日本共産党伊丹市議団ニュース 第287号を発行しました

6月議会始まる

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4名の党議員団、公約実現に向け一般質問

 改選後初めての市議会定例会(6月議会)が3日から始まっています。

 一人増えた日本共産党議員団は全員が本会議一般質問を行ない、選挙でかかげた公約の実現に全力をつくします。

 各議員の質問日と質問内容は別表の通りです。どうかお気軽に傍聴ください。

質問日程

  • 上原ひでき議員 6月8日(月)午前10時45分頃
  • かしば優美議員 6月8日(月)午後3時45分頃~
  • 服部よしひろ議員 6月12日(金)午後1時45分頃~
  • ひさ村真知子議員 6月15日(月)午後1時45分頃~

〔上原ひでき議員の質問項目〕

1.自衛隊への自衛官適齢者名簿提出について

(1) 直近で、何人の市民の、どんな内容の個人情報を、どういう形で自衛隊に提供したのか。それはいつから続いているのか。

(2) 自衛隊はどのようにしてその情報を利用しているのか。

(3) 個人情報の提供は、本人の同意を得たものなのか。

(4) 自衛隊に対する個人情報提供の法的根拠はどこにあるのか。

2.阪神・淡路大震災における災害援護資金の返済について

(1) 伊丹市が窓口となって貸し付けた災害援護資金の内、未返済となっている件数と金額、そのうち生活保護の受給者や破産者等「徴収困難者」及び少額返済者の件数と残額を伺う。

(2) その対象者に対して1年間返済を保留し、小額返済者の所得や資産、負債、生活費をもとに返済できるかどうか検討するべきと考えるが、伊丹市の対応を伺う。

3.ルネサスエレクトロニクス(株)のリストラから雇用と地域経済を守るために

(1) 北伊丹事業所での約500名の退職者の実態を掌握し、兵庫県と労働局と伊丹市が連携して雇用対策を行うことを求めた。その後どうなったのか。

(2) 設立母体である三菱電機に対する雇用の要請を行うとされていたが、その後の経過を伺う。

〔かしば優美議員の質問項目〕

1.医療保険制度改革関連法の成立に関して

(1) 「医療費適正化計画」の見直しによる影響

(2) 都道府県による国民健康保険財政の管理について

(3) 入院食費などの患者の負担増について

2.関西広域連合の「原子力災害に係る広域避難ガイドライン」について

(1) 本市が同ガイドライン受け入れを決めた経過及び根拠

(2) 他の災害に比べて「原発災害」がきわめて異質であるとの認識及び議論の必要性について

(3) 原発再稼働を判断する場合、避難者受け入れ自治体・住民の意思が尊重されるべきとする考えについて

〔服部よしひろ議員の質問項目〕

1.独居老人対策について

(1) 伊丹市における独居老人の状態はどこまで把握できているか
 都市部における独居老人世帯の拡大
 (2011年度現在で1900万世帯、約半数が夫婦・独居)

(2) 孤独死の発生と地域見守り体制の現状について
 全国で2400人が孤独死し、そのうち約45%が60歳~74歳に集中している。稲野町での孤独死に直面して

(3) 伊丹市の「緊急通報システム」の実態と徳島県三好市の取り組みの状況について
 伊丹市のシステムでの捕捉状況はどうなっているか
 三好市の状況と比較して伊丹市の取り組みをどう考えるか

(4) 望まれる体制整備
 遠くの家族より身近な地域・行政の見守りで安全・安心な伊丹の実現を

2.航空機騒音

(1) 伊丹空港発着航空機の状況と騒音の状況
プロペラ機枠のジェット化で航空機騒音は本当に低下しているのか
A滑走路とB滑走路の使用頻度は

(2) 騒音の実態把握体制
離陸後の飛行ルート、大型機の大吹かしによる鋳物師・緑ヶ丘・大野・東野地区の騒音状況は把握できているか

(3) 地域住民の「実感」としての騒音状況・飛行ルートとの関係の把握が必要

(4) 空港の有効活用の推進と航空機騒音の低減推進の両立
 空港の有効活用を声高に叫ぶことで周辺住民に環境悪化のしわ寄せがされてはならない。また、技術の向上が環境改善に有効に働かなくてはならないが如何。

3.河川改修と洪水対策

(1) 下河原地区と箕面川
猪名川と箕面川による囲い込み状況で箕面川の氾濫があれば一気に床上浸水となる地域

(2) 猪名川堤防工事と「霞堰」
国土交通省による猪名川堤防工事で「霞堰」消滅
長年の地元の安全対策に対する聴取が十分になされなかったのでは
「霞堰」消滅への代替案が実施されず放置されている

(3) 早期の防災対策の実施を
国に対し猪名川堤防側に洪水対策を実施させることをもとめるべき

4.地域避難所指定施設の耐震化推進

(1)地域避難所の耐震化状況
教育・保育施設の耐震化は完了したが、共同利用施設の耐震化ができていない

(2)耐震診断の実施
耐震診断だけでも実施すべき。いつまでに完了できるか

〔ひさ村真知子議員の質問項目〕

1.伊丹市の「住生活基本計回」は、市営住宅への住民要望をかなえそことが出来ているか。

(1) 公営住宅法で定められている低廉な家賃の住宅提供は十分か。

(2) 市営住宅は、エレベーター設置が求められているのではないか。

(3) 県営住宅では建て替えが進み、既存住宅にエレベーターの設置もされているが、伊丹市の方向とは大きく違っている。市の考えはどうか。

(4) 現状の市営住宅の長寿命化、耐震化等の安全性の確保はどうか。

(5) 新たな市営住宅建設を行うことも視野に入れていただきたい、見解を問う。

2015年3月議会:上原ひでき 介護保険条例/介護保険事業予算

議案第56号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定」並びに議案第15号「平成27年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」に対する反対討論

2015年3月26日 日本共産党議員団 上原ひでき議員

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案の内、議案第56号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定」並びに議案第15号「平成27年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」に対して、いずれも反対の立場から意見を述べます。

 はじめに議案第56号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定」についてです。

 問題の第1は、保険料率の改定による保険料の値上げの問題です。

 保険料は県下で最低となりました。しかし、基準額は年額1,000円の引き上げ改定であるにもかかわらず、国の段階設定に準拠した結果、従前の基準額に対する保険料率が引きあがり、低所得者である旧「特例3段階」の保険料率0.625が新「2段階」の0.75となることで年額7,400円、旧「第7段階」の1.5が新「第9段階」の1.625になることで年額8,300円、新第6段階、新第7段階もそれぞれ年額5,200円、4,000円と大幅な値上げとなります。党議員団は介護保険料の引き下げを求めてきました。今回介護給付費等準備基金を約半額取り崩し、保険料の上昇を抑制したとされていますが、すべての段階の保険料率を従前どおりにするには、半額取り崩し後の基金残高5億円の内、約2億円で可能であります。

 第2には、国の制度改革によって、介護予防・日常生活支援総合事業が新たに制度化された問題です。

 このことで、要支援1・2に該当する高齢者の場合、基本チェックリストによって介護給付からはずされ、現在の訪問型サービス及び通所型サービスは、「介護予防・生活支援サービス事業」において「自助・互助」で取り組む住民力を活用した事業展開をしていくことになります。この新総合事業への移行で、サービスの担い手が無資格者によるサービスやボランティアに置き換えられ、今までの「命綱」を失うことになりかねません。

 このようなことから全国的には、住民の担い手になるサービスの体制がつくれないことなどによって、来年度施行はわずか7%の114自治体に過ぎません。伊丹市の場合、2017年4月1日からの施行とされ、来年度から新しい枠組みでの事業に移行していく準備をするとされています。介護認定者の内、要支援1・2の人は37%を占めていることから、改めて、要支援該当者のサービス水準を切り崩さないこと、事前のチェックリストによる選別はやめ、申請権の侵害はしないことを求めるものです。

 よって、本条例案に反対とするものです。

 次に、議案第15号「平成27年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」についてです。

 本議案の問題の第1は、先ほどの議案第56号で述べたとおり、保険料の値上げを含んだ予算であることです。

 第2に、2017年に介護予防・生活支援サービス事業を導入するとされ、来年度予算のなかでもその準備がされる問題です。この問題も先に述べたとおりです。

 第3に、これまで一律「1割負担」であった利用者負担を、一定以上の所得者の負担を2割に引き上げようとしている問題です。

 このことによって、在宅サービス利用者の16.3%、施設の種類により利用者の5.8%から13.8%の人の負担が一挙に2倍となり、新に5700万円の負担を押し付けることになります。そうなれば、必要であってもサービスが利用できない事態が引き起こされかねません。また、高齢者の暮らしをさらに悪化させることになります。国は、それぞれ上限が決まっているからすべて2倍になるわけではないとしていますが、医療保険の現役並み所得に相当する人がいる世帯は、限度額を3万7,200円から4万4,000円に引き上げることになっており、負担はさらに増えることになります。

 第4に、特別養護老人ホームへの入所者を原則「要介護3」以上に限定する問題です。

 昨年6月現在の待機者は93人で、そのうち要介護1・2の人は9%を占めています。これらの人は、制度上待機者から除外されることになります。厚生労働省は、要介護1・2の人について、「やむを得ない事情」の場合は、市町村の関与の下、特例的に入所を認めるとしています。伊丹市としては、入所申込者の具体的な状況を把握し、申込者の立場に立った「意見表明」をされることを求めるものです。

 第5に、低所得の施設利用者の居住費・食費の補助、すなわち補足給付の削減の問題です。

 このことで、施設利用者は新に3400万円を負担することになります。補足給付が打ち切られれば、食費・部屋代が一挙に全額負担となり、施設利用や短期入所を控えることとになりかねません。

 第6に、介護報酬を全体で2.27%引き下げる問題です。

 今回は介護職員の「処遇改善」加算を含んでいるため、4.48%と過去最大規模の引き下げとなります。特養への基本報酬は個室でマイナス6%弱、相部屋はさらに大幅カットです。すでに特養の3割が赤字という実態が調査結果で判明しているのに、今回の改定でさらに特養が苦境に追い込まれるとともに、特養建設がストップすることも予想されます。また、「在宅」重視といいながら、そのなかで大きな役割を持つデイサービスなどの報酬が5~20%も下がることになります。介護職員の「処遇改善」にしても、報酬全体を引き下げるなかで、改善効果は期待できません。

 以上の理由により、本特別会計予算に反対とするものです。

2015年3月議会:ひさ村真知子 障がい者の参政権行使/中学校給食調理の民間委託

日本共産党議員団 ひさ村真知子 議員

1、「障がい者の参政権行使は保障されているか」について

 ただいま議長の発言の許可をいただきましたので、私は共産党議員団を代表して質問いたします。

 障害者の参政権行使は保障されているか、に関してですが、参政権は、政策形成過程に参加する権利,つまり,国民が主権者として直接あるいは代表を通じて,国の政治に参加する権利です。日本では,原則として,国民の代表者によって国政が運営されることになっているので,国民の意見を忠実に国政に反映させて,国民の人権を守り、実現するために,「参政権」の保障はとても重要なことだと思います。なかなか投票率が上がらない現状がありますが、身体的事情により行きたくても行けない等の事情もあります。しかしそのような方も含め、すべての国民に憲法で保障されている参政権の行使にたいして、行政は責任を持たなければなりません。

・私は、この立場から、障がい者の参政権、投票権の行使に関してお伺いいたします。

 「障害者基本法の一部を改正する法律」が、2011年8月に公布,施行され、障害者の定義が見直されて,新たな規定が追加されました。障がい者の定義については、身体障害,知的障害,精神障害(発達障害を含む。)という点です。

 当然このような障がい者の方々が選挙に参加できるようにしなくてはなりません。そのためにこの法には、選挙時における配慮として新たに、国及び地方公共団体は,法律又は条例の定めるところにより行われる選挙,国民審査又は投票において,障害者が円滑に投票できるようにするため,投票所の施設又は設備の整備その他必要な施策を講じなければならない。とされています。この法に関連してお伺いいたします。

 伊丹市としては「改正、障がい者基本法」をうけて、投票に関してどのような施策を行っているのでしょう。

① 今日まで、重度の障害や要介護5等の認定者で、投票所に行くことが困難なかたを対象にした郵送による不在者投票制度がありますが、皆さんにどれだけ周知しているのでしょうか。対象者の方がどれだけこの制度を利用しているのでしょうか。お伺いいたします。

② 次に投票所ですが、すべての投票所は、バリアフリーとなっているのでしょうか。
 毎回投票に行っている人が、「体が弱ってきているので、会場までは歩いていけなくなったし、階段もあるので、今回はあきらめるわ」といわれた高齢の方、このことは今後高齢化社会の中で誰にでも起こることです。私も自分のこととして不安を感じました。その方も熱心に投票に行かれていた方ですので大変残念な思いをされているだろうと感じました。

 また車イスの方が、何回も投票しなければならないのに投票所が狭くて動きにくかったという声も有りました。

 このような状況は急いで改善されなければならないと思いますが市内の投票所のバリアフリーの状況はどうでしょうか。お伺いいたします。

③ また、高齢者等移動が困難になってきている方への対応が必要ですが、現状をどのように把握されているのでしょうかお伺いいたします。

④ 知的障がい者の支援に関しては、いかがでしょうか。現状ではその権利が十分に守られているとは思えないのですが。対象となる方の投票率はどうでしょうか、また、どのように本人の意思確認を行われているのでしょうか。

 いつもと違う環境におかれるのは、誰しも同じではじめての選挙は大変緊張するものです。会場に入れば、緊張もしますのでなれない若い人が行かないという気持ちも少しはわかるような気もしますが、このような中での知的障害の方の受ける緊張感というのは計り知れないかもしれません。何とか緊張をほぐして投票を行うようにもって行くのは大変ではないかと思います。しかし家族の方も周りの方も、権利の行使を願っていると思います。あるお母さんは「周りの事を気にして連れて行かないようにしてしまう」ということを言われていました。このような状況を変革していかなければなりませんが、どのような手立てを伊丹市として行っておられますか、お伺いいたします。ある方は子どもが数字を少し書けるので候補者名のところに数字を打ってほしい。また写真を見せての意思確認を行ってくれれば投票に連れて行けるのにともいわれていました。 

 このような問題で様々な要望が障がい者や家族から出ていると思います。様々な障害により要望もそれぞれに違っていると思いますが、きめ細やかな施策を行うためにはそのような声を施策に取り入れ、障害者の権利をしっかりと守っていただきたいと思います。

⑤ 病院、施設に入所されている方は投票がそこで出来ますが、投票を書くところを見られているので書きにくかったなど耳にしたこともありますが、投票が厳格に行われているのでしょうか。また選挙情報、広報などはすべての対象者に行き届いているのでしょうか。

 病状も様々でしょうが、投票の仕方も政党名を書く、また個人名を書く、○や×等もありますので、きちんとした説明が行き届かないと大変難しいことになってしまい正しく投票が出来ないという状況も生まれてきます。どの程度理解できる手立てが行われているのでしょうかお伺いいたします。

2、中学校給食の調理部門の民間委託に関して

 市民の皆さんは、安全でおいしい給食をと願われやっと実現することを大変喜ばれています。

 しかし調理部門の民間i委託に関しては不安の声もあります。市民団体でこの問題を街頭で「中学校給食は市の直営で」の署名のお願いをしましたら結構反応はありますので、やはり伊丹市への信頼や、食の安全に関しての関心が高いのだと感じます。伊丹市の中学校給食をセンター方式で調理部門を民間委託で始めることに関して、伊丹市として市民への説明をしっかりと、しなければならないと思います。

 今回私たち共産党伊丹議員団が、アンケート活動を行い、給食の民間委託に関してもお聞きいたしました。その答えは、小学校のように直営に、賛成の方、312人わからないが、277人。安全性に関しての「不安だ」という意見の書き込みが多くありました。

 「メリット・デメリットがわからない。民間委託で給食が業者の儲けの対象になっては困る。親が作るべきだ」など様々な意見が書かれています。このような状況から見て市民の理解はまだ半分にも達していないと感じますし、「わからない」と言ってる方が、正直このままわからないで終わってしまうこともいいとは思いません。

① 伊丹市としてのこの施策に関して市民の理解はどうなのか考えるべきだと思いますが、どれだけの理解がされているとお考えなのかお伺いいたします。

次に② 給食を実施すれば大なり小なりの様々な問題が起こるかもしれません。

 民間委託の一番の問題は議会でも何度も上原議員、加柴議員も質しておりますが、偽装請負の問題があります。伊丹市の管理栄養士が、現場で直接民間の調理員に指導をしてはならないのが鉄則ですから、現場で注意せざる得ないことや緊急な問題などがあれば誰が指揮をして動くのかと不安があります。

 ですから民間会社に対しての作業に関しての検証などが必要と思います。たとえば、東京の小金井市で9校の小学校のうち5校での民間委託が行われていますが、委託で、「質は落ちていない」という教育委員会は言われているということですが、同委員会がその根拠としているのが毎年度実施している、「検証」作業と、その結果をまとめた「学校給食調理業務等委託評価報告」があります。

 検証委員会は、教育委員会事務局、学校調理員、栄養士代表らで構成され、最近では毎年1回、中学校5校と小学校1校に出向き、給食内容、衛生面などの6項目について評価を行っている。

 報告に中で、食器や釜の洗浄方法が不適切(第1中)、じゃがいもの水のさらしが不十分(第2中)、ドライ運用の床が濡れていた(東中)、白衣を脱いで仕事をしていた/異物混入の可能性があり好ましくない(緑中)、すすぎが不十分なまま食器を食器洗浄に投入していた(南中)など各校ごとに調理員らの厳しい指摘がなされている。ということですが。このような検証は伊丹でも必要なのではないでしょうか。民間委託の一番の問題は、管理栄養士が現場で直接調理員には指示できないということです。この問題をどうカバーするのかが問題ではないでしょうか。作業の仕方などに対して誰が検証するのか、小金井市のように評価する機関が必要だと思います。

 おいしさに関してもこのような問題や先ほどの例の細かい問題に関しても、現場での対処が必要でしょうが、どのように誰がきちんと行うのかなどの、対処の仕方や、緊急時には、その指揮命令が誰がきちんと行うのかなどに関しては、市民の方も関心と不安を持たれているのではないでしょうか。

 問題が起こって生徒に影響が出てからでは遅すぎます。どのようにお考えでしょうか。楽しく給食を食べることが食育に大きく関係します。先ほどの検証例は他市のものですが、やはり民間委託では市民から見て責任の所在が明らかでは有りません、学校給食法には、給食は教育の一環と位置づけられていますから、やはり伊丹市教育委員会が直営で行うことが市民から見れば一番安心です。

 民間委託に関しての考えはしっかり市民の説明も行い、意見も聞き新たな方向を探ることも必要ではないかと思いますが、いかがお考えかお伺いいたします。

2015年3月議会:上原ひでき 代表質問を行いました。

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3月9日(月)、日本共産党議員団を代表して、上原ひでき議員が代表質問を行いました。

全文は以下の通りです。

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2015年3月議会 代表質問

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長・教育長の情勢認識を問う

1)安倍内閣がすすめる経済政策について

  内閣府が発表した2014年10月から12月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増の低い伸びにとどまりました。なかでも、個人消費が0.3%、設備投資も0.1%増でしかなく、雇用者報酬は実質で0.5%減少と賃上げが物価の上昇に追いつかない状況が続いています。その結果、2014年の年間を通しての実質成長率は0.0%となり、経済成長が止まりました。また、円高と株高により大企業は空前の儲けを上げ、内部留保は285兆円に達する一方、働く人の実質賃金は19ヶ月間連続マイナス、「働く貧困層」といわれる人は史上最多意の1,120万人に達したとおり、格差と貧困を拡大しました。市長は、このように安倍内閣の経済政策と消費税増税が日本経済の成長を止め、格差と貧困を広げているという認識は持っておられるでしょうか。

  日本共産党は、消費税増税ではなく、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革、大企業の内部留保を活用して国民の所得を増やす経済改革という二つの改革で財源をつくり、税収を増やすことを提案しています。消費税10%増税は中止するとともに、国民の暮らし第一の経済政策に切り替えるべきと考えます。

  党議員団が行ったアンケートでは、消費税10%増税に反対するとした人が74.5%で、「格差者会の弱者が人間らしく暮らせない」「今でも苦しいのに無理。本当に福祉に回っているか疑問」などの声が寄せられています。市長の安倍内閣の経済政策に対する見解をうかがうものです。

2)戦後70年という節目にあたり、安倍内閣がすすめる戦争する国づくりに反対し、憲法を守る決意を

① 安倍内閣は、集団的自衛権行使容認の閣議決定を具体化する法整備を進め、安全保障法制案を国会に提出しようとしています。それだけではなく、安倍首相は、アメリカが先制攻撃をした場合にでも集団的自衛権の発動はありうるのかとの問いに対して否定しませんでした。これは集団的自衛権の行使ではなく集団的侵略そのものです。日本共産党は、このような憲法違反の「閣議決定」を撤回し、これを具体化する一切の法整備を中止することを求めるものです。

 また、ISを名乗る過激武装組織による日本人の人質の命が奪われるという事態が起こりました。残虐で卑劣なテロ行為を断固糾弾するものです。

 一方、安倍首相は、日本人人質と絡めて、邦人救出のために自衛隊出動の法整備を進めるとしたことは大問題です。これは相手を制圧する軍事作戦、憲法違反の武力行使であり、人質の命も自衛隊員の命も危険にさらすことになります。この問題では、自衛隊の機関紙「朝雲」が、「陸上自衛隊を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ。国民に誤解を与える」と苦言を呈しました。

 党議員団のアンケートでは、戦争する国づくりに58.4%が反対と答え、「憲法9条を遵守してほしい。自衛官も海外で死んでほしくない」「戦争では何も解決しない」などの声が寄せられました。

 自衛隊基地のある自治体の市長として、憲法の立場から反対を表明すべきと考えるものですが、市長の見解を伺います。

③ 今年は第2次世界大戦終結70年の年にあたります。安倍首相は、予定される「戦後70年談話」に関し、「村山談話」について「全体として引き継ぐ」と言いますが、「植民地支配と侵略」への「痛切な反省と心からのお詫び」というキーワードを引き継ぐとは言いませんでした。このことに内外から懸念の声が上がっています。

 日本共産党は、この節目の年が、日本とアジア諸国との「和解と友好」に向かう年となるためは、安倍首相が「村山談話」「河野談話」の核心的内容を継承し、談話の精神にふさわしい行動を取り、談話を否定する動きにはキッパリと反論すること、日本軍「慰安婦」問題について、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出すことが重要と考えるものです。
  平和都市宣言をしている自治体の市長ならびに教育長として、この歴史認識をどうお考えなのでしょうか、見解を伺います。

2.真の「地方創生」「伊丹創生」――地域で生活する人々の人権を守り、社会福祉政策の充実により地域で安心した暮らしを保障するために

 安倍内閣は、少子化対策、地域経済再建などの「地方創生」を掲げています。しかし、全国的に見て地方が衰退した原因は、輸入自由化などによる農林水産業の衰退、大型店出店の規制緩和による商店街の疲弊、「都市再生」の名による都市再開発・「東京一極集中」政策などによってもたらされたものです。また、少子化の原因は、労働法制を変えたことにより非正規雇用が若年層の2分の1となって所得の減少を招き、一方で長時間労働により生活からゆとりを奪ったことなど、全体として将来に明るい展望を見失ったことが上げられると考えます。

 今やるべきことは、地域で生活する人々の人権を守り、社会保障・社会福祉政策の充実により地域で安心した暮らしを保障するという観点です。以下、この立場からいくつかの問題でお聞きをします。

1)子育て一番の伊丹市に

 市長の提案説明で述べられたとおり、若い世代の結婚・出産・育児の希望をかなえることは、最も重視すべき柱の一つです。この点では、周産期医療体制を市立伊丹病院に整備する方針を決定されるとともに、病児保育事業を始めるとされたことは評価をするものです。子育て支援に関して、以下の点でお伺いします。

①新しい子育て支援制度について

 第一に、待機児童の解消についてです。党議員団のアンケートで、子育て支援策で重要と思うもので一番多かったのが保育所の増設でした。一方、伊丹市子ども・子育て支援計画では、今年における弾力的増員を含めた保育所定員の不足数を、396名としています。この数は、今年度新たに増設される予定の保育所の定員235名を加えた予想人数となっていますが、今年度末までにすべて開設できる状況にはないと思われます。市長の提案説明では待機者ゼロを目指すとされていますが、待機者はなくなるのでしょうか。待機者が出た場合、市民にどう説明されるのでしょうか。

 来年度予算では1ヶ所の認可保育所とともに3園の小規模保育事業の実施による定員増を図ろうとされています。何よりも子どもの権利保障の視点から保育に格差を持ち込まず、現行保育水準を切り下げないためにも、小規模保育事業はA型とすべきと考えますが、どう計画されているのでしょうか。

 第二に、新制度での、保育の利用に先立って受ける、支給認定に関する問題です。国は、保育短時間は1日8時間、保育標準時間は11時間まで保育が受けられるとしています。国の説明では、9時から17時までという一律の時間帯を設定することとし、この時間帯以外の利用は延長保育料が発生するとしています。しかも短時間と標準時間の保育料の差はわずかであり、利用時間や延長保育料の額によっては、短時間認定であっても標準時間より負担額が増える事態も起こりかねません。そもそも法律では、保育必要量は月を単位として定められることになっており、一日の利用上限は規定されているものではありません。いずれにしても、短時間と標準時間の二区分を設定し、利用を制限することが混乱のもとになるのであり、この混乱を避けるためには、開所時間の範囲内で、子どもの一日の生活を保障する基本保育時間を設定し、合わせて一人ひとりの子どもに必要な保育が保障される保育利用時間の設定が必要と考えるものです。どのようにされるのかお伺いします。

 第三に、民間の保育士の確保と給与等待遇改善についてですが、低すぎる民間保育士の給与改善のための補助金が今年度で廃止され、公定価格に含まれるとのことです。今まで3%とされていた補助金でも不十分との声が出ていましたが、どれくらい改善されるのでしょうか。また、保育に格差を持ち込まないという立場で、伊丹市は今まで私立認可保育所に様々な補助をしてきました。国によって配置基準の改善がなされるべきですが、これが不十分なままであり、引き続き必要な補助はされなければなりません。どうされるのでしょうか、お伺いします。

②公立幼稚園のありかたについて

 この問題では、学校教育審議会答申に対して、公立幼稚園を統廃合することの理由における問題点や3年保育と預かり保育の実施を要求するなど様々な議論をしてきました。来年度、新しい子育て支援制度が施行されますが、幼稚園保育料は3年の経過措置を経て公立も私立も同じになります。このまま公立幼稚園を統廃合すると、ブロック制とはいえ徒歩による通園が困難になり、幼稚園に通わせたいと思う保護者は、3年保育や預かり保育、送り迎えバスのある私立幼稚園を選択するのは必然です。結果、公立幼稚園は消えてしまう恐れが出てくるのではないでしょうか。

 一方、今年度の市民意識調査で、今後の幼児教育について、統廃合か現状維持かという項目があります。私立幼稚園に任せるという意見は全体で9.3%しかありません。また、20歳代以下では、私立に任せるが6.1%と最も低く、統廃合と現状維持は40.9%と同率となっています。30歳代でも現状維持が34.4%、統廃合が40%を割その差は5ポイントしかありません。全体としても統廃合が42.0%、現状維持が31.3%と、10ポイント以上の差があるにせよ、公立幼稚園の1校区1園制に対する信頼は厚いといえます。

 子育てで伊丹市を選ぶ大きなポイントとなる1校区1園制です。私立との関係は重要な課題ですが、公立を3年保育にしてもそれほど定員を増やせるわけでもありません。統廃合はやめ、3年保育と預かり保育を改めて求めるものですが、見解を伺います。

③子どもの医療費助成の拡大について

 私は昨年の9月議会で、歯と貧困の問題を取り上げ、お金の心配なく医療にかかれるようにと、子どもの医療費助成を拡充し、中学3年生までの無料化を求めました。答弁では、財源は約1億2千万円が必要とし、今後財政状況を勘案した上で、国や県、他市の状況を注視しながら子育て支援策として幅広い議論が必要と考えているとされました。かつて市長は他市に先駆けてその拡充を図ってこられましたが、いまや兵庫県下では、中学卒業まで入院も通院も無料とする自治体は41の内24自治体、59%まで広がりました。

 患者の窓口負担の割合によって、どれだけ医療需要が抑制されるかを示した「長瀬指数」によれば、3割負担によって医療需要量は6割をきり、2割負担でも7割程度まで引き下がるとされています。また、全国保険医団体連合会が2012年に行った医療機関に対する調査によりますと、「患者の経済的理由により半年の間に治療を中断する事例があった」と回答した医療機関は、医科で49.6%、歯科で64%です。また「経済的負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがあった」のは、医科で60.3%、歯科で51.7%となっています。これはすべての年齢の患者であり、年齢別の分析はありませんが、子どもにも治療の中断等が発生しています。さらに、学校歯科検診で「要治療」となった小学生の半分、中学生の三分の二が、歯科医療機関を受診していないことが宮城県、長野県、大阪府の保険医協会の調査で明らかとなっています。教育委員会は、歯科検診後の治療実態をはじめ、このようなお金の心配で医療機関を受診できない実態を掌握されているのでしょうか。お伺いします。

 子どもの医療費無料化の拡大は、子どもの命と健康を守るとともに、OECD報告書で合計特殊出生率を引き上げるためには子どもの直接費用の減少が影響するとの指摘の通り、この面でも重要と考えるものです。

 日本共産党は、小学校就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化する国の制度を確立し、その共通の制度のうえに、全国に広がった自治体独自の助成制度をさらに前進させることを政策として掲げています。国に対して制度創設を求めるとともに、伊丹市においても、子どもの実態を踏まえ、中学卒業までの無料化に向け、医療費助成の拡大をされることを改めて求めるものですが、見解を伺います。

2)国民健康保険税の引き下げを

 高すぎる国保税を引き下げてほしいという声は、党議員団が行ったアンケートで最も多い要求でした。伊丹市の国保税は、標準3人世帯の年間給与収入240万円で、年額27万8,600円です。2014年現在での阪神間各市を比較すると、尼崎市が32万7,300円で一番高く、川西市が26万7,200円、西宮市が26万100円、三田市が24万6,000円、宝塚市が22万5,300円と、阪神間では伊丹市が二番目に高くなっています。伊丹の場合、国保加入世帯の65%が所得150万円未満の世帯であり、所得のない世帯が23%を占めているという、低所得者が多いにもかかわらず高い国保税となっているのが特徴であり、国保税引き下げは被保険者の切実な願いです。ではどうすればいいのか。結局、国の補助金を増やさない限り、一般会計に頼らざるを得ません。

 2013年度決算で「予算はがし」をした5.5億円の内、2014年度補正予算並びに2015年度予算で一般会計の財政調整基金から繰り入れをする4.8億円の残金7千万円が一般会計の財政調整基金にあります。課税限度額の見直しによる1,830万円との合計で約8,830万円。もう一つは、現年度課税未収額の2分の1繰り入れルールで、2014年度から、滞納分を徴収した場合、その金額を繰り入れからはずすという措置に変更されていますが、これをもとに戻せば、あわせて3億2千万円の財源を生み出すことができ、国保税を引き下げることは可能です。改めて国保税の引き下げを求めるものですが、見解を伺います。

3)介護保険について

 この間、医療と介護提供体制を一体的に改革することを目的に、一昨年、医療・介護確保法が成立しました。その狙いは、病床削減と平均在院日数の短縮による医療抑制と、病床削減により増大する退院患者の受け皿として「地域包括ケアシステム」を想定しており、その中心は介護保険サービスの改革です。しかし、そもそも介護保険は必要なサービスを十分に保障する仕組みはなく、今後、給付抑制や負担増により、必要なサービスを受けられない人が大量に生み出される可能性が高くなります。その受け皿として想定されるのが、家族同士の助け合いであり、ボランティアや地域の絆という互助ということになっています。

 このもとで、今回、第6期介護保険事業計画(案)と予算が提案されていますので、いくつかお伺いしたいと思います。

①介護予防・生活支援サービス事業を導入することについて

 第6期介護保険事業計画(案)では、2017年に介護予防・生活支援サービス事業を導入するとされています。これによって、現在の要支援1・2に相当する高齢者の訪問型サービス及び通所型サービスについては、「自助・互助」で取り組む住民力を活用した事業展開をしていくとするものです。伊丹市における来年度の予定では、介護認定者の内、要支援1・2の人は37%を占め、その人が受けるサービスの64%が訪問型サービス及び通所型サービスです。これらの人が基本チェックリストによる判断で介護保険サービスからはずされ、今までのサービスが受けられなくなること、いわゆる「介護保険外し」が問題となります。介護保険制度では、被保険者は認定を受ければ「保険給付」を受ける受給権という「権利」を得ます。保険者は保険給付を提供する義務を負います。これによって、法令で決められている基準によるサービスの「質」が担保されます。これが、新たな総合事業に移行されると、財源は介護保険から出ていても、保険上の受給権はなくなってしまいます。サービスの担い手が無資格者によるサービスやボランティアに置き換えられれば、今までの「命綱」を失ってしまいかねません。

 そこでお伺いします。現在のすべての要支援1・2の人の生活を支えてきたホームヘルプ・デイサービスの水準を掘り崩さないこと、現行水準の利用の保障を約束できるでしょうか。また、要支援者や要介護者に該当する可能性のある人に対して「事前」に基本チェックリストでの選別をさせないこと、申請権の侵害はしないことを約束できるでしょうか。

②介護報酬引き下げの影響について

 厚生労働省は2月6日、介護報酬を全体で2.27%引き下げる改定額を決定しました。今回は介護職員の「処遇改善」加算を含んでいるため、4.48%と過去最大規模の引き下げです。特養への基本報酬は個室でマイナス6%弱、相部屋はもっと大幅カットです。すでに特養の3割が赤字という実態が調査結果で判明しているのに、今回の改定でさらに特養が苦境に追い込まれるとともに、特養建設がストップするところも出ています。また、「在宅」で大きな役割を持つデイサービスなどの報酬を5~20%も下げておいて、どこが「在宅」重視なのでしょうか。介護職員の「処遇改善」にしても、報酬全体を引き下げるなかで、改善効果は期待できません。伊丹市として、このような報酬改定によって市内の介護施設並びにサービスはどう影響を受けると考えておられるでしょうか、お伺いします。

③地域包括支援センターについて

 第6期介護保険事業計画では、医療、介護、予防、生活支援、住まいの5つのサービスを一体的に提供して、支援が必要な高齢者の住みなれた地域における生活を支援する、地域包括ケアシステムを構築するとされています。そして、そのために日常生活圏を見直し、介護支援センターを地域包括支援センターに移行するとともに、中核となる基幹型地域包括支援センターを運営するとされ、これを社会福祉協議会に委託するとしています。これは、今まで唯一の地域包括支援センターを社会福祉協議会に委託されてきたという経過もあり、ノウハウを蓄積されてきたからと思われます。では自治体は何をするのか。党議員団は、基幹型は伊丹市が担うべきではないかと提案してきました。それは、医療機関や包括支援センター、NPOやボランティア、民生委員や自治会、社会福祉協議会など多様な担い手による地域福祉・地域医療に関し、伊丹市自身が掌握する必要があるのではないかということからです。どうお考えでしょうか。また、地域包括ケアシステムを構築するうえで、地域包括支援センターと基幹型、自治体の役割をどのように整理するのでしょうか、お伺いします。

4)住宅問題について

 厚生労働省は、地域包括ケアシステの構築にあたって、「介護」「医療」「予防」といった専門的サービスの前提として、「住まい」と「生活支援・福祉」といった分野が重要であるとしています。その「住まい」に関して、党議員団が行ったアンケートにも、安くては入れる市営住宅を増やしてほしいという声が寄せられています。人の尊厳が保持されるためには、生活の物質的、社会的かつ具体的な保障が必要であり、とりわけ住まいは、人間らしい生活を営む場であるとともに、すべての生活を支える基盤でもあります。

①市営住宅について

 市営住宅は、公営住宅法の定めるとおり、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的と」しています。

 一方、若年層で非正規雇用が増大するなかで住宅困難者が増えるとともに、高齢者の間ではリタイヤ後年金だけでは今までの家賃が払えなくなる人も増えています。市営住宅の募集をされていますが、対象とする数に限りがあるとともに、4階5階の住宅では申し込む気がしないというのが実態ではないでしょうか。

 一つは、伊丹市はエレベーターの設置はしないとされ、高齢者等のため民間住宅の借り上げを行うとされました。4,5階からの住み替えは進んでいるのでしょうか。

 二つには、伊丹市は、市営住宅は増やさない方針ですが、昨今の市民の経済事情を勘案し、民間住宅の借り上げの数を増やしたらどうでしょうか。見解を伺います。

②民間賃貸住宅の活用について

 伊丹市においても、民間賃貸住宅の空き家が増えています。これらを活用し、高齢者や障がい者、母子・父子、子育て世帯等の「住宅確保要配慮者」のために家賃補助制度を創設したらどうでしょうか。全国的には、これらの対象者に加え、若年者や転入者などを加え、2009年時点ですが75自治体で家賃補助制度を実施しています。

 さらに、高齢者を中心に民間賃貸住宅に入居する際、保証人の問題で入居が困難になるとともに、保証会社による家賃債務保証制度でのトラブルも発生していることから、伊丹市若しくは公的な機関において、公的保証人制度や家賃債務保証制度を創設することも必要と考えるものですが、見解を伺います。

5)生活困窮者自立支援法について

 生活困窮者自立支援法が来年4月から施行されます。この問題は、昨年の6月議会で質問をし、要望もしています。この法律の目的は、生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、居住確保給付金の支給、その他の支援を行うため、所要の措置を講ずるとされ、その概要は必須事業として自立相談支援事業の実施並びに住居確保給付金の支給を行い、任意事業として就労準備支援事業、一次生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業等を実施するとされています。この自立支援法という法律ができた背景は、突然の失業とか、あるいはさまざまな要因によって生活保護に陥った場合、生活保護に陥らないためにさまざまな施策をやる、生活困窮に陥った人を救う手だてをつくろうということにあります。ですから、本当の意味で生活困窮者を支援できる仕組みをどうつくっていくのかというのが鍵になると思います。対象者は、生活が苦しいと相談に来た人すべてであり、国保等の滞納者などすべての庁内の窓口をつなぐことが必要となります。今回は、昨年の6月議会で要望していたことを中心にお伺いします。

 一つは、自立相談支援事業についてです。ここでは、生活保護に陥る前の人をどういうふうにキャッチをするのか。相談に来られた場合には、その相談に応じて生活保護の要件に当たる人は生活保護を受給する、そうでない方についてもさまざまな施策を展開するということになります。また、国保や介護保険、税、水道料金等庁内の窓口とのネットワークをどうするのか、さらに、相談に来られない方も、社会福祉協議会や地域包括支援センター、民間福祉団体、民生委員等とのネットワークを構築することで、アウトリーチによる支援を行うことも必要です。その仕組みはどう構築されたのでしょうか。

 二つには、事業の主体と人員配置についてです。事業主体は伊丹市が行うことを求めていましたが、どうされるのでしょうか。人員配置では、国会での付帯決議で、社会福祉士等の支援業務に精通する人員を十分に配置するとされており、6月議会の答弁ではコンシェルジュのような人材を確保する必要があるとされていましたが、どうされるのでしょうか。また、任意事業として就労準備支援事業、一次生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業等が上がっていますが、どうされるのか、これらを合わせて、職員配置についてもお伺いします。

6)雇用を守る問題について

① 安倍内閣は働き方のルールを変える法案を提出しようとしています。その内容は、どんなに長時間働いても残業代を払わないで済ませる「残業代ゼロ」法案と、労働者派遣法改悪法案です。安倍首相は、日本を「世界で一番企業が活動しやすい国」にする、そのための「岩盤規制」を打破するためとしています。しかし、日本の雇用のルールの現状は、派遣・パートなど非正規雇用が全体の4割近くまで広がっており、異常な長時間労働、「サービス残業」、「ブラック企業」が横行し、「過労死・過労自殺」がこの15年間で4倍近くに増加していることにあります。

 党議員団が行ったアンケートの「ひどい働き方をさせられていませんか」という問いには、「正社員と契約社員の賃金格差をなくしてほしい。現状では契約社員は有給なし、賞与なし、サービス残業で低賃金のため結婚できない、子どももつくれない」「裁量労働制なので何時間働いても固定給。裁量制はある程度の年齢になると拒絶できない」など、多くのの異常な現状を訴えておられます。このどこが「岩盤規制」なのでしょうか。市長は、政府が行おうとしている労働法制の改革で、働く市民にどう影響するのか、どうお考えなのか、見解をお伺いします。

② このような安倍首相の、日本を「世界で一番企業が活動しやすい国」にするという政策の流れの中で、政府が7割出資する産業革新機構がつくられ、その下でルネサスエレクトロニクス北伊丹工場の閉鎖という大リストラが行われています。この問題では、昨年3月議会以来、雇用と地域経済を守る立場で毎議会質問をしてきました。12月議会では、高崎事業所移転で89名の退職者が出ており、さらに武蔵事業所移転では企業全体で1,800名の退職を迫る状況のなかで、伊丹市と県、労働局が連携して雇用を守ることを求めました。その後、武蔵事業所移転に関して、全体で1,725名が退職を余儀なくされとの報道がありました。12月議会でも、現場で起こっている実態をきちんとつかむことで、対策を立てることができると指摘をしています。そこでお伺いします。

 一つは、北伊丹事業所におけるルネサス本体と関連企業の退職者と再就職の状況をどう把握されているのでしょうか。

 二つには、市長は12月議会で、民・民の雇用関係に介入する特段の権限はないが、立地市である伊丹市として要請をしてきたこと、今後県とも連携して対応していくと答弁され、また、以前から三菱電機にも要請をすると答弁されていました。北伊丹事業所で関連企業も含めると500名近くが職を失った中、パソナなどの支援会社任せでいいのか、急いで労働局や県と連携する必要があるのではないかと考えるものです。ルネサスへの状況確認、三菱電機への要請、三者との連携に関して、どう対応されてきて、今後どのようにされようとするのかお伺いします。

3.教育に関する問題—道徳教育の教科化について

 文部科学省は、小中学校の「道徳」を「特別の教科」にするため、学習指導要領を改訂する案を発表しました。教育長の教育基本方針のなかでも、道徳教育の充実について、「特別な教科」への動きを踏まえ、「道徳教育実践講座」等の実施により教員の指導力向上を図るなどと述べられています。この文科省の動きに対し、「道徳」が教科化されると、国が定めた基準でつくられた検定教科書を使い、国の定めた観点で子どもたちを「評価」することになり、道徳の国家統制が強まるのではないかという危惧が広がっています。

 教科化への懸念の一つが、子どもの道徳が評価の対象とされることです。つまり、子どもの心や価値観を評価していいのかということです。もう一つは、検定教科書が導入されることです。これは、道徳が教科として成立する条件を整えているのかという根本的問題があります。教科の成立条件は、教科が何人も認める客観的な学問・文化・科学を基礎にしています。このことがないままに検定教科書が導入されると、道徳価値が偏り、学問的知識を踏まえない内容の不公正さを招きくことになります。さらに、昨年全国に配布された「私たちの道徳」という副読本には、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義など、日本国憲法に基づく基本的な道徳的価値を尊重する視点と発想が欠落していることも問題です。どうお考えでしょうか。

 日本共産党は、1970年代前半から市民道徳の教育を具体的に提案してきました。今、憲法に基づく民主主義的な道徳教育を進めるため重要と思われることで、一つは、モラルの土台である基本的人権について十分子どもたちに教えることです。特に「子どもの権利条約」の内容を判りやすく伝えるパンフレット等の作成を提案してきましたが、いまだにつくられていません。二つに、学校生活全体で個人の尊厳や子どもの権利を大事にすることです。三つには、子どものたちの学校内外での自治的な活動や労働体験を活発にすること、子どもたちが社会の主人公として活動し、討論し、交流するなかで、社会の形成者としての自身と力量を身につけて生きます。四つには、憲法に基づいた愛国心についての学習を考える必要があります。特に元西独大統領ヴァイツゼッカ―氏の「過去に目を閉ざすものは、結局のところ現在にも盲目になる。われわれの義務は誠実さであの過去を心に刻むことを通してしか前に進めない」といわれたとおり、過去の戦争の歴史を子どもの心に刻むことは、日本人としての誠実さや誇りに不可欠です。

 以上、今後の道徳教育に生かしていただきたいと考えるものですが、教育長の見解を伺います。

2015年3月議会 ひさ村議員、かしば議員が個人質問

ひさ村 真知子 議員 
【3月11日(水)午後1時40分~ 】

〔質問項目〕

1、障がい者の参政権行使は保障されているか

 障がい者基本法の一部を改正する法律では、障がい者の定義が見直されています。また障がい者が投票を円滑に出来るよう支援策を講じなければならないとされていますが、伊丹市としてこの法を受けどのような施策を行っているのか

・重度心身障害の方が利用できる郵送による投票の利用の現状は

・投票所のバリアフリーはされているのか

・高齢者等移動が困難な人への対応が必要だが、現状をどのように把握しているか

・知的障害の方に対する意思確認の工夫がいるがどのようにしているか

・病院・施設での投票は適切に行われているか、また情報は行き届いているか

2、中学校校給食の調理部門の民間委託は再度考えるべき

 ・調理部門への民間委託は、市民へどれだけ理解されていると考えるのか

 ・給食への問題などが起こった場合はどのような指揮命令になるのか

かしば 優美 議員
【3月12日(木)午前10時~ 】

 〔質問項目〕

1、総合交通計画の策定検討にあたって

(1)「総合交通計画」の目的は何か

(2)都市計画道路網の見直しについて

(3)幹線道路未整備区間の安全対策について

―県道「塚口長尾線(札場の辻以南)」の歩道等整備が急がれている

2、災害援護資金返済免除要件の拡大を国に求めること

阪神淡路大震災から20年、伊丹市では返済残252件金額で2.6億円余り

3、公営住宅入居者の地位の承継承認基準について

3月6日から代表質問が始まります

日本共産党議員団は、3月9日(月)午前10時より、上原ひでき議員が行います。

是非傍聴にお越しください。

質問の趣旨は下記の通りです。

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1.市長・教育長の情勢認識を問う

1)安倍内閣がすすめる経済政策について

 市長は、安倍内閣の経済政策「アベノミクス」と消費税増税が、日本経済の成長を止め、国民の間で格差と貧困を広げているという認識は持っておられるか。

2)戦後70年という節目にあたり、安倍内閣がすすめる戦争する国づくりに反対し、憲法を守る決意を

① 集団的自衛権行使、アメリカの先制攻撃への自衛権発動、邦人救出のため自衛隊出動等戦争する国づくりに対し、自衛隊のあるまちの市長として憲法の立場から反対を。

② 第2次世界大戦終結70年という節目にあたり、「村山談話」と「河野談話」の核心的内容を継承することが大事。市長と教育長の歴史認識を問う。

2.真の「地方創生」「伊丹創生」—地域で生活する人々の人権を守り、社会福祉政策の充実により、地域で安心した暮らしを保障するために

1)子育て一番の伊丹市に

① 新しい子育て支援制度に関し、1 待機児童の解消と小規模保育事業、2 支給認定の問題、3 民間の保育士確保と給与等待遇改善について伺う。

② 公立幼稚園のあり方について、改めて統廃合をやめ、3年保育と預かり保育を実施することを求める。見解を問う。

③ 中学卒業までの無料化に向け、子どもの医療費助成の拡大について見解を問う。

2)国民健康保険税の引き下げを求める

3)介護保険について

① 介護予防・生活支援サービス事業(新総合事業)を導入することについて、現在要支援1・2の人のサービス水準を切り崩さないことを約束できるのでしょうか。

② 介護報酬2.27%引き下げによって、市内介護施設・サービスはどう影響を受けると考えておられるのか。

③ 地域包括ケアシステム構築に当たり、基幹型地域包括支援センターのあり方、並びに包括支援センター、自治体の役割について伺う。

4)住宅問題について

① 市営住宅について、若年層や高齢者の間で住宅困難者が増加する中、民間住宅借り上げ等の活用で安定した住まいを提供する積極的な施策を。

② 民間賃貸住宅の活用について、空き家が増加する中、家賃補助制度等の創設を求める。

5)生活困窮者自立支援法について

 生活に困窮するすべての人を対象にした相談体制、自立支援策を構築するための施策について伺う。

6)雇用を守る問題について

① 安倍内閣が提出しようとしている労働法制に関する法案は、「残業代ゼロ」と労働者派遣法改悪案。働く市民への影響をどう考えるのか、市長の見解を伺う。

② ルネサスエレクトロニクス北伊丹事業所の閉鎖というリストラから雇用と地域経済を守るため、県・労働局と連携した立地自治体としての対策を伺う。

3.教育に関する問題—道徳教育の教科化について

 子どもの道徳を評価する問題、道徳の検定教科書を導入するとされるが道徳が教科としての成立要件はあるのかという問題等をどう考え、道徳教育をするのか。

2014年9月議会:上原ひでき 国民健康保険特別会計決算の認定に同意できない

報告第7号「平成25年度伊丹市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」の認定に同意できない立場からの討論

(2014.10.9)

日本共産党伊丹市会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、報告第7号「平成25年度伊丹市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場から意見を述べます。

 本会計は、当初予算で国保税条例を改定し、国民健康保険税における基礎課税分(医療分)の均等割額25,200円を28,500円に、また平等割額23,600円を23,800円に、さらに所得割税率8.21%を9.10%に増税したものです。

 伊丹市の国民健康保険に加入されている世帯は、平均所得が約90万円、所得なしの世帯が23.1%、また所得200万円未満の世帯が74.8%を占めています。この改定によって、これらの世帯に新たに2.9億円の負担を求めることになりました。

 具体的には、年所得200万円の夫婦子ども3人世帯の国保税は、それまでの353,000円から7.1%引きあがって378,000円となり、所得の約19%を国保税が占めることになりました。このことで、生活保護基準以下の生活を余儀なくされることになり、まさに国保が貧困をさらに広げる事態となったと言わざるを得ません。

 一方、歳入歳出決算では、実質収支が3億1,630万円、単年度収支も1億8,954万円の黒字となりました。しかしこの黒字額は、当初予算で計上されていた一般会計からの法定外繰り入れ額5億4,796万円を、全額更正減とし、一般会計の財政調整基金に積み立てたことによるもので、本来なら実質収支は8億6,400万円、単年度収支も7億3,800万円となるべきものです。基金に積み立てた金額は赤字になったときに国保のために使うとしていますが、国保税引き下げをしないとの宣言でもあります。

 もともとこの法定外繰り出しに関しては、事務費超過分や福祉医療波及分は、被保険者の責めに帰さないものとして繰り入れたものであり、税未収額の2分の1もまじめに納税している被保険者に未収部分を税に転嫁させないようにとその2分の1を繰り入れるもので、黒字になったからと言って別会計の基金に積み立てる理由にはなりません。

 よって本会歳入歳出決算の認定に同意できません。

 なお、来年度予算に対する要望として、一つは、国は、国民健康保険に関しても、憲法第25条の国民の生存権と国の社会保障義務に基づく責任を果たしていません。引き続き国に対して強く補助金の増額を求めていただきたいと思います。二つには、国保税が貧困を広げる要素となっていることを認識していただき、8億6,400万円の黒字分を使って、国保税を引き下げることを強く求めるものです。

 以上、報告第7号に対し、その決算の認定に同意できない立場からの討論とします。

2014年9月議会:かしば優美 一般会計決算についての討論

報告第6号「平成25年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」に対する討論

2014年10月9日

かしば優美議員

 ただいま議長より発言の許可をえましたので、はじめに御嶽山(おんたけさん)噴火によって犠牲になられた方々及びこの夏、広島の土砂災害をはじめ、台風や大雨によって犠牲になられた方々への深い哀悼とともに、被害を受けられた方々に心からのお見舞い申し上げます。

 それでは私は日本共産党議員団を代表して報告第6号「平成25年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」の認定に同意できない立場から討論を行います。

 2012年に行われた総選挙によって第2次安倍政権が発足しました。この政権は「アベノミクス」と称して、無制限の金融緩和策と200兆円もの大型公共事業を進めてきましたが、しかしこれは過去において失敗済みの経済対策でしかなく、見せかけの「経済成長」を演出し、消費税大増税を予定通り強行。また社会保障政策では、民・自・公3党合意による「社会保障と税の一体改革」を進め、国民の生存権の保障をないがしろにしてきました。

 このような中で伊丹市政に求められるのは、市民のくらし、福祉、営業を守り充実することにありました。この視点で決算の内容に触れていきます。

 2013年度一般会計決算規模は、歳入が対前年対比1.1%増の661億9848万円、歳出は対前年対比0.6%減の645億1348万円となっています。

 歳入の根幹となるべき市税については、大阪国際空港民営化にともない固定資産税等で約2億円の増加となり、個人市民税は約4180万円の微減にとどまったものの、リ-マンショック以降の5年間で、給与所得者一人当たりの所得は17万4千円、営業所得者等一人当たりの所得は4万円それぞれ減少するなど、市民にとって依然として厳しい状況を反映しています。法人市民税は「ゆるやかな景気回復基調」といわれているものの、法人税の引き下げ等の影響もうけて2700万円の微減となり、リ-マンショック直前の2008年度(平成20年度)の29億円と比べると69%という水準であります。今後消費税の相次ぐ増税が市民のくらしや中小企業・零細業者の営業を直撃することが予想されるだけに、伊丹市はいっそう市民のくらしと安全を守る施策が求められていることを強調しておきます。

 次に普通交付税と臨時財政対策債の合計は、前年対比で1億7千万円、率にして約2%の減となっています。特に国において、地方財政計画に国家公務員の特例措置に伴う地方公務員の給与削減を盛り込み、一方的に地方交付税を削減してきたことはまったく異例であります。全国市長会の緊急アピ-ルの通り、こうした行為は地方の財政自主権を根底から侵すものであり、断じて許されるものではありません。

 以下咋年度決算の問題点を述べていきます。

 第一は、職員給与の削減・引き下げです。国家公務員の給与減額に端を発し、本市においても一般職職員の給与について7.8%もの大幅減額が実施されました。その内容は、一般職の定昇見送りと課長級以上の給与カットにより平均2.2%の給与削減、市長等特別職の5%給与カットであります。伊丹市はこれまでも職員給与に関して、「給与構造改革」の名の下に4.8%削減し、さらに地域手当も下げてきました。それらの結果単純に比較できないものの、本市一般行政職の平均給与月額は阪神間で最低クラスとなっています。先に述べた減額分に関して、給与カット分約4500万円については今年10月から復元するとしていますが、一般職員の定期昇給見送り分約1億8千万円については明言されていません。いち早い復元を強く求めるものです。

 第二は、医療費助成制度にかかる問題点です。

 特定疾患医療費助成制度について、2015年10月廃止を決定し、昨年10月から段階的に上限額を引き下げています。廃止に向けて「新規申請は受け付ける」とか「所得制限、対象疾病の見直しはしない」等の経過措置を設けていますが、難病がゆえに多額の医療費負担に苦しむ市民には冷たい仕打ちとなるものです。

 またこども医療費については、県制度にあわせて昨年7月から通院について小学4年から中学3年までの自己負担分1/3の助成が始まっています。子育て支援策拡充への市民からの要望は大きく、さらに通院についても中学校卒業まで無料にすることを求めておきます。

第三に、人権教育・啓発及び同和問題に関連する点であります。

 昨年度市の学校・職場・地域での人権教育研修会では、主として同和、男女共生、セクシュアルハラスメント、外国人等の問題をテ-マに行なったと報告がありました。問題なのは人権教育・啓発の中心が「市民相互における人権侵害」に特化し、歴史的にも今日的にも、人権とは国をはじめとする公権力によって侵されることのない永久の権利であるとの視点と実践が極端に弱いことです。福島原発事故により多くの人々が、居住権や財産権など生存権そのものを奪われている現状は人権侵害の最たるものであります。今学校生徒や市民がどのような人権に関心をもっているのかを把握し、それに沿った教育・啓発が必要と考えます。同時に同和問題に関して、その認識において現状から大きく乖離している「差別を許さない都市宣言」はただちに撤廃し、同和行政・同和教育の終結宣言を行うことを強く求めておきます。

第四に、生活保護の引き下げについてであります。

 安倍内閣のもと生活保護費のうち生活費に当たる生活扶助が3年間で段階的に6.5%
引き下げられることになり、昨年8月から削減が始まっています。その結果96%の世帯が引き下げられ、世帯類型ごとに現在と2015年度以降とを比較すると、都市部に住む70代以上の夫婦で5.3%、40代夫婦と小中学生の子ども2人の場合(都市部に住む)で9.0%それぞれ減額となります。なかでも子どもの数の多い世帯が一番の打撃を受けることになります。貧困に陥った人の「生きる権利」侵害する重大な内容です。前年度決算には生活保護費削減が反映しており、憲法第25条にうたう生存権をおびやかす内容を認めることはできません。文字通り憲法を市政にいかす立場から、国に対して生活保護費削減撤回を強く求めるべきであります。

 第五に、学習到達度調査についてです。

 市教育委員会は昨年4月、全国学力・学習到達度調査と市学習到達度調査を小学校6年と3年生を対象に悉皆(しっかい)調査を行いました。党議員団は以前から指摘しているように、全国一斉学力テストは子どもたちと教育に対するいっそうの競争と管理を強め、教育の格差づくりを進めるものです。同時に、子どもの学力実態を客観的に明らかにする調査も必要な場合があり、その際には調査目的を限定して、無作為による最小限の抽出で行い、数年に1回行うことでも、その後の学力保障に向けた具体的な施策に反映できるものです。以上の理由から、全員参加による学力調査は必要なく中止を求めるものです。同時にテスト結果の公表は今後とも行なうべきではありません。

 次に今後に向けた具体的要望です。

 第一は、中学校給食実施における運営方式です。

  市は、中学校給食の運営方式を「原則として民間事業者による運営を採用する」としています。

 しかし給食は教育の一環であること、また給食調理業務はあくまで栄養士の指示に従い、その指揮監督の下で行うべきものであり、業務の委託にはなじまないと考えます。同時に経費節減のために働く従業員の給料が抑えられ、また入札により事業者も変わることで安定した調理業務に支障をきたす恐れがあり、中学校給食はあくまでも直営で行なうことを求めます。

 第二は、ルネサス北伊丹事業所の移転問題についてであります。なによりも伊丹市が誘致した企業が事業所を閉鎖し、労働者、地域、住民にしわ寄せする身勝手な行動は許さるものでないことを重ねて指摘するものです。国、兵庫県、伊丹市は、住民に就業と生活を保障する自らの責任とともに、大企業に雇用と地域経済を守るという社会的責任を果たさせていく責任があります。同事業所から関東への移転は年明けから本格化します。伊丹市は労働局や県と連携し、障害者、家族の介護など家庭の事情で転勤できない社員を調査し、雇用の受け入れを三菱電機等に求めるなど必要な対応を求めます。

 第三に、就学援助についてですが、2013年度は小学生1740人(15.4%)、中学生1100人(20%)が利用しています。改めてクラブ活動費や生徒会費など支給項目の拡大を求めるとともに、かなり「前向きの答弁」をしていただいた新入学児童生徒学用品費の入学前支給についてはただちに実施されるよう要望しておきます。

 第四に、来年度施行予定の子ども・子育て支援新制度に関して、保育所待機児童の解消は急務であり、認可保育所の増設による解消を求めます。さらに公立幼稚園の問題では、統廃合はやめ、3年保育と預かり保育の実現を要望するものです。

 その他本会議、委員会で多くのことを要望しましたが、十分に検討していただき来年度予算に反映していただきますよう要望しておきます。全体として、国の経済対策を受けた補正予算、元気交付金を活用しての、学校園施設の改修・耐震化や市営住宅・プ-ルの改修など暮らしに密着した公共事業の推進については評価するものの、先に述べたとおり、多くの問題点を含んだ決算内容になっており認定できないことを述べ討論とします。 

2014年6月議会一般質問:かしば優美「 医療・介護総合確保推進法(案)」の問題点について

「医療・介護総合確保推進法(案)」の問題点について

2014.6.11. かしば優美議員

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告通り質問します。

【第1回目の質問】

 今年4月、安倍内閣が国会に提出した「地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」いわゆる「医療・介護総合確保推進法案」が今国会で審議されています。この法案は、多くの高齢者を介護サービスの対象から除外し、入院患者の“追い出し”をさらに強化するものとして大きな問題となっています。

 この内容はご承知のように、2015年度(第6期)から要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行する、在宅でも施設でも利用料の大幅な負担増、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定するなど重大な制度後退となるものです。本法案の改正内容等を踏まえて概括的に2点うかがいます。

 第一に、「介護保険制度の持続可能性の確保」が意味するものについて、今年3月議会代表質問でわが党の上原議員の質問に対し当局の答弁は次のようなものでした。「今回の介護保険制度の見直しは、今後2025年に向けて75歳以上の高齢者数が急増するとともに、単身や夫婦のみの高齢者世帯が増加する中で、できる限り住み慣れた地域で暮らせるよう地域包括システムの構築を推進するとともに、介護費用の増加にともなって介護保険料の上昇が見込まれる中、低所得者の保険料の軽減拡大や給付の重点化、効率化により介護保険制度の持続可能性の確保をしようとするものとされています。」これは国の言い分と同じです。

 具体的な改正内容を見ると、給付の重点化とは対象を限定することであり、効率化とは費用の削減であることは明らかです。また「介護保険制度の持続可能性の確保」とはさまざまな困難を抱える利用者や介護現場に視点をあてた見直しでなく、保険財政の事情を何より優先させた考え方ではありませんか。当局の見解をうかがいます。

 第二に、「地域包括ケアシステムの実現」に関してですが、地域包括ケアシステムの実現は、主として提供体制にかかわる課題として打ち出されています。

 国の第6期介護保険制度改正の概要によると、地域包括ケアシステムの実現に向けて、①生活支援サービス事業の充実②在宅医療と介護の連携の推進③認知症施策の推進④地域ケア会議の推進などが地域支援事業の課題として盛り込まれています。特に今回の改正は、「病院や介護施設から在宅」へシフトを強めようとしているのが特徴です。

 例えば医療法の改正により「病院病床の再編」として、病床機能の見直しとそれによる病床数の削減、入院日数短縮があげられて、「入院から在宅へ」の流れを進める。また近年社会的にも大問題になっている認知症について、その原因や有効な治療方法もないにもかかわらず国は、「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現をめざすとして介護保険の地域支援事業に位置づけるとしています。

 しかし高齢化の進展、貧困・社会的孤立の広がりのもとで、地域の「自助」「互助」の機能そのものが弱体化し、住み慣れた地域で暮らし続けることそのものが困難になっている中、「医療と介護の連携」等といっても本当に地域での受け入れが可能なのかどうか危惧するものであります。高齢者・住民本位の地域包括ケアは、医療・介護、社会保障の公的な充実があってこそ実現すると考えますが、当局の見解を求めるものです。

 2回目以降は一問一答方式で質問を行います。

【以下一問一答方式】

1.要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行することについて数点うかがいます。

【2・3月議会本会議答弁】
 「事業移行前から既にサービスを受けている人については、その状態像などを踏まえ、ケアマネジメントで必要性が認められれば、事業移行後でも必要に応じて既存サービス相当のサービスの利用が可能となる仕組みが検討されていり、一方事業移行後に新たに要支援認定を受けた者についても、住民が担い手として積極的に参加する取り組みなど多様なサービスの利用を促していく…。」

(1) 今後の要支援1、2の認定そのものがどうなっていくのかという点です。

 現在の介護保険のしくみは、軽度であっても認定と給付が一体のものとして扱われています。ところが「要支援者」を給付からはずし総合事業に移行するとなれば、要支援認定者という存在自体が大幅に減っていくことになるのか。また現在、要支援1、2認定であるが、訪問介護とディサービスしか利用しない人は認定そのものから外れることになるのではないか。今後の要支援1、2の認定に関して当局の見解をうかがいます。

(2) 今回の要支援1、2認定者の訪問介護と通所介護を給付からはずし総合事業に移行することに関して、「今後は人員や運営等にかかる細かな基準は国として一律に定めず、事業の大枠をしばるガイドラインを作成し、その範囲内で市町村による柔軟で効率的な対応を可能とする。」としています。

 ここで問題の一つとなるのが介護サービスの基準です。現制度では介護予防訪問介護の費用単位が全国一律で週一回程度一月額1,226単位、週二回程度一月額2,452単位と決まっています。また介護予防通所介護は全国一律で要支援1-2,115単位、要支援2-4,236単位と定額制となっています。利用できる上限額も要支援1で5,003単位、要支援2で10,473単位と定められており、多くの認定者は上限額の範囲内で各サービスを組み合わせして利用しています。今回仮に利用できる上限額が下げられることになればその分サービスを削らざるを得ないことになってきます。これら介護サービスの基準に関して当局の見解を求めておきます。

(3) 医療・介護団体の調査によると、要支援者の多数が訪問介護、通所介護(ディサービス)を利用しており、訪問介護は一人暮らし要支援者の生活支援、通所介護へは家族介護者の支援において、なくてはならないサービスとして重要な役割を果たしています。

紹介すべきケース

  • 73歳・女性・一人ぐらし
  • 介護認定一要支援2(介護サービスは訪問介護週1回・1hのみ、部屋や風呂掃除、買い物訪問看護週2回-もく浴)
  • 状態像-身体左麻痺している。足は人工股関節いれ何とか歩ける状態(買い物はバスに
    乗って)
  • 今後の希望-せめて週1回通所介護で入浴したい

 サービスの縮小・打ち切りは、在宅生活を困難にし、病状や要介護度の悪化、家族の介護負担の増大をもたらすことになるのではと考えますがいかがでしょうか。

(4) 事業所への影響についてであります。

 今回の改正では事業者を指定(または委託・補助)する場合、訪問型・通所型サービスについては、現在の要支援1、2にかかる訪問介護、通所介護の報酬以下の単価を市町村が独自に設定するしくみとされています。

 その結果、とくに小規模事業所では、「新しい総合事業」を受託できない、受託しても事業単価の切り下げによって収益が大幅に減少することで事業の存続そのものが困難になる恐れがある。また職員にとっては処遇条件の切り下げにつながり、場合によっては事業所の縮小や休止によって失職することにもなりかねないことが指摘されていますが、当局はどのように受け止めているのかうかがいます。

次に、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定することについてうかがいます。

3月議会本会議で当局は、

 「認知高齢者で常時適切な見守りや介護が必要な場合等のやむを得ない事情により特例的に入所認める方向で検討されている。」「今後も引き続き要介護になっても住み慣れた地域でできる限り安心して生活できるように、小規模特別養護老人ホーム等の地域密着型の施設やサービス付き高齢者向け住宅等の整備に計画的に取り組んでいく。」

と答弁されました。

これに関して

①現在特別養護老人ホームに入所している要介護1、2の入所理由を掌握しているのか?

(注)現在特別養護老人ホームに入所している要介護1、2の入所理由の6割が「介護者不在、介護困難、住居問題等」、二割が「認知症のBPSDその他の理由による判断力の低下、喪失」という調査結果。

②入所定員数とほぼ同数の待機者がある中、「やむを得ない事情」があると認められてもすぐに入所できる保障があるのか?

③「サービス付き高齢者向け住宅」は、そのすべてで必要な医療・介護が提供され、最後まで暮らし続けられる実態なのか?

 それぞれうかがいます。

3.在宅医療と介護の連携の推進についてうかがいます。

 最初の質問の中で、特に今回の改正は、「病院や介護施設から在宅」へシフトを強めよ
うとしているのが特徴であり、地域包括ケアの受け皿として「在宅医療と介護の連携の推
進」などが地域支援事業の課題として盛り込まれていると述べました。ところが実際の訪
問看護等の提供体制はどうなのかであります。

 今年4月更新版による伊丹市介護保険サービス事業所一覧表によりますと、小規模多機能型居宅介護のサービスに加え、必要に応じて訪問看護を一体的に提供する「複合型サービス事業所」わずか1箇所のみ。訪問看護事業所は市内に17事業所があるものの、零細事業所が多く、24定期時間対応巡回型サービスも絶対的不足している現状であること。慢性的な看護師不足という状況。今回の診療報酬改定による在宅訪問診療の診療報酬が減額させられたことにより、病院や診療所が訪問・往診から撤退する動きがでているなど、厳しい状況をどのように認識・改善されようとしているのか。見解をお聞きするものです。

【終わりにあたって意見を述べる】

 介護保険制度は14年前、「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンを掲げて導入されましたが、実際には要介護度に応じてサービス内容や支給額が制限され、スタート当初から「保険あって介護なし」といわれてきました。

 そして現在さまざまな面で「介護の危機」が言われています。介護問題は現在の高齢者だけの問題ではない。年間十万人を超える人が家族の介護のために離職・転職を余儀なくされている中でいまや現役世代をふくめた国民的な課題になっている。

 日本共産党は緊急策として、①特養の抜本的増設に国策を転換すること②現役世代が安心できるために介護の保障と負担軽減③介護労働者の労働条件の改善で、提供体制を強化する④虐待・貧困などへの対応は措置制度で

●具体的例

(1)ケースI

  • 八十歳前後の夫婦と息子の3人暮らし、
  • 介護認定一夫は要支援1(手が少し麻痺している。歩行はOKの状態)
  • 妻は要介護3(重度の認知症で、トイレ・風呂自力では無理、睡眠が不規則
     ↓ 介護サービスは訪問介護週2回、通所介護週3回)
  • 今後の家族介護はますます厳しくなる

(2)ケースII

  • 73歳・女性・一人ぐらし
  • 介護認定一要支援2(介護サービスは訪問介護週1回・1hのみ、部屋や風呂掃除、買い物
  • 訪問看護週2回-もく浴)
  • 状態像-身体左麻痺している。足は人工股関節いれ何とか歩ける状態(買い物はバスに乗って)
  • 今後の希望-せめて週1回通所介護で入浴したい

 この「医療・介護総合確保推進法案」は医療・介護の一体改悪といえるもので、「病院病床の再編」では病床機能の見直しとそれによる病床数の削減、入院日数の短縮があげられています。「入院から在宅へ」の流し込みを強力に推進して、全体として“できるだけ国にとって「安上がり」で効率的な医療・介護提供体制に再編していく構想”であり、市町村が担う地域包括ケア(システムの構築)はその受け皿として位置づけられています。

(3)ボランティアへの代替による専門職の切捨てになる。

○ヘルパーの生活援助は、単に掃除や調理をすることではありません。状態変化の早期発見と対処、リスクの回避、認知症への対応、利用者との時間をかけた関係づくり、信頼の構築や相談援助など、一連の家事を通して生活を総合的にささえる点にその専門性があります。これをボランティアで代替することはできません。「ボランティアでも可能」というのは、介護の専門性を真っ向から否定するものです。

1、予防給付費の伸びを半分に抑えるという大幅な削減目標をかかげ、この目標を達成するため、市町村が新事業を実施する予算には、「介護給付費×○%」などの上限がかけられることについて→諸説明しているが結局介護給付費の押さえ込みが目的でないか。

2、看護師の配置が厚い「7対1病床」については、2014~2015年度の2ヵ年で9万床を減らそうとしていることについて→在宅医療と介護の連携を推進

2、在宅でも施設でも利用料の大幅な負担増

【2・3月議会本会議答弁】

 負担割合が2割になったとしても、高額介護サービス費の仕組みにもとづき利用者負担には月額上限額が設けられていることから、見直しの対象者とする利用者全員の負担が必ず2倍になるものではないとされています。

①年収280万円以上の単身高齢者などのサービス利用料を1割負担から2割負担に引き上げる

○実施された場合、伊丹市内で対象者はどの程度なのか(被保険者と利用者それぞれ)

②施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」要件に資産を追加

○保険料を支払うことで給付が受けられる社会保険制度に資産要件を導入することがはたして妥当なのかどうか?

2014年3月議会 本会議 平成26年度一般会計予算・老人等医療費の助成縮減に反対

議案第20号「平成26年度一般会計予算」、議案第51号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」に対する反対討論

2014年3月27日

日本共産党伊丹市議会議員団

日本共産党議員団を代表して、議案第20号「平成26年度一般会計予算」並びに議案第51号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」に対して反対の立場から討論します。

はじめに、議案第20号「平成26年度一般会計予算」についてです。

2014年度の市民をめぐる情勢は、働いている人の賃金が20ヶ月連続で前年同月比マイナスとなるとともに、アベノミクスの金融緩和で、レギュラーガソリンや灯油、ガス・電気代、生鮮野菜、マーガリンや乳製品など生活必需品の価格高騰が続き、2013年の消費者物価指数が前年比0.4%上昇するなど、生活がより悪化する中で迎えようとしています。

その上、国の予算で、70歳から74歳の医療費窓口負担を1割から2割に倍増し、生活保護の生活扶助費を2.5%削減、年金支給額も1%削減など、社会保障の負担増と給付減で国民負担は約2兆円、消費税増税と合わせて10兆円もの国民の負担が増えることになります。兵庫県も、老人医療費・母子家庭等医療費の助成を削減しようとしています。
このように市民の暮らしは深刻になっているとき、伊丹市は市民生活を守る防波堤としての役割を果たさなければなりません。

以下、意見を述べます。

はじめに歳入についてです。市税においては、法人市民税は若干の増とするものの、個人市民税は復興税と給与所得控除の上限設定による増税による増収を見込む一方、個人給与所得や年金所得等では減少するとし、アベノミクスによる市民への悪影響があらわとなっています。

地方交付税では、国は一般財源について、前年度水準を相当程度上回る額を確保したとしていますが、約6000億円の増に過ぎず、新たな社会保障関係費や給与削減分の復活等による1.3兆円の増額を満たさず、総額を抑制するための経費削減を行っており、引き続き「抑制基調」であることには変わりません。伊丹市として、小泉内閣によって大幅削減した地方交付税を以前の水準まで復元することを、引き続き要望していただきたいと思います。

次に問題点について述べます。

第1に、全国緊急防災・減災事業の財源確保の名目に、個人市民税の均等割を500円引き上げ、約9万人に対して4500万円の増税を行いました。国は、法人税に対してはいち早くこの復興税は廃止をする一方、消費税増税と物価の値上がり、所得減少に苦しむ市民だけへの増税は納得できません。

第2に、兵庫県の「第3次行財政改革プラン」に基づく老人・母子家庭等に対する福祉医療助成制度縮減により、伊丹市もこれに従い、それぞれの生活困窮者に対して、合計約17240万円の負担を押し付けようとすることです。丹波市では母子家庭等に対する医療助成は、全額自治体の負担で市民への負担を回避する措置をとりますが、伊丹市としてもそうするべきです。

第3に、中学校給食では、長年の市民の願いが実現することとなり、評価するものです。

しかし、自校調理方式ではなくセンター方式とすること、並びに調理部門等を民間に委託するという「基本計画」を策定されたことは問題といわざるをえません。今後の課題として、一つには、自校方式のメリットを取り入れたセンター方式とするといわれていますが、生徒と栄養士・調理員との交流ができ、給食をつくる人への感謝の心をはぐくむことができる体制を取られること、野菜等の食材の地産地消によって学校と地域をつなぎ、都市農業の発展に寄与できるようにすること、アレルギー対策等安全・安心で、バランスの取れた給食の提供と同時に、生徒の意見を聞いて残食を減らす努力をすることなどを求めるものです。また、調理業務の民間委託に関しては、偽装請負が常態化せざるをえないこと、民間業者の経費削減のために従業員の給料が抑制されることや入札によって事業者が変わることで、安定した調理業務に支障をきたすことから、直営で運営することを強く求めるものです。

また、小学校給食に関して、2時間喫食、二重食缶、栄養士・調理員との交流による食育の推進等充実されることをもめるものです。

第4に、学校教育審議会で議論されている公立幼稚園のあり方に関して、教育委員会の見解をただしたところ、今後引き続き議論がなされるとしながらも、一つには、幼稚園の規模としてⅠ学級20人以上、並びに複数学級が望ましいとして、神津認定こども園を除いた16園を10園に統廃合されようとしていること、また3歳児保育を実施することは難しいとされていることです。幼稚園教育のあり方の問題が十分議論されておらず、10園に統廃合する根拠も3年保育が困難であるという理由も明らかではありません。今までの答申にこだわらず、改めて、今後伊丹市全体の3歳以上の幼稚園教育のあり方を十分議論をしていただき、3年保育を実現するとともに公立幼稚園の統廃合はしないことを、伊丹市子ども・子育て支援事業計画に反映していただきたいと思います。

第5に、国民健康保険事業に対する「法定外繰り出し」の見直しをされたことです。すなわち、従来通りの繰り出し基準による予算化をし、国保会計が黒字の場合、黒字分を一般会計に繰り戻して基金に積み立てる、赤字が生じたときに基金を取り崩して国保会計に繰り入れをするというものです。この場合、赤字になっても国保税は値上げをしないという側面があるものの、高すぎて払えないという国保税の引き下げはしないということにもなります。

2017年度の「都道府県単位化」に向けて国保会計の赤字は生じさせないということを目的としたものですが、たとえば、2013年度に関しては、当年度の値上げ分2億9千万円のうち、2億5,200万円は黒字となる見込みであり、一般会計に繰り戻すのではなく引き下げに使うべきでした。

次に、来年度予算で評価すべき点についてです。

第1に、国の補正予算等の有利な財源を活用して、学校施設大規模改修やプール整備、市営住宅管理工事等公共施設の保全・改修を実施することです。ただ、入札における不調が昨年多発しており、来年度の公正・公平な入札が実施できるのかどうか心配をするものであり、改善を求めるものです。

第2に、(仮称)児童発達支援センター整備事業を予算化されるとともに、荻野保育所の新築移転による耐震化、私立保育所等の施設整備によって275名の認可保育所定員増員をはかるなど、子育て支援策を充実されることです。認可保育所に関しては、2017年度から始まる「子ども・子育て支援新制度」に向け、保育所の待機児童は認可保育所で充足できるように、ニーズ調査の結果を踏まえて必要な増員をはかっていただくこと、小規模保育事業の基準は認可保育所と同基準とすること等、委員会で要求したことの実現を求めるものです。

第3に、自転車安全条例の制定と自転車等対策審議会の設置によって、自転車安全対策を市民と専門家の力を借りて行うこととされたことです。

次に、次年度に向けて主な要望をします。

一つは、安倍内閣による地方交付税の一方的な削減に対して、一般職の給与定昇停止と課長級以上の職員の給与削減を行っていますが、その復元を急ぐことです。

二つには、子ども医療費助成は、通院も含めて中学校卒業までの無料化を検討すること。

三つには、障害福祉に関しては、障害者権利条約の批准に伴い、条約を誠実に履行する立場からの障害福祉計画の策定を求めます。

四つには、農業振興基本条例に関しては、農業も含む産業振興基本条例の策定を求めます。

五つには、小中学校における就学援助では、新入学児童生徒学用品費等は入学前に支給できるように改善を求めます。

以上、主なものに限って問題点と評価すべき点、次年度への要望を述べました。そのほか、本会議・委員会で多くのことを要望しましたが、来年度に十分検討され、実施できる事業等から補正予算等に反映していただきますよう求めるものです。

次に議案第51号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」です。

本議案は、兵庫県の「第3次行財政改革プラン」に基づき、老人・母子家庭等に対する福祉医療助成を縮減しようとするもので、この改正によって、アベノミクスによる生活必需品の高騰、年金と給与引き下げの中で、低所得者層に対する一層の困難をもたらすことになります。よって反対とするものです。

以上、議案第20号並びに第51号に対する反対討論とします。議員各位のご賛同よろしくお願いします。