸術作品を上映してきた。その舞台芸術の拠点を失うことは、市民にとっても、関西の多くの人にとっても舞台芸術作品を享受できる機会を失うことになる」OBOG会からは「演劇ができる、学ぶ場所をなくすのは子どもたちの表現の場を取り上げるようなもの」、市民からは「レアなホールですのでぜひとも残してほしい。もっと市民が使いやすい利用形態を考えてもらいたい」などの声が紹介されています。この声をどう受け止められるのでしょうか。

 財政負担に関しては、演劇ホールのままで機能維持のために改修するにしても、大規模に用途を変更するにしても、いずれも財政負担はかかります。問題はイニシャルコストで、優れた舞台芸術の上映や中高生を中心としたアイフェス等を残しながら、利用形態等を工夫して、コストを削減する方向を考えるべきではないでしょうか。見解をお聞きします。

5.自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)について

 先の6月議会で、市長の所信表明の中で、「日本社会でのデジタル化の遅れから、国はデジタル化の司令塔となるデジタル庁を今年9月に始動させ、自治体システムの標準化や共通化を進め、業務の効率化や住民サービスの向上を進めている」と紹介されたことから、様々な懸念を示して見解をお聞きしました。

 その時指摘しましたが、情報通信などのデジタル技術の進歩は、本来人々の幸福や健康に資するものであり、その方向で進むべきものです。また、デジタル化は行政手続のオンライン化など効率的運用に寄与する側面もあります。しかし、可決された6つの法律から成るデジタル関連法は、個人情報の一元化とオープンデータ化や国・自治体の情報システムの共同化・集約、マイナンバー制度の利用・拡大、強力な権限を持つデジタル庁の設置という4つのツールを設け、データ利活用をさらに使いやすい仕組みにしようとするもので、中でも行政機関等の非識別加工情報制度や自治体システムの統一・標準化は問題ありとして市長の見解を質しました。
 市長は「情報システムの標準化・共通化や、マイナンバーカードの普及促進、行政手続のオンライン化などを、国全体で進められる行政のデジタル化と連携を図りつつ、個人情報の保護やセキュリティーの確保を確実にした上で、デジタル機器の不慣れな方への支援を行い、誰もが安心して参加できる伊丹市のデジタル・トランスフォーメーション戦略を策定し、市民生活の質の向上と持続可能な行政サービスの提供の両立を実現してまいりたいと考えております」と答弁されました。

 その直後、7月10日には「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進手順書」が公表されました。その「手順書」では、全国の自治体に対し、2022年度までに児童手当や保育所の利用申し込みなど31の行政手続きのオンライン化と、25年度を目標に介護保険、生活保護、国民年金など17業務の情報システムを国が示す基準に標準化・共通化するよう求めています。そして、行政が持つ様々なデータを企業が活用できるよう提供し、ビジネスの創出を期待するなどとしています。そこで、次の点をお聞きします。

①児童手当や保育所の利用申し込みなど31の行政手続きのオンライン化はどのように進められているのか、またどこまでオンライン化されようとしているのか、お聞きします。

②年度を目標に介護保険など17業務の情報システムを国が示す基準に標準化・共通化するとされていますが、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」では、「標準化に適合するものでなければならない」と定められており、6月議会でも指摘した自治体の独自施策は残らないのではないかと危惧するものです。「手順書」ではどうなっているのでしょうか。

③外部人材の活用については伊丹市では委託契約をされています。国の要綱では、信用失墜行為の禁止や守秘義務、職務専念義務に関する事項を定めるとしていますが、公務員と違って法的拘束力はありません。また、利益相反な行政のゆがみの温床となることが懸念されますが、見解をお聞きします。

6.児童・生徒の健康について

 全国保険医団体連合会は、新型コロナウイルス感染症拡大により、必要な医療を受診できない児童・生徒がいるという調査結果を発表しました。この調査は、2月から3月にかけて実施され、学校による健診後の治療の実態を調べたもので、全国31都道府県の小中学校と特別支援学校が対象とされています。受診率は調査対象の歯科、眼科、耳鼻科、内科の全科で増加しているとされました。

 私は依然、学校での歯科検診の結果で要受診とされた子どもの受診状況について聞いたことがあります。健診後の治療につながらない背景には、「健康に対する親の理解不足」や「共働きで時間がない」「経済的困難」などがあげられます。今回の調査では、その状況が改善されない中で、コロナ感染を恐れた受診控えが加わったと考えられ、子どもを取り巻く健康状況に不安があります。

 伊丹市の状況はどうでしょうか、また受診率向上にどのような対策を取られているのでしょうか、お聞きします。

 

2021年6月議会 代表質問 上原秀樹

2021年6月議会 代表質問

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長の情勢認識に対して

1)新型コロナウイルス感染症対策について

 コロナ感染の第4波が広がり、兵庫県でも3度目の緊急事態宣言が発令され、現在6月20日まで延長されています。なぜ宣言が繰り返されるのかが問題です。

 5月20日、日本共産党は「コロナ封じ込めを戦略目標にすえ、ワクチンの安全・迅速な接種、大規模検査、十分な補償と生活支援の3本柱での対策を強化する」という「緊急提言」を出しました。

 日本におけるワクチン接種は、世界的に120位程度で極めて遅れています。その中でも伊丹市は進んでいるほうですが、それにしても60歳未満の対象者が終了するには秋以降になるとのことですし、感染抑止の社会的効果が得られるまでには一定の時間がかかります。その間、第5波が起きない対策、すなわちコロナウイルス感染を封じ込める対策が必要となります。

 コロナ封じ込めについては、3月議会でも指摘をしました。すなわち、「コロナ感染の特徴の一つが無症状で感染することにあります。日本の今までのやり方は、新型コロナの市中感染をある程度容認しながら、GoToトラベル等経済活動を継続させようとしており、流行を完全に封じ込めないがために、何度も感染が広がり、そのたびにロックダウンや緊急事態宣言発令に追い込まれる、というものです。結局この方法を繰り返せば、再び経済活動が止まり、国民は大きなダメージを抱えることになります」と。当時はすでに2回目の緊急事態宣言が解除された直後でしたが、結局その後、第4波の波が押し寄せ、3度目の緊急事態宣言が出され、医療体制はひっ迫し、多くの尊い命が奪われました。現在は変異株が急速に広がり、重症化の傾向にあります。新規感染者数の減少に伴って、検査数も減少しているいまこそ、検査を拡大することによって感染を抑え込むことが重要と考えます。

 市長は、ワクチン接種を加速化させることで感染の抑え込みを図るという政府の方針を述べておられますが、政府の検査体制のままで感染を抑えることができるとお考えでしょうか。ワクチン接種と同時に、モニタリング検査などのPCR検査や抗体検査を無症状者に焦点を当て、大規模に検査体制を拡大することが必要と考えますが、市長の菅政権の感染対策について、見解をお聞きします。

2)「デジタル庁」設置(デジタル関連法)とデジタル化政策について

 市長は所信表明の中で、日本社会でのデジタル化の遅れから、国はデジタル化の司令塔となる「デジタル庁」を本年9月に始動させ、自治体システムの標準化や共通化を進め、業務の効率化や住民サービスの向上を進めるとしていることを紹介されました。

 国のデジタル化政策に呼応して、伊丹市でも本格的に行政のデジタル化を進めようとされています。情報通信などのデジタル技術の進歩は、本来人々の幸福や健康に資するものであり、その方向に進むべきものです。また、デジタル化は行政手続きのオンライン化など効率的運用に寄与する側面もあります。しかし、可決された6つの法律からなるデジタル関連法は、①個人情報性の一元化とオープンデータ化、②国・自治体の情報システムの共同化・集約、③マイナンバー制度の利用拡大、④強力な権限を持つデジタル庁の設置という4つのツールを設け、データ利活用をさらに使いやすい仕組みにしようとしているものです。

 菅政権が進めようとしている「デジタル改革」は、マイナンバーカードの普及を軸に、本人同意もなく目的外利用し、外部提供をして国家による個人情報の一括管理を強め、企業がそのビッグデータを活用することで、経済成長を促すという国家戦略に立っています。すでに2017年から始まった行政機関等の「非識別加工情報」制度は、行政機関等がどのようなデータを持っているかという「個人情報ファイル」を公表して、提案の審査・契約を得て、行政機関等が非識別加工した情報を作成し、民間事業者へ提供することにしています。その中には、横田基地騒音訴訟の原告情報や国立大学生の授業料免除に関する情報などが含まれていました。

 さらに、自治体システムの統一・標準化は、自治体独自の施策が消滅する可能性があることや、個人情報保護法の改定では個人の保護体制を大きく改変して規制緩和を狙うものとなります。また、行政窓口では助言や相談など人と人の対面によって一人ひとりの実態に沿ったきめ細かなサービスが求められることが多くあり、デジタル化だけで行政サービスの質も向上にはつながりません。「デジタル格差」が広がることも懸念されます。今後の課題として、無批判に国の進めるデジタル化政策を進めるのではなく、コロナ禍で明らかになった通り、必要な職員体制の確保や労働条件の改善など、公務・公共体制を拡充し、市民の権利を保障することが必要と考えるものです。

 そこで、市長はこのようなデジタル化推進政策についてどうお考えでしょうか、お聞きします。さらに、今議会に提案されている、議案第49号「伊丹市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定」及び議案第50号「伊丹市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例の制定」は、いずれもデジタル関連法の制定によるものとなっていますが、どのような法改正のもとに条例を改正されようとされているのかお聞きします。

3)核兵器禁止条約の批准を国に求めることについて

 核兵器の全廃を求める被爆者をはじめとする国際的な世論の高揚の中で、2017年7月、122カ国という圧倒的多数の国々の賛成で核兵器禁止条約が採択され、2021年1月22日に発効となりました。現在、署名国が84カ国、批准国が54カ国となっています。日本政府はこの条約が採択される国連会議には核保有国等とともに参加せず、唯一の戦争被爆国としての役割を放棄しました。

 今年は、締結国会議が開かれ、条約参加国が「核軍備縮小のためのさらなる措置」について検討し、決定されることになります。また、延期されていた核不拡散条約再検討会議も開かれ、核保有国も参加して、この条約の第6条で義務付けられた核軍備縮小撤廃の交渉を行い、2000年に核兵器保有5大国が核兵器廃絶の「明確な約束」などに合意しているなかで、この約束を果たすことが核兵器保有5大国に求められることになります。

 このような核兵器禁止に向けて加速している国際情勢の中で、唯一戦争被爆国である日本政府が禁止条約に背を向け続けていることに世界から疑問の声が上がっています。

 伊丹市の「平和都市宣言」では、「世界は恐ろしい核兵器をなくし、むごたらしい戦争のない社会をつくろうと、ようやく歩み始めました」と書かれています。伊丹市議会が、1990年9月14日にこの宣言を採択して以来、昨年で30年になりました。今、まさに「恐ろしい核兵器」をなくす第1歩が記されようとしています。このことからも、伊丹市長として、核兵器禁止条約の署名・批准を日本政府に求める意義は大きいと考えますが、市長の見解をお聞きします。

2.伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策について

1)ワクチン接種について

 市長の所信でも述べられましたが、伊丹市におけるワクチン接種は一定落ち着いて順調に進められているとのことです。

 しかし、全国共通ですが、電話予約には混乱が生じ当初、多くの市民から苦情の電話が党議員団にも入り、5月7日には市民の声を緊急要望書として提出したところです。

 ① その中で、要望をしても具体的な改善の返答がなかった問題について、お聞きします。2回にわたって提出した「予約が行われている70歳以上の人で、自宅で寝たきりの人や障がいがあり外出できない人など、福祉的対応をしている人の予約状況はどうなっているのか。またその方法をどうお考えか」という問題で、回答は「福祉的対応をしている方の詳細な予約状況は把握いたしておりませんが、ワクチンの接種を希望される方が漏れなく予約できるよう関係団体と対応していく予定です」とされました。その後、難病患者も含めた福祉的対応をしている人の詳細な状況は把握されているのでしょうか。また、その具体的な対応、予約したくても予約できない人の状況がある場合の対応についてお聞きします。

 ② 現在、昨日から予約が始まっている対象者は、50歳から59歳の人、基礎疾患がある人、高齢者施設などの従事者となっています。他の自治体では、保育士や小中高等学校の職員も対象にされているところがありますが、伊丹市ではこれらの人はいつ接種されるのでしょうか。また、それぞれの年代の対象者の接種予定はいつ示されるのでしょうか。(時間の関係で削除)

 ③ 練馬区モデルとして一定評価をされ、紹介されている取り組みがあります。ここでは接種体制のメインを診療所での個別接種にし、それを集団接種会場でカバーする方法を取られています。身近で顔なじみの診療所で接種ができるとの安心感が大きいと言われています。このことは、地域ごとにその地域の医療資源が多いのか少ないかによるとともに、地元医師会の協力がなければできないことであり、地域の実情に応じたもっとも最適な方法を、行政と医師会等の連携で模索しなければなりません。

 現在進行中ですが、変異株が次々と現れる中で、今後とも大規模なワクチン接種の可能性もあることから、一定の検証が必要と考えますが、現時点での見解をお聞きします。

2)PCR検査等の検査体制を拡充することについて

 議長を通じた党議員団の要望に対してすでに当局から答弁があった通り、兵庫県の方針は、介護施設・事業所等における新規入所(入居)予定者及び新規採用予定職員に対し、PCR等検査継続実施を行っていること。さらに、感染多数地域の高齢者入所施設の従事者を対象とする集中的検査の範囲を拡大し、高齢者・障がい者入所施設の従事者を対象とした集中的検査を実施しているとされています。また、医療機関や社会福祉施設、学校などで陽性者が確認され、感染の拡がりが疑われるなど、クラスターの発生が懸念される場合には、濃厚接触者以外も幅広く関係者を対象として検査を実施するとしていること。さらに、感染拡大の早期探知のためのモニタリング検査は、無症状者1,000人/日程度を目途に神戸市中央区で当面実施し、順次、検査場所を拡大するとしています。

 しかし、これらコロナ感染を封じ込めるための検査体制は不十分と言わざるをえません。そこで、

 ① 高齢者施設、医療機関・障害福祉施設の職員・入所者への頻回検査を、最低でも週1回にするなど拡充し、保育園、学校などにも対象を拡大する。

 ② 無症状者に焦点をあてた幅広いPCR検査(モニタリング検査)を大規模検査に広げることによって、感染の封じ込めをはかる取り組みに本腰をいれる。

 ③ 体調が悪いなどわずかでも症状のある人に短時間で結果が出る抗原定性検査を実施し、陽性であれば同じ職場の人全体にPCR検査を行うなどの手法を併用する。

 以上が提案です。市長はワクチン接種が新型コロナウイルス感染症収束への切り札と期待されていますが、検査の拡充と合わせて対策をとることが必要と考えます。検査体制の主体は兵庫県であることから、県に対して検査の規模と対象を思い切って拡大する取り組みの具体化をはかるように要請すべきです。兵庫県が十分検査体制を拡大しないのなら、伊丹市が独自に検査体制を拡大することを求めますが、見解をお聞きします。

3)中小企業・零細業者への支援について

 新型コロナウイルス感染が広がり、1回目の緊急事態宣言が出されてから1年半以上が経過し、現在3回目の宣言下にあります。ウイルスを封じ込めることができず、菅政権によるコロナ対策の無為無策の中で、いかにして日本経済の中心的存在である中小・零細業者の営業と暮らしを守るのかが問われています。

 今まで国の対策として、休業要請支援金や持続化給付金、家賃支援給付金などが出され、伊丹市独自にも家賃補助、上下水道基本料金免除、デリバリー・テイクアウト支援等を行い、現在は国の対策として飲食店等を対象に「感染防止協力金」が行われています。しかし、国の対策の多くが売り上げ50%以上の減少が対象で、手続きが複雑なうえ、売り上げが2割減っても従業員の給料や家賃等の固定費は支払わなければならず、苦境に追い込まれました。また、「感染防止協力金」は飲食業の許可があり、午後8時以降も営業している店舗が午後8時までに短縮した場合などに限られ、支給要件によっては対象とならなかったり、支給時期が遅かったり、加えて飲食店以外の業種との分断も見られるようになっています。

 今年4月に発行された兵庫県中小商工業研究所によるリーブレポート(調査時は昨年10月から11月)によると、市内業者で、内装工事業者の売り上げ10割減、自転車・単車の小売業者で売り上げ7割減、飲食、リフォーム、プレス加工業で5割減をはじめ、クリーニング、金属加工で4割減など軒並み3割を超える売り上げの減少がみられます。国の対策の支給要件が厳しく、持続化給付金の1回のみ、頼みの公的融資も2度目以降の審査が厳しく借り入れを断念せざるを得ない業者もおられます。

 そこで、①当局として、市内中小・零細業者の実態をどのように把握されているのでしょうか。②また、国に対して、支給要件を緩和したうえでの持続化給付金、家賃補助を再度行うことを国に求めるとともに、市独自の対策、例えば家賃補助、上下水道基本料金免除、公的融資制度の融資枠の拡大等を行うべきと考えますが、見解をお聞きします。

3.病院統廃合に関する問題

1)近畿中央病院跡地への医療機関誘致について

市長は所信で、「近畿中央病院の跡地には、地域の医療ニーズに対応した回復期機能を有する医療機関が誘致できるよう、公立学校共済組合と協議し、地域完結型の医療供給体制の充実に向けた取り組みをすすめます」と述べられました。

 2025年の新病院開設まで約4年となりました。地域の医療ニーズに対応した回復期機能を有する医療機関を誘致するとともに、近中跡地の医療空白をなくすためにも様々な検討されなければなりません。そこでは共済組合と新たな医療機関、県、市との十分な協議が必要となり、そのためには共済組合が早い時期に土地の提供を決断していただくことが前提となることは言うまでもありません。

 そこで、空白期間をできるだけ生じさせないための一つの提案です。

 第1に、伊丹市の働きかけによって、公立学校共済組合が新たな医療機関誘致のための土地を譲渡等により提供する意志を早急に固めること。誘致する病院の機能等を踏まえた面積も含めて明らかにしなければなりません。第2に、伊丹市と医師会等の協議によって誘致する医療機関、病院を決めること。第3に、約4年後には新市立伊丹病院開院と同時に近畿中央病院はなくなりますが、その後、空白となる現病院の一部を使って新規医療機関がその場所で開院できるようにすること。第4に、開院した医療機関部分を残し、駐車場等を使って新たな病院を建設し、移転することで、可能な限り空白を生じない計画は可能と考えます。

 以上に対する見解をお聞きします。

4.子育て支援について

1)子どもの医療費の中学卒業まで無料化

 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によりますと、親などが貧困の状態にある家庭で育つ18歳未満の子の割合をしめす日本の子どもの貧困率は13.5%、約7人に1人の子どもが「貧困ライン」を下回っています。なかでも深刻なのがひとり親世帯です。貧困率は48.1%、ひとり親家庭の半数近くの子どもたちが貧困状態にあることを示しています。主要国36カ国中最悪の水準です。

 このようなもとで、国と地方自治体は、憲法と国連子どもの権利条約にもとづき、子どもに健康で文化的な生活と明日への希望をもてる施策を行わなければなりません。子育て世帯の困窮を解決し、くらしと育児を応援する総合的な対策をすすめるため、国と自治体の責任で、子ども医療費の無料化、小中学校給食の無償化、児童手当の拡充、「高校生等奨学給付金」の拡充、大学・短大・専門学校の学費の段階的無償化、給付奨学金の抜本的拡充などをすすめることが必要です。

 ここでは子どもの医療費の中学卒業まで無料化についてお聞きします。

 3月議会での日本共産党の久村議員の中学3年生までの無料化を求める質問への答弁では、「不要不急の受診行動を促進し、想定以上の財政負担が生じることが懸念される。約1億5千万円のランニングコストが必要」とされたところです。

 しかし、実際に不要不急の受診行動を促進するのかどうかが問題です。実は、2019年兵庫県保険医協会が調査をされています。その内容は、兵庫県下の休日・夜間応急診療所の受診状況で、2012年と2017年の子どもの年間受診回数を比較するものです。2012年度には中学3年生まで医療費が無料とされた自治体は10自治体で、その当時の15歳未満の子ども一人当たりの年間受診回数は、0.18回でした。2017年度には医療費無料化の自治体が35自治体になりましたが、年間受診回数は0.19回で、ほとんど変化はありません。この調査では当局の答弁、「不要不急の受診行動を促進する」という事実はありません。

 このように、実際には科学的に検証できない「不要不急の受診行動」を強調する背景には、子どもの医療費無料化をしない口実とするとともに、国民に心理的圧力をかけやすいからと理解できます。当局の「不要不急の受診行動を促進する」という科学的根拠をお聞きします。

5.新型コロナ感染対策と地域産業の振興について

1)新たな「伊丹市産業振興ビジョン」策定について

 「伊丹市産業振興ビジョン」策定に関しては、本来今年度から新たな「ビジョン」がスタートする予定でしたが、新型コロナウイルス感染の拡大の中で「農業振興基本計画」とともに「ビジョン」策定が延長されました。

 今後の産業振興ビジョンを策定するにあたっては、先ほど述べました新型コロナウイルス感染による中小・零細事業者に対する営業と暮らしを守る対策に全力を挙げるとともに、いかにしてコロナウイルス感染拡大による不況から脱出して、地域経済を発展させるのかが大きな課題となります。今後も新たな感染が広がる可能性もある中での対策も必要となります。その中で、「3密を避ける行動様式」の模索が続く中で、個人の消費行動も大きく変わってきています。それに対応する業者もオンライン化などを模索し、デリバリー・テイクアウトなど新たな努力もされています。消費者である給与所得者も事業者も年金生活者も収入が減少する中で、生活費削減に努める傾向も強まるなど生活様式が変化しています。

 この先行きが見えない中で、世界的には消費税の減税や高額所得者・大企業への増税が打ち出されていますが、菅政権にはその意志は見られません。

 このような状況での「ビジョン」策定は、従来通りの「ビジョン」を充実することに加えて新たな視点が必要かと思います。改めて事業者への聞き取りを含めた実態を調査すること、コロナ禍で広がった生活様式の変化に事業者が対応するための支援策、以前に当局が提案されていた地域内経済循環を重視した視点を改めて強化するなどが必要と考えます。

 今後の「ビジョン」策定をどうお考えなのかお聞きします。

6.教育基本方針から

1)「主体的・対話的で深い学び」と全国学力テストについて

 教育長は教育基本方針の中で、「『主体的・対話的で深い学び』については、…知識や技術の習得だけでなく、自分の頭で考え、判断し、自分の言葉で表現できる力、学びに向かう力、人間性を育成するために、子どもたちが学びの主体となる『主体的・対話的で深い学び』を実践します」とされました。そのことと、全国学力学習状況調査、いわゆる全国学力テストを毎年悉皆調査として参加されていることについてお聞きします。なお、日本共産党は一貫して、調査をするなら3年程度ごとの抽出調査で十分であり、年間50億から60億円かけて調査することより、30人以下学級実施など教育環境整備に回すべきであることを主張しています。そこで、

 ① 2019年の「伊丹市の学力の現状と対策」では、学習状況調査と学力テストの関係で、「アクティブラーニングと平均正答率との相関が明らかに高い」とされています。主体的に学ぶ子供は成績がいいということでしょうが、そんなことは教職員が一番よく知っています。あたり前のことを毎年調査しなければならないのでしょうか。

 ② 主体的・対話的な授業を実施していると答えた児童・生徒と教職員との差を課題とされています。その差はかなり開いていますが、その原因はどこにあると分析されましたでしょうか。1学級における児童・生徒が多すぎて、子どもにとっては主体的・対話的な授業に物足りなさを感じているのでしょうか。

 ③ 毎回学力テストの結果が返されるのが忘れたころの3から4か月後となります。「現状と対策」では、出題傾向と課題、対策が載せられていますが、これをどんな形で活用して教職員は主体的・対話的な授業を行うのでしょうか。それとも来年の学力テストで点数を上げるための「傾向と対策」として活用されているのでしょうか。

 以上、お聞きします。 

2)「開かれた教育課程」について

 教育長は教育基本方針の中で、学校を支える組織体制の整備について、学校運営協議会と地域学校協働活動を一体的に推進するための持続的な体制整備、「コミュニティ・スクールの充実」に取り組むとされ、そのセカンドステージへのステップアップを図るなどとされています。

 ではファーストステージはどのような到達と評価されているのでしょうか。コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みで、ここでは、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことができるとされています。この観点からの評価をお聞きします。

(2回目の発言 予定)

1.市長の情勢認識に対して

2)「デジタル庁」設置(デジタル関連法)とデジタル化政策について

 情報通信など、デジタル技術の進歩は歓迎するべきことであり、自治体においても、この技術を有効に活用することは必要です。しかし、現在、菅政権のもとで進められているデジタル改革は、先ほど1回目の発言で述べた通り、その目的は、国と自治体の膨大な個人情報を、企業などが「利活用」しやすくすることであり、そのために個人情報の保護が緩和されることなど重大な問題がある。また、自治体システムが事務処理に使う情報システムの「共同化・集約化」については、住民の多様な要望に応えるための自治体独自の施策を行うための仕様の変更は、「無くすことが重要」との方針を閣議決定している。ある自治体では、上乗せ・横出しの施策は、法律施行後は抑制されるとの答弁もあります。

 今回条例改正もありますが、委員会でさらにお聞きするとともに、本格的な改正は2年以降なので、この間、当局におかれてはこれらの問題を十分研究していただきたい。

3)核兵器禁止条約の批准を国に求めることについて

 市長の答弁は、国の専管事項なので答弁できないと繰り返されている。しかし、伊丹市も加盟している日本非核宣言自治体協議会の昨年度の総会決議は、「唯一の戦争被爆国である日本政府は、北朝鮮による核ミサイル開発などを理由に、核兵器禁止条約と距離を置く姿勢を示しているが、条約が発効する今こそ、核軍縮政策の転機と捉え、条約への署名・批准を目指し、行動していくことを求める。」とされている。せめて、日本非核宣言自治体協議会を通じて国に対して条約への署名・批准を求める、という姿勢があってしかるべき。

2.伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策について

3)中小企業・零細業者への支援について(再質問)

 様々なデータを見ても厳しい経営状況が継続している。
 答弁された「一時給付金」も「月次支援金」も、飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上が50%以上減少した事業者等に給付する制度で、いずれも50%以下の売り上げ減は対象とならない。

 独自施策も新たなものは「お買物券事業」だが、業種が限られるとともに、事業の開始時期が問題となる。全業種に共通なものは、営業用の家賃や固定資産税、上下水道料金などがある。答弁では、対象となる事業者の範囲や支給要件等を検討する必要があるとされたが、たとえ宣言が解除されたとしても現状の苦境がすぐに回復できるものではない。このことを踏まえて、独自施策を実施する余地があると考えるが、改めて答弁を。

3.病院統廃合に関する問題

1)近畿中央病院跡地への医療機関誘致について

 近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致に関して、市長が誘致できるよう協議すると言われても、共済組合が土地を提供すると言ってもらわないと先に進まない。近隣住民はそこに不安がある。市長は直接共済組合本部に行かれたが、その後どんな協議がされているのか、見通しはあるのかなど、今後議会にも市民にも明らかにしていただきたい。

4.子育て支援について

1)子どもの医療費の中学卒業まで無料化

 答弁では、伊丹市と他市の事例から医療費助成の対象を拡大することで受診回数が増えると。しかし、そのことが不要不急の受診行動であるとの科学的根拠にはならない。質問であげた休日・夜間応急診療所の例は、保護者の緊急対応の場合で、いわゆる、軽症でも夜間・休日を問わずに受診する「コンビニ受診」を生じているというものはないということ。別の全国的な調査では、助成対象が増えても救急外来は減少している。これは助成制度の拡充によって必要な受診が確保されたために疾病の重症化が防止された結果であるという分析もされている。答弁でのすべての診療におけるデータによると、医療費が無料かどうかで受診するかどうかを判断しているということだが、医療費が無料若しくは助成制度が拡充したことによって、受診の機会が増えることで、中には重症化を防ぐことにつながっているとも考えられる。

 かつて低所得者層ほど口腔崩壊の子どもが多いことも質問したことがあるが、

 いずれにしても、財政負担が増えることは明らかである一方、子どもの命と健康を守るうえで必要な事業には変わりなない。ぜひ実現に向けて検討していただきたい。

6.教育基本方針から

1)「主体的・対話的で深い学び」と全国学力テストについて

 「主体的・対話的で深い学び」と全国学力テストについて、どういう関連付けをされているのか、3点お聞きをした。「主体的・対話的で深い学び」とは、暗記型でなく子どもたち同士で話あいを行う「豊かな学び」のことを言っていると思う。そのことと毎年の全国学力テストの結果に基づく教育を重視することとは結びつき難い。

 深い学びというなら、すべての子どもが大事なことがよく分かるまで学べるように、例えば教員の多忙化を解消する、少人数学級を急ぐなどの条件整備すること、また学習内容を精選し、創意工夫した授業ができるような研修・研究と教員の自主性の保障こそ行うべき。

 全国学力テストの目的は「全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析」することとされた。それならば毎年悉皆調査をする必要はない。しかし参加していることを踏まえるならば、毎年の点数に振り回されることなく、「豊かな学び」を子どもといっしょにつくることに力を入れていただきたい。

2)「開かれた教育課程」について(再質問)

・学校運営協議会で子どもたちのことを中心に様々な立場の人が話し合いをすることはいいこと。ファーストステージからセカンドステージに移るうえでの課題も理解できる。

・では、「子どもの権利条約」の立場からみて、子どもたちの意見はどのようにして聞いておられるのか。小学生であっても学校のことをいろいろ考えているし、まして高校生となったら学校のことも社会のことも様々な意見を持っている。 たとえば校則のことを中心に学校、地域、保護者と一緒に子どもと意見交換をするなどの取り組みはされているのか。お聞きする。

日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 6月議会始まる

日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 2021年6月12日

 日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 ダウンロードはこちら(PDF)

2021年6月議会始まる(6月7日~30日まで)

上原議員が代表質問(15日午後1時~)

質問要旨

1.市長の情勢認識について

1)新型コロナウイルス感染症対策について

 市長は、ワクチン接種を加速化させることで感染の抑え込みを図るという政府の方針を述べておられるが、モニタリング検査などのPCR検査や抗体検査を無症状者に焦点を当て、大規模に検査体制を拡大することが必要と考えるが、国の感染対策に対する見解を問う。

2)「デジタル庁」設置(デジタル関連法)とデジタル化政策について

 菅政権が進めようとしている「デジタル改革」は、国家による個人情報の一括管理を強め、企業がそのビッグデータを活用することで、経済成長を促すという国家戦略に立っているなどの問題があるが、その見解を問う。

 議案第49号、第50号の条例改正の目的を問う。

3)核兵器禁止条約の批准を国に求めることについて

2.伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策について

1)ワクチン接種について

①福祉的対応をされている人へのワクチン接種について
②学校教職員や保育所職員へのワクチン接種はどうするのか。
③今後のワクチン接種を想定した現時点での評価について

2)PCR検査等の検査体制を拡充することについて

3)中小企業・零細業者への支援について

3.病院統廃合に関する問題

1)近畿中央病院跡地への医療機関誘致について

 伊丹市として、公立学校共済組合が近畿中央病院跡地に新たな医療機関を誘致するための土地を提供する決断を急ぐように求めるとともに、医療空白期間を可能な限りなくす計画を立てることを求めるが、見解を問う。

4.子育て支援について

1)子どもの医療費の中学校卒業まで無料化することについて

 子どもの医療費無料化を中学校卒業まで広げることで、不要不急の受診行動を促進する科学的根拠を問う。

5.新型コロナウイルス感染症対策と地域産業の振興について

1)新たな「伊丹市産業振興ビジョン」策定について

 感染拡大による消費者、事業者の実態を見据え、事業者への聞き取りを含めた実態を調査すること、コロナ禍での生活様式の変化に事業者が対応するための支援策、地域内経済循環を重視した視点を改めて強化するなどが必要と考えるが、見解を問う。

6.教育基本方針について

1)「主体的・対話的で深い学び」と全国学力テストについて

①「アクティブラーニングと平均正答率との相関が明らかに高い」ことについて
②主体的・対話的な授業を実施していると答えた児童・生徒と教職員との差について
③テスト返還後の「傾向と対策」と「主体的・対話的で深い学び」について

2)「開かれた教育課程」について

 コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の現時点での評価について

2021年6月定例会の日程

7日 月曜日 本会議(招集日) 所信表明、補正予算等説明
14日 月曜日 本会議(第2日) 代表質問
15日 火曜日 本会議(第3日) 代表質問
16日 水曜日 本会議(第4日) 個人質問
17日 木曜日 本会議(第5日) 個人質問
18日 金曜日 本会議(第6日) 個人質問・常任委員会付託
21日 月曜日 予備日
22日 火曜日 総務政策常任委員会 付託議案審査
23日 水曜日 文教福祉常任委員会 付託議案審査
24日 木曜日 都市企業常任委員会 付託議案審査
25日 金曜日 予備日
30日 水曜日 本会議(最終日) 報告・議決

上原秀樹:2021年3月議会 本会議 討論 一般会計予算/市人権審条例の制定に反対

2021年3月議会 本会議 討論
議案第7号令和3年度伊丹市一般会計予算、議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定に対する反対討論

日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表しまして、議案第7号令和3年度伊丹市一般会計予算及び議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定に対に対して反対の立場から討論します。

 はじめに議案第7号についてです。

 来年度の市民をめぐる情勢に関しては、新型コロナウイルス感染の影響で、個人市民税では、非正規労働者の減少と給与所得、年金収入、事業者所得などの減少により、対前年度対比で5.7%の減となるとともに、法人市民税も21.3%の減少を見込んでいるとおり、市民の大幅な収入の減少が今年度に引き続き来年度も続く見込みとなります。

 このような中で、伊丹市に求められていることは、感染から市民の命と健康を守り、暮らしを支える市政です。以下、問題点を述べます。

 第1に、新型コロナウイルス感染対策についてです。伊丹市に求められるのは、ワクチンの接種を安全に、すべての希望する市民に行きわたる対策を行うと同時に、ワクチン頼みになるのではなく、一定落ち着いている今こそ、PCR検査を思い切って広げ、無症状の感染者を見つけ出し、保護、療養・治療をして感染者を減少させることです。そして、生活上で困難に陥っている人に給付を行うとともに、自粛によって営業が困難なところに十分な補償をすることです。経済対策はソーシャルディスタンスのとれる範囲で行い、感染を封じ込めることに全力を上げること以外に今後の経済対策に道を開く方法はありません。

 この点では一般質問等で伊丹市独自の検査体制の拡充と自粛に対する補償を求めましたが、来年度予算にはその対策が入っていないのは大きな問題です。国からの地方創生臨時交付金と基金を活用して、急いで対策を取られることを求めます。

 第2に、国のデジタル化政策に呼応して、伊丹市でも本格的に行政のデジタル化を進めようとされています。市の方向性はこれからとのことですが、情報通信などのデジタル技術の進歩は、本来人々の幸福や健康に資するものであり、その方向に進むことを求めるものです。しかし、菅政権が進めようとしている「デジタル改革」は、マイナンバーカードの普及を軸に国家による個人情報の一括管理を強め、企業がそのビッグデータを活用することで、経済成長を促すという国家戦略に立っています。なかでも自治体システムの統一・標準化は、自治体独自の施策が消滅する可能性があることや、個人情報保護法の改定では個人の保護体制を大きく改変して規制緩和を狙うものとなります。また、デジタル化は行政手続きのオンライン化など効率的運用に寄与する側面もありますが、行政窓口では助言や相談など人と人の対面によって一人ひとりの実態に沿ったきめ細かなサービスが求められることが多くあり、デジタル化だけで行政サービスの質も向上にはつながりません。さらに「デジタル格差」が広がることも懸念されます。今後の課題として、無批判に国の進めるデジタル化政策を進めるのではなく、コロナ禍で明らかになった通り、必要な職員体制の確保や労働条件の改善など、公務・公共体制を拡充し、市民の権利を保障することを強く求めます。

 第3に、新たに「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」を改定されようとしていることです。この方針は、国の「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」第5条の地方公共団体の責務に対応するものとして、2010年10月に策定されたものです。もともとこの法律の発端となったのは、地域改善対策特定事業の終結に伴う1996年の地域改善対策協議会の意見具申で、同和問題に関する差別意識の解消に向けて教育・啓発は引き続き積極的に推進するべきとされたことにあります。その4年後の2000年に意見具申の趣旨に沿ってこの法律が策定され、教育・啓発に関しては、人権教育のための国連10年行動計画で具体化され、伊丹市でも2001年に同伊丹市行動計画を策定、そして、その10年後に基本方針が作られたという経過があります。したがってこの流れの中心は、同和問題に関する国民の差別意識の解消です。一方、同和問題に限らず、様々な人権課題も存在することは事実です。市のアンケートでも、最も関心のある人権課題は女性、高齢者、障がい者、子どもが多数を占めており、それぞれに関する人権を保障するための施策は重要な課題となっています。しかしこれらの課題は、憲法における人権保障の規定に基づき、解決していくものであり、必要とあれば、教育・啓発はそれぞれの分野で行うべきことです。問題は同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育・啓発を継続することにあります。実体的差別がほとんどない中で、差別意識をことさら強調することは、同和問題の真の解決に逆行するものです。従って、あらゆる人権課題を包括して、それを教育・啓発に関する方針としてまとめる必要はないと考えます。

 第4に、一般質問で要求しました、少人数学級への独自の対策、中学校給食無償化に向けた助成、中学卒業までの医療費無料化、障がい者に対する医療費助成の拡大に対して、前向きの答弁がなかったことです。少人数学級に関しては、教育長からその効果について、詳しく述べられた通りで、せめて中1ギャップ解消のために中学1年生からでも独自の35人学級を求めました。国も中学も含めた35人学級に言及していますので、是非前向きに検討を求めます。また、中学校給食に関しては、文部科学省の調査でも中学校における学校教育費における支出が約14万円で、給食費がその3分の1を占めていること、全国的に給食費への助成が一部助成も含めて約4分の1の自治体で行われていることを明らかにしています。ぜひ検討をお願いします。子どもの医療費助成は中学までの無料化は県内41自治体のうち37自治体が無料化を実施するに至りました。また、障がい者に対する医療助成も阪神間各市と比較して遅れた分野です。この件も是非前向きに検討を求めるものです。

 第5に、全国学力テストの問題です。その目的は、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の課題を検証改善して教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てることとされています。しかし、全国学力テストは、2019年、国連子どもの権利委員会が日本政府に対して「極度に競争的制度」と「ストレスフルな学校環境」から子供を開放するよう勧告する一因となっているように、実態が学校と子どもを点数競争に巻き込み、教育をゆがめるものとなっています。全日本教職員組合の調査では、44%の学校で過去の問題をやらせるなどの特別指導を実施していること、学年初めの学級づくりや授業づくりに支障が出ているという声が上がっています。文部科学省の通知の通り、学力テストの結果は学力の特定の一部分、教育活動の一側面でしかありません。従って、毎年悉皆調査をする必要はなく、数年に一度の調査で十分児童生徒の学力や学習状況の傾向を見ることができます。

 以上が主な問題点です。なお、来年度予算では新規事業はほとんど計上されず、市長選挙後の補正予算に任されることになりますが、本予算において、子どもの虐待防止等すべての子どもの権利を保障するための「子ども家庭総合支援事業」が行われることや、新たな認可保育所増設や保育人材確保等によって241名分の保育の受け皿を整備されること、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業など、新たに取り組まれる事業に関しては評価をするものです。

 なお、本会議や委員会で様々な要望や提案を行いましたが、先ほど述べたこと以外に主な点を述べます。

 第1に、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、県と公立学校共済組合との共同で、回復期病床だけではなく地域に必要な医療機関の機能を有する病院を、医療の空白期間をなくし、伊丹市が責任をもって誘致されることを求めます。

 第2に、公立幼稚園・保育所の統合再編に関しては、これ以上の再編を行わず、3歳児全員入園と延長保育の時間延長を求めるとともに、保育所待機児童の解消における年度途中の待機については公立で担えるようにすることを求めます。

 第3に、地震、豪雨など自然災害対策のさらなる充実と、地域での避難行動要支援者対策も含めた地域防災計画策定に支援を行うとともに、避難所ともなる学校体育館に空調施設を整備されることを求めます。

 第4に、共同利用施設の統合再編に関しては、地域組織での議論をもとに、伊丹市が地域の実情を考慮したうえで判断されることを求めます。

 第5に、市営住宅に関して、住まいの人権を保障するため、200戸の削減ではなく、市民の実態に即して増設されること、耐震基準を満たさない住宅の順次建て替えを改めて求めるとともに、その間に住宅のバリアフリー化と必要な修繕を行うことを求めます。

 以上が主な要望ですが、その他本会議・委員会で要望しましたことを、今後実現に向けて取り組まれることを要望して、反対の立場からの討論とします。

 次に、議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定についてです。

 この条例は、現行の「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」の改定を行うために、伊丹市人権教育・啓発審議会を設置しようとするものです。

 第1の問題は、この「基本方針」の根拠法となる「人権教育及び啓発の推進に関する法律」では、国民の責務として、「人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努める」としています。その「涵養に努める」中心は教育・学習です。しかし、憲法に基づけば国民の学習・教育は権利です。また、「人権が尊重される社会の実現」の責務は国と自治体にあります。したがってこの法律は、憲法をねじ曲げるものとなっていることが問題です。したがって、この法律による「基本方針」の策定自体が問題です。

 第2には、先ほど一般会計予算に対する討論で述べた通り、あらゆる人権課題を包括して、それを教育・啓発に関する方針としてまとめる必要はないと考えます。

 以上の理由により、本条例の制定に反対するものです。

 議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。

日本共産党伊丹市議団ニュース376号を発行しました

pdfアイコン 日本共産党伊丹市議団ニュース376号

日本共産党伊丹市議団ニュース376号1面

日本共産党伊丹市議団ニュース376号2面

 新年あけましておめでとうございます
 新型コロナウイルス感染拡大の「第3の波」の深刻な危機が起こる中で新しい年を迎えました。菅政権は「医療崩壊」の危機、雇用と事業の困窮という深刻な事態に対して、無為無策と逆行というほかない有様です。伊丹市においては、党市会議員団がコロナ感染対策でこれまで14回にわたる切実な市民の声を届けてきました。先の12月議会でもPCR検査の拡大と暮らしと営業を守る市独自施策を要求しました。しかし、残念ながら藤原市政はこれに応えようとしません。
 今年は総選挙が行われる年です。菅政権が「無為無策」で感染防止に逆行の政治を続けるならば、政権を変えるしかありません。日本共産党は、今度の総選挙で野党連合政権をめざすことを決め、他の立憲野党と国民に呼びかけました。そのために市民と野党の共闘を広げるとともに、その要となる日本共産党を、特に比例代表選挙で躍進させていただくために全力を尽くします。
 また、4月には市長選挙が行われます。公立幼稚園の統廃合や病院の統合再編を進め、子どもの医療費無料化に背を向ける市政を変えるために、力を尽くします。今年もご支援をよろしくお願いします。
 みなさんの益々のご発展とご健勝を祈念いたします。

2021年元旦

日本共産党伊丹市議会議員団
上原ひでき 
ひさ村真知子

【2面】

市政報告会
1月23日(土)午後2時~
アイホール カルチャールーム
主催:くらしとまちに元気を伊丹市民の会

2020年12月議会終わる

2020年度12月議会が12月3日から23日まで、21日間の日程で開催されました。

 12月補正予算では、コロナ対策としては感染防止資機材の整備などにとどまり、デジタル化推進事業やマイナンバーカードを健康保険証として利用するためのシステム改修などが盛り込まれ、市民の暮らしや業者への支援はありませんでした。
 党議員団はPCR検査拡充や暮らしを応援する施策を提案して奮闘しました。

来年度予算に関する市長との政策懇談会で予算要望(11月9日)

来年度予算に関する市長との政策懇談会

 11月9日、毎年行われている来年度予算に関する市長との政策懇談会が開催されました。会派ごとに行うもので、市長から来年度の予算に対する考え方が示され、党議員団として「基本的・重点要望」を提出して懇談するものです。

 問題となったのは、公立幼稚園の3歳児全員入園について、現在3歳児の定数250名に対して、応募が245名。定数を満たしていませんが、市内中心部分とこども園、北部で定数を超える応募があります。党議員団は、公立に対する信頼があることから、身近な幼稚園に通わせたいという保護者の願いを実現することを求めました。また、保育所の待機児童は、4月1日現在では待機ゼロとなっていますが、11月現在、417名の待機があります。認可保育所を増設する以外に解決する方法はありませんが、党議員団としては、年度途中の待機児童の保護者の困難を抱える現状を示し、公的部分で解消することとともに、私立に対する国・県・市の財政支援を行うことによる解消をお願いしました。また、コロナ対策では、困窮している中小業者に対する支援、検査体制のさらなる充実を求めました。

 詳細な要望は別紙の「要望書」を参考にしてください。

pdfアイコン 2021年度予算編成にあたっての基本的・重点要望(日本共産党伊丹市議会議員団)

上原秀樹:2020年9月議会 本会議 特別・企業会計決算討論

2020年9月議会 本会議 特別・企業会計決算討論

2020年10月5日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党伊丹市会議員団を代表して、議題となりました決算報告のうち、報告第18号令和元年度伊丹市病院事業会計決算、報告第19号令和元年度水道事業会計決算、報告第20号令和元年度伊丹市工業用水道事業会計決算並びに報告第21号令和元年度伊丹市下水道事業会計決算に対して、認定に同意できない立場から討論します。

 これらの決算では、2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられたことにより、それぞれの会計における使用料・手数料に消費税増税分が含まれることになったものです。

 消費税10%への増税に関しては、増税前から、国民の暮らしは、実質年金の引き下げ、働いている人の3分の1がワーキングプア、約4割が非正規労働者という実態にある中で、8%への増税以来5年間で、実質家計消費支出が年間25万円落ち込んでいることなど、ますます悪化をたどっている中での増税でした。そして消費税10%への増税によってさらに国民の消費購買力が低下し、実質GDPは増税後3期連続のマイナスとなり、その上にコロナ禍で国民の暮らしが壊わされています。

 決算の内容を見ますと、病院事業会計では、支払い消費税や消費税納税等が約5,000万円、一方、診療報酬における増税分4,400万円の増収のみで、病患者負担だけではなく病院経営にもマイナスの影響を与えました。使用料に増税分が上乗せとなったのは、水道事業会計では約1,600万円、工業用水道では約267万円、下水道事業会計では約1,430万円となり、市民負担が増えました。

 日本共産党は国民の暮らしを守る立場から、消費税10%増税に反対するとともに、増税後は5%への引き下げに向けて市民と野党の共闘を発展させて奮闘しているところです。特にコロナ禍で、窮地に陥っている国民の暮らしと経済を立て直すためには、消費税5%への減税が最も効果がある方法であると考えるものです。

 よって、このように消費税10%への増税に反対してきた立場から、これらの決算の認定に対して賛成することはできません。

 議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。

上原秀樹:2020年9月議会 伊丹市総合計画基本構想・基本計画に反対討論(本会議)

2020年9月議会 本会議

2020年9月23日
日本共産党議員団 上原秀樹

議案第101号 伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることに対する反対討論

 議案第101号 伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることに対して反対の立場から討論をします。

 本計画は、計画期間を2021年から2028年までの8年間とし、長期的な展望に立った行政運営の基本的な方針である「政策の大綱」と、分野別のまちづくりの「施策」を定める基本計画とによって構成されています。そして本計画でめざす将来像を「人の絆 まちの輝き 未来へつなぐ 伊丹」としています。

 本計画を策定するにあたって、市民アンケートに取り組み、ワークショップや審議会で終始熱心に審議され、そのことを計画に反映されてきたことには敬意を表します。

 それでは要望を踏まえながら、意見を述べます。

 第1に、今後8年間にわたる総合計画を策定するにあたって、市民をめぐる情勢と市民の暮らしの現状をどのように見ているのか、その情勢認識について質すとともに、具体的な施策について質疑をしました。

 この間、安倍政権による「アベノミクス」経済政策は大胆な金融緩和などで大企業や富裕層をもうけさせる一方で、2度にわたる消費税増税や社会保障費削減で国民に負担を押しつけ、貧困と格差を拡大させてきました。消費税10%増税後、実質GDPは3期連続のマイナス、20年4月から6月期は前期比7.9%、年率換算で28.1%の下落を記録、個人消費は前期比8.2%、年率28.9%減と劇的に落ち込みました。また、2019年の労働力調査によれば働いている人の3分の1がワーキンプア層とみられ、非正規労働者が4割近くを占め、その多くを女性が占めているという現実が明らかになっています。そしてコロナ禍の中で、さらに市民の暮らしが大きく圧迫されています。

 答弁では、将来にわたって持続的なまちづくりを実現するために、市民に参画と協働、行政サービスのデジタル化等を進めながら、市民サービスの質の維持・向上を図ること等で、市民の暮らしや中小企業・事業者への支援の具体的なイメージの答弁は得られませんでした。

 来年度からの4年間の実施計画と来年度予算の中で、引き続き検査体制の充実等コロナ感染対策とともにコロナ禍での暮らしと事業を支援する施策を実施されること、給与の削減や派遣切りが広がる中で、市民の生活を応援し、国民健康保険における多子世帯減免や学校給食への助成等、市民の負担を軽減するなど具体的な対策を要望しておきます。

 第2に、「幼児教育・保育」についてです。

 公立幼稚園・保育所の統合再編で、統合前のこども園を含む17園から9園1分園の10施設にしようとされています。再編の時には、幼稚園では子どもたちが切磋琢磨して育つために、1クラス25人以上、複数クラスが必要というのが再編の理由でした。しかし、3歳児は定員を20人としたうえで、ほとんどの施設で複数クラスはなくなりつつあります。すべての施設で3歳児保育を実施されたことは評価をしますが、3歳児の入園児を1園20人定員としたことで、当初の再編の目的とされたことが達成できる展望はないと思います。質疑では、その展望を描くべきと質しましたが、明確な答弁はありませんでした。一定の信頼を得ている公立園を、これ以上の再編ではなく、どう維持発展させていくのかという立場で検討を求めるものです。

 第3に、「空港との共生」についてです。

 計画の中で、「大阪空港においては、国際便や長距離国内便の就航が規制されている」として「国際便や長距離便などを国や空港運営権者に求める」とされています。しかし大阪空港においては航空機に係る環境基準が達成されていないもとではこのことを求める必要はないと、審議会でも意見が出ていました。「安全確保と環境対策を前提とする」とされていることに関して、現在の時間規制と発着回数の見直しの要求の有無、その「環境対策の前提」とは環境基準の達成なのかどうかを質しました。答弁での、空港の運用時間と発着回数の見直しは要求していないことは良としながらも、環境基準の達成に向けた不断の努力を求めながら、騒音総量の拡大につながらないことを前提に、国際便や長距離国内便の規制緩和を要求するとされたことは問題です。

 第4に、「都市計画・住環境」についてです。

 伊丹市は、昨年度、「市営住宅等整備計画」で、市営住宅の戸数を200戸減らし、建て替えはしないという計画を決めました。そしてこの総合計画でもこの計画を踏襲しています。質疑の中で、貧困と格差が拡大し、年金が減らされ、若年層と女性の非正規労働の増加によって年収が減少し続ける中で、低廉な住宅が必要とされているのではなかという認識のもとに、改めて総合計画策定の中で、市営住宅の必要性、市営住宅の現状と課題について検討されたのかお聞きしました。しかし、答弁では、検討はされていないということです。200戸の戸数減で大丈夫なのか、民間住宅に依存する方向が妥当なのかなどを鑑みるに、この計画には問題があると考えざるをえません。

 併せて、市営住宅の指定管理はやめ、直営に戻すことを求めます。

 第5に、人権に関する問題です。

 この6次総合計画における人権のとらえ方の多くが、市民間の差別と偏見の問題としてとらえられていると受け止めざるを得ない側面があります。もちろん、差別と偏見の解消は必要です。しかし、憲法に規定されている基本的人権は、生命、自由及び幸福追求に対する権利、生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、団結権、財産権等、さまざまな分野に及んでおり、国民はこれらすべての基本的人権の共有を妨げられないとされているとおりです。この憲法に従って基本的人権を保障するために国及び地方自治体は存在するのであり、伊丹市の行政課題はすべて市民の基本的人権を保障するためにあります。このことを来年度以降の実施計画等の中で基本とされますよう求めるものです。また、あらゆる子どもに関する施策に、「子どもの権利条約」を基本にすえられることも求めます。

 第6に、「地域医療」「高齢者福祉」についてです。

 この計画の中で、国民健康保険制度、介護保険制度に関する取り組みの方向性が、「制度の安定的な維持・運営に取り組む」とだけ記述されている問題です。国民健康保険法ではその目的を「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」とされ、介護保険法では、要介護となった人が「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う」ことを目的としています。もちろん制度の安定的な維持・運営は大切ですが、計画の中で、制度そのものの目的を明確にし、その目的に沿った市独自の施策を打ち出すべきと考えます。

 第7に、「行財政運営」についてです。

 基本方針に書かれている通り「安定した行財政運営が持続する」ことは必要です。しかし、以前の小泉改革の「三位一体改革」で地方財源が大幅に削減され、いまだにそれが完全に復活できていないばかりか、安倍政権においては、地方交付税において「インセンティブ条項」を設けるなどによって地方の行財政運営を誘導するとともに、地方交付税の縮小を図り、社会保障財源も削減しているのが現状です。その上に少子高齢化や非正規労働の増加によって税収の大幅な増加が見込めない中で、地方財政は様々な工夫をしなければならない状況にあります。これらはすべて国の責任が大きいことは言うまでもありません。この中でどのようにして地方自治体の目的である住民の福祉を増進させるのかが問われます。

 国に対して、伊丹市にとって住民の福祉を増進するにたる地方財源の確保を求めるとともに、計画に書かれている「選択と集中による事業の精査」の考え方は、市民や地域の声を聞き、これに応えることを基本とされること、さらに、老朽化が課題となっている公共施設等について、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うこととともに、市営住宅、子ども・教育施設の指定管理・民営化はやめることを求めます。

 第8に、新型コロナウイルス等新たな感染症対策についてです。

 現在のコロナ対策も今後の新たな感染対策に関しても、教育のところで質疑をしました。答弁では、計画全体にかかわることとして、「計画策定にあたって」のところに書かれているとされ、そこでは「感染症の発生は、社会全体に甚大な影響を及ぼすことから、その対策への関心が高まっています」と書かれています。社会全体への影響のみならず、人との命にかかわる問題です。今までの新型コロナ感染対策を教訓すれば、なによりもPCR検査等の検査体制の脆弱さです。保健所を自治体に1か所以上の増設、新たな市立伊丹病院における感染対策の強化、他の医療機関との連携等地域医療の充実などが必要です。また、自粛と補償の問題、一斉休校と学校行事の中止の問題と少人数学級の必要性等、様々な教訓をくみ取り、今後8年間の計画の中で実施していただきたいと思います。

 以上、第6次総合計画の策定にあたって、要望も踏まえながらの反対の立場からの意見とします。

日本共産党伊丹市議団ニュース368号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース368号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース368号1面

日本共産党伊丹市議団ニュース368号2面

pdfアイコン日本共産党伊丹市議団ニュース368号

コロナ対策充実求め奮闘

伊丹市議会9月議会が始まりました

 伊丹市議会では、9月2日から10月5日までの34日間の日程で、第4回伊丹市議会定例会(9月議会)が始まりました。

 今回の議会では、伊丹市のコロナ対策第9弾を中心とする補正予算、2019年度決算報告、伊丹市第6次総合計画策定、新庁舎整備工事の請負契約金額の増額、新築される児童会館の指定管理者の指定などの議案が審議されます。また、党議員団として代表質問と個人質問、議案質疑も行います。ぜひ傍聴にお越しいただき、ご意見をお寄せください。
 
 10月7日(月)10時、上原議員が第6次総合計画にに対する議案質疑を行います(質問項目は裏面)。

主な議案と提出された請願書も裏面に掲載しています。

9月7日(月)午前10時 (40分間)
上原議員の議案質疑項目

議案第101号 第6次伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることについて

1.今後8年間にわたる総合計画を策定するにあたり、市民をめぐる情勢と市民の暮らしの現状をどのように見ているか、その情勢認識を問う。

 …安倍政権による「アベノミクス」経済対策によって市民の暮らしはどうなったのか。

2.施策2-3「幼児教育・保育」について、公立幼稚園・保育所の統合再編に関する問題への認識を問う。

 …3歳児全入は困難になっている。このままいけば4,5歳児も大きく減少することに。

3.施策2-4「学校教育」について、学校における新型ウイルス対策に関する認識を問う。

4.施策2-8「男女共同参画」について、ジェンダー平等に関する認識を問う。

5.施策4-7「空港との共生」について、国際便や長距離国内便の就航を国に求めることに対する認識を問う。…環境基準が未達成のもとで国際便等を求めるのは問題。

6.施策5-4「都市計画・住環境」について、低廉で住環境の整った住宅の供給状況の認識を問う。…市営住宅の建て替えはしないことは問題。

提案されている主な議案(詳細は伊丹市HPをご覧ください。)

一般会計補正予算

(コロナ関連)
〇医療機関、福祉施設での簡易陰圧テントや除菌装置、マスク、消毒液の購入。
〇感染症対応従事者への慰労金の支給…市立伊丹病院、休日応急診療所など。
〇市バスへの抗菌・抗ウイルス対策
(その他)
〇新庁舎整備事業において詳細設計や市民団体との協議の結果、「低層棟の基礎免震化」や「障がい者対応の充実」などの設計変更を行う。
〇認定こども園(南西部こども園)整備事業
〇防災のIT化…無料通信アプリLINE(ライン)を活用し、迅速な避難支援等を行う。

条例等

〇第6次伊丹市総合計画基本構想及び基本計画
〇伊丹市立児童会館の指定管理者の指定…シダックス大新東ヒューマンサービス(株)に。

提出された請願

〇国に対し「再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を求める意見書」の提出を求める請願(日本国民救援会伊丹支部/紹介議員―日本共産党議員団)
〇幼保無償化から除外された外国人学校幼稚園に救済措置を求める請願(学校法人兵庫朝鮮学園、伊丹朝鮮初級学校/紹介議員―共産党、フォーラム伊丹、公明党、小西議員)

2020年3月議会 上原秀樹:本会議討論

2020年3月議会 本会議討論 一般会計等審査特別委員会

日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案のうち、議案第10号、24号、30号に対して反対の立場から討論します。

 はじめに、議案第10号 令和2年度伊丹市一般会計予算に対してです。

新型コロナウイルス対策についての意見・要望

 最初に、新型コロナウイルス対策についての意見・要望を述べます。

 第1に、中小企業をはじめとする企業倒産とリストラ・失業の連鎖を起こさないことを経済政策の大きな目標に据える必要があります。そのために、中小企業への無担保無保証人制度を思い切って増やすとともに、雇用調整助成金を10分の10へ、またフリーランスをはじめ雇用保険の対象にならずに働いている人への所得補償制度を充実することです。さらに、消費税5%への緊急減税を本格的に検討し、実行すること、国保税をはじめ社会保険料の緊急減免などの措置をとることを国に強く求めていただきたいと思います。

 第2に、政府の「全国一律休校要請」が各地で深刻な混乱と被害を引き起こしている問題です。とくに子どもたちの受けた被害は深刻です。長期の休校は、「基本的に自宅ですごす」という子どもの生活にそぐわない方針のもとで、子どもの心身の健康を損ねるおそれすらあります。学ぶ権利の保障の問題も重大です。

 そこで、伊丹市教育委員会として、学校への子どもの受け入れや校庭・体育館の使用、図書館などの公的施設への子どもの受け入れの促進等、子どもの心身のケアを重視することを強く求めます。また、突然の長期休校は、障害のある子どもにとって特に深刻です。子どもの生活が昼夜逆転する、パニックになる、親のストレスが限界に達するなど放置できない状況が広がる可能性があります。障害に応じた教育的ケアなどができるよう、特別支援学級を含め、教育委員会として改善されることを求めます。さらに、小中学校では、3週間の授業がなくなってしまいますが、この回復に関しては、学校・教員に最大限の裁量を保障し、個々の実情に応じた無理のない計画で、授業の遅れを取り戻せるようにすることを求めます。

 第3に、検査体制の問題です。かかりつけ医などの民間の医療機関では検査を受けることができず、PCR検査も兵庫県内では4か所しかありません。諸外国と比べて検査体制が遅れていることが重大な事態につながる恐れがあります。
 そこで、国と県に対し、急いで検査体制を強化し、民間診療所が必要と判断すれば検査ができるようにし、PCR検査体制を抜本的に強化すること、コロナウイルス感染症患者の入院病床の確保を求めていただきたいと思います。

一般会計予算について

 では、一般会計予算について述べます。

 はじめに歳入についてです。個人市民税では納税義務者の増によって5千万円の増加となっていますが、増えたのはパートやアルバイトなどの非正規雇用で、給与所得は逆に0.31%のマイナスです。法人市民税でも、資本金10億円以下の中小企業の欠損法人が増加しています。いずれにしましても、消費税増税による消費不況の影響が市民の暮らしと中小企業に深刻な事態をもたらしていることがうかがえます。さらに、安倍政権の下で全世代型社会保障の名のもとに、高齢者医療費自己負担の増や年金の削減等が行われようとしていることも重大です。
 来年度はこの情勢のもと、市民の暮らしを守る施策が強く求められています。

来年度予算における問題点

 次に来年度予算における問題点についてです。

 第1に、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編の問題です。この問題の発端は、社会保障費削減の方針の下、安倍政権が医療費を抑制するために2025年に向けて必要な医療機関の病床数を33万から37万床も削減すべきとしたことにあり、伊丹市における病院の統合再編もその流れから出された問題です。

 問題の一つは、統合再編によって病床数を200床削減する問題です。県の地域医療構想においても、北阪神準圏域では2014年対比で2040までにすべての病床あわせて382床不足し、なかでも回復期が約1,300床不足します。この伊丹市の病院統合再編でさらに病床数が200床不足することになります。これでは医療難民を生みかねません。

 二つには、市内南部から総合病院がなくなることです。近畿中央病院は、約60年間、地域に根差した総合病院として大きな役割を果たしてきました。長年にわたる周辺住民の身近なところでの総合医療を受ける権利を奪うことになります。

 三つには、今回の新型コロナウイルスへの対応を考えた場合、感染症対策に緊急を要する事態に公立・公的病院が果たす役割は大きく、公的総合病院が一つなくなることで十分な対応できなくなる可能性があります。

 一方、病院統合再編基本方針(案)では、新病院の運営形態を伊丹市の直営として公営企業法の全部適用としたことや、近畿中央病院の跡地への民間病院の誘致の検討、公共交通機関による新病院への交通アクセスの検討等、今後周辺住民とともに生かすことができる点も含まれています。引き続き住民とともに協議を続けていただきたいと思います。

 第2に、伊丹市市営住宅等整備計画(案)において、伊丹市の市営住宅の目標管理戸数を約200戸減らし、1,700戸としたことです。その目標管理戸数の算出方法は、国土交通省が示した「ストック推計プログラム」により、著しい困窮年収未満の世帯数を基礎にしたものです。しかし、著しい困窮年収未満の世帯の収入基準は、市営住宅入所基準の所得の約2分の1、月額所得8万円です。このような低い所得基準を基礎に必要な目標管理戸数を推計することでは、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅の役割を果たすこととはできません。また、市営住宅の建て替えをしないことも大きな問題です。伊丹市は、公営住宅法第1条に書かれている「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」する責任があり、一部の住宅にエレベーターを設置することを検討されていることは評価しますが、今後、市営住宅建て替えも含めて、若年者から高齢者まで、必要な人が入居しやすい住宅への改良や民間住宅の家賃補助制度の創設等を求めるものです。

 第3に、職員の人事評価です。公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、単純なことではなく、評価によっては公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第4に、マイナンバーカードの問題です。カードの交付が2016年1月から始まって4年になりましたが、目標に比べて大幅に遅れています。カードの普及が進んでいないのは、国民が必要としていないことともに、カードをめぐる様々な問題が噴出していることがあります。マイナンバーを記載した行政文書の誤送付や、国・自治体によるマイナンバー付きの情報の漏洩が頻繁に起きています。また、他人がマイナンバーカードを取得する事件やカードの偽装が発覚しています。

 このようなもとで、国はマイナポイント制度等によって一気に普及を加速しようとしていますが、今後、税や銀行預金、医療・福祉の個人情報がカードでひも付されれば、政府は一人ひとりの健康やその履歴、財産などを瞬時に入手できるようになり、「安心・安全」どころか危険な国民監視社会を加速させかねません。

 第5に、教育の分野では、全国学力テストへの参加と市独自の学力テストの問題です。来年度はコロナウイルスの関係で4月は取りやめることになりましたが、中止されていません。国は、今後どうするかは検討するとのことですが、特に来年度は授業をどう進めるのか見通しが立っていないもとで実施することは、子どもの学習にとっても、教員の働き方にとっても大きな負担となり、中止すべきです。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて検討を求めます。

評価する点

次に評価する点です。

 ①保育所待機児童解消に向けて、定員180人分の民間保育所整備を支援することとともに、民間保育事業者の保育士確保のための支援されることです。

 ②妊娠出産包括支援事業によって、産前産後のサポートが受けられない妊産婦の不安や負担軽減を図る事業を行うことです。

 ③パートナーシップ宣誓制度を創設されることです。

 ④かねてから要望していました合葬式墓地を整備されることです。

要望

 次にいくつかの要望をします。

 ①保育所における3歳から5歳児の副食費の保護者負担に関して、国に対してその撤廃を求めるとともに、伊丹市として補助制度を創設することを求めます。

 ②職員の働き方改革に関しては、一定の努力されていることは認めますが、時間外労働は月45時間、年間360時間以内にするよう、一層の改善を求めます。

 ③みやのまえ文化の郷再整備事業における博物館の廃止に関して、社会教育施設である博物館はその調査・研究と一体的なものであることから博物館は残し、その上で文化・歴史・芸術の連携を図るべきと考えますので、検討を求めておきます。

 ④夜間中学校の問題では、近隣の尼崎市で開校している夜間中学校に近隣自治体からも入学できるよう改善を求めます。
 以上、そのほか本会議での文書による発言や委員会での審議で出しました提案・要望を今後検討していただきますよう求め求めるものです。

伊丹市立児童会館条例

 次に、議案第24号 伊丹市立児童会館条例の制定についてであります。

 本条例案は、児童福祉法第40条に規定する伊丹市立児童会館を設置しようとするものです。その法第40条では、「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設とする」としています。

 本条例案の問題は、第4条 指定管理者による管理です。伊丹市が設置する児童厚生施設は3か所あり、内1か所は市が直接管理する施設であり、もう1か所は地域組織が管理し、地域に根差した運営がされています。いずれもこどもの権利を保障する重要な施設となっています。特に本施設は市内の中心に位置し、全市域における子どもの健全な育成に寄与するものです。

 よって本施設は指定管理による管理ではなく、伊丹市が直接管理すべきと考え、反対とするものです。

職員の給与に関する条例など

 次に、議案第30号 一般職の職員の給与に関する条例及び伊丹市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例の制定についてであります。

 本条例案は、伊丹市の給料表を改定して、国家公務員の給料表に全面改正するとともに、所要の規定整備を行おうとするものです。

 問題の一つは、現給補償はされますが、新たに職員となる人にとっては、将来にわたる生涯給料は現在に比べて引き下がることになります。

 二つには、伊丹市が自治体独自の給与票を持っていることに関して、県からの技術的助言があったことが契機となっていますが、国家公務員の給与表に改正された自治体は阪神間でも少数にとどまっています。自治体職員の給与は自ら決めるものであり、技術的助言とはいえ、国や県が関与するものではありません。

 三つには、教育職給与表(二)を廃止することによって、一般行政職の給与表となり、幼稚園教諭の給与が引き下がることになります。こども園も幼稚園、保育所も幼児教育が大切だとして、教育委員会の所管になりました。こども園での同じ職場で働く両者の給与を同じにするならば、むしろ保育士の給与を引き上げるべきです。

 よって本条例案に反対とします。