2022年3月議会報告 中3まで医療費無料化、認可保育所増設などが実現 

日本共産党伊丹市議会議員団議会報告

日本共産党伊丹市議会議員団

3月議会で市民要求実現に奮闘し
 中3まで医療費無料化、認可保育所増設などが実現

 3月議会が2月17日から3月25日までの37日間開催されました。提案された議案は、2022年度一般会計予算等の予算13議案、条例改正等27議案の合計40議案。党議員団は、コロナ対策や少子化、高齢者対策などの市民要求実現に力を尽くす一方、一般会計予算と条例改正4議案に反対、残る35議案に賛成しました。

 要求が実現したのは、所得制限付きながら中学3年生まで医療費の無料化、210名分の認可保育所整備、若者就労支援、市営住宅へのエレベーター設置(玉田団地)などです。

 一方、予算や条例改正で反対した内容は、①コロナ対策では国の対応の域を出ず、独自の対策がほとんどなかったこと。②依然として「同和教育」を継続すること。③文化保護行政を教育委員会所管から市長に移管したこと。④アイホール事業を削減することで質の高い文化の発信と市の文化振興策を縮減したことなどです。

 病院統廃合による近畿中央病院跡地への医療機関誘致に関しては、コロナ禍で急性期医療の重要性が認識されたことから地域医療構想を見直し、急性期病床の誘致を求めました。

2022年3月議会:上原秀樹 一般会計予算等特別委員会付託議案 反対討論

2022年3月議会

2022年3月25日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 議長より発言の許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して、議案第10号令和4年度伊丹市一般会計予算及び議案第24号伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について、議案第23号伊丹市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定について、議案第28号一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について並びに議案第32号伊丹市立児童くらぶ条例の一部を改正する条例の制定についての5議案対して反対の立場から討論をします。

伊丹市一般会計予算

 はじめに議案第10号伊丹市一般会計予算についてです。

 まず歳入について述べます。市税では、前年度予算を約20億円上回り、特に個人市民税、法人市民税ともにコロナ前の2018年度決算並みの予算となりました。納税者人口の増と製造業における業績が回復したことによるとされましたが、一方ではコロナ禍で納税ができない非正規で働く人が増えていることや年金の引き下げ、営業に困難を抱える中小零細企業・業者も多数存在することを踏まえ、市民の暮らしを支える対策が必要です。

 次に地方交付税についてです。2021年度交付金額は、国による2021年度補正予算において、国税収入の増額補正に伴い、地方交付税も増額されることになりました。伊丹市においては当初予算対比で実質的な地方交付税が約21.8億円の増となる見込みです。市税収入の増も含めたこれらの財源で、市民の暮らしや福祉、安全対策等への対応を要望します。一方、2022年度予算では、臨時財政対策債を含む実質的な普通交付税は、市税の増等によって予算対比で10億円の減で84億とされました。国は前年度並みの一般財源の総額は確保したとされていますが、地方自治他市にとっては新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、高齢化や子ども子育て施策、安全対策等の基盤整備など行政課題は増加する一方で、前年度並みを確保しただけでは財政が硬直化して行政課題に柔軟に対応できなくなっています。国に対して、社会保障費の自然増など必要な財政需要を積み上げて地方財源を確保し、そのためにも地方交付税の法定率を大幅に引き上げることを求めることを要望します。

 次に予算上の問題点及び関連する要望についてです。

 第1に、新型コロナウイルス感染症対策です。第6波の感染者数は若干減少傾向にあり、まん延防止等重点措置が解除されました。しかし、新たな変異株も出てきており、ワクチン接種を引き続き行いながら、治療薬の普及を待つしかなく、当面コロナウイルスとの付き合いは続く見込みであると言わざるをえません。従って、感染が続く限り重症化の恐れと命の危険が付きまとうことになります。この間の国のコロナ感染症対策は、ワクチン接種の遅れや検査体制の不十分さ、急性期病床の削減、事業者に対する補償を半分に減らす、保健所体制が極めて不十分のまま放置されていることなど、後手後手の成り行き任せというべき事態です。伊丹市の対応も、様々な対応に力を尽くされているとはいえ、この域から出ていません。引き続き感染者の状況を勘案して、高齢者施設等の福祉施設や学校等でのPCR検査と検査キットの配布、事業者の実態調査による機敏な支援策対応、県が掌握している医療、保健情報の共有などを求めるものです。

 第2は、昨年の人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に基づき、一般職員で約5万9,000円、再任用職員で約3万3,000円の期末手当を削減することです。来年度の人件費を一般会計で約1億5,200万円削減することは、新型コロナウイルス感染症対策で奮闘されている最中にあり、その奮闘にふさわしい賃上げこそ必要であるとともに、原油価格の高騰によるガソリン等の物価の値上がりも生活に大きな影響を与えています。

 第3に、職員の人事評価についてです。公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第4に、新たに「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」を改定されることです。様々な人権課題が存在します。市のアンケートでも、最も関心のある人権課題は女性、高齢者、障がい者、子どもが多数を占めており、それぞれに関する人権を保障するための施策は重要な課題となっています。しかしこれらの課題は、憲法における人権保障の規定に基づき、解決していくものであり、必要とあれば、教育・啓発はそれぞれの分野で行うべきことです。

 問題は同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育・啓発を継続することにあります。アンケートにおいて実体のない「いわゆる同和地区」という表現を使うことによって、あたかも法的に存在しなくなった「同和地区」がいまだに存在し、その差別がいまだに根強いという印象を市民に与えます。実体的差別がほとんどない中で、差別意識をことさら強調することは、同和問題の真の解決に逆行するものです。

 今年は水平社創立100周年の年にあたります。水平社創立は、封建的身分差別の残滓である部落差別の屈辱と呻吟から人間の誇りを取り戻し、自らを解放しようとしたものです。創立大会では「人間を尊敬することによって自ら解放せん」「人の世に熱あれ、人間に光あれ」とうたいあげました。先人たちは屈辱の歴史に終止符をうとうと挑戦し、戦後民主主義と部落解放運動を背景に「社会問題としての部落問題」の最終段階を見通せる段階に到達しています。ここに100周年を記念する最大の意義があります。

 様々な人権課題に関しては、憲法に規定されている国をはじめとする公権力が保障すべき自由と人権とは何かなどについて市民とともに学ぶ機会を持っていただき、多様な個人の尊厳が守られ、人権・民主主義が根付く伊丹市をつくるための学習・啓発を推進されることを求めます。

 第5に、文化財保護行政の職務権限を、教育委員会から市長に移管したことです。

 文化財保護における権限は、とりわけ収集・保管・展示・教育・調査・研究という基本的な機能は市長の権限とは分離され、市長の権限に束縛されない、自由で自律的な学芸活動として展開されてきました。国の文化審議会文化財分科会企画調査会における主な意見でも、教育委員会が首長部局から独立していることで、専門的観点から事務執行ができ、政治的中立性も確保される、政治的中立性については、埋蔵文化財だけではなく文化財の指定にも関係してくるとされています。従って、市長に権限を委譲することで、専門性、政治的中立性が担保される保障はありません。

 今後、社会教育施設として位置づけられる伊丹ミュージアムと一体的な運用で自立した教育・調査・研究を行うとともに、必要な専門的職員の配置を求めます。

 第6に、アイホール事業の縮減についてです。アイホールの存続が危ぶまれています。当面3年間は継続することとなりましたが、今まで公演等の事業が36事業あったのを10事業にして事業費を削減、自主事業をなくして貸館中心の管理に伴い職員を10名から6名に削減するなどで経費を約3,300万円削減する提案です。しかし、アイホールは30年以上の歴史の中で「関西小劇場の聖地」の地位を築き、優れた演劇文化を発信するとともに、中高生などの学びの場としての機能も発揮してきました。自主事業の廃止などこれらの機能を縮小することは質の高い文化の発信と市の文化振興策の縮減につながります。

 第7に、「全国学力テスト」の問題です。代表質問でも指摘しましたが、「全国学力テスト」に基づく学力観は、経済協力開発機構が行う国際学力調査の枠組みの基本としてのPISA学力論を経由する「資質・能力」論とそれと結びついた「コンピテンシー」論であり、この学力観を中心に据えることは、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育、地球環境問題や社会の格差・貧困問題、コロナ禍のもとでの生存権保障、ジェンダー平等、世界の紛争や戦争阻止などの課題にどう対処するのかの、集団による知恵の探求が後景に押しやられることになっているのではないかと考えます。調査というなら「全国学力テスト」は毎年行う必要はなく、数年に1回の調査で事足りるものであり、「全国学力テスト」を主軸とする教育は見直すべきです。

 教育長が答弁で、様々な課題を解決していくのは人であり、その人を育てるのが「教育」であり、教育の目的は「人格の完成」にあると述べられたのはその通りであり、開かれた学校づくりを進め、子どもたちの「社会性」を養い、主権者として民主主義の担い手を育てる教育を進めていただくことを要望します。

 次に、評価すべき点を述べます。

 第1に、所得制限付きながら中学3年生までの医療費無料化を実現されたことです。今後所得制限の撤廃と高校卒業までの無料化を求めます。

 第2に、国の施策としてですが、児童くらぶ指導員や保育士などのエッセンシャルワーカーの賃金が引き上げられることです。今までこれらの職種の賃金が極めて低いことが問題とされていました。今回はその第一歩として評価できますが、引き続き賃金の引き上げを求めます。

 第3に、保育所待機児童の解消に向けて210名分の保育所が整備されることです。今後問題となっている年度途中の待機児童解消に向けた対策を要望します。

 第4に、若者就労支援事業として、市内在住かつ市内で働く30歳までの若者が学生支援機構等の奨学金返済中の場合、年間返済額のうち自己負担分の2分の1の範囲内で最大6万円を3年間助成されることです。

 第5に、市営住宅玉田団地6号館及び9号館にエレベーターを設置されることです。今後、エレベーターのない市営住宅へのエレベーター設置を要望します。

 第6に、男女共同参画課を設置されたこと及び痴漢対策としてポスターを掲示することになったことです。今後、男女平等参画センターの直営化と条例制定を求めます。

 第7に、地球温暖化対策において、カーボンゼロに向けて「グリーン戦略室」の設置等による第一歩を踏み出されたことです。今後、環境基本計画の見直しと地球温暖化対策実行計画の策定が行われますが、いち早く「カーボンゼロ宣言」を行い、市民との共同でカーボンゼロを達成していただきたいと思います。
 第8に、JR伊丹駅前トイレを改修することです。市内公衆トイレが汚いという声を議会でも紹介し、改修を求めてきました。引き続き阪急伊丹駅南側トイレなどの改修も求めます。

 最後に、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致について述べます。

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、改めてコロナ感染症患者に対応する急性期病床の役割が明らかとなりました。一方、兵庫県地域医療構想では、急性期病床を減らし、高度急性期と回復期病床を増やすものとなっています。コロナパンデミックの教訓から、これ以上高度急性期、急性期病床を減らさず、それに見合った医師・看護師などの病院職員を増員する方向に転換すべきと考えます。その上に立って、兵庫県地域医療構想を見直すことを関係機関と協議し、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、回復期だけにこだわらず、急性期病床を中心とする医療機関を誘致できる方向で検討を進めていただきたいと思います。

 以上主な点を述べました。その他本会議、委員会で様々な要望をしましたが、その実現にご尽力いただきますことを求めまして、議案第10号に対する反対の意見とします。

教育に関する事務の職務権限の特例

 次に、議案第24号伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてです。

 本条例に関して、先ほどの議案第10号に対する意見で述べた通り、文化財保護行政の職務権限を、教育委員会から市長に移管することは、専門性、政治的中立性が担保される保障はありません。

 よって議案第24号に反対とするものです。

 次に、議案第23号伊丹市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定についてです。
 本議案も先ほどの意見で述べた通り、文化財保護行政の職務権限を、教育委員会から市長に移管する問題とともに、「空港に関する事項」「航空機騒音対策に関する事項」「空港周辺整備に関する事項」を、都市活力部が所管する「空港及び観光に関する事項」に変更する問題です。言うまでもなく伊丹空港は環境基準が達成されていない空港であり、都市型空港としての安全性にも課題が存在します。空港の利便性を高めることは当然としても、国際便の復活などによる観光行政との一体化は、いまだに航空機騒音に苦しむ市民の理解を得ることはできません。

 よって議案第23号に反対とするものです。

職員の給与に関する条例

 次に、議案第28号一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてです。

 本条例についても議案第10号に対する意見で述べた通り、人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に基づき、一般職員及び再任用職員の期末手当を削減することは、コロナウイルス感染対策での奮闘にふさわしい賃上げこそ必要であるとともに、原油価格の高騰によるガソリン等の物価の値上がりも生活に大きな影響を与えています。

 よって、議案第28号に反対とします。

児童くらぶ条例

 次に、議案第32号伊丹市立児童くらぶ条例の一部を改正する条例の制定についてです。

 本条例案の主な内容は、2023年度から、市立児童くらぶ育成料6,200円を8,000円に引き上げるとともに、延長時間に応じて午後5時から午後6時まで1,800円、午5時から午後7時まで3,600円と区分されていた育成料を、一律3,000円にしようとするものです。

 育成料を引き上げる理由として、指導員の処遇改善や長期休業中の昼食提供、ICT化推進事業などを行うための財源とされています。もちろんこれらの改善は必要なことです。特に指導員の処遇改善では、阪神間各市と比較して賃金が低く、この処遇改善によって指導員の生活給と指導員の質の向上、ひいては児童くらぶ自体の質的改善にも結び付くものです。しかしその具体的な内容は明らかにされませんでした。

 一方、指導員の処遇改善や施設の改善を育成料の引き上げによって行うということは、サービスを良くすればよくするほど保護者の負担を増やすというやり方であり、この受益者負担の原則は子育て支援策、福祉行政としてはなじみません。小泉政権時に大幅に減額した地方財源の復活とともに、さらに充実を国に強く求めることを要望します。

 よって、議案第32号に反対とするものです。

 以上議員各位のご賛同をお願いしまして、5議案に反対の討論とします。

 

 

 

 

2022年3月議会:上原秀樹 代表質問

2022年3月議会 最終日議案質疑

2022年3月
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

ロシアによるウクライナに対する侵略行為に関して

 質問の前に、ロシアによるウクライナに対する侵略行為に関して一言申し上げます。ロシアは24日、一方的にウクライナに侵攻し、すでに同国民に多大な犠牲者が出ています。 これはウクライナの主権と領土を侵し、国連憲章、国際法を踏みにじる、侵略行為です。同時にプーチン大統領が核兵器の使用を示唆するなど断じて容認できません。日本共産党は、ロシア、アメリカ、中国などどんな国であれ覇権主義を許さない立場から、この侵略行為を断固糾弾するとともに、ただちに軍事行動をやめ、撤退させることを強く求めるものです。

 また、一部の政治家が「核兵器の共有」を論じるなどは、唯一の戦争被爆国の政治家の発言としてあるまじき発言であり、世界の核兵器廃絶の流れに背くとともに、ロシア大統領と同類の発想であり、絶対に容認できません。

1.市長の情勢認識について

1)市長の提案説明「国内外の情勢認識」について

 市長は提案説明の中で国内経済について述べられました。

 日本経済に関しては、岸田首相が通常国会の所信で「新しい資本主義」とか「新自由主義の弊害を取り除く」などと述べました。今の日本経済は岸田首相の言う「新自由主義の弊害」によって、経済が成長しない国、賃金が上がらない国、国際競争力が低下した国になりました。「新自由主義」的政策のもとでの働く人の貧困と格差が拡大は、非正規雇用の増大等、低賃金で「使い捨て」労働の拡大をはじめコスト削減を最優先の賃金抑制や無法なリストラがもたらしたものです。その結果、2000年を100とした平均賃金指数は、アメリカが124、スウェーデンが138、韓国が143となっているにもかかわらず、日本の場合は100で賃金は上がっていません。2012年対比でみると、実質賃金は年収22万円減少し、その一方で資本金10億円以上の大企業の内部留保は130兆円増やして466兆円にもなりました。自公政権が行っている「賃上げ減税」は、安倍政権以来2兆円以上の賃上げ減税を行っていますが、その間実質賃金は下がっています。

 さらに、新自由主義のもと、社会保障を削減し続け、「社会保障の自然増」部分を来年度予算では2200億円も削減することになっています。このことによって診療報酬の削減、高齢者医療の自己負担の倍増、年金の削減が行われています。そして消費税のあいつぐ増税が国民に大きな負担を押し付けています。

 その結果、GDP実質成長率では、日本経済の成長が止まった国になりました。2000年を100とした場合の名目成長指数が、日本は2020年が100で成長が止まり、アメリカ、ユーロ圏ともに200で倍になっています。さらに競争力も、1991年には1位だったのが、2021年には31位に下がりました。

 すなわち、新自由主義による、貧困と格差の拡大という人に冷たい経済政策が日本経済を停滞に押しやったと言えます。日本共産党は、人にやさしい経済の方が結局は経済成長もするし、パンデミックにも強い経済になると考えるものです。そのために、正規雇用が当たり前の労働法制に変え、中小企業に支援をして最低賃金を時給1500円以上にして賃金を引き上げる、社会保障の抜本的拡充、消費税の減税を提案しています。

 日本経済における「新自由主義の弊害」と市長に渡しています日本共産党の政策に対する見解をお聞きします。

2)9条改憲、「敵基地攻撃能力」「反撃力」と伊丹の自衛隊基地について

 岸田政権は戦後初めて、「敵基地攻撃」能力の保有について検討を進めるとともに、岸防衛相が他国領空内に自衛隊機が侵入して爆撃することも「排除しない」と答弁、また相手の基地に限らず、指揮統制施設や通信施設などへの攻撃を含む「反撃能力」=戦争遂行能力の保有にも言及するなど、憲法が禁じた戦争につながる危険なたくらみが浮き彫りになっています。そして憲法との矛盾を突破するため、9条改憲で名実ともに「戦争する国」に日本をつくりかえようとしているのが、自公政権とカッコつきの「野党」の人たちです。

 今、台湾をめぐる米中の緊張が激化しています。日本は日米同盟にとって死活的問題だなどと言って、アメリカの対中国戦略に積極的に加担し、そのための実働演習などを頻繁に行っています。その一つが昨年12月に伊丹駐屯地で行われた日米方面隊共同指揮所演習=ヤマサクラ81でした。すべて米軍が指揮を執り、米軍の対中戦略に自衛隊を巻き込む訓練です。そしてその場合の反撃対象は米軍基地であり伊丹駐屯地のような自衛隊基地ということになります。

 日本共産党は、この問題で最も抑制すべきことは、軍事対軍事の対立と軍備拡張競争の悪循環であり、最も推進すべき道は、どんな国であれ覇権主義は許さないという立場にたって、平和手段による問題解決を図ることであると考えます。注目すべきことは、2011年にインドネシアのバリで開催された東アジアサミットで「バリ原則」という政治宣言が調印されていることです。ここには武力行使の放棄、紛争の平和的解決などの諸原則が入り、アセアン諸国10カ国とともに日本、中国、韓国、米国、ロシア、インド、オーストラリア、ニュージーランドが参加してすべての国が賛成しています。この宣言を条約にするため、憲法9条を持つ日本がその先頭に立つことが求められています。

 ロシアのウクライナ侵略という事態の中で、日本が他人ごとではなく、「戦争する国」にまい進するのではなく、この時期にこそ「バリ宣言」の報告に向かう努力をすべきと考えます。

 市長の見解をお聞きします。

2.新型コロナウイルス感染症対策について

 市長は提案説明の中で「新型コロナウイルス感染症対策を最優先事項として、…今できる最善の取り組みを迅速かつ的確に実施してまいります」と述べられました。

 今、高齢者を中心として第4波、第5波を上回る死者数など、コロナ危機は始まって以来の深刻な事態にあります。全国知事会の2月15日「緊急提言」の通り、オミクロン株の特性に応じた保健医療体制の構築や社会活動の継続への対応を検討し、その全体像の見直しも含め、全般的な対応方針を明確にすること、一部地域で深刻な医療ひっ迫を招いている現状を踏まえて、危機的状況が国民に正しく認識されるよう、国として強く発信することが求められます。

1)PCR検査体制について

 今まで議会の度に「いつでも、誰でも、無料で検査を受けることができる体制」を求めてきました。市内10か所の薬局で無料検査を行っていますが、検査キットがなくて検査が受けられない人がおられます。検査キットは十分届いているのでしょうか。また、「濃厚接触者かもしれないから」という人も来られるそうですが、防護もマスクのみという不十分な状態で、立会人という役割を果たさなければなりません。通常業務に手が回らないときもあるとお聞きします。今の状態で薬局が検査を担うことに無理が生じているのではないか、県の管轄ですが当局はどのように認識されているのでしょうか。実態を聞いて改善すべきことは改善をするよう県に求めるべきですが、見解をお聞きします。

2)子どもとその関連施設、保護者への対応について

 就学前施設や学校での学級閉鎖、学年閉鎖、休校が相次いでいます。

○ その場合、一つは、様々な職種の会計年度職員への連絡も休校等の連絡がされると思いますが、学校等への出勤の有無はどのように連絡されるのでしょうか。仮に出勤の有無が不明確の場合、賃金はきちんと補償されているのでしょうか。また、会計年度職員が濃厚接触者となった場合や感染の疑いがある場合、感染が確認された場合、また小学校、幼稚園、保育所、特別支援学校の休校等に伴い会計年度職員が子どもの世話を行うため勤務することができない場合の休暇の扱いと賃金の補償についてもお聞きします。

○ 二つには、厚生労働省が2月8日、新型コロナウイルス感染の影響で保育所が休所となった子どもを他の園や公民館などで預かる「代替保育」を確保するために新たな財政支援策を発表したことについてです。医療や福祉、介護といったエッセンシャルワーカーの確保のためにも、代替保育の拡充が、急務となっています。厚労省は利用者負担についても財政支援で負担がないようにするとしています。ぜひ伊丹市でも早急に実現をしていただきたいと思いますが、見解をお聞きします。

3.気候変動危機の打開に向けて

 この問題では12月議会で岸田政権の温暖化対策の問題点を指摘するとともに、日本共産党の気候変動危機打開の2030戦略を紹介しました。同時に、伊丹市として「気候非常事態宣言」「2050年ゼロカーボンシティ宣言」をすることを求めました。答弁では、脱炭素社会の実現に向けた環境施策を積極的に推進し、その基盤を築いてまいりたいとされましたが、環境基本計画の見直しとともに検討するとのことでした。

 一方環境省の資料によりますと、2月28日現在で「2050年ゼロカーボンシティ宣言」を何らかの形で表明した自治体が598自治体、日本の総人口に占める割合は90.7%に達しています。阪神7市1町の中では5自治体が宣言をしています。

 環境基本計画の見直しの中で、着実に計画として具体化することは否定するものではありませんが、計画の見直しにあたって「2050年にカーボンゼロをめざす」ことを宣言することで、市民に対しても伊丹市の姿勢が伝わり、市民ぐるみでカーボンゼロをめざす機運も生まれてきます。

 改めて「気候非常事態宣言」「2050年ゼロカーボンシティ宣言」をすることを求めるものですが、見解をお聞きします。

4.教育行政について

1)改正民法施行により成年年齢が18歳に引き下げにかかわって

 今年4月から改正民法施行により成年年齢が18歳に引き下げられます。既に18歳投票権が付与されていることも踏まえ、改めて中学・高校における主権者としての教育や自己決定権の拡大に伴う法的・社会的教育が求められてきました。18歳になったら親などの同意を得なくてもクレジットカードやローンなどの契約をすることが可能になります。しかし、人間は18歳の誕生日を迎えたら突然何もかもが成熟して「子ども」から「大人」になるわけではなく、年齢で画一的に扱う法律のほうが、人間の実態に即さない不合理な存在ともいえます。

 年齢引き下げは自己決定権を拡大する積極的な意義がありますが、成人年齢の引き下げにともなって若者の消費者被害の拡大や、罪を犯した少年の立ち直りへの影響などを懸念する声もあり、これまでより早く“大人”になることについて、親世代も含めたすべての世代で意識を高めていくことが課題となるとともに、教育の果たす役割は大きいと言えます。

 そこで、伊丹市の特に高校の教育では、今までどのような金融教育や消費者教育などを行ってこられたのか、その成果をどう認識されているのかお聞きします。

2)次に主権者教育はどのように進んでいるのかについてです。

 18歳選挙権を実現する改正公職選挙法は、2015年6月19日に公布され、2016年6月19日に施行、同年6月22日から適用されました。以降、様々な選挙が行われてきましたが、その投票率を調べたところ、前回2019年県会選挙では、全体の投票率が40.14%に対して、10歳代が28.01%、20歳代が21.84%、同市議会議員選挙では、全体が40.39%に対して、10歳代が24.74%、20歳代が19.82%、同年参議院選挙では、全体が48.12%、10歳代が31.13%、20歳代が31.74%となっています。
 なぜ投票率が低いままなのか、なぜ政治に関心がわかないのか。もちろん教育だけではなく、様々な要因はあると思いますが、教育委員会としてこの投票率の結果を見て、この6年から7年間、18歳選挙権が施行される公職選挙法改正以降の主権者教育をどのように評価されているのでしょうか、お聞きします。

 いくら投票の方法を学んでも、政治に関心が湧かなければ投票行動には結び付かないのは言うまでもありません。

 このような中で、若者たちはどのような社会意識を持っているのでしょうか。日本財団「18歳意識調査」の2019年11月「第20回社会や国に対する社会意識調査」は、インド、インドネシア、韓国、ベトナム、中国、イギリス、アメリカ、ドイツと日本の17~19歳各1,000人を対象に国や社会に対する意識を聞いたものです。この結果、「自分を大人」、「責任ある社会の一員」と考える日本の若者は約30~40%と他国の3分の1から半数近くにとどまり、「将来の夢を持っている」、「国に解決したい社会課題がある」との回答も他国に比べ30%近く低い数字となっています。さらに「自分で国や社会を変えられると思う」人は5人に1人、残る8カ国で最も低い韓国の半数以下にとどまり、国の将来像に関しても「良くなる」という答えはトップの中国(96.2%)の10分の1。全体に途上国、欧米先進国のいずれと比べても数字の低さが際立つ調査結果となっています。

 なぜ日本の若者の政治・社会意識が他国と比べて低いのでしょうか。日本の政治・社会状況とも関係していると思われますが、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育の課題とは何か。今の教育にかけているものは何かについて、次の点を踏まえてお聞きしたいと思います。

 教育長の「伊丹市教育基本方針」では、確かな学力の育成について「これまでの取組により、全国学力・学習状況調査での…一定の成果は上がっているものの、思考力や表現力、学びに向かう力、多様な教育的ニーズのある児童生徒への対応に課題があります」とされました。このようなことから、これまでも実践されてきた学びとして「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に推進するとのことです。これらは全国学力・学習状況調査、いわゆる「全国学力テスト」の結果を重視することから出発していますが、PISA学力論を経由しての「資質・能力」論とそれと結びついた「コンピテンシー」論は、経済協力開発機構が行う国際学力調査の枠組みの基本であり、人間形成の視点から、学力と人格を、政治と経済の戦略に沿って管理・方向付けるものではないか、「コンピテンシー」に関しても、将来の労働力=人材に求められる能力を設定し、その達成のスキルを課するという性格となっているのではないかと思います。もちろん、社会に出て働く上での能力形成は必要なことですが、先ほど述べたPISA学力論が中心になることによって、民主主義を前進させ、主権者としてその担い手を育てる教育、地球環境問題や社会の格差・貧困問題、コロナ禍のもとでの生存権保障、ジェンダー平等、世界の紛争や戦争阻止などの課題にどう対処するのかの集団による知恵の探求が後景に押しやられることになっているのではないか、このことの積み重ねが若年層の投票率低下につながっている一つの要因ではないかと考えます。

 見解をお聞きします。

3)保育環境評価スケールについて

 保育の実践的指導力の向上に関して教育長は、「保育環境の指標を示す『環境評価スケール』を完成させ、全ての幼児教育・保育施設において環境を通した幼児教育のあり方を共有してまいります」と述べられました。保育環境評価スケール研究会のホームページでは、「保育環境評価スケールとは、どんな集団保育の場(幼稚園、保育所、子ども園)であっても共通する、こどもの基本的なニーズに注目し、それらがどの程度満たされているかを測定する『尺度=物差し』」であり、保育の質の向上のための一つのツールであるとの説明がされています。「かわにしひよし保育園」の実例が掲載されていますが、ここでは3歳以上の評価スケールは35項目で、12人の評価者が評価シートを使って1項目ずつ、二人の保育士と22人の3歳児を観察・評価するやり方です。そこでお聞きします。

○ 伊丹市は評価シートをこれから作成・完成させるとされていますが、40項目前後の評価項目で評価し、そのことを通して幼児教育のあり方を共有することは大変な労力が必要になります。評価を受けた保育士が次には評価する側になり、次々と評価をする施設を増やすということになろうかと思いますが、今の保育士体制でそのような余裕があるのでしょうか。

○ 全ての幼児教育・保育施設が対象とされていますが、保育所の場合、そもそも保育士配置と面積等の保育基準は満たしているものの、約70年前の基準であり、4,5歳児30人に1名の保育士配置という条件下での評価で、一人ひとりの子どもにどれだけ寄り添えるのかという前提が成り立ちにくいのではないか。この環境評価を行う中でこそ、保育士配置基準の見直しの必要性が明らかになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○ 障がい児への特別支援教育、統合保育の視点はどのようにされるのでしょうか。特別支援教育というのは決して特別な子どものための教育ではなく、どの子どもにも必ず発達の凸凹があります。学習や社会生活に支障が出る子ども、大きな凸凹がある子どもに関しては発達障害という診断名が付くかと思いますが、小学校に上がって初めて診断名が付いたけど、実は幼児期から困っているということもあります。どのようにされるのでしょうか。

 以上、3点についてお聞きします。 

5.病院統合再編、地域医療体制の整備について

 市長は、近畿中央病院の跡地への医療機関誘致に関して、「兵庫県地域医療構想では、回復期病床の確保も重要な課題と位置付けられていることから、回復期機能を有する民間医療機関が誘致できるよう、昨年8月、公立学校共済組合と近畿中央病院跡地の活用に関する覚書を締結し」たことに触れられました。今後、共済組合や兵庫県、医師会等関係機関との協議を急ぎ、近畿中央病院閉院後、医療空白をできる限りなくす方向での誘致にご尽力いただくことを改めて求めておきます。

 兵庫県地域医療構想に関してですが、新型コロナウイルス感染症パンデミックを通じて見直すべきではないかと思います。新たな感染症がコロナウイルスで終わるとは限りません。感染患者を受け入れたのは高度急性期、急性期病床を持つ病院です。その病院では感染病床を確保するためにあらかじめ空床として確保するとともに、そのために感染患者以外の入院を制限せざるをえませんでした。そのため医療がひっ迫する事態を招きました。

 一方、地域医療構想では、急性期病床を減らし、高度急性期と回復期病床を増やすものとなっています。阪神北準圏域においては、2014年の高度急性期と急性期病床の合計が3,486床、2025年のその必要病床数は合計2,387床で、1,099床も減少させる計画です。ところが2040年の必要病床数は合計2,550床で、逆に2025年対比で163床増やすものとなっています。短期間に急激に減少させた上に次には増床を図ることなど、莫大な経費が必要な病院の病床数をコントロールすることは困難です。コロナ感染パンデミックを経験していることから、これ以上高度急性期、急性期病床を減らさず、それに見合った医師・看護師などの病院職員を増員する方向に転換すべきと考えます。その上に立って、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、回復期だけにこだわらない医療機関を誘致する方向で、関係機関と協議を進めていただきたいと思います。見解をお聞きします。

6.条例の制定に対して

1)議案第24号 伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 本条例は、昨年9月議会での条例制定において博物館の管理を教育委員会から市長に権限を委譲したことに続き、今回、文化財の保護に関する権限も教育委員会から市長に委譲しようとするものです。同時に、伊丹市にぎわい創出基金条例を改正し、その条例に「文化財の保護及び活用」を加えようとするものです。その基金条例の目的は、「文化の振興,良好な景観づくり、地域経済の活性化等による、まちのにぎわいの創出を図る」こととされています。

 博物館の権限移譲に関しては、博物館を含むミュージアム全体が社会教育施設の位置づけがなされ、社会教育の適切な実施を担保することができるとの答弁をもって賛成をしました。

 一方、文化財保護に関しては、第3次教育振興基本計画の中でも「関係団体と連携・協力し、郷土の歴史や民俗に関する資料の収集・保存に取り組み、調査研究を推進します」とされ、このことから博物館の権限を市長に委譲する際、教育委員会の職務権限のうち「文化財の保護に関すること」は教育委員会の管理として残したものでした。今回、にぎわい創出基金条例の改正とも相まって、文化財の保護における資料の収集・保存、調査研究部門が観光・にぎわいの後景に退いてしまうのではないかと危惧するところです。教育委員会の見解をお聞きします。

2)議案第28号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 本条例は、昨年の人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に基づき、第1条において一般職員の6月12月期の一時金を、年間4.45月を4.3月に、0.15月減額するとともに、再任用職員も年間2.35月を2.25月に、0.1月減額しようとするものです。これは昨年の人事院勧告そのままの数字となっています。

 職員のみなさんは新型コロナウイルス感染症対策で奮闘されている最中にあり、その奮闘にふさわしい賃上げを求めているのではないでしょうか。原油価格の高騰によるガソリン等の物価の値上がりも生活に大きな影響を与えています。この時期に職員の給与を減額することに疑問を感じざるをえません。

 なぜこの時期に給与減額なのか、また具体的に一般職員と再任用職員において平均して年間いくらの賃下げとなるのか、さらに一般会計全体での減額はいくらになるのかお聞きします。

(2回目の質問)

4.教育行政について
2)主権者教育はどのように進んでいるのかについてです。

○ 伊丹市教育委員会が子どもたちに身につけようとしている学力と、伊丹市などの身近な社会及び国内外の社会問題に目を向け、主権者として社会に働きかけ、民主主義の担い手となる教育について、選挙における若者の投票率の低さに注目して、教育のあり方について質問をしました。

 先ほど紹介した調査や統計で、伊丹市をはじめ日本の若者の投票率が低いことも、政治・社会意識が低いことも統計上事実である以上、教育に限らず、どこかに原因があると思います。

 では教育には問題がないのでしょうか。答弁では、様々取り組みが述べられましたが、その教育が先ほど述べた地球環境問題や社会の格差・貧困問題などの課題に対する社会・政治的意識と結びついていないのではないか。学校教育の場でも、他の場所でも日常的に話し合う文化が育っていないことがあり、それがまた、社会・政治意識を間近にとらえて、深めさせえない悪循環があるように思います。

 もちろん全面的に否定的な面だけではなく、かつての安保法制の時には多くの若者が国会前に集まったり、今では気候変動危機に対して立ち上がったり、女性への性暴力に対する「#Me Too運動」など少なくない若者が行動に参加されているのも事実です。直接国会前での集会に参加するなどの行動に結びつくかどうかは別として、何かのきっかけによって社会的・政治的に目覚める場面がある一方で、それが日常化できていないのは、やはり今の教育に足らないものがあると思いますが、教育長の見解をお聞きします。

6.条例の制定に対して
1)議案第24号 伊丹市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

 今まで教育委員会が所管していた文化財保護に関する事業について、文化財保護法を引用して、その事業内容を答弁されました。なかでも専門職員による地域や学校で向いた学びあいの場の提供は、調査・研究・保存という社会教育活動として大変重要な事業です。

 問題は、文化財保護に関する権限が市長に委譲されるにあたって、今までの文化保護行政の位置づけが担保され、発展させられるのかどうかです。文化財保護における権限は、とりわけ収集・保管・展示・教育・調査・研究という基本的な機能は市長の権限とは分離され、市長の権限に束縛されない、自由で自律的な学芸活動として展開されてきました。保管や展示は博物館とともに行われてきましたが、これらは明確な教育活動であり、教育委員会の権限とされてきた由縁です。このことが市長の権限に委譲することで担保できるのでしょうか。

 また、このことと関連して、一昨年5月に施行された「文化観光推進法」による博物館事業への「文化観光」概念の導入で、博物館、文化財保護に関する事業が観光を目的とするものにシフトされる危険性がありますが、どうでしょうか。

 さらに、文化保護行政には、調査・研究等に携わることのできる正規職員としての学芸員等の十分な専門家及び事務担当者が必要であり、そのための財政措置は行われるのでしょうか。

 以上に対して、市長若しくは市長部局担当部長に対してお聞きします。

 

2021年12月議会:上原秀樹 議案質疑 伊丹市公設市場の指定管理者

2021年12月議会 議案質疑

2021年12月
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

議案第101号 伊丹市公設市場の指定管理者の指定について

 本議案は、伊丹市公設市場の指定管理者に、株式会社伊丹公設市場管理センターを指定しようとするものです。次の点をお聞きします。

① 指定管理者の指定にあたって、公募とされた理由。

② 選定結果によると、2,000点満点のうち1216点で60.8%。前回は59.8%で、基準となる5割は超えているが、低い評価点となっている。このことに対する見解と対応。

③ 選定基準のうち「②適正な収支のもとで市への納付金を確保する提案であるか」の得点が、400点中58点となっているが、このことに対する見解。

④ 人員配置で、前回の申請概要では統括責任者として役員1名、2名の正社員と3名のパート社員となっていたが、今回の申請概要では、統括責任者として役員1名、2名の正社員と2名の派遣社員となっている。その理由は何か。

⑤ 収支計算書では、人件費が前回の3年間は12,248となっていたが、今回は初年度が7,045、次年度以降6,941とされたのはどんな理由か。

(2回目)

① 公募とされた理由については、基本指針等によって「原則公募」とされていること等が理由であると。しかしこの指定された法人は、もともと事業協同組合として公設市場にかかわってきた団体が市場を管理することを目的に新たに法人化したもの。公募とした理由で、民間事業者の有する経験を生かして管理運営を行うことが可能である施設とされたが、指定された法人が一番市場管理の経験を持っているということになる。従って、特定指定でも問題はないとも解されるが、改めてこの件に関する見解をお聞きする。

② 「市の納付金を確保する提案」については、あまりにも得点が低すぎることへの疑問としてお聞きした。答弁をお聞きして、得点の設定が適正の評価は別にしてとして低得点の理由は分かった。2020年度決算における納付金は約402万円、2021年度予算は400万円。人件費のこともお聞きしたが、経費削減で人件費を抑制する意図があるのではと危惧したところ。納付金の確保でどんなことを期待されてこの基準とされたのか。 

(参考資料)
公の施設の指定管理者制度導入にかかる基本指針

(2)指定管理者の指定

 指定管理者の指定を行うに当たっては、原則公募によることとし、地方自治法第244条の2第3項の規定に基づき、公の施設の設置目的を効果的に達成する観点から、法人その他の団体を問わず、広く募集の上、指定管理者を指定する。

 なお、現行の管理委託団体においても例外ではなく、当該団体の必要性、役割についても原点に戻った検討を行うとともに、一層の専門性やサービスの向上、経営の合理化 を図るものとする。

 ただし、以下の場合については、特定の団体を指定することができる。

① 市民参画・協働のため、地域の人材を活用する場合や特定施策の一体的な推進のため、 特定の団体以外ではその推進が困難であると認められる場合。
② 併設の施設において、一体的に管理した方が、安定的・効率的に運営できると認められる場合や、PFI法の活用により、一定期間、施設の管理運営を特定団体に指定する場合。
③ 公募による応募がなかった場合や選定基準を満たす応募者がなかった場合。

 

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

 11月8日、藤原市長に、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました。

2022年度予算編要望を提出 2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望(PDF)

市長に2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提出しました

2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望

2021年11月8日
日本共産党伊丹市議会議員団
上原秀樹 久村真知子

はじめに
 菅政権がわずか1年余りで政権を投げ出し、安倍・管政権を引き継ぐとする岸田政権に変わりましたが、岸田首相は国会での議論も代表質問だけで十分な議論もせず、衆議院を解散し、総選挙が行われることになりました。日本共産党は、今度の総選挙で「野党共闘で政権交代を」と訴えて闘いましたが、自民・公明政権の継続となったことは残念なことです。引き続き命・暮らし最優先の政治実現に全力を尽くします。
 安倍・管政権を引き継いだ岸田政権の政策は、格差と貧困を広げたアベノミクス、社会保障の削減など従来型の政治を行うことは所信表明で明らかになったところです。この政治から市民の暮らしを守る砦としての伊丹市政が求められています。以下、2022年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提案しますので、予算に反映していただきますようお願いします。

1.新型コロナ感染症対策――経済・社会活動を再開しながら、命を守る対策を

 9月以降、新規感染者の減少が顕著になっており、経済・社会活動の再開も重要な課題になっています。同時に、このまま終息に向かうとは誰も考えておらず、再び、感染爆発と医療崩壊を絶対に起こさないコロナ対策が求められています。

1)日本でも世界でも、ワクチン接種後の「ブレークスルー感染」が起きています。感染抑止のためには、ワクチン接種(追加接種を含めて)を安全にすすめるとともに、大規模な検査を行い、感染の火種を見つけ、消していくことが必要です。

① 国・県と共同で、「いつでも、誰でも、無料で」という大規模・頻回・無料のPCR検査を行うこと。
② 職場、学校、保育所、幼稚園、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で行えるように、国が思い切った補助を行うように要望すること。伊丹市としても検査キットを無料で配布し、行政検査につなぐことができるようにすること。

2)コロナ病床の拡充、臨時の医療施設の増設、往診・訪問看護の体制強化など、臨時の医療体制を整備することは、「第6波」への備えとして急務です。また、保健所の機能マヒも絶対に起こしてはなりません。

 ① 医療機関の減収補てんと財政支援、医療従事者の待遇改善を国に求めること。
 ② 市立伊丹病院での感染症対策は、コロナ感染症対策を教訓に万全の体制を整備すること。また、近畿中央病院の跡地には、急性期病床が200床減少することを考慮し、回復期病床にとどまらず、地域住民が望む医療機関が誘致できるよう公立学校共済組合や伊丹市医師会と協議を続けること。
 ③ 保健所の体制も、臨時採用や他部署からの派遣などの緊急増員を確保しつつ、増やした職員を定員化するなど、正規の職員増もすすめるよう国・県に求めること。

3)緊急事態宣言は4回になるのに、持続化給付金・家賃支援給付金も、国民への特別給付金も1回だけです。コロナ危機で、仕事や所得が減少し、生活が困窮している人も少なくありません。また、いわゆる中間層にもボーナスや賃金の減少が広がり、教育費負担や住宅ローンの重い負担もあり、”コロナによる生活悪化”が起きています。
  事業者は、さらに深刻で、売り上げの大幅減少や借入金の増大など、コロナ危機のもとで体力が落ち込み、”再建”が困難な事態も広がっています。
  コロナ危機で傷んだ暮らしと営業の深刻な実態を放置するなら、コロナ危機後の経済危機に陥ってしまいます。

 ① コロナ危機で収入が減った家計への支援として、1人10万円を基本に「暮らし応援給付金」を5兆~6兆円規模で支給し、国民の暮らしを支えること。いわゆる中間層(年収1000万円未満程度)を含め幅広く対象にし、生活が困窮している低所得者には手厚い支給をすることを国に求めること。
 ② 中小企業、個人事業主、フリーランスに持続化給付金・家賃支援給付金を再支給するとともに、コロナ危機が終焉(しゅうえん)するまで継続し、雇用調整助成金のコロナ特例も継続することを国に求めること。
 ③ 伊丹市としても、国に財源を求め、国の対策が不十分なところには、財政調整基金を取り崩してでも暮らしと営業に対する支援を行うこと。

2.憲法を生かし、人権を守り、市民が主人公、平和の実現に寄与する伊丹市政を

 岸田政権は安倍・管政権を引き継ぎ、憲法改定に執念を燃やしています。とりわけ、今度の総選挙で自民、公明、維新の改憲派が衆議院議員の3分の2を占めたことで、改憲を加速化させる危険性が強まるとともに、アメリカとの軍事一体化を強め、「敵基地攻撃能力」を有することを言明するなど日本を危険な戦争への道に導こうとしています。
 自衛隊基地を抱える伊丹市として、住民の命と財産を守るために、戦争への暴走を止め、憲法を生かした市政を進めることが求められています。
 また、ジェンダー平等社会の実現も重要な課題となっています。

① 安保関連法=戦争法の廃止、憲法9条をはじめ憲法を守り生かすことを国に求めること。
② 11月に予定されている日米共同指揮所演習(ヤマサクラ81)は、米陸軍と陸上自衛隊の共同演習で、対中国戦略で離島を奪取し中国軍の艦船や航空機などを攻撃・威嚇する作戦の演習として過去最大規模となるとされている。その指令の中心が市内伊丹駐屯地の中部方面総監部となり、事が起れば戦争の拠点とされる危険性があるもので、市民の生命と財産を守るためにも、危険な演習はやめるべきであり、国に対して中止を求めること。
③ 核兵器禁止条約が2021年1月22日に発効し、現在、批准国が56カ国となり、来年開催される締結国会議にNATO加盟国のノルウェーがオブザーバー参加することなど、世界的に核兵器禁止条約への期待が高まっている。唯一の戦争被爆国である日本として、締結国会議にオブザーバー参加するとともに、早急に署名と批准をすることを国に求めること。
④ 一昨年4月1日の米軍機オスプレイの緊急着陸では、飛行目的、ルート、不具合の原因、落下物など近隣住民への被害などの事実関係が明らかにされなかった。改めて危険なオスプレイの飛行中止を米軍と国に強く申し入れること。対米従属的な日米地位協定の見直しを求めること。
⑤ 自衛隊への電子データによる個人情報の提供はやめること。必要と考えるならば、個人情報保護条例に基づき、専門的知見を踏まえた意見を明らかにすること。
⑥ ジェンダー平等社会を実現する観点から、すべての人が社会、経済活動に生き生きと参加できる当然の権利を保障するため、行政のあらゆる部面でジェンダー平等の視点を貫くこと。国に対して選択的夫婦別姓制度の実現を求めること。
⑦ パートナーシップ宣誓制度に基づき、相談窓口の充実、啓発パンフの普及など性的マイノリティの人権を守る施策を強化すること。
⑧ 「差別を許さない都市宣言」の廃止等すべての同和行政・教育を終了すること。「同和問題」に関する市民意識調査はやめること。

3.福祉・医療の充実で、市民の暮らしを守る伊丹市に

 岸田首相は、「新しい資本主義」とか「成長と分配の好循環」などと言っていますが、その中身は、アベノミクスそのものです。
 アベノミクスで起きたのは、貧富の格差の劇的な拡大です。安倍・菅政権のもとで、大企業は利益を増やし、内部留保は133兆円も増加し467兆円(2020年度末)もの巨額になりました。それにもかかわらず法人税は減税(28%から23.2%)されました。大富豪の資産は、6兆円から24兆円へと4倍にも膨れ上がりました。
 その一方で、2度の消費税増税が家計に重くのしかかり、働く人の平均実質賃金は22万円も減りました。
 国に対して、アベノミクスを教訓に家計応援の政治に切り替えて経済のボトムアップ=底上げをはかることを求めるとともに、伊丹市としてもケア労働を待遇改善し、社会保障の拡充を行うこと等、福祉・医療の充実で暮らしを守る対策が求められています。

① 国が基準を定めている、介護・福祉・保育職員の賃金を引き上げ、配置基準の見直し雇用の正規化、長時間労働の是正など、ケア労働の待遇を改善することを国に求めること。
② 国民健康保険税引き下げのため、国にさらに1兆円の公的負担を求め、均等割り・平等割の廃止で協会けんぽ並みの保険税にすることを国に求めること。来年度から就学前の子どもの均等割りが半額にされるが、市独自に少子化対策として財政支援を行い、さらなる子どもの均等割りの軽減を行うこと。
③ 国の介護保険制度の改善で、介護保険料・利用料の減免、保険給付を拡充するとともに、特養ホームなど介護施設の増設により、必要な介護が受けられるようにすること。
④ こどもの医療費は所得制限なしで義務教育終了まで無料にすること。
⑤ 国に対して、生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度にするとともに、生活保護費削減を復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げることを求めること。生活保護へのスティグマを解消するため、伊丹市として「生活保護は権利です」というアピールを積極的に行うこと。
⑥ 待機児童と詰め込み保育の解消のため、さらに認可保育所を増設すること。年度途中の待機児童を解消する方法を別途考えること。2号認定こどもの副食費実費徴収をやめるように国に求めること。

4.すべての子どもの成長発達を支える豊かな教育環境の確立を

 教育は子ども一人ひとりの幸せ、成長と発展のためにあります。それだけに社会にとって大切な営みです。教育は子どもの権利であり、家庭の経済力に関わらず、すべての子どもに豊かな教育環境を確立することが求められます。また、コロナ禍における学校と家庭における生活の変化や端末の使用等でストレスが溜まっている可能性があり、十分な配慮が求められています。さらに、コロナ感染対策も引き続き重要な課題です。
① コロナ禍で少人数学級の必要性が明らかとなり、35人学級が毎年1学年ずつ実施されています。しかし小学校6年生の実施には数年かかることから一気に35人学級を実施するとともに、中学校においても同様の少人数学級を実施することを国に求め、その間、県が小学校4年生まで実施している35人学級を直ちに6年生まで拡大し、中学校まで広げるよう求めること。
② 競争教育を激化させる「全国学力テスト」への参加をやめるとともに、市独自の「学力テスト」も中止すること。
③ コロナ禍による困難な子どもへの対策としても、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーのさらなる増員で児童・生徒と家庭を支援するとともに、介助員の増員で障がい児の教育を受ける権利を保障すること。
④ 教育のあらゆる部門で子どもの権利を守ることを宣言し、実行ある施策を推進するとともに子どもの権利擁護のためにも子どもの権利条例を制定すること。子どもの権利条約の内容が子どもにも理解できるパンフレット等を作成し、子ども同士で「子どもの権利」が議論できる環境をつくること。
⑤ 幼児教育の推進に関しては2018年1月の文教福祉常任委員会における付帯決議を順守すること。公立幼稚園、認定こども園における3歳児全員入園を実現するとともに、4、5歳児において単学級にならざるを得ない状況を打開すること。
⑥ 大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等学校、高等教育の無償化をめざすとともに、入学金制度をなくすよう国に求めること。
⑦ 学校給食の無償化を目指し、まずは中学校給食に対する助成を行うこと。就学援助制度のさらなる充実を図ること。

5.中小企業・零細業者への支援を強め、人間らしく暮らせる地域社会と住みよい住環境を

 中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在です。また、働く人の3人に2人が働いている雇用の担い手でもあります。これら中小企業、業者、商店、農業者に支援を強化することは住みよいまちづくりに欠かせません。特に、コロナ禍で経営基盤が脆弱となっている中小企業・業者に対する支援が必要です。

① コロナ禍で脆弱となっている経営基盤の状況を調査し、必要な支援策を講じること。国に対して、持続化給付金、家賃支援給付金の再度支給とともに、協力金、支援金などの拡充と迅速化を行うことを求めること。事業者の立場にたった、ていねいな対応と相談体制を確立すること。
② コロナ対応の緊急借入で積みあがった中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題になっており、コロナ対応借入分の軽減・免除する仕組みをつくること。
③ 文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場と担い手」への支援を行うとともに、国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化することを国に求めること。アイホールは演劇ホールとして存続すること。
④ 「中小企業振興条例」「農業振興条例」の制定で、地域循環型経済の仕組みをつくること。
⑤ 大型小売店の相次ぐ出店で地域の商店が廃業に追い込まれている。中心市街地だけではなく、空き店舗対策、家賃補助等によって市内周辺の商店も守る手立てをとること。
⑥ 個人事業主における国保税や市民税、固定資産税などの滞納処分については、事業の存続や生活の状況を鑑み、積極的に納税緩和措置を活用すること。また、場合によっては、税の執行停止を行うこと。固定資産税・都市計画税の減免申請における手数料への費用支援を行うこと。
⑦ 市営住宅は戸数を減らすのではなく、必要な個数を維持し、旧耐震住宅は順次建て替えを行い、バリアフリー化された住みよい住環境を提供すること。住民からの修繕要求には積極的に対応すること。
⑧ 大企業への優遇税制の廃止・縮小や所得税・住民税の最高税率を引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税を5%に減税するよう国に求めること。政府が導入を予定しているインボイス制度は、零細業者やフリーランスに納税義務を広げ、負担と格差をさらに拡大するものであり、ただちに中止することを国に求めること。

6.自然災害から市民の命を守るとともに、環境を守り、安心・安全の伊丹市を

 地球温暖化の影響で台風、豪雨など自然災害が相次ぐとともに、南海・東南海地震もいつ起こるかわからない状況にあり、災害や事故から市民の命と暮らしを守る政治が求められています。特に気候危機を打開するための積極的な対策が必要となっています。

① 気候変動危機に対応するために、国に対して原発ゼロ、石炭火力発電所ゼロ、2030年までに10年比で50~60%削減、2050年にはカーボンゼロの計画を策定することを求めるとともに、伊丹市としてもこの目標に見合う野心的な目標を決めること。
② 災害の発生に備え、市民の防災意識啓発に努めること。感染が広がる中での避難対策に関しては一定の見直しがされたが、避難所におけるきめ細かな対応(発熱、障がい者、高齢者等)や地域における要支援者の避難誘導等を含めた地域ごとの「防災まちづくり計画」を推進するための支援を行うこと。体育館に空調施設整備など避難所の改善を図ること。
③ 航空機に係る環境基準達成には程遠い状況にあることから、大阪空港における国際便就航を求めることはやめること。環境基準達成に向けた不断の努力で目に見える効果を上げること。
④ 市内1,2級河川の浚渫等豪雨対策を国・県に要望すること。

7.「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る伊丹市に

 新型コロナウイルスの影響によって地方税等が減少する中で、地方固有の財源である地方交付税の大幅な増額が求められています。毎年度の概算要求では、一般財源は前年度の水準を下回らないとされたことを踏まえたものとなっていますが、引き続き感染対策の財源は必要です。一方、コロナ禍に関わらず、社会保障費抑制路線を継承し、国民負担増、給付削減を着実に実行するとされていることは問題です。
 このような政治に反対し、「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、伊丹市が主体となって市民の暮らしを守る市政を行うことが求められています。

① 地方交付税のあり方をゆがめる「トップランナー方式」の導入等による地方交付税の引き下げはやめ、真に必要な地方財源が確保できるようにするとともに、コロナ感染対策に必要な財源を確保することを国に求めること。
② 集約化を進めようとしている共同利用センターについて、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策を行うこと。
③ 公契約条例を制定し、請負契約や委託事業に関わる労働者が生活できる賃金を保障すること。
④ 自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進にあたっては、「地方自治の本旨」(憲法第92条)に基づき、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)ことを原則とすること。また、推進にあたってはそれぞれの業務を担当する職員や市民の意見が適切に反映さえる体制を整え、新たに情報システムを自治体の業務に導入する際には、職員がシステムをチェックでき、市民に行政責任を果たさせる体制を確保すること。
⑤ 国はマイナンバーカードに健康保険証や運転免許証、国税、年金などの情報をひも付けしようとしているが、相次ぐ個人情報の漏洩が問題となり、多くの国民が個人情報の提供に不安を感じている。国民監視の強化や個人情報の漏洩につながるマイナンバーカードのひも付けはやめるよう国に求めること。

以上

2021年9月議会:上原秀樹 一般会計決算 本会議討論

2021年9月議会 一般会計決算 本会議討論

2021年10月6日
日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、報告第8号「令和2年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場から討論をします。

 2020年度の国民の暮らしをめぐる情勢は、コロナ禍で、格差拡大が深刻になったことです。2020年度全国の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業の内部留保は466.8兆円となり、前年度から7.1兆円増額し、過去最高額を更新しました。19年度比で株主への配当は11%の大幅増、役員報酬も0.5%増と大企業、富裕層はもうけを膨らませました。一方で労働者の賃金は1.2%減り、コロナ危機は非正規労働者、特に女性と若者に大きな犠牲を負わせています。この1年余、非正規雇用労働者はコロナ以前に比べて月平均92万人減少し、うち61万人が女性です。

 2020年度は、このような状況の中で、新型コロナウイルス感染から市民の命とくらし守る施策が求められました。以下、その問題点についてです。

 第1に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。

 伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策関連経費は、243億3,597万円で、そのうち地方創生臨時交付金対象事業は21億7,056万円となり、感染拡大防止や生活や雇用の維持と事業の継続支援、地域経済の活性化、社会的な環境の整備・新しい暮らしのスタイルの確立などの事業を行ってきました。

 これらの事業は感染症対策として一定の効果を上げることはできたと思いますが、安倍・管政権による極めて不十分なコロナ対策のために、伊丹市独自の対策が求められました。

 感染防止事業に関しては、20年度、党議員団は一貫して、病院や診療所などの医療機関、介護・福祉施設、保育園・幼稚園、学校、児童くらぶなど、クラスターが発生すれば多大な影響が出る施設等で定期的なPCR検査を行うこと、感染急増地となるリスクのあるところに対し、無症状の感染者を把握・保護するための「面の検査」を行うことなどを求めてきました。途中から一定の検査は広がりましたが、安倍・管政権が「医療崩壊を招く」という非科学的な知見によってPCR検査を抑制し、世界で人口当たりの検査数が144番目という最悪の事態になる中で、無症状の感染者が感染を広げました。この中で、検査拡大を国に求めるとともに、市独自の検査体制を県とも共同して行い、感染防止をすることを求めましたが、国も県も伊丹市も極めて不十分に終わっています。

 さらに、新型コロナウイルスの影響で中小企業・商店に深刻な事態が広がる中、これらの実態を調査し、必要な対策をとるべきと主張しました。自粛と補償を一体化すべきところを国が持続化給付金と家賃補助を1回きりで終わる中、伊丹市独自に行ってきた支援策、上下水道料金の基本料金免除、事業者への家賃補助、ひとり親世帯への支援などには評価しながらも、再度これらの事業を行うこと、特に中小零細企業・業者に対する資金援助として「年越し給付金」の創設を要求しましたが、実現されませんでした。一方、市立伊丹病院事業と市交通事業に対する財政支援に対しては評価をします。

 9月末で緊急事態宣言は解除されましたが、いつ第6波の波が押し寄せてくるか不安な状況が続きます。コロナ感染第5波では、デルタ型などの変異株の感染力が強く、自宅療養中に家族全員が感染する事例や基礎疾患の有無にかかわらず30代から40代でも重症化する例、小中、高校生にも広がるとともに、自宅療養中に自宅で死亡する事例も相次ぐという深刻な事態となりました。このことを教訓に、第6波を起こさない対策と備えをすることが必要です。入院・宿泊療養調整中の自宅待機や自宅療養中、福祉施設の留め置きで家族や施設内で感染を広げることや、医療が間に合わず命を落とすことは絶対に避けなければならないことや保健所の業務が追い付かず、感染者の症状の把握や濃厚接触者の特定に支障をきたしており、これらに対する早急な対策が必要です。岸田自公政権に強く求めていただきたいと思います。

 そこで次の点を要望します。

  感染力が非常に強く、ワクチン接種者でも感染するデルタ株が主流になるもと、ワクチン接種一本やりでは新型コロナ感染症の抑え込みはできないことは、国内外の事実が示しています。とくに新規感染が減少傾向となり、検査のキャパシティーに余裕が生まれている今こそ、陽性者の周辺への迅速な行政検査を幅広く行うとともに、無症状者への大規模検査を行うことがいよいよ重要となっています。「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」の立場で、大規模検査の具体化をはかり実施することを強く国に求めていただきたいと思います。

 具体的には、無症状の感染者を早期に把握するうえで大切な取り組みである、企業、大学、商店会などで、自主的な大規模検査が行えるように、国が補助金を出して強力に支援すること、また、子どもの感染、家庭内感染への対策が求められており、学校や幼稚園、保育園、会社などを通して、検査キットを家庭に配布し、体調に変化を感じたらすぐに自主的な検査を行うことができるようにすること、自主的検査で陽性が判明した場合、医療機関での検査は無料とし確定診断へつなげることです。

 さらに、陽性となった時、安心して休める保障が必要です。無症状でも2週間の自宅待機が必要となるため、既存の傷病手当などの制度では不十分で、傷病手当をコロナ特例として、賃金の8割保障とすること、自営業者など対象外となる人には、国の休業支援金の対象とするなど、所得保障を行うこと、児童・生徒が学校を休まざるを得ない場合の対策など、国に対して要望をしていただくとともに、伊丹市としても独自の対策を講じることを求めます。
また、中小零細事業者にとってはコロナ禍で体力が弱体化しており、そのための支援が必要です。伊丹市は9月追加補正で一定の支援策を講じられることは評価しますが、今後年末に向けて新たな支援が必要になると考えます。商工会議所と共同して業者の要求を把握され、必要な対策を取られることを求めます。

 第2に、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編を決めたことです。

 問題の一つは、統合再編によって病床数を200床削減する問題、二つには、市内南部から総合病院がなくなること、三つには、今回の新型コロナウイルスへの対応を考えた場合、感染症対策に緊急を要する事態に公立・公的病院が果たす役割は大きく、公的総合病院が一つなくなることで十分な対応できなくなる可能性があることです。一方、新病院の運営形態を伊丹市の直営として公営企業法の全部適用としたことや、近畿中央病院の跡地への民間病院の誘致や公共交通機関による新病院への交通アクセス等、一定市民の要求を取り入れた検討がされていることには評価します。

 コロナ禍で医療崩壊を招いた原因は、安倍・管政権が公立・公的病院の統合再編で病床数削減を進め、医師・看護師数を抑制してきたことにあります。この事態を教訓に、命を大切にするため医療、保健体制の充実を国に求めていただきたいと思います。

 伊丹市における病院統合再編に関しては、今後、特に近畿中央病院の跡地に、回復期機能を有し地域住民が必要とする医療機関を、医療空白を生じない形で誘致するために、県の財政支援も求め、力を尽くしていただくことを求めるものです。

 第3に、伊丹市市営住宅等整備計画において、伊丹市の市営住宅の目標管理戸数を約200戸減らし、1,700戸としたことです。

 その目標管理戸数の算出方法は、月額所得8万円という著しい困窮年収未満の世帯を収入基準としたもので、このような低い所得基準を基礎に必要な目標管理戸数を推計することでは、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅の役割を果たすこととはできません。また、市営住宅の建て替えをしないことも大きな問題です。 伊丹市は、公営住宅法第1条に書かれている「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」する責任があり、一部の住宅にエレベーターを設置されていることは評価しますが、今後、市営住宅建て替えも含めて、若年者から高齢者まで、必要な人が入居しやすい住宅への改良や民間住宅の家賃補助制度の創設等を求めるものです。

 第4に、職員の人事評価です。

 公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第5に、教育の分野では、全国学力テストの問題です。

 20年度はコロナウイルス感染拡大で中止され、伊丹市独自の取り組みとされました。しかし、自己採点を行い、本市の学力の実態把握・分析、各校の学力向上プランに基づいた取り組みの進捗を管理するなど、相変わらず学力テスト中心の教育と言わざるをえません。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて中止を含めた検討を求めます。

 次に今までで述べたこと以外に評価する主な点です。

 一つは、保育所待機児童解消に向けて、定員96人分の民間保育所整備を支援するともに、民間保育事業者の保育士確保のための支援されたことです。

 二つには、妊娠出産包括支援事業によって、産前産後のサポートが受けられない妊産婦の不安や負担軽減を図る事業を行ったことです。

 三つには、パートナーシップ宣誓制度を創設されたことです。

 四つには、かねてから要望していました合葬式墓地を整備されたことです。

 最後に、今後取り組むべき要望事項について述べます。

 第1に、市立演劇ホールについてです。

 演劇ホールが果たしている役割は、代表質問の答弁でも言われたとおり、学校へ出向いてのアウトリーチ事業や演劇ワークショップなどに取り組み、「文化芸術が身近にあるまち」に大きく貢献するとともに、教育的にも大きな役割を果たしてきたこと、また、専門的かつ独自性の高い演劇・コンテンポラリーダンス事業を展開し、「地域創造大賞」や「文化庁芸術優秀賞」の受賞をはじめ、各方面からも高い評価を得ていること、そのことが「伊丹ブランドの構築」という側面でも本市の知名度アップなどには繋がっていることにあります。さらに、演劇ホールは建物や設備の特殊性が高く、他市の同等施設が存在しないという答弁の通り、近隣にはない貴重な施設でもあります。

 したがって、伊丹市として財政負担軽減の方策を検討し、広域的な役割を果たしていることから県への財政支援を求め、存続の方向で検討することを求めます。

 具体的な問題の一つは、現在行われているアンケートの扱いです。代表質問でも言及しましたが、アンケートに市民が答えるにあたって十分な知識がないままであったことから、あくまでもその時点での参考資料と認識し、今後の議論に生かしていただきたいと思います。

 二つには、市民と演劇関係者、専門家などを交えた熟議の場を設定することです。劇関係者のみなさんが、市民理解を求める場は独自に設定することはできますが、行政も入ってそれぞれの考え方を聞き、お互いの考えを理解する場が必要と考えます。開催されようとしている説明会の場にも、演劇関係者を呼ぶべきと考えますので、検討を求めます。

 第2に、気候危機を打開する対策についてです。

 日本共産党は、9月1日、「気候危機打開のための日本共産党の2030戦略」を発表しました。今、異常な豪雨、台風など気候危機というべき非常事態が起こっており、二酸化炭素削減への思い切った緊急行動が求められています。日本共産党は、省エネでエネルギー消費を40%削減し、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなえば、CO²を2030年までに10年比50%から60%削減は可能としました。

 伊丹市としても、次期伊丹市地球温暖化対策推進実行計画の策定等によってCO²の削減目標・計画を策定される予定ですが、「ゼロカーボンシティ宣言」とともに、積極的なCO²削減目標と具体的な計画を策定されることを求めます。

 第3に、ジェンダー平等の実現についてです。

 日本は、各国の男女平等の達成度を示す「ジェンダーギャップ指数2021」で、156カ国中120位と、先進国として異常な低位を続けています。1979年の女性差別撤廃条約の採択から42年、日本政府は1985年にこれを批准しながら、いま大きな問題になっている「男女賃金格差の縮小」も「選択的夫婦別姓への法改正」も、繰り返し国連の女性差別撤廃委員会から是正勧告を受けてきたにもかかわらず、解決できないままです。市長としても国に対してこれらの実現を求めていただきたいと思います。

 伊丹市として具体的に取り組むべき一つに、あらゆる分野で、計画、条例、政策などをジェンダーの視点でとらえ直し、「ジェンダー主流化」を合言葉に、根強く残る男女格差の解消を進め、すべての人の人権を支える仕組みをつくることです。そのためにも、審議会や各種団体、地域などあらゆる場面で女性の参画を進めることが求められています。意思決定の場に女性を増やすために、審議会への女性の参加目標40%を早期に実現し、50%を目指すことを求めます。

 その他、本会議、委員会で多くの要望をしましたが、今後の補正予算や来年度予算の中で実現されますことを求めておきます。

 以上、報告第8号「令和2年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場からの討論とします。
 

第5回臨時議会 上原秀樹議員: 職員等の期末手当等の減額に反対しました

 11月25日、伊丹市議会第5回臨時議会が開催され、職員等の給与(期末手当等)を減額する条例改正案が提出され、党議員団は本会議、委員会での質疑を経て、反対しました。

 以下、本会議質疑(答弁も)と委員会、本会議での討論の内容です。

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2020年11月臨時議会 本会議議案質疑(2020.11.25)

日本共産党議員団 上原秀樹

議案第121号 一般職の職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定に対する質疑

 日本共産党議員団を代表しまして、提案されました議案のうち、議案第121号 一般職の職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定に対して質疑を行います。

 本条例改正は、一般職の職員の12月期の期末手当の支給割合を、現行1.3月分を1.25月分に改訂し、来年度以降の6月期及び12月期の支給割合をそれぞれ1.275月分に改訂することで、年間0.05月分を引き下げようとするものです。市長等及び議員の期末手当も同様の引き下げとするものです。

 この改定は、説明での「本年度の国及び近隣他都市における給与改定の状況を考慮し」とされているとおり、国の人事院勧告に従ったものです。

 そこで、以下の点をお聞きします。

 第1に、国の人事院勧告に対する考え方をお聞きします。人事院勧告によりますと、本年度は、新型コロナウイルス感染の拡大に考慮し、調査の時期を遅らせたとされ、その調査によると、民間事業所における昨年8月から本年7月までの直近1年間の支給割合が、国家公務員の支給月数を下回ったことから、年間4.45月分に引き下げたとされています。今年の夏季一時金の状況は、新型コロナウイルス感染の影響で、民間企業では昨年比2.04%の減額となったことや、3割の医療機関で一時金が減額されています。新型コロナウイルス感染拡大という事業所や働く人の困難な状況はどう考慮されて、人事院勧告がその結論を得たとお考えでしょうか。

 また、人事院総裁談話では、新型コロナウイルス感染対策等の中、公務員が国民の安全・安心を確保するために日々全力で職務に邁進していることに敬意を表しています。厳しい勤務環境の中で頑張っておられる公務員に対して、敬意を表する一方で、一時金を減額することに対して、どのようにお考えでしょうか。

答弁 コロナ感染症拡大による経済への影響について言及はあるものの、勧告は、あくまでも官民の給与の比較に基づくもの。
 また、コロナウイルスで対応で職員が力を尽くす中、期末手当の減額に心情面で様々なとらえ方はあるものの、あくまでも人事院勧告を踏まえた改定が必要。

 第2に、昨年、一昨年の給与改定では、市長等及び議員を除いて、いずれも勤勉手当のみの改定で、0.05月分が増額されています。これは、過去6年間とも勤勉手当の増額改定です。今回の減額を期末手当の支給割合の改定にしたのは、どんな理由があるのでしょうか。

答弁 民間における効果査定分、すなわち公務員における勤勉手当相当分が、民間の方が高くなっていることから、これに近づけるべく引き下げ分を期末手当に反映した。

 第3に、コロナ禍で公務員の賃金水準を下げれば、地域の事業所における賃金引下げにも影響が及ぶことにもなります。また、今回の引き下げはコロナ禍で疲弊している地域経済へも影響すると危惧しますが、その影響をどうお考えでしょうか。

答弁 地域経済への影響に関しては、今回改定によって年間平均2万1千円、0.3%の減額であり、その影響については推し量ることはできない。

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2020年11月臨時議会 委員会・本会議討論(2020.11.25)

日本共産党伊丹市議会議員団

議案第121号 一般職の職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定に対する反対討論

 日本共産党議員団を代表しまして、議案第121号 一般職の職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定に対して反対の立場から討論を行います。

 本条例改正は、一般職の職員の12月期の期末手当の支給割合を、現行1.3月分を1.25月分に改訂し、来年度以降の6月期及び12月期の支給割合をそれぞれ1.275月分に改訂することで、年間0.05月分を引き下げようとするものです。市長等及び議員の期末手当も同様の引き下げとするものです。

 問題の第1は、国の人事院勧告では、民間事業所における昨年8月から本年7月までの直近1年間の支給割合が、国家公務員の支給月数を下回ったことから、年間4.45月分に引き下げたとされています。しかし、今年の夏季一時金の状況は、新型コロナウイルス感染の影響で、民間企業や医療機関では一時金が減額されており、新型コロナウイルス感染拡大という事業所や働く人の困難な状況が考慮されたとは言えません。

 また、新型コロナウイルス感染対策等の中、公務員が国民の安全・安心を確保するために日々全力で職務に邁進し、厳しい勤務環境の中で頑張っておられる公務員 の一時金を減額することには理解できません。

 第2に、過去6年間とも勤勉手当の増額改定でありながら、今回の減額を期末手当の支給割合の改定にしたことは、成績主義的な性格を持つ勤勉手当の割合を高め、そのことによって一時金の生活給としての性格を薄めることで、今後、成績主義を強化することにつながりかねません。

 第3に、コロナ禍で公務員の賃金水準を下げれば、地域の事業所における賃金引下げにも影響が及び、コロナ禍で疲弊している地域経済へも影響することにもなります。

 よって、本議案における第3条から第6条、すなわち市長等及び議員に関する改定には賛成するものの、一般職の職員等の期末手当等の引き下げには反対であり、本議案に反対とするものです。

日本共産党伊丹市議団ニュース370号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース370号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース370号(表面)

日本共産党伊丹市議団ニュース370号(裏面)

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9月議会終わる

9月議会が10月5日閉会しました。
コロナ過の中にも拘わらず熱心な市民の傍聴(ネット含)で、熱のこもった議論が展開されました。各議案に対する議員団の態度をまとめて報告します。

上原秀樹:2020年9月議会 代表質問

2020年9月議会 代表質問

2020年9月16日
日本共産党議員団 上原秀樹

1.市民をめぐる情勢について市長に問う

○2019年10月に消費税が10%に増税…半年間ではあるが市民に与えた影響

・当初予算での議論の中では、安倍政権の消費税率引き上げの根拠としていた当時の実質賃金が実際にはマイナス0.5%であったのを、不正調査によってかさ上げされていたこと、実質家計消費支出が5年間で年額約25万円も落ち込んでいたことを上げて、消費税10%への増税は市民の暮らしが一層悪化することが予測されると指摘しました。

 第6次総合計画への質疑に対し、国が消費税増税の家計への影響の緩和策として様々な手立てを講じた旨の答弁がありました。しかし、実際には10%増税後、実質GDPは3期連続のマイナス、20年4月から6月期は前期比7.9%減、年率換算で28.1%の下落を記録、個人消費は前期比8.2%の減、年率28.9%減と劇的に落ち込みました。

・そこで、伊丹市民の家計消費支出の推移、年収200万円以下のワーキングプアといわれる人の人数の推移、雇用情勢における有効求人倍率とその中での正規・非正規の割合の推移はどうなっているのかお聞きします。そしてこれらのことから市民の暮らし・雇用状況をどう認識されているのかお聞きします。

・また、2019年度の市民・法人の所得状況は今年度に反映されます。今年度の予算では、個人市民税は納税者の増によって前年度予算対比で5千万円増とされているが、給与所得は0.31%のマイナスとされていました。2019年度の市民の暮らしを、今年度の個人市民税・法人市民税の決算見込みから推測して、どのような認識をお持ちか、お聞きします。

○コロナ危機が明らかにした日本の社会保障の脆弱さについて

 日本国内で新型コロナウイルスの患者が急増した4から5月、首都圏や近畿の大都市圏、北海道等では病床がひっ迫し、「医療崩壊の瀬戸際」という訴えが現場から相次ぎました。日本医師会は4月1日、「医療危機的状況宣言」を発表するに至っています。なぜこのような状態になったのでしょうか。

 一つは、患者数の急増に病床、医師、看護師が追い付かない医療体制の脆弱さがあります。日本のICU(集中治療室)は、人口10万人当たり5床で、ドイツの6分の1、イタリアの半分以下。日本の医師数は、人口1000人当たり2.4人、OECD加盟国36カ国中32位で、OECD平均より14万人も少ない状況です。看護師も同様の低水準です。医師や看護師等医療従事者は、薄い医療体制を支えるために異常な長時間・過密労働に従事せざるをえません。このような慢性的な人手不足の現場に、新型感染症という特別に配置しなければならない医師・看護師を必要としたために、医療体制がパンク状態に陥ってしまいました。

 もう一つは財政的な脆弱さがあります。もともと日本の医療機関は、この20年間、診療報酬の本体・薬価を合わせて12.67%マイナスとなり、このことが公立・公的病院でも赤字か収支差なしが当たり前の状態となっています。そこに新型コロナが襲いかかり、一気に巨額の減収を押し付けられたことで、各地の病院が倒産の危機に瀕することになりました。

 さらに、新型コロナ下では、PCR検査をすぐに受けられない状態が起る中で、普段その存在を意識していなかった保健所体制の脆弱さも明るみに出ました。この間、「帰国者・接触者相談センター」の業務を担うことになり、国民の命を守るために連日、過酷な業務に従事されています。これも、1990年代からの「業務効率化」と2000年代からの「地方分権改革」によって、2019年には、1990年対比で保健所数を850か所から472か所に、職員数も3.5、万人から2.8万に削減したことが原因です。

 このように、コロナ危機で露呈した日本の医療・社会保障の弱体化を引き起こした原因は、歴代政権がとってきた社会保障削減路線にあり、その路線の根底にあるのが新自由主義の政策体系です。すなわち、すべてを市場に委ねて規制を取り払い、資本の目先の利潤を最大化するとともに、「小さな政府」「官から民へ」の名によって公的サービスを縮小し、国民に自己負担を押し付ける考え方です。

 この新自由主義といわれる考え方、政策に対して、幅広い政党、団体、個人からその転換を求める声が相次いでいます。コロナ危機は、人はだれしも、他者によるケアなしには尊厳ある生活は送れないということが明らかになったことから、日本共産党は医療・介護・障がい福祉・保育など、命を守るケアに手厚い社会をつくるという提案をしました。医療・介護・障がい福祉・保育などに従事する人に、社会的役割にふさわしい労働条件・処遇を保障する、今後起こりうる危機的状況にも対応できる、余裕を持った体制・予算を確保する、患者や利用者が必要なケアを安心して受けられる、充実した給付制度を整えるなど、社会保障・ケアを抜本的に強化する改革が求められているという内容です。

 市長は、市内だけに関わらず、全国的な状況を見て、どのような認識をお持ちでしょうか、お聞きします。

2.新型コロナウイルス感染対策について

○PCR検査等の検査体制の拡充について

 日本共産党は、新規感染者が減少しているといわれる時期にこそ、PCR検査を増やし、無症状の感染者の把握・保護を含め、感染拡大を抑え込むための積極的な対応を行うべきだと提起してきました。8月28日に政府の対策本部が、感染流行地域での「医療、高齢者施設などへの一斉・定期的な検査」「地域の関係者の幅広い検査」について、都道府県などへ「実施を要請する」と決定したことは一定の前進です。

 党議員団も、この問題では何度も検査体制の充実を要求してきました。6月議会でも、保健所を通さずに、医師の判断でPCR検査等ができるように検査体制の充実を求めました。答弁では、兵庫県が設置する「地域外来・検査センター」の設置に関して、伊丹市医師会と協議を進めていくとされ、協議を進める課題として、「医療従事者の確保」や「個人防護服などの医療に係る物資」、「場所の確保」、「運営体制の整備」などがあるとされました。

・協議がされるということは、前向きに市内に「検査センター」を設置する方向であると理解していますが、現在の「地域外来・検査センター」設置の進捗状況をお聞きします。

・設置できることを前提にお聞きしますが、「検査センター」の場合、医師の判断で検査が可能になると理解しています。では、1日の検査件数は何件を見込まれるのか、どのくらいの期間で結果が出されるのか、お聞きします。

・さらに6月議会では、院内・施設内感染を防止するために、医療、介護、障がい福祉の現場での検査体制の拡充を要望しました。このことは、無症状の感染者の把握・保護を含め、感染拡大を抑え込むための有効な手段といえます。「検査センター」の設置からさらに進んで、今後、医療、学校、保育所、福祉施設等すべての人に定期的に検査ができる体制が必要と考えますが、見解をお聞きします。

3.コロナ時代の災害避難

 伊丹市において懸念される大災害といえば、今後30年以内に発生する確率が70から80%とされる南海トラフ地震と最近頻繁に起こる豪雨災害です。特に近年発生する異常気象による集中豪雨は、全国で大きな被害をもたらしており、2つの大きな河川が存在する伊丹市でも他人ごとではありません。伊丹市洪水ハザードマップが作成されましたが、猪名川流域では9時間総雨量380㎜、武庫川流域では24時間総雨量511㎜を浸水想定の降雨条件とされています。全国での近年の雨量を見れば、伊丹市においても、いつでもありうる災害です。そこで、次の点をお聞きします。

○伊丹での避難所運営マニュアルの改正に関して

 新型コロナウイルスがいつ収束するか不明な時、感染に十分配慮しなければなりません。避難所で余裕のある快適な空間が用意されることは稀であり、多くの人で込み合うことが予想されます。

・当然、地域に住む感染の疑いがあり自宅待機している人、感染者も避難することを前提にしなければなりません。そうなると、避難開始と同時に、居住区域を自宅待機の軽度の感染者、経過観察者、健常者の区分が必要となります。可能な限り備品等の供用を避けて、分割管理することも考えなければなりません。そうするためには、受付でのトリアージが必要となります。福祉的な対応が必要な人や病弱の人は、その後別の避難所に移動することになりますが、初期段階ではこのようなことも必要です。この点に関して、どのような避難所開設になっているのでしょうか。

・要援護者を中心に避難所以外の公共施設等の利用や福祉避難所の活用をすることになっていますが、重度障がい者や介護度3以上の人たちは十分福祉避難所に避難できるのか、総じて福祉避難所が必要な人数とその人たちが避難する場所は確保されているのか、コロナ感染者の避難場所は確保されているのか、具体的にお聞きします。

・避難所の開設は職員と施設管理者によって開設されることになっていますが、避難所の運営は避難者自身による運営とされています。避難所運営委員会の設置はどのようにして行われるのでしょうか。

 小学校区単位での地域ではHAGU訓練を1度経験しました。しかし、事前の打ち合わせもなく、さまざまな条件の避難者が次々と押し寄せてこられ、どこにその人たちを振り分けるのか判断せざるをえません。わけのわからないまま終わったというのが多くの参加者の感想でした。この訓練の教訓をどうくみ取っておられるのでしょうか。今後避難所訓練はどうあるべきとお考えでしょうか、お聞きします。

○避難行動要支援者支援制度の運用、活用状況について

 伊丹市は、避難行動要支援者支援制度をつくっています。この制度は、小学校区の自治組織や自治会等と協定を締結することで、あらかじめ一定の条件で作成された名簿に基づき、名簿提供の意思が確認された人の名簿だけを地域等の避難支援関係者に提供し、平常時の見守りや災害時の安否確認・避難支援などを行うとともに、個人ごとの避難支援計画(個別計画)の策定に努めるというものです。

・現在どのくらいの組織で協定が締結され、どのような活用がされているのでしょうか。また、高齢者、障がい者等の要支援者の避難を支援するうえでは、福祉・防災・地域の連携が欠かせません。これらとの連携をどのようにして図ろうとされているのでしょうか。

・福祉と防災を連結を実践している例として別府市の「別府モデル」といわれる制度があります。ケアマネージャーや相談支援専門員が有償で、平時の「ケアプラン」と同時に「災害時ケアプラン」を作成し、地域の防災訓練で検証・改善していく方法です。これによって、地域の人たちが、どこに要支援者が住んでいて、何をすれば命を救うことができるのか知ることができるようになったとのことです。

 この「別府モデル」に関してどうお考えでしょうか、お聞きします。

・一方、「災害時要援護者避難支援制度」という制度も存在します。この制度も、要援護者の安否確認や初期避難について地域住民が助け合う制度で、2人の協力者を配置し、要援護者とともに協力者、自治会長に「緊急告知FMラジオ」が無償貸与されています。しかしこの制度は有名無実化しています。「緊急告知FMラジオ」は充電式のため停電となってもFM伊丹の放送を聞くことができます。しかし、充電池も古くなり、停電したのち、すくに電源が切れてしまいます。この制度は今後どうされるのでしょうか。

 「緊急告知FMラジオ」は大変貴重なラジオで、緊急時に自動で電源が入り、停電後の情報手段として活用できます。情報手段のない高齢者等にとっては使い勝手の良いもので、ある地域代表が集まる会合で、このラジオを必要な人に貸与したらどうかという意見が出ていました。「緊急告知FMラジオ」はどうなるのでしょうか、お聞きします。

4.コロナ下での学校生活と学習について

 6月議会では、学校園の再開後の対応について、「学習の遅れと格差にどう対応するか」「子どもたちの不安やストレスにどう対応するか」「学校行事の中止、縮小をどう考える」について質問しました。その後短縮された夏季休業を経て、9月1日から2学期が開始されています。
 分散登校の中で実感された少人数学級の必要性については、第6次総合計画の質疑でも触れました。教育委員会としても国と県に要望されるとともに、伊丹市でも少人数教育とともに少人数学級実現に力を尽くしていただきたいと思います。

・「学習の遅れと格差にどう対応するか」についてですが、6月議会での答弁は①夏休みの短縮による授業②アンケート結果により学習意欲が低いとした場合は興味関心を引きさす工夫をする③新たに学習指導員を配置し、少人数指導などきめ細かな指導をするとされました。その後、これらを実践された評価をどのようにされているのでしょうか、お聞きします。

・学習の遅れと格差、ストレスが懸念される中で、伊丹市教育委員会は「全国学力テスト」を行うとされました。兵庫県では伊丹だけです。さっそく教職員組合が中止を申し入れるとともに、私たちも他の会派と共同で中止を申し入れました。教育長は「必ずしもテストを行うことを押し付けるものではない」旨の発言があり、その後学校の職員会議等で話し合いが進められたとお聞きしています。結果はどうなったのでしょうか。また、教育長は調査・活用をするという判断は正しかったとお考えなのでしょうか、お聞きします。

・「子どもたちの不安やストレスにどう対応するか」については、全児童生徒にストレスチェックをしている途中であり、その結果を経て、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどとの連携で心のケアに努めるとされました。そのストレスチェックの結果とその対応についてお聞きします。

5.病院統合再編について

 市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編に関しては、2019年度末に「基本方針」を策定され、この2つの病院を統合し、2つの稼働病床800床を600床に削減、3次救急医療機能を有する「救急センター」を整備するなどの高度医療の提供可能な基幹病院とするなどを決めました。そして4月1日、公立学校共済組合と「基本協定書」を締結されました。

 党議員団として、2つの病院の統合再編に反対するとともに、統合されたとしても現在の稼働病床数は減らすべきではないとして、近畿中央病院の跡地に200床の入院施設と外来機能を持つ医療機関を設置、もしくは誘致することを求めてきました。

 「基本方針」での「回復期機能を有する医療機関の誘致等必要な病床機能の確保に努めること」とともに、「基本協定書」での「近畿中央病院跡地の活用について地域医療に配慮しながら検討する」との確認によって、伊丹市は、近畿中央病院の跡地に回復期等の入院施設を有する医療機関を誘致するために努力するということが確認できます。

・新型コロナウイルス感染が広がり、今後も新たなウイルスが予測される中、今でもぎりぎりの医療機能をこれ以上縮小することは、ウイルス対策をより困難にしてしまいます。200床の病床の空白をできる限りつくらない方法を検討しなければならないと考えます。そこで、現在、近畿中央病院の跡地に病院を誘致することについてどの程度検討されているのでしょうか、お聞きします。

○厚労省によって地域医療構想実現に向けた重点支援区域に選定されたことについて

 厚生労働省は、8月25日、地域医療構想の実現に向けた重点支援区域の2回目の選定を行い、兵庫県では川西とともに伊丹市の2か所が選定されました。これによって、国による助言や集中的な支援を行うとされ、その内容は「技術的支援」と「財政的支援」となっています。国によるなりふり構わずに公立・公的病院の統合とベッド数削減を進める手段ではありますが、その支援内容はどのようなものなのか、今後伊丹市の新病院建設にどんな影響があるのか、お聞きします。

(2回目の発言趣旨)

1.市民をめぐる情勢について市長に問う

消費税10%増税後の市民の暮らしの状況についてお聞きした。

・答弁では、給与収入は予測に比べて若干の変動はあったが、非正規労働者の増のためマイナス0.29%で、コロナ前から依然として厳しい雇用状況にあり、コロナ禍のもとで派遣社員などの非正規労働者の解雇等が急増したことを見れば、市民の中でも生活がより困難になっていることがうかがえる。

・家計消費も消費税増税により激変し、さらにコロナ禍で大幅な減少。このことは事業されている人に大きなマイナス影響を与えている。

・年収200万円以下のワーキングプアといわれる人の人数の推移に関しては、答弁いただいた。2019年の労働力調査によれば、200万円未満の人は1,874万人、33%を占めていると。さらにその調査によれば、非正規が2,165万人、全体の38%。そそのうち女性では、200万円未満が1,382万人で全体の24.4%、ワーキングプア層の75.9%を占め、女性の非正規が1,475万人、全体の26%となっている。働いている人の3分の1がワーキンプア層とみられ、非正規労働者が4割近くを占め、その多くを女性が占めているという現実が明らかになっている。

 一方では、資本金10億円以上の大企業は、設備投資を控え、正規従業者を非正規に変えることで人件費を抑えるとともに、大企業に対する減税政策もあり、空前の内部留保資金を形成するに至っている。

 この事態は、1990年代から始まる新自由主義による労働法制の規制緩和が原因だが、コロナ禍の中で、多くの働く人たちを危機の中で脆弱な立場に追いやっているもの。新たな政権には、この路線を抜本的に見直し、労働者の権利が守られ、大企業に責任を果たさせる労働のルールをつくることが求められる。

 伊丹市におかれても、この状況を直視し、市民への暮らし支援の充実、労働者の権利の周知・広報と労働相談による救済、ジェンダー平等、中小企業・業者への支援強化等の施策を実施していただきたい。

○日本の社会保障の脆弱さについて

・答弁の通り、「持続可能な社会保障制度の確立」を安倍政権は進めてきたが、その内容は公立・公的病院の統合再編によるベッド数削減、診療報酬削減、医師・看護師不足を招いていることであり、コロナ禍にあっては、PCR検査数が世界で150番目という水準でしかない実態に現れている。社会保障に必要な財源、高齢化等による自然増部分を削減すれば、医療・社会保障は悪くなるのは当たり前で、その影響は市民生活にも、市の財政にも、コロナ感染対策にも現れている。財源削減による持続可能な社会保障制度ではなく、必要な財源を確保した上での医療・社会保障制度の充実を国に求めていただきたい。

2.新型コロナウイルス感染対策について

○PCR検査体制の充実、「地域外来・検査センター」の早期設置を求めた。
・現在もまだ協議中とのこと。宝塚市ではすでに発表され、10月2日から「地域外来・検査センター」がスタートすることになった。兵庫県下でも8ヶ所の「検査センター」を12か所に増やす補正予算が提出されている。内訳をお聞きすると、阪神北圏域に4か所できるとのこと。いずれにしても、PCR検査等の検査体制を充実することが感染拡大を抑え込むための積極的な方策であることから、さらなる拡充を求めていただきたい。

○今回は検査体制の強化についてお聞きしたが、依然として感染が広がり、市民には「3密」を避ける行動を呼びかける中で、市民の暮らしへの支援、事業者支援等が必要。特別交付金をどう使うか。今まで市独自の支援策を講じてこられたが、市民の中から、「上下水道基本料金の免除をもう少し続けてほしい」「国の家賃支援制度は申請しにくい。伊丹の家賃支援をもう一度してほしい」などの声をお聞きしている。また、コロナ禍で経営が困難になっている市立伊丹病院や市バスに対する支援も必要です。伊丹市には財政調整基金が「そこそこ」あるとともに、必要なら国に対して更なる特別交付金の上乗せを求めるなどによって、コロナ禍からくらしと事業者を守る施策を積極的に推進されることを求める。

3.コロナ時代における災害時の避難

○避難所運営マニュアルについて

・地震にしても洪水にしてもいつどんな規模で起こるかわからない。自身は突然のこと、洪水は一定避難を誘導する余地はあるにせよ、いずれにしても、きちんとした避難誘導や避難所のあり方については計画と現地における計画の検証、訓練は欠かせない。

①阪神淡路大震災の時にも経験したが、一度にたくさんの人が避難してくることから、避難所における簡単なチェック等による受付の分離や保健師や看護師による健康相談などにおける人員の配置は十分可能となっているのか。

②避難所における体調不良の人の専用の受付動線、専用スペースの確保はすでに現地での検証はされているのか。

③発熱・咳等の症状がある人や濃厚接触者専用の避難所は確保されるのか。

④福祉避難室への誘導、二次避難所としての福祉避難所への移送に関しては、対象者は高齢者や障がい者等ではあるが、その場所に誘導、移送する場合、だれが対象者の選別を行うのか、公平性は担保されるのか。

○福祉避難室、福祉避難所について
・対象者は、高齢者や障がい者、乳幼児、妊産婦、傷病者、内部障がい者、難病患者など、一般避難所での生活が困難な人とその家族が対象。

①福祉と防災の連携によって、福祉避難所に避難しなければならない対象者を、できる限り掌握し、その対象者に見合う福祉避難所を確保することだが、どうなっているのか。

②福祉避難所における避難者の相談にあたるか介護員などを基準通り配置できるのかどうか。

避難行動要支援者支援制度について

・「福祉・防災・地域の連携」は必要。要支援者に対して個別計画を作るようにされているが、介護保険の要介護者や障がい者等には専門的な福祉の連携がなければ個別計画は作りづらい。県のモデル事業を実施されているので、この教訓をくみ取り、是非福祉部局と協議され、実施していただきたい。

4.コロナ禍での学校生活と学習について

「学習の遅れと格差にどう対応するか」

・小学校6年生と中学校3年生は、1学期内に計画していた学習を終えることができたこと、今年度中にはそれぞれの学年の学習内容を終えることができると。

・教職員も児童・生徒も大変な努力をされたと思う。一方、「アンケート調査」に書かれえているような、「眠れなかったり、途中で目が覚めたりする」「時々、ぼーっとしてしまう」などと答えた子供が半数以上と。イライラしたり、集中できなかったりすることも、全国の調査でも明らかになっている。「コロナ世代だから仕方がない、では済まされない」といわれたが、コロナ禍での子どもたちは、通常にはない経験をしている…夏休みが短い、学校行事が中止等々、その子どもたちに心のケアを進めながらも学ぶべき単元を終えることや通常通りの学習内容で進めることは、どこかで子どもたちに無理が生じているのではないかと危惧をする。

 コロナ世代といわれる子どもたちにとっては、子どもたちの学力形成を含む育ち全体に深刻な問題を生じさせるのではないかという問題意識がある。

 6月議会でも発言したが、子どもたちをゆったりと受け止めながら、学びとともに、人間関係の形成、遊びや休息をバランスよく保障する、柔軟な教育が必要です。学校行事の可能な範囲での実施も含めて、改めてこの件に関する基本的考え方についてお聞きします。

5.病院統合再編について

○近畿中央病院跡地への新病院の誘致について

・現在のコロナウイルス、今後のウイルス対策から、200床の病床の空白をできる限りつくらない方法を検討していただきたいとの見地から、近畿中央病院の跡地への病院誘致の経過についてお聞きした。公立学校共済組合、伊丹市医師会との協議を進めているとのことだが、どの程度の土地が提供可能なのか、病床の空白をつくらない方法の検討とともに、民間病院への働きかけも同時にしていただくことが必要と考える。

○厚労省によって地域医療構想実現に向けた重点支援区域に選定されたことについて

・もともとこの「重点支援区域」の指定は、地域医療構想調整会議での合意に基づいて申請されたもの。伊丹市の意志。おそらく「財政的支援」が主な目的と見受けられるが、その「財政的支援」は稼働病床数ベースで1割以上の削減を行った病院に対し、削減病床数の逸失利益への補助をするもので、削減数が大きいほど補助金が大きいという制度。国の財政支援によるあからさまなベッド数削減政策。

 従って、この重点支援区域の指定が、国が進める公立・公的病院の統廃合とベッド数削減政策の一環なので、「技術的支援」における影響がどうなるのかは不明だが、詳細が分かり次第議会には報告していただきたい。

日本共産党伊丹市議団ニュース369号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース369号を発行しました

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9月議会 19年度決算に対する代表質問

 上原議員 9月16日(水)午後1時~

一般質問は
 久村議員 9月18日(金)午後3時40分~

上原議員の代表質問(要旨)

1.市民をめぐる情勢について市長に問う
○2019年10月に消費税が10%に増税…半年間ではあるが市民に与えた影響
○コロナ危機が明らかにした日本の社会保障の脆弱さについて

2.新型コロナウイルス感染対策について
○PCR検査等の検査体制の拡充について

3.コロナ時代における災害時の避難
○伊丹市避難所運営マニュアルの改訂に関して
○避難行動要支援者支援制度の運用、活用状況について

4.コロナ禍での学校生活と学習について
○学習の遅れと格差にどう対応するか
○「全国学力テスト」の活用について
○子どもたちの不安やストレスにどう対応するか

5.病院統合再編について
○近畿中央病院の跡地に病院を誘致することについて
○厚生労働省による地域医療構想実現に向けた重点区域に選定されたことについて

久村議員 一般質問 9月18日(金)午後3時40分~

質問要旨

1、生活保護申請は、国民の権利としての認識は浸透しているか。

①総務省の労働調査では、派遣労働者が、16万人も減少していると発表しているが、そのような中で伊丹市での生活保護の申請は、どのような状況か。

②生活保護申請をためらう人がいるが、どのようにとらえているのか。
・今後生活苦になり生活保護が必要な人が、増えるのではないか。
・申請に行っても無理だという声も聞かれたが、窓口の対応はどうか。

③厚生労働省の作成したリーフレットに「生活保護は国民の権利です。ためらわずに自治体までご相談ください」と書かれたことを、伊丹市の「生活保護のしおり」に、どの様に記載するのか。

④「生活保護は権利」の内容を市民へどう周知するのか。

⑤対応する生活支援課の職員を増やす必要があるのではないか。

⑥収入認定等の運用について、正しく理解されているか。

⑦申請書しやすくするために、申請書又は調査書類をすぐに受けとれるよう窓口に置くことが必要ではないか。