2022年9月議会:上原秀樹 代表質問

2022年9月議会

2022年9月20日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

1.市長の情勢認識について

 決算に関する質問の前に、現在の情勢認識について市長の見解を伺います。

○安倍元首相の「国葬」強行について

 岸田政権は、安倍元首相の「国葬」を9月27日に行うことを閣議決定しました。その費用は、「儀式」そのものに2.5億円、警備費や接遇費など総額17億円近くを税金から支出すると政府が表明。
 日本共産党は安倍元首相が銃弾に倒れられたことに対して哀悼の意を表明してきましたが、物価高騰とコロナ対策にはまともな対策もない一方で、国会で時間をとった議論もせずに、国民の血税を使うことなどまともな政府のやることではないと考えます。

 毎日新聞による8月20日、21日の世論調査でも、反対が53%で賛成30%を大きく上回っている通り、「国葬」強行に反対する世論が日を追うごとに高まり、最近では反対が62%になりました。。9月8日の閉会中の国会における各党からの質疑に見られる通り、国民にたいして、なにひとつまともな説明ができないのは、「国葬」が明白に憲法に違反しているからです。なぜ、安倍元首相だけ「国葬」なのか。「在任期間最長」というだけで「国葬」を強行するのか、首相はいっさいまともな説明ができません。

 時の内閣や政権党の打算で特定の個人を特別扱いすることは、憲法14条「法の下の平等」に反します。首相が言う「敬意と弔意を国全体であらわす」とは結局、「国民全体」に敬意と弔意を強要することになります。実際、霞ヶ関では、「国葬」当日の弔旗掲揚、葬儀中の黙とうが政府決定され、そこで働く労働者に強要されようとしています。これは憲法19条「思想及び良心の自由」をふみにじるものです。法的根拠のない「国葬」を「閣議決定」で強行することは、「法の支配」を「人の支配」に代える暴挙とも言えます。日本共産党は「国葬」を直ちに中止すべきと考えます。

 市長は安倍元首相の「国葬」強行をどうお考えでしょうか。また、伊丹市として、市の施設での弔旗掲揚・黙祷要請など、市民への事実上の弔意強制を行わないことをもとめますが、市長の見解をお聞きします。また、教育委員会及び学校としても、子どもや地域住民に黙祷や弔旗・半旗の掲揚など弔意を事実上強制する行為をしないことをもとめるものですが、教育長の見解を伺います。

「旧統一協会」について

 安倍元首相の殺害を契機として、改めて旧統一協会と政治家、特に自民党議員との関係が大きな問題となっています。自民党は、所属国会議員379名人のうち179人に旧統一協会と接点があったとする点検結果の概要を発表したところですが、党として責任を持った調査ではありません。この団体は、人の弱みや苦悩に付け込んで、高額な印鑑や壺などを売り付け、次々と一家を破綻に追い込んでいます。全国霊感商法対策弁護士連絡会がまとめた資料によると、全国にある弁護団のもとに寄せられた相談件数は1987~2021年で2万8236件、被害額は約1181億円。これに消費者生活センターが18年まで集計した相談件数・被害額を合わせると、相談件数が3万4537件、被害額が1237億円で、巨大な被害の実態が浮き彫りとなりました。紀藤弁護士によれば、これは氷山の一角にすぎず、総額1兆円を超える被害が想定されるとのことです。その霊感商法の広告塔となっているのが接点を持っている国会議員です。

 全国の自治体の首長や地方議員も旧統一協会と接点を持っていたとの報道も出ているところですが、伊丹市長は大丈夫でしょうか。また、伊丹市が旧統一協会関連の団体等が開催する行事に後援や協賛等をしたことはなかったでしょうか、お聞きします。

2.市税収入から見る2021年度の市民の暮らしと営業の状況

 2021年度決算における市税収入は2020年の市民等の収入を示しています。

 当初予算では、新型コロナウイルス感染の影響で、個人市民税では納税義務者の減少と、給与所得、年金収入、営業所得などの減少により、前年度対比で5.6%の減となるとともに、法人市民税も21.3%の減少を見込んでいました。

 結果として、市税は315億3,966万円、前年度比3,880万円増(+0.1%)となり、株式等譲渡所得の平年度化等による個人市民税の減、約5億4千万円。法人事務所規模拡大等による法人市民税の増、約2億円。及び徴収猶予の特例の終了に伴う固定資産税の増等と説明がありました。

 そこで、個人市民税はこの説明以外の要素として、前年対比で給与所得、営業所得の状況はどうなったのでしょうか。また、法人市民税では、法人税割が課税されない法人数は、法人の規模別にどのような推移になっているのでしょうか、お聞きします。

3.新型コロナウイルス感染症対策について(決算を踏まえた今後の対策のありかた)

2021年3月議会、6月議会等で要望していた項目から

・(3月議会)2回目の緊急事態宣言が解除された時期でした。この議会では、一定落ち着いている今こそPCR検査を思い切って広げ、無症状の感染者を見つけ出し、保護、療養、治療して、感染者を減少させること、生活上で困難に陥っている人に給付を行うとともに、自粛によって営業が困難なところに十分な補償をすること、これら伊丹市独自の検査体制の拡充と自粛に対する補償を求めましたが、2021年度予算にはその対策が入っていないのは大きな問題と指摘しました。

・(6月議会)3度目の緊急事態宣言が延長されている時期です。ここでは、ワクチン接種と同時にモニタリング検査などのPCR検査や抗体検査を無症状者に焦点を当て、大規模に検査体制を拡大することが必要であること、中小企業等への市独自の対策、例えば家賃補助や上下水道料金基本料金の免除、公的融資制度の融資枠の拡大等を行うべきなどを質し、答弁では、中小企業・零細業者の支援は、あくまでも国・県の支援策を基本とするということで、本市の独自施策は今のところ予定してないとのことでした。さらに、国の支援策の一番問題点は、5割以上売上げが減らないと支援がされないという点で、そのはざまのところを、自治体の支援策で埋める方法をぜひ早急に考えていただきたいと要望しました。このうち上下水道料金の基本料金減免は2022年度に実現しましたが、十分ではありませんでした。

・伊丹市は2021年度、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金対象事業として、交付金8億5,800万円を活用して、13億3,652万円の事業を行ったとしています。一定評価する施策はありますが、何回か要望してきた感染症対策でPCR検査体制を兵庫県との連携で拡充するとともに、検査キットを市独自に配布する点では実現されませんでした。

 また、中小・零細企業への市独自の支援、例えば家賃補助や上下水道料金基本料金の免除、国の支援のはざまを埋める対策等も実施されませんでした。

・(検証)以上のことを踏まえ、当局としてこれらに対する市の考え方についてお聞きします。

現在、市民が一番困っている検査体制、医療関係の対応

 現在のコロナ第7波は、一定の落ち着きを見てかけてはいるものの、感染力の強いオミクロン株のBA.5系統等が猛威をふるい、これまでに経験のない感染急拡大となっています。発熱外来や保健所がパンク状態となるなか、すぐに検査が受けられない状況や感染が拡大した時点では軽症者と診断されても急変し、診療・治療が受けられず自宅や高齢者施設で亡くなられる方も少なからずおられ、死亡者数も第6波を超えるものとなっています。

 兵庫県では、60歳未満で基礎疾患ない等の方が、抗原検査キットでの自己検査や無料検査で陽性だった場合、「自主療養」の登録を勧めていますが、感染者として登録されず健康観察も行われない状況をつくっています。政府は、8月24日、全数把握見直し方針を表明し、各都道府県の判断で、発生届対象者をさらに限定できるようにするとしています。政府はその後、全国一律での実施方針を示しましたが、全数把握をやめて、感染者の多くが感染症法に基づく患者でなくなれば全体を把握できず、病状が急変する等の重症化した方を見逃す危険性や、感染者が行動し感染をひろげること等が懸念されています。

 そこで、伊丹市として兵庫県に対して、発熱外来の箇所数増、臨時検査センターや臨時医療施設の設置と医師・看護師の派遣など、早期診断・治療のために必要なあらゆる手だてを講ずることや、自己検査で陽性になった場合も感染者として発生届につなげ、オンライン診療などで適切な対応をおこなうこと、「全数把握見直し」については、重症者を見逃し、感染者を拡大することなどにつながることから行わないことを求めるとともに、伊丹市としてもPCR検査個所の拡大、60歳以上も含めた検査キットの無料配布を行うべきと考えますが見解をお聞きします。

物価高騰とコロナ禍から市民の暮らしと営業を守ること

・国による住民税非課税世帯への5万円給付に横出し・上乗せを

 政府は物価高騰対策として、住民税非課税世帯1世帯5万円を給付する「価格高騰緊急支援給付金」を盛り込みました。しかし、長引くコロナ禍と異常円高が拍車をかけている物価高騰に苦しむ国民の生活を打開する水準とはかけ離れていると思います。値上がりした品目数の増加など物価高騰はますます深刻になっています。この住民税非課税世帯への5万円支給は、対象から外れる現在職を失っている非正規労働者などには届きません。

 岸田政権は、高齢者に対して、6月支給分から年金を削減し、現在原則1割の75歳以上の医療費窓口負担に、10月から2割負担を押し付けようとしています。岸田首相が「国民生活を守り抜くことが政権の最優先課題の一つ」というなら、まずこのような逆行をやめることです。さらに、いま世界の96の国と地域が、コロナ価と物価高騰の中で付加価値税(消費税)の減税に踏み切っています。なによりも消費税の減税こそ、生活や営業への一番の支援となります。そして、営業を破壊するインボイスの導入を中止することです。これらを国に求めるべきですが、見解を伺います。

 一方、政府は、自治体向けの地方創生臨時交付金に6000億円規模の「価格高騰重点支援地方交付金」を新たに創設するとしています。伊丹市として、これらを活用して、例えば住民税非課税世帯への5万円給付に対して、金額の上乗せ、対象の拡大などの横出し・上乗せをすることを提案しますが、見解をお聞きします。

・中小・零細事業者への支援

 6月議会のこの問題での答弁は、市内企業においても、半導体部品の不足による生産への影響や資源価格が上昇してきていることへの懸念などのほか、現時点での原材料価格水準を踏まえて受注しても、作業を実施するのが数か月先の場合も多く、そのときの原材料価格では利益を出せない可能性があるなどの意見があること、また、伊丹商工会議所が4月に実施したアンケート調査では、エネルギー資源価格高騰による電力、燃料コストの上昇の影響が生じている、または懸念している事業者が約80%と非常に高く、コスト増に伴う価格転嫁が進まないとしている事業者が約40%となっているなど、多くの事業者に何らかの影響が生じてきているものと推察しているとのことでした。

 これに対する市独自の対策として、6月議会において、売上高が10%以上減少しており、かつ国が実施している事業再構築補助金に採択されていない市内の中小事業者を対象に、設備等導入補助事業を実施することにしました。また、上下水道料金の基本料金減免も追加と合わせて6カ月間行うこととされたことは評価をします。

 一方、例えば建設関連の事業者は、全建総連のアンケート調査でも、工事原価の値上がりが大きな影響をうけ、価格転嫁できず、一部または全部を自社負担したのが57.8%を占め、様々な要素で資金繰りが心配とする業者が60.5%を占めるなど苦境に追い込まれています。このことから、市の制度融資を改善し、業者の実情を踏まえて借りやすい仕組みに変えるとともに、返済の据え置き期間の延長や返済猶予等を考える必要があると思います。また、一定規模以下の事業者に対して、物価や燃料高騰分の負担軽減のための現金給付も必要と考えますが、見解をお聞きします。

4. 教育、子どもの権利について

校則に子どもの権利条約を

 国の生徒指導に関する基本文書「生徒指導提要」が12年ぶりに改訂されます。有識者でつくる文部科学省の協力者会議で大筋が確認され、9月以降に改訂版が公表の予定です。校則見直しなどを求める世論を受け、前向きな要素が増えたことは前進面として評価できると考えます。日本共産党は文科省に校則アンケートの結果を届け、子どもの権利条約の重視を求めてきたところです。

 注目されるのは、提要に初めて子どもの権利条約が書き込まれたことです。新しい提要では、生徒指導の「留意点」の第1に「児童生徒の権利の理解」を置き、権利条約の重要性を強調しています。

 自治活動や学校の規律、いじめ対策など幅広い生徒指導に関わる国の文書に、権利条約が明記されたことは重要です。

 日本は1994年に権利条約を批准しました。それから28年、歴代政権の後ろ向きの姿勢によって、条約の内容は学校に浸透しているとは言えません。私たちは「子どもの権利条約を生徒手帳に」と提案しています。条約の理解を広げることが改めて急がれます。

 新しい提要では、校則について、制定の際の少数派の意見の尊重、守らせることばかりにこだわらない、理由を説明できない校則は本当に必要か、絶えず見直す、校則で悪影響を受けている子どもがいないかなどの検証、子どもや保護者の意見聴取、見直し手続きの公開などに言及しました。校則は各学校が決めるものですが、その参考となりえます。

 現行の提要も、校則を「時代の進展などを踏まえ」「絶えず積極的に」見直すとしてきました。しかし、生徒や親が見直しを求めても、多くが変わりませんでした。

 こうしたことを繰り返さないためには、子どもたちへの影響を改めて考えあうことが必要ではないでしょうか。

 この点では校則見直しの基準が重要です。子どもの権利条約28条2項が「学校の規律」を次のように定めていることを直視すべきです。

 「締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に従って運用されることを確保するためのすべての適当な措置をとる」。これこそ共通の不可欠な基準ではないでしょうか。

 そこで次の点をお聞きします。

・昨年9月議会での久村議員の「憲法や子どもの権利条約からみて子どもの人権は守られているといえるのか」とう質問に対して、「校則に基づき指導を行う場合は、一人ひとりの生徒に応じて適切な指導を行うとともに、生徒の内面的な自覚を促し、校則を自分のものとしてとらえ、自主的に守るように指導を行っていくことが重要。学校教育活動全般を通して、憲法の定める「基本的人権の尊重」の遵守は必須であり、校則見直しの過程で、当事者である生徒が主体的に参画すること等により、子どもの権利条約の定める「意見を表す権利」が守られていると考えております」と答弁されています。

 答弁では子どもの権利に注目した取り組みをされているとのことですが、新たな提要で校則に関して指摘されている項目を参考に見直す点はあると考えますが、見解をお聞きします。

 なかでも子どもの権利条約に対する子どもの理解の重要性が指摘されている点では、これまでも何度も要望してきました子どもの発達段階に応じた子どもの権利条約の内容をパンフレットにして配布し、保護者とともに学ぶ機会を設定することや生徒手帳に子どもの権利条約を明記するなどの取り組みはどうなっているのでしょうか、お聞きします。

○児童虐待の子どもからの相談について

 厚生労働省は9日、全国の児童相談所が2021年度に対応した虐待相談件数が前年度より2,659件増え、20万7,659件になったと発表しました。内容別では「心理的虐待」が約6割を占め、全体の件数を押し上げた形になっています。その他「身体的虐待」の減少、「ネグレクト」「性的虐待」の増加などが報告されています。また、相談先が警察などからの連絡が10万件を超えて約半数になっている一方、子ども本人からの連絡は1.2%にとどまっています。児童相談室などの公的機関に相談すること自体、ハードルが高いうえ、相談内容が保護者や学校などに知られてしまうことを心配し、周囲に虐待の事実を訴えられない場合があります。

 伊丹市の場合、「行政評価報告書」によりますと、「家庭児童相談所への年間相談件数は増加したが、児童虐待に関する新規の通告児童数は316人と減少した」とされています。

そこで次の点をお聞きします。

・伊丹市の場合、「心理的虐待」「身体的虐待」「ネグレクト」「性的虐待」等の分類ではどのようになっているのでしょうか。

・伊丹市における虐待対応件数のうち、通告されてくる機関はどのようになっているのか、また、子どもからの相談の件数はどのくらいあるのでしょうか。

・国としても、子どもからの相談が少ないことに関して、子どもの権利擁護の体制を今後整備するとされています。伊丹市でも子どもの秘密が守られ、相談しやすく、意見を言いやすい仕組みが必要と考えます。全国のいくつかの自治体では第三者機関で相談や対応にあたる事例があります。東京都世田谷区は、子どもの人権擁護のための第三者機関「せたがやホッと子どもサポート」を設置し、社会福祉士や公認心理士などの福祉職が相談対応にあたっています。

 今まで川西市を例に子どもの権利条例をつくり、第三者機関による子どもの権利擁護の仕組みをつくることを提案してきましたが、国の新たな動きと合わせ、伊丹市でも条例の設定と機関の設置を検討してはどうでしょうか。見解をお聞きします。

○学校給食費に対する助成

 文部科学省は9日、急激な物価高騰の影響を受け、全国で8割を超える自治体が学校給食費の保護者負担軽減に取り組んでいるとする調査結果を公表しました。調査結果によると、学校給食費の保護者負担軽減を実施または予定している自治体は1491自治体で、83.2%に達しましています。地方創生臨時交付金を活用する自治体は、77.3%に当たる1153自治体でした。

 調査は、新型コロナウイルス感染症対応として実施されている地方創生臨時交付金などを活用して、学校給食費の保護者負担の軽減に取り組んでいる自治体を調べたもので、7月29日時点を基準に、事務組合を含む1793自治体から回答を得ています。
実施している自治体の中には、伊丹市が実施した保護者の負担を抑えるための学校給食に対する助成も含まれています。

 永岡文科相は同日の記者会見で、「自治体に対して物価高騰等を踏まえ、引き続き臨時交付金を活用した学校給食費保護者負担の軽減を進めるように促したい」と語りました。

 物価高による学校給食費の値上げ圧力が高まるなか、家計を直撃する子育て世帯の声を受け、日本共産党は学校給食の無償化や保護者負担の軽減を求めてきました。文科省の調査結果は、こうした運動と世論が全国の自治体を動かしたことを示しています。

 しかし、国は学校給食に対する助成は臨時交付金を活用して行うことを促していますが、6月議会でも指摘したとおり、憲法26条の「義務教育の無償」に基づき、国が学校給食の無償化に踏み出すべきものです。もちろん、コロナ禍と物価高騰の中で臨時的に臨時交付金を活用することを否定するものではありません。

 一方、私の6月議会での「国に対して学校給食の無償化を求めるべきではないか」との質問に、教育長は「現時点では、その考えに至っていない」との答弁でした。市議会としては全会一致で「学校給食の無償化を求める意見書」を採択していますが、改めて教育長の見解をお聞きします。

 また、永岡文科相が「自治体に対して物価高騰等を踏まえ、引き続き臨時交付金を活用した学校給食費保護者負担の軽減を進めるように促したい」と語っている件で、せめて伊丹としてさらなる給食費の負担軽減を図るべきと考えますが、見解をお聞きします。

5.自衛隊に対する適齢者名簿(募集対象者情報)の提供について

 自衛隊に対する募集対象者情報の提供に関しては、今まで何度か質問をしてきました。当局は、自衛隊法第97条と同法施行令第120条の規定によるものであると答弁をされましたが、この政令は、あくまでも防衛大臣の任意による自治体への資料提供の依頼であること、また住民基本台帳法にも資料提供の規定はないことから、私は自治体がその資料を提供する義務はないと主張してきたところです。市長は、2019年3月議会で、「募集対象者情報の提供をする・しないというのは、全国の自治体がそれぞれの個人情報保護条例等に基づき判断しているものであり、本市が行っている住民基本台帳法第11条に基づく閲覧も、自衛隊に対して協力をしているものと私は認識しているところ」と答弁されました。しかし、伊丹市は閲覧ではなく電子データとして丸ごと自衛隊に募集対象者情報を提供しています。

 兵庫県下の状況を見ますと、電子データとして提供している自治体は7自治体に過ぎません。回答のない5自治体とあて名シール2自治体以外すべて抽出閲覧または閲覧となっています。閲覧としている理由はほとんどの自治体が「個人情報保護の観点」「法的義務がないから」「閲覧転記で十分」「市民感情に配慮」になっています。
伊丹市個人情報保護条例では、「第3条 実施機関は,この条例の目的を達成するため、個人情報の保護に関し必要な措置を講じなければならない」とされ、様々な規定がされています。

そこで次の点をお聞きします。

○個人情報保護審査会に諮問することについて

 保護条例第14条では、第1項で「実施期間は、法令等に基づく場合を除き、…提供してはならない」とし、第2項では「提供することができる」規定がされ、「提供することによって、本人または第三者の権利利益を不当に侵害する恐れがあると認められるときは、この限りではない」と規定しています。そして「提供することができる」条件に第5号で「審査会の意見を聞いた上で、公益上の必要があると実施期間が認めるとき」という規定があります。

 ここで問題となるのが「法令等に基づく場合」の考え方です。当局は、自衛隊法第97条と同法施行令第120条の規定によるものであるとの答弁ですが、一つは、住民基本台帳法では住民基本台帳4情報は原則非公開であること、最高裁判決でも、4情報は基本的人権として保障されていること、本人の同意なく自衛隊に提供することは憲法13条のプライバシー権の侵害になり、提供された情報は市民に対する自衛隊の勧誘に使われ、そのことが市民生活への圧迫と感じる市民が存在することです。さらに、自衛隊であっても事務の遂行のために必要である場合に限り、「閲覧」は可能とされ、電子データの提供はできないものと理解できます。

 もう一つは、自衛隊法施行規則120条「防衛大臣は、…市町村長に対し、必要な…資料の提供を求めることができる」という規定です。しかしここでは、市町村長の対応は規定されていません。従って答える義務規定はありません。

 以上のことから、原則非公開とされている住民基本4情報の電子データによる提供はする必要はないと考えますが、提供するのなら、より慎重にするうえで審査会の意見を聞くことが求められると考えますが、見解をお聞きします。 
 
○除外申し出制度(尼崎市)をつくることについて

 尼崎市では、自衛隊に対する住基4情報を提供するにあたって、今年度から「自衛隊への情報提供を希望されない方の申出(除外申出)について」を出されています。対象となる年齢の市民を対象に、申出期間を設定し、本人若しくは法定代理人または任意代理人が除外申出をすることができる制度です。申出書には「自衛隊法施行令第120条に基づき自衛隊に提供する、自衛官及び自衛官候補生の募集対象者からの除外を申し出ます」と書かれています。

 伊丹市個人情報保護条例第35条には、「利用停止請求権」が規定されています。第1項で「…保有個人情報が次の各号のいずれかに該当すると思料するときは、…当該保有個人情報を保有する実施機関に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。」とし、「第14条第1項及び第2項又は第14条の4の規定に違反して提供されているとき 当該保有個人情報の提供の停止」が規定されています。すなわち、先ほど引用した、保護条例第14条第1項「実施期間は、法令等に基づく場合を除き、…提供してはならない」、第2項「提供することができる」規定の「提供することによって、本人または第三者の権利利益を不当に侵害する恐れがあると認められるときは、この限りではない」とされていることに対して、本人等がこの項目に該当すると思料するときに提供の停止を求めることができるというものです。

 伊丹市もこの規定に基づき、「除外申し出制度」を作るべきと考えますが、見解をお聞きします。

(2回目の発言)
4.教育、子どもの権利について

○校則に子どもの権利条約を

 文科省による生徒指導提要の改定によって、改めて子どもの権利条約の重要性が強調されたことは大事な点です。答弁では文科省から正式な通知があり次第、各学校で様々な場面で周知していくとのことです。また、近年では生徒会を中心に意見を出し合うとか、学校運営協議会での話し合いが行われつつあるとのことで、子どもの権利条約を中心にした子どもを中心に据えた議論と見直しはこれからということかと思います。その際、子どもと教師、保護者がどれだけ子どもの権利条約の趣旨を理解するのかによるものと考えるところです。

 一方、子どもの権利条約の件ですが、まず、子どもの権利条約のリーフレットが作成されていることを、恥ずかしながらも知りませんでした。議会に報告されたという記憶はありませんし、ホームページにも掲載されていませんでした。今やっと掲載されましたが、せっかく作成されたのに、あまりにも軽視されているのではないかと思います。党議員団は条約批准の1994年から子ども向けリーフ作成をことあるたびに言い続けてきたことで、28年目に実現できたことは遅すぎたとはいえ、一歩前進と評価したいと思います。

 そして昨年、その冊子を児童生徒に配布されたようですが、これからいかにして子どもの権利条約を生かした学校にしていくのかが問われます。

そこで、

① すべての児童生徒にこの冊子を配布した時、どのような話をされ、この1年間、どのような活用がされたのでしょうか。「読んでおうちの人と話し合いましょう」だけでは理解できないのではないでしょうか。
 また、そのためには教師自身もこどもの権利条約についての理解を深めることが大事です。どのようなことをされているのでしょうか。さらに、保護者も一緒に学ぶ機会も必要です。どのような取り組みをされているのでしょうか、お聞きします。

② 以前の質問で、校則を学校のホームページに掲載して、子どもも保護者も地域も一緒に考える必要があるのではないかと質したところ、各校の判断で行われるべきもので教育委員会として一律に掲載すべきと考えていないとの答弁がありました。各校の判断ではあるが、これだけマスコミ等で話題になっているとき、市民全体で子どもの置かれている現状を考える機会にするためにも、ホームページへの掲載もすべきではないかと思いますが、改めて見解をおききします。

③ 伊丹市教育委員会作成の子どもの権利条約の冊子「保護者のみなさまへ」の中に、「子どもたちの「幸せ」を実現するためには、まずは子どもが自分自身が持っている権利について知ることです。あわせて、権利を主張するためには、子ども達にも果たすべき責任があることやルールを守る必要があることを教えなければなりません」という記述があります。もちろん子どもたちに果たすべき「責任」や「ルールを守る」ことを教えることは大事ですが、この記述では、果たすべき「責任」や「ルールを守る」ことができなければ権利を主張できないとも読めます。一般的に誤解があるのは、権利と義務・責任の関係性について「義務・責任を果たした国民には権利が与えられる」とか「国民は義務・責任を果たさなければ権利を主張できない」という考え方ですが、憲法上の解釈は、「国民が権利を有しており、国はその権利を保障する義務がある」ということです。教育委員会と学校は、この文面に関してどのような説明がされているのでしょうか、お聞きします。

(3回目の発言)
4. 教育、子どもの権利について

 このリーフレットを活用した取り組みがされているとのことです。しかし、各地域での保護者にお聞きすると、必ずしもすべての学校、クラスで同様な取り組みがされているわけではないようです。例えば、「こどもが持って帰ったけど、どこに置いたか分からない」「持って帰ってない」「持って帰ったので読んだけど当たり前のことが書いてあるので置いてない」などです。改めて学校ごとの取り組みを聞いていただき、子どもの権利条約が生かされるようにしていただきたいと思います。

 3つ目の質問ですが、「保護者のみなさまへ」に限らず、条約や教育委員会が意図したことが短い文章でどう理解されているのかは、様々な人から意見を聞いて見直すべきところがあれば見直していただきたいと思います。そのためにも、子どもの権利条約全文を市のホームページに掲載されることを要望します。

1.市長の情勢認識について

「国葬」強行への市の立場について

 岸田政権の「国葬」強行で、法的根拠もなく多額の税金を使い、国民に弔意と安倍元首相の礼賛を強制することは、憲法14条「法の下の平等」に反し、憲法19条「思想及び良心の自由」をふみにじるものであること、は先ほど述べました。岸田首相が説明すればするほど、世論調査で「反対」が増えるのは、これに道理がないからです。

 市長は、市庁舎に半旗を掲揚すること検討していますが、すでに伊丹市として安倍元首相の死去に対して半旗を掲げて弔意を表していることでもあり、国民世論を二分し、反対が6割を占める「国葬」に対して、改めて庁舎に半旗を掲揚することは、伊丹市として憲法違反の「国葬」を支持することになります。やめるべきです。
 
○旧統一協会と伊丹市の関係では、市立伊丹病院に対して1万円の寄付があったとされました。この団体との関係が明らかならば、寄付金は返還することを求めておきます。

3.新型コロナウイルス感染症対策について

○兵庫県に対して検査体制の拡充と伊丹市として県と連携して検査体制を広げ、60歳以上にも検査キットの無料配布を求めました。兵庫県も伊丹市もよくやっているので、いずれもやらないとの答弁です。今第7波です。同じことをずっと繰り返しているのではないか。第6波の時にも、落ち着いた今ころ検査体制の拡充で無症状の感染者を見つけ出して対応することを求めましたが、それもせず、第7波を呼び起こしました。しかも第7波はワクチンの接種により軽症者が多いと言われていましたが、8月のコロナによる死者は7000人を超え、史上最多となりました。国は医療と保健所体制のひっ迫から、これを拡充すると言いながらほとんど何もぜず、多くの犠牲者を出しました。「国葬」に17億円も血税を投入する一方でコロナ対策は無為無策。岸田政権には心の痛みというものがないのでしょう。

 60歳以上の人へも検査キットの配布を求めたのは、明確な濃厚接触者で自宅待機をされている無症状の高齢者は薬局に検査に出かけることのなく不安のない日を送らざるを得ないことへの対応です。5日間の自宅待機ですが、無症状のまま感染されていたら、待機が解除された後で、他人に感染を広げることになります。いつまでたっても感染は収まりません。最善の方法を考えください。

4.教育・子どもの権利

〇学校給食費に対する助成

 国に対する学校給食費無償化を求めることへの教育長の率直な答弁をいただきました。多少、言い訳じみているのかな、と感じましたが。いずれにしましても、議会と教育委員会が共同して、国に対して要望することには意義があると思います。

 市独自に給食費を軽減することについては、「試行錯誤している」との答弁です。一方、厚労省の昨年の国民生活基礎調査では、子どものいる世帯では、「大変苦しい」「やや苦しい」とした世帯が59.2%に達しています。全世帯では53.1%です。物価高騰、コロナ禍、賃金が上がらない状況で特に子育て世帯に生活苦が押し寄せています。「試行錯誤」するまでもなく、助けてほしいという子育て世帯が6割近くおられる実態に即して、給食費の軽減を図ることを求めます。

 また、住民税非課税世帯への5万円給付の件では、「なんでも1番、急いで支給」が悪いことではありませんが、先ほど言ったとおり、生活が苦しいとする世帯は半数以上 おられることを考慮するならば、横出し、上乗せは必要と考えます。ぜひ実現してください。

5.自衛隊募集対象者情報、いわゆる適齢者名簿の提供について

 この件に関しては、私たちは法律上の根拠はないことから電子データによる対象者情報の提供はするべきではない、閲覧で十分と考えています。

 自衛隊法施行令120条「防衛大臣は、…市町村長に対し、必要な…資料の提供を求めることができる」という「できる」規定はあるが、市町村長の対応は規定されていないこと、従って提出する義務はないこと、住基法4情報は原則非公開であることなどによるものです。

 一方、施行令120条に基づき、防衛大臣からは4情報を紙媒体、電子媒体で、また自衛隊兵庫県地方協力本部長からは電子媒体で提供をお願いする「依頼」が来ているようです。これは何なるお願いであって、義務ではありません。県内でもある市では「法的義務はない」ことを理由に閲覧にとどめています。従って、法的義務がないことに対して電子媒体で提供することは自治体首長の考え方によるものということになります。ぜひ市長の判断で電子データによる募集対象者情報の提供はやめていただきたいと思います。

 自衛隊への住基4情報の提供に対して「除外申し出制度」をつくることを提案しました。尼崎市や大阪市など多くの自治体で行われ、20の政令市のうち11市でこの制度があります。個人情報保護法と市の条例に定められている「利用停止請求権」に基づいてこの制度を作ったらどうかとの質問でしたが、必ずしもこれらの条文に基づく制度とは限りません。

 尼崎では申出はなかったとのことですが、そんなことは関係ありません。尼崎などこの制度を実施している自治体は、どういう法的根拠に基づいて自衛隊に対して募集対象者情報を提供しているのか、いつどの対象者の名簿提出なのかなどの説明が書かれてあります。同時に「自衛隊への情報提供を希望されない方は、申出いただくことにより、自衛隊へ提供する情報から除外しています」と説明が書かれてあります。

 市民には電子データで募集対象者の住基4情報が自衛隊に提出されていることを知らされていません。閲覧の場合は、閲覧の請求事由の概要又は利用目的の概要とその範囲などがホームページで公表されています。そこでの一例をあげれば、「自衛隊兵庫地方協力本部から陸上自衛隊高等工科学校の生徒募集に関する案内を送付するための対象者抽出、令和3年5月18日・ 20日、15~16歳男、市内全域、938件」という具合です。

 100歩譲って電子データで情報を提供するならば、他の多くの自治体で行われている「除外申出制度」

日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2022年春号

日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2022年春号

市民との共同で、2022年度予算で実現
子どもの医療費 中学3年生まで無料に

 日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2022年春号(PDF)

日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告2022年春号1面
日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告2022年春号2面

[1面]

 党議員団が議会のたびに求めてきた子どもの医療費が、7月から中学3年生まで無料になります。ただし所得制限付き(保護者の市民税所得割額23. 5万円、4人世帯でおよそ収入811万円、約75%が無料)です。党議員団は、所得制限の撤廃と高校3年生までの無料化実現を求めました。

保育所待機児童解消 前進
 保育所待機児童の解消に向けて210名分の保育所整備予算が計上されました。

若者の就労 支援
 若者就労支援事業として、市内在住かつ市内で働く30歳までの若者が学生支援機構等の奨学金返済中の場合、年間返済額のうち自己負担分の2分の1の範囲内で最大6万円を3年間助成されます。

国保税の子どもの均等割り 半額に
 党議員団が議会で要求してきた国保税の未就学児の均等割りが半額になります。対象世帯は750世帯、999人。引き続き均等割りをなくし、国保税の大幅な引き下げを求めました。国保税は9年連続据え置きです。

児童くらぶ、保育士の待遇改善 一歩前進
 児童くらぶ指導員や保育士などのエッセンシャルワーカーの賃金が引き上げられます。今までこれらの職種の賃金が極めて低いことを問題としてきました。今回はその第一歩。党議員団は引き続きさらなる賃金の引き上げを求めました。

市営住宅にエレベーター 設置
 議会で何度も市営住宅の耐震補強や修繕、エレベーターの設置を求めてきました。このたび玉田団地6号館及び9号館にエレベーターが設置されることになりました。また、山道団地3号館、荻野団地1、2、3号館、天神川団地3、5号館、鶴田団地1、2号館の耐震補強、屋上防水改修などを行います。

JR伊丹駅前トイレ 改修
 市内公衆トイレが暗い・怖い・汚いという声を議会でも紹介し、改修を求めてきました。予算には実施設計が計上され、2023年度にJR伊丹駅西側、カリヨン塔の南側に新たにトイレが設置されます。党議員団は、引き続き阪急伊丹駅南側トイレなどの改修も求めました。

ジェンダー平等の社会実現に前進
 男女共同参画課が復活します。また、痴漢防止対策として「痴漢は犯罪です」のポスターが掲示されることになりました。

ロシアによるウクライナ侵略中止を

[2面]

市民の暮らし、営業を守れ  積極的に提案
日本共産党議員団―2022年度予算審議

コロナ感染対策拡充を
 「まん延防止等重点措置」が解除されたとはいえ、第5波のピーク時の約1.5倍前後の感染者数です。保育所が休園となった場合の「代替保育所」の設置、PCR検査の拡充、生活困窮者や小規模事業者への独自支援策を求めました。

近畿中央病院の跡地に 急性期病床の医療機関誘致を
 コロナ禍で感染者が入院できたのは急性期病院。伊丹市は病院の統合再編で急性期病床を200床も減らす計画です。コロナ禍の教訓を踏まえて県地域医療構想を見直し、近畿中央病院の跡地に急性期病床を含む医療機関の誘致を求めました。

地方財源の増額を国に求めよ
 国は前年度並みの地方一般財源は確保したと言っています。しかし、地方自治体では新型コロナ対策や高齢者・子どもなどに対する社会保障経費の増、公共施設・道路等の修繕費用などの重要は高まっており、余裕のない財政運用を余儀なくされています。「前年度並み」ではなく増額を国に求めるよう要望しました。

年度途中の保育所待機児童の解消を
 毎年4月1日には待機児童を解消しているとされていますが、年度末には700人を超える待機児童が発生します。認可保育所の増設とともに、年度途中の待機児童は「公立」が担って解消することを求めました。

安心・安全な市営住宅を
 党議員団の要求で新たに玉田団地にエレベーターが設置されますが、他の市営住宅へのエレベーター設置と各室内の改修も要望しました。

障がい者(児)医療費の軽減を
 伊丹市の障がい者(児)医療費の減免制度に関して、身体障がい1、2級を4級までに、療育医療費A判定をB(1)までに、精神医療1級を2級までに拡充することを求めました。

気候変動危機打開に全力を
 伊丹市は「ゼロカーボンシティ宣言」をしていません。全国598自治体、総人口に占める割合が90.7%(2月末現在)の自治体が「宣言」をしています。「宣言」をすることで市民参加を進めカーボンゼロをめざすことができます。

ジェンダー平等社会の実現を
  市が責任をもってジェンダー平等政策を推進するため、男女平等
参画センター(ここいろ)の直営化と男女共同参画条例制定を求めました。

2022年度予算 ここが問題
コロナ感染症対策 市の独自施策なし
 党議員団は、高齢者施設や学校、就学前施設などでのPCR検査拡充、困窮世帯や事業者への独自支援を求めましたが、市の施策は、遅れに遅れた国の対策の範囲内でしかありません。

相変わらず「同和教育」の推進
 「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」の改定で、同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育・啓発を継続する問題です。アンケートにおいても実体のない「いわゆる同和地区」という表現を使うことによって、あたかも同和に関する差別がいまだに根強いという印象を市民に与えます。実体的差別がほとんどない中で、差別意識をことさら強調する同和教育は必要ありません

文化保護行政の管轄を教育委員会から市長に移管
 文化財保護における権限は、収集・保管・展示・教育・調査・研究という基本的な機能は市長の権限とは分離され、市長の権限に束縛されない、自由で自律的な学芸活動として展開されてきました。市長に権限を委譲することで、専門性、政治的中立性が担保される保障はありません。

児童くらぶの育成料引き上げ
 伊丹市立児童くらぶ条例の一部改正の提案では、2 0 2 3 年度から月額育成料6,200円を8,000円に引き上げ、延長時間に応じて午後5時から午後6時までが1,800円、午5時から午後7時が3,600円と区分されていた育成料を一律3,000円にするものです。
 その理由は、指導員の処遇改善や長期休業中の昼食提供とされますが、これらの改善を育成料の引き上げによって行うということは、サービスを良くすればよくするほど保護者の負担を増やすというやり方であり、この受益者負担の原則は子育て支援策、福祉行政としてはなじみません。

アイホール(演劇ホール)事業の縮減
 アイホールの存続が危ぶまれています。当面3年間は継続することとなりましたが、今まで公演等の事業が36事業あったのを10事業にして事業費削減、自主事業をなくして貸館中心の管理に伴い職員を10名から6名に削減するなどで経費を3,300万円削減する提案がされました。しかし、アイホールは30年以上の歴史の中で「関西小劇場の聖地」の地位を築き、優れた演劇文化を発信するとともに、中高生などの学びの場としての機能も発揮してきました。自主事業の廃止などこれらの機能を縮小することは質の高い文化の発信と市の文化振興策の縮減につながります。

日本共産党伊丹市議団ニュース 第397号 3月議会で中3まで医療費無料化、認可保育所増設などが実現

日本共産党伊丹市議団ニュース 第397号 2021年3月31日
3月議会で市民要求実現に奮闘し
 中3まで医療費無料化、認可保育所増設などが実現

 日本共産党伊丹市議団ニュース 第397号(PDF)

[1面]

日本共産党伊丹市議団ニュース 第397号1面

[裏面]

日本共産党伊丹市議団ニュース 第397号裏面

3月議会で市民要求実現に奮闘し
 中3まで医療費無料化、認可保育所増設などが実現

 3月議会が2月17日から3月25日までの37日間開催されました。
 提案された議案は、2022年度一般会計予算等の予算13議案、条例改正等27議案の合計40議案。党議員団は、コロナ対策や少子化、高齢者対策などの市民要求実現に力を尽くす一方、一般会計予算と条例改正4議案に反対、残る35議案に賛成しました。

 要求が実現したのは、所得制限付きながら中学3年生まで医療費の無料化、210名分の認可保育所整備、若者就労支援、市営住宅へのエレベーター設置(玉田団地)などです。

 一方、予算や条例改正で反対した内容は、①コロナ対策では国の対応の域を出ず、独自の対策がほとんどなかったこと。②依然として「同和教育」を継続すること。③文化保護行政を教育委員会所管から市長に移管したこと。④アイホール事業を削減することで質の高い文化の発信と市の文化振興策を縮減したことなどです。

 病院統廃合による近畿中央病院跡地への医療機関誘致に関しては、コロナ禍で急性期医療の重要性が認識されたことから地域医療構想を見直し、急性期病床の誘致を求めました。

党議員団の要求で 市バスの接近情報、混雑情報提供システム実現
3月28日(月)から試験運用、4月5日本格実施予定

 伊丹市交通局は、市バス利用者の利便性向上とコロナ感染対策の一環として、市バスの接近情報と混雑情報を提供する「いたみバスナビ」を開始することになりました。このシステムは、車内の混雑情報を「空いています」「やや混雑しています」「混雑しています」と3段階で発信します。また、市バスに設置されたGPS機能を活用して、バスの接近情報や遅延情報を提供するとともに、次発の案内や乗換案内、時刻表検索などのサービスがあります。

 利用方法は、スマートフォンなどで「いたみナビバス」を検索、もしくはバス停に貼付されているQRコードを読み取ることで、そのバス停に接近してくるバスの状況を把握することができます。利用料は無料(通信費は利用者の負担)。

 党議員団は30年以上前からこのバス接近情報の提供(バスロケーションシステム)を要望し続けていました。市民との共同でやっと実現することができました。

 詳細は、伊丹市交通局のホームページ、4月1日付の伊丹市広報をご覧ください(裏面参照)。

2022年3月議会:久村真知子 個人質問 伊丹市でのジェンダー平等社会は進んでいるか

伊丹市でのジェンダー平等社会は進んでいるか

2022年3月9日
日本共産党伊丹市議会議員団 久村真知子

 伊丹市でのジェンダー平等社会は進んでいるか、に関連して質問いたします。

 初めに今日までの「伊丹市男女共同参画計画」で女性の参画、ジェンダー平等はどう進んだか、についてです。

 第3期伊丹市男女共同参画計画策定に向けての市民意識調査での項目の「男は仕事、女は家事・育児」という考え方に賛成するか」についてのですが、2000年は、賛成するが39.9%で、賛成しないが58.0%となっています(平成27年度)。2015年の調査と比較すると賛成しない、の割合が増加しています。しかし全国調査と比較すると賛成する割合が、5.8ポイント高くなっていますので、「性別役割分担」の意識の解消は全国と比べれば進みが遅い状況ということになります。

 伊丹市は26年前の1996年から「伊丹市の女性のための行動計画」を策定し、その後今日の「第3期伊丹市男女共同参画計画」を策定するところとなっています。国連で採択されたSDGSで2030年までに人権を保障し、ジェンダー平等と女性・女児の能力強化を進めることなどが謳われています。あと8年間で、このことを達成することが求められているわけです。

 あと8年で現実となるのでしょうか。

 今日の私たちの生活状況は、コロナ禍の中で様々な困難に直面しています。特に女性に関しては、低賃金で非正規雇用で働く方が多く、不安定な生活を強いられています。ステイホームの中でDV被害が増加していることや女性の自殺者が男性の5倍にもなっていると報道されています。子供への虐待や性被害もニュースで頻繁に取り上げられています。他人事だとは思えない状況であり心が痛みます。

 このような状況を何とか改善するために「伊丹市の男女共同参画計画」の進展を願うものでありますが、日本の現状は、世界的に見ましても「ジェンダーギャップ指数2021」によりますと156か国中120位と、先進国としては大変遅れている状況です。

 国連の女性差別撤廃委員会からも是正勧告を受けてきていますが、日本政府は、女性差別撤廃条約の採択を1979年に行い、1985年、37年前の遠い昔に批准をしていますが、具体化が進んでいないのが現状です。「男女の賃金格差」「選択的夫婦別姓の法改正」などについても、やはり国連の女性差別撤廃委員会からの是正勧告を受けてきていますが、進んでいません。しかしジェンダー平等を求める声は高まってきています。今まで表に出さない、出せない女性の声が、急速に広がってきている状況があると思います。

(1) このようななかで、伊丹市の取り組みについてですが、女性の参画やジェンダー平等はどう進んでいるのでしょうか。見解をお伺いいたします。

(2) 伊丹市の「男女共同参画センターここいろ」が、計画を実現して行く上での役割があると思いますが、計画に沿って参画を実現するために、様々な講座や啓発活動を行っておられますが、計画達成のためにはそのような活動だけでは難しいのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

(3) 「男女共同参画センターここいろ」を「拠点施設」としての役割についてですが、男女共同参画センターは、他の自治体には伊丹市よりはやくに設置されているところもありましたので、伊丹市民も、その役割にも大いに期待され、男女共同参画社会の実現にも、大いに期待されていたと思いますが、皆さんが期待されていたような施設となっているのでしょうか。

 計画の達成やジェンダー平等を実現するためには、様々な問題が横たわっていると思います。様々な問題の解決・解消を進めながら男女共同参画社会の形成が行なわれていくと思いますが、そのような中でのセンターの拠点施設としては、市民とのかかわりが大事だと思います。

 「ここいろ」では、市民へ向けて興味ある講座や啓発を多く行われていますが、そこへ参加された方々がジェンダー平等に向けてどのように動いていくのか、小さなことでも参画していく行動に結び付いていくことが必要ではないでしょうか。

 計画の達成のためにはその動きをどう作っていくのかだと思いますがいかが、改めて拠点施設とはどのような役割があるのか、またその市民とのかかわりはどの様にお考えでしょうか。お考えでしょうか。お伺いいたします。

(4) 2030年までに様々な目標を達成するためには、大いに力を入れていただきたいと思います。

 再復活されました男女共同参画課に大いに期待するところでありますが、センターとの関係はどうなのでしょうか。

 計画をしっかりと実行され男女共同参画社会へ動くようにすることが市民から求められています。センター設置を長年期待されてた人は自分たちの問題を何か解決できるような施設として運営していただければという思いがあったと思います。この度、伊丹市は、改めて男女共同参画課が再設置されましたが、施策を積極的に推進させる姿勢を明確にされようという事だと思います。主体的に動いていただくためにも、やはり「ここ色」を市の直営とされることが望ましいと思います。

 ジェンダー問題を気にかけている方は、「男女共同参画課が戻ったよ」とお知らせしましたら、皆さん、「よかったわ」と歓迎されていました。

 特に担当課の方々とお話したわけでもないのに喜んでおられました。やはり特に女性の方々は何かを期待されているのだと思います。

 ここいろに付いてですが、以前のセンターでは登録団体が多くあったという事ですが、ここいろには、まだ登録団体が3団体とパブコメでの回答があります。

 男女共同参画課を再設置されるのは、全庁的な事務事業の進捗管理などを効果的・効率的に行うための組織改編の一環として行う事や第3期計画を積極的に推進されるという気持ちなら、センターを直営にして、しっかりとした拠点施設にしていただくことは、市民が主体的に利用しながら、参画していける状況を作ることが必要と思います。今後、より拠点施設の役割をしっかりと果すためには、市の直営とすることが望ましいと思います。ご見解をお伺いいたします。

(5) ジェンダー平等などに市民が主体的に活動できるようにするための提案ですが、東京や札幌市などでNPO法人がDV被害者の支援を行う人の資格認定の講座を開始しています。しっかりと養成講座を受けてもらい修了すれば支援員の民間資格を与えるということです。

 伊丹市としても、女性の支援に関心がある方に、養成講座で専門的知識を持ってもらい、DV支援者に相談にのれるようになれば、DVへの正しい知識・見解を持つことができますし、DVの気づきや早期発見を行え、結果的にDVを無くしていくことにもつながると思います。

 また相談の必要な人に十分に寄り添えることで被害者を危険な目に合わせないように早くに救えることにもなります。その後の人生をどう歩んでいくのかの手助けもできるのではないかと思います。相談者の資格を持てるように養成講座等開催することは如何でしょう。いかがでしょうか見解をお伺いいたします。

(6) 痴漢防止対策についてですが、痴漢は女性の人権侵害です。

 子供から大人まで電車やバスで込み合っていたり、すいていても、その他、どこでも痴漢がいます。女性に「痴漢に合ったことある?」と聞くとほぼ皆さんあるといいます。私と同じような年齢になれば何年も前の過ぎ去った事であり、やっと話ができるという時期になったのかなと思います。「しつこい痴漢に合ったことや、学生時代にバスや電車通学で何度も痴漢にあった。とても怖くて声を出すことは出来なかった。」「周りの人にどう助けを求めていいのかわからなかった。今のようにオープンに誰にも話せなかった。」等いろいろ出てきます。

 「今の年齢ならしっかり捕まえ警察に突き出すのに。」と言われていました。当時は、怪我をしたり物を取られたりすれば警察に届けるものだとわかっていても、痴漢をどのように届ければいいのかわからない状況だったと思います。

 おしりを触られたり、すれ違いざまに胸をつかまれたり、加害者はすぐに逃げていきますから、犯人が分からないのに、捕まえられないだろうし、わざわざ警察に行ってそんなことを話すこと自体が恥ずかしくて被害届にはいかなかったといわれています。

 しかし今日もこのような問題は日本社会に同じように、いえ、もっとひどく行われているのかもしれません。

 「痴漢」という言葉は、国際語になっているといわれますし、先日も「大学入学共通テスト」時に「今日は痴漢がやり放題。試験に間に合わないと困るので、警察や駅員に届けは出されないから」ということがスマホで流れたそうです。ほんと卑怯なことを考えるものです。このようなことを防ぐのに受験生がどうすれはいいというのでしょうか。

 その話を数人で話していた時に、「私受験日に痴漢された。すごく怖かった。」と若い方が、言われたので身近に被害にあわれて方もおられ驚きました。伊丹市民がこのような目に合っているのですから、特に女性の人権を守るためには、伊丹市としての何らかの取り組みが必要だと思います。

 痴漢は女性や子供にとってほんと身近にある性暴力です。痴漢に合ったことがないという人を探す方が難しいかもしれません。最近まで痴漢をなくそうという風潮は表立ってはありませんでした。最近までは、「被害者の服装が派手だったから」といわれ、男性からは「若くもないのに痴漢に会うわけないだろう。」などからからかわれたりしてきました。そのうえ被害者自身も自分が悪かったのだと無理やり自分を殺し納得させてきたという状況であったと思います。その様な風潮の中では、被害者が声を上げるのは難しく泣き寝入りとなって来たのです。

 痴漢被害データでは、どこで被害にあったのかでは、電車内が66%です。バスの中でもありますが、警察庁の調べでは被害にあった89%の人が「通報や相談ができないと」答えています。また被害を目撃した人の45%が「何もしなかったと」いう、見てみぬふりをする傍観者の態度が被害を埋もれさせてしまっていることにもなっています。

 声を上げないから、ないものとされ、軽い問題だと周りからも扱われることは、女性の尊厳を無き者にするという風潮が続いてきたのだと思います。

 このような現状は、ジェンダー平等から全く遠い話です。女性の考え男性の考え傍観者の考えを変えていくことが必要です。 伊丹市民から動けるようにできればと思いますので、数点お伺いいたします。

ア.伊丹市での痴漢被害の現状はどうでしょうか。お伺いいたします。

イ.伊丹市としての防止対策に付いてですが、だいぶ前の事ですが、大阪の地下鉄での駅などを利用した時に「痴漢は犯罪です」のポスターを見ました。  

 私はなんだかそのポスターに勇気付けられました。痴漢に合っても自分が悪いのではない、相手が犯罪を犯しているのだ。と改めて知ったのです。その後しばらくしてから、痴漢が電車の中で捕まえられたり、声を上げる女性が増えてきたように思います。

 被害者から声を上げるのが難しい問題ですから、大阪のポスターのように、少し勇気がもらえるような手助けをしてもらうことがあれば、小学生や中学生高校生なども声を上げることができるかもしれません。

 対策をとれば、加害者も犯罪(迷惑防止条例違反)だと自覚できるようなると思いますし、被害者もその周りの人も犯罪なら、捕まえよう、痴漢なくそうと、見てみぬふりをする人もなくせるかもしれません。

 無論痴漢は、バス・電車だけではありませんし、私はだれもいない陸橋で会いましたし、身近な人でも触っていいと思っている人もいるようです。公共施設等にも啓発のために、多くの市民が見えるところに、痴漢は迷惑条例違反犯罪というようなポスターなどを張り出していただきたいと思います。

 また伊丹市としても実態の把握を行うためにも、被害者の方の心のケアーや女性の尊厳をしっかり守るためにも、伊丹市の相談窓口の公的機関を市民の皆さんへきちんと知らせていただきたいと思います。市民と一緒に痴漢をなくしていくことにつながるのではないかと思います。

 そのためにも、まずはしっかりと啓発活動に力を入れていただきたいとおもいます。伊丹市としての痴漢防止対策をしっかりと行い痴漢ゼロで安心安全な街にしていたただきたいと思いますが、お考えをお伺いいたします。

(7) 次に男性への話ですが、「ここいろ」では、男性からの相談にも応じておられますが、男性にジェンダー平等を理解してもらうことがまだまだ難しいのではないかと思います。

 周りの男性はジェンダーの話はあまり聞きたくなさそうな意見を言われる男性がおられますので、そのような方には到底ジェンダーの話などは到底できません。一般的に、男性は「自分には関係ないわ」と思われている方が多いので、そのような方も含め男性に男女共同参画やジェンダー平等を、十分には理解されるためにはどのようにすればよいのかが問われるのではないでしょうか。男性のジェンダー平等感覚は、現状ではいかがでしょうかお伺いいたします。

・男性が男女共同参画、ジェンダー平等を理解するきっかけとして、男性同士が集まり家事や育児、介護など自分の事は自分でできるという基本的なことを身に着けることができる場が、必要でないかと思います。

 料理や掃除洗濯など自分できちんと行えることで男性の自立が確立し、また家事を行っている女性の立場なども理解でき、ジェンダー平等も理解しようと思ってもらえるようになるのかと思います。

 男性がジェンダー平等を自分の事と理解し実行できるようになることは、どうしても必要でしょう。どちらも男女の事ですから。

 DV問題などでは、今までは女性の命を助けることが第一に言われていましたが、最近では、男性のための更生プログラムがあるそうです。様々な事でも男性からの意見をいただくことがは、今まで以上の努力、工夫が必要だと思います。女性との平等を理解し、行動してもらうになるためには、今後どのようなことをされようとお考えでしょうか。お伺いいたします。

(8) 男女共生参画条例を制定するところが全国的にも増えています。

 兵庫県下では10市1町。阪神間でも尼崎市・宝塚市・川西市・芦屋市などですでに制定されています。伊丹市も、もっと積極的に計画を進めようというなら条例を制定すべきと思いますがいかがお考えでしょうか。

 ご見解をお伺いいたします。

2022年3月議会:上原秀樹 一般会計予算等特別委員会付託議案 反対討論

2022年3月議会

2022年3月25日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 議長より発言の許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して、議案第10号令和4年度伊丹市一般会計予算及び議案第24号伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について、議案第23号伊丹市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定について、議案第28号一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について並びに議案第32号伊丹市立児童くらぶ条例の一部を改正する条例の制定についての5議案対して反対の立場から討論をします。

伊丹市一般会計予算

 はじめに議案第10号伊丹市一般会計予算についてです。

 まず歳入について述べます。市税では、前年度予算を約20億円上回り、特に個人市民税、法人市民税ともにコロナ前の2018年度決算並みの予算となりました。納税者人口の増と製造業における業績が回復したことによるとされましたが、一方ではコロナ禍で納税ができない非正規で働く人が増えていることや年金の引き下げ、営業に困難を抱える中小零細企業・業者も多数存在することを踏まえ、市民の暮らしを支える対策が必要です。

 次に地方交付税についてです。2021年度交付金額は、国による2021年度補正予算において、国税収入の増額補正に伴い、地方交付税も増額されることになりました。伊丹市においては当初予算対比で実質的な地方交付税が約21.8億円の増となる見込みです。市税収入の増も含めたこれらの財源で、市民の暮らしや福祉、安全対策等への対応を要望します。一方、2022年度予算では、臨時財政対策債を含む実質的な普通交付税は、市税の増等によって予算対比で10億円の減で84億とされました。国は前年度並みの一般財源の総額は確保したとされていますが、地方自治他市にとっては新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、高齢化や子ども子育て施策、安全対策等の基盤整備など行政課題は増加する一方で、前年度並みを確保しただけでは財政が硬直化して行政課題に柔軟に対応できなくなっています。国に対して、社会保障費の自然増など必要な財政需要を積み上げて地方財源を確保し、そのためにも地方交付税の法定率を大幅に引き上げることを求めることを要望します。

 次に予算上の問題点及び関連する要望についてです。

 第1に、新型コロナウイルス感染症対策です。第6波の感染者数は若干減少傾向にあり、まん延防止等重点措置が解除されました。しかし、新たな変異株も出てきており、ワクチン接種を引き続き行いながら、治療薬の普及を待つしかなく、当面コロナウイルスとの付き合いは続く見込みであると言わざるをえません。従って、感染が続く限り重症化の恐れと命の危険が付きまとうことになります。この間の国のコロナ感染症対策は、ワクチン接種の遅れや検査体制の不十分さ、急性期病床の削減、事業者に対する補償を半分に減らす、保健所体制が極めて不十分のまま放置されていることなど、後手後手の成り行き任せというべき事態です。伊丹市の対応も、様々な対応に力を尽くされているとはいえ、この域から出ていません。引き続き感染者の状況を勘案して、高齢者施設等の福祉施設や学校等でのPCR検査と検査キットの配布、事業者の実態調査による機敏な支援策対応、県が掌握している医療、保健情報の共有などを求めるものです。

 第2は、昨年の人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に基づき、一般職員で約5万9,000円、再任用職員で約3万3,000円の期末手当を削減することです。来年度の人件費を一般会計で約1億5,200万円削減することは、新型コロナウイルス感染症対策で奮闘されている最中にあり、その奮闘にふさわしい賃上げこそ必要であるとともに、原油価格の高騰によるガソリン等の物価の値上がりも生活に大きな影響を与えています。

 第3に、職員の人事評価についてです。公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第4に、新たに「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」を改定されることです。様々な人権課題が存在します。市のアンケートでも、最も関心のある人権課題は女性、高齢者、障がい者、子どもが多数を占めており、それぞれに関する人権を保障するための施策は重要な課題となっています。しかしこれらの課題は、憲法における人権保障の規定に基づき、解決していくものであり、必要とあれば、教育・啓発はそれぞれの分野で行うべきことです。

 問題は同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育・啓発を継続することにあります。アンケートにおいて実体のない「いわゆる同和地区」という表現を使うことによって、あたかも法的に存在しなくなった「同和地区」がいまだに存在し、その差別がいまだに根強いという印象を市民に与えます。実体的差別がほとんどない中で、差別意識をことさら強調することは、同和問題の真の解決に逆行するものです。

 今年は水平社創立100周年の年にあたります。水平社創立は、封建的身分差別の残滓である部落差別の屈辱と呻吟から人間の誇りを取り戻し、自らを解放しようとしたものです。創立大会では「人間を尊敬することによって自ら解放せん」「人の世に熱あれ、人間に光あれ」とうたいあげました。先人たちは屈辱の歴史に終止符をうとうと挑戦し、戦後民主主義と部落解放運動を背景に「社会問題としての部落問題」の最終段階を見通せる段階に到達しています。ここに100周年を記念する最大の意義があります。

 様々な人権課題に関しては、憲法に規定されている国をはじめとする公権力が保障すべき自由と人権とは何かなどについて市民とともに学ぶ機会を持っていただき、多様な個人の尊厳が守られ、人権・民主主義が根付く伊丹市をつくるための学習・啓発を推進されることを求めます。

 第5に、文化財保護行政の職務権限を、教育委員会から市長に移管したことです。

 文化財保護における権限は、とりわけ収集・保管・展示・教育・調査・研究という基本的な機能は市長の権限とは分離され、市長の権限に束縛されない、自由で自律的な学芸活動として展開されてきました。国の文化審議会文化財分科会企画調査会における主な意見でも、教育委員会が首長部局から独立していることで、専門的観点から事務執行ができ、政治的中立性も確保される、政治的中立性については、埋蔵文化財だけではなく文化財の指定にも関係してくるとされています。従って、市長に権限を委譲することで、専門性、政治的中立性が担保される保障はありません。

 今後、社会教育施設として位置づけられる伊丹ミュージアムと一体的な運用で自立した教育・調査・研究を行うとともに、必要な専門的職員の配置を求めます。

 第6に、アイホール事業の縮減についてです。アイホールの存続が危ぶまれています。当面3年間は継続することとなりましたが、今まで公演等の事業が36事業あったのを10事業にして事業費を削減、自主事業をなくして貸館中心の管理に伴い職員を10名から6名に削減するなどで経費を約3,300万円削減する提案です。しかし、アイホールは30年以上の歴史の中で「関西小劇場の聖地」の地位を築き、優れた演劇文化を発信するとともに、中高生などの学びの場としての機能も発揮してきました。自主事業の廃止などこれらの機能を縮小することは質の高い文化の発信と市の文化振興策の縮減につながります。

 第7に、「全国学力テスト」の問題です。代表質問でも指摘しましたが、「全国学力テスト」に基づく学力観は、経済協力開発機構が行う国際学力調査の枠組みの基本としてのPISA学力論を経由する「資質・能力」論とそれと結びついた「コンピテンシー」論であり、この学力観を中心に据えることは、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育、地球環境問題や社会の格差・貧困問題、コロナ禍のもとでの生存権保障、ジェンダー平等、世界の紛争や戦争阻止などの課題にどう対処するのかの、集団による知恵の探求が後景に押しやられることになっているのではないかと考えます。調査というなら「全国学力テスト」は毎年行う必要はなく、数年に1回の調査で事足りるものであり、「全国学力テスト」を主軸とする教育は見直すべきです。

 教育長が答弁で、様々な課題を解決していくのは人であり、その人を育てるのが「教育」であり、教育の目的は「人格の完成」にあると述べられたのはその通りであり、開かれた学校づくりを進め、子どもたちの「社会性」を養い、主権者として民主主義の担い手を育てる教育を進めていただくことを要望します。

 次に、評価すべき点を述べます。

 第1に、所得制限付きながら中学3年生までの医療費無料化を実現されたことです。今後所得制限の撤廃と高校卒業までの無料化を求めます。

 第2に、国の施策としてですが、児童くらぶ指導員や保育士などのエッセンシャルワーカーの賃金が引き上げられることです。今までこれらの職種の賃金が極めて低いことが問題とされていました。今回はその第一歩として評価できますが、引き続き賃金の引き上げを求めます。

 第3に、保育所待機児童の解消に向けて210名分の保育所が整備されることです。今後問題となっている年度途中の待機児童解消に向けた対策を要望します。

 第4に、若者就労支援事業として、市内在住かつ市内で働く30歳までの若者が学生支援機構等の奨学金返済中の場合、年間返済額のうち自己負担分の2分の1の範囲内で最大6万円を3年間助成されることです。

 第5に、市営住宅玉田団地6号館及び9号館にエレベーターを設置されることです。今後、エレベーターのない市営住宅へのエレベーター設置を要望します。

 第6に、男女共同参画課を設置されたこと及び痴漢対策としてポスターを掲示することになったことです。今後、男女平等参画センターの直営化と条例制定を求めます。

 第7に、地球温暖化対策において、カーボンゼロに向けて「グリーン戦略室」の設置等による第一歩を踏み出されたことです。今後、環境基本計画の見直しと地球温暖化対策実行計画の策定が行われますが、いち早く「カーボンゼロ宣言」を行い、市民との共同でカーボンゼロを達成していただきたいと思います。
 第8に、JR伊丹駅前トイレを改修することです。市内公衆トイレが汚いという声を議会でも紹介し、改修を求めてきました。引き続き阪急伊丹駅南側トイレなどの改修も求めます。

 最後に、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致について述べます。

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、改めてコロナ感染症患者に対応する急性期病床の役割が明らかとなりました。一方、兵庫県地域医療構想では、急性期病床を減らし、高度急性期と回復期病床を増やすものとなっています。コロナパンデミックの教訓から、これ以上高度急性期、急性期病床を減らさず、それに見合った医師・看護師などの病院職員を増員する方向に転換すべきと考えます。その上に立って、兵庫県地域医療構想を見直すことを関係機関と協議し、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、回復期だけにこだわらず、急性期病床を中心とする医療機関を誘致できる方向で検討を進めていただきたいと思います。

 以上主な点を述べました。その他本会議、委員会で様々な要望をしましたが、その実現にご尽力いただきますことを求めまして、議案第10号に対する反対の意見とします。

教育に関する事務の職務権限の特例

 次に、議案第24号伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてです。

 本条例に関して、先ほどの議案第10号に対する意見で述べた通り、文化財保護行政の職務権限を、教育委員会から市長に移管することは、専門性、政治的中立性が担保される保障はありません。

 よって議案第24号に反対とするものです。

 次に、議案第23号伊丹市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定についてです。
 本議案も先ほどの意見で述べた通り、文化財保護行政の職務権限を、教育委員会から市長に移管する問題とともに、「空港に関する事項」「航空機騒音対策に関する事項」「空港周辺整備に関する事項」を、都市活力部が所管する「空港及び観光に関する事項」に変更する問題です。言うまでもなく伊丹空港は環境基準が達成されていない空港であり、都市型空港としての安全性にも課題が存在します。空港の利便性を高めることは当然としても、国際便の復活などによる観光行政との一体化は、いまだに航空機騒音に苦しむ市民の理解を得ることはできません。

 よって議案第23号に反対とするものです。

職員の給与に関する条例

 次に、議案第28号一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてです。

 本条例についても議案第10号に対する意見で述べた通り、人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に基づき、一般職員及び再任用職員の期末手当を削減することは、コロナウイルス感染対策での奮闘にふさわしい賃上げこそ必要であるとともに、原油価格の高騰によるガソリン等の物価の値上がりも生活に大きな影響を与えています。

 よって、議案第28号に反対とします。

児童くらぶ条例

 次に、議案第32号伊丹市立児童くらぶ条例の一部を改正する条例の制定についてです。

 本条例案の主な内容は、2023年度から、市立児童くらぶ育成料6,200円を8,000円に引き上げるとともに、延長時間に応じて午後5時から午後6時まで1,800円、午5時から午後7時まで3,600円と区分されていた育成料を、一律3,000円にしようとするものです。

 育成料を引き上げる理由として、指導員の処遇改善や長期休業中の昼食提供、ICT化推進事業などを行うための財源とされています。もちろんこれらの改善は必要なことです。特に指導員の処遇改善では、阪神間各市と比較して賃金が低く、この処遇改善によって指導員の生活給と指導員の質の向上、ひいては児童くらぶ自体の質的改善にも結び付くものです。しかしその具体的な内容は明らかにされませんでした。

 一方、指導員の処遇改善や施設の改善を育成料の引き上げによって行うということは、サービスを良くすればよくするほど保護者の負担を増やすというやり方であり、この受益者負担の原則は子育て支援策、福祉行政としてはなじみません。小泉政権時に大幅に減額した地方財源の復活とともに、さらに充実を国に強く求めることを要望します。

 よって、議案第32号に反対とするものです。

 以上議員各位のご賛同をお願いしまして、5議案に反対の討論とします。

 

 

 

 

2022年3月議会:上原秀樹 代表質問

2022年3月議会 最終日議案質疑

2022年3月
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

ロシアによるウクライナに対する侵略行為に関して

 質問の前に、ロシアによるウクライナに対する侵略行為に関して一言申し上げます。ロシアは24日、一方的にウクライナに侵攻し、すでに同国民に多大な犠牲者が出ています。 これはウクライナの主権と領土を侵し、国連憲章、国際法を踏みにじる、侵略行為です。同時にプーチン大統領が核兵器の使用を示唆するなど断じて容認できません。日本共産党は、ロシア、アメリカ、中国などどんな国であれ覇権主義を許さない立場から、この侵略行為を断固糾弾するとともに、ただちに軍事行動をやめ、撤退させることを強く求めるものです。

 また、一部の政治家が「核兵器の共有」を論じるなどは、唯一の戦争被爆国の政治家の発言としてあるまじき発言であり、世界の核兵器廃絶の流れに背くとともに、ロシア大統領と同類の発想であり、絶対に容認できません。

1.市長の情勢認識について

1)市長の提案説明「国内外の情勢認識」について

 市長は提案説明の中で国内経済について述べられました。

 日本経済に関しては、岸田首相が通常国会の所信で「新しい資本主義」とか「新自由主義の弊害を取り除く」などと述べました。今の日本経済は岸田首相の言う「新自由主義の弊害」によって、経済が成長しない国、賃金が上がらない国、国際競争力が低下した国になりました。「新自由主義」的政策のもとでの働く人の貧困と格差が拡大は、非正規雇用の増大等、低賃金で「使い捨て」労働の拡大をはじめコスト削減を最優先の賃金抑制や無法なリストラがもたらしたものです。その結果、2000年を100とした平均賃金指数は、アメリカが124、スウェーデンが138、韓国が143となっているにもかかわらず、日本の場合は100で賃金は上がっていません。2012年対比でみると、実質賃金は年収22万円減少し、その一方で資本金10億円以上の大企業の内部留保は130兆円増やして466兆円にもなりました。自公政権が行っている「賃上げ減税」は、安倍政権以来2兆円以上の賃上げ減税を行っていますが、その間実質賃金は下がっています。

 さらに、新自由主義のもと、社会保障を削減し続け、「社会保障の自然増」部分を来年度予算では2200億円も削減することになっています。このことによって診療報酬の削減、高齢者医療の自己負担の倍増、年金の削減が行われています。そして消費税のあいつぐ増税が国民に大きな負担を押し付けています。

 その結果、GDP実質成長率では、日本経済の成長が止まった国になりました。2000年を100とした場合の名目成長指数が、日本は2020年が100で成長が止まり、アメリカ、ユーロ圏ともに200で倍になっています。さらに競争力も、1991年には1位だったのが、2021年には31位に下がりました。

 すなわち、新自由主義による、貧困と格差の拡大という人に冷たい経済政策が日本経済を停滞に押しやったと言えます。日本共産党は、人にやさしい経済の方が結局は経済成長もするし、パンデミックにも強い経済になると考えるものです。そのために、正規雇用が当たり前の労働法制に変え、中小企業に支援をして最低賃金を時給1500円以上にして賃金を引き上げる、社会保障の抜本的拡充、消費税の減税を提案しています。

 日本経済における「新自由主義の弊害」と市長に渡しています日本共産党の政策に対する見解をお聞きします。

2)9条改憲、「敵基地攻撃能力」「反撃力」と伊丹の自衛隊基地について

 岸田政権は戦後初めて、「敵基地攻撃」能力の保有について検討を進めるとともに、岸防衛相が他国領空内に自衛隊機が侵入して爆撃することも「排除しない」と答弁、また相手の基地に限らず、指揮統制施設や通信施設などへの攻撃を含む「反撃能力」=戦争遂行能力の保有にも言及するなど、憲法が禁じた戦争につながる危険なたくらみが浮き彫りになっています。そして憲法との矛盾を突破するため、9条改憲で名実ともに「戦争する国」に日本をつくりかえようとしているのが、自公政権とカッコつきの「野党」の人たちです。

 今、台湾をめぐる米中の緊張が激化しています。日本は日米同盟にとって死活的問題だなどと言って、アメリカの対中国戦略に積極的に加担し、そのための実働演習などを頻繁に行っています。その一つが昨年12月に伊丹駐屯地で行われた日米方面隊共同指揮所演習=ヤマサクラ81でした。すべて米軍が指揮を執り、米軍の対中戦略に自衛隊を巻き込む訓練です。そしてその場合の反撃対象は米軍基地であり伊丹駐屯地のような自衛隊基地ということになります。

 日本共産党は、この問題で最も抑制すべきことは、軍事対軍事の対立と軍備拡張競争の悪循環であり、最も推進すべき道は、どんな国であれ覇権主義は許さないという立場にたって、平和手段による問題解決を図ることであると考えます。注目すべきことは、2011年にインドネシアのバリで開催された東アジアサミットで「バリ原則」という政治宣言が調印されていることです。ここには武力行使の放棄、紛争の平和的解決などの諸原則が入り、アセアン諸国10カ国とともに日本、中国、韓国、米国、ロシア、インド、オーストラリア、ニュージーランドが参加してすべての国が賛成しています。この宣言を条約にするため、憲法9条を持つ日本がその先頭に立つことが求められています。

 ロシアのウクライナ侵略という事態の中で、日本が他人ごとではなく、「戦争する国」にまい進するのではなく、この時期にこそ「バリ宣言」の報告に向かう努力をすべきと考えます。

 市長の見解をお聞きします。

2.新型コロナウイルス感染症対策について

 市長は提案説明の中で「新型コロナウイルス感染症対策を最優先事項として、…今できる最善の取り組みを迅速かつ的確に実施してまいります」と述べられました。

 今、高齢者を中心として第4波、第5波を上回る死者数など、コロナ危機は始まって以来の深刻な事態にあります。全国知事会の2月15日「緊急提言」の通り、オミクロン株の特性に応じた保健医療体制の構築や社会活動の継続への対応を検討し、その全体像の見直しも含め、全般的な対応方針を明確にすること、一部地域で深刻な医療ひっ迫を招いている現状を踏まえて、危機的状況が国民に正しく認識されるよう、国として強く発信することが求められます。

1)PCR検査体制について

 今まで議会の度に「いつでも、誰でも、無料で検査を受けることができる体制」を求めてきました。市内10か所の薬局で無料検査を行っていますが、検査キットがなくて検査が受けられない人がおられます。検査キットは十分届いているのでしょうか。また、「濃厚接触者かもしれないから」という人も来られるそうですが、防護もマスクのみという不十分な状態で、立会人という役割を果たさなければなりません。通常業務に手が回らないときもあるとお聞きします。今の状態で薬局が検査を担うことに無理が生じているのではないか、県の管轄ですが当局はどのように認識されているのでしょうか。実態を聞いて改善すべきことは改善をするよう県に求めるべきですが、見解をお聞きします。

2)子どもとその関連施設、保護者への対応について

 就学前施設や学校での学級閉鎖、学年閉鎖、休校が相次いでいます。

○ その場合、一つは、様々な職種の会計年度職員への連絡も休校等の連絡がされると思いますが、学校等への出勤の有無はどのように連絡されるのでしょうか。仮に出勤の有無が不明確の場合、賃金はきちんと補償されているのでしょうか。また、会計年度職員が濃厚接触者となった場合や感染の疑いがある場合、感染が確認された場合、また小学校、幼稚園、保育所、特別支援学校の休校等に伴い会計年度職員が子どもの世話を行うため勤務することができない場合の休暇の扱いと賃金の補償についてもお聞きします。

○ 二つには、厚生労働省が2月8日、新型コロナウイルス感染の影響で保育所が休所となった子どもを他の園や公民館などで預かる「代替保育」を確保するために新たな財政支援策を発表したことについてです。医療や福祉、介護といったエッセンシャルワーカーの確保のためにも、代替保育の拡充が、急務となっています。厚労省は利用者負担についても財政支援で負担がないようにするとしています。ぜひ伊丹市でも早急に実現をしていただきたいと思いますが、見解をお聞きします。

3.気候変動危機の打開に向けて

 この問題では12月議会で岸田政権の温暖化対策の問題点を指摘するとともに、日本共産党の気候変動危機打開の2030戦略を紹介しました。同時に、伊丹市として「気候非常事態宣言」「2050年ゼロカーボンシティ宣言」をすることを求めました。答弁では、脱炭素社会の実現に向けた環境施策を積極的に推進し、その基盤を築いてまいりたいとされましたが、環境基本計画の見直しとともに検討するとのことでした。

 一方環境省の資料によりますと、2月28日現在で「2050年ゼロカーボンシティ宣言」を何らかの形で表明した自治体が598自治体、日本の総人口に占める割合は90.7%に達しています。阪神7市1町の中では5自治体が宣言をしています。

 環境基本計画の見直しの中で、着実に計画として具体化することは否定するものではありませんが、計画の見直しにあたって「2050年にカーボンゼロをめざす」ことを宣言することで、市民に対しても伊丹市の姿勢が伝わり、市民ぐるみでカーボンゼロをめざす機運も生まれてきます。

 改めて「気候非常事態宣言」「2050年ゼロカーボンシティ宣言」をすることを求めるものですが、見解をお聞きします。

4.教育行政について

1)改正民法施行により成年年齢が18歳に引き下げにかかわって

 今年4月から改正民法施行により成年年齢が18歳に引き下げられます。既に18歳投票権が付与されていることも踏まえ、改めて中学・高校における主権者としての教育や自己決定権の拡大に伴う法的・社会的教育が求められてきました。18歳になったら親などの同意を得なくてもクレジットカードやローンなどの契約をすることが可能になります。しかし、人間は18歳の誕生日を迎えたら突然何もかもが成熟して「子ども」から「大人」になるわけではなく、年齢で画一的に扱う法律のほうが、人間の実態に即さない不合理な存在ともいえます。

 年齢引き下げは自己決定権を拡大する積極的な意義がありますが、成人年齢の引き下げにともなって若者の消費者被害の拡大や、罪を犯した少年の立ち直りへの影響などを懸念する声もあり、これまでより早く“大人”になることについて、親世代も含めたすべての世代で意識を高めていくことが課題となるとともに、教育の果たす役割は大きいと言えます。

 そこで、伊丹市の特に高校の教育では、今までどのような金融教育や消費者教育などを行ってこられたのか、その成果をどう認識されているのかお聞きします。

2)次に主権者教育はどのように進んでいるのかについてです。

 18歳選挙権を実現する改正公職選挙法は、2015年6月19日に公布され、2016年6月19日に施行、同年6月22日から適用されました。以降、様々な選挙が行われてきましたが、その投票率を調べたところ、前回2019年県会選挙では、全体の投票率が40.14%に対して、10歳代が28.01%、20歳代が21.84%、同市議会議員選挙では、全体が40.39%に対して、10歳代が24.74%、20歳代が19.82%、同年参議院選挙では、全体が48.12%、10歳代が31.13%、20歳代が31.74%となっています。
 なぜ投票率が低いままなのか、なぜ政治に関心がわかないのか。もちろん教育だけではなく、様々な要因はあると思いますが、教育委員会としてこの投票率の結果を見て、この6年から7年間、18歳選挙権が施行される公職選挙法改正以降の主権者教育をどのように評価されているのでしょうか、お聞きします。

 いくら投票の方法を学んでも、政治に関心が湧かなければ投票行動には結び付かないのは言うまでもありません。

 このような中で、若者たちはどのような社会意識を持っているのでしょうか。日本財団「18歳意識調査」の2019年11月「第20回社会や国に対する社会意識調査」は、インド、インドネシア、韓国、ベトナム、中国、イギリス、アメリカ、ドイツと日本の17~19歳各1,000人を対象に国や社会に対する意識を聞いたものです。この結果、「自分を大人」、「責任ある社会の一員」と考える日本の若者は約30~40%と他国の3分の1から半数近くにとどまり、「将来の夢を持っている」、「国に解決したい社会課題がある」との回答も他国に比べ30%近く低い数字となっています。さらに「自分で国や社会を変えられると思う」人は5人に1人、残る8カ国で最も低い韓国の半数以下にとどまり、国の将来像に関しても「良くなる」という答えはトップの中国(96.2%)の10分の1。全体に途上国、欧米先進国のいずれと比べても数字の低さが際立つ調査結果となっています。

 なぜ日本の若者の政治・社会意識が他国と比べて低いのでしょうか。日本の政治・社会状況とも関係していると思われますが、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育の課題とは何か。今の教育にかけているものは何かについて、次の点を踏まえてお聞きしたいと思います。

 教育長の「伊丹市教育基本方針」では、確かな学力の育成について「これまでの取組により、全国学力・学習状況調査での…一定の成果は上がっているものの、思考力や表現力、学びに向かう力、多様な教育的ニーズのある児童生徒への対応に課題があります」とされました。このようなことから、これまでも実践されてきた学びとして「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に推進するとのことです。これらは全国学力・学習状況調査、いわゆる「全国学力テスト」の結果を重視することから出発していますが、PISA学力論を経由しての「資質・能力」論とそれと結びついた「コンピテンシー」論は、経済協力開発機構が行う国際学力調査の枠組みの基本であり、人間形成の視点から、学力と人格を、政治と経済の戦略に沿って管理・方向付けるものではないか、「コンピテンシー」に関しても、将来の労働力=人材に求められる能力を設定し、その達成のスキルを課するという性格となっているのではないかと思います。もちろん、社会に出て働く上での能力形成は必要なことですが、先ほど述べたPISA学力論が中心になることによって、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育、地球環境問題や社会の格差・貧困問題、コロナ禍のもとでの生存権保障、ジェンダー平等、世界の紛争や戦争阻止などの課題にどう対処するのかの集団による知恵の探求が後景に押しやられることになっているのではないか、このことの積み重ねが若年層の投票率低下につながっている一つの要因ではないかと考えます。

 見解をお聞きします。

3)保育環境評価スケールについて

 保育の実践的指導力の向上に関して教育長は、「保育環境の指標を示す『環境評価スケール』を完成させ、全ての幼児教育・保育施設において環境を通した幼児教育のあり方を共有してまいります」と述べられました。保育環境評価スケール研究会のホームページでは、「保育環境評価スケールとは、どんな集団保育の場(幼稚園、保育所、子ども園)であっても共通する、こどもの基本的なニーズに注目し、それらがどの程度満たされているかを測定する『尺度=物差し』」であり、保育の質の向上のための一つのツールであるとの説明がされています。「かわにしひよし保育園」の実例が掲載されていますが、ここでは3歳以上の評価スケールは35項目で、12人の評価者が評価シートを使って1項目ずつ、二人の保育士と22人の3歳児を観察・評価するやり方です。そこでお聞きします。

○ 伊丹市は評価シートをこれから作成・完成させるとされていますが、40項目前後の評価項目で評価し、そのことを通して幼児教育のあり方を共有することは大変な労力が必要になります。評価を受けた保育士が次には評価する側になり、次々と評価をする施設を増やすということになろうかと思いますが、今の保育士体制でそのような余裕があるのでしょうか。

○ 全ての幼児教育・保育施設が対象とされていますが、保育所の場合、そもそも保育士配置と面積等の保育基準は満たしているものの、約70年前の基準であり、4,5歳児30人に1名の保育士配置という条件下での評価で、一人ひとりの子どもにどれだけ寄り添えるのかという前提が成り立ちにくいのではないか。この環境評価を行う中でこそ、保育士配置基準の見直しの必要性が明らかになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○ 障がい児への特別支援教育、統合保育の視点はどのようにされるのでしょうか。特別支援教育というのは決して特別な子どものための教育ではなく、どの子どもにも必ず発達の凸凹があります。学習や社会生活に支障が出る子ども、大きな凸凹がある子どもに関しては発達障害という診断名が付くかと思いますが、小学校に上がって初めて診断名が付いたけど、実は幼児期から困っているということもあります。どのようにされるのでしょうか。

 以上、3点についてお聞きします。 

5.病院統合再編、地域医療体制の整備について

 市長は、近畿中央病院の跡地への医療機関誘致に関して、「兵庫県地域医療構想では、回復期病床の確保も重要な課題と位置付けられていることから、回復期機能を有する民間医療機関が誘致できるよう、昨年8月、公立学校共済組合と近畿中央病院跡地の活用に関する覚書を締結し」たことに触れられました。今後、共済組合や兵庫県、医師会等関係機関との協議を急ぎ、近畿中央病院閉院後、医療空白をできる限りなくす方向での誘致にご尽力いただくことを改めて求めておきます。

 兵庫県地域医療構想に関してですが、新型コロナウイルス感染症パンデミックを通じて見直すべきではないかと思います。新たな感染症がコロナウイルスで終わるとは限りません。感染患者を受け入れたのは高度急性期、急性期病床を持つ病院です。その病院では感染病床を確保するためにあらかじめ空床として確保するとともに、そのために感染患者以外の入院を制限せざるをえませんでした。そのため医療がひっ迫する事態を招きました。

 一方、地域医療構想では、急性期病床を減らし、高度急性期と回復期病床を増やすものとなっています。阪神北準圏域においては、2014年の高度急性期と急性期病床の合計が3,486床、2025年のその必要病床数は合計2,387床で、1,099床も減少させる計画です。ところが2040年の必要病床数は合計2,550床で、逆に2025年対比で163床増やすものとなっています。短期間に急激に減少させた上に次には増床を図ることなど、莫大な経費が必要な病院の病床数をコントロールすることは困難です。コロナ感染パンデミックを経験していることから、これ以上高度急性期、急性期病床を減らさず、それに見合った医師・看護師などの病院職員を増員する方向に転換すべきと考えます。その上に立って、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、回復期だけにこだわらない医療機関を誘致する方向で、関係機関と協議を進めていただきたいと思います。見解をお聞きします。

6.条例の制定に対して

1)議案第24号 伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 本条例は、昨年9月議会での条例制定において博物館の管理を教育委員会から市長に権限を委譲したことに続き、今回、文化財の保護に関する権限も教育委員会から市長に委譲しようとするものです。同時に、伊丹市にぎわい創出基金条例を改正し、その条例に「文化財の保護及び活用」を加えようとするものです。その基金条例の目的は、「文化の振興,良好な景観づくり、地域経済の活性化等による、まちのにぎわいの創出を図る」こととされています。

 博物館の権限移譲に関しては、博物館を含むミュージアム全体が社会教育施設の位置づけがなされ、社会教育の適切な実施を担保することができるとの答弁をもって賛成をしました。

 一方、文化財保護に関しては、第3次教育振興基本計画の中でも「関係団体と連携・協力し、郷土の歴史や民俗に関する資料の収集・保存に取り組み、調査研究を推進します」とされ、このことから博物館の権限を市長に委譲する際、教育委員会の職務権限のうち「文化財の保護に関すること」は教育委員会の管理として残したものでした。今回、にぎわい創出基金条例の改正とも相まって、文化財の保護における資料の収集・保存、調査研究部門が観光・にぎわいの後景に退いてしまうのではないかと危惧するところです。教育委員会の見解をお聞きします。

2)議案第28号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 本条例は、昨年の人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に基づき、第1条において一般職員の6月12月期の一時金を、年間4.45月を4.3月に、0.15月減額するとともに、再任用職員も年間2.35月を2.25月に、0.1月減額しようとするものです。これは昨年の人事院勧告そのままの数字となっています。

 職員のみなさんは新型コロナウイルス感染症対策で奮闘されている最中にあり、その奮闘にふさわしい賃上げを求めているのではないでしょうか。原油価格の高騰によるガソリン等の物価の値上がりも生活に大きな影響を与えています。この時期に職員の給与を減額することに疑問を感じざるをえません。

 なぜこの時期に給与減額なのか、また具体的に一般職員と再任用職員において平均して年間いくらの賃下げとなるのか、さらに一般会計全体での減額はいくらになるのかお聞きします。

(2回目の質問)

4.教育行政について
2)主権者教育はどのように進んでいるのかについてです。

○ 伊丹市教育委員会が子どもたちに身につけようとしている学力と、伊丹市などの身近な社会及び国内外の社会問題に目を向け、主権者として社会に働きかけ、民主主義の担い手となる教育について、選挙における若者の投票率の低さに注目して、教育のあり方について質問をしました。

 先ほど紹介した調査や統計で、伊丹市をはじめ日本の若者の投票率が低いことも、政治・社会意識が低いことも統計上事実である以上、教育に限らず、どこかに原因があると思います。

 では教育には問題がないのでしょうか。答弁では、様々取り組みが述べられましたが、その教育が先ほど述べた地球環境問題や社会の格差・貧困問題などの課題に対する社会・政治的意識と結びついていないのではないか。学校教育の場でも、他の場所でも日常的に話し合う文化が育っていないことがあり、それがまた、社会・政治意識を間近にとらえて、深めさせえない悪循環があるように思います。

 もちろん全面的に否定的な面だけではなく、かつての安保法制の時には多くの若者が国会前に集まったり、今では気候変動危機に対して立ち上がったり、女性への性暴力に対する「#Me Too運動」など少なくない若者が行動に参加されているのも事実です。直接国会前での集会に参加するなどの行動に結びつくかどうかは別として、何かのきっかけによって社会的・政治的に目覚める場面がある一方で、それが日常化できていないのは、やはり今の教育に足らないものがあると思いますが、教育長の見解をお聞きします。

6.条例の制定に対して
1)議案第24号 伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 今まで教育委員会が所管していた文化財保護に関する事業について、文化財保護法を引用して、その事業内容を答弁されました。なかでも専門職員による地域や学校で向いた学びあいの場の提供は、調査・研究・保存という社会教育活動として大変重要な事業です。

 問題は、文化財保護に関する権限が市長に委譲されるにあたって、今までの文化保護行政の位置づけが担保され、発展させられるのかどうかです。文化財保護における権限は、とりわけ収集・保管・展示・教育・調査・研究という基本的な機能は市長の権限とは分離され、市長の権限に束縛されない、自由で自律的な学芸活動として展開されてきました。保管や展示は博物館とともに行われてきましたが、これらは明確な教育活動であり、教育委員会の権限とされてきた由縁です。このことが市長の権限に委譲することで担保できるのでしょうか。

 また、このことと関連して、一昨年5月に施行された「文化観光推進法」による博物館事業への「文化観光」概念の導入で、博物館、文化財保護に関する事業が観光を目的とするものにシフトされる危険性がありますが、どうでしょうか。

 さらに、文化保護行政には、調査・研究等に携わることのできる正規職員としての学芸員等の十分な専門家及び事務担当者が必要であり、そのための財政措置は行われるのでしょうか。

 以上に対して、市長若しくは市長部局担当部長に対してお聞きします。

 

2021年12月議会:久村真知子 一般質問 生理用品、補聴器購入補助、痴漢対策

2021年12月議会 一般質問

2021年12月8日
日本共産党議員団 久村真知子

1.学校のトイレに生理用品を設置することについて

 生理用品のトイレへの設置に関しては、前回伊丹市の見解をお伺いしております。答弁では「管理の面において課題があるため、今後の対応について検討する」との事でした。その後どうなったのか、できるだけ早く設置していただきたいと思いますので続いて質問させていただきます。

 「生理の貧困」が言われ始めてから、海外ではイングランドやフランスなどで生理用品の無料配布が行われ、スコットランドでは、2020年11月に生理用品無償化を義務図ける法案が制定されたりしていることには驚きます。

 国内でも群馬県ではすべての県立学校や県の施設に生理用ナプキンを提供する方針を決めています。 東京都等様々な自治体で設置がされ始めてきています。

 女性が安心して活動するためには、生理の問題は避けて通れない問題だと思います。

 最近まではこのような問題についてオープンに話は出来ませんでした。長い間生理は汚れたものという扱いでしたから、小学校での生理用ナプキンの使用方法の説明では、女生徒だけが集められ説明を受けましたから、特に男性には知られないように気を遣うのが当たり前という風潮でした。生理時の大変つらい状況に対しても長年声を上げにくかったのですが、やっと生理の貧困という形ですが声が出始めてきました。

 今日議会でこのような話ができるという時代になってきたことを、私は大変うれしく思います。

 女性の体の健康問題でありますから男女ともに真剣に考えてなければならないと思います。少しの思いやりがあれば生理の時も女性が安心できる状況を作ることができると私は思います。ですから伊丹市はやっと出てきた声を真剣に耳を傾け受け止めていただきたいと思います。女性が安心して様々に活動するためには今までの状況でいいのか、何をどう変えなければならないのかは、避けて通れない問題だと思います。

伊丹市内の学校で児童生徒が生理時に生理用品がなくて困ったことがないのか

 質問の1点目は、伊丹市内の学校で児童生徒が生理時に生理用品がなくて困ったことがないのかという事。

 その状況をどう把握されているのかについてですが、きちんと把握することが必要だと思います。NHKの報道ですが、ある学校でのアンケートでは、生理用品が学校でなくて困ったことがあったのは、17%です。その理由は、持参するのを忘れたが95%。家庭で準備できなかったが5%という結果がありました。生理は予期せぬ時になるのですから、わからない間に下着やスカートが汚れてしまう等、女性ならその時の大変さ、困ったときの経験はだれにでもあるのではないかと思います。生理の時にどんなことに困ったのか等、この学校のようにある程度の人数の意見を聞いてみること等もしていただければ、生徒児童の困った状況がすぐにわかるのではないでしょうか。

 前回の答弁では、「学級担任や学年の教職員が中心となり子どもたちを注意深く観察し、子どもたちの心のSOSを見逃さない、小さな変化を見逃さない体制つくり、子どもたちが相談しやすい環境つくりが必要である」等いわれていますが、その体制で、生理で困っていた全員の子どもの問題点をきちんと把握し、解決できているのでしょうか把握内容に付いてお伺いいたします。

 第2に、各地でトイレへの設置が広がりつつありますが伊丹ではまだ検討中との前回の答弁からあまり進んでないと思いますが、最近は群馬県などのように、自治体や学校の判断で取り組みが進んできています。このような状況に対して、どのような見解をお持ちなのでしょうか。お伺いいたします。

 第3に、また伊丹市でも、学校のトイレに生理用品の設置を求めていますが、児童生徒の意見はどうなのかです。

 「どこにおいてほしいか」の問いに150人からアンケートを取っている学校がありますが、その答えは
  トイレにおいてほしいが、87%。
  保健室1%
  どちらでもよいが9%。

 ほとんどの児童生徒がトイレへの設置を希望しているわけです。

 どこにおいてほしいのか等の把握もなどは、すぐに聞くこともできるでしょう。前回の答弁では、「対応については、検討する」と答えられています」。突然の生理に困って一人で悩むことなく、トイレにおいてあげれば、すぐに解決できるわけです。子供の健康を守り尊厳を守るなら、子どもたちの声にきちんと対応することが学校の役割と思いますが、前回の答弁後、伊丹市での取り組みに関して検討された内容についてはどうであったのか、その後の検討内容について、お伺いいたします。

2.補聴器購入費用の補助について

 補聴器購入に関しては、2019年決算議会で上原議員が知るもんしていますが、少し時間もたち又多くの自治体で補助制度などもできていますので伊丹市でもぜひ実現していただけたらと思い質問させていただきます。

 最近知り合いの方がとても話が聞こえなくなった、「家でも奥さんとの会話もできないくらい」と言われていました。「補聴器を買えば」。と言いましたら「高いので買えない」と返事が返ってきました。その方は地域の活動などでも周りの方のお世話なども行い、大変信頼がある方です。その様な方が周りとの会話ができない状況だという事が私には大変ショックでした。何とかしてあげたいと思いますが、このような方に補助制度があれば助かるのにと思います。高齢化社会ですので同じように困っておられる方も多いのではないかとおもいますので、ぜひ実現していただきたいと思います。

 初めに難聴と認知症の関係についてお伺いいたします。高齢化が進み様々に体も衰えてきますが、伊丹市では健康を保つために様々な検診をはじめ、運動をしたり、食事に気を付けたり、引きこもりにならないように、地域でサロンを開く等、様々な施策がとられています。その結果多くの方が健康を保つための自覚も高まってきていると思います。しかし中々自分で気が付かず治りにくいというのが、高齢になっての難聴です。難聴になれば人との会話がうまくいかず、日常生活が苦痛になり外出は少なくなり、社会からの孤立する状況となってしまいます。その様な状況で難聴が認知症の最大の危険因子となっているといわれています。

 WHO基準での26デシベル以上を難聴とした場合、65歳から69歳で3割から4割、70代で4割から7割、80代以上では8割になるといわれています。WHOは補聴器の装着を推奨する中程度の難聴者は、41デシベルから69デシベル、としています。しかし高齢者は一人暮らしの方も多いためテレビの音が大変大きくしている方や話しかけているのに返事がない等

 自分の聞こえに関して気付きにくいという状況があります。このような状況では、社会的な孤立の人も多くなるのではないでしょうか。その解消のためには補聴器の利用が有効だといわれています。高齢者の難聴と認知症の関係また補聴器の有効性については、どのように認識されているのかお聞きいたします。

 補聴器の購入への助成制度に付いてですが、東京江東区では、「より良いコミュニケーションと積極的な社旗参加」を目的に1990年から補聴器支給制度が行われています。65歳以上の難聴者に4万5千円相当の補聴器を支給します。区が指定する耳鼻咽喉科で聴力検査をして必要と認められれば医師が支給し、検査料は無料とされています。また長野県南木曽町(なぎそ)でも補聴器の助成制度が購入費用の2分の1で上限3万円です。専門家の意見者があれば販売店で購入できる制度となっています。愛知県設楽町(設楽町)では助成額は購入費の3分の2の範囲で、助成額上限5万円。65歳以上が対象となっています。所得制限はなし、片耳一個ですが、特に医者が必要と認める場合は両耳で上限10万円となっています。これらの助成は多くの自治体に広がっているようです。認知症予防のために行われているわけです。補聴器の利用でコミュニケーションをとることが大事なことだと思いますが、認知症と聞こえの関係をどの様に認識されているのでしょうか。お伺いいたします。

 補聴器は様々なものがありますが、値段が高いものが多く補聴器の購入ができないといわれている方も結構おられます。各自治体で進んでいるように伊丹市も補聴器購入の助成制度を制定し高齢者の皆さんが安心して生活できる伊丹市にすることが必要と思いますが、いかがお考えでしょか。お伺いいたします。

3.痴漢予防の対策について

 痴漢に合ったことがないという方の方が少ないのではないかと思うくらいに日本は、痴漢が多いといわれています。

 海外でも痴漢という言葉は知られており大変恥ずかしい事だと思います。痴漢被害に対して被害者の言葉は、あまり表に出ず。そのためか最近まで正面からの解決のための話は出来ていませんでした。しかし痴漢は性差別に基づく暴力であり、人権問題です。このような被害に合えばだれでも傷つき、大きな打撃を受けるものです。自分の人格が否定されたと感じ、自分自身が自分を責めてしまいますし、体調も崩してしまいます。男性が怖くなってしまい外を歩き人とすれ違うのが怖くなってしまったりします。様々に心の病が起こってしまいます。

 電車の中で周りの人が気づいても助けてくれなかった等の例も多くあります。

 最近はスマホなどでの盗撮などの被害もあります。抵抗できない子どもたちがターゲットになっている事件も多くあります。痴漢などの被害にあっても、誰にも言えなかった。また怖くて何もできなかったという方々が多いのが現状です。

 警察庁の調べでは、被害にあった人の89%の人が「通報相談できない」という風に答えています。また被害を目撃したことのある人のうち45%が「何も行動しなかった」と答えています。また周りの人に話しても「あなたの服装が派手だったんじゃないか、」等セカンドレイプと言わるような状況にもなってしまう場合も多いのです。

 このように被害者に落ち度があったという風になると、被害をなくすことは出来ないのではないでしょうか。痴漢は許さないという市民の思いが必要だと思います。やっと最近は様々な人が痴漢被害等をなくしていこうと女性中心の様々な運動が起きています。被害が起こってしまってからは取り返しがつきません。そのための施策が必要だと思います。お聞きいたします。

① 伊丹市での痴漢被害の状況などはどうなのでしょう。電車などでは、小学生中学生なども痴漢の被害にあっています。学校の行き帰り等子どもたちに対しての防止対策は家庭、地域も含めどの様に行われているでしょうか。

② 痴漢防止対策の啓発についてですが

 痴漢被害は様々なところで起こります。・電車の中が多いといわれていますが、駅構内、バスの中、プール、映画館、公共施設、路上等であります。伊丹市内もこのような場所がありますが、どんな時でも女性や子供が安心して出歩けることは当然の事なのですから、そのことがきちんと保障される対策は必要な事だと思います。そのためには被害者の意見を何らかの形で聞くことも必要でしょうし、心のケアーが必要な人には気軽に受けられることも必要だと思います。安全を守るための対策についての様々な啓発なども必要と思いますが、どのようにお考えでしょうか。お伺いします。

(2回目の発言)

生理用品の配置

 答弁をいただきましたが、なんだか前回の質問から全然変化していない内容に感じますが、子どもたちが抱える課題の内容を把握することは必要であると考えておられるという事ですが、私は児童生徒が生理時に困ったことを経験していないか、その状況についての把握の内容を聞いているのですが、全く進んでいないという風にとれる答弁です。

 子どもたちは先ほど例を挙げましたように、生理が始まるのは、いつ始まるのかわからないのですから、その時に生理用品を持っていなければ困るわけですよ。トイレに行きそのことがわかってから、保健室にもらいに行くかもしれませんが、中には行きにくい子もいるでしょうし、保健室に男子や他の方がいれば、言えない子もいるかもしれません。

 その様な例を把握できないのでしょうか。

 それこそ小さなSOSではないですか。小さなSOSを見逃さないような体制つくりに努めおられるのにこのような内容を把握することができないのでしょうか。

 もしそのようなことで困っている子供がいれば本当に気の毒です。学校での対応の冷たさを感じるのではないでしょうか。学校へ行くのが不安にもあるのではないでしょうか。今の時代は、トイレに行けばトイレットペパーがあって当然となっています。衛生面で大変安心できます。ある学校の校長先生は、自分がトイレいきトイレットペパーがなければ大変困る。このことと同じことなのかと感じられ学校に生理用品をおくことにしたと、報道がありました。全くその通りだと思います。

 誰もが同じ様に困ると思います。生理用品を持っていなかった場合はそのことと同じ状況になりますし、トイレに行った時だけの事ではなく、経血は何日も続いて流れ出ているのです。それが健康な女性の体なのですから、どうしても生理用品が必要なのです。

 生理の間は、当然体調の変化も起こります。私の中学校でも腹痛生理痛で授業も受けるのが大変なくらい痛さに我慢できないという症状の人もいました。

 頭痛がする、気分が落ち込む等それぞれ症状は色々ですが、このような症状は生理がなくなるまで40年間も繰り返し起こるのです。社会に出れば仕事ができないくらい体調が崩れる人もいますから、体のためには生理休暇を取り休んだ方がいいと思います。

 このような体調でも学校に休まず来て勉強する生徒に対して、もし生理用品が持ってきていなかったときに下着やスカートなどにもしみ込んだしまったりもするのですから、もしそうなれば大変恥ずかしい思いをすることになってしまいます。すぐに生理用品が必要なのです。その時にわざわざ保健室に行き、事情を話すのも結構勇気がいると思います。また休み時間で間に合わないかもしれませんし、授業中なら、トイレに行けば生理用品があればなんとかなると思います。大変細かく話をしましたが、女性の体をきちんといたわることは、将来安心して子どもを産むことに大きくつながることだと思います。対処の仕方を間違えれば健康被害になるかもしれません。

 生理の貧困問題が明るみに出てきましたが、政府の目指している男女共同参画社会、伊丹市もその方向の実現のため努力しているわけですが、そのためにも生理の問題はきちんと向き合ってほしいと思います。男性にはわからない問題でしょうが、女性が安心して活動できる条件を整えることが様々な面で必要です。その大一歩になる問題ではないでしょうか。

 海外ではすべての人に無料で生理用品が行き渡るように配慮している国もあるわけです。生理の貧困を言うなら女性だけが経済的負担ともなるわけですから、そのような配慮はあってしかるべきだと思います。

 伊丹市も災害用備蓄の生理用品を必要な方に配布しましたが、一過性で終わっていいのでしょうか。女性の生理は一度で葉終わらないのですが。三田市は二度目の生理用品配布を行っていると新聞記事にありました。担当者は「生理用品は絶対に必要な物遠慮なく取りに来て」と言われています。大変温かい対応だと思います。

 学校のトイレに設置することに関しては、子どもたちの意見を聞くことがいいと思います。自分たちの事ですから、子どもの意見表明の権利をしっかりと保障すべきと思いますので、是非早急に取り組んでいただきたいと思います。

2.補聴器の問題も認知症との関係などあるという事なのですから、高齢化社会となってきていますから、ぜひ多くの自治体が行っていることからも、皆さんが楽しく元気に老後の人生を送れるように、補聴器の補助制度ぜひ行っていただきたいと思いますので要望いたします。

3.痴漢問題ですが、被害者の人権を守るためにも絶対あってはならないことです。

 市民全体が痴漢は許さないという認識を持っていただけるようにすることが、痴漢をなくしていくことに大きくつながると思います。
 女性の警察官の方にお話を伺いました、加害者は初めは小さな犯罪を行っていてもそのうち強制わいせつなどの性犯罪を起こすことにもつながる可能性があるので、どんな小さな被害でも知らせてほしい、また周りの方も協力していただきたいといわれていました。伊丹市の強制わいせつがこんなにあるのにも驚きましたが、やはり実際はもっと多いと考えられるという事ですし、バスで移動する中での被害など学生もあっているかもしれません。様々な方法で「痴漢は許さない。という啓発を都市交通都市安全企画課が中心となり進めていっていただけると思いますので、市民からの様々な意見が届くよう工夫もして安全な伊丹市にしていただけるようお願いしたいと思います。

 警察に行きました時に防犯ニュースをもらってきましたが、痴漢や強制わいせつ等に注意しましょうという内容です。

 その内容は、防犯対策として、できるだけ人通りのある明るい道を歩きましょう。時々後ろを振り返る等周囲を警戒しましょう。歩きスマホはやめましょう。エレベターには出来るだけ見知らぬ人と二人きりで乗り合わさないよう注意しましょう。等10項目の対策がありました。
 防犯対策として理解できますが、これでは神経を張り詰めて歩かなければならず女性は安心して出歩けなくなってしまいます。女性が社会にでて様々に活動することのためには、安心して歩けことの補償がいります。様々に課題が多いのに改めて考え込んでしまいそうです。

 そしてもしも被害にあってしまったら、すぐに110番をと呼びかけてあります。

 被害を目撃した人も、110番通報や被害者を保護するなどの協力をして欲しいといわれていました。

 110番することには結構躊躇しますが、伊丹市としても都市安全企画課がこのような窓口にもなっているなら安心して連絡される方もいると思いますので、市民と共に問題点など話し合う機会なども作っていただき女性が活動しやすい社会にするためにぜひ、痴漢の出ない安全な伊丹市になるよう啓発や様々な情報なども広く届けていただけるよう要望しておきます。

 

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

 11月8日、藤原市長に、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました。

2022年度予算編要望を提出 2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望(PDF)

市長に2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望

2021年11月8日
日本共産党伊丹市議会議員団
上原秀樹 久村真知子

はじめに
 菅政権がわずか1年余りで政権を投げ出し、安倍・管政権を引き継ぐとする岸田政権に変わりましたが、岸田首相は国会での議論も代表質問だけで十分な議論もせず、衆議院を解散し、総選挙が行われることになりました。日本共産党は、今度の総選挙で「野党共闘で政権交代を」と訴えて闘いましたが、自民・公明政権の継続となったことは残念なことです。引き続き命・暮らし最優先の政治実現に全力を尽くします。
 安倍・管政権を引き継いだ岸田政権の政策は、格差と貧困を広げたアベノミクス、社会保障の削減など従来型の政治を行うことは所信表明で明らかになったところです。この政治から市民の暮らしを守る砦としての伊丹市政が求められています。以下、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提案しますので、予算に反映していただきますようお願いします。

1.新型コロナ感染症対策――経済・社会活動を再開しながら、命を守る対策を

 9月以降、新規感染者の減少が顕著になっており、経済・社会活動の再開も重要な課題になっています。同時に、このまま終息に向かうとは誰も考えておらず、再び、感染爆発と医療崩壊を絶対に起こさないコロナ対策が求められています。

1)日本でも世界でも、ワクチン接種後の「ブレークスルー感染」が起きています。感染抑止のためには、ワクチン接種(追加接種を含めて)を安全にすすめるとともに、大規模な検査を行い、感染の火種を見つけ、消していくことが必要です。

① 国・県と共同で、「いつでも、誰でも、無料で」という大規模・頻回・無料のPCR検査を行うこと。
② 職場、学校、保育所、幼稚園、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で行えるように、国が思い切った補助を行うように要望すること。伊丹市としても検査キットを無料で配布し、行政検査につなぐことができるようにすること。

2)コロナ病床の拡充、臨時の医療施設の増設、往診・訪問看護の体制強化など、臨時の医療体制を整備することは、「第6波」への備えとして急務です。また、保健所の機能マヒも絶対に起こしてはなりません。

 ① 医療機関の減収補てんと財政支援、医療従事者の待遇改善を国に求めること。
 ② 市立伊丹病院での感染症対策は、コロナ感染症対策を教訓に万全の体制を整備すること。また、近畿中央病院の跡地には、急性期病床が200床減少することを考慮し、回復期病床にとどまらず、地域住民が望む医療機関が誘致できるよう公立学校共済組合や伊丹市医師会と協議を続けること。
 ③ 保健所の体制も、臨時採用や他部署からの派遣などの緊急増員を確保しつつ、増やした職員を定員化するなど、正規の職員増もすすめるよう国・県に求めること。

3)緊急事態宣言は4回になるのに、持続化給付金・家賃支援給付金も、国民への特別給付金も1回だけです。コロナ危機で、仕事や所得が減少し、生活が困窮している人も少なくありません。また、いわゆる中間層にもボーナスや賃金の減少が広がり、教育費負担や住宅ローンの重い負担もあり、”コロナによる生活悪化”が起きています。
  事業者は、さらに深刻で、売り上げの大幅減少や借入金の増大など、コロナ危機のもとで体力が落ち込み、”再建”が困難な事態も広がっています。
  コロナ危機で傷んだ暮らしと営業の深刻な実態を放置するなら、コロナ危機後の経済危機に陥ってしまいます。

 ① コロナ危機で収入が減った家計への支援として、1人10万円を基本に「暮らし応援給付金」を5兆~6兆円規模で支給し、国民の暮らしを支えること。いわゆる中間層(年収1000万円未満程度)を含め幅広く対象にし、生活が困窮している低所得者には手厚い支給をすることを国に求めること。
 ② 中小企業、個人事業主、フリーランスに持続化給付金・家賃支援給付金を再支給するとともに、コロナ危機が終焉(しゅうえん)するまで継続し、雇用調整助成金のコロナ特例も継続することを国に求めること。
 ③ 伊丹市としても、国に財源を求め、国の対策が不十分なところには、財政調整基金を取り崩してでも暮らしと営業に対する支援を行うこと。

2.憲法を生かし、人権を守り、市民が主人公、平和の実現に寄与する伊丹市政を

 岸田政権は安倍・管政権を引き継ぎ、憲法改定に執念を燃やしています。とりわけ、今度の総選挙で自民、公明、維新の改憲派が衆議院議員の3分の2を占めたことで、改憲を加速化させる危険性が強まるとともに、アメリカとの軍事一体化を強め、「敵基地攻撃能力」を有することを言明するなど日本を危険な戦争への道に導こうとしています。
 自衛隊基地を抱える伊丹市として、住民の命と財産を守るために、戦争への暴走を止め、憲法を生かした市政を進めることが求められています。
 また、ジェンダー平等社会の実現も重要な課題となっています。

① 安保関連法=戦争法の廃止、憲法9条をはじめ憲法を守り生かすことを国に求めること。
② 11月に予定されている日米共同指揮所演習(ヤマサクラ81)は、米陸軍と陸上自衛隊の共同演習で、対中国戦略で離島を奪取し中国軍の艦船や航空機などを攻撃・威嚇する作戦の演習として過去最大規模となるとされている。その指令の中心が市内伊丹駐屯地の中部方面総監部となり、事が起れば戦争の拠点とされる危険性があるもので、市民の生命と財産を守るためにも、危険な演習はやめるべきであり、国に対して中止を求めること。
③ 核兵器禁止条約が2021年1月22日に発効し、現在、批准国が56カ国となり、来年開催される締結国会議にNATO加盟国のノルウェーがオブザーバー参加することなど、世界的に核兵器禁止条約への期待が高まっている。唯一の戦争被爆国である日本として、締結国会議にオブザーバー参加するとともに、早急に署名と批准をすることを国に求めること。
④ 一昨年4月1日の米軍機オスプレイの緊急着陸では、飛行目的、ルート、不具合の原因、落下物など近隣住民への被害などの事実関係が明らかにされなかった。改めて危険なオスプレイの飛行中止を米軍と国に強く申し入れること。対米従属的な日米地位協定の見直しを求めること。
⑤ 自衛隊への電子データによる個人情報の提供はやめること。必要と考えるならば、個人情報保護条例に基づき、専門的知見を踏まえた意見を明らかにすること。
⑥ ジェンダー平等社会を実現する観点から、すべての人が社会、経済活動に生き生きと参加できる当然の権利を保障するため、行政のあらゆる部面でジェンダー平等の視点を貫くこと。国に対して選択的夫婦別姓制度の実現を求めること。
⑦ パートナーシップ宣誓制度に基づき、相談窓口の充実、啓発パンフの普及など性的マイノリティの人権を守る施策を強化すること。
⑧ 「差別を許さない都市宣言」の廃止等すべての同和行政・教育を終了すること。「同和問題」に関する市民意識調査はやめること。

3.福祉・医療の充実で、市民の暮らしを守る伊丹市に

 岸田首相は、「新しい資本主義」とか「成長と分配の好循環」などと言っていますが、その中身は、アベノミクスそのものです。
 アベノミクスで起きたのは、貧富の格差の劇的な拡大です。安倍・菅政権のもとで、大企業は利益を増やし、内部留保は133兆円も増加し467兆円(2020年度末)もの巨額になりました。それにもかかわらず法人税は減税(28%から23.2%)されました。大富豪の資産は、6兆円から24兆円へと4倍にも膨れ上がりました。
 その一方で、2度の消費税増税が家計に重くのしかかり、働く人の平均実質賃金は22万円も減りました。
 国に対して、アベノミクスを教訓に家計応援の政治に切り替えて経済のボトムアップ=底上げをはかることを求めるとともに、伊丹市としてもケア労働を待遇改善し、社会保障の拡充を行うこと等、福祉・医療の充実で暮らしを守る対策が求められています。

① 国が基準を定めている、介護・福祉・保育職員の賃金を引き上げ、配置基準の見直し雇用の正規化、長時間労働の是正など、ケア労働の待遇を改善することを国に求めること。
② 国民健康保険税引き下げのため、国にさらに1兆円の公的負担を求め、均等割り・平等割の廃止で協会けんぽ並みの保険税にすることを国に求めること。来年度から就学前の子どもの均等割りが半額にされるが、市独自に少子化対策として財政支援を行い、さらなる子どもの均等割りの軽減を行うこと。
③ 国の介護保険制度の改善で、介護保険料・利用料の減免、保険給付を拡充するとともに、特養ホームなど介護施設の増設により、必要な介護が受けられるようにすること。
④ こどもの医療費は所得制限なしで義務教育終了まで無料にすること。
⑤ 国に対して、生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度にするとともに、生活保護費削減を復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げることを求めること。生活保護へのスティグマを解消するため、伊丹市として「生活保護は権利です」というアピールを積極的に行うこと。
⑥ 待機児童と詰め込み保育の解消のため、さらに認可保育所を増設すること。年度途中の待機児童を解消する方法を別途考えること。2号認定こどもの副食費実費徴収をやめるように国に求めること。

4.すべての子どもの成長発達を支える豊かな教育環境の確立を

 教育は子ども一人ひとりの幸せ、成長と発展のためにあります。それだけに社会にとって大切な営みです。教育は子どもの権利であり、家庭の経済力に関わらず、すべての子どもに豊かな教育環境を確立することが求められます。また、コロナ禍における学校と家庭における生活の変化や端末の使用等でストレスが溜まっている可能性があり、十分な配慮が求められています。さらに、コロナ感染対策も引き続き重要な課題です。
① コロナ禍で少人数学級の必要性が明らかとなり、35人学級が毎年1学年ずつ実施されています。しかし小学校6年生の実施には数年かかることから一気に35人学級を実施するとともに、中学校においても同様の少人数学級を実施することを国に求め、その間、県が小学校4年生まで実施している35人学級を直ちに6年生まで拡大し、中学校まで広げるよう求めること。
② 競争教育を激化させる「全国学力テスト」への参加をやめるとともに、市独自の「学力テスト」も中止すること。
③ コロナ禍による困難な子どもへの対策としても、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーのさらなる増員で児童・生徒と家庭を支援するとともに、介助員の増員で障がい児の教育を受ける権利を保障すること。
④ 教育のあらゆる部門で子どもの権利を守ることを宣言し、実行ある施策を推進するとともに子どもの権利擁護のためにも子どもの権利条例を制定すること。子どもの権利条約の内容が子どもにも理解できるパンフレット等を作成し、子ども同士で「子どもの権利」が議論できる環境をつくること。
⑤ 幼児教育の推進に関しては2018年1月の文教福祉常任委員会における付帯決議を順守すること。公立幼稚園、認定こども園における3歳児全員入園を実現するとともに、4、5歳児において単学級にならざるを得ない状況を打開すること。
⑥ 大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等学校、高等教育の無償化をめざすとともに、入学金制度をなくすよう国に求めること。
⑦ 学校給食の無償化を目指し、まずは中学校給食に対する助成を行うこと。就学援助制度のさらなる充実を図ること。

5.中小企業・零細業者への支援を強め、人間らしく暮らせる地域社会と住みよい住環境を

 中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在です。また、働く人の3人に2人が働いている雇用の担い手でもあります。これら中小企業、業者、商店、農業者に支援を強化することは住みよいまちづくりに欠かせません。特に、コロナ禍で経営基盤が脆弱となっている中小企業・業者に対する支援が必要です。

① コロナ禍で脆弱となっている経営基盤の状況を調査し、必要な支援策を講じること。国に対して、持続化給付金、家賃支援給付金の再度支給とともに、協力金、支援金などの拡充と迅速化を行うことを求めること。事業者の立場にたった、ていねいな対応と相談体制を確立すること。
② コロナ対応の緊急借入で積みあがった中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題になっており、コロナ対応借入分の軽減・免除する仕組みをつくること。
③ 文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場と担い手」への支援を行うとともに、国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化することを国に求めること。アイホールは演劇ホールとして存続すること。
④ 「中小企業振興条例」「農業振興条例」の制定で、地域循環型経済の仕組みをつくること。
⑤ 大型小売店の相次ぐ出店で地域の商店が廃業に追い込まれている。中心市街地だけではなく、空き店舗対策、家賃補助等によって市内周辺の商店も守る手立てをとること。
⑥ 個人事業主における国保税や市民税、固定資産税などの滞納処分については、事業の存続や生活の状況を鑑み、積極的に納税緩和措置を活用すること。また、場合によっては、税の執行停止を行うこと。固定資産税・都市計画税の減免申請における手数料への費用支援を行うこと。
⑦ 市営住宅は戸数を減らすのではなく、必要な個数を維持し、旧耐震住宅は順次建て替えを行い、バリアフリー化された住みよい住環境を提供すること。住民からの修繕要求には積極的に対応すること。
⑧ 大企業への優遇税制の廃止・縮小や所得税・住民税の最高税率を引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税を5%に減税するよう国に求めること。政府が導入を予定しているインボイス制度は、零細業者やフリーランスに納税義務を広げ、負担と格差をさらに拡大するものであり、ただちに中止することを国に求めること。

6.自然災害から市民の命を守るとともに、環境を守り、安心・安全の伊丹市を

 地球温暖化の影響で台風、豪雨など自然災害が相次ぐとともに、南海・東南海地震もいつ起こるかわからない状況にあり、災害や事故から市民の命と暮らしを守る政治が求められています。特に気候危機を打開するための積極的な対策が必要となっています。

① 気候変動危機に対応するために、国に対して原発ゼロ、石炭火力発電所ゼロ、2030年までに10年比で50~60%削減、2050年にはカーボンゼロの計画を策定することを求めるとともに、伊丹市としてもこの目標に見合う野心的な目標を決めること。
② 災害の発生に備え、市民の防災意識啓発に努めること。感染が広がる中での避難対策に関しては一定の見直しがされたが、避難所におけるきめ細かな対応(発熱、障がい者、高齢者等)や地域における要支援者の避難誘導等を含めた地域ごとの「防災まちづくり計画」を推進するための支援を行うこと。体育館に空調施設整備など避難所の改善を図ること。
③ 航空機に係る環境基準達成には程遠い状況にあることから、大阪空港における国際便就航を求めることはやめること。環境基準達成に向けた不断の努力で目に見える効果を上げること。
④ 市内1,2級河川の浚渫等豪雨対策を国・県に要望すること。

7.「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る伊丹市に

 新型コロナウイルスの影響によって地方税等が減少する中で、地方固有の財源である地方交付税の大幅な増額が求められています。毎年度の概算要求では、一般財源は前年度の水準を下回らないとされたことを踏まえたものとなっていますが、引き続き感染対策の財源は必要です。一方、コロナ禍に関わらず、社会保障費抑制路線を継承し、国民負担増、給付削減を着実に実行するとされていることは問題です。
 このような政治に反対し、「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る市政を行うことが求められています。

① 地方交付税のあり方をゆがめる「トップランナー方式」の導入等による地方交付税の引き下げはやめ、真に必要な地方財源が確保できるようにするとともに、コロナ感染対策に必要な財源を確保することを国に求めること。
② 集約化を進めようとしている共同利用センターについて、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うこと。
③ 公契約条例を制定し、請負契約や委託事業に関わる労働者が生活できる賃金を保障すること。
④ 自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進にあたっては、「地方自治の本旨」(憲法第92条)に基づき、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)ことを原則とすること。また、推進にあたってはそれぞれの業務を担当する職員や市民の意見が適切に反映さえる体制を整え、新たに情報システムを自治体の業務に導入する際には、職員がシステムをチェックでき、市民に行政責任を果たさせる体制を確保すること。
⑤ 国はマイナンバーカードに健康保険証や運転免許証、国税、年金などの情報をひも付けしようとしているが、相次ぐ個人情報の漏洩が問題となり、多くの国民が個人情報の提供に不安を感じている。国民監視の強化や個人情報の漏洩につながるマイナンバーカードのひも付けはやめるよう国に求めること。

以上

2021年9月議会 代表質問 上原秀樹

2021年9月議会 代表質問

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長の情勢認識について

1)コロナ禍における国の経済政策について

 コロナ禍で、格差拡大は深刻になりました。全国の2020年度の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業の内部留保は466.8兆円で、過去最高です。19年度比で株主への配当は11%の大幅増、役員報酬も0.5%増と大企業、富裕層はもうけを膨らませました。一方で労働者の賃金は1・2%減り、コロナ危機は非正規労働者、特に女性と若者に大きな犠牲を負わせています。この1年余、非正規雇用労働者はコロナ以前に比べて月平均92万人減少しました。うち61万人が女性です。

 2020年度予算審査での代表質問で国の経済政策について指摘しました。当時内閣府が発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価上昇分を差し引いた実質成長率が、年率に換算すると6.3%ものマイナスとなったこと、このことは、消費税増税が日本経済にとって大打撃になっていることを浮き彫りにしていること、GDPの約6割を占める個人消費が消費税増税に直撃されて前期に比べ2.9%のマイナスになり、消費の冷え込みを裏付けていること、勤労者の実質賃金も昨年12月0.9%のマイナス、内閣府の景気動向指数も5カ月連続で「悪化」という判断になったことなどを挙げ、市長の国の経済政策について見解を求めました。当時の経済状況以降、所得が増えず消費が落ち込み続けているのは、安倍政権と管政権が続けてきた消費税増税を含めた「アベノミクス」と言われる経済政策が、大企業や富裕層を潤すだけだということは明らかです。

 昨年以来のコロナ禍での安倍・管自公政権の経済政策に関して、市長はどのような認識をされているのでしょうか、また、今必要な政策は、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税減税などによる税の不公平を解消し、正社員が当たり前の雇用のルールをつくり、最低賃金を時給1,500円に引き上げて国民の懐を温めることと考えますが、合わせて見解をお聞きします。

2)米軍と一体となった自衛隊をめぐる動きについて

 6月16日、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(「土地利用規制法」)が、国民、野党が反対する中で、自民、公明、維新などによって参議院において採決が強行されました。

 この法律は、米軍・自衛隊基地や原発など「重要施設」周辺1キロや国境離島に住み、生活し、活動するすべての市民を調査・監視対象にし、政府の機関を総動員してプライバシーまで踏み込み調査・監視することを可能にするものです。調査の対象や内容に制限はありません。情報の提供を拒否した者は30万円以下の罰金を科せられ、密告社会に道を開きかねないものです。しかも、何が規制されるべき基地や原発の「機能を阻害する(おそれのある)行為」なのかは明示されておらず、政府の恣意的判断で際限なく拡大され、土地・建物の利用の中止が命じられ、拒否すれば2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられるという、恐るべき市民弾圧法となっています。これが、日本国憲法の保障する平和的生存権、個人の尊厳、言論・表現、思想・信条の自由、財産権などの基本的人権を蹂躙する、憲法違反の悪法であることは明らかです。

 防衛省は既に、2013~20年度にかけて、全国約650の米軍・自衛隊基地(防衛省施設を含む)に隣接する土地の調査を行い、所有者約8万人が対象になっています。兵庫県内は15か所で、伊丹市においては、伊丹駐屯地、千僧駐屯地、久代射撃演習場が対象として挙げられ、その周辺1キロメートルとなれば、市内の約3分の1の土地所有者等が対象となります。

 この法律の背景には、日米軍事同盟と安保関連法、すなわち戦争法の下で、アメリカの戦争に参戦する体制づくりをすすめる、菅政権の危険な姿勢があります。すでに、6月18日から7月11日にかけて、陸上自衛隊中部方面総監部と在日米軍事司令部を中心にオリエント・シールド21という実動訓練が図上訓練を中心に伊丹駐屯地において行われています。台湾有事を想定したものと思われ、奄美駐屯地では米陸軍の地対空誘導弾(パトリオット)部隊と陸自の中距離地対空誘導弾部隊が共同対空戦闘訓練を行っています。滋賀県のあいば野演習場では実弾訓練も行われ、6月23日には120ミリ迫撃砲弾発射訓練中に、演習場外に着弾する事件も発生し、大きな問題となったところです。

 また、この訓練と連動した日米共同方面隊指揮所演習、ヤマサクラ―81も今年度3四半期に伊丹市に総監部のある中部方面隊で予定されています。

 アメリカは、対中国戦略として軍事的対応を中心にしており、戦争ともなれば日本の自衛隊も参加する方向で作戦がたてられています。まさに戦争準備が伊丹の自衛隊基地で行われていることになります。

 市長は、土地利用規制法とその背景にある日米共同軍事作戦に関してどのような認識をお持ちでしょうか、見解をお聞きします。また、日米共同方面隊指揮所演習、ヤマサクラ―81はこの10月から12月の間に予定されていますが、どんな演習が行われるのか、コロナ感染は大丈夫か、市民にどんな影響があるのか等、情報を提供していただきたいと思います。

2.2020年度決算に関して

 2020年度の決算の内容の中心は新型コロナウイルス感染症対策です。
 伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策関連経費は、243億3,597万円で、そのうち地方創生臨時交付金対象事業は21億7,056万円となり、感染拡大防止や生活や雇用の維持と事業の継続支援、地域経済の活性化、社会的な環境の整備・新しい暮らしのスタイルの確立などの事業を行ってきました。

 これらの事業は感染症対策として一定の効果を上げることはできたと思いますが、現在進行中とはいえ、2020年度の事業の評価をすることは必要です。例えば、2020年度の2月補正予算で議論がありましたが、テイクアウト・デリバリー利用促進キャンペーン事業やキャッシュレス決済ポイント還元委託料、事業所等賃料補助金の減額措置などの周知方法や事業のあり方などへの評価はどうでしょうか。

 また、感染防止事業に関しては、党議員団は一貫して、医療機関(病院・診療所)、介護・福祉施設、保育園・幼稚園、学校、児童クラブなど、クラスター(感染者集団)が発生すれば多大な影響が出る施設等で定期的なPCR検査を行うこと、感染急増地(ホットスポット)となるリスクのあるところに対し、無症状の感染者を把握・保護するための「面の検査」を行うことを求めてきました。しかし、国の「医療崩壊を招く」という非科学的な知見によってPCR検査を抑制する中で、世界で人口当たりの検査数が144番目という最悪の事態になる中で、無症状の感染者が感染を広げています。この中で、市独自の検査体制を行い、感染防止をする必要はなかったのかどうか。

 さらに、新型コロナウイルスの影響で中小企業・商店に深刻な事態が広がる中、これらの実態を調査し、必要な対策をとるべきと主張し、自粛と補償を一体化すべきところを国が持続化給付金と家賃補助を1回きりで終わる中、伊丹市独自に行ってきた支援策、上下水道料金の基本料金免除、事業者への家賃補助、ひとり親世帯への支援などを再度行うことが必要ではないか、特に中小零細企業・業者に対する資金援助として「年越し給付金」を創設することも考えていただきたいと要求しましたが、実現されませんでした。

 これら、感染が広がり、中小業者の営業と暮らしが困難になった状況を見て、どのような見解をお持ちでしょうか、お聞きします。

3.新型コロナウイルス感染症対策について

1)日本共産党の提案と今後の対策について

 コロナ感染第5波の状況は、デルタ型などの変異株の感染力が強く、自宅療養中に家族全員が感染する事例や基礎疾患の有無にかかわらず30代から40代でも重症化する例、自宅療養中に自宅で死亡する事例も相次ぐという深刻な事態となっています。入院・宿泊療養調整中の自宅待機や自宅療養中、医療機関・福祉施設の留め置きで家族や施設内で感染を広げることや、医療が間に合わず命を落とすことは絶対に避けなければなりません。また、保健所の業務が追い付かず、感染者の症状の把握や濃厚接触者の特定に支障をきたしており、これらに対する早急な対策が求められています。

 この間の政府のコロナ対応は、「ワクチンさえ打てば何とかなる」というものとなっています。しかし、国内外で明らかになった科学的知見は、ワクチン接種だけではコロナを抑え込むことはできないことを示しています。ワクチン接種と一体に、医療体制強化、大規模検査、十分な補償など、総合的対策を講じてこそ、コロナを抑え込む道が開かれます。

 そこで、次の日本共産党の提案に対する見解をお聞きします。

 第1に、医療体制強化では、国が「原則自宅療養」の方針を公式に撤回し、症状におうじて必要な医療をすべての患者に提供することを大原則にすえることです。そのために政府がイニシアチブを発揮して、臨時の医療施設の大規模な増設を行うこと、あわせて入院病床をさらに確保し、在宅患者への往診や訪問看護など在宅医療を支える体制を抜本的に強化することです。医療機関への減収補填(ほてん)と財政支援、医療従事者への待遇の抜本的改善をはかり、政府が責任をもって医師・看護師を確保する必要があります。このことを国に対して強く求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、伊丹市の場合、医療のひっ迫度、療養施設の充足率は大丈夫でしょうか。お聞きします。

 第2に、ワクチンの安全で迅速な接種と一体に、感染伝播(でんぱ)の鎖を断つための大規模検査を「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」の立場で、大胆かつ大規模に行うことが必要です。事業所、学校、保育園、幼稚園、児童くらぶ等に対する大規模・定期検査を政府が主導して実行すべきです。家庭に検査キットを配るなど、自主検査を思い切って支援することも急務です。検査の拡大にあたっては、行政検査の抜本的拡充とともに、事業所などが行う集団検査に国が思い切った補助を行うべきです。医療体制強化と大規模検査を実行するうえで、保健所体制の抜本的強化も急務です。

 伊丹市でも、濃厚接触者にもかかわらず長期間検査もしてもらえず放置されている事態があります。保健所体制の強化が必要ではないでしょうか。現状をお聞きします。

 第3に、自粛要請とセットで十分な補償を行うことです。持続化給付金・家賃支援給付金の再支給と継続的支給の実現は、中小業者にとって待ったなしの課題となっています。生活困窮者への支援を抜本的に拡充します。文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場や担い手」への直接支援を拡充するとともに、国費を数千億円の単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に拡充することを国に求めるべきですが、お考えをお聞きします。

 伊丹市独自の施策も何度か求めてきました。現在、中小業者の現状をどう把握されているのか、生活困窮者への支援は十分か、文化・芸術関係者への支援は十分行われているのかお聞きします。

2)就学前教育施設、学校におけるコロナ感染対策について

 これまでの新型コロナウイルスとレベルの違うデルタ株は、子どもの感染をめぐる状況も大きく変えました。

 第1に、全国的に、これまで感染しにくいとされてきた子どもへの感染が顕著に増えていることです。10代以下の新規陽性者が7月半ばから4週間で6倍になったことは軽視できません。その中心は高校生ですが、小中学生の学習塾や保育園、学童保育でのクラスターも増えています。

 第2に、感染は “大人から子どもに伝播する”とされてきましたが、“子どもから大人に伝播する”という新たなパターンが少数ですが報告されていることです。
 第3に、政府の後手の対策と五輪の強行により、現在、「全国各地が災害レベルの状況」(厚労省の専門家会合)となっていることです。しかも保護者世代はワクチン接種が間に合っていないという問題を抱えています。全員が自宅療養となった家族で40代の母親が亡くなった痛ましい出来事は、全国の子育て世代にとって他人事ではありません。
 こうした状況で学校が再開しました。「子どもが感染し親が感染することも心配」などの不安が広がっていることは当然です。よって、デルタ株のもとでの学校の感染対策についてお聞きします。

①登校見合わせの選択や分散登校、オンライン授業などについて

 新学期が開始され、いくつかの学校で学級閉鎖されているという話をお聞きしますが、デルタ株の感染力の強さを考慮し、登校見合わせの選択や分散登校、オンライン授業などを柔軟に組み合わせて対応する必要はないのでしょうか。同時に分散登校は、保護者の減収や失職、医療従事者が出勤できなくなるなどのデメリットがあります。そうしたしわ寄せが起きないよう、必要な子どもが朝から学校で学べるような対応を徹底することが必要です。いかがお考えでしょうか。

②感染対策のため登校を見合わせる選択を検討している保護者や子どもが少なくないことへの対応について

 伊丹市の場合、7月21日付の保護者向けの連絡文書で、「出席停止扱いにするもの」として、園児児童生徒が感染した場合や濃厚接触者に特定された場合、ワクチン接種後の発熱等風邪の症状がみられるとき等6項目があげられています。感染が不安で登校できない場合に関しては「欠席扱い」とすると、昨年6月に保護者向けの連絡文書に記されています。また、昨年6月25日付の教育長からの各学校園長あての事務文書(伊教委保第481号)でも、先ほどの保護者宛連絡文書とともに、「同居者に風症状等が続いた場合に登校しない場合は、7月1日以降、欠席とする」「感染が不安で登校できない場合は、7月1日以降、欠席とする」とされるとともに、「保護者から感染が不安で休ませたいと相談があった場合」という文科省の衛生管理マニュアルを追加しています。それには、学校での感染対策等を十分説明して理解を得るよう努めるとし、その上で、感染経路のわからない患者が急激に増えている地域であるなどにより、感染の可能性が高まっていると保護者が考える合理的な理由があると校長が判断する場合には、指導要録上「出席停止・忌引き等の日数」として記録し、欠席とはしないなど柔軟な取り扱いも可能とされています。しかし、昨年の6月と言えば、第1波と第2波の中間で、ほとんど感染者は見受けられない時期で、現在と状況は全く異なります。しかも現在、伊丹市では「感染経路のわからない患者が急激に増えている地域」にあたり、その中で「感染の可能性が高まっていると保護者が考える合理的な理由」を校長が判断するとなっており、保護者の掲げる理由を校長によっては異なる判断をすることも考えられ、保護者と子どもに不安を広げることになります。さらに、このような詳細は、一切保護者には連絡されていません。

 この点では、国の通知が「同居家族に高齢者や基礎疾患がある者がいる」場合には「出席停止」欠席扱いしないなど、登校見合わせの対象を狭くしていることに原因があります。教育委員会として、広く認めるように転換し、登校を見合わせる子どもたちの学びや成長への支援を明確に位置付けることが必要と考えます。見解をお聞きします。

 また、何らかの理由で出席できない場合、タブレットによるオンライン授業も可能となっているかと思います。その場合、伊丹市は出席扱いとしていません。基本は教師との対面によるみんなと一緒に学ぶことですが、学校に行くことができない場合にはオンライン授業も出席にすることは可能と考えます。一方、不登校の場合のオンライン授業は出席扱いとなります。伊丹市も柔軟に対応すべきと考えます。オンライン授業の現状と合わせて、見解をお聞きします。

 さらに、これらの扱いが自治体によって異なっていると側聞しますが、阪神間各市の状況をお聞きします。

③学校でのクラスター対策と広範な検査を行うことについて

 コロナ感染は半数が無症状感染者からであり、無症状感染者の発見と保護が感染対策に欠かせません。このことを政府が無視してきたことが、事態の悪化を招いた一因です。従って、濃厚接触者を狭くみず、財源を国に求め、実態に応じ、学級・学年・全体など広めのPCR検査を行政検査として行うよう求めます。伊丹市の現状と見解をお聞きします。

 また、国が高校等に配付した抗原簡易キットは症状のある人への緊急のものですが、全国的に、学校現場では採取に必要な場所も防具もないなどの問題が噴出しています。無理なく活用できる対応策を具体的に示すことを求めるものですが、教育委員会の対応をお聞きします。

④コロナについての学びとコミュニケーションを重視することについて

 子どもたちは長い間我慢をしいられ、さまざまな不満を募らせています。新型コロナウイルスと感染のしくみを学び、受け身でなく自分の頭で考え納得して行動変容し、「部活動もこれなら可能では」といった自分たちの学校生活の前向きな話し合いを行うことこそ、この時期に欠かせない学びです。そうした学びの保障を求めます。また、教職員が世界と日本の研究成果などを学び、感染対策を含め討議できるゆとりを保障することを求めます。このことは、子どもや保護者がウイルスを正しく恐れることを助けることにもなります。見解をお聞きします。

 さらに、以前の市のアンケートでも、保護者の認識以上に困ったときに助けを求められない児童・生徒が多く、ストイレスを抱えていることが明らかとなっています。補正予算で不登校対策支援員の配置は行われますが、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの増員で、心のケアの強化を図ること、子どもたちの気持ちをよく聞き、子どもたちの意向を最大限尊重した対応を工夫することが必要です。伊丹市の場合は県の配置に加えて上乗せの配置をされていることは評価をしますが、コロナ禍で増員の必要性は高まっています。議案質疑での答弁は、体制の充実について今後考えるとのことですが、現在、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーは余裕を持って働いておられるのか、過重労働で逆にその人たちが疲弊するのではないかと危惧するものです。現状はどうなっているのでしょうか。そして改めて増員を求めるものですが、見解をお聞きします。

4.演劇ホールの存続をめぐる問題

 伊丹市は、演劇ホールの活用方法について、サウンディング型市場調査を行い、その用途変更も含めて検討されています。そこで次の点をお聞きします。

1)伊丹市の文化政策について

 伊丹市は2018年に、従来の「文化振興ビジョン」を発展させて「伊丹市の文化振興施策にかかる指針」を策定されています。

 その「指針」では、演劇ホールの評価について、その専門的かつ独自性の高い事業展開に対して「地域創造大賞」や「文化庁芸術祭優秀賞」の受賞をはじめ各方面から高い評価を得ていること、また、市内中学校や高等学校へのアウトリーチによるコミュニケーション教育に力を入れていることとともに、一方では市民の認知度は十分とは言えず、今後市民へのアプローチを一層進めていく必要性が述べられています。
 そして基本方針では、文化芸術が身近にあるまちをめざすとされ、文化施設の活用に関しては、潤いと誇りを感じることのできる心豊かな生活を実現するための機能を担い、常に活力ある社会を構築するための役割を担っているとの「劇場法」を引用し、人と人が出合いつながる場所として文化施設を活用するとしています。そして、社会包摂としての鑑賞支援も明記されました。
 さらに、他では味わえない事業を展開するとして、美術館・工芸センターの展示や柿衞文庫の俳諧俳句資料とともに、演劇ホールの演劇、ダンス公演を挙げられ、歴史を感じられる場所の活用とともに、伊丹ブランド構築の一翼を担うとされています。また、2016年12月議会での私の文化政策に関する質問に対して、平田オリザ氏の講演での文化格差が地域格差につながることを危惧する旨を引用し、本市では多くの文化施設があり、各館の個性的な事業展開、アウトリーチ活動などにより、芸術文化に触れられる多様な機会の提供があり、ゆくゆくは選ばれるまちにもつながっていくものと考えていると答弁されました。
 一方、「指針」では、公共施設マネジメントに基づき施設の有効活用を図るとして、財政上の問題とともに市民のライフスタイル、施設使用形態の変化も鑑み、事業・機能の集約や運営主体・形態の変更等、より機動的な活用方法について検討すると書かれています。

そこで、次の点をお聞きします。

①「指針」策定から3年が経過しようとしていますが、その「指針」のまとめとして「終わりに」に書かれている「本市の文化施策の大きな役割を占める文化施設が、個々にとって新たな居場所として心のよりどころになってもらえるような施設でありたい」「その居場所とそこにある演劇や音楽、美術等が今、広がっている地域間、世代間の壁を埋め、人々の心のつながりや相互に理解し、尊重しあう土壌を提供し、心豊かな社会を形成する一助となるよう、『文化芸術がそばにあるまち』を目指し、施策を進めていく」とされていますが、演劇ホールが果した役割を中心に策定後3年間の評価をどうされているのかお聞きします。

②「指針」で「市民のライフスタイル、施設使用形態の変化も鑑み、事業・機能の集約や運営主体・形態の変更等、より機動的な活用方法について検討する」とされていることに関して、今回の施設の有効活用を検討するに至る契機となったのは何かお聞きします。

2)当局が進める演劇ホールの有効活用の検討についてです。

 伊丹市は演劇ホールの有効活用の検討として、国土交通省のサウンディング調査に2回参加し、独自の同調査も行い、その経過を報告されています。そしてさらに演劇ホールの活用に関する市民意識調査も行われています。その伊丹市による検討に関してお聞きします。

①演劇ホールが使用形態の見直しの対象となる評価に関して、市民利用率が低いことをあげていますが、これは逆に市外からの来客者が多いことも示しています。このことを、市民の利用率が低いことをもって利用者一人当たりのコストを割り出すことには疑問があります。「伊丹ブランドの構築」という側面ではどう評価されるのでしょうか。

 また、利用率の算定は公演・講座利用者へのアンケートによるもので、回収率がどのくらいになるかわかりませんが、正確な数字とは言えず、「市民利用15%」と言い切るには問題があると思います。いかがでしょうか。この利用者にはアウトリーチ活動やアイフェス、演劇ワークショップへの参加は含まれているのでしょうか。

 さらに、いたみホールと音楽ホールとの比較もされていますが、施設(メインホール)の利用目的が異なることから比較すること自体が問題です。他市の演劇ホールとの比較はどうでしょうか。以上お聞きします。

②収入の分析で、イベントホールの減免率が高いことを指摘されていますが、貸館利用が少なく、イベントそのものが主催・共催事業等が99%を占めていることから、減免規定を適用すれば当然の結果です。これは文化会館大ホールでも、音楽ホールでも同様の減免規定です。貸館で演劇等のイベントをする場合、観客数が200名までと限られ、採算が困難になる経験をしましたが、このことから指定管理料が高くなることになっているのではないでしょうか。

 また、年間9,000万円の費用がかかっていると言いますが、これも伊丹ホールと音楽ホールのメインホールとは性格が異なることから、他市の演劇専門ホールとの比較が必要ではないでしょうか。以上に対する考えをお聞きします。

③伊丹市は早々に演劇ホールの活用に関する市民意識調査を実施されています。

 なぜそんなに急ぐのかという疑問はぬぐい切れません。確かに演劇ホールは市民の認知度は低いかもしれませんが、今回の伊丹市によるサウンディング型市場調査や関係者・市民からの署名運動等によって、演劇ホールを中心に文化施設のあり方について市民的な議論が始まったと言えます。その途上で調査をすることは十分市民の間で考え、議論する間もないまま、「やっぱり認知度が低い」と判断し、用途変更へと導くのではないかと危惧をするところです。

 市民からも「課題と魅力を知って、存続させるべきか考える時間と機会が欲しい」と言われています。そしてなぜ急ぐ必要があるのか、いつまでに結論を出そうとしているのか、市民や関係者の間で十分時間を取って議論する必要があると考えますが、見解をお聞きします。

④伊丹市が演劇ホールの活用方法についてサウンディング型市場調査を行い、その用途変更も含めて検討するとの報道を受けて、いち早く声をあげたのが演劇関係者と市内中学校高等学校演劇部OBOG会、そして市民の方たちです。

 演劇関係者から「日本全国及び海外の優れた舞台芸術作品を上映してきた。その舞台芸術の拠点を失うことは、市民にとっても、関西の多くの人にとっても舞台芸術作品を享受できる機会を失うことになる」OBOG会からは「演劇ができる、学ぶ場所をなくすのは子どもたちの表現の場を取り上げるようなもの」、市民からは「レアなホールですのでぜひとも残してほしい。もっと市民が使いやすい利用形態を考えてもらいたい」などの声が紹介されています。この声をどう受け止められるのでしょうか。

 財政負担に関しては、演劇ホールのままで機能維持のために改修するにしても、大規模に用途を変更するにしても、いずれも財政負担はかかります。問題はイニシャルコストで、優れた舞台芸術の上映や中高生を中心としたアイフェス等を残しながら、利用形態等を工夫して、コストを削減する方向を考えるべきではないでしょうか。見解をお聞きします。

5.自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)について

 先の6月議会で、市長の所信表明の中で、「日本社会でのデジタル化の遅れから、国はデジタル化の司令塔となるデジタル庁を今年9月に始動させ、自治体システムの標準化や共通化を進め、業務の効率化や住民サービスの向上を進めている」と紹介されたことから、様々な懸念を示して見解をお聞きしました。

 その時指摘しましたが、情報通信などのデジタル技術の進歩は、本来人々の幸福や健康に資するものであり、その方向で進むべきものです。また、デジタル化は行政手続のオンライン化など効率的運用に寄与する側面もあります。しかし、可決された6つの法律から成るデジタル関連法は、個人情報の一元化とオープンデータ化や国・自治体の情報システムの共同化・集約、マイナンバー制度の利用・拡大、強力な権限を持つデジタル庁の設置という4つのツールを設け、データ利活用をさらに使いやすい仕組みにしようとするもので、中でも行政機関等の非識別加工情報制度や自治体システムの統一・標準化は問題ありとして市長の見解を質しました。
 市長は「情報システムの標準化・共通化や、マイナンバーカードの普及促進、行政手続のオンライン化などを、国全体で進められる行政のデジタル化と連携を図りつつ、個人情報の保護やセキュリティーの確保を確実にした上で、デジタル機器の不慣れな方への支援を行い、誰もが安心して参加できる伊丹市のデジタル・トランスフォーメーション戦略を策定し、市民生活の質の向上と持続可能な行政サービスの提供の両立を実現してまいりたいと考えております」と答弁されました。

 その直後、7月10日には「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進手順書」が公表されました。その「手順書」では、全国の自治体に対し、2022年度までに児童手当や保育所の利用申し込みなど31の行政手続きのオンライン化と、25年度を目標に介護保険、生活保護、国民年金など17業務の情報システムを国が示す基準に標準化・共通化するよう求めています。そして、行政が持つ様々なデータを企業が活用できるよう提供し、ビジネスの創出を期待するなどとしています。そこで、次の点をお聞きします。

①児童手当や保育所の利用申し込みなど31の行政手続きのオンライン化はどのように進められているのか、またどこまでオンライン化されようとしているのか、お聞きします。

②年度を目標に介護保険など17業務の情報システムを国が示す基準に標準化・共通化するとされていますが、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」では、「標準化に適合するものでなければならない」と定められており、6月議会でも指摘した自治体の独自施策は残らないのではないかと危惧するものです。「手順書」ではどうなっているのでしょうか。

③外部人材の活用については伊丹市では委託契約をされています。国の要綱では、信用失墜行為の禁止や守秘義務、職務専念義務に関する事項を定めるとしていますが、公務員と違って法的拘束力はありません。また、利益相反な行政のゆがみの温床となることが懸念されますが、見解をお聞きします。

6.児童・生徒の健康について

 全国保険医団体連合会は、新型コロナウイルス感染症拡大により、必要な医療を受診できない児童・生徒がいるという調査結果を発表しました。この調査は、2月から3月にかけて実施され、学校による健診後の治療の実態を調べたもので、全国31都道府県の小中学校と特別支援学校が対象とされています。受診率は調査対象の歯科、眼科、耳鼻科、内科の全科で増加しているとされました。

 私は依然、学校での歯科検診の結果で要受診とされた子どもの受診状況について聞いたことがあります。健診後の治療につながらない背景には、「健康に対する親の理解不足」や「共働きで時間がない」「経済的困難」などがあげられます。今回の調査では、その状況が改善されない中で、コロナ感染を恐れた受診控えが加わったと考えられ、子どもを取り巻く健康状況に不安があります。

 伊丹市の状況はどうでしょうか、また受診率向上にどのような対策を取られているのでしょうか、お聞きします。

 

2021年6月議会 個人質問 ひさ村真知子

2021年6月議会 個人質問

日本共産党議員団 ひさ村真知子

1.生理の貧困について

① 生理用品の配布は、くらし・サポートセンターだけで行っているのはなぜか。

 コロナ禍で経済的に困窮している女性の支援のために、海外の生理の貧困が報道さています。
 フランス政府はすべての学生に生理用品を無償提供することが始まっていますし、スコットランドでは、必要とするすべての人に無料提供など行っています。日本国内でも同じようなことがあると、様々な団体の調査などであきらかになってきました。伊丹市でも生理用品を無料で配布する必要があるのではと考えます。
 前回の予算委員会で、「災害備蓄用の生理用品を、廃棄するよりは、有効活用することを考え、伊丹市でも生理用品を入れ替えする時期に合わせて、無料配布する」とされ、活用については「健康福祉部や教育委員会との調整を行う」と言われています。実際にはどのような調整を行われたのか、その内容はどうであったのか、くらし相談サポートが窓口になった理由はなんであったのか、見解をお聞きいたします。

② 災害備蓄品生理用品の入れ替え用がなくなれば、その後の配布はどうか、についてですが。

 災害備蓄品生理用品の入れ替えは、伊丹市は10年に一度を目安にしていると言われています。(現状で85セットを提供し、42セット)くらし・相談サポートでは残り28セットとわずかとなっています。
 この支援はこれで終わるのでしょうか。生理用品の支援が必要な方がもっと多くいると思います。生活保護者の方や、シングルの方で女子のいる家庭また非正規で働く若い方や、アルバイトで学校に通う資金を補っている学生の方など必要な人にいきわたるのでしょうか。
 政府の方でも「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」では、「コロナウイルス感染症の影響が続く中、その影響は特に女性に強くあらわれている」と指摘があり。「女性に最大限配慮すべきだ」とされています。すでに全国で255自治体が学校などで生理用品の配布を実施、又は検討していると調査結果を明らかにしています。備蓄品を使ったところや予算措置で確保したところもありますので、急いで生理用品の補充を行うべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

③ 各学校のトイレに生理用品の設置をすべきではないかについてですが。

 各学校のトイレにおいて安心して使用できるようにすることが必要ではないかと思います。
 私共、共産党市議団から5月7日に「コロナ禍の中での感染対策に関しての要望書」を市長へ出しておりますが、「「生理の貧困」に対応して必要な人に生理用品が届くように、少中学校、高等、特別支援学校に無償でトイレに設置してください」という要望に対して、教育委員会の回答では、「現時点では考えていないが、児童生徒の状況の把握や、関係機関と連携しながら課題の解決につなげられるよう努めてまいります。」とされていますが、特にコロナ禍の中で必要な人がいるなら、できる限り急いで行うことが必要です。 児童生徒は生理の貧困には関係がないと思われているのでしょうか。現状では、保健室で貸してもらえますが、基本的には返しに行くようになっているようです。これは児童生徒には気持ちの負担もあるでしょうし、家庭にも負担がかかっているかもしれません。どちらにしても女性だけが長い間生理用品を購入するための費用がかさむのですから、公的な支援が必要と思います。せめて今児童・生徒にすぐに必要なときに使えるようにトイレへの設置があれば様々な意味で助かるのではないでしょうか。
 とりあえず早急に設置してから、関係者の意見を聞いて改めて考えることもできるのではないでしょうか。ご見解をお聞きします。

④ 市内の児童・生徒から生理の貧困に対しての実態調査などで意見を聞くことが必要ではないか。

 小中学校・高校生などの実態やそれぞれの意見は届いているのでしょうか。様々な理由で家庭では買えない、買ってもらえない、中々人に言えない状況だと思いますので、児童生徒の状況のなどはしっかりと把握しなければならないと思います。そのためにはアンケート調査など行う事も必要でないでしょうか。当事者の意見を聞き、どの様にすれば問題が解決するのか等の意見も聞く必要があると思います。「子どもの権利条約での意見表明権」の保証がされなければならないと感じます。また困っているならすぐに相談できる体制なども必要ですが、どの様にされるのでしょうか。お聞きいたします。

⑤ 学校での生理の学習はどの様に行われているのか。男女ともに生理についての正しい認識はどの程度持てているのか。についてですが。

 生理の貧困問題については、生理に対しての正しい認識がなければ、この問題を解決することには十分つながらないのではと思います。その点を踏まえてお伺いしたいと思います。  

 日本では、長い間生理については公に語られることなく,隠すものとして今日まで来ています。小学生時に女子児童だけが集められ、生理用品の扱い方を先生が熱心に話されたことを覚えていますが、その時点で、このような話は「男性には知られてはならないもの」だという意識が自然に働き、「隠す」という意識が女性のマナーとして引き継がれてきているのだと思います。しかしこの時間の学習は、生理用品の扱い方だけであり、生理時に女性の体や心に起こる問題については詳しくは学べていません。

 今日の社会状況は、様々な形での性被害が起こっています。その被害者にも加害者にもならないような学習ができていなければと思います。そのためにも生理についての様々な理解が必要だと思います。生理痛はひどいときには、授業を受けるのも苦痛ですし、ホルモンの関係で気分が落ち込んだり、経血で貧血になるなどの問題が女性の心身に起こるのですが、そのような話はされませんでしたので、多くの女性は日常生活が大変になること等,自分の身に起こる問題をきちんと認識することは出来ていなかったと思います。

 しかしこのような問題は男女一緒に学び、同じような認識を持つことが、今は必要だと思います。父子家庭になった場合は、そのようなことを知らなければ、早ければ小学生から生理のある娘さんに対してどの様に接することができるでしょうか。働く現場でもこのような女性の状況を理解していないとチームワークも乱れるのではないでしょうか。その様な状況に備えての学校での学習は大変大切なものだと思います。ですから女子だけでなく男子も生理用品の使い方などの説明の時間に参加があってもいいのではないかと思います。生理についての学習状況や男女とも生理について正しい認識はどの程度持てているのでしょうか。お伺いいたします。

2.6月補正予算にあります「女性のつながりサポート事業」について

① 困ったことを相談するには大きな勇気が必要な人もおられますので、安心して男女共同参画センター「ここいろ」に立ち寄れるように工夫していただきたいと思います。1つには、生理用品を「ここ色」でも配布するようにしていたければと思います。小学生、中学生、高校生なども生理用品を通じて、一度来てもらえれば、安心して来ることができるところだと感じ、同時にその場が自分の悩みなどを話せる場所であると,認識していただけるのではないかと思います。
 そのためにも、「女性のつながりサポート事業」のお知らせの案内カードに、生理用品は「ここ色」でもらえることを明記していただければ、行ってみよう、相談もしてみようにつながるのではないかと思いますし、一度来られると男女共同参画の問題にもより関心を持っていただくことも可能ではないかと思いますので、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

② また、相談窓口は月二回とされていますが、いつでも相談を受け付けるようにしていただくことが必要だと思います。女性のための相談は様々取り組んでいただいていますが、切羽詰まった相談に対しては素早く解決へ動くことが求められますので、やはり月二回では不十分だと思います。素早く対応することが必要だと思います。
 このような時期ですから、急ぎの相談に駆け込む人もおられると思いますので、できる限り素早い対応をお願いしたいと思いますが、見解をお伺いいたします。

3.マニフェスト5の環境政策・都市環境の整備。公衆トイレのデザイン化、公衆トイレの改修について

 私は五年前に、市内の公衆トイレをもっと明るく改修をすべきでないかと質問しましたが、今回やっと安心して利用できるトイレに変わるのかなと期待していますので内容をお聞きしたいと思います

① 市内で特に女性の声を聴きましたら、公衆トイレは何となく怖いので入りにくいという事です。
 このことを何とか変えていただきたいと期待します。今回の改修は、現在のトイレの問題をどう認識され改修することになったのかお伺いいたします。

② デザイン化いわれていますが、珍しいトイレなども話題になっていますが、何を意図されているのでしょうか。どのように改修されることをいうのでしょうか。

③ また、市民はどのようなデザインを求めていると考えておられるのでしょうか。お伺いいたします。

④ 市内には多くの公衆トイレがありますが、何か所の公衆トイレのデザイン改修を行うのでしょうか。どのようなスケジュールで進められるのでしょうか。
 特に市民や市外から来られる方の利用が多いと思われる中心市街地や公園のトイレについて、お聞きいたします。

⑤ 次に学校のトイレについてですが、以前は、様々な苦情を多く聞いておりましたので、改修を求めそのことが大規模改修時に行われてきています。子どもたちの感想等含め、学校のトイレの現状を改めてお聞きいたします。

⑥ 最近は、商業施設や、駅等のトイレがどんどん変化し安心して利用できます。清潔で安心して使えるトイレはくつろげる場ともなるのだと感じます。トイレもおもてなしのひとつだといわれていますから、伊丹市の印象にも大きく関係すると思います。
 今日まで公衆トイレに関して市民から様々な意見もあったのかなと思いますが、そのような意見を聞く機会などはどうであったのか、特に女性からの使いにくいという意見など含め、市民の意見をどのように受け止めてこられたのか。お伺いいたします。
 ご答弁よろしくお願いいたします。