上原秀樹:2020年9月議会 本会議 特別・企業会計決算討論

2020年9月議会 本会議 特別・企業会計決算討論

2020年10月5日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党伊丹市会議員団を代表して、議題となりました決算報告のうち、報告第18号令和元年度伊丹市病院事業会計決算、報告第19号令和元年度水道事業会計決算、報告第20号令和元年度伊丹市工業用水道事業会計決算並びに報告第21号令和元年度伊丹市下水道事業会計決算に対して、認定に同意できない立場から討論します。

 これらの決算では、2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられたことにより、それぞれの会計における使用料・手数料に消費税増税分が含まれることになったものです。

 消費税10%への増税に関しては、増税前から、国民の暮らしは、実質年金の引き下げ、働いている人の3分の1がワーキングプア、約4割が非正規労働者という実態にある中で、8%への増税以来5年間で、実質家計消費支出が年間25万円落ち込んでいることなど、ますます悪化をたどっている中での増税でした。そして消費税10%への増税によってさらに国民の消費購買力が低下し、実質GDPは増税後3期連続のマイナスとなり、その上にコロナ禍で国民の暮らしが壊わされています。

 決算の内容を見ますと、病院事業会計では、支払い消費税や消費税納税等が約5,000万円、一方、診療報酬における増税分4,400万円の増収のみで、病患者負担だけではなく病院経営にもマイナスの影響を与えました。使用料に増税分が上乗せとなったのは、水道事業会計では約1,600万円、工業用水道では約267万円、下水道事業会計では約1,430万円となり、市民負担が増えました。

 日本共産党は国民の暮らしを守る立場から、消費税10%増税に反対するとともに、増税後は5%への引き下げに向けて市民と野党の共闘を発展させて奮闘しているところです。特にコロナ禍で、窮地に陥っている国民の暮らしと経済を立て直すためには、消費税5%への減税が最も効果がある方法であると考えるものです。

 よって、このように消費税10%への増税に反対してきた立場から、これらの決算の認定に対して賛成することはできません。

 議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。

上原秀樹:2020年9月議会 伊丹市総合計画基本構想・基本計画に反対討論(本会議)

2020年9月議会 本会議

2020年9月23日
日本共産党議員団 上原秀樹

議案第101号 伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることに対する反対討論

 議案第101号 伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることに対して反対の立場から討論をします。

 本計画は、計画期間を2021年から2028年までの8年間とし、長期的な展望に立った行政運営の基本的な方針である「政策の大綱」と、分野別のまちづくりの「施策」を定める基本計画とによって構成されています。そして本計画でめざす将来像を「人の絆 まちの輝き 未来へつなぐ 伊丹」としています。

 本計画を策定するにあたって、市民アンケートに取り組み、ワークショップや審議会で終始熱心に審議され、そのことを計画に反映されてきたことには敬意を表します。

 それでは要望を踏まえながら、意見を述べます。

 第1に、今後8年間にわたる総合計画を策定するにあたって、市民をめぐる情勢と市民の暮らしの現状をどのように見ているのか、その情勢認識について質すとともに、具体的な施策について質疑をしました。

 この間、安倍政権による「アベノミクス」経済政策は大胆な金融緩和などで大企業や富裕層をもうけさせる一方で、2度にわたる消費税増税や社会保障費削減で国民に負担を押しつけ、貧困と格差を拡大させてきました。消費税10%増税後、実質GDPは3期連続のマイナス、20年4月から6月期は前期比7.9%、年率換算で28.1%の下落を記録、個人消費は前期比8.2%、年率28.9%減と劇的に落ち込みました。また、2019年の労働力調査によれば働いている人の3分の1がワーキンプア層とみられ、非正規労働者が4割近くを占め、その多くを女性が占めているという現実が明らかになっています。そしてコロナ禍の中で、さらに市民の暮らしが大きく圧迫されています。

 答弁では、将来にわたって持続的なまちづくりを実現するために、市民に参画と協働、行政サービスのデジタル化等を進めながら、市民サービスの質の維持・向上を図ること等で、市民の暮らしや中小企業・事業者への支援の具体的なイメージの答弁は得られませんでした。

 来年度からの4年間の実施計画と来年度予算の中で、引き続き検査体制の充実等コロナ感染対策とともにコロナ禍での暮らしと事業を支援する施策を実施されること、給与の削減や派遣切りが広がる中で、市民の生活を応援し、国民健康保険における多子世帯減免や学校給食への助成等、市民の負担を軽減するなど具体的な対策を要望しておきます。

 第2に、「幼児教育・保育」についてです。

 公立幼稚園・保育所の統合再編で、統合前のこども園を含む17園から9園1分園の10施設にしようとされています。再編の時には、幼稚園では子どもたちが切磋琢磨して育つために、1クラス25人以上、複数クラスが必要というのが再編の理由でした。しかし、3歳児は定員を20人としたうえで、ほとんどの施設で複数クラスはなくなりつつあります。すべての施設で3歳児保育を実施されたことは評価をしますが、3歳児の入園児を1園20人定員としたことで、当初の再編の目的とされたことが達成できる展望はないと思います。質疑では、その展望を描くべきと質しましたが、明確な答弁はありませんでした。一定の信頼を得ている公立園を、これ以上の再編ではなく、どう維持発展させていくのかという立場で検討を求めるものです。

 第3に、「空港との共生」についてです。

 計画の中で、「大阪空港においては、国際便や長距離国内便の就航が規制されている」として「国際便や長距離便などを国や空港運営権者に求める」とされています。しかし大阪空港においては航空機に係る環境基準が達成されていないもとではこのことを求める必要はないと、審議会でも意見が出ていました。「安全確保と環境対策を前提とする」とされていることに関して、現在の時間規制と発着回数の見直しの要求の有無、その「環境対策の前提」とは環境基準の達成なのかどうかを質しました。答弁での、空港の運用時間と発着回数の見直しは要求していないことは良としながらも、環境基準の達成に向けた不断の努力を求めながら、騒音総量の拡大につながらないことを前提に、国際便や長距離国内便の規制緩和を要求するとされたことは問題です。

 第4に、「都市計画・住環境」についてです。

 伊丹市は、昨年度、「市営住宅等整備計画」で、市営住宅の戸数を200戸減らし、建て替えはしないという計画を決めました。そしてこの総合計画でもこの計画を踏襲しています。質疑の中で、貧困と格差が拡大し、年金が減らされ、若年層と女性の非正規労働の増加によって年収が減少し続ける中で、低廉な住宅が必要とされているのではなかという認識のもとに、改めて総合計画策定の中で、市営住宅の必要性、市営住宅の現状と課題について検討されたのかお聞きしました。しかし、答弁では、検討はされていないということです。200戸の戸数減で大丈夫なのか、民間住宅に依存する方向が妥当なのかなどを鑑みるに、この計画には問題があると考えざるをえません。

 併せて、市営住宅の指定管理はやめ、直営に戻すことを求めます。

 第5に、人権に関する問題です。

 この6次総合計画における人権のとらえ方の多くが、市民間の差別と偏見の問題としてとらえられていると受け止めざるを得ない側面があります。もちろん、差別と偏見の解消は必要です。しかし、憲法に規定されている基本的人権は、生命、自由及び幸福追求に対する権利、生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、団結権、財産権等、さまざまな分野に及んでおり、国民はこれらすべての基本的人権の共有を妨げられないとされているとおりです。この憲法に従って基本的人権を保障するために国及び地方自治体は存在するのであり、伊丹市の行政課題はすべて市民の基本的人権を保障するためにあります。このことを来年度以降の実施計画等の中で基本とされますよう求めるものです。また、あらゆる子どもに関する施策に、「子どもの権利条約」を基本にすえられることも求めます。

 第6に、「地域医療」「高齢者福祉」についてです。

 この計画の中で、国民健康保険制度、介護保険制度に関する取り組みの方向性が、「制度の安定的な維持・運営に取り組む」とだけ記述されている問題です。国民健康保険法ではその目的を「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」とされ、介護保険法では、要介護となった人が「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う」ことを目的としています。もちろん制度の安定的な維持・運営は大切ですが、計画の中で、制度そのものの目的を明確にし、その目的に沿った市独自の施策を打ち出すべきと考えます。

 第7に、「行財政運営」についてです。

 基本方針に書かれている通り「安定した行財政運営が持続する」ことは必要です。しかし、以前の小泉改革の「三位一体改革」で地方財源が大幅に削減され、いまだにそれが完全に復活できていないばかりか、安倍政権においては、地方交付税において「インセンティブ条項」を設けるなどによって地方の行財政運営を誘導するとともに、地方交付税の縮小を図り、社会保障財源も削減しているのが現状です。その上に少子高齢化や非正規労働の増加によって税収の大幅な増加が見込めない中で、地方財政は様々な工夫をしなければならない状況にあります。これらはすべて国の責任が大きいことは言うまでもありません。この中でどのようにして地方自治体の目的である住民の福祉を増進させるのかが問われます。

 国に対して、伊丹市にとって住民の福祉を増進するにたる地方財源の確保を求めるとともに、計画に書かれている「選択と集中による事業の精査」の考え方は、市民や地域の声を聞き、これに応えることを基本とされること、さらに、老朽化が課題となっている公共施設等について、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うこととともに、市営住宅、子ども・教育施設の指定管理・民営化はやめることを求めます。

 第8に、新型コロナウイルス等新たな感染症対策についてです。

 現在のコロナ対策も今後の新たな感染対策に関しても、教育のところで質疑をしました。答弁では、計画全体にかかわることとして、「計画策定にあたって」のところに書かれているとされ、そこでは「感染症の発生は、社会全体に甚大な影響を及ぼすことから、その対策への関心が高まっています」と書かれています。社会全体への影響のみならず、人との命にかかわる問題です。今までの新型コロナ感染対策を教訓すれば、なによりもPCR検査等の検査体制の脆弱さです。保健所を自治体に1か所以上の増設、新たな市立伊丹病院における感染対策の強化、他の医療機関との連携等地域医療の充実などが必要です。また、自粛と補償の問題、一斉休校と学校行事の中止の問題と少人数学級の必要性等、様々な教訓をくみ取り、今後8年間の計画の中で実施していただきたいと思います。

 以上、第6次総合計画の策定にあたって、要望も踏まえながらの反対の立場からの意見とします。

日本共産党伊丹市議団ニュース368号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース368号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース368号1面

日本共産党伊丹市議団ニュース368号2面

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コロナ対策充実求め奮闘

伊丹市議会9月議会が始まりました

 伊丹市議会では、9月2日から10月5日までの34日間の日程で、第4回伊丹市議会定例会(9月議会)が始まりました。

 今回の議会では、伊丹市のコロナ対策第9弾を中心とする補正予算、2019年度決算報告、伊丹市第6次総合計画策定、新庁舎整備工事の請負契約金額の増額、新築される児童会館の指定管理者の指定などの議案が審議されます。また、党議員団として代表質問と個人質問、議案質疑も行います。ぜひ傍聴にお越しいただき、ご意見をお寄せください。
 
 10月7日(月)10時、上原議員が第6次総合計画にに対する議案質疑を行います(質問項目は裏面)。

主な議案と提出された請願書も裏面に掲載しています。

9月7日(月)午前10時 (40分間)
上原議員の議案質疑項目

議案第101号 第6次伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることについて

1.今後8年間にわたる総合計画を策定するにあたり、市民をめぐる情勢と市民の暮らしの現状をどのように見ているか、その情勢認識を問う。

 …安倍政権による「アベノミクス」経済対策によって市民の暮らしはどうなったのか。

2.施策2-3「幼児教育・保育」について、公立幼稚園・保育所の統合再編に関する問題への認識を問う。

 …3歳児全入は困難になっている。このままいけば4,5歳児も大きく減少することに。

3.施策2-4「学校教育」について、学校における新型ウイルス対策に関する認識を問う。

4.施策2-8「男女共同参画」について、ジェンダー平等に関する認識を問う。

5.施策4-7「空港との共生」について、国際便や長距離国内便の就航を国に求めることに対する認識を問う。…環境基準が未達成のもとで国際便等を求めるのは問題。

6.施策5-4「都市計画・住環境」について、低廉で住環境の整った住宅の供給状況の認識を問う。…市営住宅の建て替えはしないことは問題。

提案されている主な議案(詳細は伊丹市HPをご覧ください。)

一般会計補正予算

(コロナ関連)
〇医療機関、福祉施設での簡易陰圧テントや除菌装置、マスク、消毒液の購入。
〇感染症対応従事者への慰労金の支給…市立伊丹病院、休日応急診療所など。
〇市バスへの抗菌・抗ウイルス対策
(その他)
〇新庁舎整備事業において詳細設計や市民団体との協議の結果、「低層棟の基礎免震化」や「障がい者対応の充実」などの設計変更を行う。
〇認定こども園(南西部こども園)整備事業
〇防災のIT化…無料通信アプリLINE(ライン)を活用し、迅速な避難支援等を行う。

条例等

〇第6次伊丹市総合計画基本構想及び基本計画
〇伊丹市立児童会館の指定管理者の指定…シダックス大新東ヒューマンサービス(株)に。

提出された請願

〇国に対し「再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を求める意見書」の提出を求める請願(日本国民救援会伊丹支部/紹介議員―日本共産党議員団)
〇幼保無償化から除外された外国人学校幼稚園に救済措置を求める請願(学校法人兵庫朝鮮学園、伊丹朝鮮初級学校/紹介議員―共産党、フォーラム伊丹、公明党、小西議員)

2020年3月議会 上原秀樹:本会議討論

2020年3月議会 本会議討論 一般会計等審査特別委員会

日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案のうち、議案第10号、24号、30号に対して反対の立場から討論します。

 はじめに、議案第10号 令和2年度伊丹市一般会計予算に対してです。

新型コロナウイルス対策についての意見・要望

 最初に、新型コロナウイルス対策についての意見・要望を述べます。

 第1に、中小企業をはじめとする企業倒産とリストラ・失業の連鎖を起こさないことを経済政策の大きな目標に据える必要があります。そのために、中小企業への無担保無保証人制度を思い切って増やすとともに、雇用調整助成金を10分の10へ、またフリーランスをはじめ雇用保険の対象にならずに働いている人への所得補償制度を充実することです。さらに、消費税5%への緊急減税を本格的に検討し、実行すること、国保税をはじめ社会保険料の緊急減免などの措置をとることを国に強く求めていただきたいと思います。

 第2に、政府の「全国一律休校要請」が各地で深刻な混乱と被害を引き起こしている問題です。とくに子どもたちの受けた被害は深刻です。長期の休校は、「基本的に自宅ですごす」という子どもの生活にそぐわない方針のもとで、子どもの心身の健康を損ねるおそれすらあります。学ぶ権利の保障の問題も重大です。

 そこで、伊丹市教育委員会として、学校への子どもの受け入れや校庭・体育館の使用、図書館などの公的施設への子どもの受け入れの促進等、子どもの心身のケアを重視することを強く求めます。また、突然の長期休校は、障害のある子どもにとって特に深刻です。子どもの生活が昼夜逆転する、パニックになる、親のストレスが限界に達するなど放置できない状況が広がる可能性があります。障害に応じた教育的ケアなどができるよう、特別支援学級を含め、教育委員会として改善されることを求めます。さらに、小中学校では、3週間の授業がなくなってしまいますが、この回復に関しては、学校・教員に最大限の裁量を保障し、個々の実情に応じた無理のない計画で、授業の遅れを取り戻せるようにすることを求めます。

 第3に、検査体制の問題です。かかりつけ医などの民間の医療機関では検査を受けることができず、PCR検査も兵庫県内では4か所しかありません。諸外国と比べて検査体制が遅れていることが重大な事態につながる恐れがあります。
 そこで、国と県に対し、急いで検査体制を強化し、民間診療所が必要と判断すれば検査ができるようにし、PCR検査体制を抜本的に強化すること、コロナウイルス感染症患者の入院病床の確保を求めていただきたいと思います。

一般会計予算について

 では、一般会計予算について述べます。

 はじめに歳入についてです。個人市民税では納税義務者の増によって5千万円の増加となっていますが、増えたのはパートやアルバイトなどの非正規雇用で、給与所得は逆に0.31%のマイナスです。法人市民税でも、資本金10億円以下の中小企業の欠損法人が増加しています。いずれにしましても、消費税増税による消費不況の影響が市民の暮らしと中小企業に深刻な事態をもたらしていることがうかがえます。さらに、安倍政権の下で全世代型社会保障の名のもとに、高齢者医療費自己負担の増や年金の削減等が行われようとしていることも重大です。
 来年度はこの情勢のもと、市民の暮らしを守る施策が強く求められています。

来年度予算における問題点

 次に来年度予算における問題点についてです。

 第1に、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編の問題です。この問題の発端は、社会保障費削減の方針の下、安倍政権が医療費を抑制するために2025年に向けて必要な医療機関の病床数を33万から37万床も削減すべきとしたことにあり、伊丹市における病院の統合再編もその流れから出された問題です。

 問題の一つは、統合再編によって病床数を200床削減する問題です。県の地域医療構想においても、北阪神準圏域では2014年対比で2040までにすべての病床あわせて382床不足し、なかでも回復期が約1,300床不足します。この伊丹市の病院統合再編でさらに病床数が200床不足することになります。これでは医療難民を生みかねません。

 二つには、市内南部から総合病院がなくなることです。近畿中央病院は、約60年間、地域に根差した総合病院として大きな役割を果たしてきました。長年にわたる周辺住民の身近なところでの総合医療を受ける権利を奪うことになります。

 三つには、今回の新型コロナウイルスへの対応を考えた場合、感染症対策に緊急を要する事態に公立・公的病院が果たす役割は大きく、公的総合病院が一つなくなることで十分な対応できなくなる可能性があります。

 一方、病院統合再編基本方針(案)では、新病院の運営形態を伊丹市の直営として公営企業法の全部適用としたことや、近畿中央病院の跡地への民間病院の誘致の検討、公共交通機関による新病院への交通アクセスの検討等、今後周辺住民とともに生かすことができる点も含まれています。引き続き住民とともに協議を続けていただきたいと思います。

 第2に、伊丹市市営住宅等整備計画(案)において、伊丹市の市営住宅の目標管理戸数を約200戸減らし、1,700戸としたことです。その目標管理戸数の算出方法は、国土交通省が示した「ストック推計プログラム」により、著しい困窮年収未満の世帯数を基礎にしたものです。しかし、著しい困窮年収未満の世帯の収入基準は、市営住宅入所基準の所得の約2分の1、月額所得8万円です。このような低い所得基準を基礎に必要な目標管理戸数を推計することでは、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅の役割を果たすこととはできません。また、市営住宅の建て替えをしないことも大きな問題です。伊丹市は、公営住宅法第1条に書かれている「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」する責任があり、一部の住宅にエレベーターを設置することを検討されていることは評価しますが、今後、市営住宅建て替えも含めて、若年者から高齢者まで、必要な人が入居しやすい住宅への改良や民間住宅の家賃補助制度の創設等を求めるものです。

 第3に、職員の人事評価です。公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、単純なことではなく、評価によっては公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第4に、マイナンバーカードの問題です。カードの交付が2016年1月から始まって4年になりましたが、目標に比べて大幅に遅れています。カードの普及が進んでいないのは、国民が必要としていないことともに、カードをめぐる様々な問題が噴出していることがあります。マイナンバーを記載した行政文書の誤送付や、国・自治体によるマイナンバー付きの情報の漏洩が頻繁に起きています。また、他人がマイナンバーカードを取得する事件やカードの偽装が発覚しています。

 このようなもとで、国はマイナポイント制度等によって一気に普及を加速しようとしていますが、今後、税や銀行預金、医療・福祉の個人情報がカードでひも付されれば、政府は一人ひとりの健康やその履歴、財産などを瞬時に入手できるようになり、「安心・安全」どころか危険な国民監視社会を加速させかねません。

 第5に、教育の分野では、全国学力テストへの参加と市独自の学力テストの問題です。来年度はコロナウイルスの関係で4月は取りやめることになりましたが、中止されていません。国は、今後どうするかは検討するとのことですが、特に来年度は授業をどう進めるのか見通しが立っていないもとで実施することは、子どもの学習にとっても、教員の働き方にとっても大きな負担となり、中止すべきです。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて検討を求めます。

評価する点

次に評価する点です。

 ①保育所待機児童解消に向けて、定員180人分の民間保育所整備を支援することとともに、民間保育事業者の保育士確保のための支援されることです。

 ②妊娠出産包括支援事業によって、産前産後のサポートが受けられない妊産婦の不安や負担軽減を図る事業を行うことです。

 ③パートナーシップ宣誓制度を創設されることです。

 ④かねてから要望していました合葬式墓地を整備されることです。

要望

 次にいくつかの要望をします。

 ①保育所における3歳から5歳児の副食費の保護者負担に関して、国に対してその撤廃を求めるとともに、伊丹市として補助制度を創設することを求めます。

 ②職員の働き方改革に関しては、一定の努力されていることは認めますが、時間外労働は月45時間、年間360時間以内にするよう、一層の改善を求めます。

 ③みやのまえ文化の郷再整備事業における博物館の廃止に関して、社会教育施設である博物館はその調査・研究と一体的なものであることから博物館は残し、その上で文化・歴史・芸術の連携を図るべきと考えますので、検討を求めておきます。

 ④夜間中学校の問題では、近隣の尼崎市で開校している夜間中学校に近隣自治体からも入学できるよう改善を求めます。
 以上、そのほか本会議での文書による発言や委員会での審議で出しました提案・要望を今後検討していただきますよう求め求めるものです。

伊丹市立児童会館条例

 次に、議案第24号 伊丹市立児童会館条例の制定についてであります。

 本条例案は、児童福祉法第40条に規定する伊丹市立児童会館を設置しようとするものです。その法第40条では、「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設とする」としています。

 本条例案の問題は、第4条 指定管理者による管理です。伊丹市が設置する児童厚生施設は3か所あり、内1か所は市が直接管理する施設であり、もう1か所は地域組織が管理し、地域に根差した運営がされています。いずれもこどもの権利を保障する重要な施設となっています。特に本施設は市内の中心に位置し、全市域における子どもの健全な育成に寄与するものです。

 よって本施設は指定管理による管理ではなく、伊丹市が直接管理すべきと考え、反対とするものです。

職員の給与に関する条例など

 次に、議案第30号 一般職の職員の給与に関する条例及び伊丹市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例の制定についてであります。

 本条例案は、伊丹市の給料表を改定して、国家公務員の給料表に全面改正するとともに、所要の規定整備を行おうとするものです。

 問題の一つは、現給補償はされますが、新たに職員となる人にとっては、将来にわたる生涯給料は現在に比べて引き下がることになります。

 二つには、伊丹市が自治体独自の給与票を持っていることに関して、県からの技術的助言があったことが契機となっていますが、国家公務員の給与表に改正された自治体は阪神間でも少数にとどまっています。自治体職員の給与は自ら決めるものであり、技術的助言とはいえ、国や県が関与するものではありません。

 三つには、教育職給与表(二)を廃止することによって、一般行政職の給与表となり、幼稚園教諭の給与が引き下がることになります。こども園も幼稚園、保育所も幼児教育が大切だとして、教育委員会の所管になりました。こども園での同じ職場で働く両者の給与を同じにするならば、むしろ保育士の給与を引き上げるべきです。

 よって本条例案に反対とします。

2019年12月議会 上原ひでき:都市企業常任委員会付託議案への討論

2019年12月議会 本会議 都市企業常任委員会付託議案への討論

2019年12月23日
日本共産党議員団 上原ひでき

 議長から発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、上程となりました議案のうち、議案第106号、108号、114号、116号に対して反対の立場から討論します。

議案第106号「令和元年度伊丹市農業共済事業特別会計補正予算(第1号)」
議案第108号「伊丹市農業共済条例を廃止する条例について」

 はじめに、議案第106号「令和元年度伊丹市農業共済事業特別会計補正予算(第1号)」及び議案第108号「伊丹市農業共済条例を廃止する条例について」です。

 議案第108号は、伊丹市が農業共済事業を廃止し、農林水産省が進める農業共済団体等における1県1組合化の推進政策によって、兵庫県に1本化しようとするものです。昨年の12月議会における伊丹市農業共済条例の一部改正の質疑・討論でも指摘しましたが、これら農業共済事業改革の問題点として、農業共済への加入が当然加入から任意加入に変わったことで加入者の減少を招くこと、2年後には一筆方式が廃止されることで圃場ごとのきめ細かい被害補償がされなくなる可能性があることなどの問題があります。

 本条例案に対する本会議質疑への答弁でも、加入が当然加入から任意加入に変わったことで、加入者の減少などのため災害への安定した対応が困難になることなどが、県1組合化の理由とされました。県1組合化により、阪神事務所は三田市に置かれることになりますが、災害への対応や農業者への指導・助言が十分行き届かなる可能性があります。また、伊丹市が農業者支援事務として情報や問い合わせの取次等をしていくとされましたが、その財政保障はありません。

 したがって、本条例を廃止することで農業者に不利益となる可能性があり、反対とします。同時に、この議案に関連する議案第106号にも反対とします。

第114号「伊丹市立男女共同参画センターの指定管理者の指定について」

 次に、第114号「伊丹市立男女共同参画センターの指定管理者の指定について」です。

 本議案は、同施設の指定管理者に、特定非営利活動法人女性と子どものエンパワメント関西を指定しようとするものです。

 この施設の目的は、男女共同参画社会の形成を促進するためとされており、この目的を達成するため条例3条では本施設の事業内容が明記されています。その内容は、男女共同参画社会の形成に関する啓発及び講座の開催、情報の収集及び提供、市民活動及び交流の支援、調査及び研究、その他とされています。この事業はまさしく伊丹市行政における男女共同参画社会形成のための事業そのものであり、専門性の高い事業等重要なものばかりです。伊丹市行政としてこれらの事業を直接行うことによって、労働における男女不平等の解消のための労働行政等行政内部での連携を強化することができ、あらゆる分野における男女共同参画社会をつくるうえでの施策を進めることができます。また、行政内部にこの事業の実績・経験を蓄積し、継承していくことも必要です。一方、多様な男女共同参画に関わる市民や団体との協働は大いに進めていくことはいうまでもありません。

 したがって、男女共同参画センターは指定管理者による管理運営はすべきではなく、伊丹市が直接管理運営すべきであります。よって、第4条「指定管理者にセンターの管理を行わせる」の項目の削除を求めるとともに、本議案に反対とします。

議案第116号「伊丹市立労働福祉会館等の指定管理者の指定について」

 次に、議案第116号「伊丹市立労働福祉会館等の指定管理者の指定について」です。

 本議案は、同施設の指定管理者に、三菱電機ライフサービス株式会社を指定しようとするものです。

 労働福祉会館等のうち、青少年センターに関しては、青少年の健全な育成と福祉の増進を図るための各種の事業を積極的に推進することを目的とし、青少年の文化,体育活動の促進に関すること及び勤労青少年ホームの運営に関すること等の事業を行う施設です。その勤労青少年ホームの運営に関しては、かつての根拠法が勤労青少年福祉法から青少年の雇用の促進等に関する法律に変わり、雇用の促進等を図ることを通じて青少年がその有する能力を有効に発揮することができるようにすること等を目的としました。同時に地方公共団体は、適職の選択を可能とする環境の整備等青少年の福祉の増進を図るために必要な施策を推進するとともに、職業生活を円滑に営む上での困難を有するものに対して、相談の機会の提供、職業生活における自立を支援するための必要な措置を講じることを求めています。

 現在若者の雇用をめぐる状況は、企業における人権を無視した働かせ方による、「ブラック企業」「ブラックバイト」による使い捨てやニート、過労自殺、パワハラによる自殺などが大きな社会問題となっています。このことから、若者に対するあらゆる機会を通じての多様な相談体制の強化とともに、義務教育課程から高校生、学生、そして就労している若者までの連続した教育を実施することにおいて、働く人の権利をきちんと学ぶことが必要となっています。

 したがって青少年センターは、教育委員会や国・県等の労働行政との連携が必要な施設となり、伊丹市が直接管理運営すべきものと考えます。

 よって本議案における青少年センターの指定管理者の指定にあたっては、本施設の条例第4条「指定管理者に管理を行わせる」の項目の削除を求め、議案に反対とします。

 以上、議員各位のご賛同をお願いしまして討論を終わります。

2019年9月議会 上原秀樹:本会議討論

2019年9月議会 本会議討論

2019.9.24
日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案のうち、議案第85号及び第87号に対して反対の立場から討論します。

 はじめに議案第85号 伊丹市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例についてです。

 本条例の改正は、生活保護法における進学準備給付金の支給に関する事務と災害対策基本法による罹災証明書に関する事務において個人番号を利用するために、別表第1、第2を改正しようとするものです。

 マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄り、在日外国人を含め国内に住民登録したすべての人に12桁の番号を割り振り、税や社会保障の行政手続きなどで使わせるという仕組みです。安倍政権は「国民の利便性が高まる」「行政の効率化につながる」と盛んに宣伝しますが、国民には浸透していません。

 そればかりか、近年、個人情報流出が問題となっています。今年に入ってからも、ファイル転送サービス「宅ファイル便」において顧客情報約480万件が外部漏洩したほか、トヨタ自動車株式会社の販売子会社やユニクロでの顧客情報の流出や、イオンカードの不正ログインによる総額約2,200万円の不正利用も確認されています。また、昨年2月には横浜市鶴見区役所でマイナンバーカード78枚と交付用端末PC1台が盗まれる事件も起きており、マイナンバーの情報漏えい事案も年々増えて、個人情報保護が課題となっています。

 このような中で、マイナンバー制度は開始から4年目に入りましたが、国の情報管理への警戒感、手続きのわずらわしさなどから、ほとんど活用されていません。「マイナンバーカード」を取得した人も、全国的に住民の約14%、伊丹市でも約20%にとどまります。内閣府が昨年末に発表した世論調査では「取得していないし、今後も予定はない」が53%でした。理由は「必要性が感じられない」が6割以上で、個人情報の漏えいやカードの紛失や盗難を心配する意見も少なくありません。不安が根強いことを浮き彫りにしています。

 情報は集積されるほど利用価値が高まり攻撃されやすく、情報漏えいを100%防ぐ完全なシステム構築は不可能です。意図的に情報を盗み売る人間がいる中で、一度、漏れた情報は流通・売買され、取り返しがつかなくなります。

 よって、本条例改正によって、新たに個人番号の利用を広げようとされることに反対とします。

 次に、議案第87号 伊丹市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の制定についてです。

 今年3月議会で成立した本条例は、地方公務員法と地方自治法の改正により、特別職非常勤、臨時的任用で法律の要件にそぐわない任用が広がっているという認識のもとに、任用要件を厳格化し、会計年度任用職員制度を創設、同時に地域手当等の各種手当の支給ができるようにしたことで、一定の改善といえるものでした。

 今回の改正は、条例改正後わずか6カ月しか経過していないなか、しかも施行前に、総務省の技術的助言によって一部改正しようとするものです。その内容は、教職調整額の削除によって超過勤務手当を支給すること、期末手当を常勤職員と同様の2.6カ月分とすること、給与と報酬の規定を規則委任ではなく条例に定めるなどの改正を行おうとするもので、3月議会で成立したことと今回の改正による処遇改善によって、一般会計で約1億5千万円の人件費が改善されるものです。

 しかし、3月議会でも指摘したとおり、この制度の問題点として、第1に、相変わらず年度末に任期が終了する有期の任用であることです。このことは雇用の安定化の面では根本的解決にはなっていません。第2には、会計年度任用職員の二つのタイプ、フルタイムとパートタイムで支給される手当に格差があることです。第3に、来年度、会計年度任用職員に移行することにはなっても、正規職員の拡大にはつながらず、根本的な解決にはならないことです。答弁でもありましたが、会計年度任用職員の対象となる職員数は、今年の4月1日時点で一般会計においては、嘱託職員380名、臨時職員822名で合計1,202名、正規職員数1,304名ですから約半数が非正規職員です。また、給与にも正規職員との格差は依然として大きいものとなっています。今後、さらなる給与引き上げと雇用の安定化を図ることができるような法整備と条例化を求めるものです。

 よって、本条例改正は一定の改善を評価しながらも、以上の問題点を指摘し、反対とするものです。

2019年9月議会 上原秀樹:一般会計決算討論

2019年9月議会 一般会計決算討論

2019.10.7
日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、報告第10号平成30年度伊丹市一般会計歳入歳出決算に対し、その認定に同意できない立場から討論します。

 2018年度における市民をめぐる情勢は、一人当たりの個人市民税では、給与収入は前年度対比で0.33%の増、年金収入は0.1%の減、事業収入は0.67%の増となりましたが、消費者文化指数が0.5%を上回る増となったことから、実質的に市民の収入は減少することになりました。高齢化社会の中で年金支給額が減らされ、実質賃金がマイナス続きで、アベノミクスで景気が良くなったという実感が持てない中、固定資産税や介護保険料などの社会保険料の負担が増大することで、市民の暮らしが大変になっているというのが実態です。この中で市民の暮らしと権利を守る市政が求められました。

 以下、問題点を述べます。

 第1に、市立伊丹病院のあり方の検討に関する問題です。

 問題の一つは、「市立伊丹病院あり方検討委員会」におけるアンケートの内容が市立伊丹病院と近畿中央病院の連携・統合を誘導する質問項目が設定されていたことで、昨年の6月議会で指摘したとおりです。

 二つ目には、「あり方検討委員会」を非公開にしたことです。数か月後に議事録はホームページで公開されましたが、市民にとって命と健康を左右する二つの病院のあり方に関して、リアルタイムで検討の内容を傍聴することができないことは、市民参画と民主主義において問題です。

 三つには、「あり方検討委員会」の結論として、市立伊丹病院と近畿中央病院を統合し、高度急性期医療を担うことができる500~600床規模の病院をめざすべきとして、両病院の統合を前提として協議をすることを求めたことです。このことは、特に近畿中央病院がなくなるという不安を市民に与えるとともに、明確な病床需要調査を行わずに病床規模を示したことによって、ベッド数が減らされるという不安も市民に与えました。改めて正確な医療需要調査による市内における必要なベッド数の確保と近畿中央病院の現在地における医療機関の存続を求めるものです。

 第2に、幼児教育推進計画についてです。

 公立幼稚園と保育所の統合再編が市民の間で大きな議論となりました。この計画を策定するにあたって市民から「施策の進め方が拙速すぎる」「さらなる説明を求める」との請願が提出され、採択されました。このことを踏まえ、市長は予算の提案説明の中で、このことを真摯に受け止め、これら請願や常任委員会で可決された付帯決議について、その趣旨を尊重しつつ施策を進めるとされました。問題点の一つは、付帯決議における「市民への説明責任を果たすために、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること」についてです。当局は昨年度、この項目に基づいて各小学校区では2回にわたって説明会を開催されました。しかし、協議という形式ではなく、当局が説得する会議になり、付帯決議での「推進計画に固執することなく」「十分協議すること」を市長は尊重されたとは言えません。二つには、「公立幼稚園が閉園となる場合、跡地は教育、子育てのために活用すること」ですが、この点では跡地利用については教職員、保護者、地域住民との協議を十分行うことが要望されていました。この点では今議会でも様々な意見が出されたとおり、これら関係団体・住民と十分協議されているとは言えません。

 第3に、市営住宅の建て替えはしないことを改めて結論を出したことです。

 昨年、旧耐震住宅のうちの一部の住宅で耐震診断がされ、今後の市営住宅のあり方として、建て替えは行わず、旧耐震住宅のうち198戸(入居世帯は141世帯)は用途廃止で他の住宅に住み替えする、他の536戸は耐震改修をするという方針を出されています。しかし市内の県営住宅や尼崎市等周辺の公営住宅の建て替えが進み、バリアフリー化された住みよい住宅に変わっています。一方伊丹市は建て替えずに住み替えを進めるため、その住み替え対象となる住宅の募集は停止されることで市営住宅の枠が狭くなるとともに、耐震改修等修繕する住宅のほとんどがエレベーターのない住宅として残ることになります。中野北県営住宅の土地があるときが建て替えの機会となります。改めて検討を求めます。

 第4に、職員の人事評価です。

 公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「働きぶり」や「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、単純なことではありません。課長等による面談によって業務内容等で話し合いがされることには意義はありますが、評価によっては公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。この点に関しては、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第5に、伊丹空港における国際便就航を求めていることです。

 関西3空港懇談会が今年5月に開催されました。その結論として、伊丹空港に関しては、発着時間の拡大や国際便就航のための規制緩和は、騒音に配慮して見送られることになりました。伊丹空港の存続協定では、安全性と環境を守るため、21時から翌朝7時までの飛行禁止と一日370便に限定、国内線に限ることとされ、航空機に係る環境基準達成に向けて不断の努力をすることがうたわれました。騒音値は一定軽減することができましたが、依然としてここ数年騒音値にほとんど変化はなく、環境基準達成には程遠い状態です。市長は「安全性と環境を大前提にする」といわれますが、その大前提が不十分なままで国際便就航を求めることはやめるべきです。

 第6に、教育の分野では、全国学力テストへの参加と市独自の学力テストの問題です。

 テストの結果は「学力の特定の一部分」「教育活動の一側面」でしかないと言われてきました。ところが、教育委員会は「全国の平均点より上に」などと学校と教師を結果としてあおり、「教育活動の一側面」という割には大々的に分析して「傾向と対策」まで出して、結果として点数アップを現場に押し付けることになっています。文科省も2年前、「数値データの上昇のみを目的にしているととられかねないような行き過ぎた取り扱いがあれば、それは調査の趣旨・目的を損なう」とする「通知」を出さざるをえなくなりました。しかし、「行き過ぎ」は、全国の子どもにテストをして点数で比べるという制度そのものに原因があります。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて検討を求めます。

 次に評価すべき点です。

 第1に、子どもの医療費助成が拡大されたことです。党議員団は中学卒業までの医療費の無料化を主張してきていますが、一定の改善がされたことは評価します。引き続き高校卒業までの拡大等更なる充実を求めます。

 第2に、保育所の待機児童解消に努められ、認可保育所の増設で2019年4月1日の待機児童ゼロを実現されこと、民間保育所における保育士確保のための新たな施策を講じられたこと、民間保育所における統合保育を実施されたこと、幼稚園における預かり保育、プレ保育を実現したことです。保育に関しては、年度途中の待機児童をなくすために引き続き充実を求めます。

 第3に、生活困窮者自立相談支援事業において、昨年度、新規相談件数437件、自立支援計画策定112件で、本事業の支援による就職も80人、生活保護にも60件つなぐことができました。生活不安や格差と貧困が広がる中で、生活困窮者等を支援する仕組みを発展されていることには評価をするものです。一方、相談支援員3人と就労支援員1名では、継続相談者を含めると年間500名前後の相談に乗り、支援を続けることには人員体制に不安があります。相談支援員の増員を求めます。

 第4に、不登校や問題行動等の未然防止や早期対応のため、スクールソーシャルワーカーを1名増員して4人体制にし、すべての中学校への配置と小学校への対応が実現したことです。また、かねてから要望をしてきました介助員を増員されたことで、障害を持つ子どもの学習権を保障し、教職員等の負担を一定軽減されたことは評価します。引き続き児童・生徒をめぐる様々な困難を解消するための支援体制を強化されるとともに、教職員の働き方改革のためにも定数改善による35人、30人学級実現に向けて国に対して要求されることを求めます。
 
 次に、次年度に向けて先ほど述べたこと以外に要望する主な案件についてです。

 一つに、「公文書管理条例」制定で、公文書が市民共有の知的資源であることを位置づけ、市民の知る権利の保障に寄与するものであること等を明記するとともに、行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程、事業の実績を検証することができるような文書の作成を義務付けることも必要です。このことによって、情報公開条例と表裏一体で市民の知る権利を保障することになります。

 二つに、職員の働き方改革に関して、一定の努力はされていますが、年間360時間を超える時間外労働をされている職員が103名おられるとことに対しては、正職員の増員も含めて早急に改善することを求めます。

 三つには、性的マイノリティの人たちの人権と生活保障のために、同性カップルの権利保障を進めるパートナーシップ制度を制定されることを求めます。

 四つには、国による幼稚教育・保育の無償化に伴う2号認定こども(3歳以上の保保育園児)に対する副食費実費徴収に関して、国に無償化を求めるとともに、市独自に支援することをもめます。

 以上、その他本会議、委員会で要望しましたことについて、是非次年度以降で実現されますことを求めまして、同決算の認定に同意できない立場からの討論とします。議員各位のご賛同をお願いします。

2019年9月議会 上原秀樹:代表質問

2019年9月議会 代表質問

2019.9.17
日本共産党議員団 上原秀樹

1.総務省「自治体戦略2040構想研究会」報告に対する市長の見解を問う

 総務省の設置する「自治体戦略2040構想研究会」から、昨年の4月に1次、7月に2次の報告が出され、すぐに第32次地方制度調査会への諮問に引き継がれました。この「構想研究会」の戦略目標は、「人口縮減時代の新たな社会像の構築、基本施策の開発、自治体行政の大胆な書き換え」であり、その中身は市町村行政のフルセット主義からの脱却、スマート自治体への転換、「圏域」単位での行政の推進です。

 急速に進む人口減少社会への対応、持続可能な地域・自治体づくりは、喫緊の課題であり検討が必要なことは言うまでもありません。問題はその報告、中身、進め方が正しいのかどうか、検討する必要があります。これに対しては様々な諸説がありますが、問題と思われる点を取り出し、市長にその見解をうかがいたいと思います。

 一つは、「2040年頃に迫り来る危機」と言っていますが、これらはすでに提起され、「地方創生」政策として伊丹市も含めて国も自治体も一定の対策を講じています。報告書はその努力や成果を考慮せず、「危機」ありきで今から自治体のあり方を大胆に「書き換える」先取り的な改革が必要と提起しています。福島県相馬市長は「地方創生にがんばろうとしている努力に水を差す以外何物でもない」「努力の成果も検証できないうちに2040年にはダメになるからという議論は適切か」と提起しています。

 二つには、「「迫り来る危機」を強調し、政府側の戦略・手法に沿った全国画一的な対応を上から押し付けようとしていることです。熊本県嘉島町長は「上からの押し付けではなく、選択可能な制度や仕組みを準備することが重要だ」と提起しています。

 三つには、スマート自治体への転換、自治体の執行体制のスリム化(半減化)です。報告書では、2040年ごろには現在の半数の職員でも業務に対応できるようにする」「AI・ロボティクスによる自動処理」ができるようにするとしていますが、自治体の事務・事業の性格、内容を踏まえた検証が必要です。安倍政権の狙いは、自治体・公務の民営化、外部化、産業化の推進であり、すでに様々な手立てが講じられ、各地で問題となっているところでもあります。

 四つには、人口減少・少子高齢化の問題についてです。日本の出生率低下は以前から指摘されてきました。政府は幼児教育・保育の無償化を打ち出しましたが、消費税増税とセットです。1993年1.66から2010年2.0に上げたフランスや1999年1.5から2010年1.98に上げたスェーデンのように、なぜ日本の場合は家族給付や出産・育児と就労支援の両立支援など、若い世代の生活実態に寄り添った措置を講じて、計画的、系統的に改善を図ってこなかったのか、このことが今日の「危機」を作り出しています。一方、各自治体では子どもの医療費無料化など様々な施策や住民参加の取り組みで、持続可能な自治体に向けて努力をしています。このことに目を向けず、国民の税金をアメリカいいなりで武器を爆買いする一方で少子化対策には十分な税金を使わず、規模のメリットやサービス提供の効率性をことさら強調し、小規模自治体の自治の機能、役割、権限を縮減し、再編を迫るのは本末転倒です。

 いずれにしても、この報告は今後の自治体のあり方をめぐって重大な問題を提起していると思います。市長はどうお考えでしょうか。見解をお聞きします。

2.財政問題について

 2018年度決算による各種基金残高を見ますと、財政調整基金は73億600万円で標準財政規模に対して17.8%、公債管理基金は20億5,700万円、公共施設等整備保全基金は50億6,100万円となっています。順調に、ほぼ計画通りに基金の積み立てをしてきたとされますが、市庁舎の建設費に加え市立伊丹病院の建て替えも重なり、行革プランの財政計画に新たな問題が生じることになりますが、このことに対する認識についてお伺いします。

3.2018年度予算審議で問題点として指摘した主な事業から

1)幼児教育施設の再編について

 2017年度から2018年度にかけて、公立幼稚園と保育所の統合再編が市民の間で大きな議論となりました。結果として修正された再編計画が可決されるとともに、この計画を策定するにあたって市民から「施策の進め方が拙速すぎる」「さらなる説明を求める」との請願が提出され、採択されました。このことを踏まえ、市長は、このことを真摯に受け止め、これら請願や常任委員会で可決された付帯決議について、その趣旨を尊重しつつ施策を進めるとされました。当初予算における市長のこの提案説明通りに進めてきたのかということです。付帯決議の主な内容に関してお聞きします。

 一つは、「市民への説明責任を果たすために、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること」についてです。当局は昨年度、説明責任を果たすといって各小学校区では2回にわたって説明会を開催されました。しかし、協議という形式ではなく、当局が説得する会議になっていたのではないでしょうか。付帯決議での「推進計画に固執することなく」「十分協議すること」を市長は尊重されたのでしょうか。

 二つには、「公立幼稚園が閉園となる場合、跡地は教育、子育てのために活用すること」ですが、この点では跡地利用については教職員、保護者、地域住民との協議を十分行うことが要望されていました。十分協議されているのでしょうか。教育委員会があらかじめ跡地利用を決め、説得されることはないのでしょうか。

 三つには、「3歳児の希望者全員が幼稚園に入園できるようにすること」「特別に支援が必要な子どもは、全員が身近な幼児教育施設に入園できるようにする」ことです。見通しはどうでしょうか。

 四つには、「施行日は当該地域の関係者の声を聞くとともに、当該地域の保育ニーズまたは幼児教育ニーズを的確に把握したうえで決定すること」です。施行日は7月1日に決められました。関係者の声を聞き、保育・幼児教育のニーズを把握されて決められたのでしょうか。

2)教職員の働き方、教員の増員について

 党議員団は、当初予算への討論で、一昨年11月の調査によって月当たりの時間外勤務が教諭で45時間の厚生労働大臣告示を超えるとともに、管理職では「過労死ライン」といわれる月80時間以上を上回る実態が明らかになったことから、その改善を求めるとともに正確な勤務時間の把握、35人、30人学級の実現を国にも要求することなどを求めました。また12月議会では、日本共産党の提案を具体的に示す中で、答弁では、伊丹市における時間外勤務は、月当たり小学校で39時間、中学校で82時間、教頭も80時間を超えていること、このことに対して伊丹市として「学校における働き方改革基本方針」を策定し、様々な取り組みすることで、2020年までに月45時間以内の時間外労働をめざし、2020年までに現在の時間外労働時間を20%削減するとされました。小中学校におけるこの間の働き改革の成果はどうでしょうか。何よりも、子どもに向き合う時間を増やすことができるような改革となっているのでしょうか。お伺いします。

 党議員団は、教職員にとって子どもに向き合う時間を増やし、教員としての初心が生かされ、働き甲斐のある職場にするためには、学校における有効で具体的な改善を徹底して行うとともに、教職員の定数改善、教職員の増員が最も重要であるとして、このことを要求してきましたし、教育委員会も同様に国に求めています。しかし安倍政権は十分この声に応えていません。

 さらに、党議員団は小・中学校における非正規の教職員よりも正規の教職員を増員することも求めてきました。現状での正規の教員と非正規の教員の数はどうなっているのでしょうか。この5年間で見ると正規の教員の割合は増えたのでしょうか。お聞きします。

 また、働き方改革改善のためにも全国学力テスト、市独自の学力テストの廃止も求めてきました。毎年毎年同じような学習状況調査をして全国平均に一喜一憂、テストの問題に対しては平均点にも一喜一憂し、その出題傾向と対策が出されるということをされていますが、当たり前のことが書かれているようです。毎年しなければならないのか。数年に一度、抽出調査で十分ではありませんか。改めて見解を伺います。

4.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について

 この問題に関しては毎議会、過去5回の質問を行ってきました。先の6月議会では、①救急医療や高度急性期医療を担う病院の必要性は認めながら、病床数は別として二つの病院を残し、連携によって地域医療を充実させること、②2040年までは入院医療需要は増加すること、県の医療構想でも急性期病床数は現存させて、その後回復期等への転換の必要性に言及していることから、二つの病院の病床数約800床は減らすべきではないこと、③統合等の連携後の経営主体は地方独立行政法人とされる可能性があることから、議会の関与がなくなること等の問題点を指摘し、質問しました。しかし、近畿中央病院・公立学校共済組合との協議中であること、病床数は医療需要調査の結果によるものとして、明確な答弁はありませんでした。
 そこで今回お聞きすることは次の点です。

①この間、地域への説明会、シンポジウムを行ってこられましたが、それらを通して、当局は市民の要望をどう捉えたのでしょうか。

②医療需要調査の方法について6月議会でもお聞きをし、レセプトデータや両病院の診療報酬データを活用して患者数の分析を行うとの概略は答弁いただきましたが、将来の医療需要の予測はどう調査されるのでしょうか。調査方法を具体的にお示しください。

③6月議会では、地方独立法人化について、議会の関与がなくなることを指摘しました。すなわち、3年以上5年以内の中期目標に関しては市長が定めて議会の議決は必要ですが、中期計画は市長への許可、年度計画(予算)は市長への届け出、決算にあたるものは市長に提出するとともに議会には報告だけとなり、明らかに議会の関与は極端に減少することになるのではないでしょうか。

④10月には両病院との協議の中間報告をされるとお聞きしています。どこまで協議の内容と市の考えを明らかにするのでしょうか。
 以上のことに対する見解をうかがいます。

5.外国人労働者受け入れと自治体の役割、多文化共生政策について

 昨年12月に外国人労働者政策を大転換する出入国管理及び難民認定法改正が成立し、今年4月に施行されました。いわゆる特定技能制度を規定する同法の法案は、具体的な制度内容の大半が省令にゆだねられるとともに、現在の外国人労働者の労働基準法や最低賃金すら守られていない過酷な働かせ方に対する反省も改善策も不十分なまま、政府が資料として提出したデータの根本的な誤りや改ざんが指摘される中での強行でした。

 大きな問題を残して施行された法律ですが、いずれにしましても、海外からの労働者とその家族は全国的に増加する傾向にあり、現在でも、市内に約50カ国、約3,200人の外国人が居住され、この人たちに対する様々な支援が行われており、今後、より充実した取り組みが必要です。

 第5次総合計画の中の「多文化共生のまちづくりと国際交流」の中で、外国人市民の審議会委員への登用、多文化共生の教育、利用しやすい相談体制や情報提供、災害時等での情報提供等が盛り込まれています。そこで、今後多文化共生政策を充実していくうえで、次の点をお聞きします。

①市民・事業者(企業)・ボランティア団体などと協力して外国人市民に関わる施策などを体系化して推進していくために、改めて「多文化共生社会推進方針・計画」を策定する必要があるのではないでしょうか。「社会的包摂」の立場で、市民と一緒に方針・計画をつくることが、市民の理解と協力も増えることになります。

②その際、伊丹市の歴史的経過から在日コリアンが多いことを踏まえ、ここでも改めてその歴史的経過も明らかにして「内なる国際化」の方針を明記することが必要です。特に政治の上で韓国、北朝鮮との関係が複雑化されているもとで、市民との交流は大事です。

③今年度のことば蔵における多文化共生事業はどうだったか。また、今後伊丹マダンの位置づけをどうされるのでしょうか。
 以上、お伺いします。

6.情報公開条例と公文書管理のあり方について

 国において、森友学園や加計学園問題や陸上自衛隊南スーダンPKO派遣部隊の日報問題、裁量労働制データー、毎月勤労統計不正など、安倍政権のもとで、政権にとって都合の悪い文書の公開を拒否し、さらには公文書の違法な隠蔽、改ざん、破棄、ねつ造が行われてきました。国民に真実の情報を公開することなくして、民主主義は成り立ちません。

 情報公開制度は、何人からの請求にも、政府が保有するすべての情報を原則として開示する制度です。それは、国民の知る権利を保障すると同時に、政府に対してその諸活動について国民に説明する責任を課すものです。すでに情報公開法と公文書管理法が制定・施行され、公文書を「国民共有の知的資源」と位置付け、行政機関に「政策決定過程を記録に残すこと」を義務づけています。

 伊丹市における公文書管理はどうでしょうか。伊丹市は「伊丹市情報公開条例」において、市民の知る権利の尊重、公文書の公開を請求する権利の保障が明記され、第22条では「この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理する」とされています。伊丹市は「伊丹市公文書取扱規則」を定めておられますが、情報公開条例と連動した公文書の位置づけが不足しているのではないかと考えます。

 国における公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付けたうえで、「現在及び将来の国民に説明する責務」を果たすため、行政機関が「経緯を含めた意思決定に至る過程」を「合理的に跡付け」「検証する」ことができるよう文書を作成することを義務付けています。そこで次の点をお聞きします。

①伊丹市においても、国の公文書管理法を参考に、公文書の位置づけをきちんと明記し、市民の知る権利の実現の趣旨も併せて「公文書管理条例」を策定してはどうでしょうか。

②行政機関の職員が職務に関して作成・取得した文書、記録、データなどはすべて行政文書として位置づけられているでしょうか。もしそうでなかったら、その位置づけを行い、公文書として公開の対象にすること。

③公文書の保管期限が切れる際、破棄する文書を公開し、市民のチェックを受けるようにすること。

④行政機関に設置されている審議会、専門委員会、ワーキンググループ、今回の病院再編に関わる協議事項等はすべて議事録に記録し、市民がインターネット等で閲覧できるようにすること。

 以上、見解を伺います。

7.国民健康保険事業について

 国民健康保険は、加入世帯主の4割が年金生活者などの無職、3割が非正規労働者で、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、平均保険料は、4人世帯の場合、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍になります。

 全国知事会、全国市長会、全国町村会など地方団体は、加入者の所得が低い国保が、他の医療保険よりも保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、これを解決するために、公費投入・国庫負担を増やして国保料(税)を引き下げることを国に要望し続けています。

 伊丹市の国保加入世帯も、所得のない者16.1%をはじめ、年所得150万未満の世帯が60.9%を占め、その世帯では滞納世帯の74.7%を占めるに至っています。国保税は4人世帯、年収360万円、これは保育の無償化に伴う副食費免除世帯に重なりますが、その世帯で年間約44万円の課税となり、とても払いきれる金額ではありません。 日本共産党は、さらに1兆円の公費投入増で国保料(税)を協会けんぽの保険料並みに抜本的に引き下げ、国保制度を立て直す改革を提案しています。

 そこで次の点をお聞きします。

①国・県へ、公費投入・国庫負担を増やして国保料(税)を引き下げることを要望されているのでしょうか。要望されながらも国が実現できない理由はどこにあると考えているのでしょうか。国が県単位化に移行する際、3400億円を公費投入されましたが、この金額は自治体が法定外繰り入れを行って高すぎる国保料(税)を抑えるためのもので、この金額を公費投入しても、高すぎる国保料(税)は下がりません。

②応能割保険料に、多子・母子・障がい者などの独自の減免制度を、応益割保険料に子どもの均等割り保険料軽減を行うことを求めるものです。

③保険料を納付することによって生活保護基準以下になる場合の軽減制度を求めます。

 以上、見解を伺います。

8.介護保険事業について

 2018年度は、第7期介護保険事業計画が始まった年であり、介護保険料の引き上げに加えこれまでの訪問型基準緩和型訪問サービスに加えて基準緩和型通所サービスを導入し、さらに所得が一定額を超える高齢者の利用料負担を2~3割に引き上げてきました。高齢者世帯においては年金の金額が引き下げられ、その上に介護の負担も増やされれば、生活費が圧迫され、受けたい介護サービスも受けづらくなってしまいます。

 厚労省の見通しによれば、給付削減の改悪がこれだけ繰り返されるもとでも、現在、全国平均で月5,500円である65歳以上の介護保険料は、2025年には月8,100円にまで引き上がります。保険料・利用料の高騰を抑えながら、制度の充実や基盤の拡充を図り、本当に持続可能な制度とするには、公費負担の割合を大幅に増やすしかありません。

 日本共産党は、介護保険の国庫負担割合をただちに10%引き上げ、将来的には、国庫負担50%(公費負担75%)に引き上げることを提案しています。

 そこで次の点をお聞きします。

①基準緩和型サービスの実態(生活援助ヘルパー等)についてです。決算報告書によりますと、要支援1,2の人は18年度決算では2,771人、要介護認定者に占める割合は30%となっています。この人たちへの介護サービスが介護保険給付から外され、介護予防・日常生活支援総合事業へと移行されました。このことによって全体として介護報酬(主に人件費ですが)はどのくらい引き下がったのでしょうか。また、実態として生活援助ヘルパーが足らなくて通常のヘルパーを派遣されているところが多いと聞いていますが、そのことによる介護報酬引き下げで介護事業所の経営が圧迫されているとお聞きします。その実態をどう認識されているのでしょうか。

② 高齢者のサービス利用をはばむハードルとなっているのが自己負担の重さです。ところが、安倍政権は、高齢者の利用料負担を2~3割に引き上げるなど、利用者負担増の改悪を連打してきました。
 これらの改悪を撤回し、利用料の軽減・免除をすすめることが求められています。住民税非課税世帯など低所得者の利用料を免除する国の制度をつくり、経済的な理由で介護を受けられない人をなくすこと。施設の食費・居住費負担の軽減をすすめ、自己負担から保険給付へと戻していくことが必要です。
 また、高齢者の3人に2人は住民税非課税であり、65歳以上の介護保険料(第1号保険料)の負担が生活圧迫の大きな要因となっています。
高齢者本人や家族の貧困が深刻化するなか、国に対してこれら利用料・保険料の軽減措置を求めるとともに、低所得者に対して利用料・保険料が軽減・免除となるよう、市独自の利用料軽減制度をつくることを求めます。
 以上に対する見解を伺います。

9.加齢性難聴者への支援について

 聴力が規定以下で身体障がい者の認定を受けた場合、障害者総合支援法によって補聴器購入時に補助を受けることができます。ただし、認定される規定聴力は高度難聴レベルなので、軽度・中度の難聴では障がい者と認定されません。児童の場合は中程度の難聴であっても、市町村が実施主体となる補聴器購入時の補助制度があります。

 高齢者の加齢による難聴はほとんどの場合、規定聴力に該当せず、法による補助の対象外となりますが、近年、高齢者人口の増加や生活状態の悪化の中で、購入時の補助を実施する自治体も生まれています。

 高齢者は、70歳代の男性の23.7%、女性では10.6%、80歳代では男性36.5%、女性は28.8%の人が難聴者となっているといわれています。難聴になると家族や友人との会話が少なくなり、会合出席や外出の機会が減り、コミュニケーション障害がおこるとされています。さらに、認知機能低下が、正常聴力の人より32~41%の悪化がみられています。現在14.4%しか補聴器をつけていないとの推計もあり、理由の一つが補聴器の価格です。補聴器は3万円くらいから30万円以上のものがあり、平均で15万円と、「価格が高すぎる」との声が多くあります。そこでお聞きします。

①市内における加齢性難聴者の実態を当局はどう把握されているでしょうか。
②検診項目への追加による初期段階からの対応が必要と考えます。
③伊丹市として、補聴器購入助成制度創設を求めます。
 以上、見解を伺います。

10.若者の力をまちづくりに生かすために

 少子高齢化の進行、人口の減少が進む中で、自治会活動等地域の課題解決に困難な側面が生じてきています。その中で、次世代を担う若者が、まちづくりにおいて自らの力を発揮する姿も出てきています。伊丹市においても様々なイベント・行事に企画から携わって力を発揮されています。

 一方、18歳からの選挙権が始まり、高校等における主権者教育も様々な取り組みがされてくるようになりました。しかし、若者全体としての投票率は低い水準で推移しています。

 このような状況で、全国では「若者会議」「若者議会」などという名称で、主権者としての若者の参加を基盤に、若者の視点からまちの現状や将来について議論や提案を行い、時には実践も行うとともに、まちのあり方に決定権も与えるという取り組みが出ています。愛知県の新城市では2015年に若者条例・若者議会条例が制定されています。「若者議会」は、市長の諮問機関としておおむね16歳から29歳の委員20人以内で組織され、任期は1年(再選可能)という形で組織され、そこで提案された施策には年間1000万円程度の予算がつけられるというものです。その中で、教育ブランディング事業が生まれ、小中学生に、若者議会から主権者教育を働きかけるということにも波及しています。そのほかの自治体では自治体のそれまでの取り組みに合わせて創意工夫がされているようです。そこで次の点をお聞きします。

①伊丹市において、「若者会議」若しくは「若者議会」を設立し、若者の提言を市政に反映する仕組みをつくったらどうでしょうか。権利主体として自分が活動する社会に参加し、自分たちが望むまちのあり方を意見表明し、決定に影響を及ぼすしくみです。この取り組みは小中学生の主権者教育にも結び付く可能性もあります。
 見解を伺います。

2019年6月議会 上原秀樹:議案質疑 請負契約

2019年6月議会 議案質疑

2019.6.25 
日本共産党議員団 上原秀樹

議案第71号から75号 請負契約を締結することに対する質疑

 議長の発言の許可を得ましたので、ただいま上程となりました議案第71号から75号まで、請負契約を締結する5議案に対する質疑を行います。

 議案第71号は伊丹市立労働福祉会館大規模改造工事を株式会社林建設と、72号は伊丹商工プラザ大規模改修工事を株式会社染の川組と、73号は伊丹市立笹原小学校大規模改造(第2期)工事を株式会社浜田組と、74号は伊丹市立西中学校大規模改造(第2期)工事を株式会社染の川組と、75号は伊丹市立こばと保育所移転整備工事(建築工事)を株式会社染の川組と、それぞれ請負契約を締結しようとするものです。

 議案第71号は入札参加企業が5社で、辞退が3社、結果として2社による競争によって97.5%の落札率で落札、もう1社は99%の金額の入札です。72号は入札参加企業が6社で5社が辞退、結果として1社のみの入札で90%の落札率で落札。73号は入札企参加企業が6社で4社が辞退し、結果として2社による競争となり、86.6%の落札率で落札、他の1社は100%の金額の入札でした。74号は入札参加企業が5社で4社が辞退し、残る1社のみの入札で100%の落札率で落札。75号は入札参加企業が6社で4社が辞退し、結果として2社の競争となり、86.5%の落札率で落札、他の1社は95.8%の金額の入札でした。

 今回の請負契約の議案の特徴は、入札参加企業が極めて少ないことと同時に辞退する企業が多いこと、さらに入札の金額が高いことです。公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律における「適正化の基本となるべき事項」には、「公正な競争が促進されること」とされていますが、一定数以上の企業の参加により公正で適正な競争入札が確保できるものと考え、次の点をお聞きします。

①それぞれの議案ごとに、入札参加企業の対象となる企業数は何社だったのか。
②公正・適正な競争性が確保されるためには何社くらいの参加が必要と考えるか。
③入札参加企業が少ないこと及び辞退する企業が多い背景には、どんな事情があると考えられるのか。
④入札の金額が予定価格そのものか、もしくは予定価格に極めて近い金額となっていることについて。普通、入札の金額が予定価格に近い場合は落札する確率は極めて低くなるものですが、なぜこのような事態になるのか、その背景にどんな事情があると考えられるのか。

 以上に対する答弁をお願いし、1回目の発言を終わります。

(2回目)

〇答弁をまとめると、企業は重複しますが、5議案すべて合計すると入札参加対象企業は163社でそのうち市内企業が38社(23.3%)、市内企業のうち入札参加企業は25社で、うち17社の約7割が辞退されている。市外企業はすべて辞退。
また、公正・適正な競争性が確保されるためには、応札可能業者を20社以上に設定されているが、結果として5社から6社の参加にとどまっている。

〇これらの結果は、入札の結果に問題があるというわけではないが、建設業者が発注者の期待通りにはいかない事態にあるということを示している。その背景には、工事の発注量の増加したことに伴う技能労働者不足、下請け企業や協力企業の不足があると答弁。

・ここには、10数年に及ぶ若年者の建設業への入職回避に起因があるとされ、主な要因は2013年に大幅な労務単価の引き上げが行われたが、依然として技能労働者の雇用を重曹下請けの小零細業者が担い、その業者自身の経営が疲弊し、雇用すら維持できない状況に陥っていることがあげられている。

・若年者の入職促進には、標準的な生活水準を維持できる賃金への大幅引き上げ、生涯を託せる安定した雇用、ものづくりに喜びを感じることができる技能育成・教育システムづくりが必要であるともいわれている。

・全国的に入札不調や辞退企業の続出等の状況が続く中で、公共工事の品質確保の促進に関する法律が2014年改正された。その議論の中で、地域建設業の疲弊、下請け業者へのしわ寄せ、労働者の就労環境の悪化を品質確保の立場から改善すべく発注者の責務を明確にした。今回の入札結果を踏まえ、発注者の責務が十分果たされているのかどうか判断するため、この結果の背景に技能労働者不足、下請け企業や協力企業の不足があると答弁されたことを踏まえ、この法律の第7条「発注者の責務」からいくつかお聞きしたい。

①第1項では、品質確保の担い手の中長期的な育成及び確保に配慮するとされ、第1号で、そのための適正な利潤を確保することができるように予定価格を適正に定めるとされている。今回の入札では比較的高い金額で入札される企業が多いことから、東京オリンピックの影響も含め、労務単価や資材等の取引価格の変動に的確に対応できているのかどうか、見解をお聞きする。

②第1項第3号では、その入札金額によっては公共工事の適正な施行が見込まれない契約となる恐れがあると認められる場合の基準または最低制限価格の設定の必要な措置を講ずるとされている。伊丹市の場合の最低制限価格の設定は、2017年4月に改訂され、現場管理費の割合を0.8から0.9に、一般管理費の割合を0.3から0.55にするとともに、最低制限価格の予定価格比率の上限を10分の8.7から10分の9に変更された。この点は一定の評価はできる。一方、国土交通省は今年の3月、地方自治体にダンピング対策の徹底を促すため、低入札価格調査基準等を「70-90%」を「75-92%」に引き上げ、これを踏まえて最低制限価格の適切な運用を地方自治体に要請している。現在伊丹市の場合、「70-90%」だが、今回の入札までにはその見直しはされていない。最低制限価格の金額及び算定方法を見直す必要性をどう考えるのかお聞きする。

③次に、先ほどの二つの質問にも関係するが、予定価格や最低制限価格の算定方法を自治体が定める場合、国による地方自治体の公共工事における交付税単価および補助金単価は、実情に合った適正な単価になっているのかどうか、お聞きする。

④第1項第4号では、計画的に発注するとともに、適切な工期を設定するとしている。伊丹市の場合、年度中に予定される公共工事を、工期も含めて公表されていることから、業者にとっては公共工事の全体像は明確になっていると思われる。その工期を定めるにはどのような方法で決めるのか、また今回の議案では、学校の大規模改造工事を除けば、契約金額が1億5千万円から10億8千万円までと工事の規模にかなりの開きがあるが、同じ9か月の工期に設定されている。労働福祉会館の大規模改造工事にはより多くの下請け業者や職人が集中して必要になる。下請け業者や協力業者が不足しているのではないかとの見方をされている中で、9か月間の工期設定は適切であったのかどうか、この設定によって入札に参加する企業数に影響はなかったのかどうか、お聞きする。一方、今回の契約案件5議案のうち、3議案において同じ業者が落札されており、しかも入札価格が予定価格で落札されている議案もあることから、設定された工期に不安の残るところだが、この点でも見解をお聞きする。

 以上で質疑を終わる。

2019年3月議会 服部よしひろ:消費税増税を含む予算案条例案に反対

 議案第21号 平成31年度伊丹市病院事業会計予算、並びに議案22号 平成31年度水道事業会計予算、議案第23号 平成31年度工業用水道事業会計予算、議案第24号 平成31年度下水道事業会計予算、議案第46号 伊丹市病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定、議案第47号 水道事業給水条例等の一部を改正する条例の制定への反対討論

2019年3月25日
日本共産党議員団 服部よしひろ

 議長の発言許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して「議案第21号  平成31年度伊丹市病院事業会計予算、並びに議案22号 平成31年度水道事業会計予算、議案第23号 平成31年度工業用水道事業会計予算、議案第24号 平成31年度下水道事業会計予算、議案第46号 伊丹市病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定、議案第47号 水道事業給水条例等の一部を改正する条例の制定」への反対討論を行います。

 ただいま挙げました各会計予算案及び条例案はすべて、安倍政権が今年10月から消費税率を現行8%から10%に引き上げることを前提に、作成されています。

 消費税10%への増税に関しては、国民の暮らしにおいて、年金では実質年金額の引き下げ、毎月勤労統計調査の不正・偽装で昨年の実質賃金が下がっていたことが明らかになったこと、8%への増税以来5年間で実質家計支出が25万円落ち込んでいることなどでますます悪化をたどるとともに、景気の指向も低下していることから、増税する根拠はなくなりました。消費税増税によって、さらに国民の暮らしが破壊されるとともに日本経済への影響も計り知れません。日本共産党は、この立場から今年10月からの消費税10%増税に反対し、野党と国民の共闘で増税をストップするために奮闘しています。

 したがって、このような消費税増税を含む予算案、および条例改正案に賛成することはできません。

 議員各位のご賛同をお願いします。