日本共産党伊丹市議団ニュース(第415号)9月市議会 かしば ふみ議員

2023年9月議会 個人質問
かしば ふみ 9月15日(金)午後1時分頃

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日本共産党伊丹市議団ニュース(第414号)9月市議会 代表質問

2023年9月議会 一般会計補正予算に対する質疑
服部よしひろ議員 9月14日(木)午後3時10分頃

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日本共産党伊丹市議団ニュース(第414号)

日本共産党伊丹市議団ニュース(第412号)9月市議会 開会

9月市議会 8月31日開会 日本共産党議員団
市民要求実現と市政チェックへ全力

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日本共産党伊丹市議団ニュース(第412号)2023年9月1日 1面日本共産党伊丹市議団ニュース(第412号)2023年9月1日2面9月市議会 8月31日開会 日本共産党議員団
市民要求実現と市政チェックへ全力

 9月市議会の主な議題は、昨年度(2022年度)決算審査と物価高騰対策を中心とした9月補正予算の審議です。
 この議会から本会議に加え、各委員会のリアルタイムでのネット中継が始まります。
 参加委員会の開催日時は裏面の議会日程表をご覧ください。

天神川堤防決壊災害
兵庫県が責任認め、全面保障表明。

 兵庫県は、8月7日記者会見を行い、県の実施した「調査委員会」の結論を受け、責任を認め謝罪し、被災者への全面的な補償を表明しました。
 8月23日には県の「保障委員会」が被災者への補償の基準を提言しました。
 これを受けて県は9月から被災者の方々に個別に保障の交渉を始めます。

天神川氾濫災害補償委員会の県への提言(要旨)

1 天神川の河川改修工事の実施に伴い、安全確保に対する十分な 配慮を欠いたことにより、本件工事施工箇所が本来備えるべき安 全性を低下させ、本件災害を引き起こしたと考えられることから、 国家賠償法第2条第1項の規定に基づき、河川管理者である兵庫 県は、被災者に対し、その損害額を賠償すべきであると考えます。

2 損害額の把握の方法については、以下のとおり算定すべき
(1)建物、動産、自動車等の損害は、原状に修復するのに必要な費用を基本として算定し、修復できないものは同等品の現在価値を基本として算定する。
(2)商品等の損害は、製造原価等を基本として算定する。
(3)身体等の損害は、治療費及び入・通院に要した費用を基本として算定する。
(4)営業休止による損害は、その間に得たであろう収益を基本として算定する。
(5)その他の損害は、浸水被害の状況に応じて、適切な費用を算定する。

 これを受け、県河川整備課の八尾昌彦課長らが8日に会見して謝罪。補償方針を説明しました。補償委員会が23日に算定基準を決めた後、県がそれに基づいて賠償額を定め、9月にも被災者に個別説明を始める予定。

 県は浸水区域内にある建物や車など88件について、被害状況の調査を進めています。現時点で58件の被害が確認され、残り30件は調査中。
 今後、区域外でも申し出があれば調査する予定です。
 補償を受けるには来年5月8日までに申告する必要があります。

 斎藤知事は「県の監督不十分だったと同時に、大きな過失だ」と謝罪。
事業者の施工計画書の不備を見逃したことを受け「再発防止策として職員の確認技術の向上も大切だ」と発言しました。

9月議会の日程

そのうち、日本共産党議員団の出席会議は
5日(火)10時から補正予算案質疑  14日(木)代表質問 15日(金)からの個人質問
22日(金)25日(月)26日(火)27(水)の決算特別委員会などです。

日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2023年夏季号

日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2023年夏季号

5月豪雨災害による天神川堤防決壊
市と県は被災者に寄り添った補償を

 日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2023年夏季号(PDF)

[1面]

 

議会報告 2023年夏季号1面

[2面]

議会報告 2023年夏季号2面

2023年6月議会:服部よしひろ 一般質問

服部よしひろ画像2023年6月議会 一般質問

 

2023年6月16日
日本共産党議員団 服部よしひろ

1.稲野駅前大手前大学跡地への大規模マンション建設に関連して

 ただいま、議長の許可を得ましたので、日本共産党議員団を代表して質問します。

 稲野町1丁目と2丁目にまたがる、大手前大学稲野キャンパス跡への大規模マンション建設計画を地域住民が知らされたのは、市が事業者から提出された「伊丹市宅地開発等指導要綱」第5条による事前協議を完了した2021年9月30日から半年後の2022年3月以降、5月連休前の時期でした。

 稲野町では、ダイハツ工業の跡地へ小学校の誘致を進めていたが、断念し、代わって大手前大学が建設され「静かな文教地域」としての稲野町のイメージが出来上がったと自治会の歴代会長が語っています。

 長年住み続け、「永遠の住み家」と思っていた家の道一つ隔てたところに15階建て44.5mの高層マンションが5棟、571戸出現し、半日日陰となる。東側に巨大な壁が出現する。うっとうしい、ビル風も予想される。自分たちが今まで獲得してきた住環境が守られないのはなぜか。地域住民の方の切実な声は、事業者の説明会では聞き流されました。

 地域住民が計画を知った時点とは、市が事前協議を行い、計画そのものに異議はないことを行政が確認した時点であり、事業者は開発計画を説明し、関係住民の納得を得られなくとも地域住民の質問にすべて回答をすれば建設認可を申請できる時点となります。

 事業者の説明会は、事業者の代理人である建設業者「長谷工コーポレーション」が主催し、回答します。大学跡地は3つの土地からなっており、事業者は同時期にすべて入手し、一体での775戸の建設を計画していたにもかかわらず、説明会では代理人が「知っているのは南敷地計画の571戸だけ」と言い張り、関係住民が「この建設計画の意義や理念の説明」を求めても答えられず、ただ「建築基準法で認められている」「法にのっとり問題のない建築物」の一点張りの説明が毎回繰り返されました。775戸およそ2500人が稲野町に移住すると、人口が約2倍になり、交通、流通、教育、医療、福祉、などのバランスが一挙に崩れることは明らかです。

 稲野町の住民の方が、地域の住環境に重大な変化をもたらし、長期間の工事期間で自然環境を大きく削がれ、住居や生活に少なからず悪影響を受ける建設計画に対し、十分な説明と住環境を守るために「大手前大学跡地への大規模マンション建設問題を考える有志の会」を立ち上げ、市の開発指導関係部局に繰り返し面談、最終的に7月13日に都市計画課の担当者と面談し、市長による調整の必要性を伝える中で、「中高層建築物の建築に関する指導要綱」9条に基づく「紛争の市長による調整」を2022年7月19日に提出(担当部局:都市計画課)し、同時に住環境を守るための要望書を担当課に提出しました。

 「伊丹市中高層建築物の建築に関する指導要綱」9条には、

建築主等および関係住民等は,対象建築物に関する紛争が生じたときは,誠意を持ってその解決のために努力しなければならない。
2 建築主等または関係住民等は,当事者間での話し合いによって紛争の解決ができないときは,市長に紛争の調整を申し立てることができる。
3 市長は,前項の申し立てがあった時は双方の主張を確かめ,紛争が解決されるよう努めなければならない。

とされているにもかかわらず、市担当課は、地域住民の納得が得られていない昨年7月15日時点で「調整は完了した」と判断して、対象建築物の届出(要綱第7条)を受理した結果、建築許可が出され現在に至っていることをまず市民と議員各位にお知りいただきたいと思います。

 今日この時点でも、地域住民が納得していない状況で、開発が進行しているため、普通車がギリギリ離合できる狭い生活道路に、最大一日160台の工事車両が往復し、渋滞で通勤が阻害される、重低音の工事騒音・振動・衝撃音が日々形を変えて伝わってくる、砂ホコリで車が毎日真っ白になるなど、地域住民にとっては耐え難い苦痛が毎日繰り返されているのです。

(「ワンダーシティー571」建設に伴う利用者の損失)

 さて、稲野公園運動施設は、身近な憩いの場、運動の場として市内、市外を問わず広く近隣住民に親しまれており、利用者は年間5万人規模になっています。

 建設中の大規模マンション群のB、C棟は、敷地南境界線からわずか75㎝しか離隔していないところに、15階44.5mの建物が建設されます。

 建造中を含め、高層建築物からの落下物による事故は最近も発生しています。当該マンションから、事情の如何にかかわらず落下物を完全に否定することはできません。公園利用者は幼児から高齢者まで、遊びや散歩に使用しており、危険を避けることはできません。

 伊丹市が行った事前審査では、稲野運動公園の管理責任があるスポーツ振興課は「公園利用者の安全確保を十分に行うこと」を求め、事業者は「公園利用者に対する安全確保について継続協議します」と回答し、現在に至るまで決着をしていません。にもかかわらず、工事が進捗している事態に、公園利用者や地域住民は強い懸念を持ち続けています。 どういう理由付けで「継続協議中」つまり、事前審査が完全にクローズしていないのに工事が進んでいるのか、この問題はまだ事業者、市と「有志の会」の継続協議の議題となっています。

 そこで、次の3点についてお聞きをいたします。

 ① スポーツ振興課が継続協議にしている理由は、何か端的にお答えください。

 ② 公園利用者の安全確保にどのような問題があるのかお答えください。
また、事業者側から「安全確保」への具体的提案は出ているのかお答えください。

 ③ 公園北縁1m幅の貸地の根拠条例の説明をお願いします。

 この質問③の問題では、事業者代理人は敷地と建築物の離隔距離について地域住民から工事中から建築後までの危険性について繰り返し指摘したにもかかわらず、一貫して「敷地から工事は、はみ出さない工法を採用している」「ベランダから物は落ちません」と言い張ってきました。しかし、工事が始まって間もない昨年11月に、市に対し、南敷地の南側幅1mを市に借地を申し込み、受理されています。

 ことの経過を知り尽くしている地域住民は、市はなぜ、どのような根拠で借地を許可したのか、法的、該当条例ではどういう根拠で借地を認めたのか説明を求めています。ご説明願います。

2.天神川水害

 5月8日未明に発生した天神川堤防の決壊による水害は、荒巻6丁目にお住いの皆さんに予期せぬ被害を与えました。直接の原因は、天神川堤防の改修工事を行っていた県土木の工事内容にあると思いますが、間接的には伊丹市の市道拡幅トンネル工事に伴うもので、地域住民にとって伊丹市は心情的にも「完全部外者」とはなりえないのではないかと思います。

 しかし、5月8日未明に市に対応をうったえた地域住民に「県のことだから県に聞いて欲しい」との対応があり、市の市民への対応に不信感が募ったと、8日の朝から現地に調査のために入った我が党加柴議員他の調査団の現地聞き取り調査でお聞きしています。

(質問1)
 今回の豪雨に対する避難指示は従来の危機管理マニュアルにのっとり、北村センターその他への避難が指示されましたが、天神川トンネル工事に関連した天神川堤防工事が実施されていることによる従来にないリスクが今回は加わっており、それへの対応はとられていたのでしょうか。

 現に、地元の方が119番通報を行った際の消防署の対応は「堤防決壊」を全く予想しておらず「寝耳に水」状態だったと伺っています。

 そこで、質問の1は、今回の天神川堤防決壊に関する危機管理上の問題はなかったのか、お伺いします。

(質問2)
 被災現地では、大量の土砂が道路や側溝、住宅敷地や床下、農地や工場敷地に流れ込み、乗用車が冠水し、床上浸水2軒、床下浸水10軒などの被害が出ました。天神川は天井川であり、絶えず堤防決壊のリスクはありますが、近年は発生しておらず、今回被災された住民も初めての経験で何もかもが予測しない事態で、災害復興においても行政に頼らざるを得ないのが実情です。

 発生直後の対応に不手際があったにも関わらず、その後の市の対応は迅速であり、心身のケアに及ぶまで対応されていることに対しては敬意を表します。

 同時に被災者は市民であり、市は、市民の安全と財産を守る立場から市民への誠実な対応を求めます。

 質問の2は、市民の安全と財産を守る立場から、初動の市の対応に問題はなかったのか伺います。

(質問3)
 県は、県知事が責任を明言したにもかかわらず、その後は担当部局が「原因究明が前提」などと言って補償の実施を先延ばしにする態度を示しています。

 また、県は「予測不能な時期と雨量が原因」などと「天災も原因の一部」といった表現で、県の全面的な補償責任をうやむやにする態度も出てきており、このまま県の「天神川氾濫災害調査委員会」での長期の検討で市民への損害補償がずるずると引き延ばされることは許されません。

 日本共産党市議会議員団は、6月5日にも現地調査と聞き取りを行いました。そこではエアコン室外機や車の修理、床上浸水で床が朽ちたために引越しを余儀なくされる方もおられましたが、県はいまだに補償内容を明らかにしておりません。

 5月15日に続き、日本共産党県議団とともに去る6月9日に県知事への2回目の申し入れを行いました。次の4点です。

1.住宅の浸水被害からの復旧のために係る経費、破損した車の修理代などの補償は、全額公費で行うこと。被害に対する県の責任は明確である。補償については、県の検証委員会を待つことなく、ただちに行うこと。補償の実施について、早急に住民に説明を行うこと。

2.被災者自身が行う復旧作業のための電気や水道、ガス代などの免除・減額措置をおこなうこと。補償や減免申請については、手続きを簡素化すること。

3.被災者の健康被害に対する医療費負担についても、補償すること。

4.設置されている「天神川氾濫災害調査委員会」は公開でおこない、議論の内容を速やかに県民にあきらかにすること。科学的客観的な検証を行い、原因究明、再発防止に努めること。住民への補償については、調査委員会とは区別して、個別に対応すること。

 知事は、5月10日、現場を訪れた際に「補償についても丁寧に対応したい」と話されています。

 この被害は、天井川という特有の河川構造にある天神川の河川改修工事を県がおこなっていた最中に起きたものであり、本来ならば平時でも管理のレベルをあげる必要があったにも関わらず、取っていなかったこと、河川改修工事の工法の問題、工事中における安全管理対策や体制が十分とられていなかったなど、県の責任は明確だと考えます。

 質問の3は、これらのことから、今回の責任の所在はどこにあるのか、市の責任をどう考えているかお聞きします。

(質問4)

 質問の4は、県の責任が明確である以上、県の負担を明らかにして住民への補償を速やかに実施を求めるなど、県への要望も踏まえた市の考えを伺います。

6月議会質問 (2回目)

 2回目は、意見要望とします。

稲野駅前大手前大学跡地への大規模マンション建設に関して

 先ほどの答弁で、公園敷地の幅1mの借地について、法的根拠を示されて妥当であるとのことでした。また、今後の経過を見ながら問題があれば協議を行うとも答弁されました。

 現在、工事はマンション本体の基礎工事中です。これから44.5mの本体の建設が始まります。

 国交省発行の「建設工事公衆災害防止対策要綱の解説」第4章第31「落下物による危害の防止」によると、ふ角75度以上のところに一般の交通その他の用に供される場所がある場合には危害を防止する措置を講じなければならない。」とされています。高さ44.5mの建築物に対するふ角75度は、水平距離で約12mとなります。民法上の離隔距離はわずか50cm、今回の工事では最小75cmであり、工事中の落下物から稲野公園利用者を守ることはできません。

 事業者が国交省の求める安全策を実施するなら、敷地境界から11mもはみ出した構造物を仮設しなければなりません。

 また、マンションが完成した後も不測の事態の発生は避けられません。法の規制は制定当時の制約を免れないため、それを補正するのは現在生活する市民であり、行政でなければなりません。

市民の安全を守るためになにをなすべきか。

 敷地境界からわずか75cmしか離れていないところに44.5mの構造物を建設すればどのようなことが引き起こされるか、常識のある一般人なら容易に想起できる内容ではないでしょうか。

 その結果、市民の共有財産である稲野公園スポーツ施設が「市民の安全確保」とはいえ一事業者の事業のために使用が制限されることになってよいものでしょうか。

 事業者はキャッチコピーに「目の前に約1万4千m2の「稲野公園」。パークフロントの解放感に包まれる日々」と、稲野公園をちゃっかり借景しています。汚い言葉を使えば「市民の財産をただ食い」しているに等しいではありませんか。

 スポーツ振興課が事前審査で「公園利用者の安全確保」を求めたのは極めて常識的な判断だと思われます。現在は幅1mの借地ですが、今後の工事進捗では間違いなく先ほど指摘した幅11mの借地が発生してきます。

 今回は稲野公園に関係する問題点を取り上げましたが、その他の問題点については今後も調査して、引き続き市議会で取り上げていきます。

「継続協議中」の案件を抱えながら建築工事が進行しています。

 大手前大学跡地への大規模マンションの建設は、地域の景観を大きく変えてしまいます。明るく静かな住宅街は、午前中は日が差さない薄暗い街に変貌します。

 周辺の建造物による「うっとうしさ」を測る尺度に「形態率」というものがあります。空を見上げて、そこに映り込む障害物がどこまで広がっているか。を評価します。過去の裁判記録では19%で近隣に建設中のマンションの一部を取り壊した判例があります。

 稲野町2丁目の近隣住宅では、大手前大学の建物では9%程度だったものが、30%近い値となりました。

 形態率は今はまだ建築基準法に規定はありませんが、今後の世論形成によっては基準に取り入れられるかもしれません。

 伊丹市宅地開発等指導要綱第13条によれば、建築計画戸数が100戸以上になれば、延べ面積70m2以上の集会所を設けなければならないとしていますが、775戸のマンション群で、独立した集会所は計画されていません。別の目的の部屋を臨時につなげて集会所として利用できるとしています。近隣の自治会集会所は稲野東自治会200世帯の稲野東センターしかありません。

 昨日の大津留議員の質問で明らかになりましたが、避難所の不足は、新たに2500人の住民が増える南小学校区ではさらに深刻となります。

 南小学校、南中学校などの教育施設、医療施設、介護保育施設など、公共インフラへの影響は相当に大きくなることが予測されます。

 法に違反していなくとも迷惑なものは迷惑だ。というのが地域の皆さんの声です。

 先に住んでいる住民がなぜ苦しめられるのか。建てるのなら周辺住民と折り合いを付けて建設すべきではありませんか。これから新たに稲野町に来る皆さんには、隣人として気持ちよく接していきたいと誰もが望んでいます。

 そのためには、尼崎、宝塚、芦屋にはすでにある、周辺住民と事業者、行政による事前の話し合いで、お互いに納得できる開発が行われる地域開発における住民参加の「地域開発協議会条例」というような条例の制定が必要と考えています。
 市民が安心して住み続けられる伊丹市の住環境を守るために、伊丹市が今後とも市民の視点で取り組んでいただくことをお願いいして、要望といたします。

次に、天神川堤防決壊に係る答弁についてです。

 1つ目の、危機管理上のリスクの点ですが、答弁では「危機管理室において今回の河川情報を把握したのは発災直後」とされています。

 雨季において、河川の改修工事の有無というのは、危機管理上見落としできないリスクだと思いますが、全く事前に把握されていなかったのはどういういきさつがあるのか、本来、県から「こういう工事を行っているから危機管理上のリスクですよ」といった通達が来るのに、来ていなかったから把握できなかったということでしょうか。それとも、天神川の河川管理は県の仕事だから把握する必要がない。という観点からなのでしょうか。

 私の感覚からすると、市の市道拡幅に伴うトンネル工事に起因する河川改修が行われている。それがどのような内容で実施されているかというのは、危機管理上関心を持ってもよい内容ではないかと考えるのですが、この点、危機管理上のリスク管理として問題はなかったのか、今後の対応への真剣な検討を行うことを要望します。

住民への対応について問題はなかったか

 次に、住民への対応について問題はなかったか、についてですが、すでに他の議員の質問でも繰り返し答弁いただいている内容で、多くの職員の皆さんが奮闘いただいたことは評価したいと思います。被災者のメンタルへの対応や障害をお持ちの皆さんへの配慮も含めての対応は重要で評価いたします。

 次に、責任の所在と、県の対応についてですが、6月8日に開催された「天神川氾濫災害調査委員会」の配布資料と、6月9日に行った県土木部、河川整備課長からのヒアリングによると、調査委員会は非公開で4回開催され、今年の秋ごろ開催の4回目で結論に至る予定ですが、その間、補償の責任がどこになるか、また責任の割合がどうなるか判明するまで具体的な補償に手がつかないかのような発言でした。

 被災された市民は、元の生活を取り戻すためにやむを得ず私費で修理や購入を余儀なくされており、すべて自己負担で行わねばなりません。暑い季節に向かい、エアコンは必需品で、また防カビや、防虫対策にも多額の費用が発生します。悪徳業者の訪問もあるとのことで、被災者の心労は大きくなっています。

 県の迅速な対応を求めると同時に、市からも県への働きかけを強化していただくよう求めまして、要望とします。

 以上で質問を終わります。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第409号)天神川 県へ第2次申し入れ

天神川堤防決壊による被災者への
補償のための緊急申し入れ(第2次)

                                        日本共産党 県・伊丹市議団

  日本共産党伊丹市議団ニュース(第409号)2023年6月13日(PDF)

伊丹市議団ニュース(409号)

天神川堤防決壊による被災者への補償のための緊急申し入れ(第2次)
日本共産党 県・伊丹市議団

 6月9日(金)、日本共産党伊丹市議団は、兵庫県議団と一緒に天神川堤防決壊による被災者への補償に関する申し入れを行いました。この件に関する申し入れは2回目となります。服部、かしば両市会議員と庄本、久保田県会議員が参加しました。兵庫県から八尾河川整備課長が対応しました

 この申し入れに先立ち、5日(月)にはかしば議員と県議団、大西元市議が、現地で被害状況と住民の要求をお聞きしました。室外機や車の修理、床上浸水で床が朽ちたために引っ越しを余儀なくされる方もおられました。ところが兵庫県はいまだに補償内容を明らかにしていません。

 5月8日の被災直後から、服部よしひろ、かしばふみ両議員、ひさ村真知子前議員、よしお周二くらし・若者対策委員長、大西やす子元議員(党支部長)をはじめ党支部の皆さんが現地に赴き、被災者へのお見舞いと要求をお聞きしてきました。

 9日の申し入れでは、兵庫県が被災者の実態と気持ちに寄り添い、誠実な対応と迅速な検証・補償を求めました(申し入れ文書は裏面に掲載)。
申し入れの懇談で兵庫県は、堤防決壊の検証が終わらない限り責任の所在が明確にできない、県の設計に従わなかった業者の責任の可能性にも言及。迅速な補償に応じようとしない答弁に終始しました。

 党議員団は、検証は必要だが、被災者は現在の生活などに困難をきたしており、補償を急ぐ必要があること、また、被災者の健康被害についても調査を求めました。

兵庫県知事齋藤元彦様

2023年6月9日
日本共産党兵庫県会議員団
団  長   庄本えつこ 
政務調査会長 久保田けんじ

天神川堤防決壊による被災者への補償のための緊急申し入れ(第2次)

 5月6日からの降雨により、兵庫県伊丹市荒牧地区の天神川河川改修等工事現場で破壊し、建物の床上浸水2戸、床下浸水10戸や車両水没などの被害が発生しました。

 党県議団は、被害発生直後の5月11日に現地をうかがい、現地調査と住民の皆さんからの聞き取りをおこない、5月15日に緊急の申し入れを行いました。

 また被害発生から約1カ月経過した6月4日、あらためて被災住民から要望をお聞きしました。自宅などの復旧作業などで疲弊されていた住民の皆さんからは、補償などへの不安など、さまざまな要望がだされました。

 知事におかれては、5月10日、現場を訪れた際に「補償についても丁寧に対応したい」と話されています。

 この被害は、天井川という特有の河川構造にある天神川の河川改修工事を県がおこなっていた最中に起きたものであり、本来ならば平時でも管理のレベルをあげる必要があったにも関わらず、河川改修工事の工法の問題、工事中における安全管理対策や体制が十分とられていなかったなど、県の責任は明確だと考えます。

 そうした点をふまえ、住民への補償など、以下のことを再度求めます。

1.住宅の浸水被害からの復旧のために係る経費、破損した車の修理代などの補償は、全額公費で行うこと。被害に対する県の責任は明確である。補償については、県の検証委員会を待つことなく、ただちに行うこと。補償の実施について、早急に住民に説明を行うこと。

2.被災者自身が行う復旧作業のための電気や水道、ガス代などの免除・減額措置をおこなうこと。補償や減免申請については、手続きを簡素化すること。

3.被災者の健康被害に対する医療費負担についても、補償すること。

4.設置されている「天神川氾濫調査委員会」は公開でおこない、議論の内容を速やかに県民にあきらかにすること。科学的客観的な検証を行い、原因究明、再発防止に努めること。
 1でも示しているが、住民への補償については、調査委員会とは区別して、個別に対応すること。

以上

日本共産党伊丹市議団ニュース(第408号)6月市議会

6月伊丹市議会
本会議・委員会で公約実現に全力

  日本共産党伊丹市議団ニュース(第408号)2023年6月10日(PDF)

日本共産党伊丹市議団ニュース(第408号)2023年6月10日

6月伊丹市議会
本会議・委員会で公約実現に全力

党議員団の一般質問の日時と内容は以下の通りです。
ぜひ傍聴にお越しください。

かしば ふみ議員 6月13日(火)10時45分頃から

1.新型コロナ感染拡大について

 (1) 新型コロナ感染拡大第8波の時、医療にかかれない人が沢山いたが、
5類に移行後の医療機関の対応
 (2) 窓口負担など今後どうなるのか、改めて伊丹市の対応を伺いたい

2.近畿中央病院跡地への医療機関誘致について(地域住民の要望から)

 (1) 地域の実情に配慮して、回復期病床と複数の診療科を持った医療機関を誘致すること
 (2) 今後、医療機関の誘致に関する進捗状況を明確にして市民に公表し、住民の声を聴くこと
 (3) 近畿中央病院閉院後の医療空白を防ぐ手立てを市は責任をもって行なうこと

3.高校世代まで子どもの医療費を通院も含めて無料にすること、また、学校給食の無償化を行うことに関する市の見解を伺う

服部よしひろ議員 6月16日(金)10時45分頃から

1.稲野駅前大手前大学跡地への大規模マンション建設に関連して

 近隣住民の納得が得られないまま、多くの問題を起こしつつ建設は進んでいる。改めて、現在未解決のいくつかの問題について市の見解を求める。

 敷地に南接する稲野運動公園との離隔距離と利用者の安全確保について
  ① スポーツ振興課が「事前審査」を継続協議にしている理由は、何か。
  ② 公園利用者の安全確保にどのような問題があるのか。
  ③ 公園北縁1m幅貸地の条例根拠は何か。

2.天神川堤防の決壊と市の危機管理上の問題点について

 5月8日未明に発生した天神川堤防決壊による水害について
 (1) 市の危機管理上の問題はなかったのか。
 (2) 住民への対応に問題はなかったのか。
 (3) 今回の事案の責任の所在はどこにあるか。
 (4) 県の責任が明確である以上、市民への補償を速やかに実施することを求めるが市の考えはどうか。

【2面】

6月議会に提案された主な議案は以下の通りです。

☆低所得世帯への1世帯当たり3万円の給付金支給の補正予算は、6月8日に全会一致で可決されました。党議員団が物価高騰に苦しむ市民への支援を求めていたものです。しかし、今後とも続く物価高騰への最大の対策は消費税の減税しかありません。党議員団は、皆さんとともに引き続き消費税の5%減税求めていきます。

低所得世帯等支援事業   7億5,301万円

食費等の物価高騰の負担感が大きい低所得世帯に対し特別給付金を支給します。
 ▽ 対象者:
 ① 令和5年6月1日時点で本市の住民基本台帳に記載されている「令和5年度住民税非課税世帯」(住民税が課税されている者の扶養親族のみで構成される世帯を除く)
 ② 家計急変世帯(対象期間:令和5年1月~令和5年12月)

 ▽ 支給額:1世帯あたり3万円
 ▽ 支給時期:令和5年7月上旬(初回支給の予定)
 ▽ 手続方法:①プッシュ型給付 ②家計急変世帯は要申請(申請期間:令和5年7月~令和6年1月)

☆前回に引き続き、上下水道料金の基本使用料を、1期(2か月)分(2023年8月、9月徴収分)を減免し、公共料金等の負担軽減を図ります。党議員団が基本料金減免の継続を訴えてきたものです。

公共料金等負担軽減事業   2億3,989万円

 ▽ 減免額(例:一般家庭(口径20㎜)の場合)
  ・水道料金1期(2か月分)当たりの基本料金1,144円(税込)
  ・下水道使用料1期(2か月分)当たりの基本使用料1,298円(税込) 合計2,442円(税込)

プレミアム付商品券事業   1億8,263万円

 食料品価格等の高騰に対応する生活者支援として、商店街等が取り組むプレミアム付商品券の発行を支援します。
 ▽ 利用期間:令和5年11月~12月(予定)
 ▽ 価格:1冊10,000円(12,500円分)プレミアム率25%
 ▽ 共通券6,500円分、専門券6,000円分

条例改正案では、①伊丹市市税条例の改正、②伊丹市立児童会館条例の改正が提案されています。

① 伊丹市市税条例の改正では、来年から「森林環境税」が新たに導入されることによるもので、均等割に1,000円が追加されます。これは、温暖化対策と言われていますが、その原因であるCO2排出の大企業に負担を求めるのではなく、広く国民に負担を求めるもので、問題です。

② 伊丹市立児童会館条例の改正では、会議室等の使用料の納付先を伊丹市から指定管理者に変えるものです。指定管理者は「シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社」です。その収入が増えれば指定管理者の利益が上がりますが、収入の減少によるサービスの低下や人件費の削減が懸念されます。党議員団は指定管理者による管理に反対してきました。

請願

 請願は、① 伊丹市原爆被害者の会、伊丹原水協から「日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める請願」 ② 伊丹民主商工会から「インボイス制度の実施の延期を求める請願」が、いずれも党議員団の紹介で提出されました。採択に向けてがんばります。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第407号)天神川決壊 県へ申し入れ

天神川の決壊
県議団・伊丹市議団が県知事へ申し入れ

  日本共産党伊丹市議団ニュース(第407号)2023年5月19日(PDF)

日本共産党伊丹市議団ニュース(第407号)2023年5月19日

天神川の決壊
県議団・伊丹市議団が県知事へ申し入れ

 日本共産党県議団と市議団は合同で、5月11日、天神川水害の現地
視察を行い、調査結果を踏まえて、5月15日(月)県知事あてに申し入れ
を行い、担当部局と協議を行いました。

申し入れ内容

県の堤防強化のための工事現場で起きた堤防決壊であることは重大。

1.住宅浸水被害、車の破損などの補償は全額公費で行うこと

2.被災者自身の復旧作業のための電気や水道などの減免措置実施

3.被災事業者、勤労者への休業補償の実施

4.二次被害を防ぐ安全対策の実施

5.相談窓口体制の強化

6.第三者による検証の公開と再発防止策の実施を求める。

 各議員は、「被災者は一日も早く元の生活に戻りたいと願っている。検証と補償は別個の問題。県の工事中に起きた決壊による被害であり補償は当然行うべきだし、相談窓口は現地に設置すべき。」と申し入れました。

伊丹市議会新役員決定

5月臨時議会において議会3役ほかの人事を決定しました。

日本共産党議員の配置

   委員会名     議員名
議会運営委員会     服部よしひろ
総務政策常任委員会   服部よしひろ
文教福祉常任委員会   かしば ふみ
都市企業常任委員会    空席
飛行場問題特別委員会   空席
議会改革検討特別委員会 服部よしひろ
市立伊丹病院検討特別委 かしば ふみ
クリーンランド議会議員 かしば ふみ

 

 

 

天神川氾濫による近隣住民被害に関する市への申し入れ

日本共産党伊丹市議会議員団は5月10日、伊丹市長に次の申し入れを行いました。

伊丹市長に申し入れ_2023_05_10➔ 天神川氾濫による近隣住民被害に関する申し入れ(PDF)はこちら(以下と同じ内容です)

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伊丹市長 藤原保幸様

天神川氾濫による近隣住民被害に関する申し入れ

2023年5月10日 日本共産党伊丹市議会議員団
服部好廣
加柴扶美

 5月7日深夜から8日未明にかけての豪雨により、天神川のトンネル工事現場から越水し、荒牧6丁目の一部が冠水・土砂流入し、床上浸水1軒、付近一帯多数床下浸水、車両数台水没、田畑冠水の被害を出しました。

 日本共産党議員団は5月8日、現地視察、当日危機管理室より説明を受けましたが、その内容を踏まえて下記申し入れを行います。
ご対応をよろしくお願い申し上げます。

申し入れ

1.被災者への誠実な対応を求める。

1)水害の発生が天神川の工事に起因すると思われることから、当該工事が県の発注事業であり、伊丹市の担当部局の対応が「県に聞いて」という傾向になっていることが、被災者や地域住民の不安と不信を買っている。
被災者は市民であり、市は、市民の安全と財産を守る立場から誠実な対応を求める。

2)被災者は様々な不安をお持ちだが、市の相談窓口を一本化して総合的に対応できる「被災者相談窓口」を現地(最寄りの共同利用施設等)に設置することを求める。

2.事業者等への緊急小口資金等の「特例貸付」の設置を求める。

被災により休業を余儀なくされている事業者への「特例貸付」の設置を求める。

3.住環境の回復と保全を緊急に図ることを求める。

1)被災地域の道路には泥の堆積があり、乾燥により埃となって飛散している。飛散した埃が住居、車両、洗濯物等に付着。また、吸引により住人の健康被害にもつながりかねないため、速やかに洗浄し飛散を防止することを求める。

2)床上・床下への汚水や泥の侵入に対し、速やかに洗浄・消毒を行うこと。

3)費用については原則的に発生原因である県に負担を求めるとしても、市が先行して実施すること。

4.責任の所在を明らかにすること。

市の危機管理上の問題点を検証し教訓とすること。

以上

2023年3月議会:上原ひでき 本会議討論

2023年3月議会 本会議討論

議案第14号「令和5年度伊丹市一般会計予算」に対する反対討論

日本共産党伊丹市議会議員団 上原ひでき

 議長の発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、議案第14号に対しては反対の立場から、議案第15号に対しては賛成の立場から要望を含めて討論をします。

 初めに、議案第14号「令和5年度伊丹市一般会計予算」についてです。

 市民の暮らしをめぐる情勢では、個人市民税の質疑でも明らかな通り、昨年の給与収入は1.59%の増、年金収入と営業所得は横ばいと予測されており、市民の収入を上回る物価の高騰によって市民生活は悪化しています。

 また、厚生労働省が3月7日発表した1月の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額、名目賃金に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比4・1%減となりました。物価の高騰に比べ賃金の伸びは鈍く、マイナスは10カ月連続。落ち込み幅は2014年5月の4.1%減以来、8年8カ月ぶりの水準でした。

 さらに、帝国データバンクが3月8日発表した2月の企業倒産集計によると、物価高騰を主因とする倒産件数は53件と、8か月連続で過去最多を更新しました。コロナ禍で経営体力が弱った中小企業に資源・エネルギー高が追い打ちとなり、事業継続を断念する例が多くなっています。

 今年の春闘では、大手企業による賃金引き上げの満額回答が続いているようですが、物価高騰分を上回るのか、中小企業における賃金は上がるのかが問われています。

 いずれにしてもコロナ禍の影響も含めて、来年度も市民にとっては厳しい年になることは確実です。その中で、伊丹市には市民の暮らしを守り支える対策が強く求められています。

 以下、問題点を述べます。

 第1に、市民の暮らしを守る対策です。実質賃金が下がり、長期の経済低迷が続く下での物価高騰という、この危機を打開するためには、暮らしと経営を守る緊急対策と、日本経済のゆがみを根本から打開する方策を一体にすすめることが必要です。日本共産党は、この立場から、「物価高騰から暮らしと経済を立て直す――緊急提案」を発表しています。岸田政権の対策は極めて不十分と言わざるをえません。

 伊丹市としても、子育て世帯に対する支援策が前進したことは評価しますが、来年度予算の中における、コロナ禍と物価高騰で傷んだ暮らしと営業を守る対策が不十分であることです。本来は、国が当初予算でこの対策を行うべきですが、いつものように遅れています。国に対して、中小企業や非正規労働者などへの賃上げ支援、介護、障害者福祉、子育て支援などの拡充で、誰もが安心して暮らせる社会にすること、大軍拡予算は撤回し、国民の暮らし最優先の施策を行うこと、消費税の5%への減税、インボイス制度の中止を求めていただくとともに、代表質問でも求めました上下水道使用料の基本料金減免小規模事業者への賃料支援など、伊丹市としての独自の対策を求めます。

 第2に、職員の人事評価の問題です。全体の奉仕者の立場から公共を担う公務員にとって、「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、5段階評価はやめ、面接による対話の中で職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第3に、同和問題です。代表質問でも指摘しましたが、現在は「社会問題としての部落問題」の最終段階にあるというのが私たちの考えです。しかし、差別観念や意識が社会的に通用しなくなってきているほど市民の常識が成熟しているにもかかわらず、そのことが共有されていないのが問題です。過去に存在した差別に固執したり、問題探しをしたりするより、解決の過程と変化の事実を確認・共有することが必要と考えます。答弁で、「同和問題を身近な人権問題の一つとして掲げ」とされましたが、どれだけの市民が身近な問題と感じているとお考えなのでしょうか。行政が無理やり身近な問題としているのではないかと思います。こういう考えで同和問題に関する人権教育を進めたら、いつまでたっても差別はなくならないという結論にしかなりません。ぜひ考え直していただきたいということを要望します。

 第4に、今回の質疑では触れることができませんでしたが、自衛隊に対する募集対象者情報の提供の問題です。市のホームページで自衛隊から名簿提供の依頼があった場合の提出の法的根拠が書かれていますが、自衛隊法施行令第120条の「防衛大臣は募集に関して必要な報告又は資料の提出を求めることができる」とされているのは、単に「資料の提出を求めることができる」という防衛大臣の「できる」規定だけで、自治体にはなにも求められていませんし、資料の提出の中身も個人情報としての名簿であることも書かれていません。従って個人情報を提出する必要はありません。せめて「除外申し出制度」を直ちにつくることを求めます。

 第5に、全国学力テストの問題です。学力テストの結果は学力の特定の一部分、教育活動の一側面でしかありません。したがって、毎年悉皆調査をする必要はなく、数年に一度の調査で十分児童生徒の学力や学習状況の傾向を見ることは可能です。全国テストへの参加と独自テストの中止を求めます。

 次に評価する点について述べます。

 第1に、子育て支援策が前進したことです。

 一つは、党議員団が一貫して求めてきました子どもの医療費助成事業を、所得制限を撤廃して中学生までの医療費を完全無償化されるとともに、高校生世代の入院医療費も無料とされたことです。さらに高校生世代の通院医療費も無料にすることを要望します。

 二つには、夏期休業中における児童くらぶ昼食提供事業を開始されることです。希望者への昼食提供ですが、保護者負担軽減に寄与するものと評価します。夏季休業中という厚い時期でもありますので、安全・安心の昼食提供に務めていただきたいと思います。

 三つには、就学前施設を含めた学校給食等食材調達支援事業を継続されることです。食材費が高騰して給食の質と量の確保が困難になる中、食材費の増加分を支援されることは意義があります。今後は、保護者負担の軽減のため、就学前施設も含めた学校給食費の無償化を国に求め、伊丹市としても無償化も含めた負担軽減策を求めます。

 四つには、保育需要の増加に対応するため、認可保育所2か所の誘致等によって130名の定員を増員されるとともに、第2子の保育料無償化事業を拡充されることです。保育所の待機児童は4月1日付では基本的にゼロとされますが、その後一気に待機児童が増えています。年度途中の待機児童の解消のためには、伊丹市が責任を持つ以外にありません。公立保育所の増設、定数増を図ることで年度途中の待機児童を解消されることを求めます。

 第2に、「伊丹市ゼロカーボンシティ」を宣言し、2050年にカーボンニュートラルの実現に挑戦されることを明確にされたことです。ただ、2030年度の温室効果ガスを2013年度比で48%削減することとされていることは、国の目標に合わせたものですが、国連気候変動に関する政府間パネル「1・5度特別報告書」は、2030年までに大気中へのCOの排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して1.5度までに抑え込むことができないことを明らかにしています。日本の目標は2010年比にすると42%の削減でしかないばかりか、石炭火力発電所の増設に各国から批判の声が上がっていることを指摘しておきます。

 第3に、災害時に避難所となる小学校体育館に空調機器を整備するため、その実証実験を始められることです。夏場の避難者に対する健康配慮とともに、子どもたちの熱中症対策としても有効です。実証実験の後、順次空調機器の整備を要望します。

 以上述べた項目以外の主な要望については、本会議や委員会で述べていますとともに、予算要望書にも多数掲載していますので、来年度以降実現していただくことを求めまして2023年度伊丹市一般会計予算に対する反対の意見とします。

 次に、議案第15号「令和5年度伊丹市国民健康保険事業特別会計予算」に対しては、要望を交えて賛成の立場から意見を述べます。

 国民健康保険税に関しては、来年度も含めて10年間値上げはありません。県単位化以降、主に国保財政調整基金の活用によって値上げを止めてきたことは評価します。ただし、2030年をめどに兵庫県内保険料率の統一により大幅な値上げが予想され、委員会の答弁では一人あたり平均約3,700円の値上げとなる見込みとのことです。4人世帯で年間約15,000円の負担増です。

 国民健康保険に加入する世帯は年金収入や非正規雇用者等低所得者が多く、所得ゼロ世帯が全体の42%、所得100万円未満でも全体の73.6%を占めています。国保税も阪神間自治体の中で低い水準とはいえ、夫婦と子供一人の3人世帯、年収360万円で416,500円の国保税となります。

 国保税の値上げを止め、引き下げるために以下の要望をします。

 一つは、国に対して、国保税の「人頭割」とも言われる均等割り部分で、現在就学前の子どもの均等割りを半額減額しているのを、18歳までの均等割りを廃止すること、また、伊丹市は福祉医療波及分として一般会計が負担していますが、子ども医療費助成等の福祉医療に対して国が行っている、国民健康保険事業に対する「罰則措置」ともいうべき国庫負担の減額を直ちに全廃すること、さらに事業主への国保の傷病手当創設を求めていただきたいと思います。

 二つには、伊丹市として、均等割り部分に対して軽減をするための「法定外繰り入れ」を行うことです。子育て世帯への支援として18歳までの均等割りの軽減も考えられます。名古屋市では、多人数世帯に対する国保税を軽減するため、「法定外繰り入れ」による均等割り部分の軽減が行われています。

 また、医療費の高騰を抑えるためには、検診率の向上による早期発見早期治療、食に対する関心を高めて安心・安全な食糧が供給できる取り組みを伊丹市全体で行うことも重要と考えます。

 以上ですが、基本的に高すぎる国保税を下げるためには、さらなる思い切った国庫負担の増額が必要です。国に対して要望をしていただくことを求めまして、2023年度国民健康保険事業予算に対する賛成の立場からの意見とします。

 以上、議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。