2023年度予算編成に当たっての具体的要望事項

2023年度予算編成に当たっての具体的要望事項

≪総合政策部≫
1.空港について
 イ.大阪国際空港に関しては、安全、騒音・環境対策はあくまでも国の責任で実施することを国に求めること。とりわけ、空港周辺地域における騒音の軽減を早急に図り、毎年前年対比で騒音が低減できるようにすること。
 ロ.管制体制の強化と航空機の整備・検査等にかかる規制緩和の中止を国に求めること。
 ハ.住宅騒音防止対策費の充実を国に求めること。
 ニ.学校等公共施設、医療施設等の空調器機の更新を推進し、更新経費の全額国庫負担を求めること。
 ホ.民防空調機器更新に係る市民の一部負担を全額県・市費で助成すること。
 ヘ. 国際チャーター便については、その実績を重ねることによる国際線復活につなげないこと。
 ト.米軍等軍用機の発着はやめること。
2.自衛隊基地のヘリコプタ-の発着や自衛隊記念式典時の空砲による騒音、人を殺傷する訓練展示、子どもたちに「戦車」への試乗などの催し等はやめさせること。
3.自衛隊中部方面総監部で実施される日米共同指揮所演習など、アメリカが行う戦争に日本を参加させる取り組みの中止を求めること。

≪総務部≫
1.人権無視、低賃金で安上がりを目的とする人材派遣の活用は、人権を最も重視する事を基本とする自治体としてふさわしくないので中止すること。
2.職員数の減少の中で、有給休暇がまともに取れ、健康破壊をなくすためにも、また、住民の人権・福祉を守るためにも、会計年度職員等非正規職員に依存するのではなく、正規職員の増員を図ること。
3.厚生労働省が労働災害認定の過労死ラインと規定している職員の超過勤務については、命と健康を守る立場から直ちに改善すること。
4.組織の継続性・専門性を重視した職員配置をおこなうこと。
5.職員の給料引き下げはやめること。
6.公共事業の施行にあたっては、地元業者を活用し、雇用の安定と就労の促進を図ること。
7.同和対策特別措置法は終了し、法の根拠はなくなっていることから、同和・人権室を廃止すること。少なくとも、「同和」の名称はあらゆる部署においても使わないこと。
8.職員の人事評価に関しては、「働きぶり」や「能力」「業績」など図ることができない5段階評価はやめ、課長や内部における話し合いによって、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場となるように改善すること。

(危機管理室)
1.大震災における国の責任を明確にさせ、震災復興にかかわる財源は全額国に求めること。
2.被災者生活再建支援法の対象を半壊、一部損壊にも広げ、支援額の上限を300万円から500万円に引き上げることを国に求めること。
3.災害時における弱者・障害者への対策に関して、福祉避難所の増設・整備をし、日常的に住民とともに避難対策を進めるなど対応を拡充すること。ペット同伴による避難者対策を行うこと。また、新型コロナウイルス等の感染対策を重視すること。
4.共同利用施設等における自主避難所の開設にあたっては、市の災害対策本部との連携を密にし、救援物資等必要な対応を図ること。
5.学校体育館等の大規模な避難所の運営にあたっては、プライバシーの保護、ジェンダー平等の立場を遵守すること。また、市職員が責任者とし、避難者の意見を集約して改善を図りながら運営すること。

≪財政基盤部≫
1.「行財政改善計画」の策定にあたっては、市民のくらしを守り公の責任をはたす立場を堅持し、「市場化テスト」やPFI、民間委託・民営化など、一時的な費用負担削減のため、市民のための公共財産を安易に民間にゆだねる手法はやめること。物価高騰や格差と貧困が広がる中で、使用料・手数料等、公共料金の引き上げは行わないこと。
2.年度途中における市税や地方交付税の増による財源は、むやみに公債管理基金等に積み立てるのではなく、物価高騰やコロナ対策等市民の暮らしを支援する施策に使うこと。
3.市民税等の徴税業務に関して、その業務が人権に関わるものであることから、民間委託(電話による納税催告業務等)は行わないこと。
4.市税等の滞納者に対し、いたずらに「徴税強化」をあおるのではなく、納税者の権利を保障し、その立場に立った相談を中心として、滞納の背景にある市民の困難を他の部署と連携して解決すること。小規模事業者に関しては、運転資金に及ぶ差し押さえはやめること。
5.指定管理者制度について
 イ.導入した施設については、①住民・利用者の施設利用権を守ること、②施設のサ-ビス低下させないこと、③施設は、公正で民主的に運営すること、④職場の専門性、継続性、雇用を守る立場をとること、⑤正職員、非正職員の適正な給与を保障すること。
 ロ.「公の施設」の設置目的に反する民間企業への指定管理者選定は行わないこと。また、教育や福祉等の人権にかかる公共施設では、指定管理者による管理はやめること。

≪消防局≫
1.消防・救急体制については、装備、施設のみならず、人員も含めてすべてにわたって、充実・強化し、消防力の整備指針を100%充足すること。
2.雑居ビルの防火管理を強化すること。
3.住民や事業者の自主的な防災活動と連携し、防災教育、防災訓練を充実すること。消防の再任用職員を活用し、長年の知識や経験を生かして、地域の防災教育、防災訓練の仕事が担えるようにすること。
4.消防職員委員会が職員の意見を十分反映でき、生かすようにすること。

≪健康福祉部≫  
1.生活保護
 イ.生活保護の役割は益々重要となっているにもかかわらず、政府は、生活扶助費、住宅扶助費を大幅に引き下げた。このことは憲法25条で保証された最低限の生活も保障されない状況となる。消費税増税分の正確な反映と生活保護基準の引き上げを強く国にもとめること。また母子加算の継続を国に求めること。
 ロ.生活保護を必要な人が必要なときに受けることが出来るようにすること。特にコロナ禍の中では、生活保護は憲法に基づく権利であることを広く市民に公報すること。また、生活困難者の相談には「寄り添い型」の姿勢で行い、信頼関係を持てる相談に努めること。また分かりやすい制度紹介の「しおり」とともに生活保護申請用紙を窓口カウンターに常備し、相談者の生活保護申請権を尊重した対応をすること。しおりの中に、例えば受験生、結婚資金の積み立てなど同居であっても別世帯申請などできる例や貸付制度(冷暖房機などの購入)に関しての説明も示し、利用しやすいようにすること。
 ハ.正職員としてのケースワーカーを増員し、申請から法定期間の14日内の決定など申請者への対応を迅速に行うとともに、保護世帯の相談に十分に応えることが出来るようにすること。
 ニ.生活保護世帯の夏季・冬季見舞金を復活すること。老齢加算の復活を国に求めること。
2.国民健康保険
 イ.国保税と一部負担金の減免制度を拡充するとともに、市民への広報を強めること。
 ロ.短期保険証、資格証明書の発行は行わないこと。
 ハ.葬祭費の給付額を大幅に改善すること。
 ニ.国保税の滞納者に対し、いたずらに「徴税強化」をあおるのではなく、納税者の権利を保障するとともに、社会保障制度の立場に立った相談を中心として、滞納の背景にある市民の困難を他の部署と連携して解決すること。
ホ.2025年からマイナンバーカードが保険証として使用可能となることに関して、マイナンバーカードがなければ受診できないと誤解を招くような宣伝はしないこと。
ヘ.コロナ禍における傷病手当は事業主とその家族にも適用するように国に求めること。コロナ禍に関わらず、傷病手当給付を国に求めること。
3.年金
 イ.年金額を月額5万円底上げする最低保障年金制度をつくり、国民年金では月額8万3千円に引き上げるよう国に求めること。
 ロ.現在年金を受けている人を含めて受給額を大幅に削減することや、支給年齢を68歳ないし70歳まで引き上げる年金の大改悪に反対すること。
4.医療費助成
 イ.北欧等では常識となっている医療費窓口負担ゼロをめざし、その第一歩として75歳以上の高齢者と子どもの医療費無料制度を国の制度として創設することを国に求めること。子育て支援医療費助成については、市独自に通院も18歳まで無料にすること。
 ロ.一部負担金を導入した重度心身障害者および母子医療費の撤回を県に求めるとともに、市独自の上乗せ措置を復活させること。
 ハ.重度精神障害者(児)医療助成事業に対し、市負担で上乗せ措置を行うこと。
5.医療保険でより良い歯科医療が提供できるように保険の給付範囲を拡大するとともに、補聴器も保険適用するよう国に要望すること。
6.入院時において、おむつ代など医療保険外負担に対する援助を行うこと。
7.高齢者の医療負担をなくすとともに、療養病床に入院する高齢者の食費負担、居住費負担などの医療改悪を元に戻すよう国に求めること。
8.病院の統合再編に関して、近畿中央病院の跡地に回復期、外来を含む医療機関を誘致することに全力を尽くすこと。【地域医療体制整備推進班】
9.後期高齢者医療制度
 イ.75歳以上の高齢者すべてから保険料を徴収する差別医療押し付けの、「後期高齢者医療制度」の廃止を国に求めること。同時に制度存続の間、市独自の保険料減免制度、医療費一部負担減免制度を創設すること。
 ロ.一定以上所得者の窓口負担割合、高額療養費の引き上げは元に戻すこと。
 ハ.患者の2割・3割負担はやめるように国に求めること。
10.高齢者福祉
 イ.介護保険
  ①介護保険事業にかかる国庫負担割合の引き上げを国に求めること。
  ②必要な人がすべて安心して介護を受けることができるために、特別養護老人ホ-ムや小規模多機能型居宅介護施設等介護施設を増設し、ホ-ムヘルプサ-ビス、デイサ-ビス、ショ-トステイなど居宅サービスを拡充すること。   
  ③介護施設等で働く人への賃金引上げを国に求めると同時に、市も独自の支援を行うこと。
  ④保険料は住民税非課税の高齢者・低所得者からは徴収しないこと。
  ⑤低所得者の利用料を抜本的に軽減すること。利用料3割負担における市独自の上乗せの減免制度も作り、広く市民に広報すること。
  ⑥国による「自立支援・重度化防止」に向けた財政的インセンティブの付与によって、介護サービスの切り捨てとならないようにすること。
  ⑦介護予防・日常生活支援総合事業においては、利用者の意思を尊重し、少なくとも現行サービスは低下させないこと。
⑧介護保険基金は、サービスの充実と介護保険料軽減に充当すること。
⑨国に対して、介護「特別加算」はやめ、施設の感染拡大防止対策に関する抜本的な支援を求めること。伊丹市独自に、加算相当額を補助すること。
 ロ.社会福祉事業団は高齢者、障害者の介護サ-ビスにおける公的責任を堅持すること。
 ハ.現行の市バス無料乗車制度を堅持すること。同時に、居住期間制限をなくすこと。
11.障害者福祉
 イ.すべての障害者施策における「応益負担」の原則を撤廃することを国に求めるとともに、原則定率一割負担の更生医療、育成医療、精神通院医療に対する軽減措置の充実をはかること。
 ロ.すべての障害者が利用できるよう、施設やホ-ムヘルパ-などの基盤整備を充実すること。
 ハ.国に財源の増額を求め、「地域生活支援事業」の利用料を無料にするとともに、サービスを充実すること。
 ニ.福祉施設、作業所への報酬の日払い制度をやめ、大幅に引き上げるよう国に求めること。
 ホ.市内事業所に、障害者雇用促進法にもとづく法定雇用率を達成するようさらに雇用の拡大をはかること。一般就労や福祉就労では、公的分野で一層の拡大を図ること。
12.特にコロナ禍において、児童虐待防止に迅速・適正に対応するため、さらに相談員を増員するとともに、川西こどもセンタ-の相談員を増員するよう県に求めること。

≪市民自治部≫
1. 平和都市宣言をアピ-ルする標柱などを阪急伊丹駅同様JR伊丹駅周辺にも設置すること。
2.核兵器禁止条約の批准国が68カ国に達した(2021年12月10日現在)。伊丹市として、国に対して核兵器禁止条約の署名・批准を求めること。
3.すべての同和行政と同和教育をやめ、「同和行政終結宣言」を行うこと。
 イ.「差別を許さない都市宣言」は廃止すること。
 ロ.「部落差別解消推進法」に関しては、衆・参両院における付帯決議を遵守し、新たな差別を生み出さないようにすること。
4.ジェンダー平等の実現に向けて、男女差別の撤廃、女性の社会参加促進のため「男女共同参画条例」を制定すること。
5.家庭系ゴミの、これ以上の有料化は実施しないこと。プラスチックごみ、事業系ごみの削減を図ること。折りたたみ式ごみ収納枠等に対する助成をすること。
6.自然エネルギーの活用を促進するため、家庭用ソーラシステム導入への補助制度を導入すること。
7.天神川、天王寺川の緑道整備を行い、ネットワ―ク化を急ぐこと。

≪都市活力部≫
1.文化振興のため、文化施設の運営にあたっては、ひろく専門家や市民・文化団体などの意見を聴取し、低廉で利用できるようにすること。特にいたみホ-ルの使用料を引き下げること。
2.都市農業基本法が成立したもとで、伊丹市都市農業振興基本計画に基づき、(仮称)農を活かしたまちづくり基本条例を制定し、都市農業を維持・発展させること。また中小企業も含め地域循環型経済を実現するため、「産業振興条例」を制定すること。
3.国・県と協力し、下請け代金支払い遅延等防止法にもとづき、大企業の中小企業に対する単価きり下げなどを止めさせるため、実効ある取り組みを国に求めること。
4.企業「リストラ」や撤退に対して早期の情報把握に努め、関係機関と連携して、地域経済と従業員・市民の雇用と暮らしを守る立場から適切な対応を講じること。
5.県と協力して市内の失業やブラック企業の実態等を把握し、国・県と連携して相談窓口を設置し、若者等の雇用対策を図ること。
6.パ-ト労働者の賃金・労働条件の改善をはかるとともに、パ-ト労働者福祉・退職金共済制度を創設するよう国に求めること。
7.派遣労働を臨時的、一時的な業務に限定するなど、労働者派遣法の抜本改正を国に求めること。市内の外国人労働者の労働条件などの実態把握を行うこと。相談窓口を設けること。
8.耐震診断、耐震改修計画策定費、耐震改修工事費の補助額の増額を県に要望すること。
9.住宅リフォ-ム助成制度を創設し、市内中小企業の仕事を確保するとともに地域経済の活性化を図ること。
10.住宅政策
 イ.現行の市営住宅は建て替えることを含めて存続し、必要な戸数を確保すること。
 ロ.市営住宅の指定管理制度は撤回すること。
 ハ.既設市営住宅において、入居者要望にもとづく補修・改善を実施すること。またエレベ-タ-を設置すること。エレベーターがない場合、高齢者や障がいのある入居者のため、急いで1階への住み替えやエレベーターのある民間住宅の借り上げで対応すること。
11.都市計画
 イ.工場移転・企業撤退などによる大規模跡地への再開発で、高層集合住宅や物流倉庫建設等が計画され、近隣住居地域の住環境変化が懸念され、住民から不安と行政への不信が生じている。9月1日付で「伊丹市中高層建築物に関する指導要綱」が改正され、一定の改善が図られたが、事業者、専門家と住民参加による地域開発協議会制度の制定で、地域住民の参画協議の場を設けること。
 ロ.「伊丹市中高層建築物に関する指導要綱」9条に規定されている地域住民と事業者の紛争に対する「市長の調整」を実効あるものにするために要綱の補強をすること。

≪都市交通部≫
1.都市計画道路山田伊丹線昆陽泉町工区に関しては、十分住民の理解が得られていないことから、関係住民との話し合いを続けること。また、宝塚池田線(大野工区)の整備計画については、事業を見直すこと。
2.道路拡幅・自転車通行レーンの新設に際してはむやみに街路樹の伐採を行わず、地域住民の理解と協力により街路樹の温存と増植を図り、都市景観の維持向上を図ること。自転車通行レーン設置に伴い伐採した街路樹に対し、植えなおし等代替措置を実施すること。
3.狭隘道路、細街路等市民の生活道路の整備・補修を促進すること。
4.飛行場線JR陸橋に自転車・歩行者用道路を設置すること。
5.JR北伊丹駅南側の北村踏み切りの拡幅・改善をはかること。
6.高齢者、障害者等が利用しやすく安全な歩道整備を推進し、特に国道・県道の歩道段差解消をさらに進めるよう求めること。
7.騒音値の高い市道については、低騒音舗装を進めること。
8.安心・安全見守りカメラの運用にあたっては、市民の個人情報保護を最優先とし、警察への提供は最小限とすること。「共謀罪法」に関する情報提供はしないこと。【安全・安心施策推進班】

≪教育委員会≫
1.人権・教育指導員設置要綱は廃止すること。
2.伊丹市人権・同和教育研究協議会を廃止すること。
3.卒業式、入学式等で、日の丸掲揚、君が代斉唱の強制はおこなわないこと。
4.いじめをなくし、いかなる暴力も許さない学校教育を確立して生徒・児童の人権を守るよう指導すること。
5.一人ひとりの子どもの成長と発達を中心においた教育――具体的にはすべての子どもに、主権者として必要な基礎学力、体力、情操、市民道徳を身につけさせる教育を推進すること。
6.公立幼稚園3歳児の全員入園を実現すること。
7.幼稚園20人、小中学校30人以下学級の実現につとめること。当面現在の小学校4年生までの35人学級を、小学校・中学校の全学年に拡大し実施できるよう県に強く要望するとともに、市独自に35人学級を広げること。
8.伊丹市は、競争教育を激化させる「全国学力テスト」への参加をやめ、伊丹市独自の学習到達度調査を中止し、条件整備など、真に学力保障になる施策を進めること。
9.「ことば科」の専任講師の配置を必要に応じて復活させること。
10.準要保護における国の補助制度を復活することを求め、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費を支給すること。
11.小学校給食の民間委託はしないこと。2時間以内の喫食を行うこと。
12. 特別支援教育では、障害児教育を充実するため特別支援学級の充実、並びに通常学級に在籍する支援が必要な子に対する教員を配置するよう県に働きかけること。
13.学校図書館における図書指導を充実するため、読書指導員の身分保障と報酬の引き上げるを図ること。
14.スク-ルソ-シャルワ-カ-とスクールカウンセラーを増員すること。
15.トライやる・ウィークにおける自衛隊での体験学習に関しては、日本を戦争する国に変える憲法違反の安保法制=戦争法が強行され、任務遂行上武器使用も認められる「殺し、殺される」自衛隊に変わったことから、再検討すること。
16.公立幼稚園に事務職員と養護教諭を全園に配置すること。
17.支援の必要な児童・生徒の重度化にともない介助員をさらに増員すること。
18.養護教諭を全校で複数配置するよう国・県に働きかけること。当面一学期だけでも補助教員をつけること。小中学校の事務職員は会計専門職員を含め複数配置すること。
19.生徒指導担当教員・指導主事を増員すること。
20.学校事務補助職員の勤務時間を従来通りとし、正職員にすること。
21.教職員の増員、少人数学級の実現等により、教職員の多忙化を解消し、生徒・児童に向き合う時間を増やすこと。
22.県教育委員会に対し、教員の臨時的任用を制限し、正規職員を増員することを求めること。
23.教室が不足する学校では特別教室の転用等緊急対応ではなく、教育施設の増改築に努めること。また床などの老朽箇所や雨もり・黒板等を点検し、必要な改修を行うこと。必要な学校予算を確保すること。
24.図書館南・北分館の指定管理はやめること。
25.スポ-ツ施設の民間企業への指定管理はやめること。
26.スポ-ツ振興法の精神に基づき、安全で低廉なスポ-ツ施設として広く市民の                    利用に供すること。
27.児童くらぶ
 イ、小学6年生までの入所年齢の引き上げに伴い、施設の拡大・充実に努めること。
 ロ、必要な指導員の配置とともに、指導員の休養場所を確保すること。
28.保育所
 イ.子ども・子育ての基本理念である子どもの権利条約と児童福祉法第2条「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」との規定に基づいて行ない、市の保育実施責任を拡充すること。
 ロ.年度途中の待機児童と詰め込み保育を解消するため、さらに認可保育所の増設を急ぐこと。国に対して補助金の復活を求め、公立保育所も増設すること。
 ハ.病児・病気あけ保育所は市民の要望を注視してさらなる充実を図ること。
 ニ.保育所の公私立間格差に関しては、保育士給与に一定の配慮はあるものの是正はされていない。早急に是正するために援助をすること。
 ホ.認可外保育所の実態を把握し、助成を検討するとともに、適正な条件で保育している施設の認可を促進するよう支援を行うこと。
 へ.正職員の保育士を増員し、保育内容をより充実すること。

≪上下水道局≫
1.水道料金引き上げに直結する資産維持費は、料金原価に算入しないと。
2.下水道整備にかかる国庫補助制度のいっそうの改善・充実を求めること。
3.下水道使用料に関しては、使用料原価に資産維持費を導入することはやめ、資産維持費に対しては一定割合での出資金を投入して引き下げを行うこと。
4.雨水幹線管渠、遊水池等の整備を促進し浸水地域をなくすこと。また雨水流出抑制をはかるため、雨水浸水桝や貯留施設の設置を啓発し、あわせて支援策を講じること。
5.地球環境を守るため、各種公共建築物等において雨水利用や太陽光・熱利用の促進を図ること。

≪交通局≫
1.ダイヤ編成は、病院、市役所など利用頻度の高い公共施設への利便性を高めること。また、乗り継ぎ時の個人負担を無料化すること。
2.車内転倒事故の防止等、安全運転を徹底すること。
3.高齢者・障害者にやさしいバス停に向け、早急に上屋、ベンチを増設すること。
4.バス路線に関する市民から寄せられた要望に対して検討し、次期ダイヤ改正で対応すること。
5.新型コロナウイルス感染対策を行うとともに、感染拡大に伴う収入の減少に対しては、伊丹市にその補助を求め、減便した路線を復活すること。
6.夜間視認しにくいバス停に照明灯を設置し、利用者や通行者の安全を図ること。

≪病院≫
1.医師の勤務条件等処遇を改善し、医師の確保に努めること。新しく小児科、産婦人科をめざす医師の3分の2が女性であり、女性医師が子育てと両立できる労働条件にすること。
2.看護師増員と待遇改善で患者サ-ビスの向上をはかること。
3.無料低額診療制度の導入を検討すること。
4.新型コロナウイルス感染対策に万全を尽くすとともに、その費用負担を伊丹市・国に求めること。国に対して医療崩壊を防ぐ手立て(国によるPCR検査の抜本的拡大、療養施設の拡大等)を求めること。

2023年度予算編成にあたっての要望提出、市長と懇談

2023年度予算要望と市長懇談 今日、11月9日、日本共産党伊丹市議会議員団として伊丹市長に対して2023年度予算要望書を手渡し、懇談を行いました。

 私からは、党議員団が今行っている市民アンケートの中間集計を示しながら、コロナ対策では感染時の入院等医療体制の充実と検査体制を拡充すること、有症者を置き去りにしないことを多くの市民の方が望んでおられることを示してその実現を求めました。教育関係では、高等教育の無償化、学校給食の無償化、子どもの医療費は高校卒業まで無料に、また、国保税・介護保険料の軽減、保育料軽減などの要望が多い結果を提示しました。

 市長から、来年度予算の中で避難所となる学校体育館に空調設備を設置することを検討していること、昆陽池トイレの改修、地域の共同利用施設にWi-Fi設備を整備することなど、一部党議員団が求めていたことが実現することになります。
 要望書は以下の通りです。

 2023年度予算編成にあたっての基本的・重点要望(PDF)

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伊丹市長 藤原保幸 様

2023年度予算編成にあたっての基本的・重点要望

2022年11月9日
日本共産党伊丹市議会議員団
上原秀樹 久村真知子

はじめに

 国においても来年度予算における概算要求が出され、今後の予算議会で審議が始まります。その特徴は、5.6兆円という防衛予算が突出していることです。アメリカの意のままに、敵基地攻撃能力(反撃能力)保有のための「12式地対艦誘導弾」(地発型)や「高速滑空弾」の量産に着手するための予算やイージス・システム搭載艦の整備費を計上しています。5年間でGDP比2%、約11兆円の軍事予算にしようとしています。一方で、年金を削減し、高齢者医療費の窓口負担の倍化、介護保険制度を改悪して国民の負担を増加させる議論も進んでいます。

 今、コロナ禍と物価高騰で国民の暮らしは大変です。岸田政権はこれら国民の困難に目を向けない無為無策を続けているのが現状であり、市長には市民の立場から国に対して軍事費より暮らし優先の予算編成を要求するとともに、伊丹市政においては、市民の困難に心を寄せた暮らしを応援する政治が求められています。

 以下、2023年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提案しますので、予算に反映していただきますようお願いします。

1.新型コロナウイルス感染症対策の充実を

 今年の冬はコロナ感染第8波とインフルエンザが同時に流行すると報道されています。党議員団が行っているアンケートで最も多いのが検査体制の充実と医療体制の拡充です。市民の命と健康を守る対策が求められます。

① 国・県と共同で臨時検査センターを複数設置し、「いつでも、誰でも、無料で」検査を受けることができるようにすること。また、必要とされる人に検査キットの無料配布を行い、保健所や医療受診に繋げること。

② 早期診断・治療のために必要な体制を整え、「自主療養制度」を改めて自己検査で陽性になった場合も感染者として発生届につなげ、受診調整や食糧支援など療養支援を行うこと。

③ 「全数把握見直し」については、重症者を見逃し、感染者を拡大することなどにつながることから行わないことを求めること。

④ 生活福祉金の新型コロナウイルス特例貸付について、来年の1月からこの貸付金の返済が始まります。1世帯最大200万円の返済が待ち受けており、返済時に住民税非課税であれば免除の対象ですが、生活に余裕がないのに対象外の人もいます。柔軟な対応と対象の拡大が必要と考えます。

 また、困りごとの中で特に困っていることとしてあげられている「借金の返済」や「仕事」「税金・公共料金・携帯代」など、他施策で支援ができるところはただちに支援を求めます。

2.思い切った物価高騰対策を

 ロシアによるウクライナ侵略とアベノミクス経済対策の失政による円安によって物価高騰が続いています。岸田政権は、大規模な金融緩和などの対策を改め、金利引き上げと何よりも消費税を5%に引き下げるなどの対策を急ぐべきです。伊丹市としても、新たな地方創生臨時交付金と財政調整基金等の活用で生活支援、事業者支援を行うことを求めます。

① 生活支援や子育て支援等における住民税非課税等の所得基準に対して、アンケートでも不満の声が出されています。所得基準の大幅な引き上げと低所得者には手厚い支援を行うなど、全市民に対する対応を求めます。

② 高齢者・障がい者・幼児教育等の施設への物価高騰支援を行うこと。

③ 中・小事業者はコロナ禍による事業の疲弊と物価高騰によって大きな打撃を受けています。商工会議所との連携による事業者訪問で事業者の実態を把握し、家賃支援給付金や固定資産税減免等の必要な対策と事業者の立場にたったていねいな対応と相談体制を確立することを求めます。

 また、来年10月から始まるインボイス制度は、小規模事業所やフリーランスの廃業を招くとの懸念が広がっています。国に対して中止を求めること。

3.憲法を生かし、人権を守り、市民が主人公、平和の実現に寄与する伊丹市政を

 岸田政権は、歴代自公政権以上に憲法改定に執念を燃やしています。とりわけ、ロシアによるウクライナ侵略を契機として、アメリカとの軍事一体化を強めて軍事費を5年間で倍化し、「敵基地攻撃能力」を有することを言明するなど日本を危険な戦争への道に導こうとしています。

 自衛隊基地を抱える伊丹市として、住民の命と財産を守るために、戦争への暴走を止め、憲法を生かした市政を進めることが求められています。

 また、ジェンダー平等社会の実現も重要な課題となっています。

① 伊丹市政において、あらゆる分野で憲法を生かした市政を進めることを求めます。

② 軍事費を増額して軍事対軍事による危険な戦争への道を進むことはやめ、憲法9条を生かした平和外交で戦争のない東アジアをつくることに力を尽くすこと、憲法違反の安保関連法=戦争法の廃止、憲法9条をはじめ憲法を守り生かすことを国に求めること。

③ 11月10日(木)から19日(土)にかけて実施予定の「令和4年度日米共同統合演習(実働演習)「Keen Sword23」は、「グレーゾーン事態から武力攻撃事態等における自衛隊の運用要領及び日米共同対処要領を演習し、自衛隊の即応性及び日米の相互運用性の向上を図る」(防衛省)とされているとおり、台湾有事などで中国と戦争になった際、米軍が南西諸島に分散展開し、そこに臨時の軍事拠点を置いて情報収集や対艦攻撃、電子戦などの作戦を行うものとなります。米軍との軍事一体化を進める日本政府は、こうした米軍の作戦に全国の自衛隊を動員しようとするものです。台湾有事で米軍が南西諸島の島々から中国軍を攻撃すれば、中国軍も当然反撃し、そのことで南西諸島(日本)が戦場になることが想定されます。
伊丹市においては、陸上自衛隊中部方面総監部のある伊丹駐屯地で「基地警部訓練」を行うとされ、第36普通科連隊と航空自衛隊第4高射群が共同でPAC3に関する訓練を行う計画です。ペトリオットPAC3ミサイルの配備は、日本に向かう航空機を打ち落とすために導入されたもので、アメリカの「ミサイル防衛計画」とセットで打ち出されたものです。現在は北朝鮮からの弾道ミサイルが対象とされていますが、元々防衛的なものではなくアメリカの先制攻撃体制を確保するための装備であり、伊丹駐屯地が相手国からの攻撃の的となりうる危険な訓練と言えます。市街地における危険な戦争訓練を中止することを国に強く求めること。

④ 核兵器禁止条約は、署名国91か国、批准国68か国となり、今年開催された核兵器禁止条約の初の締約国会議は、核兵器の非人道性を再確認し、核兵器に依存した安全保障を批判し、条約への参加促進や核兵器の被害者支援など、条約の内容を実現する方策を盛り込んだ「ウィーン宣言」と「ウィーン行動計画」を採択して閉会しました。会議には北大西洋条約機構(NATO)参加国等米国の同盟国も含め34カ国がオブザーバーとして出席しましたが、唯一の戦争被爆国である日本がオブザーバー参加すらしなかったことは、大きな失望と批判をよびました。国に対して早急に署名と批准をすることを国に求めること。

 伊丹市としても、日本政府が核兵器禁止条約を批准することを求める署名を推進するとともに、積極的に原爆の実相を伝える平和施策を進めることを求めます。

⑤ 伊丹空港において、極めて危険な米軍機オスプレイの緊急着陸が行われましたが、今後一切、伊丹空港の軍事利用はやめることを国に求めること。

⑥ 自衛隊への電子データによる個人情報の提供はやめることを求めます。必要と考えるならば、個人情報保護条例に基づき、専門的知見を踏まえた意見を明らかにするとともに、自衛隊への住基4情報の提供に対して「除外申し出制度」をつくることを求めます。

⑦ ジェンダー平等社会を実現する観点から、すべての人が社会、経済活動に生き生きと参加できる当然の権利を保障するため、行政のあらゆる部面でジェンダー平等の視点を貫くことを求めます。国に対して選択的夫婦別姓制度の実現を求めること。

⑧ パートナーシップ宣誓制度に基づき、相談窓口の充実、啓発パンフの普及など性的マイノリティの人権を守る施策を強化することを求めます。

⑨ 「差別を許さない都市宣言」の廃止等すべての同和行政・教育を終了すること。「同和問題」に関する市民意識調査はやめることを求めます。

4.福祉・医療の充実、市民の暮らしを守る対策を

 2021年国民生活基礎調査では、生活意識について、全世帯で「苦しい」と感じている世帯が53.1%、「子どものいる世帯」で「苦しい」とする世帯が59.2%を占めていました。また、国税庁の2021年民間給与実態調査では、年収200万円以下のワーキングプアは1126万人で、10年連続1000万人を超えています。実質賃金は数年間下がり続け、物価高騰が拍車をかけています。特に高齢者、子育て世帯、障がい者世帯等への影響が大きく、思い切った対策が求められます。

① 高齢者世帯にとっては、マクロ経済スライド制を廃止して年金を引き上げ、後期高齢者医療の窓口負担を1割に戻すことを求めること。伊丹市としても、低年金世帯への財政的支援を行うこと。

② 国は介護保険制度の大改悪を計画しています。社会保障審議会の部会に提案された内容は、サービス利用料の2~3割負担の対象拡大、要介護1,2の保険給付外し、ケアプランの有料化、保険料の納付年齢の引き上げと利用年齢の引き下げ等です。これら国民にとって耐えがたい負担増と給付減を押し付けるものであり、国に対して中止を求めるとともに、介護保険における国庫負担を思い切って増額し、誰でも安心して介護を受けることができる体制と、保険料の軽減を求めること。

③ 国民健康保険税を引き下げるため、国にさらに1兆円の公的負担を求め、均等割り・平等割の廃止で協会けんぽ並みの保険税にすることを国に求めること。本年度から就学前の子どもの均等割りが半額にされたが、市独自に少子化対策として財政支援を行い、子どもの均等割りをなくすことを求めます。

④ 子どもの医療費は所得制限なしで高校卒業まで無料にすることを求めます。

⑤ 国に対して、生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度にするとともに、生活保護削減を復元し、支援水準を生存権保障にふさわしく引き上げることを求めること。

 また、冬季加算の増額と夏季加算の新設を求めること。大学生・専門学生も生活保護を受けることができるように国に求めること。生活保護へのスティグマを解消するため、伊丹市としても「生活保護は権利です」というアピールをすること、そのために公共施設等にそのポスターを貼りだすことを求めます。

 また、「扶養紹介」に関して、生活保護の申請者が扶養照会を拒んだ場合、その理由について「特に丁寧に聞き取りを行い」、照会をしなくてもよい場合にあたるかどうかを検討すること、扶養照会を実施するのは「扶養義務の履行が期待できる」と判断される者に限るという新たな対応方針に基づくことを求めます。

 車の保有に関しては、保護世帯の実情を踏まえて柔軟に対応することを求めます。

⑥ 伊丹市として、年度途中の待機児童と詰め込み保育を解消するため、さらに認可保育所を増設することを求めます。また、2号認定こどもの副食費実費徴収をやめるよう国に求めること。

⑦ 国に対して補聴器購入補助制度をつくることを求めるとともに、伊丹市として助成することを求めます。また、ヒアリングループを公共施設に備え活用を図ることを求めます。

⑧ 障がい者に対する医療費助成制度において、身体障がいの場合は3,4級、療育手帳の場合はB(1)、精神障がいの場合は2級まで対象を拡大することを求めます。

⑨ 兵庫県後期高齢者医療広域連合に対し、県の補助を行うとともに、基金の活用で保険料を引き下げること、保険料及び一部負担金の減免制度を周知することを求めること。

5.すべての子どもの成長発展を支える豊かな教育環境を

 教育は子ども一人ひとりの成長と発展のためにあり、子どもの権利です。家庭の経済力に関わらず、すべての子どもに豊かな教育環境を確立することが求められます。また、コロナ禍における学校と家庭での生活の変化等でストレスが溜まっている可能性があり、十分な配慮が求められます。

① 少人数学級では、35人学級が毎年1学年ずつ実施されていますが、一気に実現するとともに、中学校においても同様の少人数学級の実現を求めます。また、国に対して小・中学校の30人学級実現を求めること。

② 「全国学力テスト」への参加と市独自の「学力テスト」を中止することを求めます。

③ コロナ禍や社会・家庭環境による困難な子どもへの対策として、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーのさらなる増員で、児童・生徒と家庭を支援するとともに、介助員の増員で障がい児の教育を受ける権利を保障することを求めます。

④ 教育のあらゆる部門で子どもの権利を守ることを宣言し、実行ある施策を推進するとともに子どもの権利擁護のためにも子どもの権利条例を制定することを求めます。また、子ども向けの子どもの権利条約パンフレットを作成されましたが、子ども同士、家庭において子どもの権利条約が話し合われる環境をつくり、絶えず充実されることを求めます。

⑤ 幼児教育の推進に関しては2018年1月の文教福祉常任委員会における付帯決議を順守すること、公立幼稚園、認定こども園における3歳児の定員を増員して全員入園を実現するとともに、4、5歳児において単学級にならざるを得ない状況を打開することをもとめます。

⑥ 大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等学校、高等教育の無償化をめざすとともに、入学金制度をなくすよう国に求めること。

⑦ 学校給食を無償化すること、就学援助制度の充実を求めます。

6.中小企業・零細業者への支援を強め、人間らしく暮らせる地域社会と住みよい住環境を

 中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在です。また、働く人の3人に2人が働いている雇用の担い手でもあります。これら中小企業、業者、商店、農業者に支援を強化することは住みよいまちづくりに欠かせません。特に、コロナ禍と物価高騰で経営基盤が脆弱となっている中小企業・業者に対する支援が必要です。

① コロナ対応の緊急借入で積みあがった中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題になっており、コロナ対応借入分の軽減・免除する仕組みをつくることを求めます。

② 文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場と担い手」への支援を行うとともに、国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化することを国に求めること。アイホールは演劇ホールとして存続することを求めます。

③ 「中小企業振興条例」「農業振興条例」の制定で、地域循環型経済の仕組みをつくることを求めます。

④ 大型小売店の相次ぐ出店で地域の商店が廃業に追い込まれています。中心市街地だけではなく、空き店舗対策、家賃補助等によって市内周辺の商店も守る手立てをとることを求めます。

⑤ 個人事業主における国保税や市民税、固定資産税などの滞納処分については、事業の存続や生活の状況をていねいに聞き取り、積極的に納税緩和措置を活用することとともに、場合によっては、税の執行停止を行うことを求めます。

⑥ 市営住宅は戸数を減らすのではなく、必要な個数を維持し、旧耐震住宅は順次建て替えを行い、バリアフリー化された住みよい住環境を提供することを求めます。また、住民からの修繕要求には積極的に対応することを求めます。また、エレベーターの設置を求めます。

⑦ 大企業への優遇税制の廃止・縮小や所得税・住民税の最高税率を引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税を5%に減税するよう国に求めること。政府が導入を予定しているインボイス制度は、零細業者やフリーランスに納税義務を広げ、負担と格差をさらに拡大するものであり、ただちに中止することを国に求めること。

7.自然災害から市民の命を守るとともに、環境を守り、安心・安全の伊丹市を

 地球温暖化の影響で台風、豪雨など自然災害が相次ぐとともに、南海・東南海地震もいつ起こるかわからない状況にあり、災害や事故から市民の命と暮らしを守る政治が求められています。特に気候危機を打開するための積極的な対策が必要となっています。

① 気候変動危機に対応するために、国に対して原発ゼロ、石炭火力発電所ゼロ、2030年までに10年比で50~60%削減、2050年にはカーボンゼロの計画を策定することを求めるとともに、伊丹市としてもカーボンゼロ宣言を行い、この目標に見合う野心的な取り組みを求めます。

② 災害の発生に備え、市民の防災意識啓発に努めるとともに、感染が広がる中での避難対策に関しては、避難所におけるきめ細かな対応(発熱、障がい者、高齢者等)や地域における要支援者の避難誘導等を含めた地域ごとの「防災まちづくり計画」を推進するための支援を行うことを求めます。体育館に空調施設整備など避難所の改善を図ることを求めます。

③ 航空機に係る環境基準達成には程遠い状況にあることから、大阪空港における国際便就航を求めることはやめること。環境基準達成に向けた不断の努力で目に見える効果を上げることを求めます。

④ 市内1,2級河川の浚渫等豪雨対策を国・県に要望すること。

8.「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る伊丹市を

 新型コロナウイルス感染症と物価高騰の影響によって市民の暮らしが困難になっています。市民の暮らしと中小零細事業者の営業を守るためには、地方自治体の固有の財源である地方交付税の増額が必要です。一方、岸田政権は年金引下げや生活保護費引き下げ、高齢者の医療費の倍化を行い、今後は介護保険での保険料引き上げと給付の削減を狙っています。

 このような政治に反対し、「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る市政を行うことが求められています。

① 地方交付税においては、真に必要な地方財源が確保できるようにするとともに、コロナ感染対策と物価高騰対策に必要な財源を確保することを国に求めること。

② 集約化を進めようとしている共同利用センターについて、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うことを求めます。

③ 職員の人事評価の問題では、公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービスや人権保障のあり方を職場で自由に議論し、提案することができます。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、「伊丹市人材育成基本方針」の「人事評価」の項目に「面談重視型人事評価」と明記されていることを踏まえ、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

④ 公契約条例を制定し、請負契約や委託事業に関わる労働者が生活できる賃金を保障することを求めます。

⑤ 自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進にあたっては、「地方自治の本旨」(憲法第92条)に基づき、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)ことを原則とするとともに、推進にあたってはそれぞれの業務を担当する職員や市民の意見が適切に反映さえる体制を整え、新たに情報システムを自治体の業務に導入する際には、職員がシステムをチェックでき、市民に行政責任を果たさせる体制を確保することを求めます。

⑥ 国はマイナンバーカードに健康保険証や運転免許証、国税、年金などの情報をひも付けしようとしています。特にマイナンバーカードの取得が概ね50%にもかかわらず、健康保険証を廃止しようとしていることは問題です。健康保険証の廃止を中止することを国に求めること。

 相次ぐ個人情報の漏洩が問題となり、多くの国民が個人情報の提供に不安を感じています。国民監視の強化や個人情報の漏洩につながるマイナンバーカードのひも付けはやめるよう国に求めること。

2021年12月議会:上原秀樹 一般質問 新型コロナ 気候危機打開 ヤマサクラ81

2021年12月議会 一般質問

2021年12月9日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

1.新型コロナウイルス感染症対策について

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者の報告が世界各国で相次ぎ、世界44カ国に拡大しています。世界保健機関(WHO)は、世界的なリスクは非常に高く、さらに拡散する可能性があると指摘し、日本の国立感染症研究所でも警戒度が最も高い「懸念すべき変異株」にリスク評価を引き上げました。オミクロン株の感染力の強さや重症化リスク、ワクチン効果への影響など詳細はまだ分かっていません。それだけに、監視の体制を強め、性質や危険性について解明することが急がれます。

 水際対策では、各国で次々と感染者が確認されている中で、日本でも入国検査でつかめなかった感染者がいる可能性も念頭に置く必要があります。変異株かどうかを早期につかむためのPCRをはじめとする検査体制の拡充・強化、ゲノム解析の徹底などが求められます。

 いま日本国内の感染は落ち着きをみせています。こういう時だからこそ、保健所や医療が危機時に機能するかをチェックし、不十分な医療・検査の体制を整えるために力を注ぐ時です。

 感染数の減少の中で、行動制限が緩和されてきていますが、感染状況に厳重な注意を払い、リスクがあれば行動の制限を再び強化するなどの機敏な判断と対策も重要になっています。その際、営業や暮らしに打撃とならないよう補償などの対策が不可欠です。

 同時に、通常の生活に戻れていない今、生活困窮者や事業者、医療機関等への支援に関しても十分な対策をとることも求められます。

 新たな変異株による感染の急増とブレークスルーへの不安がある中、次の点をお聞きします。

1)医療・検査体制の総点検と強化について

 政府は、今までのコロナ感染症対策で医療崩壊を招いた教訓から、医療体制の強化、特に政府が感染病床を大きく削減してきた経過もあり、その増床を図るとともに、保健所の機能強化も行うとされています。阪神医療圏、北阪神準医療圏での感染症病床の状況と伊丹保健所はどう変化しているのでしょうか。

 また、日本でも、世界でもワクチン接種後の「ブレークスルー感染」が起きています。感染抑止のためには、追加のワクチン接種を安全にすすめるとともに、大規模な検査を行い、「ブレークスルー感染」での無症状感染者が感染を広げる火種を見つけ、消していくことが必要です。そのためには、今まで何度も言ってきましたが、いつでも、誰でも、無料でPCR検査を受けられるようにすることです。どのように検査の拡充がされるのでしょうか。

2)新型コロナウイルス感染拡大で痛んだ暮らしと営業への補償と支援を

 岸田政権は11月26日、2021年度補正予算案を閣議決定しました。そのうち、減収事業者向けの新たな給付金「事業復活支援金」は、支給要件を従来の給付金の50%以上の減収から30%以上の減収に緩和しましたが、給付額は従来の給付金の半額となりました。しかも給付の対象となるのは、今年の11月から来年3月までの減収分だけで、10月以前の減収は対象になりません。岸田首相は「昨年の持続化給付金並みの給付」と言っていましたが、「なぜ半額なのか。騙された」との声も聞くところです。当局は、市内事業所の現状から考えて、この「事業復活支援金」はどのような効果があり、十分な給付と言えるのでしょうか、見解をお聞きします。

 また、暮らしを支援する給付としては、18歳未満の子どものいる家庭に一人5万円の現金給付と5万円相当のクーポンを支給するとしました。現金の5万円は今年中に支給する準備がされていますが、クーポン5万円相当は年が明けていつになるのか、何に使えるのかも明らかでなく、しかも事務費に967億円もかかることに批判が上がっているところです。さらに住民税非課税世帯に1世帯当たり10万円を支給するとしましたが、単身者で給与所得が100万円を超えると課税世帯となり、給付の対象から外れます。子どものいない世帯では、コロナで最もしわ寄せを受けた非正規雇用労働者の多くは給付金を受け取れないことになります。非正規労働者は、正規労働者の6割弱という低賃金に加えて、短期・細切れの雇用契約の更新をくり返し、つねに雇用不安をかかえて働いており、コロナ危機でも真っ先に解雇・雇止めの対象となっていますが、必要なところに支援の手が伸びていません。当局として、これら給付金が暮らしを支える上で十分とお考えでしょうか、見解をお聞きします。

2.気候危機打開に向けた対策について

1)岸田政権のエネルギー基本計画とCOP26での日本の対応に関する見解を問う

 気候危機とよぶべき非常事態が起こり、すでに世界各地で、異常な豪雨、台風、猛暑、森林火災、干ばつ、海面上昇などが大問題になっています。

 国連IPCC「1.5度特別報告書」は、2030年までに大気中への温室効果ガス(その大半はCO2)の排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して1.5度までに抑え込むことができないことを明らかにしました。たとえ気温上昇を1.5度に抑えても、洪水のリスクにさらされる人口は今の2倍となり、食料生産も減少するなど人類と地球環境は打撃を受けますが、それを上回る気温上昇となると、その打撃は甚大なものとなります。

 パリ協定は、それを避けるために「上昇幅を2度を十分に下回り、1.5度以内に抑える」ことを目的として日本を含む世界196か国が合意して、締結したのです。

 IPCCは、今年8月、新たな報告書を発表し、「人間の影響が温暖化させてきたことにはもはや疑う余地はない」としました。同時に、これからの10年の思い切った削減と、2050年までに温室効果ガスの排出量の「実質ゼロ」を達成し、その後も大気中のCO2の濃度を下げる努力を続けることによって、21世紀の最後の20年には1.4度まで抑えることができることも示しました。

 すでに世界の平均気温は1.1~1.2度上昇しており、破局的な気候変動を回避するために取り組める時間は長くありません。10年足らずの間に、全世界のCO2排出を半分近くまで削減できるかどうか、ここに人類の未来がかかっています。

 この状況の中で、岸田政権は10月22日、「第6次エネルギー基本計画」を閣議決定し、2030年度の二酸化炭素削減目標を13年度比46%削減、10年度比では42%の削減目標とするとともに、二酸化炭素を大量排出する石炭火力発電を19%にするとしました。原発は20~22%、再生エネルギーは36~38%に引き上げましたが、極めて不十分な目標です。

 英国で開かれていた国連気候変動枠組み条約第26回締結国会議(COP26)が開催され、岸田首相は、アジアの排出ゼロに向けて「日本が強いリーダーシップを発揮する」と言ってCOP26の首脳会議に出席しましたが、逆に昨年に続き「化石賞」を受賞するなど、日本の立ち遅れを際立たせる結果となりました。

 その一番の原因は、石炭火力発電を30年度の発電量の19%にし、新たに九つ新増設する目標です。首相はアジアで石炭火力事業を展開するとも述べました。長期にわたってCO2を大量に排出し続けることになります。会議中、46か国・地域が、先進国は30年代、それ以外の国は40年代に石炭火力を全廃するとした声明を発表しました。日本は米国、中国とともに不参加でした。声明には英仏独、欧州連合(EU)のほか日本が石炭火力事業を支援するベトナムも加わりました。G7のうち日本以外の国は期限を決めて石炭火力からの撤退を決めています。石炭火力に依存し続けることはもはや通用しません。

 問題の二つには、30年度のCO2削減目標13年度比46%が低すぎることです。国連が示した「2030年までに2010年比45%減」という全世界平均よりも低いもので、CO2排出世界5位の日本が脱炭素に責任を果たす上で極めて不十分な目標です。

 三つには、原発を「脱炭素の選択肢」として「重要なベースロード電源」と位置づけ、30年度の電源構成の20~22%を賄うとしていることです。現在の発電量は全体の6%程度であり、審査を申請した老朽炉と建設中2基を含む27基すべてを再稼働しなければならないという非現実的な計画です。原発は、放射能汚染という最悪の環境破壊を引き起こすとともに、事故がなくても使用済み核燃料が増え続け、数万年先まで環境を脅かし続けるものです。

 以上の岸田政権の気候変動対策に対する市長の見解をお聞きします。

2)日本共産党が提案した「気候危機を打開する2030戦略」について

 日本共産党は、30年度までに、CO2を10年度比50~60%を削減することを目標とするよう提案しています。エネルギー消費を4割減らし、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなうという、省エネルギーと再生可能エネルギーを組み合わせて実行すれば、50~60%の削減は可能です。さらに2050年に向けて、残されたガス火力なども再生可能エネルギーに置き換え、実質ゼロを実現するという提案です。

 この可能性と具体的なプロセスについては、「気候危機を打開する2030戦略」をお読みいただくとして、ここでは伊丹市にできることについていくつかお聞きします。

① 伊丹市として「気候非常事態宣言」「ゼロカーボンシティ宣言」をすることについて

 この問題では、9月議会で他の議員からも質問があり、伊丹市環境基本計画等の見直しの中で検討すると答弁されていますので、改めて私からもその要望をしておきますが、環境審議会がすでに開催されており、その後この点での進展があればお答えいただいと思います。

② 伊丹市環境基本計画等によるCO2削減目標について

 伊丹市は環境基本計画の見直しと次期地球温暖化対策推進実行計画を策定される予定です。「実行計画」は事業所としての温暖化対策ですが、伊丹市におけるすべての公共施設、公共事業、自治体業務等におけるCO2削減目標はどのように設定されるのでしょうか。

 一方環境基本計画は伊丹市全体の温暖化対策となり、市民と事業への啓発と協力という側面にならざるをえませんが、市域内における脱炭素化に向けた計画と目標を策定することが必要と考えます。見解をお聞きします。

③ 具体的な対策について

 民間住宅の新築・改築時の省エネ・再エネ化を規制と助成一体に進めるため、一定規模の建物建築に断熱化、太陽パネル設置などの脱炭素化対策を義務化するとともに、それに対する助成制度をつくること。

 また、公共事業でライフサイクル・アセスメントを実施して、調達、建築、運用、メンテナンスにいたる全過程でのCO2排出量を公開すること。

 以上に対する見解をお聞きします。

3.日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ81)について

 ヤマサクラ81(日米共同方面隊指揮所演習)が、陸上自衛隊伊丹駐屯地(中部方面総監部)を中心に12月1日から13日まで行われることが明らかとなり、現在その真っただ中にあります。

 今回の演習は、陸上幕僚監部が「40年にわたり演習内容を進化させつつ発展を遂げてきた陸自最大規模の日米共同演習」と明言している通り、自衛隊と全世界の米軍基地をオンラインで結ぶ大規模な演習となります。また、ヤマサクラ81は、今年6月から7月にかけて伊丹駐屯地を中心に行われた過去最大規模の「オリエント・シールド21」(米陸軍と陸自の共同実動演習)と一体のものとして行われることも公表されていますが、その実動訓練では、米陸軍ペトリオット部隊が鹿児島県の奄美大島に初展開し、陸自の中距離地対空誘導弾(中SAM)と共同対空戦闘訓練を実施するとともに、北海道の矢臼別演習場では、米陸軍の高機動ロケット砲システムHIMARS(ハイマース)と陸自の多連装ロケットシステムの共同射撃訓練も国内で初めて展開されています。

 また、自衛隊の広報によれば、米陸軍のマルチ・ドメイン・オペレーションを踏まえた日米の連携向上のための練成訓練とされており、防衛省の説明では、その訓練とは、地上や海上だけでなく宇宙・サイバー・電磁波などのすべての領域において作戦を実施することを通じて、敵の接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略を打破する作戦とされています。

 米中対立が激化する中での極めて危険な演習と言えます。
 
この立場から次の点をお聞きします。

1)市長のヤマサクラ81に対する見解を問う

 憲法違反の安保法制=戦争法のもと、日米軍事一体化が急速に進む中で、米国の戦争に自衛隊が参加・加担する危険性が高まっています。自公政権はアメリカに追随し、台湾海峡をめぐる問題で安保法制を発動する可能性に言及するとともに敵基地攻撃能力の保有、軍事費倍増を掲げています。さらに自民、公明、維新の改憲勢力が、憲法9条を変えることを急いでいることは大問題です。

 このような中でのヤマサクラ81=日米軍事一体の危険な演習を強行することは、軍事対軍事の緊張の激化と戦争の危険を高めるだけです。自衛隊基地周辺住民にとっても戦争の中心となる可能性とともに、自衛官の命を危険にさらすことになります。この演習では実弾は飛び交うことはありませんが、このような危険な演習を伊丹市内で行われていることに抗議すべきではありませんか。

 今必要なことは、国連憲章と国際法という共通のルールにもとづく、平和的手段による問題解決と平和的共存であり、日本政府に求められることは、憲法9条を守り、9条に基づく平和外交と考えます。市長の見解をお聞きします。

2)伊丹空港への米軍用機離発着について

 先月30日、陸上自衛隊中部方面総監部より、ヤマサクラ81の期間中、伊丹空港に米軍機が複数回離発着するという連絡がありました。言うまでもなく伊丹空港はまちのど真ん中にある空港で、事故あれば市民にとって大惨事となる可能性があります。先月30日には青森空港に緊急着陸したF16戦闘機が着陸前に燃料タンク2個を投棄した事故や今年7月にも連続して沖縄で攻撃型ヘリによる鉄製コンテナの落下や田んぼに不時着などの事故が相次いでいます。伊丹空港には2019年4月のオスプレイ緊急着陸や6月には深夜に米軍用機C-16が離発着するなど相次いでいました。今回はセスナタイプの小型翼機とされていますが、いずれにしても安全性と騒音の観点から問題があると考えます。米軍機の離発着に対して抗議し、中止を申し入れるべきと考えますが、見解をお聞きします。

(2回目の発言)

1.新型コロナウイルス感染症対策について

1)医療・検査体制の総点検と強化について
・医療体制を強化したとされたが、病床数や宿泊療養施設の医療ケアにしても、医療現場の深刻な人員不足を根本的に見直さなければ対応できない。医療にかかる診療報酬を引き下げが続き、ぎりぎりの人員体制のためにコロナウイルスの拡大で一気に矛盾が噴き出た。

 保健所の体制ももともとの体制から保健所集も人員も約半分近くまで減らしてきたことが、今回の検査体制にも影響を与えた。応援体制を整備することや研修の実施も大事だが、ここでも根本的な対策が必要です。

 ぜひ現場から住民の命を守るために必要な要望は、国に対して強く求めていただきたい。

・検査体制の拡充に関しては、拡充の中身は来年3月末まで健康上の理由でワクチン接種ができていない人に限られるようです。しかも「モニタリング検査」は撤退、高齢者施設などでの定期的な検査を実施する「社会的検査」も各自治体に計画の策定や実施の要請を終了。これでは無症状感染者が感染を広げる火種を見つけることはできない。抗原検査キットを無料で配布するなど、伊丹市としてできることを積極的に取り組んでいただきたい。

2)新型コロナウイルス感染拡大で傷んだ暮らしと営業への補償と支援を

・5万円相当のクーポン券の支給について…松野官房長官は、7日の記者会見では自治体の判断で現金給付は可能との見解を示した。一部の自治体では10万円を現金給付する方針を決めたところも出てきている。経費が967億円もかかることなどもあってか、ある世論調査では現金10万円の給付を望む人は55%を占めている。クーポンのほうが効果はあるとの考え方もあるが、どちらか選択できるのなら、伊丹市として効果的で素早い給付となる方法を選択していただきたい。
・非課税世帯への10万円給付は、先ほど1回目の発言で述べた、仕事を失った非正規労働者で一人世帯の場合等、10万円の支給も当たらない。伊丹市としては今後、「くらし・サポートセンター」での相談内容を見据えて、その人員体制を強化することも併せて、臨時交付金の効果的な活用、あるいは財政基金の活用も含めて暮らしを支援していただきたい。

2.気候危機打開に向けた対策について

・市長の答弁、脱炭素社会の実現に向けた環境施策を積極的に推進するとの決意は歓迎。・第4次温暖化対策推進実行計画では、国の低い目標と整合するのではなく、2010年比で30年までに60%削減を、40年にはカーボンゼロという積極的な目標に。
・市域からの温暖効果ガス排出量についても、民間企業、市民、伊丹市が共同して、温暖効果ガス削減のための積極的な施策を展開できる計画としていただきたい。

3.日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ81)について

・今回のヤマサクラ81は、市長が言うような「日本の安全保障上の必要性に基づき」行われるものではないとの認識を持っている。

 台湾をめぐって米中の緊張が高まっているもとでのアメリカの戦略に沿った演習。11月18日付の陸上幕僚監部によるニュースリリースでは、米陸軍のマルチ・ドメイン・オペレーションを踏ませた日米の連携向上のためとされているが、その意味を直接防衛省の職員に聞いたところ、米軍が推進している作戦で、宇宙・サイバー・電磁波などすべての領域において作戦を実施することを通じて、敵の接近阻止、領域拒否(A2/AD)戦力を打破することとの答え。(A2/AD)とは、中国が決めた第1列島線内への他国の軍隊の進出を阻止する中国軍の態勢のことを指す米軍の用語で、これを打破して米軍部隊が東シナ海、南シナ海で作戦を実施するための作戦がマルチドメイン作戦なので、事実上、対中国で日米が共同作戦をするということを防衛省も認めたことになります。だから岸田政権が集団的自衛権を認めた安保法制の適用や敵基地攻撃の検討に言及しているのであり、日本の安全保障のためではなくアメリカの対中国戦略に日本を巻き込むものということ。

 そんな演習が市内で行われている。仮にこれが現実のものになれば、報復攻撃が伊丹市にも及ぶということにもなり、市民の安全にとっても大問題となる。

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

 11月8日、藤原市長に、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました。

2022年度予算編要望を提出 2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望(PDF)

市長に2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望

2021年11月8日
日本共産党伊丹市議会議員団
上原秀樹 久村真知子

はじめに
 菅政権がわずか1年余りで政権を投げ出し、安倍・管政権を引き継ぐとする岸田政権に変わりましたが、岸田首相は国会での議論も代表質問だけで十分な議論もせず、衆議院を解散し、総選挙が行われることになりました。日本共産党は、今度の総選挙で「野党共闘で政権交代を」と訴えて闘いましたが、自民・公明政権の継続となったことは残念なことです。引き続き命・暮らし最優先の政治実現に全力を尽くします。
 安倍・管政権を引き継いだ岸田政権の政策は、格差と貧困を広げたアベノミクス、社会保障の削減など従来型の政治を行うことは所信表明で明らかになったところです。この政治から市民の暮らしを守る砦としての伊丹市政が求められています。以下、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提案しますので、予算に反映していただきますようお願いします。

1.新型コロナ感染症対策――経済・社会活動を再開しながら、命を守る対策を

 9月以降、新規感染者の減少が顕著になっており、経済・社会活動の再開も重要な課題になっています。同時に、このまま終息に向かうとは誰も考えておらず、再び、感染爆発と医療崩壊を絶対に起こさないコロナ対策が求められています。

1)日本でも世界でも、ワクチン接種後の「ブレークスルー感染」が起きています。感染抑止のためには、ワクチン接種(追加接種を含めて)を安全にすすめるとともに、大規模な検査を行い、感染の火種を見つけ、消していくことが必要です。

① 国・県と共同で、「いつでも、誰でも、無料で」という大規模・頻回・無料のPCR検査を行うこと。
② 職場、学校、保育所、幼稚園、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で行えるように、国が思い切った補助を行うように要望すること。伊丹市としても検査キットを無料で配布し、行政検査につなぐことができるようにすること。

2)コロナ病床の拡充、臨時の医療施設の増設、往診・訪問看護の体制強化など、臨時の医療体制を整備することは、「第6波」への備えとして急務です。また、保健所の機能マヒも絶対に起こしてはなりません。

 ① 医療機関の減収補てんと財政支援、医療従事者の待遇改善を国に求めること。
 ② 市立伊丹病院での感染症対策は、コロナ感染症対策を教訓に万全の体制を整備すること。また、近畿中央病院の跡地には、急性期病床が200床減少することを考慮し、回復期病床にとどまらず、地域住民が望む医療機関が誘致できるよう公立学校共済組合や伊丹市医師会と協議を続けること。
 ③ 保健所の体制も、臨時採用や他部署からの派遣などの緊急増員を確保しつつ、増やした職員を定員化するなど、正規の職員増もすすめるよう国・県に求めること。

3)緊急事態宣言は4回になるのに、持続化給付金・家賃支援給付金も、国民への特別給付金も1回だけです。コロナ危機で、仕事や所得が減少し、生活が困窮している人も少なくありません。また、いわゆる中間層にもボーナスや賃金の減少が広がり、教育費負担や住宅ローンの重い負担もあり、”コロナによる生活悪化”が起きています。
  事業者は、さらに深刻で、売り上げの大幅減少や借入金の増大など、コロナ危機のもとで体力が落ち込み、”再建”が困難な事態も広がっています。
  コロナ危機で傷んだ暮らしと営業の深刻な実態を放置するなら、コロナ危機後の経済危機に陥ってしまいます。

 ① コロナ危機で収入が減った家計への支援として、1人10万円を基本に「暮らし応援給付金」を5兆~6兆円規模で支給し、国民の暮らしを支えること。いわゆる中間層(年収1000万円未満程度)を含め幅広く対象にし、生活が困窮している低所得者には手厚い支給をすることを国に求めること。
 ② 中小企業、個人事業主、フリーランスに持続化給付金・家賃支援給付金を再支給するとともに、コロナ危機が終焉(しゅうえん)するまで継続し、雇用調整助成金のコロナ特例も継続することを国に求めること。
 ③ 伊丹市としても、国に財源を求め、国の対策が不十分なところには、財政調整基金を取り崩してでも暮らしと営業に対する支援を行うこと。

2.憲法を生かし、人権を守り、市民が主人公、平和の実現に寄与する伊丹市政を

 岸田政権は安倍・管政権を引き継ぎ、憲法改定に執念を燃やしています。とりわけ、今度の総選挙で自民、公明、維新の改憲派が衆議院議員の3分の2を占めたことで、改憲を加速化させる危険性が強まるとともに、アメリカとの軍事一体化を強め、「敵基地攻撃能力」を有することを言明するなど日本を危険な戦争への道に導こうとしています。
 自衛隊基地を抱える伊丹市として、住民の命と財産を守るために、戦争への暴走を止め、憲法を生かした市政を進めることが求められています。
 また、ジェンダー平等社会の実現も重要な課題となっています。

① 安保関連法=戦争法の廃止、憲法9条をはじめ憲法を守り生かすことを国に求めること。
② 11月に予定されている日米共同指揮所演習(ヤマサクラ81)は、米陸軍と陸上自衛隊の共同演習で、対中国戦略で離島を奪取し中国軍の艦船や航空機などを攻撃・威嚇する作戦の演習として過去最大規模となるとされている。その指令の中心が市内伊丹駐屯地の中部方面総監部となり、事が起れば戦争の拠点とされる危険性があるもので、市民の生命と財産を守るためにも、危険な演習はやめるべきであり、国に対して中止を求めること。
③ 核兵器禁止条約が2021年1月22日に発効し、現在、批准国が56カ国となり、来年開催される締結国会議にNATO加盟国のノルウェーがオブザーバー参加することなど、世界的に核兵器禁止条約への期待が高まっている。唯一の戦争被爆国である日本として、締結国会議にオブザーバー参加するとともに、早急に署名と批准をすることを国に求めること。
④ 一昨年4月1日の米軍機オスプレイの緊急着陸では、飛行目的、ルート、不具合の原因、落下物など近隣住民への被害などの事実関係が明らかにされなかった。改めて危険なオスプレイの飛行中止を米軍と国に強く申し入れること。対米従属的な日米地位協定の見直しを求めること。
⑤ 自衛隊への電子データによる個人情報の提供はやめること。必要と考えるならば、個人情報保護条例に基づき、専門的知見を踏まえた意見を明らかにすること。
⑥ ジェンダー平等社会を実現する観点から、すべての人が社会、経済活動に生き生きと参加できる当然の権利を保障するため、行政のあらゆる部面でジェンダー平等の視点を貫くこと。国に対して選択的夫婦別姓制度の実現を求めること。
⑦ パートナーシップ宣誓制度に基づき、相談窓口の充実、啓発パンフの普及など性的マイノリティの人権を守る施策を強化すること。
⑧ 「差別を許さない都市宣言」の廃止等すべての同和行政・教育を終了すること。「同和問題」に関する市民意識調査はやめること。

3.福祉・医療の充実で、市民の暮らしを守る伊丹市に

 岸田首相は、「新しい資本主義」とか「成長と分配の好循環」などと言っていますが、その中身は、アベノミクスそのものです。
 アベノミクスで起きたのは、貧富の格差の劇的な拡大です。安倍・菅政権のもとで、大企業は利益を増やし、内部留保は133兆円も増加し467兆円(2020年度末)もの巨額になりました。それにもかかわらず法人税は減税(28%から23.2%)されました。大富豪の資産は、6兆円から24兆円へと4倍にも膨れ上がりました。
 その一方で、2度の消費税増税が家計に重くのしかかり、働く人の平均実質賃金は22万円も減りました。
 国に対して、アベノミクスを教訓に家計応援の政治に切り替えて経済のボトムアップ=底上げをはかることを求めるとともに、伊丹市としてもケア労働を待遇改善し、社会保障の拡充を行うこと等、福祉・医療の充実で暮らしを守る対策が求められています。

① 国が基準を定めている、介護・福祉・保育職員の賃金を引き上げ、配置基準の見直し雇用の正規化、長時間労働の是正など、ケア労働の待遇を改善することを国に求めること。
② 国民健康保険税引き下げのため、国にさらに1兆円の公的負担を求め、均等割り・平等割の廃止で協会けんぽ並みの保険税にすることを国に求めること。来年度から就学前の子どもの均等割りが半額にされるが、市独自に少子化対策として財政支援を行い、さらなる子どもの均等割りの軽減を行うこと。
③ 国の介護保険制度の改善で、介護保険料・利用料の減免、保険給付を拡充するとともに、特養ホームなど介護施設の増設により、必要な介護が受けられるようにすること。
④ こどもの医療費は所得制限なしで義務教育終了まで無料にすること。
⑤ 国に対して、生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度にするとともに、生活保護費削減を復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げることを求めること。生活保護へのスティグマを解消するため、伊丹市として「生活保護は権利です」というアピールを積極的に行うこと。
⑥ 待機児童と詰め込み保育の解消のため、さらに認可保育所を増設すること。年度途中の待機児童を解消する方法を別途考えること。2号認定こどもの副食費実費徴収をやめるように国に求めること。

4.すべての子どもの成長発達を支える豊かな教育環境の確立を

 教育は子ども一人ひとりの幸せ、成長と発展のためにあります。それだけに社会にとって大切な営みです。教育は子どもの権利であり、家庭の経済力に関わらず、すべての子どもに豊かな教育環境を確立することが求められます。また、コロナ禍における学校と家庭における生活の変化や端末の使用等でストレスが溜まっている可能性があり、十分な配慮が求められています。さらに、コロナ感染対策も引き続き重要な課題です。
① コロナ禍で少人数学級の必要性が明らかとなり、35人学級が毎年1学年ずつ実施されています。しかし小学校6年生の実施には数年かかることから一気に35人学級を実施するとともに、中学校においても同様の少人数学級を実施することを国に求め、その間、県が小学校4年生まで実施している35人学級を直ちに6年生まで拡大し、中学校まで広げるよう求めること。
② 競争教育を激化させる「全国学力テスト」への参加をやめるとともに、市独自の「学力テスト」も中止すること。
③ コロナ禍による困難な子どもへの対策としても、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーのさらなる増員で児童・生徒と家庭を支援するとともに、介助員の増員で障がい児の教育を受ける権利を保障すること。
④ 教育のあらゆる部門で子どもの権利を守ることを宣言し、実行ある施策を推進するとともに子どもの権利擁護のためにも子どもの権利条例を制定すること。子どもの権利条約の内容が子どもにも理解できるパンフレット等を作成し、子ども同士で「子どもの権利」が議論できる環境をつくること。
⑤ 幼児教育の推進に関しては2018年1月の文教福祉常任委員会における付帯決議を順守すること。公立幼稚園、認定こども園における3歳児全員入園を実現するとともに、4、5歳児において単学級にならざるを得ない状況を打開すること。
⑥ 大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等学校、高等教育の無償化をめざすとともに、入学金制度をなくすよう国に求めること。
⑦ 学校給食の無償化を目指し、まずは中学校給食に対する助成を行うこと。就学援助制度のさらなる充実を図ること。

5.中小企業・零細業者への支援を強め、人間らしく暮らせる地域社会と住みよい住環境を

 中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在です。また、働く人の3人に2人が働いている雇用の担い手でもあります。これら中小企業、業者、商店、農業者に支援を強化することは住みよいまちづくりに欠かせません。特に、コロナ禍で経営基盤が脆弱となっている中小企業・業者に対する支援が必要です。

① コロナ禍で脆弱となっている経営基盤の状況を調査し、必要な支援策を講じること。国に対して、持続化給付金、家賃支援給付金の再度支給とともに、協力金、支援金などの拡充と迅速化を行うことを求めること。事業者の立場にたった、ていねいな対応と相談体制を確立すること。
② コロナ対応の緊急借入で積みあがった中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題になっており、コロナ対応借入分の軽減・免除する仕組みをつくること。
③ 文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場と担い手」への支援を行うとともに、国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化することを国に求めること。アイホールは演劇ホールとして存続すること。
④ 「中小企業振興条例」「農業振興条例」の制定で、地域循環型経済の仕組みをつくること。
⑤ 大型小売店の相次ぐ出店で地域の商店が廃業に追い込まれている。中心市街地だけではなく、空き店舗対策、家賃補助等によって市内周辺の商店も守る手立てをとること。
⑥ 個人事業主における国保税や市民税、固定資産税などの滞納処分については、事業の存続や生活の状況を鑑み、積極的に納税緩和措置を活用すること。また、場合によっては、税の執行停止を行うこと。固定資産税・都市計画税の減免申請における手数料への費用支援を行うこと。
⑦ 市営住宅は戸数を減らすのではなく、必要な個数を維持し、旧耐震住宅は順次建て替えを行い、バリアフリー化された住みよい住環境を提供すること。住民からの修繕要求には積極的に対応すること。
⑧ 大企業への優遇税制の廃止・縮小や所得税・住民税の最高税率を引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税を5%に減税するよう国に求めること。政府が導入を予定しているインボイス制度は、零細業者やフリーランスに納税義務を広げ、負担と格差をさらに拡大するものであり、ただちに中止することを国に求めること。

6.自然災害から市民の命を守るとともに、環境を守り、安心・安全の伊丹市を

 地球温暖化の影響で台風、豪雨など自然災害が相次ぐとともに、南海・東南海地震もいつ起こるかわからない状況にあり、災害や事故から市民の命と暮らしを守る政治が求められています。特に気候危機を打開するための積極的な対策が必要となっています。

① 気候変動危機に対応するために、国に対して原発ゼロ、石炭火力発電所ゼロ、2030年までに10年比で50~60%削減、2050年にはカーボンゼロの計画を策定することを求めるとともに、伊丹市としてもこの目標に見合う野心的な目標を決めること。
② 災害の発生に備え、市民の防災意識啓発に努めること。感染が広がる中での避難対策に関しては一定の見直しがされたが、避難所におけるきめ細かな対応(発熱、障がい者、高齢者等)や地域における要支援者の避難誘導等を含めた地域ごとの「防災まちづくり計画」を推進するための支援を行うこと。体育館に空調施設整備など避難所の改善を図ること。
③ 航空機に係る環境基準達成には程遠い状況にあることから、大阪空港における国際便就航を求めることはやめること。環境基準達成に向けた不断の努力で目に見える効果を上げること。
④ 市内1,2級河川の浚渫等豪雨対策を国・県に要望すること。

7.「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る伊丹市に

 新型コロナウイルスの影響によって地方税等が減少する中で、地方固有の財源である地方交付税の大幅な増額が求められています。毎年度の概算要求では、一般財源は前年度の水準を下回らないとされたことを踏まえたものとなっていますが、引き続き感染対策の財源は必要です。一方、コロナ禍に関わらず、社会保障費抑制路線を継承し、国民負担増、給付削減を着実に実行するとされていることは問題です。
 このような政治に反対し、「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る市政を行うことが求められています。

① 地方交付税のあり方をゆがめる「トップランナー方式」の導入等による地方交付税の引き下げはやめ、真に必要な地方財源が確保できるようにするとともに、コロナ感染対策に必要な財源を確保することを国に求めること。
② 集約化を進めようとしている共同利用センターについて、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うこと。
③ 公契約条例を制定し、請負契約や委託事業に関わる労働者が生活できる賃金を保障すること。
④ 自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進にあたっては、「地方自治の本旨」(憲法第92条)に基づき、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)ことを原則とすること。また、推進にあたってはそれぞれの業務を担当する職員や市民の意見が適切に反映さえる体制を整え、新たに情報システムを自治体の業務に導入する際には、職員がシステムをチェックでき、市民に行政責任を果たさせる体制を確保すること。
⑤ 国はマイナンバーカードに健康保険証や運転免許証、国税、年金などの情報をひも付けしようとしているが、相次ぐ個人情報の漏洩が問題となり、多くの国民が個人情報の提供に不安を感じている。国民監視の強化や個人情報の漏洩につながるマイナンバーカードのひも付けはやめるよう国に求めること。

以上

久村真知子:2020年9月議会 本会議一般会計決算 認定に同意できない立場からの討論

一般会計決算 本会議  認定に同意できない立場からの討論

2020年10月5日
日本共産党議員団 ひさ村真知子

 ただいま委員長より発言の許可をいただきましたので私は日本共産党議員団を代表して報告第9号令和元年度伊丹市一般会計歳出歳入決算の認定に同意できない立場から討論いたします。

 2019年度は、消費税が10月に10%に増税された年であります。増税の根拠とした毎月勤労統計は、実質賃金はマイナス0.5%であったのを、不正調査を行い、かさ上げされた状況で、消費税引き上げが行われました。その上実質家計消費支出は年額25万円も落ち込んでいる状況でした。安倍政権下での景気判断そのものが誤っており、市民のくらしは一層悪化すると予算審議の時にも指摘してきました。

 実際に市民に与えた影響は、実質GDPは、連続マイナス前期比7.9%に落ち込み、個人消費は前期比8.2%の減、年率28.9%減と落ち込んでいます。そのうえ今年のコロナウイルス感染症の広がりの影響で、雇止めを含む解雇数は6万人と厚生労働省発表は公表しています。

 また、年収200万円以下のワーキングプアーと言われる人については、総務省公表の「労働力調査2019年平均」では、年収が200万に満たない雇用者数は1,874万人であり、全雇用者5,660万人の約33%を占めています。男性より女性の方が多く、非正規職員の割合が影響しているようです。

 市内でも当然、年金生活の高齢者や不安定雇用の市民がその影響を受けて、今後の市民生活はより一層苦しくなります。この様なときこそ伊丹市として、市民の声に耳を傾け、市民生活を守り、福祉や教育の充実のための施策が一層求められます。このような立場から意見を述べます。

① 初めに、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編の問題です。

 市立病院あり方検討委員会からの報告は市立伊丹病院と近畿中央病院を統合し、高度急性期医療に対応する600床の病院にする方向が出されました。現状より200床減となることや、近畿中央病院が現状のところから移転すること等市民は大きな不安を持ちました。丁寧な説明を行うとされていましたが、市立病院あり方検討委員会は非公開とされるなど住民の安心できる医療体制を十分に説明ができたとは言えません。そのことは、統合再編に反対する署名が1万8000名を超えたことにも現れています。今後は近中跡地に医療機関を誘致されるとともに、新病院の在り方に関しては、専門家や市民の声を聴き、安心できる病院とされることを求めます。

②全国学力テストについてです。

 全国一斉学力テストに参加することによって、結果として平均点を上回ることが教育の基準に置かれています。全国平均を目安にする教育でなく、伊丹での子供たちの学力、育ちに毎日真摯に向き合っている教員の声にしっかりと耳を傾ける教育を行うべきではないでしょうか。
 全国学力テストの参加も、伊丹市独自の学力テストもやめるべきです。

③空港問題についてです

 存続協定には、「環境基準の達成に向けて不断の努力をする」と明記されています。そのため関西エアポートは、低騒音機の導入を行っているが、いまだに環境基準は達成できていません。しかし、市長は、「伊丹空港の安全と環境の確保を前提として国際便の復活」を要望しています。日々環境基準を超える騒音にさらされている地域住民からは、国際便導入等の理解は得られません。

次に要望することについて述べます。

1.公共施設再配置計画に基づく、共同利用センターの今後の在り方についてです

 市長は地域力が大事と言いながら、地域のコミュニティ活動の拠点である共同利用施設の 統合再編を進めています。 共同センターは、災害時の避難所ともなっており、地域の様々な方が趣味の活動等を行い住民のつながりの場となっています。センターの統合再編については、財政上の都合での一方的な説明でなく、地域の声に耳を傾けることが大事ではないでしょうか。今後のコミュニティ活動についての対応策も納得のいくものにすること等、市民の要望に沿うような形にすることが必要と思います。

2.中学卒業までの子ども医療費の無料化について

 兵庫県下では12市町で、高校3年生までの医療費の助成を行い。中学3年生までの無料化は36市町が行っています。子育てには費用がかさみますから、医療費の支援があれば助かるという声も多くなっています。子どもの貧困が問題となっている今の時期に、多くの自治体が行っているように、伊丹市でもせめて義務教育の間の医療費の無料化を実現すべきです。

3. 公立幼稚園の跡地活用と認可保育所の増設について。

 閉園となった公立幼稚園の跡地利用については、子どもたちの公園など子育て世代や地元住民の要望を聞くとともに、認可保育所の増設も含め検討を求めます。

4.平和推進事業について

 戦後75年、二度と戦争はしないと決めた憲法施行から73年の年になりました。しかし安倍内閣は、安保法制すなわち戦争法を作り、日本を戦争できる国つくりへと進めてきました。また唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約を批准しようとはしません。新内閣はその方針を引き継いでいくと明言しています。しかし、核兵器をなくしてほしいと訴えられている原爆被害者の方々の思いに賛同され、「核兵器禁止条約」に46カ国が批准し、あと4カ国で、条約が発効します。日本非核宣言自治体協議会に加盟している伊丹市として、多くの平和を願う市民との共同で、核兵器禁止条約の批准を国に求めるとともに、戦争体験を地域でしっかりと継承し、憲法にそって平和行政を一層拡充されることを求めます。

5.小中学校での20人程度の少人数学級の実現を。

 伊丹市は小学校4年生まで35人学級ですが、5年生以上は、40人学級です。子どもたちの顔を一人一人見ながら落ち着いた環境で勉強するためには、少人数学級が望ましいと思います。特にコロナ禍での分散登校で改めて、三密を避けることも含めて、少人数学級の必要性が認識されました。子どもたちに目が届き、安全な教室で学習するためには、20人程度の少人数学級を求める声が高まっています。このような中で、文部科学省は、2021年度予算案概算要求に公立小中学校での少人数学級の検討を織り込みました。

 しかし、今回の要求は規模も進め方も記されない「事項要求」となっています。引き続き国に対して強く要望されることを求めます。

 そのほか本会議や委員会で要望しました内容については、是非検討・実施いただくことを求め討論といたします。委員各位のご賛同をお願いいたします。

上原秀樹:2020年9月議会 伊丹市総合計画基本構想・基本計画に反対討論(本会議)

2020年9月議会 本会議

2020年9月23日
日本共産党議員団 上原秀樹

議案第101号 伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることに対する反対討論

 議案第101号 伊丹市総合計画基本構想及び基本計画を定めることに対して反対の立場から討論をします。

 本計画は、計画期間を2021年から2028年までの8年間とし、長期的な展望に立った行政運営の基本的な方針である「政策の大綱」と、分野別のまちづくりの「施策」を定める基本計画とによって構成されています。そして本計画でめざす将来像を「人の絆 まちの輝き 未来へつなぐ 伊丹」としています。

 本計画を策定するにあたって、市民アンケートに取り組み、ワークショップや審議会で終始熱心に審議され、そのことを計画に反映されてきたことには敬意を表します。

 それでは要望を踏まえながら、意見を述べます。

 第1に、今後8年間にわたる総合計画を策定するにあたって、市民をめぐる情勢と市民の暮らしの現状をどのように見ているのか、その情勢認識について質すとともに、具体的な施策について質疑をしました。

 この間、安倍政権による「アベノミクス」経済政策は大胆な金融緩和などで大企業や富裕層をもうけさせる一方で、2度にわたる消費税増税や社会保障費削減で国民に負担を押しつけ、貧困と格差を拡大させてきました。消費税10%増税後、実質GDPは3期連続のマイナス、20年4月から6月期は前期比7.9%、年率換算で28.1%の下落を記録、個人消費は前期比8.2%、年率28.9%減と劇的に落ち込みました。また、2019年の労働力調査によれば働いている人の3分の1がワーキンプア層とみられ、非正規労働者が4割近くを占め、その多くを女性が占めているという現実が明らかになっています。そしてコロナ禍の中で、さらに市民の暮らしが大きく圧迫されています。

 答弁では、将来にわたって持続的なまちづくりを実現するために、市民に参画と協働、行政サービスのデジタル化等を進めながら、市民サービスの質の維持・向上を図ること等で、市民の暮らしや中小企業・事業者への支援の具体的なイメージの答弁は得られませんでした。

 来年度からの4年間の実施計画と来年度予算の中で、引き続き検査体制の充実等コロナ感染対策とともにコロナ禍での暮らしと事業を支援する施策を実施されること、給与の削減や派遣切りが広がる中で、市民の生活を応援し、国民健康保険における多子世帯減免や学校給食への助成等、市民の負担を軽減するなど具体的な対策を要望しておきます。

 第2に、「幼児教育・保育」についてです。

 公立幼稚園・保育所の統合再編で、統合前のこども園を含む17園から9園1分園の10施設にしようとされています。再編の時には、幼稚園では子どもたちが切磋琢磨して育つために、1クラス25人以上、複数クラスが必要というのが再編の理由でした。しかし、3歳児は定員を20人としたうえで、ほとんどの施設で複数クラスはなくなりつつあります。すべての施設で3歳児保育を実施されたことは評価をしますが、3歳児の入園児を1園20人定員としたことで、当初の再編の目的とされたことが達成できる展望はないと思います。質疑では、その展望を描くべきと質しましたが、明確な答弁はありませんでした。一定の信頼を得ている公立園を、これ以上の再編ではなく、どう維持発展させていくのかという立場で検討を求めるものです。

 第3に、「空港との共生」についてです。

 計画の中で、「大阪空港においては、国際便や長距離国内便の就航が規制されている」として「国際便や長距離便などを国や空港運営権者に求める」とされています。しかし大阪空港においては航空機に係る環境基準が達成されていないもとではこのことを求める必要はないと、審議会でも意見が出ていました。「安全確保と環境対策を前提とする」とされていることに関して、現在の時間規制と発着回数の見直しの要求の有無、その「環境対策の前提」とは環境基準の達成なのかどうかを質しました。答弁での、空港の運用時間と発着回数の見直しは要求していないことは良としながらも、環境基準の達成に向けた不断の努力を求めながら、騒音総量の拡大につながらないことを前提に、国際便や長距離国内便の規制緩和を要求するとされたことは問題です。

 第4に、「都市計画・住環境」についてです。

 伊丹市は、昨年度、「市営住宅等整備計画」で、市営住宅の戸数を200戸減らし、建て替えはしないという計画を決めました。そしてこの総合計画でもこの計画を踏襲しています。質疑の中で、貧困と格差が拡大し、年金が減らされ、若年層と女性の非正規労働の増加によって年収が減少し続ける中で、低廉な住宅が必要とされているのではなかという認識のもとに、改めて総合計画策定の中で、市営住宅の必要性、市営住宅の現状と課題について検討されたのかお聞きしました。しかし、答弁では、検討はされていないということです。200戸の戸数減で大丈夫なのか、民間住宅に依存する方向が妥当なのかなどを鑑みるに、この計画には問題があると考えざるをえません。

 併せて、市営住宅の指定管理はやめ、直営に戻すことを求めます。

 第5に、人権に関する問題です。

 この6次総合計画における人権のとらえ方の多くが、市民間の差別と偏見の問題としてとらえられていると受け止めざるを得ない側面があります。もちろん、差別と偏見の解消は必要です。しかし、憲法に規定されている基本的人権は、生命、自由及び幸福追求に対する権利、生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、団結権、財産権等、さまざまな分野に及んでおり、国民はこれらすべての基本的人権の共有を妨げられないとされているとおりです。この憲法に従って基本的人権を保障するために国及び地方自治体は存在するのであり、伊丹市の行政課題はすべて市民の基本的人権を保障するためにあります。このことを来年度以降の実施計画等の中で基本とされますよう求めるものです。また、あらゆる子どもに関する施策に、「子どもの権利条約」を基本にすえられることも求めます。

 第6に、「地域医療」「高齢者福祉」についてです。

 この計画の中で、国民健康保険制度、介護保険制度に関する取り組みの方向性が、「制度の安定的な維持・運営に取り組む」とだけ記述されている問題です。国民健康保険法ではその目的を「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」とされ、介護保険法では、要介護となった人が「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う」ことを目的としています。もちろん制度の安定的な維持・運営は大切ですが、計画の中で、制度そのものの目的を明確にし、その目的に沿った市独自の施策を打ち出すべきと考えます。

 第7に、「行財政運営」についてです。

 基本方針に書かれている通り「安定した行財政運営が持続する」ことは必要です。しかし、以前の小泉改革の「三位一体改革」で地方財源が大幅に削減され、いまだにそれが完全に復活できていないばかりか、安倍政権においては、地方交付税において「インセンティブ条項」を設けるなどによって地方の行財政運営を誘導するとともに、地方交付税の縮小を図り、社会保障財源も削減しているのが現状です。その上に少子高齢化や非正規労働の増加によって税収の大幅な増加が見込めない中で、地方財政は様々な工夫をしなければならない状況にあります。これらはすべて国の責任が大きいことは言うまでもありません。この中でどのようにして地方自治体の目的である住民の福祉を増進させるのかが問われます。

 国に対して、伊丹市にとって住民の福祉を増進するにたる地方財源の確保を求めるとともに、計画に書かれている「選択と集中による事業の精査」の考え方は、市民や地域の声を聞き、これに応えることを基本とされること、さらに、老朽化が課題となっている公共施設等について、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うこととともに、市営住宅、子ども・教育施設の指定管理・民営化はやめることを求めます。

 第8に、新型コロナウイルス等新たな感染症対策についてです。

 現在のコロナ対策も今後の新たな感染対策に関しても、教育のところで質疑をしました。答弁では、計画全体にかかわることとして、「計画策定にあたって」のところに書かれているとされ、そこでは「感染症の発生は、社会全体に甚大な影響を及ぼすことから、その対策への関心が高まっています」と書かれています。社会全体への影響のみならず、人との命にかかわる問題です。今までの新型コロナ感染対策を教訓すれば、なによりもPCR検査等の検査体制の脆弱さです。保健所を自治体に1か所以上の増設、新たな市立伊丹病院における感染対策の強化、他の医療機関との連携等地域医療の充実などが必要です。また、自粛と補償の問題、一斉休校と学校行事の中止の問題と少人数学級の必要性等、様々な教訓をくみ取り、今後8年間の計画の中で実施していただきたいと思います。

 以上、第6次総合計画の策定にあたって、要望も踏まえながらの反対の立場からの意見とします。

2019年9月議会 上原秀樹:一般会計決算討論

2019年9月議会 一般会計決算討論

2019.10.7
日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、報告第10号平成30年度伊丹市一般会計歳入歳出決算に対し、その認定に同意できない立場から討論します。

 2018年度における市民をめぐる情勢は、一人当たりの個人市民税では、給与収入は前年度対比で0.33%の増、年金収入は0.1%の減、事業収入は0.67%の増となりましたが、消費者文化指数が0.5%を上回る増となったことから、実質的に市民の収入は減少することになりました。高齢化社会の中で年金支給額が減らされ、実質賃金がマイナス続きで、アベノミクスで景気が良くなったという実感が持てない中、固定資産税や介護保険料などの社会保険料の負担が増大することで、市民の暮らしが大変になっているというのが実態です。この中で市民の暮らしと権利を守る市政が求められました。

 以下、問題点を述べます。

 第1に、市立伊丹病院のあり方の検討に関する問題です。

 問題の一つは、「市立伊丹病院あり方検討委員会」におけるアンケートの内容が市立伊丹病院と近畿中央病院の連携・統合を誘導する質問項目が設定されていたことで、昨年の6月議会で指摘したとおりです。

 二つ目には、「あり方検討委員会」を非公開にしたことです。数か月後に議事録はホームページで公開されましたが、市民にとって命と健康を左右する二つの病院のあり方に関して、リアルタイムで検討の内容を傍聴することができないことは、市民参画と民主主義において問題です。

 三つには、「あり方検討委員会」の結論として、市立伊丹病院と近畿中央病院を統合し、高度急性期医療を担うことができる500~600床規模の病院をめざすべきとして、両病院の統合を前提として協議をすることを求めたことです。このことは、特に近畿中央病院がなくなるという不安を市民に与えるとともに、明確な病床需要調査を行わずに病床規模を示したことによって、ベッド数が減らされるという不安も市民に与えました。改めて正確な医療需要調査による市内における必要なベッド数の確保と近畿中央病院の現在地における医療機関の存続を求めるものです。

 第2に、幼児教育推進計画についてです。

 公立幼稚園と保育所の統合再編が市民の間で大きな議論となりました。この計画を策定するにあたって市民から「施策の進め方が拙速すぎる」「さらなる説明を求める」との請願が提出され、採択されました。このことを踏まえ、市長は予算の提案説明の中で、このことを真摯に受け止め、これら請願や常任委員会で可決された付帯決議について、その趣旨を尊重しつつ施策を進めるとされました。問題点の一つは、付帯決議における「市民への説明責任を果たすために、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること」についてです。当局は昨年度、この項目に基づいて各小学校区では2回にわたって説明会を開催されました。しかし、協議という形式ではなく、当局が説得する会議になり、付帯決議での「推進計画に固執することなく」「十分協議すること」を市長は尊重されたとは言えません。二つには、「公立幼稚園が閉園となる場合、跡地は教育、子育てのために活用すること」ですが、この点では跡地利用については教職員、保護者、地域住民との協議を十分行うことが要望されていました。この点では今議会でも様々な意見が出されたとおり、これら関係団体・住民と十分協議されているとは言えません。

 第3に、市営住宅の建て替えはしないことを改めて結論を出したことです。

 昨年、旧耐震住宅のうちの一部の住宅で耐震診断がされ、今後の市営住宅のあり方として、建て替えは行わず、旧耐震住宅のうち198戸(入居世帯は141世帯)は用途廃止で他の住宅に住み替えする、他の536戸は耐震改修をするという方針を出されています。しかし市内の県営住宅や尼崎市等周辺の公営住宅の建て替えが進み、バリアフリー化された住みよい住宅に変わっています。一方伊丹市は建て替えずに住み替えを進めるため、その住み替え対象となる住宅の募集は停止されることで市営住宅の枠が狭くなるとともに、耐震改修等修繕する住宅のほとんどがエレベーターのない住宅として残ることになります。中野北県営住宅の土地があるときが建て替えの機会となります。改めて検討を求めます。

 第4に、職員の人事評価です。

 公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「働きぶり」や「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、単純なことではありません。課長等による面談によって業務内容等で話し合いがされることには意義はありますが、評価によっては公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。この点に関しては、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第5に、伊丹空港における国際便就航を求めていることです。

 関西3空港懇談会が今年5月に開催されました。その結論として、伊丹空港に関しては、発着時間の拡大や国際便就航のための規制緩和は、騒音に配慮して見送られることになりました。伊丹空港の存続協定では、安全性と環境を守るため、21時から翌朝7時までの飛行禁止と一日370便に限定、国内線に限ることとされ、航空機に係る環境基準達成に向けて不断の努力をすることがうたわれました。騒音値は一定軽減することができましたが、依然としてここ数年騒音値にほとんど変化はなく、環境基準達成には程遠い状態です。市長は「安全性と環境を大前提にする」といわれますが、その大前提が不十分なままで国際便就航を求めることはやめるべきです。

 第6に、教育の分野では、全国学力テストへの参加と市独自の学力テストの問題です。

 テストの結果は「学力の特定の一部分」「教育活動の一側面」でしかないと言われてきました。ところが、教育委員会は「全国の平均点より上に」などと学校と教師を結果としてあおり、「教育活動の一側面」という割には大々的に分析して「傾向と対策」まで出して、結果として点数アップを現場に押し付けることになっています。文科省も2年前、「数値データの上昇のみを目的にしているととられかねないような行き過ぎた取り扱いがあれば、それは調査の趣旨・目的を損なう」とする「通知」を出さざるをえなくなりました。しかし、「行き過ぎ」は、全国の子どもにテストをして点数で比べるという制度そのものに原因があります。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて検討を求めます。

 次に評価すべき点です。

 第1に、子どもの医療費助成が拡大されたことです。党議員団は中学卒業までの医療費の無料化を主張してきていますが、一定の改善がされたことは評価します。引き続き高校卒業までの拡大等更なる充実を求めます。

 第2に、保育所の待機児童解消に努められ、認可保育所の増設で2019年4月1日の待機児童ゼロを実現されこと、民間保育所における保育士確保のための新たな施策を講じられたこと、民間保育所における統合保育を実施されたこと、幼稚園における預かり保育、プレ保育を実現したことです。保育に関しては、年度途中の待機児童をなくすために引き続き充実を求めます。

 第3に、生活困窮者自立相談支援事業において、昨年度、新規相談件数437件、自立支援計画策定112件で、本事業の支援による就職も80人、生活保護にも60件つなぐことができました。生活不安や格差と貧困が広がる中で、生活困窮者等を支援する仕組みを発展されていることには評価をするものです。一方、相談支援員3人と就労支援員1名では、継続相談者を含めると年間500名前後の相談に乗り、支援を続けることには人員体制に不安があります。相談支援員の増員を求めます。

 第4に、不登校や問題行動等の未然防止や早期対応のため、スクールソーシャルワーカーを1名増員して4人体制にし、すべての中学校への配置と小学校への対応が実現したことです。また、かねてから要望をしてきました介助員を増員されたことで、障害を持つ子どもの学習権を保障し、教職員等の負担を一定軽減されたことは評価します。引き続き児童・生徒をめぐる様々な困難を解消するための支援体制を強化されるとともに、教職員の働き方改革のためにも定数改善による35人、30人学級実現に向けて国に対して要求されることを求めます。
 
 次に、次年度に向けて先ほど述べたこと以外に要望する主な案件についてです。

 一つに、「公文書管理条例」制定で、公文書が市民共有の知的資源であることを位置づけ、市民の知る権利の保障に寄与するものであること等を明記するとともに、行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程、事業の実績を検証することができるような文書の作成を義務付けることも必要です。このことによって、情報公開条例と表裏一体で市民の知る権利を保障することになります。

 二つに、職員の働き方改革に関して、一定の努力はされていますが、年間360時間を超える時間外労働をされている職員が103名おられるとことに対しては、正職員の増員も含めて早急に改善することを求めます。

 三つには、性的マイノリティの人たちの人権と生活保障のために、同性カップルの権利保障を進めるパートナーシップ制度を制定されることを求めます。

 四つには、国による幼稚教育・保育の無償化に伴う2号認定こども(3歳以上の保保育園児)に対する副食費実費徴収に関して、国に無償化を求めるとともに、市独自に支援することをもめます。

 以上、その他本会議、委員会で要望しましたことについて、是非次年度以降で実現されますことを求めまして、同決算の認定に同意できない立場からの討論とします。議員各位のご賛同をお願いします。

大阪空港へのオスプレイ緊急着陸に関する要望書

 オスプレイ緊急着陸に関する市長への申し入れを4月2日に行いました。対応した副市長は、「抗議」文として国に送付することを検討していると返事がありました。

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2019年4月2日
伊丹市長  藤原 保幸 様

大阪空港へのオスプレイ緊急着陸に関する要望書

日本共産党伊丹市議会議員団
団長  加柴 優美

 報道によると4月1日午後1時56分ごろ、大阪空港に米軍輸送機オスプレイが1機緊急着陸し、二つある滑走路が着陸の前後20分ほど閉鎖された。関西エアポートによると「原因については申し上げられない。詳細は外務省か防衛省に聞いてほしい」と話しているとのことである。

 米軍輸送機オスプレイは、これまで度重なるトラブルを引き起こし、墜落も幾度となく繰り返している危険な米軍機であることは周知のことである。このオスプレイが米軍基地周辺だけでなく、全国で飛行が繰り返されており、市街地上空で、ヘリモード(垂直離着陸)や、ヘリモードから飛行モードへの転換など、日米合意に反する危険な飛行を繰り返していることも確認されている。今回は、米軍岩国基地から厚木基地への移動の途上にあったとされており、今後も伊丹市の市街地上空を飛行する危険があるといわざるを得ない。ひとたび事故が起これば市民の命にもかかわる重大な事態となる。

 従って、日本共産党伊丹市議会議員団は、危険なオスプレイの日本への配備を撤廃することを強く求めるものである。

 市長におかれては、次のことを強く要望する。

1.直ちにオスプレイの緊急着陸に関して米軍に対し強く抗議すること。
2.トラブルの原因と飛行目的を外務省、防衛省を通じて明らかにすること。
3.落下物等近隣住民への被害はなかったのかどうか調査し、明らかにすること。
4.二度とこのような事態を引き起こさないよう、市街地上空の飛行禁止等再発防止を米軍と外務省、防衛省に求めること。

2019年3月議会 ひさ村真知子:ごみの戸別収集、西部地域の歩行者安全、多胎児育児支援、市営住宅、川の景観

2019年3月議会

家庭ごみの戸別収集、西部地域の歩行者安全対策、多胎児育児支援、市営住宅、川の景観

2019年3月7日

日本共産党伊丹市議団  ひさ村真知子

1.家庭ごみの戸別収集について。

 伊丹市の家庭ごみは、以前は、カラスや猫のえさ場となり、せっかく集められているごみがあちらこちらに散乱して皆さんが困っておられました。伊丹市としてそのような現状を改善するために、今日まで様々な工夫がされ、その結果一定の改善はされてきています。

 しかし、いまだに問題は残っているようです。ある新興住宅で集積場を決めたところ、その近くの方は「その場所は困る」と大変憤慨され中々解決が難しいかったことなどもあります。また、あるところでは、蓋つきのごみ箱があるにもかかわらず、通りすがりの人が、無造作に蓋の上に投げ捨てて、それをカラスなどが、荒らしてしまい生ごみなどが散乱し、いつも近所の同じ方が、掃除もしてくれているなどの状態のところもあり「何とかしてください」と相談がありました。このような問題を解決するためには、各自の自覚を促すことがまだまだ必要なのかしれませんが、問題の解決は大変難しそうです。散らかったごみは、自主的に片づけていただける方がいなければ放置され環境は悪くなってしまいます。多くの市民は、ごみが散らばらないように気を使っておられるのですが、

 また先ほどの例のように、新たに集積場の場所が、やっと決まってもその時のわだかまりでコミニュテイがうまくいかないというような、問題も起こってしまい、複雑な問題となってしまいます。新興住宅地などでは自治会を作っていない、また自治会に入らないなどもあり、ごみ問題一つとってもうまく解決ができないということもあるようです。

*様々な問題があると思いますが、状況の把握はいかがでしょうか。解決はスムーズにできているのでしょうか。状況をお聞きいたします。

*このような問題が起こらないようにするためには、他市で行っているように戸別収集は大変効果があるのではないかと思います。近隣では尼崎市、池田市などが行っています。自分の家の前にごみを出すのですから、もめることはないと思いますし、実際に行っている自治体では、ごみの量が減ったという効果もあるとのことです。また高齢者の安否確認のためにも活用しているとのことです。

・伊丹でも高齢者や障がいのある方の事を考えれば、このような方法を考える時期ではないかと思います。改めてごみ問題を考える機会を作っていただき、現状はどうなのか、市民からの要望なども聞いていただける意見交換の場なども設けて、ゴミ問題のより良い解決の方向を探ることができればと思います。

・また地域を決めて試しに戸別収集を行うなどしていただければどうか。と思います。

・近隣市や実際に行っているところを参考にしていただきたいと思いますが、
いかがお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。

2.西部地域での歩行者の安全対策について。

 大型店が西部地域に出店してからはや8年となりますが、建設時から地元のみなさんは、生活道路に車が多くならないか等心配されていましたが、やはり毎日の交通量は増えていますので、危ないと感じる状況が様々なところであります。特に土曜・日曜雨の日などは道路も大変混雑はしています。地元の皆さんは何とか改善できないかと心配している状況です。

 歩道に関しても、大型店に行くための自転車が増えており、その通行の道路として、県道は交通量が多く自転車レーンも設置されていないので危険を感じるのか、歩道を走る人が増えていますので、歩行者が安心して歩道を歩けない状況があります。

 また大型店への出入り口は数か所ありますのでその出入りに関しても車、自転車、歩行者の危険性は感じるところがあります。

・このように、地元の方々が心配している状況が多々あるようですので、伊丹市としては歩行者の安全が守られているのか、の観点から住民の方々の要望や声などがあれば、現状の点検を行い対策を考えていただきたいと思いますが、どうお考えでしょうか、お伺いいたします。

・歩行者の安全確保のための対策ですが、歩道を自転車が通行しないように自転車レーン等を設置することや、狭い歩道のところにある電柱を無電柱化すること等の対策も検討すべきではないかと思います。見解をお聞かせください。

3.多胎児(たたいじ)家庭育児支援について

 子育てはなかなか大変なものであり、初めての経験ばかりで大変不安なものがあり周りの協力があれば大変助かり安心できるものです。しかし今日は、子育ての手伝いをしてもらえる人が周りにいなくて心細い思いをされている方がたくさんいるようです。不安を相談する場が見つけられない、孤独な育児をする中で様々な不安に襲われるものです。その様な状況を改善するために伊丹市としても様々な施策を行っておられますが、先日育児に困っている方から相談を受けました。

 なんとその方は3つ子を育てられているそうです。3人の育児に手が回らず、大変困っておられることをお話しされました。一人でも子育ては大変ですのに、双子など育てられている方もどのようにしておられるのかと思っていましたが、三人の子どもを同時に育てることは想像できないですね。

 「どうすればいいでしょうか伊丹市にはそのような場合に利用できる制度はないようですね。他市では多胎児のいる家庭には、ヘルパー派遣を行い、授乳、おむつ交換、沐浴、また家事援助としての食事の準備、片付け、洗濯、買い物、その他細かく、子育ての支援があるがあり、費用についても支援を行っているみたいですよ」と言われていました。

 子育てに様々な費用が掛かることについては大変だと、伊丹市の「子ども子育て支援に関するアンケート」にも出ています。このような支援策について費用が掛からないようにし利用できるように伊丹でも考えるべきではないでしょうか。支援があれば大変助かり、安心して子育てができる町になると思いますのでご見解をお伺いいたします。

4.市営住宅について・エレベーター設置について

 市営住宅等整備計画策定予算が上がっていますが、今後10年間の市営住宅の具体的な整備計画の策定し適正な整備を進めていくとされていますが、市営住宅の現状は高齢者が多くなっていることは承知のことと思います。また病気の方も増えています。そして相変わらず4階5階は空いたままになっているところも多い状況の事も、市民は大いに気にしているところです。このような現状をいつ解決することができるのでしょうか。早急に安心してすめる住居にするために、エレベーターの設置を多くの方は求めておられます。現状では若い人が入居するにもバリアフリーは当然行わなければならないでしょう。今日まで何度か言っていますが、西野3丁目の県営住宅には建て直しをしていない住宅にもすでに階段室型エレベーターが、設置され喜ばれています。

 伊丹市の整備計画は10年間の計画といわれていますが、現状住んでいる高齢の方は10年間も元気でおられるのは難しいのですから、エレベーターの設置は、待ったなしの課題ではではないですか。エレベーターは早急に設置しようとすればできることだと思います。住居に対しての市民の安全安心を考えるのは、市の責任ではないですか。また特に4階5階を何時までも空いたままにしておくのはいかがなものかと思います。住宅に困っている方のためには、当然エレベーターの設置を急ぎ4階5階に入居できるようにすべきです。10年間の間に住み替えを希望する人はもっと多くなるでしょうし、すぐにでも住み替えを皆さんは希望されているのですが、かなわないまま現状のままでほっておくのでしょうか、安心して生活する権利の保障を市はしっかりと責任を果たすべきだと思います。エレベーターの設置は考早急に行うよう考えているのかお伺いいたします。

・市営住宅での住み替えに関して敷金の扱いや修繕費用の区分負担について

 市営住宅は高齢者が多くなっていますので、病気や体が不自由になり今まで通り階段の上り下りができなくなって、1階に住み替えをさせてほしいと申し込みをする方もおられ、また今後も増えていくでしょう。しかし順番待ちの時間もかかり、また費用も掛かるということなのですが、様々な決まりを設けておられるようですが、費用がかかるということは、お金がなければ住み替えできないということにもつながりますが、同じ団地内で住み替えができることになれば、現行では、新たに敷金を家賃の3か月分支払わなくてはならない。また退去に伴う現住居住んでいたところの修繕費用は自己負担で支払う。また新たに1階の入居時には、畳やふすま障子などの修繕も自己負担されている方もおられるのですが、民間の借家と基準が違うようです。民間では入居されるときは、家主負担でリホームを行い気持ちよくきれいな部屋に踏めるようにしているのが一般的なのですが。市営住宅も当然家主である伊丹市が、住み替えも含め、新たに入居される部屋に対しては、リホームをきちんと行うことや。お風呂なども高齢者向けのバリアフリーにするといわれておられましたが、すべてがそうなっているのでしょうか。高齢者が住むのですから、そのように修繕すべきではないか。どのようにお考えなのか。するところとしないところの基準は何か。

・中野県住跡地は、市営住宅の建て替えに活用すべきではないか。

 中野県住は6号棟まであり公園子どものプールなどもあったところで今は整地され大変広々としています。市営住宅は建て替えをしてほしいという声もありますので、そのように利用していただきたいと思いますが、売却計画となっていますが、このような方向での考えはないのかお聞きいたします。

5.天神川・天王寺川の自然風景を守ることについて

 伊丹市は景観条例を県下でも早く制定されています。伊丹の古き良き建物や町の雰囲気を残すことは伊丹市の歴史を身近に感じる体験をすることができますので、歴史を残していくことになり大変いいことだと感じています。

 一方で伊丹市は自然が身近に感じられる土地柄だともいわれていますし、私もそう思いまが、将来にわたり自然の保存ができるのか大変危惧するところです。近年は、自然の貴重さが改めて言われています。伊丹の自然がどのように残されるのか大変気になるところですのでお伺いいたします。

 特にお伺いしたいのは、伊丹の北西部を流れている天王寺川、天神川の景観に関してです。春になれば、桜並木が大変きれいなところで心が癒されます。ですから伊丹市の「水と緑とバラ道」と指定され散歩道のコースにもなっています。社団法人日本ウオーキング協会が2004年に「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に国土交通省の協力を得て選定されています。

 しかし先日地域のみなさんが、「川の中や法面に木が大きくなりごみがたくさん引っかかっているし、土砂が堆積し川底が浅くなっているので、台風などの大雨が来れば、すぐに増水しあふれるのではないかと心配だ」と言っておられましたので、県土木に交渉に行き「要望のあったところは、さっそくのり面の木を伐り、浚渫も行います。」と返事をいただき、地域のみなさんは「心配だったのです。よかったわ」と大変喜ばれていました。

 私も一安心しましたが、その問題はまだ続きがありました。同じく天神川の少し上流ですがスポーツセンターのあたりを歩いたのですが、大変多くの土が堆積し中州ができ大きく草が茂り、川の水はどれだけ流れるのか、大丈夫なのかを驚きました。そのうえその中州の枯れた草木には大量のごみ、ペットボトルなどが先日の大雨で流されてきたのか、多数散乱していました。こんなに川が汚されているのは最近、見たことがないほどです。このような状態を放置していていいのでしょうか。

 この管轄は県であると思いますが、ごみの投棄をやめさせることなどは伊丹市も行うべきではありませんか。市内の方が投棄しているのか上流から流れてきているのか。調査を行い不法な投棄をやめさせ自然を守るようすることは当然だと思いますが、このような実態をどのように認識されているのでしょうか。お伺いいたします。

 このような自然の風景を残すためには、様々な工夫が必要だと思いますが、市民の方の意見なども聞きながら協力して、自然景観を守ることも必要だと思います。また土砂の堆積は景観を悪くする状況ですし、災害にもつながりかねないと住民の方は心配されているのですから、堆積した土砂の浚渫などは県との話が必要と思いますが、いかがされるのでしょうか。お伺いいたします。

2019年3月議会 服部好廣:コニカ・ミノルタのトリウム汚染、箕面川土手の崩落、伊丹空港の騒音

2019年3月議会

コニカ・ミノルタのトリウム汚染、箕面川土手の崩落、伊丹空港の騒音

2019年2月28日

日本共産党市議会議員団 服部好廣

1.コニカ・ミノルタのトリウム汚染事案

①コニカ・ミノルタ事業所の撤退と後処理について概略説明を求める

 今年1月30日、伊丹市高台にあるコニカ・ミノルタから地域の自治会や住民にトリウム土壌の撤去についての説明会が開かれ、約50名の地域住民が参加されました。

 トリウムは放射性元素で半減期が140.5億年と非常に長く、いったん体内に入り込むと一生α線を出し続けるので発がん性があるとされています。そのため、その取扱い、飛散防止には特別な配慮を要します。1月30日の地元説明会ではどのような説明がなされ、近隣住民の皆さんからどのような不安の声が出されたのか伺います。

②同事業所が1960年代まで放射性物質のトリウムを使用し、その後最近まで保管していたことについて

 同事業所では1960年代まで光学レンズの特性を増進させるためにレンズ材料ガラスにトリウムを添加していました。レンズ研磨工程でトリウムを含んだガラスの微粉末が発生し、敷地内に堆積したことが容易に想像できます。これらの土壌や工程内、建屋内に残留していたであろうトリウムを含む粉塵等はどのように撤去されるのでしょうか。現在、敷地内の建屋は次第に解体され更地になっていきますが、解体撤去の過程でトリウムの飛散の危険はないのでしょうか。

③土壌汚染とその除染方法の安全性について、また事業者が実施する除染後に汚染が残存する危険はないか

 除染、撤去が事業者の説明のように完璧に行われたとしても、建屋除去後の土中等に残留していないか、その検証はどのように行われる予定でしょうか。

④工場敷地周辺への汚染の拡大の有無は確認されたか

 説明会で近隣住民の方から、子どものころ、敷地斜面に捨てられていたプリズムで遊んだ経験が話されました。放射性物質への危険性が注目される以前は、不良品等が無造作に敷地に積み上げられ崩れて周辺に拡散していた可能性があります。事業所敷地周辺の残存放射能は測定されたのか、そのレベルはどの程度だったかお示しください。

⑤汚染残土の搬出と周辺地域や幼児教育施設、学校への影響は

 事業者は、汚染土壌を均質化し、密封して敷地外の放射性物質の集積所に搬出、または再生資源化のために搬送するとしています。事業所周辺には幼稚園や小学校もあり、万一の事故を防止する必要がありますが、どのような対応がされるのでしょうか。

⑥トリウムによる内部被ばくの危険性を周辺住民にどのように周知するのか

 冒頭に申しましたが、トリウムはα線を出しますが外部にある場合は実害がありません。飛散したものが呼吸や食物に付着して体内に取り込まれると肺や膵臓肝臓に蓄えられるとされています。周辺住民へのこれらの危険性の周知はどのようにされるのでしょうか。

2.箕面川土手の崩落をどうするのか

①2015年ののり面崩落後の補修と、今回の崩落の関係は

 箕面川は下河原地区の南を通り猪名川にそそぐ1級河川です。戦中に飛行場を建設する際に邪魔になり、北側に付け替えをされて現在の位置になっています。この時にどのような工事が行われたのかは不明ですが、近年、伊丹市内の川筋の部分の川底が大幅に崩壊しています。2014年の夏の豪雨の際、右岸の石垣が崩れ、堤防が決壊する恐れが出て、急遽補修が行われました。私は2016年6月議会の一般質問でこの問題を取り上げました。あれから3年、今度は昨年の夏の豪雨、台風で、補修した箇所のすぐ近くの下流で同様の石垣の崩落が起きています。先ほど申し上げた川底の崩壊により増水時の乱流で石垣がえぐり取られることが想像できます。

 この辺の状況についてどのようにお考えかまず伺います。

②洪水ハザードマップの見直しで下河原地区の状況は変わるか

 箕面川の堤防が崩壊すると下河原地区は洪水に見舞われます。地元の長老は、猪名川堤に古来から設置されていた霞堰を国土交通省が撤去してしまった結果、箕面川が決壊した場合、2mから3mの浸水になる。流入した水が猪名川に排出されないためだと説明されています。

 箕面川は猪名川の水位より2m高く、出水時にも霞堰があれば下河原に侵入した水は猪名川に排出され、せいぜい床下浸水程度で終息するといいます。

 霞堰がない現在、箕面川が決壊すれば最大何メートル浸水が予想されるかお示しください。

③箕面川底の大規模な崩壊が見られる川筋の大規模改修が必要では

 霞堰を撤去して堤防に付け替えた時点で、国土交通省は箕面川が決壊しないように抜本的な対策を講じる必要があるのに、手を打たないために毎年のように箕面川の石垣が崩れています。伊丹市として地域住民の命と財産を守るため、国交省に対し箕面川の改修を求めるべきと思いますがいかがでしょうか。

④1級河川だが、市としてどこまで関与できるのか。霞堰の代替処置は求めているのか。

 箕面川も猪名川も1級河川のため国の所管で、伊丹市がどうにもできないことは理解していますが、市民が危険にさらされている状況で政府に何も求めないのはいかがなものかと思います。

 具体的に国にはどのようなことを求めることができるかお聞きします。

3.伊丹空港の騒音について

①伊丹空港の国際便や増便が議論されている中で、離発着コース下の住民は騒音と危険にさらされているが、実情をどのように把握しているか

 上原議員の代表質問で伊丹空港の騒音と安全性について触れていますが、改めてさらに詳細にお伺いします。離発着飛行ルート直下の地域、下河原、鋳物師、緑が丘、荻野、西野、昆陽、稲野では、日夜かなりの騒音に悩まされています。日常生活において、インタホンの声が聴きづらい、スマホの音が聞こえない。早朝から起こされる。などという状態です。集合住宅の高層階では早朝のエンジンの吹かし音も遠くまで届き、耳障りです。

・騒音値と騒音域の変化

 最近の騒音値の変化については代表質問でお答えいただきましたが、騒音域の変化について確認をお願いします。先ほど挙げました地域の騒音はどういう状況になっているのでしょうか。また、騒音域が移動したことによって騒音が増加した地域はどこでしょうか。

・大気汚染

 航空機の飛行による大気汚染はどのように変化しているのでしょうか。有害な排気ガスの濃度はどうなっているかお聞かせください。

②国交省の資料によると、早朝、夜間など静かな時間帯における騒音の影響は日中の約3倍強と評価されている(Lden値)。その観点から早朝・夜間枠拡大の認識を伺う

 国交省の「航空機による騒音影響について」という資料によりますと、騒音の影響の数値はW値からL値に見直され、L値は静かな時間帯における騒音の影響を大きく評価する方式だと説明しています。実際、この説明の通り静かな環境や時間帯での騒音は大変不愉快なものであり、住宅地のど真ん中にある伊丹空港は「静かな環境」に十分配慮をしなければなりません。伊丹空港の「存続協定」でも存続の条件は「騒音の漸減」です。当面、画期的な低騒音機が登場する見込みはなく、比較的低騒音の機材への置き換えや便数の制限、飛行ルートや飛行高度の改善によるしか騒音軽減の方法がないのではと思います。そういう中で、東京オリンピックや大阪万博などのビッグイべントを口実にした、伊丹空港の利用枠の拡大を推進することは「存続協定」に反するのではないかと思いますが、見解を伺います。

③逆風コースでの騒音と飛行高度、飛行ルートについてについて

 逆風コースでの着陸は、少ないとはいえ低空から迫る巨大な航空機の威圧感は相当なものですが、回数が少ないために騒音値は高くはなりません。しかし、騒音の絶対値は豊中の着陸コースに匹敵すると思われます。逆風コースの騒音値と飛行コースをお示しください。また、誘導灯の設置が予定されていると伺っていますが、設置はどこまで進んでいますか。

④航空機からの落下物について

 国土交通省大阪航空局は2017年9月24日、関西国際空港を23日午前に離陸したアムステルダム行きのKLMオランダ航空868便の部品の一部が大阪市の中心部に落下し、同11時ごろに走行中の乗用車に当たったと発表しました。奇跡的にけが人はありませんでしたが走行中の車両のボンネットに落下し、車両を破損しました。同省は重大インシデントと認定。航空局などによると、同便は23日午前10時40分に関空を離陸したボーイング777-200型で、伊丹空港でも頻繁に離発着しています。飛行コース上では氷やオイルも含め、部品落下の可能性は絶えず付きまとっており、安全対策をとっていても起こりうる危険です。1年半前の事件以来、伊丹空港周辺での落下物事件はあったでしょうか。また、国交省の「航空機からの落下物への対策について」という資料に示されている「未然防止」策はどのように実施されているのかをお聞きして、1回めの質問とします。

(2回目)

 2回めは意見要望と、再質問を行います。

 大きな1つ目のコニカミノルタ伊丹サイトについて説明をいただきました。

 この件につきましては、会社側の地域住民への説明対応で不手際があったと聞いています。

 また、ただいま説明いただいた中にあります「建物の解体作業により発生した廃棄物は、ガイドラインに定められた被ばく線量を超えないように適切に処理される」との内容に関して、説明会では、敷地内の特定の建屋を目貼りして密封してドラム缶751本分の土壌を保管し、さらに建屋内に密封した建屋を設け、その中に設置した「均質化装置」により土壌を粉砕して均質化し、ドラム缶に封入し、これを1年がかりで主に再処理施設へ搬出するとしています

 トリウムはα線を放出するため、皮膚で反射されるので、外部にあっても被ばくする危険は少ないのですが、微粉末になって吸入することにより体内に蓄積されて内部被ばくする危険が高いとされていますので、先ほどの「粉砕・均質化」の過程で瓦礫の微粉末の飛散が起こらないか、また、建屋解体における粉塵の中にトリウムが混在する危険が皆無でないと思われるので、これらの作業が的確に行われることが地域住民の安全確保には極めて重要です。

 コニカミノルタは今回の一連の作業を「㈱スリーアール」に委託して実施します。事業者は問題ないと説明しますが、伊丹市は放射線の測定能力を持たないためその説明が信頼できるものと判断する手段がありません。慎重な対応で責任の所在等、市としてもしっかり見極めていただき、間違っても周辺住民や児童生徒に被害が及ばないよう、適切な監視体制を求めておきます。

 大きな2つ目の「箕面川と猪名川霞堰」の問題です。

 箕面川は県が管理を委託されていることがわかりました。県は設計上の流量に応じた形状に川断面を整備済みだから、点検補修で対応すると言っているそうですが、設計寸法通りに出来上がっていても、老朽化してくれば改修する必要が出てきます。その見極めも含め、住民の安全第一で対応をお願いします。

 霞堤の問題は、今回、ハザードマップの見直しがされる中で、改めて猪名川の水位と箕面川の水位を検証していただき、国交省の主張が正しいのならばいよいよ箕面川の堤の信頼性が問題になってきます。昨年起きた大規模な水害が伊丹でも発生することがないよう、県や国に対し適切な要望を繰り返し行っていただくよう要望しておきます。

 大きな3つ目の「伊丹空港の騒音」に関してですが、市としては「現在、環境基準を超えている地域があり、すぐに基準をクリアする方策を講じることは困難なため、空港の運用の拡大を求めることは考えていない」とのお考えを伺いました。

 ところで、夜間21時を過ぎて離発着を行うことは原則認められていませんが、実際は種々の理由により認められています。どのような事例で、最大何分の遅延があったか、2018年度今日までの実績をお伺いします。

 落下物についてお答えいただきました。昨年のパネルやスライドドアのような大型の落下物はさすがに驚くような事例ですが、航空機からの落下物はたとえネジ1本でも人体や危険物に直接落下すれば人命にかかわる被害をもたらします。安全体制には万全を期していただくようお願いします。国交省では「地域の安心のため、万が一の落下物発生に備え、市民からの通報をスムーズに受け、地域に迅速に連絡する連絡・対応体制を構築。また、情報開示により、透明性を確保」するとしています。この体制というのは、伊丹市にはどのようなものが存在するのかお聞きして、2回めの質問とします。

(3回目)

 3回目は要望とします。

 遅延便に関して実態を伺いました。やむを得ない事情とはいえ、21時32分は相当な遅延と言えます。 発着時間の柔軟運用を求める声も聞かれる中で、現状でもこういう実態にあることをしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。

 落下物に関して淡々お答えいただきました。飛行ルート直下の住民の皆さんにとっては冷淡に聞こえたのではないかと思います。

 1回目の答弁でそれぞれの地域の騒音値を示されましたが、環境基準をはるかに超えています。環境基準値の「もっぱら住居の用に供される地域」の値はL値で57dB、それ以外の地域でも62dBとされています。大野の60dB、緑が丘59dBという値は、3dB違えば騒音の強度は倍程度ですから相当な騒音です。伊丹市の市域は「もっぱら住居の用に供される」地域だと認識していますし、「住みやすいまち伊丹」は航空機騒音を除外してとらえろ、というのでしょうか。

 市民が「うるさい」と訴えている感覚は正当なものと思います。しっかりと受け止めるべきだと思います。

 H30年度市民意識調査で、伊丹空港に関する項目は「空港を活かした街づくり」しかありません。空港に対する肯定的な受け止めを想定した設問しかされていない姿勢に問題を感じます。

 飛行ルート直下でも伊丹は住宅地です。だれもが良い環境で安心して住める住みよい伊丹でなければなりません。伊丹市が空港の利便性を強調されていますが、すればするほどその陰で騒音に日夜悩まされている市民もいることも心にとどめていただき、施策を推進されることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。