2014.3.7. 上原ひでき議員
3.地域経済の活性化について
第5次伊丹市基本計画における「活力地域産業の振興と創出」では、地域内経済循環に視点をおいた産業活性化の方策を検討する、「農」を生かしたまちづくりを進めるなどとし、そのもとで、「伊丹市産業振興プラン」と「伊丹市「農」の振興プラン」に基づき、それぞれ施策を進めておられると思います。
一方、「平成25年度伊丹市市民意識調査」によると、市の施策の満足度における加重平均の下位5項目に、すなわち満足度の低い位置に「地域産業の振興」「商業の振興」「働きやすいまちづくり」「農業の振興」が入っていることは大変気になるところです。しかし、住民が地域に暮らし続けるためには、その地域において製造業も建設業も商店も農業も生産活動が持続的に行われ、雇用と所得が再生産されることが必要です。通勤・通学にも、買い物にも便利で、地域で経済が循環する仕組みをつくらなければなりません。そこで、次の点をお伺いします。
1)住宅リフォーム助成制度について
何度も何度も制度創設を求めて質問していますが、2012年3月議会での答弁は、経済的効果は一定あると理解しているが、個人財産への助成であること、特定業種のみへの助成であること、資金が調達できる人に限定されることで制度創設は考えていないとのことです。しかし全国では、昨年5月現在で6県、556市区町村、合計562自治体で実施されています。
一方、国土交通省は住宅リフォーム推進事業を創設し、2013年度と14年度予算合わせて50億6,900万円を予算化し、約7,000戸を対象予定にしています。「長期優良化リフォーム推進事業」という名称で、劣化対策、耐震性能、維持管理・更新、省エネ性能、バリアフリーを行う住宅について国の助成を行うというものです。一歩前進と考えますが、国は「先導的な取り組み」とされ、全国の自治体で実施されているものとは違ったハードルの高いものになっています。しかし、当局ができない理由とされた三つの点は国の制度でクリアーされたのではないでしょうか。改めて伊丹市でも独自に制度を創設することを求めるものですが、見解をお伺いします。
2)農業振興基本条例はどうなったかについて
2012年9月議会での答弁は、「農」の振興プランに条例制定を盛り込んだが、様々な課題があることから引き続き慎重に検討する、(仮称)伊丹市農業の振興プラン推進会議を設置してできるだけ早く制定の議論に入りたいとのことでした。どうなったのでしょうか。
伊丹市は大規模な集積した農地があるわけではありませんが、振興プランに書かれているように、農地は、新鮮で安全・安心な農産物の供給基地としての役割に加え、防災空間、緑地、ヒートアイランドの緩和、遊水機能、市民農園利用など多面的機能を持っています。この貴重な都市部に存在する農地を生かし、農業振興を図ることには意義があります。
さらにそのときの質問で、工業、商業も含めた伊丹市の産業全体を網羅した産業振興条例とすることも提案しています。
以前の答弁では、産業界からの気運の盛り上がりがない、他市の条例は理念規定条例で中小企業基本法にも理念が書いてある、条例自体に実効性がなく別の計画が必要との理由で、条例は考えていないとされています。
しかし、農政懇話会で農業関係者から条例制定の声が上がったのに制定にブレーキをかけているのは行政です。
また、他市で制定されている条例は、その自治体の産業なりを分析し、その自治体に即した理念と目的を定め、実効性のある条例として、具体的な計画策定と合わせて効果を発揮しているものと理解しています。
伊丹市は今、企業への訪問活動をされています。その中で把握された課題を整理し、伊丹市でどんな理念による条例が必要なのか検討することができると思います。合わせと見解を伺います。