日本共産党伊丹市議団ニュース(第422号)

市民のいのちとくらし、営業を守り、
国政での躍進の年に

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議員団ニュース422号1面議員団ニュース422号2面

市民のいのちとくらし、営業を守り、
国政での躍進の年に

 お健やかに新年をお迎えのこととお喜び申し上げます

 昨年は統一地方選・県議選・伊丹市議選において力強いご支援をいただき、ありがとうございました。

 市議選では、2議席を確保しましたが、議席の前進を勝ち取ることができませんでした。ベテランの現職と新人の交代となりましたが、就任早々に発生した天神川堤防決壊災害をはじめ、全力を上げて議会活動に取り組んできました。

 岸田自公政権は、物価高騰に打つ手なしの失政に加え、昨年末に発覚した裏金問題(きっかけは『しんぶん赤旗』日曜版の2022年11月のスクープ)で急速に支持を失い、政権末期状況に陥っています。今年こそ、市民と野党の共同で自公政権を退場させる年にしましょう。

 私たちも、憲法9条を守り、戦争する国づくりストップ、命と暮らしを守るためにみなさんとご一緒にがんばります。来る総選挙で比例2議席絶対確保、さらに3議席以上で「こむら潤」さんを国会に送るために力を尽くします。

 みなさんの変わらぬご支援をお願いします。

 2024年 元旦

日本共産党伊丹市議会議員団
服部 よしひろ
かしば ふみ 

日本共産党伊丹市議団ニュース(第417号)2024年度 基本的・重点要望書を提出

9月議会 最終日 決算討論
来年度予算要望 藤原市長へ提出

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日本共産党伊丹市議団ニュース(第417号)1面

来年度予算要望 藤原市長へ提出

 日本共産党市議会議員団は、2024年度予算編成にあたり、市民の切実な要求をまとめ、市長へ「2024年度予算編成にあたっての基本的・重点要望書」を提出。
市長、教育長、関係部長と懇談しました。

予算要望提出にあたり、はじめに以下の発言を行いました。
 国においても来年度予算における概算要求が出され、今後の予算議会で審議が始まります。その特徴は、大軍拡予算の2年目の予算となりますが、昨年度5.6兆円をはるかに超えた7.7兆円、米軍再編費を含めると8兆円となり、2年間で2.5兆円という以上膨張となっています。その中身は、長射程ミサイルの大量導入が目白押しで、さらに前倒し導入を求めています。自衛隊の「常設統合司令部」を設置し「米インド太平洋軍司令部」の指揮下になる仕組みが概算要求の文書に明記されるなど、憲法無視の大軍拡に突き進んでいます。
 一方で、岸田内閣の支持率は軒並み最低を記録していて、行き詰まりは顕著です。
 今、国民の暮らしは物価高騰の下で大変な状況に陥っています。「失われた30年」というべき長年にわたる経済停滞と暮らしの困難を打ち破る経済改革が必要だとわが党は「経済再生プラン」を発表しています。
 市長には市民の立場から国に対して軍事費より暮らし優先の予算編成を要求するとともに、伊丹市政においては、市民の困難に心を寄せた暮らしを応援する政治が求められています。
 以下、2024年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提案しますので、予算に反映していただきますようお願いします。

1.思い切った物価高騰対策を
・ 子育て世帯、低所得世帯への支援を拡充すること。
・ 高齢者・障がい者・幼児教育等の施設への物価高騰支援を行うこと。
・ コロナ禍による事業の疲弊と物価高騰に加え、インボイス制度の強行によって大きな打撃を受けている中小事業者への支援を充実すること。

2.憲法を生かし、人権を守り、市民が主人公、平和の実現に寄与する伊丹市政を
・ 市内の自衛隊基地の強靭化が進められて、さらに基地周辺の土地取引を制限し、情報管理を強化する土地利用規制法が施行され、伊丹の2つの駐屯地も候補地として指定された。市民への影響が大きいと予想されることから、市として指定を辞退すること。
・ 自衛隊への電子データによる個人情報の提供はやめること。
 少なくとも、住基4情報の提供に対して「除外申し出制度」をつくること。

3.福祉・医療の充実、市民の暮らしを守る対策を
・ 国に対して介護保険制度の大改悪の中止を求めるとともに、介護保険における国庫負担を思い切って増額し、誰でも安心して介護を受けることができる体制と、保険料の軽減を求めること。
・ 国民健康保険税を引き下げるため、国にさらに1兆円の公的負担を求め、均等割り・平等割の廃止で協会けんぽ並みの保険税にすることを国に求めること。
市独自に少子化対策として財政支援を行い、就学前の子どもの均等割りをなくすこと。
・ 子どもの医療費は所得制限なしで高校卒業まで完全無料にすること。
・ 国に対して補聴器購入補助制度をつくることを求めるとともに、伊丹市として助成すること。
  ヒアリングループを公共施設に備え活用を図ること。
・ 障がい者に対する医療費助成制度において、身体障がいの場合は3,4級、療育手帳の場合はB(1)、精神障がいの場合は2級まで対象を拡大すること。
・ 近畿中央病院跡地に、統合新病院オープンまでに回復期病床を含む医療機関を市の責任で誘致すること。

4.すべての子どもの成長発達を支える豊かな教育環境を
・ コロナ禍や社会・家庭環境による困難な子どもへの対策として、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、不登校支援員配置のさらなる増員で、児童・生徒と家庭を支援するとともに、介助員の増員で障がい児の教育を受ける権利を保障すること。
  ICT教育万能の考えにとらわれない、現場の教員の自主性を尊重した活用を図ること。
・ 教育のあらゆる部門で子どもの権利を守ることを宣言し、実行ある施策を推進するとともに子どもの権利擁護のためにも子どもの権利条例を制定すること。また、子ども向けの子どもの権利条約パンフレットを作成されたが、子ども同士、家庭において子どもの権利条約が話し合われる環境をつくり、絶えず充実されること。
・ 小中学校給食を無償化すること、就学援助制度の充実をはかること。

5.中小企業・零細業者への支援を強め、人間らしく暮らせる地域社会と住みよい住環境を
・ コロナ対応の緊急借入で積みあがった中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題になっており、コロナ対応借入分の軽減・免除する仕組みをつくること。
・ 文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場と担い手」への支援を行うとともに、国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化することを国に求めること。アイホールは演劇ホールとして存続すること。
・ 市営住宅は戸数を減らすのではなく、必要な個数を維持し、旧耐震住宅は順次建て替えを行い、バリアフリー化された住みよい住環境を提供すること。また、住民からの修繕要求には積極的に対応すること。また、エレベーターの設置を進めること。
・ 大企業への優遇税制の廃止・縮小や所得税・住民税の最高税率を引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税を5%に減税するよう国に求めること。国民に更なる消費税負担増となるインボイス制度は、直ちに廃止することを国に求めること。

6.自然災害から市民の命を守るとともに、環境を守り、安心・安全の伊丹市を
・ 災害の発生に備え、市民の防災意識啓発に努めるとともに、感染が広がる中での避難対策に関しては、避難所におけるきめ細かな対応(発熱、障がい者、高齢者等)や地域における要支援者の避難誘導等を含めた地域ごとの「防災まちづくり計画」を推進するための支援を行うこと。
・体育館に空調施設整備など避難所の改善を図ること。

7.「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、市が主体となって市民の暮らしを守ること
・ マイナンバーカードに健康保険を紐づけし健康保険証を廃止することを、中止するよう国に求めること。 

 

2023年9月議会:服部よしひろ 2022年度決算に対する反対討論

服部よしひろ画像2023年9月議会 2022年度決算に対する反対討論

 

2023年10月11日
日本共産党議員団 服部よしひろ

 議長の発言許可を得ましたので、私は日本共産党市議会議員団を代表して、報告第8号「2022年度伊丹市一般会計歳入歳出決算の認定」に同意できない立場から討論をいたします。

 2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵略戦争を開始し、現時点でも悲惨な戦闘が繰り広げられています。2022年度は世界が軍事対軍事の対立を激化させ、日本もその一方にくみする方向に大きく傾き、軍事費を突出する中、物価高騰がコロナ禍に追い打ちをかけ、国民の暮らしが大きく圧迫され、さらに生活苦は日々強まっています。
 物価高騰に苦しむ市民の暮らしを守るための市の施策が特に重要だった年度でした。
 市税では、昨年度比で約9億円増の324億円となりました。コロナ関連の軽減措置の終了や家屋の新増築による固定資産税の増加によるもので、市民全体の所得が回復したわけではなく、長引く物価高騰により実質賃金の低下で、市民生活はますます苦しくなっている状況です。
 一方で、国の国庫支出金は、物価高騰への緊急支援や新型コロナ対応の臨時交付金増の一方で、子育て世帯臨時特別給付金の約32億円の減額、非課税世帯向け臨時特別給付金の8億円余りの減額で31億円もの減額となり、長引くコロナ禍で疲弊した市民の暮らしをさらに追い込む形となりました。
 伊丹市の財政調整基金残高は、モーターボート会計からの10億円の繰り入れなどにより、23%増の約72億5千万円となりました。
 このような中で、伊丹市には、国・県と連携するとともに、市独自の財源によって新型コロナウイルス感染から市民の健康と命を守り、コロナ禍で落ち込んだ営業を支援するとともに、物価高騰から市民の暮らしを守る対策が求められました。子どもの医療費完全無料化にはあと2億円、小中学校給食の無償化には8億円あれば可能との答弁もありました。

 本会議や決算分科会等では指摘できなかったことも含め、以下、問題点を述べます。

 第1に、国が施策として推進する「マイナンバーカードの利用促進施策」に対し、市民の個人情報の漏洩の危険に配慮することなく「マイナンバーカード交付円滑化事業」を実施したこと。その結果、マイナンバーの紐付け誤りによる利用者の個人情報を危険にさらす事態も発生するに至っていることです。あらためて、この機会に、マイナンバーカード取得推進とマイナポータルの推進による個人情報漏洩の危険から市民を守る立場に立ち返ること、また、国に対し、マイナンバーカードの廃止を求めるものです。

 第2に、自衛隊への市民の適齢者名簿を電子データで提供することをやめようとしないことです。
 代表質問でも述べましたが、自衛隊法施行令120条の「防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときには、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な…資料の提供を求めることができる」としていますが、自衛隊法の立法者意思を確認できる、唯一の逐条解説書とされる「防衛法」自由国民社(1974年)によれば、「募集事務がスムーズに遂行されるよう、…募集に対する一般の反応、応募者数のだいたいの見通し、応募年齢層の概数などに関する報告及び県政統計等の資料の提供を求め…」と規定しています。ここには個人4情報の提供は規定がありません。市町村長の対応も規定がありません。したがって市町村長には「求め」に答える義務はありません。
 このように適齢者名簿の提供が何らの法的根拠もなく行われているのは明らかであり、個人情報保護法第3条に反し、憲法13条の幸福追求権の侵害にもなりかねない重要な違反行為と言わざるを得ません。このことへの市の認識を問いましたが、従来通りの自衛隊の求めに従順に従い、市民の個人情報を守る立場に立とうとしていません。直ちに名簿提供を停止すべきです。
せめて、申し出により適用除外する制度を制定することをもとめます。

 第3に、学力テストを毎年実施し、教員と児童生徒の負担を増加させていることです。
 その目的は、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の課題を検証、改善して、教育指導の充実や学習状況の改善に役立てるとされています。
 しかし、全国学力テストは、国連・子どもの権利委員会が何度も日本政府に対して、極度に競争的制度とストレスフルな学校環境から子供を開放するよう勧告する一因となっているように、自治体が学校と子供を点数競争に巻き込み、教育をゆがめるものとなっています。学力テストの結果は学力の特定の一部分、教育活動の一側面でしかありません。したがって、毎年悉皆調査をする必要はなく、数年に一度の調査で十分児童生徒の学力や学習状況の傾向を見ることは可能です。
 それを全国学力調査の平均値と比較しての数値を達成目標として、児童と教員を管理することが、「確かな学力、主体的・対話的で深い学び」に通じるのか、毎年繰り返し問い続けていますが、見直されることはありません。その一方で教員の長時間労働に拍車をかけており、働き方改革を推進しても心身の負担は増すばかりではありませんか。毎年行う学力テストの見直しを改めて求めておきます。

 第4に、市営住宅の問題です。市営住宅は、低所得者などの住宅困窮世帯にとってはかけがえのない施設です。伊丹市が住まいの確保に責任を負わなければなりません。しかし、すでに築後50年以上経過した老朽市営住宅は、居住者の人権を損なう段階となっており、耐震化やエレベータ設置などにより部分的に居住性を改善しても限界に達しているといわざるを得ません。
わが党議員団は繰り返し、周辺自治体で進んでいる、老朽化した市営住宅の建て替えと修繕の実施を伊丹市に求めてきました。また、住人の要求であるエレベータ設置を求めてきました。
「住まいは人権」です。市営住宅の建て替えと、エレベータ設置を含む必要な修繕を実施することを決断されるよう、改めて求めておきます。

 第5に、市内南部地域への大規模マンション開発や鴻池地域への大規模物流倉庫建設などが進められ、地域環境の激変を招き、関係住民の住環境を脅かす状況を引き起こしていることです。
 決算委員会での質疑で、浮かび上がったように、地域住民と事業者の紛争解決に、市が定めている中高層建築物に関する指導要綱に基づく市長の調整が正しく機能していないことなどがこの状態を引き起こしているのではないでしょうか。
今日もこの時に、稲野町では次第に高度を増す高層マンションの陰で激しい騒音と振動に静かな日常を奪われ、さわやかな季節なのに窓を開けて外気を入れることもままならず、窓を閉めて騒音に耐えている周辺住民の皆さんが生活をされています。
長年住み続け慣れ親しんだ環境を壊さずに、地域の開発が行われるためには市民の意見要望が設計に組み入れられる仕組みを作らなければならないと思います。引き続き検討を求めます。

 第6に、同和・人権政策についてです。
 問題は、伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針を改定し、同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育、啓発を継続していることです。実態的な差別がほとんどない中で、差別意識を殊さら強調することは、同和問題の真の解決に逆行するものです。
 同和問題に限らず、様々な人権課題が存在しています。市のアンケートでも、最も関心のある人権課題は、女性、高齢者、障害者、子どもが多数を占めており、それぞれに関する人権を保障するための施策は重要な課題となります。
 様々な人権問題に対しては、憲法に規定されている、国をはじめとする公権力が補償すべき自由と人権とは何かなどについて、市民とともに学ぶ機会を持っていただき、多様な個人の尊厳が守られ、人権・民主主義が根付く伊丹市をつくるための学習・啓発をされることをもとめるものです。

次に、評価すべき点について述べます。

 第1に、コロナ禍で疲弊した市民生活支援に国の「地方創生臨時交付金」約15億6千万円に約3億円の自主財源を上積みして支援策を実施したことです。

 第2に、子どもの不登校対策に独自の予算措置を行い、小中学校に「不登校対策指導員」を配置し、個別指導を実施し、児童・生徒と教職員への支援を充実したことです。今年度は小学生への支援員配置が削減され、中学生への配置が廃止されていますが、直ちに復活させることを要望いたします。

 第3に、子どもの医療費無料化を前進させ、所得制限付きで中学卒業までの医療費無料化を実現し、今年度では18歳入院まで所得制限なしの無料化を実現したことです。引き続き18歳までの通院費の無料化まで実現されることを要望します。
第4に、4月時点での待機児のゼロを5年間続けていることです。引き続き年度途中の待機児の解消を実現できるように努力を求めておきます。

次に、今まで述べたこと以外の来年度に向けた要望について述べます。

 第1に、市職員の長時間労働の是正を図ることをもとめます。昨年度は伊丹ミュージアム創設に向けて職員の長時間労働が発生し、労働基準監督署の立ち入り調査を受けることになりましたが、市庁部局における長時間労働はまだ解消に至っていません。DXのみに解決策を求めるのでなく、必要な職員数を確保し、過重労働をなくし、市民に向き合える時間を増やすことをもとめます。

 第2に教員・保育士の過重労働をなくすために、独自加配を行い、長時間労働の解消を図ることをもとめます。

 第3に、生活保護を「生活保障」の観点から充実させることをもとめます。国民の権利として必要な人への受給の促進を図ること。そのために、直接市民の目に留まる大型ポスターなどを使用した積極的な広報を行うことをもとめます。

 第4に、天神川堤防決壊事故を教訓にして、防災・災害予防への取り組み強化を図ることをもとめます。

 第5に、統合新病院の建設が進み始めましたが、同時進行で進めるべき近畿中央病院跡地への代替病院の誘致が進展しません。
病院統合により、伊丹市内の公的病院のベッド数は800から600へ減少することは明らかで、3年後に統合新病院が完成すれば、ベッド数200床の代替病院が市内に必要になります。
 日本共産党議員団は、新型コロナ禍を経て、兵庫県の地域医療構想の見直しを求めています。また、伊丹市南部は新たな大規模マンションの建設などにより人口が増加傾向にあり、学校とともに医療需要も増加傾向にあります。そういう中で、新病院の運用開始とセットで近畿中央病院跡地に代替病院を完成させ、医療空白を生まない対応をすることが必要です。
 市長は地元住民の皆さんと近畿中央病院跡地への「回復期機能を有する民間医療機関の誘致に取り組む」と約束をされています。
 周辺地域住民の皆さんのこの地域で安心できる医療を受けたい、という要求にこたえ、この約束を果たすよう強く求めるものです。

 以上、このほか本会議、委員会等で要求しましたことを来年度予算に反映されますことを求めまして、報告第8号、令和4年度伊丹市一般会計歳入歳出決算の認定に同意できない立場からの討論といたします。議員各位のご賛同をよろしくお願いします。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第416号)9月議会 服部よしひろ議員

9月議会 最終日 決算討論
服部よしひろ議員  10月11日(水)午前10時15分頃

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日本共産党伊丹市議団ニュース(第416号)2023年10月11日

2022年度決算に対する反対討論(要旨)
報告第8号 2022年度伊丹市一般会計歳入歳出決算の認定に同意できない。
1:国が推進する「マイナンバーカードの利用促進施策」に対し、市民の個人情報の漏洩の危険に配慮することなく「マイナンバーカード交付円滑化事業」を実施した。
2:自衛隊への市民の適齢者名簿を電子データで提供することをやめようとしない。
3:学力テストを毎年実施し、教員と児童生徒の負担を増している。
4:市営住宅が老朽化し、居住に堪えない状況にもかかわらず、建て替えをしない。
5:市内南部地域への大規模マンション開発や鴻池地域への大規模物流倉庫建設などが進められ、地域環境の激変を招き、関係住民の住環境を脅かす状況を引き起こしている。
6:同和問題に関する市民の差別意識の解消のためとしての教育、啓発を継続している。
評価すべき点
1:コロナ禍で疲弊した市民生活支援に国の「地方創生臨時交付金」約15億6千万円に約3億円の自主財源を上積みして支援策を実施したこと。
2:子どもの不登校対策に独自の予算措置を行い、小中学校に「不登校対策指導員」を配置し、個別指導を実施し、児童・生徒と教職員への支援を充実したこと。
3:子どもの医療費無料化を前進させ、所得制限付きだが中学卒業まで無料化を実現したこと。今年度は18歳入院まで所得制限なしの無料化を実現したこと。
4:4月時点での待機児のゼロを5年間続けていること。
来年度に向けた要望
1:市職員の長時間労働の是正を図ることをもとめる。
2:教員・保育士の過重労働をなくすために、独自加配を行うこと。
3:生活保護を「生活保障」の観点から充実させることをもとめる。
4:天神川堤防決壊事故を教訓にして、防災・災害予防への取り組み強化をもとめる。
5:統合新病院の建設と同時進行で、近畿中央病院跡地への代替病院の誘致を実現すること。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第415号)9月市議会 かしば ふみ議員

2023年9月議会 個人質問
かしば ふみ 9月15日(金)午後1時分頃

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日本共産党伊丹市議団ニュース(第414号)9月市議会 代表質問

2023年9月議会 一般会計補正予算に対する質疑
服部よしひろ議員 9月14日(木)午後3時10分頃

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日本共産党伊丹市議団ニュース(第414号)

2023年6月議会:服部よしひろ 補正予算・インボイス反対請願に賛成討論

服部よしひろ画像2023年6月議会 総務政策常任委

 6月21日(水)総務政策常任委員会が開催され、服部議員が、下記の通り、議案46号「令和5年度伊丹市一般会計補正予算(第2号)」と請願2号「インボイス制度の実施の延期を求める請願」に対する賛成討論を行いました。

議案46号「令和5年度伊丹市一般会計補正予算(第2号)」に対する賛成討論

 私は、日本共産党市議会議員団を代表して議案46号に賛成の立場から討論します。

 まず、問題点を指摘します。

 2款 総務費 3項 戸籍住民基本台帳費 12節委託料、マイナンバーカード関連業務支援委託料ですが、マイナンバーカードの交付を希望する高齢者施設の入居者等に対して、施設に出張して申請を促すというもので、マイナ保険証の取得も推進されるとの説明です。

 マイナンバーカードは、保険証が他人に紐付けされるなどして他人の個人情報が流出する事故が多発し、各新聞の世論調査でも反対が7割に上っています。
国民の医療情報など個人情報が危険にさらされるマイナンバーカードと保険証の紐付けを推進するこの事業には問題があります。

 同時に、その他の事業は物価高騰に苦しむ市民や子育て世代への支援制度が盛り込まれており、実施すべきものです。

 したがって、議案46号全体としては賛成するものです。

請願2号「インボイス制度の実施の延期を求める請願」への賛成討論

 日本共産党議員団を代表して請願第2号の賛成討論をいたします。

 請願2号は、インボイス制度の実施延期を求める意見書を政府に送付することを求めるものです。

 コロナ禍の影響に加え、急激な物価高騰が家計、事業経営を圧迫し、地域経済の停滞、悪化を招いています。「物価高倒産」は前年度比3.4倍に上っています。
インボイス制度が実施されれば、消費税免税事業者への新たな税負担や過酷な実務負担が押し付けられます。すでに、「『インボイス登録しない』と回答したら3月で契約が打ち切られた」事例が出ています。小規模事業者の取引排除が広がれば、地域経済はますます疲弊することになります。

 影響を受けるのは小規模事業者やフリーランスだけではありません。太陽光パネルを設置して売電している家庭や、敷地に飲み物などの自販機を設置している家庭にもインボイス発行事業者登録に関する働きかけが行われています。
国会ではインボイス制度が実施されることで電気代が値上がりすることも明らかにされました。シルバー人材センターへの発注単価を引き下げるように政府は自治体に求めていますが、こうした対応は住民の負担にもつながりかねません。

 政府は、161万の事業者がインボイス制度の対象者になり、2480億円の増収になると試算しているように、インボイス制度が始まれば、コロナ禍や物価高から事業の維持・再建を図ろうとしている中小業者やフリーランスに大きな足かせとなることは日を見るより明らかです。

 伊丹市で事業を行っている中小事業者やフリーランス、芸術家、シルバー人材センターに登録されている方など多くの人に多大な影響を与えます。

 昨年11月に設立されたインボイス(適格請求書)制度の問題点を検討する超党派の議員連盟は早速、政府とフリーランスらからのヒアリングを実施。インボイスを憂慮する声優らが立ち上げた団体「VOICTION」共同代表の甲斐田裕子さんは「日本の文化の未来が立ち消えてしまう」。

 「実態調査のアンケートで文化事業に携わる4団体(声優、アニメ、演劇、漫画)全てでおよそ半数以上が年収300万円以下、2割の人が廃業を検討している」と強調。「未来の才能たちのために、(消費税の)一律減税とインボイス制度廃止を」と強く訴えています。

 このように、請願者の願意は極めて切実で、妥当であり、賛成とするものです。
 委員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。

2023年3月議会:上原ひでき 本会議討論

2023年3月議会 本会議討論

議案第14号「令和5年度伊丹市一般会計予算」に対する反対討論

日本共産党伊丹市議会議員団 上原ひでき

 議長の発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、議案第14号に対しては反対の立場から、議案第15号に対しては賛成の立場から要望を含めて討論をします。

 初めに、議案第14号「令和5年度伊丹市一般会計予算」についてです。

 市民の暮らしをめぐる情勢では、個人市民税の質疑でも明らかな通り、昨年の給与収入は1.59%の増、年金収入と営業所得は横ばいと予測されており、市民の収入を上回る物価の高騰によって市民生活は悪化しています。

 また、厚生労働省が3月7日発表した1月の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額、名目賃金に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比4・1%減となりました。物価の高騰に比べ賃金の伸びは鈍く、マイナスは10カ月連続。落ち込み幅は2014年5月の4.1%減以来、8年8カ月ぶりの水準でした。

 さらに、帝国データバンクが3月8日発表した2月の企業倒産集計によると、物価高騰を主因とする倒産件数は53件と、8か月連続で過去最多を更新しました。コロナ禍で経営体力が弱った中小企業に資源・エネルギー高が追い打ちとなり、事業継続を断念する例が多くなっています。

 今年の春闘では、大手企業による賃金引き上げの満額回答が続いているようですが、物価高騰分を上回るのか、中小企業における賃金は上がるのかが問われています。

 いずれにしてもコロナ禍の影響も含めて、来年度も市民にとっては厳しい年になることは確実です。その中で、伊丹市には市民の暮らしを守り支える対策が強く求められています。

 以下、問題点を述べます。

 第1に、市民の暮らしを守る対策です。実質賃金が下がり、長期の経済低迷が続く下での物価高騰という、この危機を打開するためには、暮らしと経営を守る緊急対策と、日本経済のゆがみを根本から打開する方策を一体にすすめることが必要です。日本共産党は、この立場から、「物価高騰から暮らしと経済を立て直す――緊急提案」を発表しています。岸田政権の対策は極めて不十分と言わざるをえません。

 伊丹市としても、子育て世帯に対する支援策が前進したことは評価しますが、来年度予算の中における、コロナ禍と物価高騰で傷んだ暮らしと営業を守る対策が不十分であることです。本来は、国が当初予算でこの対策を行うべきですが、いつものように遅れています。国に対して、中小企業や非正規労働者などへの賃上げ支援、介護、障害者福祉、子育て支援などの拡充で、誰もが安心して暮らせる社会にすること、大軍拡予算は撤回し、国民の暮らし最優先の施策を行うこと、消費税の5%への減税、インボイス制度の中止を求めていただくとともに、代表質問でも求めました上下水道使用料の基本料金減免小規模事業者への賃料支援など、伊丹市としての独自の対策を求めます。

 第2に、職員の人事評価の問題です。全体の奉仕者の立場から公共を担う公務員にとって、「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、5段階評価はやめ、面接による対話の中で職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第3に、同和問題です。代表質問でも指摘しましたが、現在は「社会問題としての部落問題」の最終段階にあるというのが私たちの考えです。しかし、差別観念や意識が社会的に通用しなくなってきているほど市民の常識が成熟しているにもかかわらず、そのことが共有されていないのが問題です。過去に存在した差別に固執したり、問題探しをしたりするより、解決の過程と変化の事実を確認・共有することが必要と考えます。答弁で、「同和問題を身近な人権問題の一つとして掲げ」とされましたが、どれだけの市民が身近な問題と感じているとお考えなのでしょうか。行政が無理やり身近な問題としているのではないかと思います。こういう考えで同和問題に関する人権教育を進めたら、いつまでたっても差別はなくならないという結論にしかなりません。ぜひ考え直していただきたいということを要望します。

 第4に、今回の質疑では触れることができませんでしたが、自衛隊に対する募集対象者情報の提供の問題です。市のホームページで自衛隊から名簿提供の依頼があった場合の提出の法的根拠が書かれていますが、自衛隊法施行令第120条の「防衛大臣は募集に関して必要な報告又は資料の提出を求めることができる」とされているのは、単に「資料の提出を求めることができる」という防衛大臣の「できる」規定だけで、自治体にはなにも求められていませんし、資料の提出の中身も個人情報としての名簿であることも書かれていません。従って個人情報を提出する必要はありません。せめて「除外申し出制度」を直ちにつくることを求めます。

 第5に、全国学力テストの問題です。学力テストの結果は学力の特定の一部分、教育活動の一側面でしかありません。したがって、毎年悉皆調査をする必要はなく、数年に一度の調査で十分児童生徒の学力や学習状況の傾向を見ることは可能です。全国テストへの参加と独自テストの中止を求めます。

 次に評価する点について述べます。

 第1に、子育て支援策が前進したことです。

 一つは、党議員団が一貫して求めてきました子どもの医療費助成事業を、所得制限を撤廃して中学生までの医療費を完全無償化されるとともに、高校生世代の入院医療費も無料とされたことです。さらに高校生世代の通院医療費も無料にすることを要望します。

 二つには、夏期休業中における児童くらぶ昼食提供事業を開始されることです。希望者への昼食提供ですが、保護者負担軽減に寄与するものと評価します。夏季休業中という厚い時期でもありますので、安全・安心の昼食提供に務めていただきたいと思います。

 三つには、就学前施設を含めた学校給食等食材調達支援事業を継続されることです。食材費が高騰して給食の質と量の確保が困難になる中、食材費の増加分を支援されることは意義があります。今後は、保護者負担の軽減のため、就学前施設も含めた学校給食費の無償化を国に求め、伊丹市としても無償化も含めた負担軽減策を求めます。

 四つには、保育需要の増加に対応するため、認可保育所2か所の誘致等によって130名の定員を増員されるとともに、第2子の保育料無償化事業を拡充されることです。保育所の待機児童は4月1日付では基本的にゼロとされますが、その後一気に待機児童が増えています。年度途中の待機児童の解消のためには、伊丹市が責任を持つ以外にありません。公立保育所の増設、定数増を図ることで年度途中の待機児童を解消されることを求めます。

 第2に、「伊丹市ゼロカーボンシティ」を宣言し、2050年にカーボンニュートラルの実現に挑戦されることを明確にされたことです。ただ、2030年度の温室効果ガスを2013年度比で48%削減することとされていることは、国の目標に合わせたものですが、国連気候変動に関する政府間パネル「1・5度特別報告書」は、2030年までに大気中へのCOの排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して1.5度までに抑え込むことができないことを明らかにしています。日本の目標は2010年比にすると42%の削減でしかないばかりか、石炭火力発電所の増設に各国から批判の声が上がっていることを指摘しておきます。

 第3に、災害時に避難所となる小学校体育館に空調機器を整備するため、その実証実験を始められることです。夏場の避難者に対する健康配慮とともに、子どもたちの熱中症対策としても有効です。実証実験の後、順次空調機器の整備を要望します。

 以上述べた項目以外の主な要望については、本会議や委員会で述べていますとともに、予算要望書にも多数掲載していますので、来年度以降実現していただくことを求めまして2023年度伊丹市一般会計予算に対する反対の意見とします。

 次に、議案第15号「令和5年度伊丹市国民健康保険事業特別会計予算」に対しては、要望を交えて賛成の立場から意見を述べます。

 国民健康保険税に関しては、来年度も含めて10年間値上げはありません。県単位化以降、主に国保財政調整基金の活用によって値上げを止めてきたことは評価します。ただし、2030年をめどに兵庫県内保険料率の統一により大幅な値上げが予想され、委員会の答弁では一人あたり平均約3,700円の値上げとなる見込みとのことです。4人世帯で年間約15,000円の負担増です。

 国民健康保険に加入する世帯は年金収入や非正規雇用者等低所得者が多く、所得ゼロ世帯が全体の42%、所得100万円未満でも全体の73.6%を占めています。国保税も阪神間自治体の中で低い水準とはいえ、夫婦と子供一人の3人世帯、年収360万円で416,500円の国保税となります。

 国保税の値上げを止め、引き下げるために以下の要望をします。

 一つは、国に対して、国保税の「人頭割」とも言われる均等割り部分で、現在就学前の子どもの均等割りを半額減額しているのを、18歳までの均等割りを廃止すること、また、伊丹市は福祉医療波及分として一般会計が負担していますが、子ども医療費助成等の福祉医療に対して国が行っている、国民健康保険事業に対する「罰則措置」ともいうべき国庫負担の減額を直ちに全廃すること、さらに事業主への国保の傷病手当創設を求めていただきたいと思います。

 二つには、伊丹市として、均等割り部分に対して軽減をするための「法定外繰り入れ」を行うことです。子育て世帯への支援として18歳までの均等割りの軽減も考えられます。名古屋市では、多人数世帯に対する国保税を軽減するため、「法定外繰り入れ」による均等割り部分の軽減が行われています。

 また、医療費の高騰を抑えるためには、検診率の向上による早期発見早期治療、食に対する関心を高めて安心・安全な食糧が供給できる取り組みを伊丹市全体で行うことも重要と考えます。

 以上ですが、基本的に高すぎる国保税を下げるためには、さらなる思い切った国庫負担の増額が必要です。国に対して要望をしていただくことを求めまして、2023年度国民健康保険事業予算に対する賛成の立場からの意見とします。

 以上、議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。

2022年12月議会:上原秀樹 一般質問

2022年12月議会:上原秀樹 一般質問

2022年12月8日
日本共産党議員団 上原秀樹

1.中小企業・小規模事業者対策について

1) 中小企業へのゼロゼロ融資における過剰債務について

 日本経済の土台を支えている中小企業と小規模事業者が、コロナ危機、原材料や燃料などの物価高騰に加え、コロナ禍への対応で受けた融資(ゼロゼロ融資)の返済が迫るという「三重苦」に陥っています。とくに過剰になっている債務の負担軽減は、年末に向けて解決が急がれる課題です。

 ゼロゼロ融資は、金融機関に都道府県が利子を補給し、信用保証協会が元本を保証することで実質無利子・無担保で最長3年間、お金を借りられる仕組みです。コロナ禍で中小企業の経営を支えるためのものですが、融資残高は全国的に2022年度末で42兆円に達しています。一部で返済も始まっており、中小企業がやむなく借りた過剰な債務が大きな問題となっています。

 民間調査会社・東京商工リサーチが10月3~12日に行った「第9回債務の過剰感についてのアンケート調査」では、債務が「コロナ後に過剰となった」と回答した中小企業は19.4%で、「コロナ前から過剰感がある」の11・3%と合わせると合計30.8%が「過剰債務」だと回答しています。

 金融機関は過剰債務を抱えた中小企業に新規の融資を渋るようになり、新たな運転資金の調達が困難になります。運転資金が借りられないと仕入れや人件費の手当てができず、仕事がきても受けられずに倒産してしまう「資金繰り倒産」に陥ります。また、過剰債務が経営全体を圧迫するため、設備投資を含めた新たな事業展開、再構築ができなくなってしまいます。

 東京商工リサーチのさきの調査では、「過剰債務が事業再構築の足かせになっている」中小企業は、35%になっています。
 コロナ禍の継続の上、物価高騰はさらに深刻化する見通しです。「過剰債務倒産」に加え、「物価高倒産」や、長引く苦境に心が折れて倒産・廃業に追い込まれる中小企業が急増することが強く危惧されます。

 そこで、市内中小企業、小規模事業者の実態についてお聞きします。

 市内企業のゼロゼロ融資残高はいくらで、一企業平均いくらの残高となっているのか。さらに、債務が「コロナ後に過剰となった」、また「コロナ前から過剰感がある」とする中小企業等はどれくらいあるのか把握されているのでしょうか。実態をお示しください。

2) インボイス(適格請求書)制度の導入による影響に対する認識について

 来年10月からインボイス(適格請求書)制度の導入が予定されています。インボイス制度とは、今までは全ての事業者からの仕入れ等について仕入税額控除ができましたが、インボイス制度後は、国に登録した事業者のみが対象となる制度です。税務署に申請すると事業所番号が発行され、これがついた請求書でないと仕入税額控除には使えません。従って、国に登録しない事業者からの仕入れ等については、仕入税額控除ができないことになります。すべての事業者が登録すればよいのですが、登録する事業者はすべて消費税の課税事業者になる必要があるという制度です。売り上げが1千万円以下の事業者は、今まで免税業者として消費税の納税義務がありませんでした。ところが、この登録をすれば納税義務が発生することになります。免税業者は小規模事業者が多く、売り上げに消費税を上乗せしにくい業者、家族事業者で消費税等の記帳が困難な業者が多く存在します。このことで、登録しなかったら取引から外される可能性が生じるとともに、登録したら商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりする必要があり、零細な業者の負担が重くなります。

 このインボイス制度導入に対し、多くの中小・零細業者だけではなく、アニメ、漫画、演劇、声優・俳優の4団体、出版・映像やエンタメ・文化団体からもインボイスの反対声明が続々と上がっています。これらの反対の声の前に、政府・与党は制度の導入に、経過措置の検討を始めました。しかし、期間限定の経過措置に過ぎません。

 そこで、当局は市内中小・零細業者の実態を踏まえ、インボイス制度導入に対してどのような認識をされているのでしょうか。お聞きします。

2.緊急小口資金等の「特例貸付」への対応について

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた人の支援として、生活資金を貸し付けていた緊急小口資金などの特例貸付の償還が来年1月から始まります。返済時に住民税非課税であれば免除の対象ですが、生活に余裕がないのに対象外の人もいます。

 厚生労働省による9月24日時点の速報値では、特例貸付の累計貸付件数が334万件、累計貸付決定額が1兆4242億円をそれぞれ超えているとされています。同貸付の上限額は、単身世帯で155万円、複数世帯では200万円で、来年1月には返済が始まることとなります。

 日本弁護士連合会は10月6日、「もともと生活に困窮した世帯にとって、多額の債務の長期にわたる返済自体が生計破綻の引き金となる危険が高い」と警鐘を鳴らし、償還免除範囲の抜本的拡大と支援体制の整備を国に求める会長声明を発表しました。

 そこで、伊丹市の実態をお聞きします。

 伊丹市での特例貸付の件数と貸し付け累計額、そのうち契約社員やアルバイト、契約社員等の非正規で働く人、また自営業者やフリーランス等の事業者の割合と累計額はいくらになっているのか。また、利用者アンケートをされていますが、これらの人たちで「困っていること」の主な内容、「今後の経済活動の制限等で収入に影響が及ぶ恐れがある」とした割合、1月から返済が始まるにあたって「暮らしと返済のメド」の状況では、それぞれどのような回答になっているのでしょうか。

 さらに、困難な人への対応はどのようにされているのでしょうか。

3.小学校における教科担任制について

 小学校高学年での教科担任制が、今年度から本格的に始まりました。小学校では、担任が全教科を指導するのが基本です。高学年の教科担任制は、外国語や算数、理科、体育などで専門性をもつ教員などが授業を行うものです。文部科学省に置かれた中央教育審議会が「2022年度をめどに本格導入が必要」と答申し、同省の検討会議が21年7月にそのあり方を公表。担任の持ち授業時間数の削減や授業準備の効率化につながる、として導入されました。

 しかし、今年度の教科担任制の国の追加配置(加配)予算は、950人分で、20校につき1人分しかありません。財務省が、財政制度等審議会に「中学校教員の活用で対応すべきだ」との資料を出すなどした結果、当初の要求より予算は半減しました。

 全国的には、加配が全く不十分な中、結局は各学校の工夫に任されます。特別支援学級や通級の担任が行う形が一番多く、ついで、教頭や他学年担任、近隣の中学校から授業にきてもらう形があるようです。

 一方、兵庫県の場合、2001年度から国の加配を活用して、個に応じたきめ細かな指導の一層の充実を図るため、指導体制の在り方を調査・研究するとして、新学習システムを推進し、2012年度から全県において兵庫型教科担任制を導入されています。教科担任制と少人数授業を組み合わせたもので、担任間の授業交換による「教科担任制」と担任と加配教員による「少人数授業」によるものです。

 全国的に小学校高学年での教科担任制が始まりましたが、兵庫県、伊丹市はすでに実施されてきました。文部科学省では少人数授業という考えはないように思え、今まで実施してきた内容にどのような変化があるのでしょうか。また、加配教員は増えるのでしょうか。さらに、今までの教科担任制と少人数授業の成果をどう見ておられるのかお聞きします。

(2回目の発言)
1.中小企業・小規模事業者対策について

1) 中小企業へのゼロゼロ融資における過剰債務について

 答弁では、県の保証協会による融資実績と政府系金融機関等を合わせて、概ね2000社、400億から500億円程度の融資債務残高であるとのことで、1社あたりにすれば平均2000万円から2500万円程度の残高になります。しかも、約2割の企業がコロナ後に債務過剰となったとの回答が寄せられています。

 倒産件数は現在のところ少ないとされますが、ギリギリのところで踏ん張っているというのが実情です。今後の物価高騰とコロナ第8波でさらなる困難が予測される中、何らかの支援が必要と考えます。

 日本共産党は、コロナ対応融資、すなわちゼロゼロ融資を「別枠債務」にして、事業継続に必要な新規融資が受けられるようにすることを提案しています。
現在、日本政策金融公庫は、コロナ対策として、金融機関から企業への融資の一定部分を「別枠」にし、出資とみなして、新たな融資ができるようにする「資本性劣後ローン」を実施しています。しかし数年後に一括返済を求められ利子負担も高いなど、中堅企業でも使いづらい制度で、小規模事業者は対象外におかれています。
新たな資金調達が可能となり、事業を継続することができるように、事業者の規模に関係なく、ゼロゼロ融資をいったん通常の債務から切り離し、「別枠債務」とすることが必要と考えます。

 その具体的な内容は、
――「別枠債務」は、一定期間(1~5年程度、経済状況によっては延長あり)、無担保・無利子のまま返済を猶予する。
――金融機関は「別枠債務」を既存の融資残高から除外し、その融資枠を新規融資にまわせるようにする。
――「別枠債務」は保証協会が保証をつけ、返済猶予期間の利子など地域金融機関にも借り手の事業者にも負担が生じないよう国が支援する。保証協会の保証料は国が負担する。
――「別枠債務」の返済が可能になった時点でも、その後の事業に支障がない返済計画に金融機関が協力できるよう国が支援する。
――小規模事業者であっても、関係金融機関から債務の減免が受けられるよう、「事業再生スキーム」を改善する。

ということです。これは党として国に対して要求していきます。

 では、伊丹市として何ができるのか。中小企業は、企業数で99.7%、雇用者数でおよそ7割を占めます。中小企業を救う対策は日本経済の再生にとっても急務です。また、地域に根をおろしている中小企業を支えることは、雇用と経済を守り発展させることにつながります。したがって、国と自治体にはその責任を果たすことが求められます。

 一つは、市内企業の実情を把握することです。商工会議所と連携した市内企業訪問やアンケート調査で、過剰債務の有無や国と自治体に対する要望を聞くことが必要です。

 二つには、企業、小規模事業者の相談窓口―中小企業・小規模事業者の資金繰り・経営に関する相談窓口を市内に設置することです。現在、原油価格上昇に関する特別相談窓口はありますが、資金繰りも併せて相談に応じるということを広報することが必要と考えます。

 三つには、国の持続化給付金がありましたが、必要ならば、たとえば「経済再生給付金」という形で、一定の条件のもとに給付する仕組みを、県と共同でつくることではないかと考えます。

 以上の提案に対する見解をお聞きします。

2) インボイス(適格請求書)制度の導入による影響に対する認識について

 政府が来年10月から導入を予定しているインボイス制度は、数百万もの小規模事業者やフリーランスで働く人々に、インボイスを発行するために消費税課税業者になることを余儀なくさせ、深刻な負担増をもたらします。答弁で述べられた通り、1,000万円以下の小規模事業者にとっては、インボイス制度に登録しない場合は取引が見直される可能性とともに、登録した場合は消費税の納税義務が生じ、実務の負担がかかることになります。従って、日本共産党は、消費税の5%への減税とインボイス中止を要求しています。

 一方、インボイス制度の導入は、民間取引にとどまらず、地方自治体や公益法人との取引においても、免税業者に同様の影響を及ぼします。このことから、伊丹市に対してはいくつかの要望をします。

 一つは、公営企業の場合です。例えば、水道事業の場合、売り手としての公営企業は飲食店等の水道水を利用する事業者に対して、インボイスを発行することになるため、インボイス番号の登録申請をすることになります。逆に買い手の場合は、公営企業として仕入れ税額控除をするためにも、工事の発注業者、すなわち売り手に対してインボイスの発行を求めることになります。工事業者がインボイス番号の登録をしていない場合、公営企業として仕入れ税額控除ができないため、公営企業がその分を消費税として納税するため、収入が減少することになります。その際、1,000万円以下の小規模事業者に対してインボイス登録を無理強いしないことはもちろんのこと、登録しなければ発注できなくなると思わせるような文言の通知は出さないようにしてください。

 二つには、シルバー人材センターです。高齢者の生きがいと働く場を提供するシルバー人材センターでも、影響があります。この場合、各種仕事を会員である高齢者に紹介し、会員は配分金という報酬を受け取ります。事業の多くは業務委託契約で、高齢者は個人事業主として扱われるため、高齢者がインボイスを発行しなければシルバー人材センターが消費税の仕入れ税額控除ができず、このままですと伊丹では約7,000万円という多額の納税負担が発生することになります。多額の納税負担を避けるためには会員がインボイス番号を取得する必要があります。そうなれば、会員の月平均3万5千円というわずかな収入から10%の消費税を払わなければならないことになります。

 これらの対応では、伊丹市からの補助金の増額や駐輪指導等の単価の引き上げが考えられます。いずれにしましても、シルバー人材センターの存続にかかわる重大な問題が発生するという認識で、伊丹市としても適切な対応を求めておきます。

2.緊急小口資金等の「特例貸付」への対応について

 緊急小口資金と総合支援資金の合計で、約4,000件に約25億円の貸し付け、そのうち非正規労働者が31.4%、自営業者・フリーランスが30.9%と不安定就労の人が6割を超えています。しかし免除されるであろう割合が3割程度と予測されています。コロナ禍と物価高騰等により、さらなる困難をもたらす可能性もあります。自立支援課としてアンケート調査によるニーズ把握に努められ、必要な支援を、アウトリーチも含めて対応されていることは評価します。引き続き丁寧に寄り添った対応を求めておきます。

3.小学校における教科担任制について

 兵庫県の場合は早くから新学習システムとして始動し、2012年度からは兵庫型学習システムとして少人数授業と教科担任制を実施されてきました。

 今後の問題として考えられる一つは、2024年度に少人数加配がなくなることです。理論的には、今まで最大40人学級で二つに分けた場合は20人、最少は20人学級で二つに分けた場合10人の少人数授業ができたことになります。答弁で、少人数授業では児童一人ひとりに目が届くきめ細かな指導ができていたとの評価をされましたが、35人学級における教科担任制では、これをカバーすることはできません。今後の問題としての見解をお聞きします。

 二つには、教科担任制における加配が進むのかどうかです。今年度は兵庫型学習システムの推進で54人の加配がありますが、単純に少人数加配がなくなることによる加配の減少となれば、教科担任制は交換授業が主流となって、教員の負担軽減に効果はないということになります。今後の加配の状況は把握できないということなので、国・県に対して必要な教員の加配を要望していただきたいと思います。ただ、予算は措置される一方、今でさえ教員が不足している中で、本当に充分配置できるのかという不安はあります。伊丹市で本格的に教科担任制を実施するとして、4教科の専任教員は何人必要となるのでしょうか。お聞きします。

(3回目の発言)

3.小学校における教科担任制について

 2回目の質問に対する答弁をいただきました。少人数授業がなくなることに対して、視点の転換が必要とのことですが、教科担任制で複数の目で児童を見ることと少人数授業とは異なる問題。教科担任制には、高学年担任の空き時間や教材研究の時間が確保できる、複数の目で児童が指導できるというメリットもあれば、一人の児童を継続して見られないというデメリットも指摘されており、工夫が必要です。

 最大の問題は、加配の教員が配置されるのかどうかです。先ほど単純計算で約70人という数を答弁されましたが、中途半端な加配ですと逆に負担が増えることにもなりかねません。国に対する加配教員の確保のための予算を求めていただきたいと思います。