2014年6月議会代表質問:ひさむら真知子 阪神地域合同防災訓練へ米軍参加、市長は撤回を求めるべき

2014年6月13日 ひさむら真智子議員

「1.公衆トイレのあり方について」はこちら

 次に2、兵庫県知事が阪神地域合同防災訓練へ米軍参加を要請しているが、市長は撤回を求めるべきではないか。に付いて伺います。

 新聞報道よりますと、この訓練は8月に芦屋市南部などを会場に県内の市町や消防、警察、自衛隊、ライフライン関係機関の約100機関の2千人が参加し阪神間7市1町が主催で行われる予定です。

 この訓練に、兵庫県知事が米軍の参加を要請したことが関係者の取材でわかったと4月23日新聞報道がされました。 米海兵隊の新型輸送機オスプレイの投入も調整中だが、今回は見送られる見通し。自治体主催の訓練に在日米軍が参加するのは異例。米軍は自治体との関係構築をさらに広げ、県側は南海トラフ地震等に備えた米軍との協力体制を確立する狙いがあると見られる。」と報道記事が掲載されていました。

 一般の人たちも参加する訓練に米軍が参加することに大変驚きました。なぜ軍隊が参加するのか大変疑問に思います。阪神地域合同防災訓練は軍事訓練ではないはずです。米軍は本質的に戦争を目的に訓練し、相手に攻撃を仕掛けていく軍事組織であり戦争を引き起こしていくものでありませんか。防災が任務ではありません。このような位置づけである軍隊を阪神間の防災訓練に積極的に要請することを伊丹市としてはどう考え賛同されているのかと思います。

 このような要請についても県と主催者地域と当然話し合ってのことと思いますが、報道ではすでに決まっているような話になっているようですし、また、和歌山県の10月訓練にはやはり米軍がオスプレイとともに参加する計画が明らかになっていることも報道されています。自治体と米軍の関係がこれからどうなるのか大変不安に感じますが

① 県は要請を行う前に関係8市町の意見を聞くのは当然と思いますが、主催者側の8市1町は、いつ参加要請の話を知ったのか、その件での話し合いはされたのか、経過を含めお聞きします。

② 防災の訓練が、なぜ戦争の訓練を行い実際に戦争を行っている米軍が参加するのか、軍隊は防災が任務ではありません。そのような軍隊がどう訓練に参加するのか大変疑問ですたとえば、どのような部隊が参加するのか、その規模について、またどのようなルートでどこから来るのか。指揮命令はどうなるのかなども疑問に感じたところですが、このような問題も新聞報道では、未定でありまだ調整中としか出ていません。

 防災訓練は県民市民の命を守ることを行うのですが、主催者とし要請するなら当然内容も要望するのではないかと思いますが、軍隊ではそう簡単に自治体主導ではいかないと思います。現状では新聞報道にもありますように、米軍は自治体との関係構築を広げていくのが目的か。書かれています。

 南海トラフ地震が予想されていますが、今後も軍隊に頼っての訓練を行うのかと思うと本当にこの関係がいいのか疑問に思います。

 どこも震災災害関係には多くの海外からの団体も救援に駆けつけられています。そのような団体でなく

② なぜ戦争訓練を行う米軍を防災訓練に参加させるのか大変不安にも感じますのでお答えいただきたいと思います。

③ この様な状況になれば、今までとは大きく変化する防災計画になると思いますが、どのような訓練となるのか。また今後県と伊丹市、米軍との防災から見ての関係はどうなるのか。お伺いいたします

④ 自治体の主体の訓練がどのような形で訓練を行うかが明確になっていない段階で、米軍に要請を行うのは「米軍参加ありき」が先行していると思われます。命を救う訓練に、命を奪う軍隊が参加することに関しては県民市民から批判が出るのは免れません。米軍参加は撤回することを知事に示すべきと思いますがいかがお考えでしょうかお伺いいたします。

「3.関西電力大飯原発の再稼動差し止めの福井地裁の判決について」はこちら

2014年6月議会代表質問:ひさむら真智子 関西電力大飯原発の再稼動差し止めの福井地裁の判決について

2014年6月13日 ひさむら真知子議員

「1.公衆トイレのあり方について」はこちら

「2.阪神地域合同防災訓練へ米軍参加、市長は撤回を求めるべき」はこちら

 次に3、関西電力大飯原発の再稼動差し止めの福井地裁の判決について市長の見解を問う。

 福井県内外の住民が関電大飯原発3号4号の再稼働差し止めを求めた訴訟で福井地裁は住民の訴えを認め原子炉を運転してはならないと判決を出しました。

 この判決に多くの賛同の声も見受けられます。樋口英明裁判長は「人の命・生存権を基礎とする人格権がすべての法分野において、最高の価値を持つ」という立場からこの訴訟においてのたつべき解釈上の指針といわれています。

 また、個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なもので当って、その総体が人格権であるということが出来る。人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)また人の命を基礎とするものであるがゆえに、わが国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことは出来ない。したがって、この人格権とりわけ命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害の恐れがあるときには、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。人格権は各個人に由来するものであるが、その侵害形態が多数の人格権を同時に侵害する性質を有するとき、その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。と、改めて命の大切を強調されています。このような人の命が何よりも大切であるという憲法にまた判決文に感動しました。

 このような原則に立ち原発再稼働ストップとしたこの判決は画期的なものであると歓迎しますが、この判決に対しての市長の考えをいくつかお聞きしたいと思います。今日まで私たち会派は、原発の危険性を何度か質問を行い市長の考えを伺ってきましたが、「安全性の確立が必要・伊丹市は二分の一が原子力発電に頼っている原子力発電によって支えられている。自然エネルギーへの転換はコストがかかる時間がかかる、そうなれば企業は海外へ生産基地を持っていく動きが加速すると思っている」と答弁されていますが、市民から見れば大きく不安をあおられているようにも感じます。しかし樋口裁判長は電力の安定供給やコストの問題を天秤にかけた関電側の議論を厳しく退けています。

① 関電にたいして大きな自然災害や戦争以外で、人格権が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電の所の事故のほかは想定しがたい、このような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は、その存在自体が憲法上容認できないというのが極論過ぎるとしても、少なくともこのような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である。判決文には示されています。一般的には、経済活動優先の考えの方は多いかもしれません。歴代の政府も、経済活動優先の立場から、原発は安全、クリーンと宣伝してきたのではありませんか。国民もその宣伝文句を信用していた人も多かったでしょう。結果福島原発のようなことがおこってしまったのですから二度とこのようなことは起こしてはならないと思います。

 判決文には「一旦事故が起これば止められないのが今回の事故また世界各国での事故の状況を見れば明らかであり、多くの命が危険にさらされるのです。現状では安全性の確保の難しさが示されています。日本列島は太平洋プレートなど4つのプレートの境目に位置しており、全世界の1割が狭いわが国の国土で発生する。この地震大国日本において、基準地振動を超える地震が大飯に到来しないしないというのは根拠の無い楽観的見通しに過ぎない。また核燃料の処分保存に関しても使用済み燃料は1000本を越えるが使用済み核燃料プールから放射能物質が漏れたとき外部に放出されることを防御する原子炉格納容器のような堅固な設備は存在しない。安全性の確保はされていない。」と裁判ではまったく安全性の確保は出来ていないできないことを明らかにしています。

 このことからも関西電力に再稼働中止の声を市長も上げるべきではないかと思います。

② コスト面に関しても関電側は、再稼働が電力の安定供給、コストの低減につながると主張するがきわめて多数の人の生存そのものにかかわる権利と、電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったりすることは法的には許されない。このコストの問題に関連して国富の流失や喪失の議論があるが、たとえ本原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流失や喪失というべきでなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことが出来なくなることが国富の喪失であると考えているといわれています。

③ また原子力発電所の稼働がCO2排出減に資するもので環境面で優れている旨を主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすざまじいものであって福島原発はわが国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。と環境問題も厳しく示されていますが、これらの判決文からは安全性の確保は到底出来ないとはっきり述べられてもいると思います。

 この判決から市長はどのような見解をお持ちでしょうか御考えをお伺いいたします。

④ ぜひこの判決から市長も国や関電に対して再稼働中止の声をあげ、安全なエネルギー政策への転換の立場に立っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

「公務員への『しんぶん赤旗』の購読状況等の実態調査を求める陳情」並びに一部の議会 で庁内での職員の「しんぶん赤旗」購読に関する質問が行われていることに対する見解

2014年6月12日

日本共産党伊丹市議会議員団
団長 上原秀樹 
議員 加柴優美 
議員 久村真知子
事務局長 服部好廣 

(1) 全国の議会に、日本会議地方議員連盟に所属している小坪慎也福岡県行橋市議から、「地方自治体における政党機関紙『しんぶん赤旗』の勧誘・配布・販売について自治体独自での実態調査並びに是正を求める陳情」、「地方自治体における政党機関紙『しんぶん赤旗』の勧誘・配布・販売について(全国的な)実態調査を(国に)要請する決議を求める陳情」と関係資料が郵送されています。

 これは、産経新聞の意図的なキャンペーンも背景にしながら、各地で右翼的な議員が行っている『しんぶん赤旗』攻撃の一環です。今回の「陳情」の仕掛け人である行橋市議が自身のブログで「市議1議席で・日本共産党(政党全体)を振り回してガタガタにして見せますっ!河野談話の検証・憲法解釈の変更に際し、左翼勢力からの攻撃に対して、敵戦力を分散させることで側面支援してみますっ♪」などと述べていることからも明らかな通り、この「陳情」にはひとかけらの大儀も道理もなく、自治体、議会を反共と反動の党派的意図でもてあそぶものです。

 「陳情」の内容は、憲法で保障された個人の思想・信条の自由、政党の政治活動の自由を根本から侵害し、憲法違反の実態調査を求めるものであり、議会として審査の対象とするのにふさわしくないものです。

(2) 「陳情」では、行橋市議会や鎌倉市議会での議会質問の「事例」を持ち出していますが、事実と異なる内容となっています。

 行橋市議会に関しては、問題の市議が、昨年の12月議会で「日曜版配布後の職場は『赤旗』まみれ」などと取り上げ、3月議会でも「『赤旗』の庁舎内の販売(配布・徴収)について」質問しました。しかし・総務部長は、「前回12月議会での指摘を受けて、私自身、庁舎内を点検・巡回したが、ご指摘のような事実は認められなかった」と答弁したため、同市議は質問を続行できず、次のテーマに移って終わったという状況です。

 また、全面禁止を決断した「事例」として鎌倉市を持ち出していますが、これは、産経新聞が4月5日付で、「『赤旗』の勧誘市庁舎内禁止鎌倉市『職務の中立性重視』」という記事を載せたことを利用した攻撃です。日本共産党鎌倉市議団は、この報道に対しただちに、「政治活動の自由、市職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由はなんら禁止されていません」との見解を発表し、議員団のホームページに載せました(裏面)。12月議会で市長が政治活動の規制の検討を表明したものの、憲法に反する規制は行うことができず、個人情報を取り扱う執務室内の規制にとどまらざるを得なかったのが事実です。

 いずれにしても、憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、侵害することはできません。

以上

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日本共産党伊丹市会議員団の「見解」で引用した、日本共産党鎌倉市会議員団の「見解書」

職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由はなんら禁止されていません

事実と異なる一部新聞報道について

2014年4月5日
日本共産党鎌倉市議会議員団

1、4月5日付の産経新聞で「赤旗の勧誘市庁舎内禁止」「鎌倉市『職務の中立性』重視」との見出しをたてた記事が掲載されました。これは、事実と異なるものです。政治活動の自由、市職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、なんら禁止されていません。

1、「『職務の中立性』重視」を産経は「理由」としていますが、市当局は、今回、「情報管理と安全確保の観点から」を理由として「執務室内での物品の販売の禁止」をしたというのが事実です。松尾市長も党市議団の申し入れに対し、(職員が)「各政党のことを全部読んで、それをきちんと吸収したうえで市政をすすめていくことは良いことだと思うので、そこの禁止は全くできないこと」と答えています。この問題を質問した自民党議員でさえ、「職員の自由意思は尊重したい。読むなとは言っていません」と発言していたものです。

 また、「市庁舎内禁止」との見出しについても、市民の個人情報の管理や安全にかかわる「執務室内」に限定したのが今回の市の方針であり、市庁舎内すべてで禁止などということも、事実と異なります。さらには、庁舎管理規則は、議員の政治活動であることをもって禁止するルールでないことは、議会答弁で明確にされています。

1、今回、自民党議員の質問に始まった一連の経過にもかかわらず、憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、侵害することはできないということを、あらためて明らかにしておくものです。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第281号)を発行しました

憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は侵害することはできない

日本共産党伊丹市議団ニュース(第281号)はこちら(画像PDFファイル)

 日本共産党伊丹市議団は6月12日、以下の見解を発表しました。

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2014年6月12日

日本共産党伊丹市議会議員団
団長 上原秀樹 
議員 加柴優美 
議員 久村真知子
事務局長 服部好廣 

(1) 全国の議会に、日本会議地方議員連盟に所属している小坪慎也福岡県行橋市議から、「地方自治体における政党機関紙『しんぶん赤旗』の勧誘・配布・販売について自治体独自での実態調査並びに是正を求める陳情」、「地方自治体における政党機関紙『しんぶん赤旗』の勧誘・配布・販売について(全国的な)実態調査を(国に)要請する決議を求める陳情」と関係資料が郵送されています。

 これは、産経新聞の意図的なキャンペーンも背景にしながら、各地で右翼的な議員が行っている『しんぶん赤旗』攻撃の一環です。今回の「陳情」の仕掛け人である行橋市議が自身のブログで「市議1議席で・日本共産党(政党全体)を振り回してガタガタにして見せますっ!河野談話の検証・憲法解釈の変更に際し、左翼勢力からの攻撃に対して、敵戦力を分散させることで側面支援してみますっ♪」などと述べていることからも明らかな通り、この「陳情」にはひとかけらの大儀も道理もなく、自治体、議会を反共と反動の党派的意図でもてあそぶものです。

 「陳情」の内容は、憲法で保障された個人の思想・信条の自由、政党の政治活動の自由を根本から侵害し、憲法違反の実態調査を求めるものであり、議会として審査の対象とするのにふさわしくないものです。

(2) 「陳情」では、行橋市議会や鎌倉市議会での議会質問の「事例」を持ち出していますが、事実と異なる内容となっています。

 行橋市議会に関しては、問題の市議が、昨年の12月議会で「日曜版配布後の職場は『赤旗』まみれ」などと取り上げ、3月議会でも「『赤旗』の庁舎内の販売(配布・徴収)について」質問しました。しかし・総務部長は、「前回12月議会での指摘を受けて、私自身、庁舎内を点検・巡回したが、ご指摘のような事実は認められなかった」と答弁したため、同市議は質問を続行できず、次のテーマに移って終わったという状況です。

 また、全面禁止を決断した「事例」として鎌倉市を持ち出していますが、これは、産経新聞が4月5日付で、「『赤旗』の勧誘市庁舎内禁止鎌倉市『職務の中立性重視』」という記事を載せたことを利用した攻撃です。日本共産党鎌倉市議団は、この報道に対しただちに、「政治活動の自由、市職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由はなんら禁止されていません」との見解を発表し、議員団のホームページに載せました(裏面)。12月議会で市長が政治活動の規制の検討を表明したものの、憲法に反する規制は行うことができず、個人情報を取り扱う執務室内の規制にとどまらざるを得なかったのが事実です。

 いずれにしても、憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、侵害することはできません。

以上

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日本共産党伊丹市会議員団の「見解」で引用した、日本共産党鎌倉市会議員団の「見解書」

職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由はなんら禁止されていません

事実と異なる一部新聞報道について

2014年4月5日
日本共産党鎌倉市議会議員団

1、4月5日付の産経新聞で「赤旗の勧誘市庁舎内禁止」「鎌倉市『職務の中立性』重視」との見出しをたてた記事が掲載されました。これは、事実と異なるものです。政治活動の自由、市職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、なんら禁止されていません。

1、「『職務の中立性』重視」を産経は「理由」としていますが、市当局は、今回、「情報管理と安全確保の観点から」を理由として「執務室内での物品の販売の禁止」をしたというのが事実です。松尾市長も党市議団の申し入れに対し、(職員が)「各政党のことを全部読んで、それをきちんと吸収したうえで市政をすすめていくことは良いことだと思うので、そこの禁止は全くできないこと」と答えています。この問題を質問した自民党議員でさえ、「職員の自由意思は尊重したい。読むなとは言っていません」と発言していたものです。

 また、「市庁舎内禁止」との見出しについても、市民の個人情報の管理や安全にかかわる「執務室内」に限定したのが今回の市の方針であり、市庁舎内すべてで禁止などということも、事実と異なります。さらには、庁舎管理規則は、議員の政治活動であることをもって禁止するルールでないことは、議会答弁で明確にされています。

1、今回、自民党議員の質問に始まった一連の経過にもかかわらず、憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、侵害することはできないということを、あらためて明らかにしておくものです。

2014年6月議会一般質問:上原ひでき 生活困窮者自立支援法に伴う諸問題

2014年6月11日

日本共産党議員団 上原秀樹

1.生活困窮者自立支援法の施行に伴う諸問題について

 2013年12月臨時国会で、生活困窮者自立支援法が成立し、来年4月1日に施行されます。この法律によるとその目的は、「生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給その他の支援を行うため所要の措置を講ずる」とされ、その概要は、必須事業として、自立相談支援事業の実施並びに住居確保給付金の支給を行い、任意事業として、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業等を実施するとされ、それぞれ国庫負担金並びに国庫補助金が措置されることになります。

 この法律の背景となったのは、現在、生活保護の受給者は200万人を越え、支給総額も3兆円以上になっており、そこでは高齢者世帯のほか病気や障害で働くことができない人や母子家庭だけではなく、失業や非正規雇用などの現役世代の受給者が増え、これらの人たちの生活を立て直し就職に結びつけることが求められていることにあります。しかし一方では、この法律によって、生活保護からの追い出し、新たな「水際作戦」につながるのではないかとの危惧もあります。

 そこで次の点に関して質問をいたします。

1) 自立相談支援事業について

 相談支援はこの事業の要であり、相談を受けて相談者の抱える多様な問題を理解し、支援計画を立てることになることから、相談員となる人は、行政組織や支援施策に精通した職員が担当しなければなりません。衆参厚生労働委員会の付帯決議でも、「訪問支援にも積極的に取り組む」「ケースワーカーや民生委員等、関係者間の連携と協力のもと、生活困窮者に対して漏れのない支援を行うこと」「そのために社会福祉士等の支援業務に精通する人員を十分に配置する」などとされているところです。

 さらに、この事業の実施主体は福祉事務所設置自治体ですが、民間団体への委託も可能とされている点についてです。しかし、市営住宅や上下水道、学校教育、国保・年金、保育、介護保険、税等のあらゆる部署からの情報収集とともに連携が必要なことから、相談事業は直営とし、法律の専門家を含めた民間等の他団体との連携を強化することで、これを機に生活困窮者を真に支援できる仕組みをつくることが必要と考えます。

 担当部署をどうするのか、他の部署との連携、職員の配置、相談事業を直営とすることに関しての見解を伺います。

2) 生活保護申請の「水際作戦」を助長することにならないように

 自立相談事業には、生活保護申請への助言や適用の義務は明記されていません。モデル事業の就労支援センターを開設したある市の市長が、「この事業によって安易に生活保護を受給する方を水際で止める」と記者会見で語っておられましたが、このような不適切な運用があってはなりません。

 そこで、この支援法の様々な事業は、生活保護法第4条の第1項で「要件」とされている「その他あらゆるもの」、また、第2項の「他の法律に定める扶助」に含まれるのかどうか、すなわちあらたな制度ができても、生活保護の要件を満たしている人については、この制度に基く支給を受けているかどうかにかかわらず、保護を受給できるのかどうかについて見解を伺います。

【2回目】

1.生活困窮者自立支援法の施行に伴う諸問題について

1) 自立相談支援事業について

○生活困窮者を真に支援できる仕組みをどうつくるのか。

・生活保護に陥る前の人をどのようにしてキャッチするか…伊丹市や社会福祉協議会、様々な民間福祉団体、民生委員等とのネットワークの構築

・相談窓口にどう行き着くか…新たに生活困窮者の相談窓口を広げること、「気軽に相談にのってもらえる」市民への広報の仕方→現在は生活支援管理課が所管されて準備をされているが、法施行後もここに総合相談窓口を設置するとなると、あまりにも生活保護の相談というイメージが強く、生活保護に至らない場合の新たな支援ができるという利点はあるものの、総合相談窓口として適切なのかどうかは市民相談課との関係も含めて検討していただきたい。

・庁内の連携の中で総合的に支援する仕組みをどうつくるのか…公共料金、税等の各種滞納問題等から

○法施行前のモデル事業を行っている滋賀県・野洲市

・相談支援事業の考え方

・社会福祉協議会、ハローワークとの連携はこの事業を所管する市民生活相談課に隣りあわせで机が置かれている。

・不動産管理業者、ガス会社との連携で家賃滞納から

・国民健康保険からの生活困窮者発見プロジェクト

2) 生活保護申請の「水際作戦」を助長することにならないように

「2.ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために」はこちら
「3.公共施設の再配置計画-保健センターと職員会館機能について」はこちら

2014年6月議会一般質問:上原ひでき ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために

2014年6月11日

日本共産党議員団 上原秀樹

「1.生活困窮者自立支援法に伴う諸問題」はこちら

2.ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために

1)リストラの内容、働く人たちの生活と雇用・地域経済への影響に対する見解を伺う。

 半導体大手メーカーであるルネサスエレクトロニクスは、これまで毎年のようにリストラを行い、2万人に超える人員削減を強行してきました。そして今年1月に新に大リストラ計画を発表しました。その内容は、「国際競争力強化」を理由に、2015年度末までに、社員5400人を削減、賃金制度改定で人件費100億円削減するというものです。

 人員削減は、早期退職の募集、社外への転籍などとしていますが、2015年9月に北伊丹事業所を閉鎖するとして、関東の事業所に関連企業も含めて1600人もの大量転勤を命じ、応じられない人を退職に追い込もうというものであります。

 このことが実施されるならば、転勤できない人の生活に対する多大な影響だけではなく、周辺地域の経済にも重大な悪影響を与えます。職場からは、子育てや親の介護などで移動できないなどの声が上がるとともに、「いくら会社の説明を聞いても武蔵に集約する合理性が見えない」「これまで懸命に積み上げてきた技術はどうなるのか」「転勤しても、行った先でまたリストラになる、信用できない」と、厳しい批判の声が上がりました。

 一方、ルネサス北伊丹事業所の前身である三菱電機は、瑞ヶ池を埋め立てて建設した、伊丹市の誘致企業です。様々な優遇を受けてきた企業が「国際競争力強化」を理由に、事業所閉鎖などで労働者と地域、住民にしわ寄せすることが許されるのでしょうか。労働者、地域住民の雇用と生活を守ることは、最も基本的な企業の社会的責任です。ルネサスの設立母体である三菱電機の社会的責任も問われなければなりません。

 そこで、伊丹市としてのルネサスの今回のリストラの内容、働く人たちの生活と雇用・地域経済への影響に対する見解、並びに、伊丹市として誘致した企業が撤退することに対する行政の考え方、空港を「売り」にして企業誘致を行っている立場からこの事態をどう見るのかについての見解をお伺いします。

2)兵庫県、伊丹市、県労働局との協議の内容について

 「ルネサスのリストラから雇用と地域経済を守る連絡会」は、4月30日、兵庫県と伊丹市に対して「雇用と地域経済を守るための要請書」を手渡して懇談しました。石井孝一・県産業労働部長は、「雇用問題については、影響を少なくしていくために、市と労働局と連携をとりながら最善の努力をしたい」とされるとともに、松村隆・伊丹市都市活力部長も、県と連携するとして5月中に話し合いを持ちたいとされていました。

伊丹市として、県、労働局と連携をして雇用と地域経済を守るためにどのような最善の努力をされようとされているのでしょうか、お伺いします。

【2回目】

2.ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために

1)リストラの内容、働く人たちの生活と雇用・地域経済への影響に対する見解。

・答弁では、「市としては到底受け入れがたく、説明を聞いて、はいわかりましたといえることではない」と答えたとされている。これは当然のことで、「国際競争力強化」の名のもとに事業所閉鎖で、関連企業を含めた1500人をリストラするものだから。

・ルネサス自体は売り上げも営業利益も伸ばしている。

・産業革新機構が約70%の株を所有し、リストラの先導役を果たしている。

2)兵庫県、伊丹市、労働局との協議

・国も含めて、兵庫県と伊丹市は、住民に就業と生活を保障する自らの責任とともに、大企業にその社会的責任を果たさせていく政治的指導責任も、自覚的に取り組む必要がある。その対象は、ルネサスだけではなく三菱電機も。

① 従って、今回のリストラに関しては、リストラによって被害をこうむるであろう地域住民や業者、自治体に対して、十分な説明責任と補償責任を取るよう要求するとともに、地域経済への影響について当該企業が積極的に協力するよう求めていく必要がある。

 この点についての見解を伺う。

② 家族の事情等で転勤できない人に対して、「工場閉鎖のための従業者の出向・移籍による労働移動の支援」を県とも協力して進めると答弁。もともと企業には、従業員の雇用と家族の生活を守る責務があり、それこそが企業の社会的責任の核心をなす問題。

・そもそもルネサスは、答弁でもあったとおり、半導体産業の国内での規模縮小の中、三菱電機等がその部分を切り離して設立したもの。方や三菱電機は、売り上げも営業利益も内部留保も大きく伸ばしている。労働移動の支援に関して、その設立母体の三菱電機の社会的責任も問われなければならない。

・そこで、先ほどの答弁に関して、「出向・移籍による労働移動の支援」という点では、三菱電機に対する働きかけも必要と考えるが、見解を伺う。

「3.公共施設の再配置計画-保健センターと職員会館機能について」はこちら

2014年6月議会一般質問:上原ひでき 公共施設の再配置計画-保健センターと職員会館機能について

2014年6月11日

日本共産党議員団 上原秀樹

「1.生活困窮者自立支援法に伴う諸問題」はこちら

「2.ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために」はこちら

3.市役所南館の解体を目前にして公共施設の再配置計画での残された課題整理を-保健センターと職員会館機能について

 2007年5月に示された「公共施設再配置計画」に関しては、様々な議論を経ながらも、(仮称)児童発達支援センターの建設のための市役所南館の解体が間近に迫り、「計画」の実現に向けて後残された課題もわずかとなってきました。

 現在の南館は、保健センター機能とともに、児童発達支援センターの一部機能、職員会館機能として活用されており、その機能の移転先の決定が急がれています。

 そこで、

1) 保健センターの事務所をどう確保されようとしているのかお伺いします。

2) 職員会館機能については、防災センターを旧図書館に設置する際に議論があり、新たにできる防災センター内に入ることも踏まえて検討するとされていました。そこで、そもそもどんな機能を残すことを想定していたのか、また、現在はどんな機能が必要と考えるのか、さらに、もともと防災センターの場所にその機能を持ってくる計画であったのに今の防災センターが完成した後、なぜそこに移転しなかったのか、防災センター以外の別の場所を想定されているのかについて見解をお伺いします。

【2回目】

3.公共施設再配置

○昼食時の休憩室機能

・現在本庁舎地下と南館に確保していると。しかし南館の3室は机とイスが置かれているだけ、地下は一般の来庁舎の目に止まる場所でもあり、休憩室として十分とはいいがたいと感じた。

・答弁で、労働安全衛生法の規定を引用され、職員の健康確保と疲労回復のための施設、設備の整備は雇用主の責務と考えていると。ならば、監査委員会からの指摘があるとおり、十分休憩ができ、リラックスできるスペースを確保することが大切。

このことが精神面での疲労回復やメンタルヘルス対策の重要な要素となる。

・答弁ではこの趣旨を踏まえ、検討されているとのことなので、検討結果を待ちたい。

いずれにしても、行政需要の変化と施設再配置によって庁舎内全体の見直しも必要になっていると思うので、効率的な配置に勤めていただきたい。

2014年6月議会一般質問:かしば優美「 医療・介護総合確保推進法(案)」の問題点について

「医療・介護総合確保推進法(案)」の問題点について

2014.6.11. かしば優美議員

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告通り質問します。

【第1回目の質問】

 今年4月、安倍内閣が国会に提出した「地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」いわゆる「医療・介護総合確保推進法案」が今国会で審議されています。この法案は、多くの高齢者を介護サービスの対象から除外し、入院患者の“追い出し”をさらに強化するものとして大きな問題となっています。

 この内容はご承知のように、2015年度(第6期)から要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行する、在宅でも施設でも利用料の大幅な負担増、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定するなど重大な制度後退となるものです。本法案の改正内容等を踏まえて概括的に2点うかがいます。

 第一に、「介護保険制度の持続可能性の確保」が意味するものについて、今年3月議会代表質問でわが党の上原議員の質問に対し当局の答弁は次のようなものでした。「今回の介護保険制度の見直しは、今後2025年に向けて75歳以上の高齢者数が急増するとともに、単身や夫婦のみの高齢者世帯が増加する中で、できる限り住み慣れた地域で暮らせるよう地域包括システムの構築を推進するとともに、介護費用の増加にともなって介護保険料の上昇が見込まれる中、低所得者の保険料の軽減拡大や給付の重点化、効率化により介護保険制度の持続可能性の確保をしようとするものとされています。」これは国の言い分と同じです。

 具体的な改正内容を見ると、給付の重点化とは対象を限定することであり、効率化とは費用の削減であることは明らかです。また「介護保険制度の持続可能性の確保」とはさまざまな困難を抱える利用者や介護現場に視点をあてた見直しでなく、保険財政の事情を何より優先させた考え方ではありませんか。当局の見解をうかがいます。

 第二に、「地域包括ケアシステムの実現」に関してですが、地域包括ケアシステムの実現は、主として提供体制にかかわる課題として打ち出されています。

 国の第6期介護保険制度改正の概要によると、地域包括ケアシステムの実現に向けて、①生活支援サービス事業の充実②在宅医療と介護の連携の推進③認知症施策の推進④地域ケア会議の推進などが地域支援事業の課題として盛り込まれています。特に今回の改正は、「病院や介護施設から在宅」へシフトを強めようとしているのが特徴です。

 例えば医療法の改正により「病院病床の再編」として、病床機能の見直しとそれによる病床数の削減、入院日数短縮があげられて、「入院から在宅へ」の流れを進める。また近年社会的にも大問題になっている認知症について、その原因や有効な治療方法もないにもかかわらず国は、「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現をめざすとして介護保険の地域支援事業に位置づけるとしています。

 しかし高齢化の進展、貧困・社会的孤立の広がりのもとで、地域の「自助」「互助」の機能そのものが弱体化し、住み慣れた地域で暮らし続けることそのものが困難になっている中、「医療と介護の連携」等といっても本当に地域での受け入れが可能なのかどうか危惧するものであります。高齢者・住民本位の地域包括ケアは、医療・介護、社会保障の公的な充実があってこそ実現すると考えますが、当局の見解を求めるものです。

 2回目以降は一問一答方式で質問を行います。

【以下一問一答方式】

1.要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行することについて数点うかがいます。

【2・3月議会本会議答弁】
 「事業移行前から既にサービスを受けている人については、その状態像などを踏まえ、ケアマネジメントで必要性が認められれば、事業移行後でも必要に応じて既存サービス相当のサービスの利用が可能となる仕組みが検討されていり、一方事業移行後に新たに要支援認定を受けた者についても、住民が担い手として積極的に参加する取り組みなど多様なサービスの利用を促していく…。」

(1) 今後の要支援1、2の認定そのものがどうなっていくのかという点です。

 現在の介護保険のしくみは、軽度であっても認定と給付が一体のものとして扱われています。ところが「要支援者」を給付からはずし総合事業に移行するとなれば、要支援認定者という存在自体が大幅に減っていくことになるのか。また現在、要支援1、2認定であるが、訪問介護とディサービスしか利用しない人は認定そのものから外れることになるのではないか。今後の要支援1、2の認定に関して当局の見解をうかがいます。

(2) 今回の要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行することに関して、「今後は人員や運営等にかかる細かな基準は国として一律に定めず、事業の大枠をしばるガイドラインを作成し、その範囲内で市町村による柔軟で効率的な対応を可能とする。」としています。

 ここで問題の一つとなるのが介護サービスの基準です。現制度では介護予防訪問介護の費用単位が全国一律で週一回程度一月額1,226単位、週二回程度一月額2,452単位と決まっています。また介護予防通所介護は全国一律で要支援1-2,115単位、要支援2-4,236単位と定額制となっています。利用できる上限額も要支援1で5,003単位、要支援2で10,473単位と定められており、多くの認定者は上限額の範囲内で各サービスを組み合わせして利用しています。今回仮に利用できる上限額が下げられることになればその分サービスを削らざるを得ないことになってきます。これら介護サービスの基準に関して当局の見解を求めておきます。

(3) 医療・介護団体の調査によると、要支援者の多数が訪問介護、通所介護(ディサービス)を利用しており、訪問介護は一人暮らし要支援者の生活支援、通所介護へは家族介護者の支援において、なくてはならないサービスとして重要な役割を果たしています。

紹介すべきケース

  • 73歳・女性・一人ぐらし
  • 介護認定一要支援2(介護サービスは訪問介護週1回・1hのみ、部屋や風呂掃除、買い物訪問看護週2回-もく浴)
  • 状態像-身体左麻痺している。足は人工股関節いれ何とか歩ける状態(買い物はバスに
    乗って)
  • 今後の希望-せめて週1回通所介護で入浴したい

 サービスの縮小・打ち切りは、在宅生活を困難にし、病状や要介護度の悪化、家族の介護負担の増大をもたらすことになるのではと考えますがいかがでしょうか。

(4) 事業所への影響についてであります。

 今回の改正では事業者を指定(または委託・補助)する場合、訪問型・通所型サービスについては、現在の要支援1、2にかかる訪問介護、通所介護の報酬以下の単価を市町村が独自に設定するしくみとされています。

 その結果、とくに小規模事業所では、「新しい総合事業」を受託できない、受託しても事業単価の切り下げによって収益が大幅に減少することで事業の存続そのものが困難になる恐れがある。また職員にとっては処遇条件の切り下げにつながり、場合によっては事業所の縮小や休止によって失職することにもなりかねないことが指摘されていますが、当局はどのように受け止めているのかうかがいます。

次に、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定することについてうかがいます。

3月議会本会議で当局は、

 「認知高齢者で常時適切な見守りや介護が必要な場合等のやむを得ない事情により特例的に入所認める方向で検討されている。」「今後も引き続き要介護になっても住み慣れた地域でできる限り安心して生活できるように、小規模特別養護老人ホーム等の地域密着型の施設やサービス付き高齢者向け住宅等の整備に計画的に取り組んでいく。」

と答弁されました。

これに関して

①現在特別養護老人ホームに入所している要介護1、2の入所理由を掌握しているのか?

(注)現在特別養護老人ホームに入所している要介護1、2の入所理由の6割が「介護者不在、介護困難、住居問題等」、二割が「認知症のBPSDその他の理由による判断力の低下、喪失」という調査結果。

②入所定員数とほぼ同数の待機者がある中、「やむを得ない事情」があると認められてもすぐに入所できる保障があるのか?

③「サービス付き高齢者向け住宅」は、そのすべてで必要な医療・介護が提供され、最後まで暮らし続けられる実態なのか?

 それぞれうかがいます。

3.在宅医療と介護の連携の推進についてうかがいます。

 最初の質問の中で、特に今回の改正は、「病院や介護施設から在宅」へシフトを強めよ
うとしているのが特徴であり、地域包括ケアの受け皿として「在宅医療と介護の連携の推
進」などが地域支援事業の課題として盛り込まれていると述べました。ところが実際の訪
問看護等の提供体制はどうなのかであります。

 今年4月更新版による伊丹市介護保険サービス事業所一覧表によりますと、小規模多機能型居宅介護のサービスに加え、必要に応じて訪問看護を一体的に提供する「複合型サービス事業所」わずか1箇所のみ。訪問看護事業所は市内に17事業所があるものの、零細事業所が多く、24定期時間対応巡回型サービスも絶対的不足している現状であること。慢性的な看護師不足という状況。今回の診療報酬改定による在宅訪問診療の診療報酬が減額させられたことにより、病院や診療所が訪問・往診から撤退する動きがでているなど、厳しい状況をどのように認識・改善されようとしているのか。見解をお聞きするものです。

【終わりにあたって意見を述べる】

 介護保険制度は14年前、「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンを掲げて導入されましたが、実際には要介護度に応じてサービス内容や支給額が制限され、スタート当初から「保険あって介護なし」といわれてきました。

 そして現在さまざまな面で「介護の危機」が言われています。介護問題は現在の高齢者だけの問題ではない。年間十万人を超える人が家族の介護のために離職・転職を余儀なくされている中でいまや現役世代をふくめた国民的な課題になっている。

 日本共産党は緊急策として、①特養の抜本的増設に国策を転換すること②現役世代が安心できるために介護の保障と負担軽減③介護労働者の労働条件の改善で、提供体制を強化する④虐待・貧困などへの対応は措置制度で

●具体的例

(1)ケースI

  • 八十歳前後の夫婦と息子の3人暮らし、
  • 介護認定一夫は要支援1(手が少し麻痺している。歩行はOKの状態)
  • 妻は要介護3(重度の認知症で、トイレ・風呂自力では無理、睡眠が不規則
     ↓ 介護サービスは訪問介護週2回、通所介護週3回)
  • 今後の家族介護はますます厳しくなる

(2)ケースII

  • 73歳・女性・一人ぐらし
  • 介護認定一要支援2(介護サービスは訪問介護週1回・1hのみ、部屋や風呂掃除、買い物
  • 訪問看護週2回-もく浴)
  • 状態像-身体左麻痺している。足は人工股関節いれ何とか歩ける状態(買い物はバスに乗って)
  • 今後の希望-せめて週1回通所介護で入浴したい

 この「医療・介護総合確保推進法案」は医療・介護の一体改悪といえるもので、「病院病床の再編」では病床機能の見直しとそれによる病床数の削減、入院日数の短縮があげられています。「入院から在宅へ」の流し込みを強力に推進して、全体として“できるだけ国にとって「安上がり」で効率的な医療・介護提供体制に再編していく構想”であり、市町村が担う地域包括ケア(システムの構築)はその受け皿として位置づけられています。

(3)ボランティアへの代替による専門職の切捨てになる。

○ヘルパーの生活援助は、単に掃除や調理をすることではありません。状態変化の早期発見と対処、リスクの回避、認知症への対応、利用者との時間をかけた関係づくり、信頼の構築や相談援助など、一連の家事を通して生活を総合的にささえる点にその専門性があります。これをボランティアで代替することはできません。「ボランティアでも可能」というのは、介護の専門性を真っ向から否定するものです。

1、予防給付費の伸びを半分に抑えるという大幅な削減目標をかかげ、この目標を達成するため、市町村が新事業を実施する予算には、「介護給付費×○%」などの上限がかけられることについて→諸説明しているが結局介護給付費の押さえ込みが目的でないか。

2、看護師の配置が厚い「7対1病床」については、2014~2015年度の2ヵ年で9万床を減らそうとしていることについて→在宅医療と介護の連携を推進

2、在宅でも施設でも利用料の大幅な負担増

【2・3月議会本会議答弁】

 負担割合が2割になったとしても、高額介護サービス費の仕組みにもとづき利用者負担には月額上限額が設けられていることから、見直しの対象者とする利用者全員の負担が必ず2倍になるものではないとされています。

①年収280万円以上の単身高齢者などのサービス利用料を1割負担から2割負担に引き上げる

○実施された場合、伊丹市内で対象者はどの程度なのか(被保険者と利用者それぞれ)

②施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」要件に資産を追加

○保険料を支払うことで給付が受けられる社会保険制度に資産要件を導入することがはたして妥当なのかどうか?

2014年度兵庫県・阪神地域合同防災訓練への米軍参加の中止を求める申し入れ

2014年5月14日

伊丹市長藤原保幸様

日本共産党伊丹市議会議員団
団長 上原秀樹 
議員 加柴優美 
議員 久村真知子
事務局長 服部好廣 

2014年度兵庫県・阪神地域合同防災訓練への米軍参加の中止を求める申し入れ

 8月31日に南芦屋浜を中心に兵庫県と阪神8市町の主催で実施する合同防災訓練に、米軍の参加を兵庫県が要請していることが明らかとなっています。

 そもそも防災訓練は、甚大な被害をもたらした阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓を生かし、今後想定される南海トラフ巨大地震・津波などから住民の生命と安全、財産を守る取り組みの一環としてきわめて重要なものです。

 ところが、兵庫県は、今年度の防災訓練に自衛隊姫路基地を通じ、在日米軍の参加を要請しています。また、去る4月23日付神戸新聞は「在日米軍が始めて参加することが取材でわかった」「オスプレイの投入も調整中だが、今回は見送られる見通し」と報じています。兵庫県は、米軍の参加の理由を、南海トラフ巨大地震では広域災害が想定され、多方面からの応援が必要としています。

 しかし、これは、日本政府と米軍の意向に沿ったものです。すなわち、2013年7月6日付沖縄タイムスは、小野寺五典防衛相が、在日米海兵隊を統括するグラック海兵隊中隊と会談し、「今週にも南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震を想定した日米合同の防災実動訓練を実施することで一致した。MVオスプレイも始めて投入する」と報じていること、また、今年10月の防災訓練への在日米軍の参加を受け入れた和歌山県知事は、「防衛省から在日米軍の協力を得てよいかという打診があり」、オスプレイの活用の打診もあったことを述べていることからも明らかです。先の神戸新聞でも、東日本大震災での米軍による「トモダチ作戦」を踏まえて、米軍は自治体との関係構築をさらに広げる狙いがあると指摘しています。

 兵庫県が必要としていることよりも、震災支援を利用して日米同盟の「深化」を図ろうとする米軍と日本政府の意向に沿ったものといわざるを得ません。

 さらに、どんな被害想定でどんな訓練を行うかも明確になっていない段階で、参加要請の形を取っているのは「米軍参加ありき」と指摘せざるを得ません。

 このような米軍の防災訓練への参加は、県民・市民の厳しい批判をまねがれないものです。

よって、以下のことを強く申し入れるものです。

1.2014年度の県・阪神地域の合同防災訓練への米軍参加は取りやめること。

2.兵庫県、阪神8市町が行うべきは、自治体と住民、消防、警察など関係機関が協力して、震災発生直後の人命の救出と救助、消防等の訓練を積み上げることであり、関係機関や住民の意向も踏まえた防災訓練とすること。
以上

2014年3月議会 本会議 平成26年度一般会計予算・老人等医療費の助成縮減に反対

議案第20号「平成26年度一般会計予算」、議案第51号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」に対する反対討論

2014年3月27日

日本共産党伊丹市議会議員団

日本共産党議員団を代表して、議案第20号「平成26年度一般会計予算」並びに議案第51号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」に対して反対の立場から討論します。

はじめに、議案第20号「平成26年度一般会計予算」についてです。

2014年度の市民をめぐる情勢は、働いている人の賃金が20ヶ月連続で前年同月比マイナスとなるとともに、アベノミクスの金融緩和で、レギュラーガソリンや灯油、ガス・電気代、生鮮野菜、マーガリンや乳製品など生活必需品の価格高騰が続き、2013年の消費者物価指数が前年比0.4%上昇するなど、生活がより悪化する中で迎えようとしています。

その上、国の予算で、70歳から74歳の医療費窓口負担を1割から2割に倍増し、生活保護の生活扶助費を2.5%削減、年金支給額も1%削減など、社会保障の負担増と給付減で国民負担は約2兆円、消費税増税と合わせて10兆円もの国民の負担が増えることになります。兵庫県も、老人医療費・母子家庭等医療費の助成を削減しようとしています。
このように市民の暮らしは深刻になっているとき、伊丹市は市民生活を守る防波堤としての役割を果たさなければなりません。

以下、意見を述べます。

はじめに歳入についてです。市税においては、法人市民税は若干の増とするものの、個人市民税は復興税と給与所得控除の上限設定による増税による増収を見込む一方、個人給与所得や年金所得等では減少するとし、アベノミクスによる市民への悪影響があらわとなっています。

地方交付税では、国は一般財源について、前年度水準を相当程度上回る額を確保したとしていますが、約6000億円の増に過ぎず、新たな社会保障関係費や給与削減分の復活等による1.3兆円の増額を満たさず、総額を抑制するための経費削減を行っており、引き続き「抑制基調」であることには変わりません。伊丹市として、小泉内閣によって大幅削減した地方交付税を以前の水準まで復元することを、引き続き要望していただきたいと思います。

次に問題点について述べます。

第1に、全国緊急防災・減災事業の財源確保の名目に、個人市民税の均等割を500円引き上げ、約9万人に対して4500万円の増税を行いました。国は、法人税に対してはいち早くこの復興税は廃止をする一方、消費税増税と物価の値上がり、所得減少に苦しむ市民だけへの増税は納得できません。

第2に、兵庫県の「第3次行財政改革プラン」に基づく老人・母子家庭等に対する福祉医療助成制度縮減により、伊丹市もこれに従い、それぞれの生活困窮者に対して、合計約17240万円の負担を押し付けようとすることです。丹波市では母子家庭等に対する医療助成は、全額自治体の負担で市民への負担を回避する措置をとりますが、伊丹市としてもそうするべきです。

第3に、中学校給食では、長年の市民の願いが実現することとなり、評価するものです。

しかし、自校調理方式ではなくセンター方式とすること、並びに調理部門等を民間に委託するという「基本計画」を策定されたことは問題といわざるをえません。今後の課題として、一つには、自校方式のメリットを取り入れたセンター方式とするといわれていますが、生徒と栄養士・調理員との交流ができ、給食をつくる人への感謝の心をはぐくむことができる体制を取られること、野菜等の食材の地産地消によって学校と地域をつなぎ、都市農業の発展に寄与できるようにすること、アレルギー対策等安全・安心で、バランスの取れた給食の提供と同時に、生徒の意見を聞いて残食を減らす努力をすることなどを求めるものです。また、調理業務の民間委託に関しては、偽装請負が常態化せざるをえないこと、民間業者の経費削減のために従業員の給料が抑制されることや入札によって事業者が変わることで、安定した調理業務に支障をきたすことから、直営で運営することを強く求めるものです。

また、小学校給食に関して、2時間喫食、二重食缶、栄養士・調理員との交流による食育の推進等充実されることをもめるものです。

第4に、学校教育審議会で議論されている公立幼稚園のあり方に関して、教育委員会の見解をただしたところ、今後引き続き議論がなされるとしながらも、一つには、幼稚園の規模としてⅠ学級20人以上、並びに複数学級が望ましいとして、神津認定こども園を除いた16園を10園に統廃合されようとしていること、また3歳児保育を実施することは難しいとされていることです。幼稚園教育のあり方の問題が十分議論されておらず、10園に統廃合する根拠も3年保育が困難であるという理由も明らかではありません。今までの答申にこだわらず、改めて、今後伊丹市全体の3歳以上の幼稚園教育のあり方を十分議論をしていただき、3年保育を実現するとともに公立幼稚園の統廃合はしないことを、伊丹市子ども・子育て支援事業計画に反映していただきたいと思います。

第5に、国民健康保険事業に対する「法定外繰り出し」の見直しをされたことです。すなわち、従来通りの繰り出し基準による予算化をし、国保会計が黒字の場合、黒字分を一般会計に繰り戻して基金に積み立てる、赤字が生じたときに基金を取り崩して国保会計に繰り入れをするというものです。この場合、赤字になっても国保税は値上げをしないという側面があるものの、高すぎて払えないという国保税の引き下げはしないということにもなります。

2017年度の「都道府県単位化」に向けて国保会計の赤字は生じさせないということを目的としたものですが、たとえば、2013年度に関しては、当年度の値上げ分2億9千万円のうち、2億5,200万円は黒字となる見込みであり、一般会計に繰り戻すのではなく引き下げに使うべきでした。

次に、来年度予算で評価すべき点についてです。

第1に、国の補正予算等の有利な財源を活用して、学校施設大規模改修やプール整備、市営住宅管理工事等公共施設の保全・改修を実施することです。ただ、入札における不調が昨年多発しており、来年度の公正・公平な入札が実施できるのかどうか心配をするものであり、改善を求めるものです。

第2に、(仮称)児童発達支援センター整備事業を予算化されるとともに、荻野保育所の新築移転による耐震化、私立保育所等の施設整備によって275名の認可保育所定員増員をはかるなど、子育て支援策を充実されることです。認可保育所に関しては、2017年度から始まる「子ども・子育て支援新制度」に向け、保育所の待機児童は認可保育所で充足できるように、ニーズ調査の結果を踏まえて必要な増員をはかっていただくこと、小規模保育事業の基準は認可保育所と同基準とすること等、委員会で要求したことの実現を求めるものです。

第3に、自転車安全条例の制定と自転車等対策審議会の設置によって、自転車安全対策を市民と専門家の力を借りて行うこととされたことです。

次に、次年度に向けて主な要望をします。

一つは、安倍内閣による地方交付税の一方的な削減に対して、一般職の給与定昇停止と課長級以上の職員の給与削減を行っていますが、その復元を急ぐことです。

二つには、子ども医療費助成は、通院も含めて中学校卒業までの無料化を検討すること。

三つには、障害福祉に関しては、障害者権利条約の批准に伴い、条約を誠実に履行する立場からの障害福祉計画の策定を求めます。

四つには、農業振興基本条例に関しては、農業も含む産業振興基本条例の策定を求めます。

五つには、小中学校における就学援助では、新入学児童生徒学用品費等は入学前に支給できるように改善を求めます。

以上、主なものに限って問題点と評価すべき点、次年度への要望を述べました。そのほか、本会議・委員会で多くのことを要望しましたが、来年度に十分検討され、実施できる事業等から補正予算等に反映していただきますよう求めるものです。

次に議案第51号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」です。

本議案は、兵庫県の「第3次行財政改革プラン」に基づき、老人・母子家庭等に対する福祉医療助成を縮減しようとするもので、この改正によって、アベノミクスによる生活必需品の高騰、年金と給与引き下げの中で、低所得者層に対する一層の困難をもたらすことになります。よって反対とするものです。

以上、議案第20号並びに第51号に対する反対討論とします。議員各位のご賛同よろしくお願いします。