2018年3月議会 上原秀樹:議案質疑

2018年3月議会 上原秀樹:議案質疑

2018年3月 日本共産党議員団 上原秀樹

1.議案第8号 平成29年度伊丹市国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)
議案第13号 伊丹市国民健康保険財政調整基金条例の制定について

○これらの議案は、国保財政調整基金を設置し、補正予算によって基金を837,655千円積み立てようとするもの。

①この議案は、兵庫県が国民健康保険事業の財政運営の主体となることに伴うものだが、今まで一般会計の財政調整基金に国保分として積み立てていたものを、改めて国保財政調整基金とすることで何が違ってくるのか。また、今まで一般会計の財政調整基金で運用していた運用益はないのか。

②今回積み立てる837,655千円は、2013年度以降、国保財政が黒字となった時に法定外繰り入れの金額を限度として、国保会計から一般会計に繰り戻して財政調整基金に国保分として積み立ててきたものと理解している。その時にも主張したが、本来国保財政分として余剰金が生じたら引き下げに使うべきではないかという性格のものと考えている。

 しかし、サービスペーパーで書かれている「目的」は、保険税率等を引き上げる局面において、被保険者の税負担に配慮するとされている。

 一方、条例第1条では、「充実した福祉社会の形成を図る」とされている通り、高すぎる国保税を引き下げることは、市民生活の向上に資することにもなるのではないか。条例第1条での「充実した福祉社会の形成を図る」とは、国保税引き下げを含むと解してよいのか。

2.議案第14号伊丹市公債管理基金条例等の一部を改正する条例の制定について

○現在、財政調整基金と一般職員退職手当基金、財産区基金で有価証券に変えて保管することができるとされている。本条例改正によって、伊丹市が保有する基金すべてで、基金に属する現金は、金融機関への預金等による保管とともに、「必要に応じ、最も確実かつ有利な有価証券に変えて保管することができる」ことになる。

①「最も確実かつ有利な有価証券」とされているが、その「確実かつ有利な」とはどういうことを言うのか。

②今まで財政調整基金等によって運用されてきた実績はどうか。また、その運用益は金融機関への預金等による保管とどの程度有利になっているのか。

③財政調整基金と一般職員退職手当基金、財産区財産基金だけではなく、すべての基金に広げる理由は何か。

④基金の性格は様々で、財政調整基金などのように流動性を確保しなければならない基金や取り崩す時期が決まっている基金・決まっていない基金、果実運用型の基金等があるが、有価証券の運用をどのようにされるのか。

(2回目)

国民健康保険財政調整基金について

○一般会計財政調整基金から国保基金になったことの違いに対する答弁の中で、保険者努力支援制度の評価指標として「法定外繰り入れの削減」が設定されたこと、なかでも決算補填を目的とした一般会計からの法定外繰り入れが削減の対象となっていること、財政調整基金を創設すれば一般会計からの財政補填とはならないという趣旨が述べられた。

 このことに関連してお聞きしたいのは、今まで伊丹市として「法定外繰り入れ」のルールを作ってきた経過があり、そのルールとして今年度まで当初予算で繰り入れされていたのが①事務費超過分②福祉医療波及分。今年度予算ではその合計が245,548千円となっている。これらのルール分は決算補填とならないと考えるが、今後とも継続されるのかどうか。

○国保の財政調整基金の使い方に関して、条例第1条の目的で「充実した社会福祉の形成を図る」とされていることから、国保税の引き下げに活用することができるのではないかとの問いに対しては、国保財政の厳しい状況から、伊丹市としては国保税の引き下げには活用しない、今後の収支不足に対応する財源として活用するとの答弁。

 しかし、もともと国保会計独自の原資であり、高すぎる国保税という実態があることから、基金の状況によっては引き下げに活用はできるものと考える。

 そこで、この基金の動向に関して、増加することがあるとすれば、今年度決算に剰余金が生じた場合や県納付金に対応する国保税収が想定していたよりも増えた場合だが、今後の基金の動向についてどうお考えかお聞きする。