2018年6月議会 久村真知子:介護制度、住宅確保要配慮者、女性・児童センター

2018年6月議会 久村真知子:一般質問

2018年6月13日 日本共産党議員団 久村真知子

 ただ今議長の発言の許可をいただきましたので私は日本共産党議員団を代表して質問いたします。初めに

1.介護制度について

 2000年に介護保険制度が始まり、さまざまな改正が行われながら、多くの方が利用されるようになっています。伊丹市でも高齢者が介護を受けることによって安心な生活が送れるよう願うものですが、気がかりなのは、高齢で一人暮らしの方が、この制度をきちんと理解し、利用できているのかということです。このような心配をしているときに、実際にそのように感じた件がありましたので、居宅での介護の在り方について数点お聞きしたいと思います。

 ある一人暮らしの男性ですが、腰を痛め自力では動けず、ほぼ寝たきりの状態になりつつありましたので、介護認定を何回かすすめましたが、断り続けられていましたが、やっとヘルパーさんに入っていただき安心していました。

 ある日その方の知人と私が訪問したのですが、一人で歩けない状況なのにこれで大丈夫かなと少し驚きました。その時は、週二回ヘルパーに1時間来ていただき、洗濯、買い物してもらうだけしか時間はないという状況でした。そのような状況でしたから、長い間お風呂も入らず、髪の毛もひげも伸び放題、介護用ベッドの青いマットレスは、ふけだらけでした。サイドテーブルは小物ものであふれ、十分片付けられてはいませんし、食事も大丈夫なの、食べているのかな。という感じでした。一緒に訪れたその方の友達が、ベッドのふけを掃除機で片付け、台所も磨いていました。もう一人一緒に訪問した方も私もこの状況には驚かれていました。私も大変気の毒に感じました。

 この方のような状況は、安心した介護を受けていると言えるのでしょうか。自力では立てない状況のこの方の介護は、これでいいのか、本来はどのような介護メニュ―であれば、安心して生活できるものとなるのか。今後どうすれば本当に安心した介護に改善できるのか。大変気になりますので数点お伺いいたします。

(1) 1つ目として、この様な問題でほかにも困っている方などおられるのではないかと思います。事業所や伊丹市の窓口にも苦情や相談など寄せられているのではないでしょうか。どのような問題の相談が多いのかお伺いいたします。

 介護は大変だとは思いますが、私が訪問した時に見た状況は、この様な状況で良いのかと不信感を抱きました。介護される方が、気むずかしい人や頑固さでヘルパーさんを受け入れることが素直にできない方もおられるでしょうが、だからといって不十分な介護のしかたを続けることでは、一人一人の健康と生活が十分守られない状況とになるのではないでしょうか。

 私たちは、「動けないのに要介護2ではないでしょうと。」変更の要望をしましたら、しばらくして介護度の変更もされました。3日に一度のヘルパーが2日に一度来ていただけるようになりました。しかし1時間です。このような状況では、このかたの介護はまだ不十分だと思います。本来元気であった方ですから、一人で動けず家にこもっていることは大変さみしいのではないかと思います。テレビも隣の部屋に置いてあったので見ることもできていなかったようなので、私たちは、ベッドの部屋から見える方向へ移動もしました。家族がいない状況ではこのようなこともできていないので気の毒だと思いました。

 私達が訪問した後に、変更を申し出なければ、いまだに、このかたの介護は3日に一度、一時間のヘルパーさんの訪問で終わっているのでしょうか。お風呂の要望もしましたら、デイサービスにも始めていきお風呂に入ったそうです。

(2) このように一人暮らしの方には、介護サービスとして本来必要なメニューが十分できているのか、というチェックが必要ではないかと思います。

 特にこの方のように一人暮らしで介護制度のついても何も知らないという高齢者に対しては、だれがどのようにチェックできるのか。ヘルパーさんやケアマネさんには世話になっているので要望・苦情は言いにくいと感じている方も多いと思います。以前は介護制度に関して「サービス評価委員会」などあり、苦情があれば委員会でチェックされていたのだと思います。今も苦情についての相談解決は当然行われるべきですが、どのようなシステムでされているのでしょうか。お伺いいたします。

(3) 介護保険制度が開始されすでに18年が過ぎようとしています。

 年金者は、年金から高い介護保険料が天引きされていることに不満を言われています。保険料を支払っていることは分かっているのに、いつどのように介護を受ければいいのかどこへ相談すればいいのかなどまったくと言っていいほどご存じない状況の方が多いと思います。病気になってからでは遅いのですから、支払いをしている方がきちんと制度の関して知っておくということが大変大事だと思います。

 先日も認定書が送られてきた年配の方がこれは何かしら、この用紙には何が書いてあるのか見に来てほしいと電話がかかりました。認定されたことすら理解がされていないのですから、実際さまざまな手続きが必要になればどうなるのか心配です。まだこのように認知されていないという問題があるのですから、さまざまな周知が必要ではないかと思います。先ほどのようなトラブルをもなくすために。

 今までの事業所や介護保険課の窓口に寄せられた相談事を参考にして、どのようにすれば同じようなトラブルが防げるのか、起こらないようにできるのかの対策が考えられるのではないかと思います。

 各事業所などとも連携されていると思いますから、例を挙げてこのような時にはどう解決するのかなど、市民に分かりやすく示すことなどが、介護制度を理解することにつながり、利用するときにスムーズにいくでしょうし、結果トラブルをなくしていくことにもなると思います。事業所と利用者の市民がお互いをより理解する事が制度の充実にもつながっていくと思います

 先ほどのように、身近に見ましても、介護保険制度を皆さんが理解されているのかといえば、不十分の面が多くあると思います。今後も十分周知されることが必要と思いますが、どのようにお考えかお伺いいたします。

(4) しかし十分な介護を受けようとすれば利用料の増加も考えられ介護を遠慮することもあると思いますが、そのような事があれば安心した介護を受けることが出来なくなります。

 事業所に対しての支払いが滞納してのトラブルも出てくるでしょう。このような問題の解決の為には、利用料の負担に対する支援が必要と思いますが、どのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。

2.住宅セーフティネット法での、住宅確保要配慮者に対する計画について。

 このことに関しては3月議会で加柴議員が質問したところですが、さまざまな理由で適切な住宅が見つからないと、住宅探しに困っている方から相談も受けます。市営住宅に入居したいといわれ、「何回か応募してるが、中々当選しない」との声も相変わらず聞いています。このような方に対しての手立ては本当に急がなければならないと思いますし、空き家を利用しての方針も出でいますので、利用できればと多くの方が期待もしていると思いますので、関連での質問をさせていただきます。

(1) 宅セーフティネット法改正法の施行から1年を迎えようとしています。

 伊丹市も30年度の「住生活基本計画」では「検討していく」と方針を出されていますが、さまざまな理由で住宅を探している方は、早く進めて欲しいと思っていると思いますし。住宅を活用したい方にも朗報かもしれません。空き家を防ぐためにも利用を促進することは必要だと思います。実際には住宅確保用配慮者に対しての住居支援は、法律施行後どのように進んでいるのでしょうか。お伺いいたします。

(2) この施策を広げていくためには建物を提供する人、また借りたい人がこの制度に関してよく知ることが必要ですし、手続きなどに関しても簡単にはいかないでしょうから、この問題に関して役所にも相談窓口があれば関心ある方は、知ることもできるでしょうから、この制度を伊丹市内で充実するには皆さんが気安いところに相談窓口などを設置することが望ましいと考えますが、いかがお考えでしょうか。お伺いいたします

(3) この制度に対しては、空き家を作らない、活用できるようにするためにも、またシェアハウスでの生活も、若い人たちには、今後の新しい生活体制として浸透してきているようですから、そのような要望も増えてくるかもしれません。このような点に市民に関心を持ってもらうことは必要ではないでしょうか。

 そのために皆さんに何らかの形で周知することを考えることが必要と思います。空き家利用や、住宅確保要配慮者にこのような形での支援は、中々簡単に利用には至らないかもしれませんが、周知が進めば、今後一人暮らしの高齢者や非正規で働く若い方なども、利用を期待する人も増えるのではないでしょうか。このような住まいの活用は進めていく必要もあるかもしれません。そのためには、皆さんにこのような制度をさまざまに知っていただくことが、まずは今必要なのかと考えます。

 どのような広報の仕方をお考えでしょうか。お伺いいたします。

3.女性・児童センターが果たしてきた役割と今後の在り方について、

 女性・児童センターは、男女共同参画センターの拠点施設として位置づけられています。このたび女性・児童センター敷地内に、認定こども園が建設される予定のため、男女共同参画センターの機能移転が提起されています。今までも女性・児童センターの名称を男女共同参画サンターという名称にし、男女共同参画社会を目指すための拠点施設とすべきではないかと要望して来ましたが、名称は変わることはありませんでした。

 センターには女性が中心に多くの団体、市民が利用されています。また女性サロンでは、さまざまな女性の相談も受け解決に力を貸していただいてきました。今の社会は、まだまだ男女共同参画社会が構築されたとは思えませんので、そのための施設拠点であるといわれている施設がどのようになるのか、皆さん気になるところです。また今後「機能移転」とされるその機能とはなにか、またその機能を十分に発揮するための施設のあり方とはどのようなものと考えられているのかについて数点伺っていきたいと思います。

まずは、

(1) 伊丹市における男女共同参画社会の進展に関しての見解ですが。

 伊丹市としても男女共同参画計画を持ちそのような社会を形成するためさまざまに施策を行われているところですが。

 政府からも女性活躍社会と言われていますが、私たちの身近な周りには、そのような状況が見えてきてはいないのが現状ではないでしょうか。女性に対する暴力、DVもまだまだ収まらない状況で、今はセクハラがやっと取り上げられてきた状況です。それをなくすための糸口さえ、全くといっていいほど見つけられず、二次被害が当然のごとく現れています。男性の意識を変えるには男性の動きも必要かもしれません。それに加え男女ともパワハラがまかり通っている状況です。男女の賃金差別は解決せず。大変生活も苦しいし状況ですが、このような大きな問題を解決することなしに男女共同参画社会は築けないと思います。

 このような状況の中で伊丹市での男女共同社会への進展はどのような状況だとお考えか見解をお伺いいたします。

(2) 拠点施設である、女性・児童センターでは、相談事や習い事バザー学習など貸館機能が活発に行われてきたと思います。

 その事も十分必要なことですが、男女共同参画社会を目指す拠点としての役割としては、女性が社会に参画すことを自覚し、目指せるものがなにを感じることが必要ではないかと思います。今日までの役割としては、男女共同参画社会を築いていくための土台作りの役割はあったとは思いますが、そのような観点から見ましても、担当部局として、また今後のセンターの在り方を考えるためにも、働く婦人の家や女性サロンがはたしてきた役割はどのようなものであったかと評価されているのか見解を聞きします。

(3) 今後の在り方ですが、会館登録団体は以前、男女共同参画社会を目指す位置付けをもってもらうようにすべきではと質問させていただきましたが、今日の「女性・児童センター貸室使用要項」には会館の設置目的に男女共同参画推進の拠点施設であり、原則として施設の設置趣旨に該当するグループの活動推進のため使用できると規定されています。ですから登録団体はそのような点を考え活動されていると思います。

 今後伊丹市の計画を進め充実させるためには、このような今日まで活動されてきた団体の力を借りることは、大事かと思います。これからの男女共同参画センターの機能移転という形の中で、伊丹市の計画を推進していくためには、今後どのような施策が必要であるとお考えか。またセンターの果たすべき今後の役割どのようなものだとお考えなのでしょうか。お伺いいたします。

(2回目の発言)

要望

介護制度につて

 元気な時には必要ではないですから、制度の内容に関してはまったく関心がないと思われます。しかし若い方が高齢者を介護しなければならなかったり、同然当事者にもなるのですから、できるだけ早くに制度の内容をしっかり知っておくことは大事なことだと思います。平成28年度の集計ですか9,274件の相談があったわけです。内容としても「どのようにしてサービスを受けるのか」「どのようなサービスがあるのか」などまったく初期の質問だと思います。しかしこのような内容の相談は対象者は次々違う世代の次戸が出てくるのですから、やはり知らない方も減らないかもしれません。

 また安心できる生活にはなっていないと不安に思われる方や、苦情も全体からは少ないかもしれませんが、「ケアマネ」「事業者」「ヘルパー」に対して変更したいなどは大変大きな問題ではないでしょうか。皆さん介護保険料も支払っているのですから、安心できる介護制度にする責任は伊丹市にあると思いますので、一度あった苦情、要望はきちんと解決するよう考えていただきたいと思います。利用者がトラブルの解決の仕方も制度を利用するうえで保障されているのですから、そのような制度内容をしっかりと知ることができるようにしていただき、トラブルを早く解決できるように手立てをとっていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 住宅セーフニィネット法は、利用できるかと思いましたが全く進んでいないように受け取れるのですが、何とか進めていただければと思います。難しいのでしょうか。修理費など国からも出るという点も利用できればと思います。

 安心して利用できる施設と鳴るのではと思いますので、さまざまな団体などとも協力していい方向へ進めていただければと思います。

 伊丹市に相談窓口があることももっとわかりやすく市民にアピールしていただければと思います。子育て支援としてそのような空き家などや広い登録住宅などあれば子供たちがいる家庭は子育てがのびのびできれば助かるでしょうからもう少し市内への周知もおまがいしたいと思います。

女性センターについては男女共同参画に資する団体の育成や「女性の地位向上」

 「女性の社会参画」など女性の活躍に関して、男性の意識改革などに関する啓発など、男女共同参画に特化した取り組みの広がりが十分とは言えない状況であったと認識している。との答弁でした。

 このことに関しては、もっと早く検証していただきたかったと残念に思いますが、今後の施策にしっかりと活かしていただきたいと思います。

 そのためには男性も対象にした話し合い研究会も必要でしょうし女性がさまざまな話し合いをするために、登録団体が男女共同参画社会へ向けての交流なども行うことも一歩進めることになるでしょうから登録団体との協力関係は大事にしていくべきだろうと思います。機能移転はどのようなものか示し話し合いをされると移転問題の集まりでは言われていますから、これを機会に女性の社会での活躍のためには何が必要なのかなども話しあうことも意義があると思います。

 他市では男女共同参画条例なども作られ当然「男女共同参画センター」も駅前など便利なところに建設され女性が集いさまざまな活動を行っているのですから、その中で社会的に活動する力もついて活躍する方も出てくると思います。伊丹市の計画目標を達成するためにも、力を入れていただきたいと思います。周りの市に遅れをとらないようにお願いしたいと思います。

2017年12月議会 上原ひでき:一般質問 介護保険 道徳の教科化

2017年12月議会 一般質問

日本共産党議員団 上原ひでき

1.介護保険について(第7期計画に関して)

 今年5月26日に参議院本会議において可決された「改正」介護保険法によって、伊丹の介護保険事業計画、介護を受ける市民はどうなるのか。

 この「改正」介護保険法は、安倍政権が2015年に打ち出した「経済・財政一体改革」に基づいて検討・実施されたもので、2025年を目途に医療・介護提供体制の再編・縮小、負担強化と公的給付の削減を強力に推進することを目的にしたものの一環。そして「経済・財政一体改革」によって社会保障費を徹底的に削減するとして、2013年度から2015年度の3年間で毎年8,000億円から1兆円増大する社会保障費を3年間の合計1兆5,000億円まで削減し、2016年以降の3年間でも社会保障増加分を毎年5,000億円まで圧縮するとした。

 以上の流れから、今回の「改正」介護保険法には、二つの柱があるとされている。

○その二つの柱に沿って具体的な問題で質問

1)「給付と負担の見直し」では、すでに今年8月から実施されている高額介護サービス費の「一般区分」の負担上限を現行の37,200円から44,400円に引き上げたこととともに、利用料3割負担が盛り込まれた。

◎ 「現役並み所得」者の利用料3割負担化の問題では、年間収入単身340万円以上の場合、利用料を3割に引き上げることになる。収入に応じた負担の形態はとっているが、対象となった利用者が果たして3割負担に耐えられるのかどうか。介護保険の利用料だけではなく、今後予定される医療の窓口負担や保険料の値上げ、年金の切り下げなどを含め家計への影響をどう考えるのか。

2)「地域包括ケアシステムの深化・推進」に関して

 地域包括ケアとは、「要介護状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される体制」と説明されているが、国が実際に進めているのは、医療費・介護給付費削減の受け皿づくりとしての地域包括ケアになっているのではないかと思われる。次の点で具体的に伺う。

◎ 医療・介護供給体制の再編で、医療病床の削減による介護施設や在宅医療への流れを推進する中で、「介護医療院」が創設されることになった。これは介護療養病床全廃の受け皿として想定されるものだが、伊丹市にはその対象病床はないことから関係ないと思われるが、医療療養病床からの転換を自治体として規制できないことから、他市では介護保険財政に影響が出るのではないかとの懸念が広がっている。

 一方、医療・介護供給体制の再編によって、国は介護とともに医療の供給体制を在宅医療へと導いている。「住み慣れた地域で」という要望はあるが、供給体制がなければ医療難民を生み出しかねない。どのような体制になろうとしているのか。

◎ 国は、「自立支援・重度化防止」に向けて、国が示す評価基準に基づいて市町村が目標を設定し、その「成果」に応じて財政支援(財政的インセンティブの付与)を行うとされている。その具体的な評価指標として要介護認定率の引き下げなどが入る可能性があるのではないか。このことによる影響は要支援者・要介護者のサービス切り捨てにつながるのではないかと危惧するがどう考えるか。

◎ 「共生型サービス」の創設では、介護保険、障害福祉いずれかの指定を受けた事業所が、他方の制度における指定を受けることが容易になるとされ、対象となるサービスとして、訪問介護、通所介護、短期入所などが例示されている。高齢者・障害者に対するサービスでは重なる部分があり、行政の縦割りの是正にはつながる面はあるが、人員体制や介護・障害報酬によっては、サービスの専門性・質が担保され、高齢者・障害者の願いに適う事業になるのか危惧するところだが、どうお考えか。

◎ 「我が事・丸ごと・地域共生社会」が「我が事・丸投げ・地域強制社会」にならないように。…国は、制度・分野ごとの縦割りや「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、住民一人一人のくらしと生きがい、地域をともにつくっていく社会と定義している。この考え方が次期の介護保険計画に現れているのではないか。このことによって、介護保険計画の地域福祉計画化が進んでいるように思う。問題は地域住民の助け合いなどを行政機関の代替として地域福祉の公的システムに組み込むことにある。急激な制度改革による「制度の狭間」の問題に、地域住民等が自主的に地域福祉活動をすることは評価すべきことだが、「制度の狭間」を埋めるのは行政の公的責任で行うべきもの。見解を伺う。

3)全体的な問題として

◎ 介護離職は減少するのか…伊丹市は、第7期計画作成にあたってこの問題でのアンケートを実施されている。この結果を踏まえて、介護離職を減少することができるとお考えなのか伺う。

◎ 介護保険基金約10億円をどうするのか…第6期計画策定時に約11億円の準備基金があり、その半額を取り崩して保険料を軽減するとされた。結果としてほとんど準備基金は減少せず、10億円を残している。その原因をどう分析されているのか伺う。

 また、7期計画でこの10億円はどうされようとしているのか。本来計画遂行に必要とされた保険料を、何らかの理由によって余剰が生じた場合、サービス充実や保険料軽減にそのほとんどを使うべきものと考えるが。

2.来年から始まる道徳の教科化について

 来年から小学校における道徳の教科化が始まる。今年6月議会で、教育長は教育基本方針のなかで「道徳教育については、子どもたちの豊かな情操や規範意識、生命の尊重、自尊感情、思いやり等の道徳性を養うため、道徳教育推進事業における研究の成果を踏まえ、子どもたちが議論する授業を推進してまいります。また、授業公開や授業研究会を実施し、子供たちの成長を認め、励ます評価の研究を進めてまいります」と述べられた。

 私は、一昨年3月の代表質問で道徳の教科化について質問し、子どもの道徳が評価の対象とされることで、子どもの価値を評価することの問題とともに、検定教科書導入の問題点について質すとともに、子どもの権利条約を中心に、子どもの尊厳と権利を大切にすることを求めた。

 いよいよ道徳の教科化が始まることから、次の点を伺う。

◎ 伊丹市教育委員会が採択した教科書は、「廣済堂あかつき」の教科書となった。伊丹市教育委員会として、今までの道徳教育推進事業における成果を生かすことができるのか。また、この教科書にはどんな特徴があるのか、伺う。

◎ 考え方の押し付けではなく、児童が話し合い、自ら考えることができるようにすること必要…道徳は人間が生きていくうえで重要な働きをするもの。道徳は人間らしさや人間としての価値を作るものであることから、強制やわざとらしさがあってはならない。それがあるならもっとも非道徳的な教育になる。したがって、本人が自主的に考え判断できるように環境を整えることが重要と思う。道徳教育のあり方に関する見解を伺う。

◎ 小学校から中学校、高等学校へとつなぐ「主権者教育」のありかた…道徳教育には4つの項目があり、その一つが「主として社会や集団との関わりに関すること」があげられている。どの学年にも国、郷土との関わりが明記されており、身近な伊丹市にかかわることから兵庫県も国の問題でも一緒に考えることができる。子どもたちは結構敏感に政治のことに興味を抱いており、例えばこの前の総選挙や核兵器禁止条約、「モリ・カケ問題」など、発達段階に応じて新聞等を利用して情報提供し、話し合う機会を設けることも可能。見解を問う。

◎ 評価の基準はどうするのか…教育長の答弁で「励ます評価の研究を進め」るとされているが、どのような基準で評価されるのか伺う。

(2回目)

1.介護保険について(第7期計画に関して)

 そもそも今回の「改正」介護保険法は、参議院委員会での審議打ち切りと本会議における異例の中間報告という形での採決強行で決まったこと。

○利用料3割負担について

 2015年8月から実施された2割負担。国会審議の中で、この負担増が家族の生活を脅かしている実態が示され、国会でも問題となった。参考人の陳述でも、認知症の人と家族の会から、5万から10万円の負担増となり、食事を削るしかない、介護を続ける気力さえ失われると述べられている。この2割負担の影響の検証がないままの3割負担の強行がされたという問題があるということを指摘しておく。

○自立支援・重度化防止へのインセンティブについて

 サービスの切り捨てにつながるものではないとされているが、もともとの動機は財政支出削減にある。その指標として、介護するためにかかる時間と要介護認定の変化をアウトプット指標として設定するものとされている。詳細は決まっていないが、引き続き具体的な議論はしていきたい。

◎「共生型サービス」の創設について

 サービスの専門性・質の担保…国は、高齢障害者が介護保険に移行しても同じ事業所やヘルパーが利用できるようにするために導入するととともに人材確保のためと説明。しかし、「介護保険優先原則」により、全国で利用料負担やサービスの打ち切り・縮小など深刻な問題が生じており、「共生サービス」の創設で解消できないのではないか。例えば、少なくない障害者が介護保険では「要支援」と認定され、総合事業の対象となることで、無資格者のヘルパーが担当することにもなりかねない。さらに、介護保険では、現在国が「生活援助」サービスに対して回数制限を設定しようとしており、大幅なサービス後退につながる可能性も出ている。

 「共生型サービス」は、介護保険優先を貫き、65歳以上の障害者の介護保険利用をより徹底することにならないか危惧するところ。特に重度障害者に対しては、一人ひとりに応じた支援が必要になっているが、今までの対応はどのようにされており、今後どのような対応に違いが出るのか伺う。

2.来年から始まる道徳の教科化について

○「道徳教育のめざすもの」に対しての教育長答弁

 答弁の通り、「考え議論する道徳」ということ。他の教科のように正解が決まらない分、考えていく面白さがある分野。それだけ授業者の力量も試されることになるが、児童と一緒に成長するという立場で臨んだらどうかと思う。

○廣済堂あかつきの教科書、ノートと評価について

 道徳の教科書として採択した理由が述べられた。その中で、別冊ノートに関して、自由に記述する欄が多く取り上げられおり、「書く」ことによってより深く自己を見つめ、自ら考えることができやすい構成となっているとのこと。しかし、「書く」ことに時間がかかる児童にとったら負担になることもあり、物語を読んだり他の児童の感想を聞いたりして自分の心が揺さぶられて自分の考えが変化していく過程で、その気持ちを「書く」ことは私たち大人でも難しい。

 書かれたノートを見ることで、教員からすれば評価しやすいということになるだろうが、一人ひとりの子どもをより丁寧に見ることが必要になると思う。研究していただきたい。

2017年3月 予算 議会報告

安倍暴走政治から市民の暮らしを守る 日本共産党市議団

2017年3月 予算 議会報告
日本共産党伊丹市会議員団

2017年3月 予算 議会報告はこちら(PDFファイル)

【1面】

みなさんとごいっしょに実現しました

保育所

 待機児童解消 伊丹市は、4月1日現在、「待機児童0(ゼロ)」を達成したと発表。これは党議員団が市民と一緒に要求し続けてきた成果です。市はこの4年間で認可保育所の定員を796人増やし、待機児童の定義を保育所入所希望者全員対象として、「自宅から概ね1キロ圏内」に対象施設がない場合も含めるとしています。今後も引き続き年度途中の待機児童解消を求めます。

中学校給食 6月から開始

 長年の市民の願いがようやく実現。中学校給食が6月から始まります。日本共産党議員団は一貫してその実現を要求。4年前の市長選挙を機に藤原市長も実現へ方向転換しましたが「センター方式・民間委託」に固執。安心安全・食育を進めるうえでも引き続き「市直営調理」を求めていきます。小学校給食調理は引き続き市直営の維持を求めます。

放課後児童くらぶ

6年生まで拡大・施設充実

 多くの保護者の要求により、今年度から児童くらぶの対象児童が小学校6年生まで拡大されました。児童数が増えるために、小学校の普通教室等を児童くらぶ専用室に整備(内容は流し台、電気温水器、インタ-ホンの設置等)するなど、放課後に安全で快適な生活ができる環境が整えられます。

 児童数の増加により児童くらぶの定員が増えるのは、南(120人→160人)、有岡(80人→120人)、神津(40人→80人)です。

公立幼稚園を守れ

  伊丹市教育委員会は市内16園(神津除く)の市立幼稚園を10園程度に統廃合しようとしています。小学校と連動し保護者にも支持されている「一校区一園制」を今後も維持し、早期に3年保育と預かり保育を実施することを強く求めました。

 これに対し教育委員会は、「昨年度市内各地で市民の意見を聞いてきたが、現状も踏まえて結論を出したい」と明確な答弁を避けました。

介護保険
要支援1・2の「介護給付はずし」
必要な介護が受けられない

 国による制度「改正」によって、要支援1・2の人が「介護給付」からはずされ、「新総合事業」に移行します。伊丹市では、訪問介護の内、「生活援助」(家事援助等)のみのサービスがヘルパーの資格のない人に変更。必要な介護が受けられなくなる可能性があります。

 また、今まで要支援1・2の人は、半年に1回、医師の意見書を付した要介護認定が必要でしたが、今後、再認定を受けずに「新総合事業」のサービスを受ける場合も。「介護給付」希望などの本人や家族の意向がどこまで尊重されるのか疑問です。

 党議員団は、必要な介護が受けられない制度変更に反対しました。

【2面】

市民の要求・疑問にこたえ、質問

一般質問から

かしば優美議員

教員の長時間勤務の改善に向けて―
クラブ活動の負担軽減を

 全国的に教員の長時間勤務が問題になる中、特にクラブ活動の負担を軽減することが急務となっています。以前にも同様の指摘を行い、伊丹市でもようやく「週1回のノー部活デー」を設定。

 部顧問教師の負担軽減には外部指導者が必要ですが、現在市内8中学校では全104クラブ中20クラブにしか配置されていません。今後学校任せではなく教育委員会として確保に全力を尽くすよう求めました。これに対し市教委は「国において(仮称)部活動指導員の設置等も検討されている。こうした動きも視野に入れ見直していく」と答弁しました。

ひさ村真知子議員

学校での平和教育・平和学習進めよ

 憲法は子供たちに平和を築く主権者として成長することを求めていると思います。学校教育ではそのための啓発はどのように行われているか、憲法そのものを平和教育・平和学習の教材とすべき、と質問しました。

 また、市博物館に保管されている平和資料の充実・活用と、伊丹在住の中国残留孤児の皆さんの体験を平和教育に活用することの検討を求めました。

 市は、「平和教育」は学校教育の一つの柱と位置付け、現在の小中学校での平和学習の取り組み状況を詳細に答弁しました。

上原ひでき議員

就学援助制度の充実を求める

 国は、今年度から就学援助費の新入学学用品費の単価を、小学校4万600円、中学校4万7千400円に、それぞれ約2万円引き上げました。しかし伊丹市の予算に計上されていません。私は、国の制度変更に伴い、伊丹市でも補助金額を引き上げるべきと主張。その後当局から、今年度から支給を引き上げると返事がありました。

 また、伊丹市の新入学学用品費の支給時期が5月となっており、入学準備に間に合っていません。3月中の支給を求めたところ、前向きな答弁。引き続き実現に奮闘します。

服部よしひろ議員

市職員の長時間勤務解消を

 過労自殺を生む長時間労働が社会問題に。長時間労働の実態を把握できない「自己申告制」をやめるよう厚労省も通達を出しています。

 市職員の勤務時間把握方法も事実上「自己申告」。また、特定の部門では繁忙期に2ケ月連続100時間に及ぶ残業も記録されています。

 充実した市民サービスには健全な勤務状態が求められます。市職員の勤務実態と勤務時間の把握方法をただし、厚労省ガイドラインどおり「残業月45時間、年360時間以内」とし、客観的な勤務時間把握制度の導入を求めました。市は「代休取得と仕事量の平準化を進める。制度導入は留保」と答弁しました。

後期高齢者医療(75歳以上)安倍自公政権、保険料大幅値上げ

 後期高齢者医療保険料値上げの条例が提案され、党議員団だけの反対で可決しました。これは国の社会保障関連予算削減の一環で、年金を引き下げ、高齢者の保険料負担を増やすものです。内容は、①低所得者(年金のみで178万円以下)に対する所得割の5割軽減を2割にして18年度から廃止する、②被用者保険加入の元被扶養者に対する均等割り9割軽減を7割にして18年度には5割にするもので、これら合わせて市全体で約1千800万円の値上げとなります。

これは驚き
公明党議員団が「年金改悪反対」の請願に反対討論

 年金者組合提出の「マクロ経済スライド制度の廃止」「最低保障年金の実現」などを求める請願に対し、公明党議員団が反対討論。討論では、年金制度改革は「将来にわたって年金給付を保障するためのもの」制度存続のために「若い人の負担を減らし、受け取る年金を減らすもの」で我慢してもらうとの趣旨を表明。高齢者の実態を無視した立場を露呈しました。

○賛成 ×反対

議案・意見書・請願の審査結果 結果 共産党 フォーラム 公明党 創政会 新政会 未来ネット

2017年度一般会計当初予算    ○  ×   ○     ○   ○   ○   ○

後期高齢者医療事業特別会計予算 ○  ×   ○     ○   ○   ○   ○

介護保険事業特別会計予算 ○  ×   ○     ○   ○   ○   ○

年金制度改革関連法改定についての意見書 ×  ○   ○     ×   ×   ×   ○

最低賃金の改善と中小企業支援の充実を求める請願書 ×  ○   ○     ×   ×   ×   ○

野良猫の不妊去勢手術助成金制度創設を要望する請願書 ○  ○   ○     ○   ○   ○   ×

共産党4人 フォーラム8人 公明党6人 創政会5人 新政会3人 未来ネット2人

2015年3月議会:上原ひでき 介護保険条例/介護保険事業予算

議案第56号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定」並びに議案第15号「平成27年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」に対する反対討論

2015年3月26日 日本共産党議員団 上原ひでき議員

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案の内、議案第56号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定」並びに議案第15号「平成27年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」に対して、いずれも反対の立場から意見を述べます。

 はじめに議案第56号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定」についてです。

 問題の第1は、保険料率の改定による保険料の値上げの問題です。

 保険料は県下で最低となりました。しかし、基準額は年額1,000円の引き上げ改定であるにもかかわらず、国の段階設定に準拠した結果、従前の基準額に対する保険料率が引きあがり、低所得者である旧「特例3段階」の保険料率0.625が新「2段階」の0.75となることで年額7,400円、旧「第7段階」の1.5が新「第9段階」の1.625になることで年額8,300円、新第6段階、新第7段階もそれぞれ年額5,200円、4,000円と大幅な値上げとなります。党議員団は介護保険料の引き下げを求めてきました。今回介護給付費等準備基金を約半額取り崩し、保険料の上昇を抑制したとされていますが、すべての段階の保険料率を従前どおりにするには、半額取り崩し後の基金残高5億円の内、約2億円で可能であります。

 第2には、国の制度改革によって、介護予防・日常生活支援総合事業が新たに制度化された問題です。

 このことで、要支援1・2に該当する高齢者の場合、基本チェックリストによって介護給付からはずされ、現在の訪問型サービス及び通所型サービスは、「介護予防・生活支援サービス事業」において「自助・互助」で取り組む住民力を活用した事業展開をしていくことになります。この新総合事業への移行で、サービスの担い手が無資格者によるサービスやボランティアに置き換えられ、今までの「命綱」を失うことになりかねません。

 このようなことから全国的には、住民の担い手になるサービスの体制がつくれないことなどによって、来年度施行はわずか7%の114自治体に過ぎません。伊丹市の場合、2017年4月1日からの施行とされ、来年度から新しい枠組みでの事業に移行していく準備をするとされています。介護認定者の内、要支援1・2の人は37%を占めていることから、改めて、要支援該当者のサービス水準を切り崩さないこと、事前のチェックリストによる選別はやめ、申請権の侵害はしないことを求めるものです。

 よって、本条例案に反対とするものです。

 次に、議案第15号「平成27年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」についてです。

 本議案の問題の第1は、先ほどの議案第56号で述べたとおり、保険料の値上げを含んだ予算であることです。

 第2に、2017年に介護予防・生活支援サービス事業を導入するとされ、来年度予算のなかでもその準備がされる問題です。この問題も先に述べたとおりです。

 第3に、これまで一律「1割負担」であった利用者負担を、一定以上の所得者の負担を2割に引き上げようとしている問題です。

 このことによって、在宅サービス利用者の16.3%、施設の種類により利用者の5.8%から13.8%の人の負担が一挙に2倍となり、新に5700万円の負担を押し付けることになります。そうなれば、必要であってもサービスが利用できない事態が引き起こされかねません。また、高齢者の暮らしをさらに悪化させることになります。国は、それぞれ上限が決まっているからすべて2倍になるわけではないとしていますが、医療保険の現役並み所得に相当する人がいる世帯は、限度額を3万7,200円から4万4,000円に引き上げることになっており、負担はさらに増えることになります。

 第4に、特別養護老人ホームへの入所者を原則「要介護3」以上に限定する問題です。

 昨年6月現在の待機者は93人で、そのうち要介護1・2の人は9%を占めています。これらの人は、制度上待機者から除外されることになります。厚生労働省は、要介護1・2の人について、「やむを得ない事情」の場合は、市町村の関与の下、特例的に入所を認めるとしています。伊丹市としては、入所申込者の具体的な状況を把握し、申込者の立場に立った「意見表明」をされることを求めるものです。

 第5に、低所得の施設利用者の居住費・食費の補助、すなわち補足給付の削減の問題です。

 このことで、施設利用者は新に3400万円を負担することになります。補足給付が打ち切られれば、食費・部屋代が一挙に全額負担となり、施設利用や短期入所を控えることとになりかねません。

 第6に、介護報酬を全体で2.27%引き下げる問題です。

 今回は介護職員の「処遇改善」加算を含んでいるため、4.48%と過去最大規模の引き下げとなります。特養への基本報酬は個室でマイナス6%弱、相部屋はさらに大幅カットです。すでに特養の3割が赤字という実態が調査結果で判明しているのに、今回の改定でさらに特養が苦境に追い込まれるとともに、特養建設がストップすることも予想されます。また、「在宅」重視といいながら、そのなかで大きな役割を持つデイサービスなどの報酬が5~20%も下がることになります。介護職員の「処遇改善」にしても、報酬全体を引き下げるなかで、改善効果は期待できません。

 以上の理由により、本特別会計予算に反対とするものです。

2015年3月議会:上原ひでき 代表質問を行いました。

2015_03_09_uehara

3月9日(月)、日本共産党議員団を代表して、上原ひでき議員が代表質問を行いました。

全文は以下の通りです。

--------------------------------

2015年3月議会 代表質問

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長・教育長の情勢認識を問う

1)安倍内閣がすすめる経済政策について

  内閣府が発表した2014年10月から12月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増の低い伸びにとどまりました。なかでも、個人消費が0.3%、設備投資も0.1%増でしかなく、雇用者報酬は実質で0.5%減少と賃上げが物価の上昇に追いつかない状況が続いています。その結果、2014年の年間を通しての実質成長率は0.0%となり、経済成長が止まりました。また、円高と株高により大企業は空前の儲けを上げ、内部留保は285兆円に達する一方、働く人の実質賃金は19ヶ月間連続マイナス、「働く貧困層」といわれる人は史上最多意の1,120万人に達したとおり、格差と貧困を拡大しました。市長は、このように安倍内閣の経済政策と消費税増税が日本経済の成長を止め、格差と貧困を広げているという認識は持っておられるでしょうか。

  日本共産党は、消費税増税ではなく、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革、大企業の内部留保を活用して国民の所得を増やす経済改革という二つの改革で財源をつくり、税収を増やすことを提案しています。消費税10%増税は中止するとともに、国民の暮らし第一の経済政策に切り替えるべきと考えます。

  党議員団が行ったアンケートでは、消費税10%増税に反対するとした人が74.5%で、「格差者会の弱者が人間らしく暮らせない」「今でも苦しいのに無理。本当に福祉に回っているか疑問」などの声が寄せられています。市長の安倍内閣の経済政策に対する見解をうかがうものです。

2)戦後70年という節目にあたり、安倍内閣がすすめる戦争する国づくりに反対し、憲法を守る決意を

① 安倍内閣は、集団的自衛権行使容認の閣議決定を具体化する法整備を進め、安全保障法制案を国会に提出しようとしています。それだけではなく、安倍首相は、アメリカが先制攻撃をした場合にでも集団的自衛権の発動はありうるのかとの問いに対して否定しませんでした。これは集団的自衛権の行使ではなく集団的侵略そのものです。日本共産党は、このような憲法違反の「閣議決定」を撤回し、これを具体化する一切の法整備を中止することを求めるものです。

 また、ISを名乗る過激武装組織による日本人の人質の命が奪われるという事態が起こりました。残虐で卑劣なテロ行為を断固糾弾するものです。

 一方、安倍首相は、日本人人質と絡めて、邦人救出のために自衛隊出動の法整備を進めるとしたことは大問題です。これは相手を制圧する軍事作戦、憲法違反の武力行使であり、人質の命も自衛隊員の命も危険にさらすことになります。この問題では、自衛隊の機関紙「朝雲」が、「陸上自衛隊を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ。国民に誤解を与える」と苦言を呈しました。

 党議員団のアンケートでは、戦争する国づくりに58.4%が反対と答え、「憲法9条を遵守してほしい。自衛官も海外で死んでほしくない」「戦争では何も解決しない」などの声が寄せられました。

 自衛隊基地のある自治体の市長として、憲法の立場から反対を表明すべきと考えるものですが、市長の見解を伺います。

③ 今年は第2次世界大戦終結70年の年にあたります。安倍首相は、予定される「戦後70年談話」に関し、「村山談話」について「全体として引き継ぐ」と言いますが、「植民地支配と侵略」への「痛切な反省と心からのお詫び」というキーワードを引き継ぐとは言いませんでした。このことに内外から懸念の声が上がっています。

 日本共産党は、この節目の年が、日本とアジア諸国との「和解と友好」に向かう年となるためは、安倍首相が「村山談話」「河野談話」の核心的内容を継承し、談話の精神にふさわしい行動を取り、談話を否定する動きにはキッパリと反論すること、日本軍「慰安婦」問題について、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出すことが重要と考えるものです。
  平和都市宣言をしている自治体の市長ならびに教育長として、この歴史認識をどうお考えなのでしょうか、見解を伺います。

2.真の「地方創生」「伊丹創生」――地域で生活する人々の人権を守り、社会福祉政策の充実により地域で安心した暮らしを保障するために

 安倍内閣は、少子化対策、地域経済再建などの「地方創生」を掲げています。しかし、全国的に見て地方が衰退した原因は、輸入自由化などによる農林水産業の衰退、大型店出店の規制緩和による商店街の疲弊、「都市再生」の名による都市再開発・「東京一極集中」政策などによってもたらされたものです。また、少子化の原因は、労働法制を変えたことにより非正規雇用が若年層の2分の1となって所得の減少を招き、一方で長時間労働により生活からゆとりを奪ったことなど、全体として将来に明るい展望を見失ったことが上げられると考えます。

 今やるべきことは、地域で生活する人々の人権を守り、社会保障・社会福祉政策の充実により地域で安心した暮らしを保障するという観点です。以下、この立場からいくつかの問題でお聞きをします。

1)子育て一番の伊丹市に

 市長の提案説明で述べられたとおり、若い世代の結婚・出産・育児の希望をかなえることは、最も重視すべき柱の一つです。この点では、周産期医療体制を市立伊丹病院に整備する方針を決定されるとともに、病児保育事業を始めるとされたことは評価をするものです。子育て支援に関して、以下の点でお伺いします。

①新しい子育て支援制度について

 第一に、待機児童の解消についてです。党議員団のアンケートで、子育て支援策で重要と思うもので一番多かったのが保育所の増設でした。一方、伊丹市子ども・子育て支援計画では、今年における弾力的増員を含めた保育所定員の不足数を、396名としています。この数は、今年度新たに増設される予定の保育所の定員235名を加えた予想人数となっていますが、今年度末までにすべて開設できる状況にはないと思われます。市長の提案説明では待機者ゼロを目指すとされていますが、待機者はなくなるのでしょうか。待機者が出た場合、市民にどう説明されるのでしょうか。

 来年度予算では1ヶ所の認可保育所とともに3園の小規模保育事業の実施による定員増を図ろうとされています。何よりも子どもの権利保障の視点から保育に格差を持ち込まず、現行保育水準を切り下げないためにも、小規模保育事業はA型とすべきと考えますが、どう計画されているのでしょうか。

 第二に、新制度での、保育の利用に先立って受ける、支給認定に関する問題です。国は、保育短時間は1日8時間、保育標準時間は11時間まで保育が受けられるとしています。国の説明では、9時から17時までという一律の時間帯を設定することとし、この時間帯以外の利用は延長保育料が発生するとしています。しかも短時間と標準時間の保育料の差はわずかであり、利用時間や延長保育料の額によっては、短時間認定であっても標準時間より負担額が増える事態も起こりかねません。そもそも法律では、保育必要量は月を単位として定められることになっており、一日の利用上限は規定されているものではありません。いずれにしても、短時間と標準時間の二区分を設定し、利用を制限することが混乱のもとになるのであり、この混乱を避けるためには、開所時間の範囲内で、子どもの一日の生活を保障する基本保育時間を設定し、合わせて一人ひとりの子どもに必要な保育が保障される保育利用時間の設定が必要と考えるものです。どのようにされるのかお伺いします。

 第三に、民間の保育士の確保と給与等待遇改善についてですが、低すぎる民間保育士の給与改善のための補助金が今年度で廃止され、公定価格に含まれるとのことです。今まで3%とされていた補助金でも不十分との声が出ていましたが、どれくらい改善されるのでしょうか。また、保育に格差を持ち込まないという立場で、伊丹市は今まで私立認可保育所に様々な補助をしてきました。国によって配置基準の改善がなされるべきですが、これが不十分なままであり、引き続き必要な補助はされなければなりません。どうされるのでしょうか、お伺いします。

②公立幼稚園のありかたについて

 この問題では、学校教育審議会答申に対して、公立幼稚園を統廃合することの理由における問題点や3年保育と預かり保育の実施を要求するなど様々な議論をしてきました。来年度、新しい子育て支援制度が施行されますが、幼稚園保育料は3年の経過措置を経て公立も私立も同じになります。このまま公立幼稚園を統廃合すると、ブロック制とはいえ徒歩による通園が困難になり、幼稚園に通わせたいと思う保護者は、3年保育や預かり保育、送り迎えバスのある私立幼稚園を選択するのは必然です。結果、公立幼稚園は消えてしまう恐れが出てくるのではないでしょうか。

 一方、今年度の市民意識調査で、今後の幼児教育について、統廃合か現状維持かという項目があります。私立幼稚園に任せるという意見は全体で9.3%しかありません。また、20歳代以下では、私立に任せるが6.1%と最も低く、統廃合と現状維持は40.9%と同率となっています。30歳代でも現状維持が34.4%、統廃合が40%を割その差は5ポイントしかありません。全体としても統廃合が42.0%、現状維持が31.3%と、10ポイント以上の差があるにせよ、公立幼稚園の1校区1園制に対する信頼は厚いといえます。

 子育てで伊丹市を選ぶ大きなポイントとなる1校区1園制です。私立との関係は重要な課題ですが、公立を3年保育にしてもそれほど定員を増やせるわけでもありません。統廃合はやめ、3年保育と預かり保育を改めて求めるものですが、見解を伺います。

③子どもの医療費助成の拡大について

 私は昨年の9月議会で、歯と貧困の問題を取り上げ、お金の心配なく医療にかかれるようにと、子どもの医療費助成を拡充し、中学3年生までの無料化を求めました。答弁では、財源は約1億2千万円が必要とし、今後財政状況を勘案した上で、国や県、他市の状況を注視しながら子育て支援策として幅広い議論が必要と考えているとされました。かつて市長は他市に先駆けてその拡充を図ってこられましたが、いまや兵庫県下では、中学卒業まで入院も通院も無料とする自治体は41の内24自治体、59%まで広がりました。

 患者の窓口負担の割合によって、どれだけ医療需要が抑制されるかを示した「長瀬指数」によれば、3割負担によって医療需要量は6割をきり、2割負担でも7割程度まで引き下がるとされています。また、全国保険医団体連合会が2012年に行った医療機関に対する調査によりますと、「患者の経済的理由により半年の間に治療を中断する事例があった」と回答した医療機関は、医科で49.6%、歯科で64%です。また「経済的負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがあった」のは、医科で60.3%、歯科で51.7%となっています。これはすべての年齢の患者であり、年齢別の分析はありませんが、子どもにも治療の中断等が発生しています。さらに、学校歯科検診で「要治療」となった小学生の半分、中学生の三分の二が、歯科医療機関を受診していないことが宮城県、長野県、大阪府の保険医協会の調査で明らかとなっています。教育委員会は、歯科検診後の治療実態をはじめ、このようなお金の心配で医療機関を受診できない実態を掌握されているのでしょうか。お伺いします。

 子どもの医療費無料化の拡大は、子どもの命と健康を守るとともに、OECD報告書で合計特殊出生率を引き上げるためには子どもの直接費用の減少が影響するとの指摘の通り、この面でも重要と考えるものです。

 日本共産党は、小学校就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化する国の制度を確立し、その共通の制度のうえに、全国に広がった自治体独自の助成制度をさらに前進させることを政策として掲げています。国に対して制度創設を求めるとともに、伊丹市においても、子どもの実態を踏まえ、中学卒業までの無料化に向け、医療費助成の拡大をされることを改めて求めるものですが、見解を伺います。

2)国民健康保険税の引き下げを

 高すぎる国保税を引き下げてほしいという声は、党議員団が行ったアンケートで最も多い要求でした。伊丹市の国保税は、標準3人世帯の年間給与収入240万円で、年額27万8,600円です。2014年現在での阪神間各市を比較すると、尼崎市が32万7,300円で一番高く、川西市が26万7,200円、西宮市が26万100円、三田市が24万6,000円、宝塚市が22万5,300円と、阪神間では伊丹市が二番目に高くなっています。伊丹の場合、国保加入世帯の65%が所得150万円未満の世帯であり、所得のない世帯が23%を占めているという、低所得者が多いにもかかわらず高い国保税となっているのが特徴であり、国保税引き下げは被保険者の切実な願いです。ではどうすればいいのか。結局、国の補助金を増やさない限り、一般会計に頼らざるを得ません。

 2013年度決算で「予算はがし」をした5.5億円の内、2014年度補正予算並びに2015年度予算で一般会計の財政調整基金から繰り入れをする4.8億円の残金7千万円が一般会計の財政調整基金にあります。課税限度額の見直しによる1,830万円との合計で約8,830万円。もう一つは、現年度課税未収額の2分の1繰り入れルールで、2014年度から、滞納分を徴収した場合、その金額を繰り入れからはずすという措置に変更されていますが、これをもとに戻せば、あわせて3億2千万円の財源を生み出すことができ、国保税を引き下げることは可能です。改めて国保税の引き下げを求めるものですが、見解を伺います。

3)介護保険について

 この間、医療と介護提供体制を一体的に改革することを目的に、一昨年、医療・介護確保法が成立しました。その狙いは、病床削減と平均在院日数の短縮による医療抑制と、病床削減により増大する退院患者の受け皿として「地域包括ケアシステム」を想定しており、その中心は介護保険サービスの改革です。しかし、そもそも介護保険は必要なサービスを十分に保障する仕組みはなく、今後、給付抑制や負担増により、必要なサービスを受けられない人が大量に生み出される可能性が高くなります。その受け皿として想定されるのが、家族同士の助け合いであり、ボランティアや地域の絆という互助ということになっています。

 このもとで、今回、第6期介護保険事業計画(案)と予算が提案されていますので、いくつかお伺いしたいと思います。

①介護予防・生活支援サービス事業を導入することについて

 第6期介護保険事業計画(案)では、2017年に介護予防・生活支援サービス事業を導入するとされています。これによって、現在の要支援1・2に相当する高齢者の訪問型サービス及び通所型サービスについては、「自助・互助」で取り組む住民力を活用した事業展開をしていくとするものです。伊丹市における来年度の予定では、介護認定者の内、要支援1・2の人は37%を占め、その人が受けるサービスの64%が訪問型サービス及び通所型サービスです。これらの人が基本チェックリストによる判断で介護保険サービスからはずされ、今までのサービスが受けられなくなること、いわゆる「介護保険外し」が問題となります。介護保険制度では、被保険者は認定を受ければ「保険給付」を受ける受給権という「権利」を得ます。保険者は保険給付を提供する義務を負います。これによって、法令で決められている基準によるサービスの「質」が担保されます。これが、新たな総合事業に移行されると、財源は介護保険から出ていても、保険上の受給権はなくなってしまいます。サービスの担い手が無資格者によるサービスやボランティアに置き換えられれば、今までの「命綱」を失ってしまいかねません。

 そこでお伺いします。現在のすべての要支援1・2の人の生活を支えてきたホームヘルプ・デイサービスの水準を掘り崩さないこと、現行水準の利用の保障を約束できるでしょうか。また、要支援者や要介護者に該当する可能性のある人に対して「事前」に基本チェックリストでの選別をさせないこと、申請権の侵害はしないことを約束できるでしょうか。

②介護報酬引き下げの影響について

 厚生労働省は2月6日、介護報酬を全体で2.27%引き下げる改定額を決定しました。今回は介護職員の「処遇改善」加算を含んでいるため、4.48%と過去最大規模の引き下げです。特養への基本報酬は個室でマイナス6%弱、相部屋はもっと大幅カットです。すでに特養の3割が赤字という実態が調査結果で判明しているのに、今回の改定でさらに特養が苦境に追い込まれるとともに、特養建設がストップするところも出ています。また、「在宅」で大きな役割を持つデイサービスなどの報酬を5~20%も下げておいて、どこが「在宅」重視なのでしょうか。介護職員の「処遇改善」にしても、報酬全体を引き下げるなかで、改善効果は期待できません。伊丹市として、このような報酬改定によって市内の介護施設並びにサービスはどう影響を受けると考えておられるでしょうか、お伺いします。

③地域包括支援センターについて

 第6期介護保険事業計画では、医療、介護、予防、生活支援、住まいの5つのサービスを一体的に提供して、支援が必要な高齢者の住みなれた地域における生活を支援する、地域包括ケアシステムを構築するとされています。そして、そのために日常生活圏を見直し、介護支援センターを地域包括支援センターに移行するとともに、中核となる基幹型地域包括支援センターを運営するとされ、これを社会福祉協議会に委託するとしています。これは、今まで唯一の地域包括支援センターを社会福祉協議会に委託されてきたという経過もあり、ノウハウを蓄積されてきたからと思われます。では自治体は何をするのか。党議員団は、基幹型は伊丹市が担うべきではないかと提案してきました。それは、医療機関や包括支援センター、NPOやボランティア、民生委員や自治会、社会福祉協議会など多様な担い手による地域福祉・地域医療に関し、伊丹市自身が掌握する必要があるのではないかということからです。どうお考えでしょうか。また、地域包括ケアシステムを構築するうえで、地域包括支援センターと基幹型、自治体の役割をどのように整理するのでしょうか、お伺いします。

4)住宅問題について

 厚生労働省は、地域包括ケアシステの構築にあたって、「介護」「医療」「予防」といった専門的サービスの前提として、「住まい」と「生活支援・福祉」といった分野が重要であるとしています。その「住まい」に関して、党議員団が行ったアンケートにも、安くては入れる市営住宅を増やしてほしいという声が寄せられています。人の尊厳が保持されるためには、生活の物質的、社会的かつ具体的な保障が必要であり、とりわけ住まいは、人間らしい生活を営む場であるとともに、すべての生活を支える基盤でもあります。

①市営住宅について

 市営住宅は、公営住宅法の定めるとおり、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的と」しています。

 一方、若年層で非正規雇用が増大するなかで住宅困難者が増えるとともに、高齢者の間ではリタイヤ後年金だけでは今までの家賃が払えなくなる人も増えています。市営住宅の募集をされていますが、対象とする数に限りがあるとともに、4階5階の住宅では申し込む気がしないというのが実態ではないでしょうか。

 一つは、伊丹市はエレベーターの設置はしないとされ、高齢者等のため民間住宅の借り上げを行うとされました。4,5階からの住み替えは進んでいるのでしょうか。

 二つには、伊丹市は、市営住宅は増やさない方針ですが、昨今の市民の経済事情を勘案し、民間住宅の借り上げの数を増やしたらどうでしょうか。見解を伺います。

②民間賃貸住宅の活用について

 伊丹市においても、民間賃貸住宅の空き家が増えています。これらを活用し、高齢者や障がい者、母子・父子、子育て世帯等の「住宅確保要配慮者」のために家賃補助制度を創設したらどうでしょうか。全国的には、これらの対象者に加え、若年者や転入者などを加え、2009年時点ですが75自治体で家賃補助制度を実施しています。

 さらに、高齢者を中心に民間賃貸住宅に入居する際、保証人の問題で入居が困難になるとともに、保証会社による家賃債務保証制度でのトラブルも発生していることから、伊丹市若しくは公的な機関において、公的保証人制度や家賃債務保証制度を創設することも必要と考えるものですが、見解を伺います。

5)生活困窮者自立支援法について

 生活困窮者自立支援法が来年4月から施行されます。この問題は、昨年の6月議会で質問をし、要望もしています。この法律の目的は、生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、居住確保給付金の支給、その他の支援を行うため、所要の措置を講ずるとされ、その概要は必須事業として自立相談支援事業の実施並びに住居確保給付金の支給を行い、任意事業として就労準備支援事業、一次生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業等を実施するとされています。この自立支援法という法律ができた背景は、突然の失業とか、あるいはさまざまな要因によって生活保護に陥った場合、生活保護に陥らないためにさまざまな施策をやる、生活困窮に陥った人を救う手だてをつくろうということにあります。ですから、本当の意味で生活困窮者を支援できる仕組みをどうつくっていくのかというのが鍵になると思います。対象者は、生活が苦しいと相談に来た人すべてであり、国保等の滞納者などすべての庁内の窓口をつなぐことが必要となります。今回は、昨年の6月議会で要望していたことを中心にお伺いします。

 一つは、自立相談支援事業についてです。ここでは、生活保護に陥る前の人をどういうふうにキャッチをするのか。相談に来られた場合には、その相談に応じて生活保護の要件に当たる人は生活保護を受給する、そうでない方についてもさまざまな施策を展開するということになります。また、国保や介護保険、税、水道料金等庁内の窓口とのネットワークをどうするのか、さらに、相談に来られない方も、社会福祉協議会や地域包括支援センター、民間福祉団体、民生委員等とのネットワークを構築することで、アウトリーチによる支援を行うことも必要です。その仕組みはどう構築されたのでしょうか。

 二つには、事業の主体と人員配置についてです。事業主体は伊丹市が行うことを求めていましたが、どうされるのでしょうか。人員配置では、国会での付帯決議で、社会福祉士等の支援業務に精通する人員を十分に配置するとされており、6月議会の答弁ではコンシェルジュのような人材を確保する必要があるとされていましたが、どうされるのでしょうか。また、任意事業として就労準備支援事業、一次生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業等が上がっていますが、どうされるのか、これらを合わせて、職員配置についてもお伺いします。

6)雇用を守る問題について

① 安倍内閣は働き方のルールを変える法案を提出しようとしています。その内容は、どんなに長時間働いても残業代を払わないで済ませる「残業代ゼロ」法案と、労働者派遣法改悪法案です。安倍首相は、日本を「世界で一番企業が活動しやすい国」にする、そのための「岩盤規制」を打破するためとしています。しかし、日本の雇用のルールの現状は、派遣・パートなど非正規雇用が全体の4割近くまで広がっており、異常な長時間労働、「サービス残業」、「ブラック企業」が横行し、「過労死・過労自殺」がこの15年間で4倍近くに増加していることにあります。

 党議員団が行ったアンケートの「ひどい働き方をさせられていませんか」という問いには、「正社員と契約社員の賃金格差をなくしてほしい。現状では契約社員は有給なし、賞与なし、サービス残業で低賃金のため結婚できない、子どももつくれない」「裁量労働制なので何時間働いても固定給。裁量制はある程度の年齢になると拒絶できない」など、多くのの異常な現状を訴えておられます。このどこが「岩盤規制」なのでしょうか。市長は、政府が行おうとしている労働法制の改革で、働く市民にどう影響するのか、どうお考えなのか、見解をお伺いします。

② このような安倍首相の、日本を「世界で一番企業が活動しやすい国」にするという政策の流れの中で、政府が7割出資する産業革新機構がつくられ、その下でルネサスエレクトロニクス北伊丹工場の閉鎖という大リストラが行われています。この問題では、昨年3月議会以来、雇用と地域経済を守る立場で毎議会質問をしてきました。12月議会では、高崎事業所移転で89名の退職者が出ており、さらに武蔵事業所移転では企業全体で1,800名の退職を迫る状況のなかで、伊丹市と県、労働局が連携して雇用を守ることを求めました。その後、武蔵事業所移転に関して、全体で1,725名が退職を余儀なくされとの報道がありました。12月議会でも、現場で起こっている実態をきちんとつかむことで、対策を立てることができると指摘をしています。そこでお伺いします。

 一つは、北伊丹事業所におけるルネサス本体と関連企業の退職者と再就職の状況をどう把握されているのでしょうか。

 二つには、市長は12月議会で、民・民の雇用関係に介入する特段の権限はないが、立地市である伊丹市として要請をしてきたこと、今後県とも連携して対応していくと答弁され、また、以前から三菱電機にも要請をすると答弁されていました。北伊丹事業所で関連企業も含めると500名近くが職を失った中、パソナなどの支援会社任せでいいのか、急いで労働局や県と連携する必要があるのではないかと考えるものです。ルネサスへの状況確認、三菱電機への要請、三者との連携に関して、どう対応されてきて、今後どのようにされようとするのかお伺いします。

3.教育に関する問題—道徳教育の教科化について

 文部科学省は、小中学校の「道徳」を「特別の教科」にするため、学習指導要領を改訂する案を発表しました。教育長の教育基本方針のなかでも、道徳教育の充実について、「特別な教科」への動きを踏まえ、「道徳教育実践講座」等の実施により教員の指導力向上を図るなどと述べられています。この文科省の動きに対し、「道徳」が教科化されると、国が定めた基準でつくられた検定教科書を使い、国の定めた観点で子どもたちを「評価」することになり、道徳の国家統制が強まるのではないかという危惧が広がっています。

 教科化への懸念の一つが、子どもの道徳が評価の対象とされることです。つまり、子どもの心や価値観を評価していいのかということです。もう一つは、検定教科書が導入されることです。これは、道徳が教科として成立する条件を整えているのかという根本的問題があります。教科の成立条件は、教科が何人も認める客観的な学問・文化・科学を基礎にしています。このことがないままに検定教科書が導入されると、道徳価値が偏り、学問的知識を踏まえない内容の不公正さを招きくことになります。さらに、昨年全国に配布された「私たちの道徳」という副読本には、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義など、日本国憲法に基づく基本的な道徳的価値を尊重する視点と発想が欠落していることも問題です。どうお考えでしょうか。

 日本共産党は、1970年代前半から市民道徳の教育を具体的に提案してきました。今、憲法に基づく民主主義的な道徳教育を進めるため重要と思われることで、一つは、モラルの土台である基本的人権について十分子どもたちに教えることです。特に「子どもの権利条約」の内容を判りやすく伝えるパンフレット等の作成を提案してきましたが、いまだにつくられていません。二つに、学校生活全体で個人の尊厳や子どもの権利を大事にすることです。三つには、子どものたちの学校内外での自治的な活動や労働体験を活発にすること、子どもたちが社会の主人公として活動し、討論し、交流するなかで、社会の形成者としての自身と力量を身につけて生きます。四つには、憲法に基づいた愛国心についての学習を考える必要があります。特に元西独大統領ヴァイツゼッカ―氏の「過去に目を閉ざすものは、結局のところ現在にも盲目になる。われわれの義務は誠実さであの過去を心に刻むことを通してしか前に進めない」といわれたとおり、過去の戦争の歴史を子どもの心に刻むことは、日本人としての誠実さや誇りに不可欠です。

 以上、今後の道徳教育に生かしていただきたいと考えるものですが、教育長の見解を伺います。

2014年6月議会一般質問:かしば優美「 医療・介護総合確保推進法(案)」の問題点について

「医療・介護総合確保推進法(案)」の問題点について

2014.6.11. かしば優美議員

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告通り質問します。

【第1回目の質問】

 今年4月、安倍内閣が国会に提出した「地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」いわゆる「医療・介護総合確保推進法案」が今国会で審議されています。この法案は、多くの高齢者を介護サービスの対象から除外し、入院患者の“追い出し”をさらに強化するものとして大きな問題となっています。

 この内容はご承知のように、2015年度(第6期)から要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行する、在宅でも施設でも利用料の大幅な負担増、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定するなど重大な制度後退となるものです。本法案の改正内容等を踏まえて概括的に2点うかがいます。

 第一に、「介護保険制度の持続可能性の確保」が意味するものについて、今年3月議会代表質問でわが党の上原議員の質問に対し当局の答弁は次のようなものでした。「今回の介護保険制度の見直しは、今後2025年に向けて75歳以上の高齢者数が急増するとともに、単身や夫婦のみの高齢者世帯が増加する中で、できる限り住み慣れた地域で暮らせるよう地域包括システムの構築を推進するとともに、介護費用の増加にともなって介護保険料の上昇が見込まれる中、低所得者の保険料の軽減拡大や給付の重点化、効率化により介護保険制度の持続可能性の確保をしようとするものとされています。」これは国の言い分と同じです。

 具体的な改正内容を見ると、給付の重点化とは対象を限定することであり、効率化とは費用の削減であることは明らかです。また「介護保険制度の持続可能性の確保」とはさまざまな困難を抱える利用者や介護現場に視点をあてた見直しでなく、保険財政の事情を何より優先させた考え方ではありませんか。当局の見解をうかがいます。

 第二に、「地域包括ケアシステムの実現」に関してですが、地域包括ケアシステムの実現は、主として提供体制にかかわる課題として打ち出されています。

 国の第6期介護保険制度改正の概要によると、地域包括ケアシステムの実現に向けて、①生活支援サービス事業の充実②在宅医療と介護の連携の推進③認知症施策の推進④地域ケア会議の推進などが地域支援事業の課題として盛り込まれています。特に今回の改正は、「病院や介護施設から在宅」へシフトを強めようとしているのが特徴です。

 例えば医療法の改正により「病院病床の再編」として、病床機能の見直しとそれによる病床数の削減、入院日数短縮があげられて、「入院から在宅へ」の流れを進める。また近年社会的にも大問題になっている認知症について、その原因や有効な治療方法もないにもかかわらず国は、「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現をめざすとして介護保険の地域支援事業に位置づけるとしています。

 しかし高齢化の進展、貧困・社会的孤立の広がりのもとで、地域の「自助」「互助」の機能そのものが弱体化し、住み慣れた地域で暮らし続けることそのものが困難になっている中、「医療と介護の連携」等といっても本当に地域での受け入れが可能なのかどうか危惧するものであります。高齢者・住民本位の地域包括ケアは、医療・介護、社会保障の公的な充実があってこそ実現すると考えますが、当局の見解を求めるものです。

 2回目以降は一問一答方式で質問を行います。

【以下一問一答方式】

1.要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行することについて数点うかがいます。

【2・3月議会本会議答弁】
 「事業移行前から既にサービスを受けている人については、その状態像などを踏まえ、ケアマネジメントで必要性が認められれば、事業移行後でも必要に応じて既存サービス相当のサービスの利用が可能となる仕組みが検討されていり、一方事業移行後に新たに要支援認定を受けた者についても、住民が担い手として積極的に参加する取り組みなど多様なサービスの利用を促していく…。」

(1) 今後の要支援1、2の認定そのものがどうなっていくのかという点です。

 現在の介護保険のしくみは、軽度であっても認定と給付が一体のものとして扱われています。ところが「要支援者」を給付からはずし総合事業に移行するとなれば、要支援認定者という存在自体が大幅に減っていくことになるのか。また現在、要支援1、2認定であるが、訪問介護とディサービスしか利用しない人は認定そのものから外れることになるのではないか。今後の要支援1、2の認定に関して当局の見解をうかがいます。

(2) 今回の要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行することに関して、「今後は人員や運営等にかかる細かな基準は国として一律に定めず、事業の大枠をしばるガイドラインを作成し、その範囲内で市町村による柔軟で効率的な対応を可能とする。」としています。

 ここで問題の一つとなるのが介護サービスの基準です。現制度では介護予防訪問介護の費用単位が全国一律で週一回程度一月額1,226単位、週二回程度一月額2,452単位と決まっています。また介護予防通所介護は全国一律で要支援1-2,115単位、要支援2-4,236単位と定額制となっています。利用できる上限額も要支援1で5,003単位、要支援2で10,473単位と定められており、多くの認定者は上限額の範囲内で各サービスを組み合わせして利用しています。今回仮に利用できる上限額が下げられることになればその分サービスを削らざるを得ないことになってきます。これら介護サービスの基準に関して当局の見解を求めておきます。

(3) 医療・介護団体の調査によると、要支援者の多数が訪問介護、通所介護(ディサービス)を利用しており、訪問介護は一人暮らし要支援者の生活支援、通所介護へは家族介護者の支援において、なくてはならないサービスとして重要な役割を果たしています。

紹介すべきケース

  • 73歳・女性・一人ぐらし
  • 介護認定一要支援2(介護サービスは訪問介護週1回・1hのみ、部屋や風呂掃除、買い物訪問看護週2回-もく浴)
  • 状態像-身体左麻痺している。足は人工股関節いれ何とか歩ける状態(買い物はバスに
    乗って)
  • 今後の希望-せめて週1回通所介護で入浴したい

 サービスの縮小・打ち切りは、在宅生活を困難にし、病状や要介護度の悪化、家族の介護負担の増大をもたらすことになるのではと考えますがいかがでしょうか。

(4) 事業所への影響についてであります。

 今回の改正では事業者を指定(または委託・補助)する場合、訪問型・通所型サービスについては、現在の要支援1、2にかかる訪問介護、通所介護の報酬以下の単価を市町村が独自に設定するしくみとされています。

 その結果、とくに小規模事業所では、「新しい総合事業」を受託できない、受託しても事業単価の切り下げによって収益が大幅に減少することで事業の存続そのものが困難になる恐れがある。また職員にとっては処遇条件の切り下げにつながり、場合によっては事業所の縮小や休止によって失職することにもなりかねないことが指摘されていますが、当局はどのように受け止めているのかうかがいます。

次に、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定することについてうかがいます。

3月議会本会議で当局は、

 「認知高齢者で常時適切な見守りや介護が必要な場合等のやむを得ない事情により特例的に入所認める方向で検討されている。」「今後も引き続き要介護になっても住み慣れた地域でできる限り安心して生活できるように、小規模特別養護老人ホーム等の地域密着型の施設やサービス付き高齢者向け住宅等の整備に計画的に取り組んでいく。」

と答弁されました。

これに関して

①現在特別養護老人ホームに入所している要介護1、2の入所理由を掌握しているのか?

(注)現在特別養護老人ホームに入所している要介護1、2の入所理由の6割が「介護者不在、介護困難、住居問題等」、二割が「認知症のBPSDその他の理由による判断力の低下、喪失」という調査結果。

②入所定員数とほぼ同数の待機者がある中、「やむを得ない事情」があると認められてもすぐに入所できる保障があるのか?

③「サービス付き高齢者向け住宅」は、そのすべてで必要な医療・介護が提供され、最後まで暮らし続けられる実態なのか?

 それぞれうかがいます。

3.在宅医療と介護の連携の推進についてうかがいます。

 最初の質問の中で、特に今回の改正は、「病院や介護施設から在宅」へシフトを強めよ
うとしているのが特徴であり、地域包括ケアの受け皿として「在宅医療と介護の連携の推
進」などが地域支援事業の課題として盛り込まれていると述べました。ところが実際の訪
問看護等の提供体制はどうなのかであります。

 今年4月更新版による伊丹市介護保険サービス事業所一覧表によりますと、小規模多機能型居宅介護のサービスに加え、必要に応じて訪問看護を一体的に提供する「複合型サービス事業所」わずか1箇所のみ。訪問看護事業所は市内に17事業所があるものの、零細事業所が多く、24定期時間対応巡回型サービスも絶対的不足している現状であること。慢性的な看護師不足という状況。今回の診療報酬改定による在宅訪問診療の診療報酬が減額させられたことにより、病院や診療所が訪問・往診から撤退する動きがでているなど、厳しい状況をどのように認識・改善されようとしているのか。見解をお聞きするものです。

【終わりにあたって意見を述べる】

 介護保険制度は14年前、「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンを掲げて導入されましたが、実際には要介護度に応じてサービス内容や支給額が制限され、スタート当初から「保険あって介護なし」といわれてきました。

 そして現在さまざまな面で「介護の危機」が言われています。介護問題は現在の高齢者だけの問題ではない。年間十万人を超える人が家族の介護のために離職・転職を余儀なくされている中でいまや現役世代をふくめた国民的な課題になっている。

 日本共産党は緊急策として、①特養の抜本的増設に国策を転換すること②現役世代が安心できるために介護の保障と負担軽減③介護労働者の労働条件の改善で、提供体制を強化する④虐待・貧困などへの対応は措置制度で

●具体的例

(1)ケースI

  • 八十歳前後の夫婦と息子の3人暮らし、
  • 介護認定一夫は要支援1(手が少し麻痺している。歩行はOKの状態)
  • 妻は要介護3(重度の認知症で、トイレ・風呂自力では無理、睡眠が不規則
     ↓ 介護サービスは訪問介護週2回、通所介護週3回)
  • 今後の家族介護はますます厳しくなる

(2)ケースII

  • 73歳・女性・一人ぐらし
  • 介護認定一要支援2(介護サービスは訪問介護週1回・1hのみ、部屋や風呂掃除、買い物
  • 訪問看護週2回-もく浴)
  • 状態像-身体左麻痺している。足は人工股関節いれ何とか歩ける状態(買い物はバスに乗って)
  • 今後の希望-せめて週1回通所介護で入浴したい

 この「医療・介護総合確保推進法案」は医療・介護の一体改悪といえるもので、「病院病床の再編」では病床機能の見直しとそれによる病床数の削減、入院日数の短縮があげられています。「入院から在宅へ」の流し込みを強力に推進して、全体として“できるだけ国にとって「安上がり」で効率的な医療・介護提供体制に再編していく構想”であり、市町村が担う地域包括ケア(システムの構築)はその受け皿として位置づけられています。

(3)ボランティアへの代替による専門職の切捨てになる。

○ヘルパーの生活援助は、単に掃除や調理をすることではありません。状態変化の早期発見と対処、リスクの回避、認知症への対応、利用者との時間をかけた関係づくり、信頼の構築や相談援助など、一連の家事を通して生活を総合的にささえる点にその専門性があります。これをボランティアで代替することはできません。「ボランティアでも可能」というのは、介護の専門性を真っ向から否定するものです。

1、予防給付費の伸びを半分に抑えるという大幅な削減目標をかかげ、この目標を達成するため、市町村が新事業を実施する予算には、「介護給付費×○%」などの上限がかけられることについて→諸説明しているが結局介護給付費の押さえ込みが目的でないか。

2、看護師の配置が厚い「7対1病床」については、2014~2015年度の2ヵ年で9万床を減らそうとしていることについて→在宅医療と介護の連携を推進

2、在宅でも施設でも利用料の大幅な負担増

【2・3月議会本会議答弁】

 負担割合が2割になったとしても、高額介護サービス費の仕組みにもとづき利用者負担には月額上限額が設けられていることから、見直しの対象者とする利用者全員の負担が必ず2倍になるものではないとされています。

①年収280万円以上の単身高齢者などのサービス利用料を1割負担から2割負担に引き上げる

○実施された場合、伊丹市内で対象者はどの程度なのか(被保険者と利用者それぞれ)

②施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」要件に資産を追加

○保険料を支払うことで給付が受けられる社会保険制度に資産要件を導入することがはたして妥当なのかどうか?

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 介護保険制度について

2014.3.7. 上原ひでき議員

6.介護保険制度について

1)安倍内閣による介護保険改定法案について

安倍内閣は介護保険改定法案を国会に提案しました。改定の一つが、「要支援1・2」と認定された人が受ける訪問・通所介護サービスを、ボランティアなどを活用して市町村が行う「総合事業」に移す方針です。「総合事業」では、ヘルパーなど専門家によるサービスは一部に限定され、その大半がNPOやボランティアに丸投げされることになります。しかも、要介護認定を省こうとしているのが、この「総合事業」の対象者です。市町村の窓口で、どんなサービスを使うのかを申請者と相談し、「総合事業」だけを利用する場合は認定を省くことを可能にするものです。現在要支援者が受けているサービスは、ヘルパーによる「訪問介護」とデイサービスなどの「通所介護」が6割を占めています。これらの人が受けるサービスが市町村の事業になれば、自治体の財政状況によって左右され、どこでも平等に介護サービスを受けられる権利を奪うものです。

二つには、年金収入280万円以上の単身高齢者などのサービス利用料を1割負担から2割負担に引き上げることです。対象者は5人に1人に上ります。月々の保険料で収入による負担を求められた上、サービスを利用するときまで収入で差をつけられえることは、保険の建前に反します。

三つには、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定することです。全国的には待機者が40万人を超え、そのうち13万人は「要介護1・2」です。伊丹市でも、昨年8月現在で111名とされていました。入所を待ち続ける高齢者・家族にとってあまりにも過酷です。今、高齢者の貧困化や施設不足の中で、介護の担い手を見つけられない人が増え、マスコミでも「介護難民」「老人漂流社会」などと呼ぶ状況が広がっています。安倍内閣は自ら「難民」を増やそうとしています。

この改定の狙いは、「軽度者」の利用を削減・抑制して、公的介護保険にかかるお金を押さえ込むことです。しかし、サービスから締め出された「軽度者」の重度化は、公的費用を更に膨張させることになります。全日本民主医療機関連合会の調査では、訪問介護を利用する要支援者の81.4%、通所介護を利用する要支援者の87.7%が何らかの認知症を抱えていました。これらの人が介護保険からはずされれば、初期の認知証の人への支援が大幅に切り下げられ、家族の負担がいっそう深刻になるとともに、重度化を加速しかねません。

総務省「就業構造基本調査」によれば、家族の介護のために離職する人は毎年8万から10万人とされています。介護を苦にした心中・殺人など、痛ましい事件も後を絶ちません。

伊丹市として、国に対して、このような改定はやめ、介護保険制度を、抜本的に立て直すことを求めるべきではないでしょうか、見解を伺います。

2)地域包括支援センターについて

第5期介護保険事業計画では、現在地域包括支援センターは1ヶ所で、9ヶ所の介護支援センターがその機能を補完しているが、仕組みとして介護支援センター内で支援が完結できなかったり、チームアプローチができなかったりという理由から、高齢者の多様な生活課題に対して対応しきれなくなっていること、このことから第5期では、高齢化率の高い圏域から優先的に、地域包括支援センターを新に設置するとされました。来年度が第5期の最終年度に当たりますが、どのような計画をお持ちなのかお伺いします。

伊丹市会報告2012年春季号 ストップ 消費税10% / 2・3月定例市議会

2012_05_18_report_haru_1
社会保障 財政危機 消費税に頼らず財源をつくれます

2・3月定例市議会 市民の願い届け、実現!

伊丹市会報告2012年春季号はこちら(PDFファイル 2.63MB)

【1面】

社会保障 財政危機 消費税に頼らず財源をつくれます

ストップ 消費税10%  市長に日本共産党提言の見解を問う

 民主党野田政権は、「社会保障と税の一体改革」と称して、消費税10%への増税案を国会に提出。国民の中から「こんな時期になぜ消費税増税か」と怒りの声が上がっています。日本共産党議員団は、3月議会の代表質問で、党が発表した「消費税大増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開の提言」を紹介し、市長の見解をただしました。

大増税しながら、社会保障は切り捨て

▼日本経済をどん底に、財政破綻も一層ひどく

日本共産党はこうして社会保障を充実します

2012_05_18_report_haru_2

【2面】

2・3月定例市議会

医療・福祉の負担増・縮減やめ、くらし・福祉まもれと要求

 今議会は12年度予算案を中心に審議が行われ、党議員団は市民の切実な要求実現に向け、本会議・予算委員会でくらし・福祉を守れと具体的提案も行いました。なお党議員団は提案された77議案のうち71議案に賛成、6議案に反対しました。

市民の願い届け、実現!

75歳以上の高齢者にも人間ドック助成実現

 国の制度(補助率100%)として後期高齢者医療被保険者にも人間ドック助成制度が実現。助成費用は人間ドック費用の1/3で、上限2万円。

市民病院の機能充実へ

 県指定のがん診療連携拠点病院ならびに地域医療支援病院となり、今年度「内視鏡センター」・「人工関節センター」の設置、「外来化学療法室」の拡充、アレルギー疾患リウマチ科が新設されます。

国保税の引き上げを抑えました

今年度も国保会計に4.25億円繰り入れ実現

 昨年度と同様に、一般会計から国保会計に4億2500万円繰り入れ、国保税の引き上げを抑制。引き続き繰り入れの新たな仕組みを求めました。

議会改革本会議インターネット中継・録画配信導入

 今年度9月議会をめどに、本会議の様子がインターネットで見ることができるようになります。開かれた議会への第一歩ですが、今後も議会改革に向けてがんばります。

介護保険料値上げ! 基準月額4,200円→4,400円

 年金の支給額が年々減らされる中、市は介護保険料の値上げを提案。しかし、保険料のため込み基金が11.4億円、今回その半分しか取り崩しません。党議員団は、基金の大半を使って保険料を抑制することを求めました。

医療費助成制度 県にあわせた改悪でなく充実を

 医療費助成制度が県にあわせて改悪され、所得制限の計算方法の変更で対象者が減少。伊丹市では、重度障害者の2%・60人、子育て家庭では、22,463人のうち4.8%・1,070人が医療費助成の対象から外されます。党議員団は県に追随するのではなく、通院も中学校卒業まで無料にすることを求めました。

個人市民税 3億4,500万円の増税、さらに…

 今年度、年少扶養控除の廃止等によって3億4,500万円の増税、さらに来年度から10年間、個人市民税の均等割りが500円引き上げられ、4,300万円の増税となります。一方、法人税は税率4.5%、1億5,000万円の減税です。

土地信託の破綻 市有地(ネオ伊丹ビル)を処分… 党議員団は賛成

 伊丹市は、旧伊丹市役所跡地(伊丹市中央3丁目)に関して、1989年三菱信託銀行と土地信託契約を締結し、同銀行が貸しビルを建設(借入金23億2千万円)、オフィスビルとして賃貸業を経営してきました。しかし、賃貸料の低下、空き室が生じたことから、借入れ金残約9億円の返済ができなくなり、破綻。市は、その土地・建物を処分し、その金額で借金を清算することを提案。党議員団は、継続しても借入れ金の返済のめどはなく、将来の負担が増加するとして、これに賛成しました。

 土地信託とは、市有地を信託銀行に信託、銀行が市に変わって事業を行い、その成果を信託配当として市が受け取る方法。市が受け取ったのは、その配当と固定資産税等の合計約12億円で、銀行は利息等で約13億円です。当初「民間の営利追求の具とする」と、土地信託に反対したのは党議員団だけでした。

主な議案に対する態度 2012年2・3月議会

2012年3月議会 かしば優美:介護保険会計への反対討論

議案第31号「平成24年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」、議案第60号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」に対する討論

2012年3月27日
日本共産党伊丹市会議員団 かしば優美議員

 第60号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」と関連する議案第31号「平成24年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」についてであります。

 今回条例の一部改正として、第5期介護保険料の基準額を月額4,200円から4,400円に引き上げるとともに、保険料段階区分を10区分から12区分に見直すものとなっています。この改定により年金収入300万円の人には、月額で5500円、年間で66,000円の保険料がかかってきています。

 今回の介護保険料引き上げは、年金が引き下げされる中、現状でも高い国民健康保険税に加えて、来年度から後期高齢者保険料も値上げとなるもとでの実施となり、高齢者に大きな不安を与えるものとなります。

 さて今回当局は、第5期介護保険料設定にあたり介護給付等準備基金1,145,000千円の5割570,000千円を取り崩して基準保険料を月額4,400円に抑えたとしていますが、なぜ5割=半分だけの取り崩しなのか根拠がありません。委員会でも質疑しましたが、第4期介護保険事業計画策定にあたり、当時存在した介護給付費等準備基金861,000千円については、第4期介護保険料の上昇を抑えるために262,000千円、残り約6億円は第5期の保険料の上昇抑制のために積み立てておくとの計画でした。ところが第4期では取り崩しを予定していた262,000千円はその必要がまったくなかったこと、しかも逆に第4期・2009年から2011年までの3年間で新たに284,000千円準備基金を積み増ししたのです。このことは、第4期介護事業の中でさまざまな理由があったにしろ、徴収した介護保険料に見合う介護サ-ビスが提供できていないことを示しています。

 この介護給付費等準備基金すなわち「剰余金」は第一号被保険者の保険料にほかなりません。よって少なくとも、第5期の保険料を抑えると約束していた約6億円と第4期中に取り崩しの必要がなかった260,000千円合わせて約8億6千万円の介護給付費等準備基金については、それを取り崩して保険料上昇を抑制することが被保険者に対する最低の責任だと考えるものです。

 以上の理由により議案第60号と関連する31号に反対とします。

2012年3月議会:上原ひでき 代表質問

2012年3月6日
日本共産党伊丹市会議員団 上原ひでき

代表質問要旨

1.市長の情勢認識を問う

1)国民・市民のくらしと民主党野田内閣の「社会保障と税の一体改革」について
 ―日本共産党の提言をもとに、消費税増税と社会保障の「改革」の実態をただす

 内閣府が2月13日に発表した国内総生産(GDP)速報によると、昨年10月から12月期の実質経済成長率は年率で2.3%のマイナスとなりました。内需は年率で0.2%増加し、輸出が年率11.9%の大幅減少となったことが響いています。世界経済危機のもとで、これまでのような輸出依存の経済成長路線にますます展望がなくなりました。

 このもとで、日本経済の低迷と世界経済危機を口実に、大企業は大リストラ攻勢をかけてきています。正規社員から非正規に置き換え、さらに、大規模な非正規切りを進めた自動車や電機などの大手製造業は、国内雇用を破壊し、若者たちから仕事を奪いました。その結果、2011年の雇用者報酬は、10年前に比べて約20兆円減少、労働者賃金は年平均50万円の減少、家計消費も前年比で1.1%減の276兆円となり、相対的貧困率も16%まで上昇し、アメリカに次ぐ貧困大国、年収200万円以下のワーキングプアは1000万人を超え、子育て世帯の貧困化による子どもの貧困の問題、30代から50代の生活保護世帯の増大等々に現れています。一方、資本金10億円以上の大企業の内部留保は、10年前の172兆円から266兆円へと94兆円増やし、株主への配当は3倍以上に増やしています。

 このような景気が落ち込み、格差が拡大する中、民主党の野田政権は、「社会保障と税の一体改革」と称して、消費税を2015年に10%に増税する法案を成立させようとしています。この消費税第増税計画は、三つの大きな問題点があると思います。

 第1は、ムダづかいを続けたままの大増税であるということです。八ツ場ダムや「1メートル1億円」の東京外郭環状道路などの大型開発の復活、F35を次期戦闘機として買い入れるために1.6兆円の増額、320億円に上る政党助成金は受け取り続け、その一方で、富裕層や大企業には年間1.7兆円もの新たな減税です。

 第2に、社会保障切捨てと一体の大増税だということです。老齢年金、障害者年金の削減、年金の支給開始を68歳から70歳に先延ばし、医療費の窓口負担を増やし、保育への公的責任を投げ捨てる「子ども・子育て新システム」の導入など子どもから高齢者まで負担増と給付削減を行うものです。

 第3に、日本経済をどん底に突き落とし、財政破綻も一層ひどくするものということです。1997年の橋本内閣のとき、消費税5%への増税など9兆円の負担増を強行しましたが、このことで、回復の途上にあった景気をどん底に突き落とし、税収の落ち込みと「景気対策」のための財政支出でわずか4年間に借金が200兆円も増え、財政を破綻させました。今回は、消費税10%への引き上げで13兆円の増税、年金の削減や医療などの保険料値上げによる負担増を合わせて年間20兆円もの負担が増えます。しかも地域経済が深刻な疲弊の下にあるさなかでの大増税であり、国民の暮らしに計り知れない打撃を与え、日本経済をどん底に突き落とし、財政破綻を一層ひどくすることになります。また、東日本大震災での普及・復興に逆行することにもなります。

 日本共産党は、このような消費税の大増税に断固として反対を貫きます。同時に、消費税の増税なしに、どうやって社会保障の再生・充実と、財政危機打開を進めるのか、具体的な提案を行いました。

 その考え方は、社会保障の段階的な充実と国民所得を増やす経済改革という日本の柱を同時並行的に進めていくということです。第1段階は、小泉「構造改革」以降の改悪によってゆがめられた社会保障を再生するもので、例えば医療費では、子どもは無料、現役は2割、高齢者は1割に、年金削減策の中止、特養ホーム・保育所の待機者をゼロに、国保税の国の責任による一人1万円の引き下げなどで、その財源は、大型事業や原発推進費、政党助成金などの歳出の無駄の削減で3.5兆円、証券税制強化や最高税率の引き上げ、「富裕税」、「為替投機課税」「環境税」の創設など歳入の確保で8兆円から11兆円を見込んでいます。第2段階は、ヨーロッパ並みの先進水準の社会保障を確立するため、最低保障年金制度の確立、医療費の窓口負担の無料化、介護の利用料ゼロなどで、財源は、累進課税を強化して所得税の抜本改革を行うなどで6兆円以上を見込んでいます。同時に、国民の所得を増やして税収増を確保するため、人間らしく働ける労働のルールをつくり、中小企業への本格的な振興策強化等を行うものです。このようにすれば、社会保障を充実させ、財政再建も可能と考えるものです。

 市長にはあらかじめ日本共産党の「提言」をお渡ししています。市長は、社会保障切り捨て、消費税増税の「一体改革」をどうのようにお考えなのか、日本共産党の「提言」に対する見解もあわせて伺うものです。

2)伊丹市の財政と政府の地方財政計画(地方交付税)について

 2012年度の一般会計予算は、660億円で、前年対比6.1%の増としていますが、借換債や第3セクター関係費用を除くと601億円で、3.4%の減とするものです。そのうち、個人市民税では市民に対して年少扶養控除の廃止や特定扶養控除の縮小、均等割り税率の引き上げ等によって約5億円の増税となりながらも、前年対比で3億1600万円の増でしかなく、法人市民税と償却資産税とともに、リーマンショック前と比べて約29億円の減少のままとなっています。市民のくらしや中小零細業者の営業は依然として厳しい状況が続くことが予想され、このことから伊丹市においては、一層暮らしを守る施策が求められることになります。

 一方、前年比で市税が約2億4000万円減少し、扶助費が約3億円増となっているにもかかわらず、普通交付税は実質前年とほぼ同額となっています。社会保障関係経費は自然増だけでも大きく増額しているにもかかわらず、なぜ前年対比で実質同額の普通交付税の予算なのでしょうか。地方財政計画においても、普通交付税はほぼ前年と同額です。しかし、社会保障関係費は、自然増における地方負担分だけで7715億円増加しており、「子どものための手当て」の地方負担増加額などを加えると1兆円以上の増となるものです。地方財政計画で、社会保障関係費を確保したとされていますが、結局給与関係費と投資的経費を削減しつじつまを合わせただけではないかと思います。給与関係費では、政府の「集中プラン」で大幅削減を誘導し、地方ではこれ以上減らすことができないところにあります。このような財政計画を見る限り、一般財源は総額確保したとはいえ、実際には歳出削減路線を伴っています。小泉内閣による地方交付税の大幅削減はまだまだ回復できていません。

 このような政府による歳出削減策は、伊丹市の財政に大きく影響していると考えるものですが、市長は来年度の地方交付税のあり方をどのように評価しているのでしょうか。同時に、地方交付税の「上乗せ」措置が継続された「地域経済基盤強化・雇用等対策費」の地方配分、さらに通常の基準財政需要額の関係費目の単位費用に増額される7550億円に関して、どのように見積もりをたてられたのでしょうか、お伺いします。

2.市民が主体となったまちづくりの実現について

1)参画と協働による市民自治

 市長は施政方針の中で、多様な主体が地域の中で活動し、連携し合える住民自治の仕組みづくりが必要であること、そのために市民と行政が連携し活動する仕組みとなる「協働の指針」を策定すること、PPP(官民共同)基本方針を策定し、「新しい公共」づくりを検討するとされました。

①「協働の指針」について

 地域社会に関して、この間、衝撃的な事件が相次いだことは改めて現代の貧困問題、社会的つながりの問題を考えさせられました。「無縁社会」と名づけられる現代社会は、地縁・血縁というようなつながりの希薄さの中で、多くの人々が孤独の中で生きている現実を露呈させています。これらの状況は、国における社会保障の充実と高齢者を地域のつながりで支える体制の強化、高齢者の力を活かすまちづくりをどのように進めるかが喫緊の課題となっていることを示しています。地域には、自己責任の強調ではなく、多くの人々を包み込み、共同の力で地域問題を解決することができる力量を高めていくことが求められています。そのためには、自治会やコミュニティ組織を基礎にして、子育てサークルなどやボランティア、NPO、民生委員、PTA、子ども会、老人会、各種団体等々などと共同し、高齢者や子ども、障がい者をはじめとして住民の暮らしを守ることと地域をつくることを結び、日常の取り組みを通じて地域力・自治力を蓄積していくことが必要です。これらの多様なまちづくりの主体が、自治体行政活動の公共性を前提として、行政と対等な関係の中で、それぞれの特徴を活かしながら、連携・協力して共通の目標を達成するために力をつくす仕組みをつくることは、住みよい地域づくりに大きく貢献するものと考えます。

 そこでお伺いします。一つは、以上述べたことが「協働の指針」の定義のようなものになると考えますが、当局はその定義に関してどうお考えなのか、見解を伺います。二つに、まちづくり事業制度として事業支援することを考えているのか、さらには地域コミュニティ組織への新たな支援の仕組みをつくろうとされているのでしょうか。三つには、まちづくりを進める組織を支援するための「支援センター」的な組織が必要になるのではないかと考えますが、以上に対する見解を伺います。

②PPP(官民共同)基本方針の策定について

 本来、PPP(官民共同)というものは、例えば水道や交通など従来公営で行ってきた事業に、民間事業者が事業の計画段階から参加して、設備は官が保有したまま、設備投資や運営を民間事業者に任せる民間委託などを含む手法をさしているとされ、PFIよりも幅広い範囲を民間に任せるものとなっています。

 2007年に出された「大阪版PPP改革について」を見ますと、その手法はPFIや市場化テスト、アウトソーシングなどの「民間開放」、地方独立法人化や広告事業、民間との人事交流などの「民間活力の活用」、住民・地域・NPO・企業などとの「協働」の3本柱から成り立っています。伊丹市は「協働の指針」は別につくりますから、大阪版のように全国的に行われているPPPからすると、民間開放と民間活力の活用ということになります。しかし、民間移管等の手法は、政府の自治体調査結果で、「可能な限り民間委託を推進したが、必ずしも経費節減につながっていない」(兵庫県・猪名川町)、「指定管理者制度の活用により、多くの施設で指定管理者が導入されたが、評価方法などが確立されていないため、本当に行政サービス水準の維持・向上、業務の効率化につながっているか不明である」(山口県・宇部市)などの意見があるとおり、反省の声が上がっています。PFIに関しても、近江八幡市立総合医療センター等の破綻で明らかになったとおり、民間事業者の利益が優先される、高金利負担となる、いつ発生するか分からない修繕費用の前倒し支払い、中間業者が介在するというPFIの制度的欠陥性などが問題となっています。

 伊丹市は、PPP基本方針策定において、何をされようとしているのでしょうか。お伺いします。

3.介護保険事業計画について

1)介護保険料について

 議案第60号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」において、介護保険料の基準額を月額4200円から4400円に改めるとともに、保険料段階区分を10区分から12区分に見直そうとしています。この改定によって、年金収入300万円の人には、年間6万6000円、月額5500円の保険料がかかってきます。今でも国保も介護保険料の高いとの声が出ているのはご承知のとおりです。

①伊丹市の準備基金の取り崩しはなぜ50%か

 伊丹市の介護保険財政には、2011年度末に介護給付等準備基金積立金が11億4500万円あります。そのうち、今回の改定で5億7100万円を取り崩し、基準額の月額367円の軽減を図ったとされました。残り半額は基金として残し、第6期の計画で保険料軽減に使うとのことです。

 しかし、第3期が終わった2008年度末には8億6100万円の基金があり、そのうち4期分として約30%の2億6200万円を取り崩し、前期計画比で400円の引き下げを行いました。そのとき、約6億円の基金を残したのは、5期目の保険料は4200円を維持するとの説明がありました。しかも、今回取り崩した5億7100万円は、4期目の計画期間に積み立てた基金であり、3期目の計画期間の基金残約6億円は残したままとなります。なぜ基金を6億円残さなければならないのか、5期計画期間の保険料を4200円に据え置くという約束はどうなったのか、説明をお願いしたいと思います。

②県の財政安定化基金の取り崩しにおける県・国拠出分はどうしたのか

 兵庫県は、介護保険財政安定化基金の第4期末残高121億6200万円のうち、72億4300万円を取り崩し、市町拠出分3分の1の24億1400万円を各市町に保険料軽減交付金として交付するとし、伊丹市の場合、50円の軽減となるとされています。一方、県の拠出金は保険料の軽減に使わないと決めたそうです。しかし厚生労働省の見解では、その使途として保険料軽減のための市町村に対して交付すことは可能とされています。この点では、兵庫県下28市12町の民生主管局部課長・理事一同名で、兵庫県拠出分相当の取り崩し額について、第5期介護保険料の上昇に直接活用できるよう対応をお願いしたい、との緊急要望を、1月23日に提出されています。なぜ兵庫県はこの全市町の要望にこたえなかったのか。さらに、国拠出分に関しても、都道府県には保険料軽減に使えるといっておきながら、なぜ国は保険料軽減に使わなかったのか、伊丹市として、国に対する要望は行ったのか、その理由・その使途についてもお伺いします。

2)施設介護の遅れをどうするのか

 私は昨年の3月議会の代表質問で、介護施設の建設は常に後追いで、待機者は減少しないのではないか、家族の介護を軽減し、社会的介護の仕組みをつくるのが介護保険制度であることから、第5期介護保険計画は、この立場から安心できる計画をつくるべきとただしました。

 答弁では、第4期の計画期間に計画している施設の開設の見込みが立っており、待機期間の縮小を図ることができる、認知症グループホームや介護老人保健施設の待機者も一定の解消が図られること、さらに、24時間365日対応の定期巡回・随時対応サービス等新たな制度の検討がされていることから、在宅と施設サービスの割合等を検討して第5期の計画をつくる、とされました。

 しかし、現在特別養護老人ホーム等の待機者は、昨年6月現在で緊急性の高い待機者が184人。そうでない人を含めて400名を超えます。今後、第5次介護保険計画の中で、小規模特養と認知症グループホームをそれぞれ3ヶ所ずつつくろうとされていますが、毎年増え続ける待機者に対応できるでしょうか。もちろん、住み慣れたところで暮らし続けたいという高齢者の願いはありますから、居宅介護の充実を行いながら、せめて中規模程度の特別養護老人ホームは必要だと考えます。見解をお伺いします。

4.障がい者福祉について

1)国の総合福祉法制定状況における問題

 政府の障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会が2月8日開かれ、厚生労働省は自立支援法に変わる法案の概要を示しました。しかし、その法案概要に、障がい者が怒りの声を上げています。「総合福祉部会」が取りまとめた「骨格提言」は、障害者権利条約と「基本合意」を踏まえ、障がいのない市民との平等と公平、すべての障がい者を対象にした施策の充実、OECD諸国並みの安定した障がい者福祉予算の確保などを柱にし、障がいに伴う必要な支援は原則無料を打ち出していました。しかし法案概要は、利用料の原則無償化を見送り、対象とする難病の拡大も一部にとどめました。「提言」が廃止を求めていた「障害程度区分」も盛り込んでいます。このような障がい者・家族の創意を無視した姿勢は許されるものではありません。

 伊丹市議会も昨年12月議会で、「総合福祉法」は「骨格提言」を尊重したものにすることを求める意見書を全会一致で採択し、意見書を国に送付しました。伊丹市当局の答弁でも、当然「骨格提言」が尊重されるべきものと考えている、本市としては障害者福祉制度改革の目標達成が、本市のまちづくりの基本目標達成と将来像へとつながっていくものと認識しているとされました。

 市長は、今回の厚生労働省の法案概要についてどのような認識をもっておられるのでしょうか、お伺いします。

2)災害と障がい者支援について

 東日本大震災では、障がい者や難病患者の救命の困難さが改めて浮き彫りになりました。筋ジストロフィーを患い、人工呼吸器をつけて車椅子生活を送っていた35歳の「佐藤まさあき」さんは、ヘルパーの交代時間1時間半の空白時間に地震がおき、近所の親族が助け出そうとしているとき、「もう、あきらめましょう」とつぶやいたのが最後の言葉となってしまったそうです。一方、災害弱者の避難に関して、「被災地障がい者支援センターふくしま」のスタッフが避難所調査をしたところ、避難所にいったものの苛酷な環境に耐えられなかったり、病状を悪化させたりして自宅に戻った人らが目立ち、「思いのほか少なかった」と語っています。

 同「支援センター」代表の白石清治さんは、1月に開催された障がい者制度改革推進会議への提出資料で、東日本大震災における障がい者等「災害時要援護者」に対する取り組みについて教訓を述べておられます。その一つは、避難計画策定や訓練への障害者団体の参画と連携が行われていなかったことで、災害が起こったとき、どうしても障がい者が後回しにされてしまっている。逃げ遅れる障がい者などに重点を置いた避難計画策定委員会を組織してきめ細かく策定する必要があること。安否の確認と支援ニーズの把握に関しては、サービス利用者は事業者が責任を持って行うべきだが、サービスを利用していない障がい者は、行政と民間事業者、民生委員、町内会等の連携によって迅速に行える状況をつくっておく必要があること。また、災害直後における障がい者支援の仕組みのありかたについては、一般の避難所では、車椅子の障がい者は横になって寝ることができない状況があり、駐車場に車を止めて家族と共に避難生活をしているケースがあった。福祉避難所は存在したが、どこにあるのか判らない状況にあった。そのような時、緊急避難時の相談支援体制も、相談支援を行っている事業所が避難していることもあり、緊急に同センターが県の委託を受けて相談支援体制を築くことができたことなどとなっています。

 伊丹市における障がい者等の緊急時における避難体制と避難所はどうなっているのでしょうか。

 NPO法人兵庫県障害者センターが、昨年11月、兵庫県下全市町を対象に「障害者と防災に関するアンケート」を行っています。それによりますと、伊丹市としての問題の一つは、要援護者防災マニュアルを策定する予定なしとされたことです。41市町中回答のあった40市町のうち、伊丹市を含めて5自治体だけでした。今年度中に防災マニュアルを見直す予定とされています。先ほど東日本大震災の教訓を引用しましたが、このことに学び、障がい者等要援護者に対する防災マニュアルを関係者とともにきめ細かく策定する必要があると考えます。また、福祉避難所は指定されていますが、災害の規模にもよりますが、その対象者に対する定員割合は0.02%しかありません。また、障がい者が横になって寝る場所や様々な障害の程度を想定した福祉・医療関係の危惧・備品の確保等福祉避難所の運営マニュアルの作成も必要と考えます。

 以上に対する見解、今後の予定についてお伺いします。

5、国民健康保険事業

1)国保をめぐる国の動向について

 高すぎる国保税を何とかしてほしいという被保険者・国民の声、伊丹市等保険者にとっては一自治体では対応できないという声があります。このことを解決するためには、1984年に国庫負担金を医療費の45%から38.5%に引き下げ、2009年度には24.7%まで下げた改悪措置を元に戻すなど、国の負担割合を増やす以外にありません。

 しかし、民主党政権はこのことに背を向けて、「広域化」の推進を打ち出しました。開会中の国会に提出される国民健康保険等「改正」案では、2015年度から保険財政共同安定化事業の対象医療費を拡大して、国保財政の都道府県単位化を行うとしています。すなわち、現在30万円を超える医療費に関する共同を、すべての医療費に関する共同に変更するというものです。また、財政安定化支援事業については縮小、もしくはなくす方向で検討、伊丹市の場合、2010年度決算で、一般会計から約1億円が繰り入れされています。また、定率国庫負担を34%から32%に引き下げ、都道府県の調整交付金を7%から9%に引き上げて財政運営の都道府県単位化を進めるといっていますが、その財源は年少扶養控除の廃止に伴う地方税の増税分を財源として活用するとしています。このことは明らかに国の負担削減の方向です。

 国は国保財政の運営を「広域化」することだけに奔走し、財政負担を削減しようとしていますが、このことは国保会計に何の改善策にもならず、むしろ国の責任放棄、都道府県丸投げに繋がるもので、被保険者・国民にとってもメリットはありません。市長はこの動きをどう認識されておられるのでしょうか。国の責任放棄に反対すべきと考えますが見解をお伺いします。

2)国保財政の安定化と一般会計からの繰り入れ

 伊丹市の国保財政は、2009年度には約12億円あった赤字が、2011年度決算見込みで約5億6600万円、2012年度予算案で3億6700万円まで減少する見込みとなります。このことは、一般会計から2011年、12年の2年間で8億5000万円の繰り入れを行うことによって成し遂げられるものです。改めて評価をしたいと思います。

 しかし、この間被保険者への負担は低所得者と中間所得者への増税は行わず、限度額のみの引き上げで切り抜けてきましたが、依然として高い国保税には変わりはありません。しかも、来年度、国保会計における一般医療分の赤字は4億円以上の見込みで、後期高齢者支援金と介護2号保険分は単年度赤字が出る見込みとなっています。このまま推移すると、また赤字が膨らみ、国保税の増税へとつながらざるを得ません。

 国の動向は、国保の「広域化」へと進んでいますが、2015年度の国保財政都道府県単位化においても、国保税設定の権限は自治体に残され、一般会計からの法定外繰り入れによる保険税軽減策などは引き続き可能となっています。国に対する国庫負担増額を求めながら、一般会計からの法定外繰り入れルールの改善・増額を行うべきと考えます。その方法は、以前にも述べましたが、現年分の滞納額2分の1の繰り入れを全額繰り入れとする、財政安定化支援繰り入れを一般減免分繰り入れと切り離し別立てとして増額する、さらに一般減免の制度を充実させることも合わせて行うことも求められています。ご見解を伺うものです。

6.子育て支援について

1)「子ども・子育て新システム」の動向について

 民主党政権は、国と自治体が責任を持つ公的保育制度を解体し、保育を保護者と事業者の「契約」で購入するサービスにして、保育の「営利化」「市場化」を進める「子ども・子育て新システム」の関連法案を、今国会に提出する方針です。「社会保障と税の一体改革」のトップに据えられ、待機児童の解消と子育て支援の充実を行うことで、消費税増税の口実に使おうとしています。しかし「新システム」では、待機児童の解消の保障はありません。児童福祉法第24条の自治体の保育実施義務をなくし、保育の提供を事業者にゆだねてしまうためです。また、新設される施設である「総合こども園」(仮称)には、0歳から2歳児の受け入れは義務化されません。しかも、幼稚園と保育所の一体化の展望は示されませんでした。政府が待機児童解消に期待しているのは、これまで認可外施設も一定の基準を満たせば指定が受けられるようにすること、「地域型保育給付」に位置づける予定の定員5人以下の「保育まま」や、空き教室などを利用した「小規模保育サービス」、ベビーシッター型のサービスです。

 これらのことは、従来の保育制度が、認可保育所による保育を基本としてきたことに対して、その原則を覆し、認可保育所外の様々な施設や「多様なサービス」でよいとするものです。保育の密室化、低い保育条件の固定化につながり、子どもへの影響や事故等の増加も懸念されます。また、「新システム」の保育供給にかかわる基準は、こども園と地域型保育、さらには総合こども園のトリプルスタンダードになるのではないかと思います。どの子どもも、一定の基準に基づく施設、集団的で系統的な保育が保証されることが大切ではないでしょうか。一時期、緊急的な対策として、このような方法が活用されることがあっても、格差を固定化させる方向ではなく、国と自治体の責任で、希望する認可外保育所の認可化や保育条件の改善、底上げなどの支援策を進めることこそ必要と考えるものです。

 市長はこのような「新システム」の動向をどのように認識されているのでしょうか、

2)待機児童の解消について

 現在、伊丹における保育所待機児童は、2月1日現在で214人とお聞きしています。この数は、昨年同期とほぼ同じとなっています。この状況から、「育児休業からの復帰期限が迫っているのに入所できない」「働かなければ生活できないのに子供を預けられない」などの声があり、待機児童の問題は、子育て世代のくらしと子どもたちの育ちを脅かしています。年度明けには待機児童は解消するといわれますが、定員を超えた「詰め込み」保育が実態です。

 今まで、民間の認可保育所の誘致等によって一定の定員を増やされてきたことは評価をしていますが、民間任せでは限界があるのではないでしょうか。かといって公立保育所を作れといっても財政上の問題があります。2004年、小泉構造改革で公立保育所への補助金を廃止して一般財源化し、同時に地方交付税を大きく削減したからです。

 したがって、待機児童解消のためには、第1に、国の責任で保育所をつくるという政策を打ち出すこと、そのためには、廃止した公立保育所への国庫補助を復活し、用地取得費の助成制度をつくること、その要求を国に求めるべきですが、見解を伺います。

 第2には、国の第4次補正で「安心こども基金」が1234億円積み増しされたことを利用することです。保育所整備事業については、来年度中に着手し、2013年度に完了が見込まれる場合に助成対象とすることになっていることから、急ぐ必要があります。第3に、未認可保育所で認可を希望されるところへの助成をすることです。以上のことを踏まえて、待機児童解消のための方向についてお伺いします。

7、地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の方策について

 伊丹市第5次総合計画では、「にぎわいと活力あふれるまち」の施策目標②「活力ある地域産業の振興と創出」で、「地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の方策を検討します」と述べています。この視点から質問をします。

1)公共事業の減少と建設業者への支援策について

 来年度予算の説明の中で、歳出予算のポイントとして「公共事業を縮減する中で市民の安全・安心、子育て支援の予算を積極的に確保する」とされました。もちろん、不要不急の公共事業は必要ありません。しかも伊丹市の行政課題として公共施設に関しては、今後公共施設のマネジメントに基づく修繕等は出てきますが、施設を建設する対象そのものも減少しています。その中で建設業者にとっては、民間需要も減少する中で苦境に立たされているのが現状ではないかと思います。

 一方、伊丹市の産業政策では、商業の活性化や企業立地制度、農業振興策はありますが、建設業者に対する施策は取り立ててありません。このことから、党議員団として何度も住宅リフォーム助成制度創設を提案してきました。しかし当局は、個人財産への助成はできないこと、経済効果はないことを理由に創設しようとしません。いま全国で昨年4月現在330自治体において実施され、その自治体から経済効果は8倍から30倍という報告がなされています。

 そこで、伊丹市は、どの自治体の教訓から経済効果がないと判断されたのか、伊丹市の産業構造の独自性に理由があるのか、改めてお伺いします。また、個人財産への助成は従来から、政府も住宅建設への税制や融資での優遇措置を行い、自動車や電化製品にはエコの名目で補助を実施してきました。ではなぜ景気対策のための助成ができないのか、その理由をお伺いします。

 さらに、産業の振興と創出に関する建設業者への施策についてどのようにお考えなのかお伺いします。

2)TPP(環太平洋連携協定)参加で伊丹の経済はどうなるのか

 民主党野田内閣は、昨年11月の「アジア・太平洋経済協力会議」首脳会議で、TPP交渉に参加するため関係国と協議に入ると表明しました。TPPは、関税を原則完全撤廃し、農産物の輸入を完全に自由化するもので、農林漁業と国民の食料に大打撃となります。さらに、「非関税障壁」撤廃の名の下に、食の安全、医療、金融、保険、官公需、公共事業の発注、労働など、国民生活のあらゆる分野での「規制緩和」をねらうものです。

 農林水産省は、TPP参加による日本経済への影響について試算をしています。そのれによると、農産物の生産減少額は4兆1千億円、食料自給率は40%から14%に、農業の多面的機能の喪失額は3兆7千億円、農業および関連産業への影響は、GDP減少額7兆9千億円、就業機会の減少数は340万人となっています。

 当然伊丹市の農業にも大きな影響があるとともに、関連産業、雇用、食料の安全性にも大きな影響を与えることになると考えます。市長はTPP参加の伊丹市に与える影響をどのように考えているのか、見解をお伺いします。

8.教育について

1)人権教育・啓発推進について

 伊丹市は2010年10月に「伊丹市人権教育・啓発に関する基本方針」を定め、これを推進しています。私は、この年の3月議会で、「基本方針」は必要ないとしながら、つくるとすればとして、次のことを問題としました。

 一つは、「市民は社会福祉基礎構造改革による福祉切り捨て、大企業の横暴とそれを野放しにしてきた政治によって不況、倒産、リストラなど深刻な貧困を押しつけられており、まさに耐えがたい人権侵害を受けているという事実であります。これらの問題解決に「教育・啓発」はどんな役割を果たすのでしょうか」と問題提起しました。

 答弁では、「雇用契約を打ち切られて仕事と住まいを失う労働者が相次ぐなど、格差社会や貧困の実相が浮き彫りになっている。このような状況の中でこそ、市民一人一人の人権意識の向上と、そのために行われる人権教育・啓発の重要性につきましては、どんなに強調しても強調し過ぎることはないものと考えております」とされました。

 では「基本方針」策定以降、格差社会や貧困問題に関して、国家・企業がもたらす人権侵害に対して、どのような人権啓発を行ってこられたのでしょうか。また、答弁では、賃金の未払い、解雇などは専門の相談員が相談に乗っている、とされましたが、相談は人権啓発ではありません。憲法と労働諸法に基づく正しい知識が必要ではないでしょうか。

 二つには、同和行政・教育は必要のない時代になったということを明記すべきであると求めました。答弁では「現在でも偏見や差別意識が解消されているとはいえない中で」必要とのことです。かつての部落差別問題に関して、正しい知識を得るための学習は必要なことでもあります。問題は、伊丹市の同和教育・啓発の出発点が「いまだに差別意識が根深い」という認識にあることです。具体的な差別・人権侵害には正しく対応しなければなりませんが、就職差別や結婚差別はほとんど発生していません。それなのに「差別意識は根深い」ことを強調することは、市民が正しい認識を持つことができなくなるとともに、旧関係住民の気持ちも逆なですることになります。このことは、人権教育指導員に、同和問題に関して、部落解放同盟のメンバーが4人入っていることにも起因します。啓発をするなら、同和問題は解決できること、いまその時代が来ているという展望を市民が認識できるようにすべきです。

 以上2点に対する見解を伺います。

2)学校図書館について

 教育長の提案説明で、学校園において、「ことばと読書を大切にする教育」を推進し、コミュニケーション能力の向上と「ことば」を通して深い思考をめぐらす心豊かな子どもを育むとされました。そのために学校図書館の果たす役割は大きいと思います。

 一つは、図書標準100%を達成することについてです。伊丹市教育委員会の計画では、平成28年度、2016年度にすべての学校で達成するとなっています。国でも、地方交付税措置として昨年度に引き続き200億円が計上され、2016年度をめどに図書標準100%を達成するとされています。「ことば文化都市」を標榜する伊丹市として、達成年度を早め、すべての子どもに平等に豊かな読書活動ができるようにすべきではないでしょうか。

 二つに、国では、同じく地方交付税措置として、新たに学校図書館担当職員の配置に対して150億円が措置されます。伊丹市は、他市に先駆けて全校の学校図書館に読書指導員をすでに配置されています。しかし以前にも指摘しましたが、例えば小学校の場合、5時間の勤務時間が設定されていますが、実際には賃金が発生しない超過勤務時間が相当あるということから、実態を考慮した時間延長が必要ではないかということ、もう一つは、2010年に時間給を10%カットされたということに対して、その役割の重要性からせめて嘱託職員としての身分保障としかるべき報酬の保障をすべきであるということを求めました。この機に実現すべきではないでしょうか。

 地方交付税は補助金とは違うことは承知のうえで、国の政策として打ち出されていることから、二つのことの実現を求めるものですが、見解を伺います。