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2018年3月議会 上原秀樹:幼児教育について

2018年3月議会 上原秀樹:幼児教育について

2018年3月7日 日本共産党議員団 上原秀樹

1.新幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領について

 昨年、「幼稚園教育要領」、「保育所保育指針」、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」が改定され、今年4月から実施されます。教育長の「教育基本方針」の中でも、新幼稚園教育要領に掲げている「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を小学校と共有し、幼児教育と小学校とのなめらかな接続を進めてまいります」と述べられました。

 そこで、これら新しくなった教育要領等についてお聞きして行きたいと思います。

1)今回の見直しは、幼児期の「教育」を、幼児期の発達にふさわしい教育という従来の視点から、小学校教育の基礎的(あるいは準備)段階という視点に抜本的に見直すというものです。今までも小学校への円滑な接続の必要性は言われていましたが、それは学校教育の先取りではなく、幼児期にふさわしい教育を行うこと、すなわち幼児が遊び、生活が充実し発展することを援助するという視点でした。

 それが、今回の改定で、幼児期の教育が改めて「学校教育の始まり」として位置づけられたこと、保育所は「幼児教育の一翼を担う」ものとして位置づけられたことが大きな特徴です。

 そこで、教育委員会として、今回の改定によって、「接続の強化」が「小学校教育の先取り」とされようとしていることに対してどのような認識をされているのか。そのことによって、幼稚園、保育所における幼児教育の質がどのように変わるものとお考えなのか。また、幼児教育に関して就学前の子どもを持つ保護者の考えはどのようなものととらえられているのかお聞きします。

2)具体的には、小学校教育への接続の強化のためとして、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」という考慮すべき項目が新たに設定されました。小学校就学前の時点までに育むべき姿、いわば幼稚園、保育所における幼児教育終了時の具体的な姿として10の柱に分けて示されたものです。しかもそれが評価の対象にもなり、小学校学習指導要領には、小学校教育はこの「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を踏まえて行われる」ものとして書かれているものです。

①そこで、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の具体的に次の3点に絞ってお聞きします。

「自立心」:身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。
「協同性」:友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。

「道徳・規範意識の芽生え」:友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる、とされています。

これら3点に対して考えられる問題点の第1は、幼児にかなり厳しい「自己抑制」を求めているということです。例えば、自立心のところでは、子どもは「やりたいこと」「やりたくないこと」は脇において、大人から要求されることに専念し、「諦めずにやり遂げ」なければならない、そうして初めて「自信」がつくとされています。このことは、「やりたくない・できない・難しい」という人間的なありのままの思いや気持ちを表現するのを抑え、与えられた課題を一人の力でやり遂げる能力が高く評価されることになるのではないかと危惧するところです。

第2に、協同性に関しては、相互に意見や考えを共有することで共通の目標に向かうことが書かれています。また、「道徳・規範意識の芽生え」では、5歳の子どもにきわめて難度の高い要求をしています。何か行動する前には「してよいこと悪いことがわかること」「決まりの必要性がわかっていること」が求められています。そうなると、自分の要求をぶつけたり、トラブルを起こしたりした場合は、「問題行動」となってしまうのではないか。しかし、率直に自分を表現する子どもたちは、本音をぶつけ合い、モタモタやゴタゴタを頻繁に引き起こしながら、時間をかけて気の合う、信頼できる友達をつくりあげていくものだと思います。協同は、意見の共有からではなく、励まし、慰め合う「仲間意識」が作り出すもので、その中で「道徳性」は身についていくものではないかと考えます。

以上に対する見解を伺います。

②教育要領では、「各幼稚園においては、…全体的な計画にも留意しながら、『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』を踏まえ教育課程を編成すること、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと」とも書かれています。いわば、「育ってほしい姿」が成果目標として設定され、これが教育課程の実践が評価の対象となるとのことですが、10の柱をどのように評価するというのでしょうか。見解をお聞きします。

2.伊丹市幼児教育ビジョンについて

 教育長は、平成30年度の教育基本方針の中で、「『保育・幼児教育の充実』については、本市における幼児教育の指針となる『伊丹市幼児教育ビジョン』を市全体で共有し、「伊丹市幼児教育カリキュラム」を通して、すべての子どもへの質の高い幼児教育を実現してまいります」と述べられました。

 この伊丹市幼児教育ビジョンは、推進計画にも書かれている通り、新幼稚園教育要領に示された「幼児期の終わりまでに育ってほしい子どもの姿」を見据えた、幼児教育理念等を定めるものとして位置づけられています。

 新たな幼児教育要領等は、先ほども述べととおり幼児教育に関して一定の転換を図るものとなっていることから、教育要領に基づくビジョンはどんなものになるのかと心配せざるを得ません。2回目までの議事録を見る限り、「育ってほしい姿」の10の柱について、評価の仕方に関する意見が出されていましたが、その内容にはあまり触れられていないように思われます。4回目の資料ではビジョン(案)に「幼児教育から小学校への接続」の項目がたてられ、参考資料として10の柱が出されています。

 そこで次の点をお聞きします。

1)伊丹らしい「質の高い幼児教育」として、ビジョンの中で何を基本理念とされようとしているのでしょうか。

2)4回目まで、幼児教育や保育の専門家や現場の職員、保護者等から伊丹らしい幼児教育のあり方に関して様々な意見が出されています。先ほど批判的な意見を言いましたが、その10の柱をはじめとした「小学校教育への接続」がどういう形で盛り込まれようとしているのでしょうか。

3)また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」の3つの資質・能力を一体的に育むものとされています。「教育」の視点からとらえたこれらの資質・能力を、養護と教育が一体となって展開する保育の中でどのように考えていくのでしょうか。

3.神津こども園からどんな教訓を引き出すか

 当局は、認定こども園をつくるにあたって、神津こども園の教訓を明確にすべきとの議員の問いに対して、毎年の学校評価によって明らかにして公表もしていること、保護者からのアンケートによるとおおむね良好な評価を得ていると答えておられます。一方、保護者が取り組んだアンケート「神津こども園『良い所(自慢できるところ)・イヤな所』調査結果」には、「良い所」とともに様々な課題があげられています。

 保護者が取り組んだアンケート調査の結果から、「良い所(自慢できるところ)・イヤな所」はどんなところなのか。その一部を紹介します。

○「良い所(自慢できるところ)」

・統合保育の充実。発達相談も他の施設に出向く必要がない。
・給食はすごく助かる。家で食べないものを園では食べてくれている。
・1号認定2号認定の子が一緒になり、よい刺激をもらって、子どもができることが増えた。
・5・4・3歳で、教室の解放感がある。自由な発想で好みの遊びを選んでいる。
・職員の数が多い。保健の先生も常にいてくれて、相談できる。先生同士がクラスに関係なく協力し合っている雰囲気を感じる。
(改善してほしいこと)
・文字の教育までは求めていないが、一斉に座るなどの教育はしたほうがいい。
・しいて言えば、5歳の就学前に字を書く練習をするなどしてほしい。

○「イヤな所」

・預かり保育の申請が早すぎる。
・統合保育にニコニコタイムと交流の場があるが、参加率が悪い。カルミアのように先生からのアドバイスがあればうれしい。
・働く親からすれば、参観日など親の参加行事が多すぎて参加できず、子どもがさびしがる。
・フルタイムで働く人への配慮をしてほしい(忘れ物を取りに帰る、懇談蟹の時間、PTA役員会が昼)。保育所に入れたかったと本気で後悔した。
・自由にしすぎ。カリキュラムも何もないのかなと思い、幼稚園と比べてしまう。
・保育園化してただ子どもを預かってもらっているという印象。公立幼稚園では竹馬、フラフープなどできるまでしっかり教えてくれたのに。
・行事が親参加型が多く、普通の生活の様子が見にくい。
1)以上の意見も踏まえて、今後の幼保連携型認定こども園に向けて教訓化すべき点についてお聞きします。
・1号認定と2・3号認定の子どもの生活時間が異なることに対して当所様々な不安が出されたが、不安は解消されているのかどうか。
・2・3号認定の子どもが午睡中に1号認定の子どものお迎えがあることの問題はないのか。
・1号認定の子どもが降園した後の保育の継続性はどう工夫されているのか。
・働いている保護者と働いていない保護者、それぞれへの対応に関して意見が出されているが、どのように克服されるのか(PTA活動の時間、懇談会の時間、参観日等)。
・幼児教育と保育の問題での1号認定と2・3号認定の保護者の認識の違いをどう克服するのか(特に1号認定の保護者)。
2)具体的な問題として改善しなければならないところ
・預かり保育の申請締め切りの問題が出されていますが、これは認定こども園に限らず、公立幼稚園における預かり保育にも関係しますので、改善策をお聞きします。

(2回目)

1.新幼稚園教育要領等について

1)今回の幼稚園教育要領等の改定の最大のポイントは、「小学校との接続の強化」にあると答弁。その中で新たに追加されたのが、質問でも述べた三つの資質・能力と10の柱。それがかなりハードルが高く、しかも評価の対象となることが問題と指摘しました。

 10の柱に関する答弁では、到達目標ではなく「方向性」として示されたものとされた。しかし、これらは教育要領では「幼児の幼稚園終了時の具体的な姿」と明記され、教師は指導を行う時に考慮するものとされている。

 10の柱等については、これだけハードルが高いものを示すわけで、様々な議論がなされた結果のもの。しかし、これらは幼稚園等の教育課程に直接影響を与えるものであることから、答弁で示された内容、すなわち教育課程で留意すべきことを、幼児教育ビジョンを介して教師や保護者に発信していくことが必要ではないかと考えるがいかがか。

2)評価に関しては、小学校以上で行われているような評価ではないにしても、5歳児までの子どもの発達は一律ではなく、子どもにどのような資質・能力が育っているかを保育者が見て取り、評価につなげていくことは大変困難なこと。具体的にどの様にされるのか。

3.神津こども園からどんな教訓を引き出すか

 神津こども園の保護者が取り組んだアンケートの紹介を含めて教訓とすべき点についてお聞きした。

 答弁の中で、検討するとされたこと①保護者の参観や懇談、PTA活動の日時のずれの問題 ②預かり保育の申請の問題 については研究・検討するとのことなので、よろしくお願いしておく。

 ところで、こども園として毎年自己評価を行っているとのことだが、これらの保護者の要望は問題とならなかったのか。

 また、アンケートを取っておられるが、あらかじめ園側が設定した項目でのABCDランクに印をつけることが主な内容になっているのではないか。自由記述欄はあると思うが、細かく要望が書き込めるような工夫が必要と考えるがいかがか。

(要望)

 神津こども園の教訓として、初めての認定こども園ということもあり、幼稚園教諭と保育所保育士、地域住民、保護者がこども園の在り方について、設備や保育内容について十分な議論がなされたこと。地域のまちづくりと一体となった取り組という特別な背景があったとはいえ、今後のこども園に生かすべきこと。

 自由保育を取り入れているが、今回の改定された教育要領でどうなるのか。

日本共産党伊丹市議団ニュース327号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース327号

2018年3月7日 日本共産党伊丹市議会議員団

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3月議会 本会議 個人質問

3月7日(水)10時45分~上原ひでき議員

1.改定された幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領について

1)小学校教育の基礎的(あるいは準備)段階という視点で抜本的に見直されたことに関する見解を伺う。

2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」という考慮すべき項目が設定されたことについての見解を伺う。
 ①「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の10の柱に対する認識。
 ②10の柱にもとづく教育課程の実践が評価の対象となるが、どう評価するのか。

2.伊丹市幼児教育ビジョンについて

1)何を基本理念とするのか。
2)10の柱をはじめとした「小学校教育への接続」がどういう形で盛り込まれようとされているのか。
3)教育要領での教育の視点からとらえられた「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、
人間性等」の3つの資質・能力は、養護と教育が一体となって展開する保育の中でどのように考えていくのか。

3.神津こども園からどんな教訓を引き出すか

保護者が取り組んだアンケート「神津こども園『良い所(自慢できるところ)・イヤな所』調査結果」に基づいて伺う。
1)今後の幼保連携型認定こども園に向けて教訓化すべき点について。
2)具体的な問題として改善しなければならないところ。

3月7日(水)15時~服部よしひろ議員

市民参加による「住みよいまち伊丹」創りについて
市民とつくる「住みよいまち・子育て一番の伊丹」とするには何が必要か?

1、就学前施設の再配置計画をめぐり、市民の声を今後どう生かしていくか

1)就学前施設再配置計画の実施においては「参画と協働」を基本理念に掲げる「伊丹市まちづくり基本条例」の精神を踏まえて
・市として市民の再配置計画への声を積極的に取り入れる用意があるか伺う
・また、再編施策への国の有利な財源はどう活用できるか伺う

2、公共施設再配置計画はこれで良いのか

1)社人研の人口減予測と市の人口ビジョンの関係を伺う
2)人口減社会でも住みやすいまちをめざすべきと考えるが、見解を伺う

3月8日(木)15時45分~ひさ村真知子議員

1、子ども食堂の現状と今後の方向は

①「子ども食堂」2ヵ所の現状と、利用者、子ども、関係者の意見はどうか。
②伊丹市としての子ども食堂への支援について。 
③子供たちが抱える様々な問題の把握、その解決のための対策について。

2、伊丹市の平和施策に関して

①戦争の体験者は少なくなっているが、伊丹での戦争の被害状況などの
継承はどのようにするのか。
②戦争を知らない世代に、出前講座などで戦争体験語り部の活用について。

3、男女共同参画施策、市民オンブード報告から

①シティプロモーション動画について。
②目標が達成できていない施策は。

日本共産党伊丹市議団ニュース326号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース326号

2018年3月5日 日本共産党伊丹市議会議員団

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3月議会が始まっています
 2017年度補正予算案と2018年度当初予算案を審議する3月市議会は2月

20日~3月26日の会期で開催されています。
 2月26日には市長所信表明演説が行われました。
 3月5日、6日はそれに対する代表質問が行われます。

3月6日(火)10時~本会議 代表質問
かしば優美議員が代表質問します。

1、市長の情勢認識について

(1)「全世代型の社会保障」という名の福祉切り捨て政治ストップを
(2)原発問題―再稼働中止、原発ゼロの決断を政府にせまること

2、市税収入の内容、基金をめぐる議論について

(1)景気の動向と個人・法人市民税への影響に関して
(2)自治体の基金増加が「標的」に

3、国民健康保険事業について

(1)財政調整基金、2017年度決算剰余金、賦課限度額見直しによる財源を活用し保険税の引き下げを
(2)一般会計から国保会計への繰り入れに関する考え方について
(3)子どもの均等割の減免を  ―全国知事会も子育て支援の観点から国に要請

4、介護保険事業について

(1)第7期事業計画で設定されている保険料―引き上げ幅の抑制について
(2)特別養護老人ホ-ム等の基盤整備に関して
(3)総合事業、地域支援事業
  ①基準緩和通所型サ-ビスの開始にあたって
  ②介護予防―“社会参加と生きがいづくり”に重点をシフトするとは?

5、子ども子育て支援について

(1)幼児教育推進に向けて大事な点
 ①当局、保護者、地域住民等の協議の場をどのように設定するのか
 ②その場合丁寧な説明を行うことはもちろん、従来の案・計画に固執しないこと(2)支援計画の<中間見直し>― 特に放課後児童くらぶについて.

6、学校教育について

(1)生活保護基準の引き下げと就学援助に関する考え方
(2)学校における働き方改革について

  ①本市の教員の時間外勤務の実態と分析
  ②深刻な教員の長時間労働に対する改善に向けて
  ③文部科学省の「緊急対策」と本市の対応

7、住生活基本計画(案)について

(1)「新たな住宅セ-フティネット制度」の評価は?
(2)市営住宅の整備に関する基本方針について

8、都市計画道路山田・伊丹線について
   ―事前評価業務及び詳細設計業務費の当初予算計上に関して

 

日本共産党伊丹市議団ニュース323号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース323号

2018年1月20日 日本共産党伊丹市議会議員団

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【1面】

1月臨時議会 1月22日(月)10時~

幼児教育推進計画(見直し案)
議案審議 党議員団全員が質疑に立つ

上原議員 1月22日(月)10時~

議案第2号 伊丹市幼児教育の推進に関する条例の制定について

1)第1条(目的)、第3条(基本方針)、第10条(幼稚園における教育環境の整備)での、「質の高い幼児教育」とは何か。
2)第6条(保護者の役割)「愛情をもって子に対する幼児期の教育に努める」とは何か。
3)第7条(地域住民等の役割)で、地域住民は、保護者及び就学前教育施設と連携、協働するとされていることについて。
4)第9条(幼児教育の推進のための拠点園の整備)での、拠点園はなぜ必要なのか。
5)子どもの権利条約についての記述がないのはなぜか。

議案第5号 伊丹市立幼保連携型認定こども園条例等の一部を改正する条例の制定について

1) 12月議会で議決された「幼児教育の施策に関する請願書」に関し、当局は誠実に実行したのか。
2)認定こども園の整備に関する神津こども園の教訓とは何か。
3)閉園とする幼稚園の選定方法とブロック制について問う。
4)南部こども園について、公募型プロポーザル実施要領の公示と女性・児童センターのあり方に関する協議について問う。

1月臨時市議会日程(全て午前10時開始)

月/日  本会議 委員会  備考
1/17(水)  召集日 議案の提案説明
1/22(月) 第2日 補正予算質疑 常任委員会付託
1/26(金)  (予備)
1/30(火) 付託議案・請願審査 総務政策常任委員会
1/31(水)  同上 文教福祉常任委員会
2/ 1 (木)  同上 都市企業常任委員会
2/ 5(月)  (予備)
2/ 9(金)  最終日 報告・議決

市議会はネットで視聴できます⇒市議会インターネット中継

【2面】

かしば議員 1月22日(月)10時45分~

議案第2号 伊丹市幼児教育の推進に関する条例の制定について
議案第5号 伊丹市立幼保連携型認定こども園条例等の一部を改正する条例の制定について

1、公立幼稚園及び認定こども園3歳児の定員について
(1)私立幼稚園との関係
(2)定員225名を超えた場合の対応について

2、認定こども園の整備
(1)こども園の人数規模について
(2)南西部こども園の定員見直しと施設規模について

3、土地の売却計画と跡地の活用に関して

服部議員 1月22日(月)15時~

議案第5号 伊丹市立幼保連携型認定こども園条例等の一部を改正する条例の制定について

1、民間保育所を公立保育所建設より優先して取り組む理由はなにか

2、1月15日付け市広報折込特集号の内容に関し、公立保育所の扱いについて

3、南小校区における公立幼稚園、公立保育所の配置に関して
①南小校区の保幼小地域連携はどうなるのか
②市域最南端の柏木町からの仮南部こども園への通園について
③「住みたいまち伊丹」とするために必要なことは

4、有岡小校区の公立幼稚園配置に関し
①ありおか分園の定員と伊丹幼稚園の定員の関係について
②ありおか幼稚園の優れた教育実践の継承は分園でどこまで可能か支障はないか
③分園となる事によるありおか園児の環境的教育リスク発生の危惧
④ありおか分園計画に対する伊丹幼稚園の保護者の受け止めはどうか

ひさ村議員 1月26日(金)10時45分~(議事進行により22日となる可能性あり)

議案第4号  伊丹市共同利用施設等条例の一部を改正する条例の制定について

1)共同利用施設の果たしてきた役割についての認識は
①地域の人の交流する場がなくなることは、地域のコミュニティに
どのような影響があると認識するのか

2)西センター利用者に対してどのように対応するのか
①利用者に対してセンター廃止の説明会は行うのか
②例会等で使用している団体に対して、今後どのように活動を保障するのか
③地域の状況から見て、センターの代わりになる施設の要望が出ると思うが、代替施設は考えているのか
④高齢者が多くなるなか、自治会活動も歩いて行ける近くの施設があってこそ活発にできるのではないか

日本共産党伊丹市議団ニュース322号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース322号

2018年1月17日 日本共産党伊丹市議会議員団

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【1面】

1月臨時議会開催!

1月17日(本日)10時~2月9日まで

幼児教育推進計画(見直し案)審議

伊丹市は、12月議会で提出できなかった「幼児教育推進計画(案)」を1月臨時市議会に提案してきました。

 この計画は伊丹市の優れた教育施策「1小学校区1幼稚園」を廃止し、公立幼稚園を16園⇒5園(+1分園+3認定こども園)とし、公立保育所3か所を廃止統合する、という大改編をわずか数か月で強行しようとするもので、関係者や地域から猛反発が巻き起こりました(詳細既報)。

12月議会で「見直し」求める請願を採択!

 12月議会では、保護者の団体から提出された「計画見直しと市民レベルでの熟議を求める」内容の請願が15対10で採択されたのにもかかわらず、伊丹市は12月議会終了後わずか3日後の12月25日に「見直し案」を議会に提出。その内容を1月15日付の市広報紙に折込み、全戸配布しました。

伊丹市の「説明会」不十分な説明に終始。市民から抗議の声

 1月13日(土)、市はいたみホールで市民向け「説明会」を実施。参加者の質問時間を十分に保障せず、質問にも的確な答弁ができず、多くの質問者の手が上がっているのを無視し、強引に終了。参加者から強い抗議の声が上がりました。伊丹市は大きな汚点を残す結果となりました。

1月臨時市議会に多数の請願寄せられる

 今日から始まった臨時市議会には、すでに7件の請願が寄せられています。

 内容は、地域の公立幼稚園・保育所の存続を求めるものから「市と特定団体との協定の内容の公開」を求めるものまで多彩です。

 どれも市民の切実な要求が込められた請願であり、党議員団はすべての請願の紹介議員となり、採択に向け全力をあげます。また、他会派との協議を深め、市民の思いを実現できる結果を引き出すべく全力で臨みます。

1月臨時市議会日程(全て午前10時開始)

月/日 本会議 委員会 備考
1/17(水) 召集日 議案の提案説明
1/22(月) 第2日 補正予算質疑 常任委員会付託
1/26(金) (予備)
1/30(火) 付託議案・請願審査 総務政策常任委員会
1/31(水) 文教福祉常任委員会
2/1(木) 都市企業常任委員会
2/5(月) (予備)
2/9(金) 最終日 報告・議決

市議会はネットで視聴できます⇒市議会インターネット中継

【2面】

今日までに提出された請願(提出者 請願項目)

稲野小学校地区社会福祉協議会役員会

 伊丹市に対し、伊丹市立稲野幼稚園について、保護者や地域の住民、幼稚園教諭等の専門職の皆さんと話し合う場と時間を与えていただくことを求めます。

女性児童センター登録団体 朗読アゼリア

 地域住民が育ててきた環境を守り、市民の大切な財産である公立幼稚園・保育所などの土地を安易に売却することなく、子育て・教育や地域活性化等に活用できるよう検討すること。

伊丹市の幼児教育を考える親の会

1. 廃園になる幼稚園の跡地を安易に売却せず、地域のこども達が活用できる場とすること
2. 特別支援教育を必要とする子どもが、今までのような教育を受けられるようにすること。

伊丹市立こばと保育所現役・OBOG保護者有志一同(賛同:南小各自治会)

1. Aブロック南部地域の保育所の充実
 Aブロック南部地域については、公立保育所が必要であり、稲野公園運動施設を活用するなどした公立保育所の整備することを求めます。
2. 市立こばと保育所在園児への配慮
 現在のこばと保育所在園児について、希望する世帯が卒業するまでこばと保育所に在園できることを求めます。

伊丹市の子どもの未来を考える会

 公立幼稚園の跡地はこれからの子どもたちのために利活用していただくことを求めます。

伊丹市の子どもの未来を考える会

 幼児教育の施策に関して情報を全て公開し、情報の透明性を図ることを求めます。

緑、天神川、せつよう、はなさと、鈴原各幼稚園保護者有志一同

 本計画の廃園予定の園について、伊丹市立緑幼稚園、伊丹市立天神川幼稚園、伊丹市立せつよう幼稚園、伊丹市立はなさと幼稚園、伊丹市立すずはら幼稚園、伊丹市立稲野幼稚園などの各幼稚園について、保護者・地域住民等の方々と意見交換を行う機会を設けていただくことを求めます。

お知らせ

憲法9条まもれ3千万署名学習会

1月20日(土)午後2時~
伊丹ホール3階大会議室
講師:小林明男氏 (日本共産党兵庫県委員会常任委員)

日本共産党新春のつどい

1月28日(日)午後2時~
スワンホール3階大ホール
ゲスト:堀内照文前衆院議員
あいさつ:桜井シュウ衆院議員
参加費無料。喫茶、「譲ってね」コーナーあり

日本共産党伊丹市議団ニュース321号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース321号

2018年1月1日 日本共産党伊丹市議会議員団

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【1面】

市民のくらし・福祉をまもり希望ある年に

 新年あけましておめでとうございます。

 市民のみなさんには、お健やかに新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

 昨年は夏に兵庫知事選、10月に衆院選が行われた中、みなさんの日本共産党へのご支援に心から感謝申し上げます。

 総選挙で日本共産党は21議席から12議席へと後退する結果となりましたが、次の国政選挙では捲土重来をはたす決意です。同時に日本共産党は、市民と野党の共闘の成功を大方針にすえて奮闘。その中で立憲民主党と市民と野党の共闘勢力が全体として大きく議席を増やしたことは大きな喜びです。

 また、「核兵器禁止条約」が国連で採択され、ノーベル平和賞に核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が選ばれるなど、核兵器廃絶へ大きく前進しました。米国に追従し、核抑止力論に固執する安倍政権の異常さが際立ちました。

 今年は憲法改悪阻止、消費税増税ストップなど各分野の国民運動をいっそう前進させるべき年となります。特に憲法について安倍首相は、今年の通常国会にも憲法改定の国会発議を行おうとしているだけに、9条改定案の国会での発議を絶対に許さない一点で揺るぎない国民的多数派をつくりあげましょう。

 伊丹では幼稚園・保育所統廃合計画の見直しなど市民の願い実現に向け全力で取り組む決意です。

 今後も変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。

2018年1月

  日本共産党伊丹市議会議員団 かしば 優美
                上原 ひでき
                ひさ村真知子
                服部よしひろ

12月定例市議会

党議員団が一貫して要望していた子育て支援策が前進!

◎子ども医療費助成が拡大

 党議員団は、子ども医療費は中学卒業まで無料にすることを要求してきましたが、
このたび下記の通り、医療費助成が一歩前進することになりました。

○小学1年生~小学3年生までの通院医療費(同一医療機関につき)
 【自己負担3割、800円/日(月2回)上限】⇒【自己負担2割、800円/日(月2回)上限】

○小学4年生~中学3年生までの通院医療費(同一医療機関につき)
 【自己負担2割】 【自己負担2割、800円/日(月2回)上限】

 この助成拡大により、年間約5,800万円の費用で、
一人当たり3,800円が軽減されることになります。

◎就学援助(新入学児童生徒学用品費)の入学前支給が実現

 党議員団が、本会議・委員会で再三にわたって実現を求めていた就学援助における入学準備費が、入学後の5月支給から入学前の2月末に支給されることになりました。
 入学準備費は、昨年度の改正で、小学生で40,600円、中学生で47,400円にそれぞれ約2万円引き上げられましたが、「経済的に苦しい世帯がランドセル等多くの費用を立て替えるのは大変」という市民の声を代弁して要求してきた成果です。

1月臨時市議会招集!

 市は、12月議会で「幼児教育推進計画の見直し」を求める市民の請願が採択されたのを受け、1月臨時議会を招集し、「推進計画」議案を提案する予定です。

 会期は1月17日~2月9日の予定です。

 共産党議員団は、請願が求める「歩いて通える身近な保育所・幼稚園」「市民と市の協働によるまちづくり」をめざして全力で奮闘する決意です。

 市議会はネットで視聴できます⇒市議会インターネット中継

【2面】

市、「幼児教育推進計画(案)の見直しを求める請願」の採択を受け「見直し案」を提出

8月に発表された「幼児教育推進計画(案)」からの変更点

1、 現存公立幼稚園を認定こども園化する園を含め9園とする
⇒ありおか幼稚園を伊丹幼稚園ありおか分園として存続

2、 存続する全公立幼稚園で3歳児保育を実施

3、 2018年4月から幼児教育部分の「全額」を無償化
これには認可外保育施設や市外の就学前施設利用も含める

4、 新築する公立認定こども園の園名を公募する

5、 南部こども園(こばと)の定員を20名増やし295名に
南西部こども園(ささはら)の定員を20名減らし265名に

計画外での検討事項

稲野公園(つかしん北側)に民間認可保育所(60~90名)を誘致

皆さんのご意見をお聞かせください

 安倍政権は今年10月に「幼児教育の無償化」計画を打ち出し、3年後には全額無償化すると表明しました。これを受けて市は来年度から「全額無償化」を実施するとしました。無償化財源は3年後には政府から出ることになります。

 市は無償化の実施には統廃合により不要となった公立幼稚園の用地売却が必須と言っていました。国が無償化するので、「幼児教育無償化」と「就学前施設再編計画」は切り離して議論すべきです。今回「ありおか幼稚園」を「存続する」と変更しましたが、通園困難は多少の差はあれどの園も同じではないでしょうか。

 市は「市民には十分説明した」と言いますが、計画推進を前提とした「説明」をいくら重ねても市民の納得は得られません。求められているのは地元・地域の市民との双方向の対話と参画の保障なのではないでしょうか。

12月定例市議会

12月議会での党議員団の議会質問(要旨)を紹介します

かしば優美議員 

1、国民健康保険都道府県化に向けて①財政調整基金8億円や法定外繰り入れを活用し保険税の引き下げと多子世帯の軽減を求めました。

2、生産緑地法改正に関連して生産農地を守る方策を質しました。

上原ひでき議員 

1.「改正」介護保険(第7期計画)で市民への影響を質しました。

2.小学校において来年から始まる道徳の教科化について質しました。
①教育委員会が選択した教科書はどんな特徴があるのか
②どんな道徳教育をされようとしているのか
③小学校⇒中学校⇒高等学校とつなぐ「主権者教育」をどうするのか
④評価の基準はどうするのか

ひさ村真知子議員  

1、 青少年健全育成のため伊丹市でもコンビニでの成人誌の取り扱い中止を求めました

2、 障がい者のグループホームへの入居の現状と地域との交流、自立した生活への手立てを質しました

3、「熱血!伊丹健康づくり応援団」の取り組みに関して質しました

服部よしひろ議員

1、伊丹市就学前施設再編計画(案)に関し、市民参画での計画見直しと「就学前施設再編計画」と「幼児教育無償化計画」を切り離して論議すべきと追求しました。

2、女性・児童センター関係施設の今後の展開については“再配置計画優先でなく市民とのワークショップで検討を求めました。

3、伊丹市の歴史遺産の再発掘と史跡を生かした魅力あるまちづくりについて質しました。

幼児教育推進計画(案)見直しを求める請願
中学校3年まで35人学級実現を県に求める請願
本会議で採択!!

都市計画道路・山田伊丹線昆陽泉町工区整備事業に
付帯決議を採択

 都市計画道路・山田伊丹線昆陽泉町工区の整備に関して、道路が通過する地域では賛否両論があります。市は「住民のみなさんに今後真摯に対応していきたい」と言いながら本格的な説明会、要望聴取の場を設けたのは1回程度です。党議員団は、住民との「基本的合意」がない状態で、整備事業推進の第一歩となる予算を計上することは、当該地域にいっそうの混乱を持ち込むことになると反対してきました。

○付帯決議の内容(12/14.総務政策常任委員会で全会派一致)

 都市計画道路山田伊丹線整備事業において、下記の事項を求める。

1、拙速に事業を進めることなく、地元住民に対して十分な説明を行うこと

2、権利者には個々の状況に応じて丁寧に相談にのり、納得をえること。

2017年12月議会 上原秀樹:請願「消費税増税中止」「35人学級」「幼児教育」「北部学習センター・図書館北分館の指定管理者」賛成討論

請願第6号「消費税10%への増税中止を求める意見書」提出を求める請願、第7号【小学校5年生から中学校3年生まで、当面35人学級実現】を県に要望することを求める請願書、第8号幼児教育の施策に関する請願書に対する賛成討論

日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 議長の発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、議題となりました請願第6号から8号まで、賛成の立場から意見を述べます。

消費税の増税中止

 初めに、請願第6号「消費税10%への増税中止を求める意見書」提出を求める請願についてです。本請願は、安倍内閣の下での「アベノミクス」という経済政策によって格差と貧困が広がる中、消費税10%増税中止を求める意見書を政府に提出することを求めています。

  消費税創設以来28年間、この間の消費税の税収は327兆円にのぼりますが、ほぼ同じ時期に法人税3税は270兆円、所得税・住民税も261兆円も減っています。消費税増税による消費不況によって税収が落ち込んだことに加え、大企業、富裕層への減税が繰り返されているからです。今回も10%増税とともに、大企業への減税がセットで考えられています。「社会保障財源と言えば消費税」「財政健全化といえば消費税」という消費税頼みのやり方では、この失敗を繰り返すだけで、一層の格差と貧困を広げるだけです。

 したがって社会保障の拡充や財政危機打開に必要な財源は、請願趣旨にある通り、税金の集め方、使い方を切り替え、「消費税にたよらない別の道」で確保する必要があります。日本共産党は、具体的には次の二つの改革を提案しています。

 第一には、富裕層や大企業への優遇をあらため、「能力に応じた負担」の原則をつらぬく税制改革をすすめることです。

 本来、所得税は累進課税が基本のはずが、実際には所得が1億円程度を超えると逆に負担率が下がり、法人税も、実質負担率が中小企業は平均20%、大企業は平均12%と、いちじるしい不平等になっています。これは富裕層や大企業には、さまざまな優遇税制が適用されているからです。こうした不公平税制をあらため、「能力に応じた負担」の原則に立って、「税金の集め方」を抜本的に改革すれば、公共事業や軍事費などの歳出の浪費をなくすこととあわせて、20兆円以上の財源を確保できます。

第二に、大企業の内部留保の一部を活用し、国民の所得を増やす経済改革で、税収を増やすことです。

 この間の国民のくらしは、1997年をピ-クに国民の所得は減り続け、働く人の非正規社員が40%を超え、労働者の平均年収は減少し続けています。「アベノミクス」という経済対策によって、この5年間で実質賃金は年間10万円も減少し、一世帯の家計消費も年間22万円も落ち込みました。一方大企業の内部留保は5年間で約70兆円増加し400兆円を超えています。このように、GDPの6割を占める個人消費が連続してマイナスの状況では、安定した経済成長は実現せず、税収増も見込めません。大企業と株主優先の「アベノミクス」と消費税大増税路線を改め、国民の所得を増やす経済改革をすすめることが大事だと考えます。

 よって、請願の含意は妥当であり賛成するものです。

35人学級実現

 次に請願第7号【小学校5年生から中学校3年生まで、当面35人学級実現】を県に要望することを求める請願書についてです。本請願書は、先ほどの意見書案第6号「小学校5年生から中学校3年生まで、当面35人学級実現を求める意見書(案)」と同趣旨であり、党議員団が行った同意見書案に対する賛成討論と変わるところはありませんので、討論は省略し、賛成の意見に変えます。

幼児教育の施策に関する請願

 次に請願第8号幼児教育の施策に関する請願書についてです。本請願書は、伊丹市が8月に(仮称)幼児教育推進計画(案)を発表して以降、1,841人の参加のもとで73回の説明会を行ってきたにもかかわらず、市民への周知活動も不十分で、情報共有がなされていないという認識が示されています。その上に立って、請願は、伊丹市の幼児教育施策を「幼児教育の観点」「まちづくりの観点」「子ども子育て支援計画と整合性を取った形」で、今一度慎重に審議してほしいこと、また、保護者は、これまでの通園距離を大きく変えない範囲で幼稚園、保育所、認定こども園に通わせたいという願いのもとに、市民参加による見直しと小学校区ごとの丁寧な説明を求めているものです。

 今まで、その時々の保護者と地域住民にとって小学校の隣に公立幼稚園が存続していることが当然のことであり、幼稚園の存在は地域のまちづくりに大きな貢献をしてきました。その幼稚園が消えてなくなることは、保護者にとっても地域にとっても一大事であることは言うまでもありません。その時当局と住民はどう対応するのか。過去の教訓を生かす必要があります。

 2010年(平成22年)9月の「今後の幼児教育のあり方について」の学校教育審議会答申は、すずはら幼稚園と神津幼稚園を認定こども園とすることが望ましいとし、同時に「認定こども園等就学前児童施設整備計画(案)」を発表しています。その計画案では、神津は公立幼稚園と保育所を、認定こども園制度を活用した施設に2013年度から移行する、鈴原はすずはら幼稚園施設を活用して民間による認定こども園を2014年度に整備するというものでした。この計画案に対するパブリックコメントでは、「計画の進め方が性急ではないか」「公立幼稚園をなくさないでほしい」「一校区一園制をなぜなくすのか」「認定こども園に反対」など、1,270人から意見が寄せられ、鈴原地域では、計画の白紙撤回を求める署名が同年12月に21,180人から寄せられる事態となりました。

 神津地域では、2011年(平成23年)4月から神津まちづくり協議会が開催され、意見交換会を9回、視察2回、要望書1回の提出が行われ、神津幼稚園保護者との意見交換会が3回、神津保育所保護者との意見交換会も4回開催され、2012年1月までの10か月間に及ぶ話し合いがもたれて、認定こども園の基本設計に生かされています。

 反対が多かった鈴原地域では、2010年9月に整備計画案が公表されて以降11月まで約3か月間、PTAや地区社協、保護者等に対する説明会・懇談会が14回開催されながらも、21,000名を超える白紙撤回を求める署名が提出されました。そしてその4か月後、2011年3月に、地域住民と幼稚園PTA、市職員による「すずはら就学前児童施設研究会」を発足させ、1年間にわたって協議をすることにしました。そして、開催ごとにニュース発行とその回覧および掲示板への掲示、住民がいつでも資料が閲覧できるようにゆうかりセンター等に資料を備え付けることにしました。そして、12回に及ぶ「研究会」の結果、伊丹市は、地域や保護者の理解を得られないまま、現行の整備計画を強引に進めないとして、整備計画を中断するに至りました。11月に提出され、12月の文教福祉常任委員協議会で報告された研究会による「研究結果について」の文書の中で、市への要望が書かれています。それは、①研究会として協働して研究を行ってきたが、このような市民参画の制度については今後の市民参画の一手法として取り入れていただきたい、②今後、アンケートの実施等により当事者のニーズ把握に努めることの2点を求めています。さらに、地域と幼稚園との関わりに関しては、鈴原での取り組みを、今後地域とのかかわりを考える際のモデルケースとしていただきたいとも書かれています。

 今回の計画に対して、現在まで十分関係者や市民から理解が得られない理由は、①2014年6月の学校教育審議会答申以来2年間に及ぶ「市民講座」等を行ってきて十分議論がなされているといわれますが、今回の計画があまりにも想定外で大規模な統廃合計画であったこと、②また幼保一元化施設はすでに2010年の答申で方向性が出されているとされるが、鈴原で中断せざるを得ない事態が生じたことで、当時の答申と市民の認識が一致していなかったことと6年間も経過していること、③さらに、当局が73回の説明会を開催して1,841人が参加したことで十分説明がなされたとされていますが、鈴原の「研究会」が指摘している市民の参画と協働による議論になっていなかったことなどによるものと考えるものです。6年前の鈴原の教訓が生かされていないということが問題なのです。

 したがって、本請願書が市民参加による見直しと小学校区ごとの丁寧な説明を求めていることは、神津、鈴原における今までの経過から見て、請願者の含意は妥当と考えます。なお、改めて市民の参画と協働による議論と見直しがなされることを強く求めて、賛成の立場からの討論とします。

2017年12月議会 服部好廣:一般質問「幼児教育推進計画」(案) 介護保険 伝統的建造物群保存地区

2017年12月議会 一般質問

日本共産党議員団 服部好廣

 みなさん、おはようございます。

 わたくしは、通告に従い、日本共産党議員団を代表して質問をいたします。

【1】

1番目の質問は、「幼児教育推進計画」(案)に関連してです。

「伊丹市幼児教育の充実に関するパブリックコメントは9月19日から10月31日の間実施され、873名の方から貴重な意見が寄せられました。今回市が行った幼児教育推進計画の発表が市民に与えた衝撃の大きさが想像できます。

 この市民公募意見に対して市は意見を分類整理して「405件の意見が寄せられた」と発表しています。

【1-1】 873名の市民の意見が405件とされた意味をまず、伺いたいと思います。

 そして、これら405件のご意見に対して市は回答をそれぞれ作成し、公表していますが、 その方法は「伊丹市パブリックコメント制度指針」第4条2項に基づき行われるとされ、

(1) 所管課の窓口、まちづくり推進課、各支所・分室、消費生活センター、市民まちづくりプラザ、図書館本館、人権啓発センター、行政資料コーナーへの備付け
(2) 市のホームページへの登載
となっています。

 この、公表の方法について、パブリックコメント応募者へはどのように周知されているでしょうかお尋ねします。
 寄せられた意見はすべて住所氏名その他個人が特定できる情報が付いておりますが、応募された各市民に対してお知らせされているのでしょうか。お尋ねします。

 意見提出者873名のうち741名の方が文書で提出されておりますが、ホームページではわかる情報が伝わっているのでしょうか。また、ホームページ上では「案件が閲覧できる場所」という箇所で4条2項の各窓口が案内されていますが、回答がこの場所に設置され閲覧に供されることは案内されていません。
 これらの方法で、市民や意見応募者の皆さんに市の回答が周知されているとは到底思えないと思いますが、市の見解を伺います。

【1-2】「幼児教育推進計画案」に関する二つ目の質問です。

 市は、パブリックコメントなどの市民意見や2万2千筆を超える市民の署名を添えた要望書を受けて、当初の計画の見直しを実施中で、一連の関係条例案の12月議会への提出を断念し、年明け早々に議会に提出すると発表しました。

 今回の幼児教育推進計画(案)は7月26日の委員協議会提案から4か月以上経過している今日でさえいまだに計画そのものをご存じない市民が多数いる状況が一方であります。

 「幼児教育推進計画」について我が党議員団は発表後直ちに市議会報告を作成し市内全戸に配布し内容をお知らせしアンケートで意見を募集しました。市民の自発的な署名活動も展開され、市や自治会等による各種の説明会も実施されました。市の広報やホームページでも公報されましたので一定程度周知されたのではないかと思っていたのですが、11月末に市民団体の皆さんが駅頭で署名を集めていると「子育て世代」や「これから子育て世代」の方が何人も「初めて知った。新聞は購読していないし、自治会にも入っていない。市の広報は目を通していない。たいへんだ」という反応だった。と聞きました。

 このように計画そのものをまだご存じない市民はどの程度存在するとお考えでしょうか。
 先に述べましたように、7月26日の文教福祉常任委員協議会で提案された計画が、あれだけの取り組みをしても4か月たっても多くの市民に周知できていない状況で、わずか数日でどれだけの市民に周知できるとお考えでしょうか。当局の皆さんは「市民への丁寧な説明を実施する」と繰り返し述べていますが、12月22日に議会が終了したのち、年末年始のあわただしい時期を経て、年明け早々の議案発表です。まったく時間的余裕のないこの時期に市民への「丁寧な説明」を含む周知の方法をお示しください。

 市長にこれだけ短期間に2万2千筆を超える署名が提出されたということは市民生活や子育てにとって重大な影響が生じる恐れがあると多くの市民が感じられているからと思います。
これだけ市民生活に大きな影響を与える計画にもかかわらず、このように性急な手続きを行うことは到底容認できませんが、あくまでもこの計画を予定通り推進するお考えかお聞きします。

 市民への周知の問題で、「伊丹市パブリックコメント制度指針」第7条4項に「政策等の案を修正したときは、実施機関はその修正内容も併せて公表するものとする」とありますが、今回の修正案というのはこの項目に該当するのではありませんか。その場合、現在公表されているパブリックコメント「回答」は修正が反映されておらず不適切となるのではないでしょうか。また「併せて公表」への対応はどうするおつもりですか。見解を伺います。

【1-3】「幼児教育推進計画(案)に関する3つ目の質問です。

 市民意見公募では「幼児教育無償化」に対しては賛否が分かれていますが、「就学前施設再編計画」に対しては圧倒的に反対意見が多く、また個別具体的な要求も多く寄せられています。市長マニフェストで表明されているのも「幼児教育無償化」であり、幼児教育の充実のために再編が必要との認識にはまだ市民の賛同は得られていないと思います。どうしても「幼児教育の無償化」を国に先駆けて実施しようとするなら別途財源の調整を行い「施設再編計画」は切り離し、さらに論議を深めるべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

【2】

 次に、女性児童センターの再配置計画についてお聞きします。

 「就学前施設再編計画」に関連して女性児童センター内施設の再編計画が11月28日の都市企業常任委員協議会に提案されました。提案は具体的ではなく、今後時間をかけて当事者や利用者、市民の意見をお聞きして具体化するとのお考えかと思いますが、現時点でのスケジュールと計画につきお聞きします。

 女性児童センター内には児童館やグラウンド、幼児向けプールが配置され、長年多くの市民に利用され親しまれています。特にグラウンドやプールの利用率は非常に高く、この機能を維持するには現地での再配置新設が何より求められているところです。幼児教育推進計画への市民意見でも多くの意見がこの施設に関連して寄せられています。

 現在は「就学前施設再編計画」に基づく(仮称)こばと認定こども園の設置場所として白羽の矢が立ち、利用者の市民から不安の声が上がっています。

 女性センターの「機能移転」問題も絡んでおり、慎重な対応が求められると思いますが、まずは、市民の主体的な取り組みが優先されるべきと考えます。したがって市民による「ワークショップ」を立ち上げ、検討をゆだねるべきと考えますが見解を伺います。

【3】

 最後に、伊丹市の歴史遺産と伝統的建造物群保存地区に関してお聞きします。

 文化庁は伝統的建造物群保存地区制度を制定し、地域に根差した文化財保護と地域の活性化を図っています。伊丹市内には旧御願塚村のように現在も江戸時代の村落の名残を残す地域が現存しています。また、御願塚古墳を中心とした陪塚古墳群も存在します。有岡城跡も総構えの城跡の名残が現存します。さらにその地下には大型の古墳群が存在することが知られていますが、これらの歴史遺産は現在どのように記録や管理がされているのでしょうか。

 御願塚を中心として南小学区では御願塚史跡保存会が活動し、史跡の保存と同時に史跡を生かした地域づくりに取り組んでいます。

 例えば、御願塚古墳の整備維持管理にとどまらない「つつじの植樹」活動や、古代米の作付け・刈り取りを地域の農家に指導を依頼し、史跡保存会が子供会と連携して取り組むなどが行われ、地域の史跡が現在の住人や後継者に身近な存在として日常生活に根付いていく活動が取り組まれています。

 こうした地域おこしの先進事例は「大宰府市民遺産」の取り組みにも見られます。

 伊丹には御願塚古墳群以外にも有岡古墳群もありましたが、現存するのは鵯塚古墳のみで、それも民有地の中にあり、市民や訪問者が気軽に見学できる状況ではありません。

 旧西国街道には、解説や地図が添えられた統一した案内板が随所に設けられていますが、旧村落や古墳群にはそのような見やすい表示がありません。主要な鉄道駅前に周辺の歴史遺物の存在を示す案内板や地図が設置されたら、またVRによる視覚化も考えられ、市民や訪問者に伊丹の魅力をさらにアピールする効果を発揮するものと思われます。

 現存する史跡や遺跡を保存・顕彰し、存在を広く知らせ市民とともに現在に生かす取り組みを行うべきと考えますが、市の見解を伺います。

 以上で、1回目の質問を終わります。

 当局のご答弁をよろしくお願いいたします。

【2回目】

2回目は再度の質問と要望といたします。

まず、「幼児教育推進計画」の見直しに関してです。
答弁では、市民へのパブリックコメント回答は「伊丹市パブリックコメント制度指針」に基づき行われているとのことです。

 しかしながら、市民の側からすると、この方法では周知できないのではないか?との意見が出ていることも事実です。そのことについて再度お伺いします。

 答弁では70回の説明会で延べ1800名の市民に説明し、さらに「これまでにない手法を用いて」就学前のお子様をお持ちのご家庭に焦点を当てた周知を図りたいとされました。それは具体的にどのような方法を指しているのでしょうか。また、今はまさにその原案を修正した案を練り上げている真っ最中であり、一日も早く原案を周知しなければならない時期と思いますが、「考えております」では遅いのではありませんか。この点についてご答弁をお願いします。

 パブコメの以前から「多くの市民から期待の声を頂いている。」との答弁ですが、「特に3歳児保育・預かり保育・プレ保育など新たな取り組みへの期待」は「就学前施設再編計画」を前提にしたものではなく、2年間18回実施してきた「幼児教育の在り方を考える市民講座」の席上、もっぱら「公立幼稚園の入園者激減」という事態の打開策として、また魅力ある公立幼稚園の在り方を考える中で、市民・保護者の強い要望として出されてきた意見にほかなりません。ところが、答弁では、当局は保護者の皆さんの「今ある園をなくさないでほしい」という思いと、就園前保護者の意見が対立しているように受け取っているように思えるのですが、「歩いて通える身近な公立幼稚園を残してほしい」という思いは就園児、未就園児の保護者に共通した強い思いであり、その思いを素直に受け取ってもらいたいと思います。

 何よりも市民の皆さんが違和感を持たれているのは、2年間かけて市民講座で丁寧に説明してきた「学教審答申」に対して、7月26日に提案された「再編計画」が大きくかけ離れて、広範な幼稚園の廃園と公立保育所の移転を伴っていたことにあるのではありませんか。2年間かけて市民の納得と合意を形成するために努力してきたのに、また、鈴原、神津のように地域住民との合意を積み上げてきた実績を持っているにもかかわらず、わずか数か月で計画を押し通すことは許されることではありません。

 今、市長には2万2千筆もの請願署名が提出されています。その請願項目をご覧ください。

「伊丹市幼児教育推進計画(案)」への請願項目

1、 市民参加が不十分なままに計画を策定するのではなく、地域住民、現在の保護者、これからの保護者、保育所の保育士、幼稚園の教諭の意見を聞いて見直すこと

2、 今後の公立幼稚園・公立保育所・公立認定こども園のあり方について、地域によって事情が異なる小学校区毎に市民に対して丁寧に説明を求めます。

 この請願に対してどのようにお考えなのでしょうか。

 このことについての当局の見解を伺います。

 「就学前施設再編計画」と「幼児教育無償化計画」を切り離すべきとの質問に対し、「就学前施設再編計画」は「幼児教育無償化計画」の前提となっている。との答弁でした。

 9月議会で、各会派から様々に「幼児教育の無償化のために施設の再編を行うのではないか」との質問を行いましたが、その時の答弁では全く逆の「幼児教育の充実のために施設の再編を行うのであって、その結果生まれた遊休地を有効に利用して無償化の財源にするだけ」との言い方をされています。いったいどちらが市の本意なのでしょうか。明確な答弁をお願いします。

 女性・児童センター関係施設の今後の展開について伺いました。先日の都市企業常任委員協議会で説明頂いた内容の再確認をさせていただきました。

 現時点では明確な決定事項はないことが明らかとなりました。広範な世代の市民や未就学児を含む児童が利用する施設として親しまれている施設の今後は、広範な市民を含む利用者や登録団体と市当局が一体となって「ワークショップ」等を立ち上げるなど、市民主体で推進していただくよう、要望いたします。

 女性センターの機能移転についても今後の「男女共同参画施策」のセンターとして、利便性が高く気軽に利用できる機関として機能するよう、市民・関係者・当局で十分な審議が尽くされるよう期待を表明しておきます。特に、市民意識調査で明らかなように、伊丹市では「男は仕事女は家庭」という考え方が全国平均より10ポイントも高くなっており、女性センターの果たす役割が特に重要であることを申し添えておきます。

 伊丹市の歴史遺産の活用についてお聞きしました。日頃より多くの活動をされていることがわかりました。残念なことにそういう活動が市民の目にはなかなか留まらないことだと思います。そういう意味でも市民の自発的な顕彰活動への支援が重要ではないかと思います。それを引き出す手段として、身近なところでのわかりやすい目につく表示板の設置が重要かと思いますので、その点の予算措置も含めてご検討いただきますよう要望します。
 
 以上で2回目の質問とします。

【3回目】 

 3回目は要望とします。

 「幼児教育推進計画(案)の見直しに関する2回目の答弁に対し、発言します。

 「これまでにない方法」とおっしゃるので何か新しいことを導入する気かと期待をしておりましたが、現状のツールの使い方を少しいじることでした。これでは到底全市民的に周知を拡大できるとは思えません。 「パブリックコメント制度指針」の抜本的手直しも含めて周知方法を検討するよう要望します。

 次に、「就学前施設再編計画」と「幼児教育無償化計画」を切り離すべきとの指摘に対するご答弁についてです。「幼児教育の無償化」に対する国の方針変更に伴い、財源の再検討が迫られていると思いますが、それにはお構いなく一度描いた再編計画に固執しているように市民は見ています。そのことに正面から答えることを求めておきたいと思います。

 まだまだ聞き足りない点もありますが、この件では他の議員も質問を予定されておりますので、委ねたいと思います。よろしくお願いいたします。

 1点だけ、答弁は不要ですが、指摘をしておきます。

 文教福祉常任委員協議会で表明された再見直し案の最終案はまとまり次第公表すると答弁されましたが、それはいつなのかということです。師走に入って公表し、年明け早々に臨時議会を開催し、市民の皆さんにも我々議員にも検討期間が極めて短い。全く遺憾であることを表明して、質問を終わります。

2017年12月議会 上原ひでき:一般質問 介護保険 道徳の教科化

2017年12月議会 一般質問

日本共産党議員団 上原ひでき

1.介護保険について(第7期計画に関して)

 今年5月26日に参議院本会議において可決された「改正」介護保険法によって、伊丹の介護保険事業計画、介護を受ける市民はどうなるのか。

 この「改正」介護保険法は、安倍政権が2015年に打ち出した「経済・財政一体改革」に基づいて検討・実施されたもので、2025年を目途に医療・介護提供体制の再編・縮小、負担強化と公的給付の削減を強力に推進することを目的にしたものの一環。そして「経済・財政一体改革」によって社会保障費を徹底的に削減するとして、2013年度から2015年度の3年間で毎年8,000億円から1兆円増大する社会保障費を3年間の合計1兆5,000億円まで削減し、2016年以降の3年間でも社会保障増加分を毎年5,000億円まで圧縮するとした。

 以上の流れから、今回の「改正」介護保険法には、二つの柱があるとされている。

○その二つの柱に沿って具体的な問題で質問

1)「給付と負担の見直し」では、すでに今年8月から実施されている高額介護サービス費の「一般区分」の負担上限を現行の37,200円から44,400円に引き上げたこととともに、利用料3割負担が盛り込まれた。

◎ 「現役並み所得」者の利用料3割負担化の問題では、年間収入単身340万円以上の場合、利用料を3割に引き上げることになる。収入に応じた負担の形態はとっているが、対象となった利用者が果たして3割負担に耐えられるのかどうか。介護保険の利用料だけではなく、今後予定される医療の窓口負担や保険料の値上げ、年金の切り下げなどを含め家計への影響をどう考えるのか。

2)「地域包括ケアシステムの深化・推進」に関して

 地域包括ケアとは、「要介護状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される体制」と説明されているが、国が実際に進めているのは、医療費・介護給付費削減の受け皿づくりとしての地域包括ケアになっているのではないかと思われる。次の点で具体的に伺う。

◎ 医療・介護供給体制の再編で、医療病床の削減による介護施設や在宅医療への流れを推進する中で、「介護医療院」が創設されることになった。これは介護療養病床全廃の受け皿として想定されるものだが、伊丹市にはその対象病床はないことから関係ないと思われるが、医療療養病床からの転換を自治体として規制できないことから、他市では介護保険財政に影響が出るのではないかとの懸念が広がっている。

 一方、医療・介護供給体制の再編によって、国は介護とともに医療の供給体制を在宅医療へと導いている。「住み慣れた地域で」という要望はあるが、供給体制がなければ医療難民を生み出しかねない。どのような体制になろうとしているのか。

◎ 国は、「自立支援・重度化防止」に向けて、国が示す評価基準に基づいて市町村が目標を設定し、その「成果」に応じて財政支援(財政的インセンティブの付与)を行うとされている。その具体的な評価指標として要介護認定率の引き下げなどが入る可能性があるのではないか。このことによる影響は要支援者・要介護者のサービス切り捨てにつながるのではないかと危惧するがどう考えるか。

◎ 「共生型サービス」の創設では、介護保険、障害福祉いずれかの指定を受けた事業所が、他方の制度における指定を受けることが容易になるとされ、対象となるサービスとして、訪問介護、通所介護、短期入所などが例示されている。高齢者・障害者に対するサービスでは重なる部分があり、行政の縦割りの是正にはつながる面はあるが、人員体制や介護・障害報酬によっては、サービスの専門性・質が担保され、高齢者・障害者の願いに適う事業になるのか危惧するところだが、どうお考えか。

◎ 「我が事・丸ごと・地域共生社会」が「我が事・丸投げ・地域強制社会」にならないように。…国は、制度・分野ごとの縦割りや「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、住民一人一人のくらしと生きがい、地域をともにつくっていく社会と定義している。この考え方が次期の介護保険計画に現れているのではないか。このことによって、介護保険計画の地域福祉計画化が進んでいるように思う。問題は地域住民の助け合いなどを行政機関の代替として地域福祉の公的システムに組み込むことにある。急激な制度改革による「制度の狭間」の問題に、地域住民等が自主的に地域福祉活動をすることは評価すべきことだが、「制度の狭間」を埋めるのは行政の公的責任で行うべきもの。見解を伺う。

3)全体的な問題として

◎ 介護離職は減少するのか…伊丹市は、第7期計画作成にあたってこの問題でのアンケートを実施されている。この結果を踏まえて、介護離職を減少することができるとお考えなのか伺う。

◎ 介護保険基金約10億円をどうするのか…第6期計画策定時に約11億円の準備基金があり、その半額を取り崩して保険料を軽減するとされた。結果としてほとんど準備基金は減少せず、10億円を残している。その原因をどう分析されているのか伺う。

 また、7期計画でこの10億円はどうされようとしているのか。本来計画遂行に必要とされた保険料を、何らかの理由によって余剰が生じた場合、サービス充実や保険料軽減にそのほとんどを使うべきものと考えるが。

2.来年から始まる道徳の教科化について

 来年から小学校における道徳の教科化が始まる。今年6月議会で、教育長は教育基本方針のなかで「道徳教育については、子どもたちの豊かな情操や規範意識、生命の尊重、自尊感情、思いやり等の道徳性を養うため、道徳教育推進事業における研究の成果を踏まえ、子どもたちが議論する授業を推進してまいります。また、授業公開や授業研究会を実施し、子供たちの成長を認め、励ます評価の研究を進めてまいります」と述べられた。

 私は、一昨年3月の代表質問で道徳の教科化について質問し、子どもの道徳が評価の対象とされることで、子どもの価値を評価することの問題とともに、検定教科書導入の問題点について質すとともに、子どもの権利条約を中心に、子どもの尊厳と権利を大切にすることを求めた。

 いよいよ道徳の教科化が始まることから、次の点を伺う。

◎ 伊丹市教育委員会が採択した教科書は、「廣済堂あかつき」の教科書となった。伊丹市教育委員会として、今までの道徳教育推進事業における成果を生かすことができるのか。また、この教科書にはどんな特徴があるのか、伺う。

◎ 考え方の押し付けではなく、児童が話し合い、自ら考えることができるようにすること必要…道徳は人間が生きていくうえで重要な働きをするもの。道徳は人間らしさや人間としての価値を作るものであることから、強制やわざとらしさがあってはならない。それがあるならもっとも非道徳的な教育になる。したがって、本人が自主的に考え判断できるように環境を整えることが重要と思う。道徳教育のあり方に関する見解を伺う。

◎ 小学校から中学校、高等学校へとつなぐ「主権者教育」のありかた…道徳教育には4つの項目があり、その一つが「主として社会や集団との関わりに関すること」があげられている。どの学年にも国、郷土との関わりが明記されており、身近な伊丹市にかかわることから兵庫県も国の問題でも一緒に考えることができる。子どもたちは結構敏感に政治のことに興味を抱いており、例えばこの前の総選挙や核兵器禁止条約、「モリ・カケ問題」など、発達段階に応じて新聞等を利用して情報提供し、話し合う機会を設けることも可能。見解を問う。

◎ 評価の基準はどうするのか…教育長の答弁で「励ます評価の研究を進め」るとされているが、どのような基準で評価されるのか伺う。

(2回目)

1.介護保険について(第7期計画に関して)

 そもそも今回の「改正」介護保険法は、参議院委員会での審議打ち切りと本会議における異例の中間報告という形での採決強行で決まったこと。

○利用料3割負担について

 2015年8月から実施された2割負担。国会審議の中で、この負担増が家族の生活を脅かしている実態が示され、国会でも問題となった。参考人の陳述でも、認知症の人と家族の会から、5万から10万円の負担増となり、食事を削るしかない、介護を続ける気力さえ失われると述べられている。この2割負担の影響の検証がないままの3割負担の強行がされたという問題があるということを指摘しておく。

○自立支援・重度化防止へのインセンティブについて

 サービスの切り捨てにつながるものではないとされているが、もともとの動機は財政支出削減にある。その指標として、介護するためにかかる時間と要介護認定の変化をアウトプット指標として設定するものとされている。詳細は決まっていないが、引き続き具体的な議論はしていきたい。

◎「共生型サービス」の創設について

 サービスの専門性・質の担保…国は、高齢障害者が介護保険に移行しても同じ事業所やヘルパーが利用できるようにするために導入するととともに人材確保のためと説明。しかし、「介護保険優先原則」により、全国で利用料負担やサービスの打ち切り・縮小など深刻な問題が生じており、「共生サービス」の創設で解消できないのではないか。例えば、少なくない障害者が介護保険では「要支援」と認定され、総合事業の対象となることで、無資格者のヘルパーが担当することにもなりかねない。さらに、介護保険では、現在国が「生活援助」サービスに対して回数制限を設定しようとしており、大幅なサービス後退につながる可能性も出ている。

 「共生型サービス」は、介護保険優先を貫き、65歳以上の障害者の介護保険利用をより徹底することにならないか危惧するところ。特に重度障害者に対しては、一人ひとりに応じた支援が必要になっているが、今までの対応はどのようにされており、今後どのような対応に違いが出るのか伺う。

2.来年から始まる道徳の教科化について

○「道徳教育のめざすもの」に対しての教育長答弁

 答弁の通り、「考え議論する道徳」ということ。他の教科のように正解が決まらない分、考えていく面白さがある分野。それだけ授業者の力量も試されることになるが、児童と一緒に成長するという立場で臨んだらどうかと思う。

○廣済堂あかつきの教科書、ノートと評価について

 道徳の教科書として採択した理由が述べられた。その中で、別冊ノートに関して、自由に記述する欄が多く取り上げられおり、「書く」ことによってより深く自己を見つめ、自ら考えることができやすい構成となっているとのこと。しかし、「書く」ことに時間がかかる児童にとったら負担になることもあり、物語を読んだり他の児童の感想を聞いたりして自分の心が揺さぶられて自分の考えが変化していく過程で、その気持ちを「書く」ことは私たち大人でも難しい。

 書かれたノートを見ることで、教員からすれば評価しやすいということになるだろうが、一人ひとりの子どもをより丁寧に見ることが必要になると思う。研究していただきたい。

2018年度予算編成に当たっての要望書

2018年度予算要望書を市長に提出しました。

 2018年度予算要望書のダウンロードはこちら(PDFファイル)

2018年度予算要望書は、「基本的要望事項」と「具体的要望事項」で構成しています。以下に掲載しているのはPDFファイルと同じ内容です。

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2018年度予算編成に当たっての基本的要望事項

 2017.11.21 日本共産党伊丹市議会議員団

はじめに

 10月22日に行われた選挙において、自民・公明党が3分の2の議席を獲得し、引き続き安倍自・公政権が継続することになりました。安倍首相は、憲法9条の改定に執念を燃やしていますが、昨年強行した憲法違反の安保関連法=戦争法等による「戦争する国づくり」を、憲法に気兼ねなく進めるためのもので、絶対に許してはなりません。また、消費税10%増税に関しても、消費税8%増税によってどれだけ国民生活が疲弊したのか、経済成長が止まったのかを考えると、到底認めることはできません。私たちは、引き続き平和と人権、国民の生活を守るため、広範な市民と共同して運動を進めていきます。

 一方、この間の国民のくらしは、1997年をピークに国民の所得は減り続け、働く人の非正規社員が40%を超え、労働者の平均年収は減少し続けています。安倍政権の「アベノミクス」の名で進めてきた経済対策によって、この5年間で実質賃金は年間10万円も減少し、一世帯の家計消費も年間22万円も落ち込みました。一方で大企業の内部留保は5年間で約70兆円増加し、400兆円を超えました。日本経済に「好循環」をもたらすどころか、格差と貧困を広げ、衰退の「悪循環」しかもたらしていません。さらに社会保障関連費を年間5,000億円も削減し、憲法が定めた国の社会保障に対する責務を大きく逸脱しています。

 このような安倍政権の暴走と市民をめぐる状況を踏まえ、日本共産党市会議員団は、伊丹市が自治体本来の役割を果たし、市民の暮らしや福祉、教育を最優先にした予算編成をされること強く求めます。

1.地方財源の保障を国に求め、医療・介護の充実、障害者・子育て支援など、市民の暮らしを守る仕事を最優先にすること。

 伊丹市が、市民の暮らしを守る「防波堤」としての役割を果たすため、国の社会保障制度改悪に反対し、国・県に財源を求め、県単位化に伴う国保税と来年度新たな計画となる介護保険料の引き下げや減免制度の拡大等独自の負担軽減拡充、介護や障害者サービス充実と負担軽減、保育所待機児童の解消、子どもの医療費無料化の拡大など積極的に独自施策を行うことを求めます。

 地方財政の重要な柱である地方交付税に関して、公務員給与削減や事業の民間委託などを前提とした地方財源そのものの一方的な削減や制度改悪に反対し、制度本来の財源の保障・調整機能の充実により、住民の福祉と教育、くらしを保障する総額の確保を国に求めること、消費税10%増税は凍結ではなく中止することを国に主張されることを求めます。

2.公的部門の民営化はやめ、市民本位で効率的な行政を行い、伊丹市が責任を持って市民の暮らしと人権を守ること。

 公的部門の民営化路線は、自治体の本来の役割である「住民の福祉の増進」(地方自治法第1条)という役割と住民の権利保障を形骸化させ、住民福祉の後退やサービス水準の低下、安全性の低下をまねくことになります。また、この「路線」は全体の奉仕者としての公務員の役割をも形骸化し、公務員削減を進めました。日本共産党は、「民営化万能論」の押しつけ・推進でなく、市民の安全と利益を最優先にした市民本位の効率的な行政の努力を求めます。

3.すべての子供に基礎学力を保障し、一人ひとりが大切にされる教育を進め、教育環境の整備に力を尽くすこと。

 教育は子ども一人ひとりの幸せ、成長と発達のためにあります。それだけに社会にとって大切な営みです。教育は子どもの権利であり、家庭の経済力に関わらず、すべての子どもに豊かに保障される必要があります。

 ところが、安倍政権のもとで、日本の教育はたいへん貧しく歪んだものになっています。教育予算の世界ランキング(GDPにたいする公財政教育支出の割合)では、日本はまたOECD34ヵ国中ワースト1です。この低予算の下で、国民は世界では考えられないような高学費に苦しみ、教育条件も欧米では一学級20~30人が当たり前なのに、日本では小学校3年以上は40人学級のままです。公的支出を先進国の平均並みにすれば、あと6兆円の公的支出が増えることになります。このことを踏まえ、伊丹市としても国に対して先進国並みの無償教育、教育条件の充実を進めることを求めるべきです。

 また、学年が進むにしたがって受験中心の教育となり、子どもは競争に追い立てられ、他人と比べられ、豊かな子ども期が奪われています。国連子どもの権利委員会は再三「高度に競争的な教育制度」の是正を勧告しています。格差と貧困の拡大のもとで希望を失いかけている子どもたちに必要なのは、人をばらばらにする競争教育ではなく、人と人との間で生きる連帯です。そのために、教育委員会は、いじめや不登校など子どもの深刻な事態を解決し、すべての子どもに行き届いた教育をすすめるため、国と県に少人数学級の実現を急ぐことを求め、市独自の対応も検討することを求めます。さらに、「全国学力テスト」への参加も伊丹市独自の「学力テスト」もやめるべきです。

 また、(仮称)伊丹市幼児教育推進計画(案)における公立幼稚園・保育所の大規模な再編計画(幼稚園の統廃合)に対して、多くの保護者・市民が計画の見直しを求めています。無償化計画を含めた本計画は、12月議会にこだわらず市民との議論を継続することを求めるとともに、公立幼稚園改革に関しては、3年保育と預かり保育を実現し、統廃合をやめることを求めます。

4.中小・零細業者への支援を強め、人間らしく暮せる地域社会・経済を築くこと。

 中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在です。企業の99.7%を占め、働く人の3人に2人が働いている雇用の担い手です。地域に根をおろし、モノづくりやサービスでの需要にこたえ雇用を生み出している中小企業の役割はますます大きくなっています。農林水産業の振興と結んだ自然エネルギーの利活用など、日本経済・産業の新しい方向を切り開くことが切実な課題となっており、地域に根ざした中小企業の役割がいっそう重要となっています。伊丹市もこの立場で、農業振興基本条例」(仮称)、地域産業活性化のための「地域産業振興基本条例」(仮称)の策定等、中小零細業者支援を進めることを求めます。さらに、伊丹市では二つの超大型店とともに、次々と大型商業施設が出店しています。このことで市内の商店・商店街が廃業に追い込まれ、歩いて買い物ができる住みよい住環境を破壊するとともに、地域経済も大きな打撃を被っています。伊丹市はそのためのあらゆる対策を講じることを求めます。

 また労働法制の「規制緩和」で、特に若者の非正規社員、ワーキングプアが大きな問題となっています。この不安定雇用、低賃金の急速な広がりに対して、伊丹市としても若者の雇用対策に力を尽くすとともに、不法・不当な格差や差別をなくすなどブラック企業や非正規雇用の問題に積極的に取り組むことを求めます。

5.同和行政終結宣言を行い、憲法と「まちづくり基本条例」を生かした民主主義の発展と平和、基本的人権が保障される市政を行うこと。

 今日、「社会問題としての部落問題」は基本的に解決したという認識を持ち、「部落差別の解消の推進に関する法律」に基づく施策については、部落差別を固定化するのではなく、衆・参議院委員会の付帯決議の通り、新たな差別を生むことがないようにすること、「差別を許さない都市宣言」の廃止等すべての同和行政・教育を終結することを求めます。

 まちづくり基本条例」に基づき、「住民こそ主人公」の立場で、徹底した情報公開と民主主義の発展を保障する条件整備を行い、市民の知恵と力が行政に積極的に生かされるようにすること。また、市民の生命と財産を守るため、憲法9条を守り、あらゆる戦争準備の策動に反対するとともに、伊丹市として「平和条例」(仮称)を制定することを求めます。

6.「大阪国際空港撤去宣言」の精神を堅持し、環境基準の達成に向けた不断の努力と安全性を確保すること。

 本空港は、航空機に係る環境基準が達成されていないもとで、空港近隣住民の立場に立ち、空港運用の規制緩和はやめ、存続協定を守り、国の責任で安全性の確保と環境基準達成への不断の努力を、国と関西エアポート株式会社に要望することを求めます。

7.国の「地方創生」戦略に対し、憲法と地方自治法に基づき、福祉・教育充実、雇用・地域経済活性化のための地方財政を保障することを国に求めること。

 2015年1月に可決成立した「地方創生」関連法によって、次々と新型交付金が打ち出される一方、地方交付税のあり方を歪める「トップランナー方式」の導入による地方交付税引き下げと民間委託等の政策誘導が行われるとともに、社会保障関連予算を大幅に削減されています。いま行うべきことは、政府による政策誘導や社会保障財源の削減ではなく、住民自治を発揮してがんばる自治体を応援することであり、地方交付税の大幅拡充による地方財源の保障こそ必要です。

 公共施設再配置計画に関して、中央公民館は社会教育法に基づき設置されている教育施設であり、市民主体のまちづくりの学習と実践の場として重要な役割を果たしていることから、「機能移転」ではなく建て替えを求めます。

8.いますぐ原発をゼロにすることを決断し、原発再稼働をストップし、自然エネルギーに転換することを国に求めること。

 東日本大震災から6年8ヶ月が経過しました。しかし福島県では、今も県内外への避難者は6万8千人に及び、放射能が流出し続けています。原発事故でひとたび放射能物質が大量に放出されると、人類はその被害を防止する手段を持っていません。さらに、使用済み核燃料=「核のゴミ」を安全に処理する技術もありません。したがって、再稼動すれば、処理方法のない「核のゴミ」は増え続けます。伊丹市に近い福井県・若狭湾の原発群で事故が起きれば、琵琶湖の水源等市民にも甚大な被害をもたらします。

 このような現状を踏まえ、市長は国に対して次の点を主張されることを求めます。

 ① すべての原発からただちに撤退する政治決断を行い、「即時原発ゼロ」の実現を図ること。

 ② 原発再稼動方針を撤回し、再稼働をストップし、すべての原発を停止したままで、廃炉のプロセスに入ること。

 ③原発から再生可能エネルギーへの転換で、日本経済の持続可能な成長を図ること。

2018年度予算編成に当たっての具体的要望事項

≪総合政策部≫

1.マイナンバー制度に関しては、年金情報の大量流出やマイナンバーに関する様々な詐欺事件等により国民の信頼が揺らいでいること、本市でも17年度10事業所・18人に対し市・県民税特別徴収税額通知書の誤送付が発生している。個人情報の保護に関して制度上完全ではないこと等に鑑み、国に対して制度を中止することを求めること。伊丹市として、個人情報の観点から利用拡大は行わないこと。

2.「行財政改善計画」の実施にあたっては、市民のくらしを守り公の責任をはたす立場を堅持し、「市場化テスト」やPFI、民間委託・民営化など、一時的な費用負担削減のため、市民のための公共財産を安易に民間にゆだねる手法はやめること。格差と貧困が広がる中で、公共料金の引き上げは行わないこと。

3.公共施設再配置において、とりわけ中央公民館に関しては、重要な社会教育施設であることに鑑み、文化施設・コミュニティ施設と一体化するのではなく、建て替え等によって単独・直営で施設を管理・運営できるようにすること。

4.空港について

イ.大阪国際空港は今後関西国際空港とともに株式会社関西エアポートによって管理・運営されることになったが、安全、騒音・環境対策はあくまでも国の責任で実施することを国に求めること。とりわけ、空港周辺地域における騒音の軽減を早急に図り、毎年前年対比で騒音が低減できるようにすること。

ロ.重大インシデントが続く中、管制体制の強化と航空機の整備・検査等にかかる規制緩和の中止を国に求めること。また日本航空の違法な退職強要をやめ、安全運行を最優先にした再建を行うよう国に求めること。

ハ.住宅騒音防止対策費の充実を国に求めること。空調機器にかかる「更新工事③」では、一人世帯も助成対象とすることを国に求めること。

ニ.テレビ受信障害対策を元に戻すことを国・株式会社関西エアポートに求めること。

ホ.学校等公共施設、医療施設等の空調器機の更新を推進し、更新経費の全額国庫負担を求めること。

ヘ.民防空調機器更新に係る一部負担を県、市費で助成すること。

ト.空港移転補償跡地については、周辺環境整備として活用している公園・防火水槽・細街路等は引き続き無償貸与を求めること。

チ. 国際チャーター便については、その実績を重ねることによる国際線復活につなげないこと。

リ.米軍等軍用機の発着はやめること。

5.自衛隊基地のヘリコプタ-の発着や自衛隊記念式典時の空砲による騒音、人を殺傷する訓練展示、子どもたちに「戦車」への試乗などの催し等はやめさせること。

6.自衛隊中部方面総監部で実施される日米共同指揮所演習など、アメリカが行う戦争に日本を参加させる取り組みの中止を求めること。

≪総務部≫

1.人事評価制度に関しては、公務員を「働きぶり」や「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で評価することは単純なものではなく、評価によっては職場の労働環境を180度変えてしまい、公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながり、市民サービスの質的な向上にも影響を及ぼすことになることから、中止すること。

2.人権無視、低賃金で安上がりを目的とする人材派遣の活用は、人権を最も重視する事を基本とする自治体としてふさわしくないので中止すること。

3.職員数の減少の中で有給休暇がまともに取れない事態や健康破壊がますます深刻化している。住民の人権・福祉を守るためにも正規職員の増員を図ること。  

4.職員の生活の保障と地域経済への影響を考慮して、給料の引き下げはやめること。2013年度の「定期昇給見送り」を課長級以上も復元すること。

  また、厚生労働省が労働災害認定の過労死ラインと規定している職員の超過勤務については、命と健康を守る立場から直ちに改善すること。

5.嘱託職員・臨時職員の賃金、労働条件を改善すること。

6.組織の継続性・専門性を重視した職員配置をおこなうこと。

7.総合評価型入札制度を導入し、入札企業における男女共同参画や障害者雇用の推進、適正な賃金を取り入れた方式とすること。

8.公共事業の施行にあたっては、地元業者を活用し、雇用の安定と就労の促進を図るとともに、適正な労務費の保障、金等支払いの適正化のため公契約条例を制定すること。

9.同和対策特別措置法は終了し、法の根拠はなくなっていることから、同和・人権室を廃止すること。少なくとも、「同和」の名称はあらゆる部署においても使わないこと。

(危機管理室)

1.大震災における国の責任を明確にさせ、震災復興にかかわる財源は全額国に求めること。

2.被災者生活再建支援法の対象を半壊、一部損壊にも広げ、支援額の上限を300万円から500万円に引き上げることを国に求めること。

3.災害時における弱者・障害者への対策に関して、福祉避難所の増設・整備、避難対策を進めるなど対応を拡充すること。ペット同伴による避難者対策を行うこと。

≪財政基盤部≫

1.市民税等の徴税業務に関して、その業務が人権に関わるものであることから、民間委託(電話による納税催告業務等)は行わないこと。

2.市税等の滞納者に対し、いたずらに「徴税強化」をあおるのではなく、納税者の権利を保障し、その立場に立った相談を中心として、滞納の背景にある市民の困難を他の部署と連携して解決すること。小規模事業者に関しては、運転資金に及ぶ差し押さえはやめること。

3.大企業の固定資産税には収益還元方式を適用し、200㎡以下の小規模住宅等生存権的財産は非課税とすることを国に求めること。

4.マンションに併設されている通路やプレイロット(子どもの遊び場)など共有部分に関する固定資産税を減免すること。

5.指定管理者制度について

イ.導入した施設については、①住民・利用者の施設利用権を守ること、②施設のサ-ビス低下させないこと、③施設は、公正で民主的に運営すること、④職場の専門性、継続性、雇用を守る立場をとること、⑤正職員、非正職員の適正な給与を保障すること。

ロ.「公の施設」の設置目的に反する民間企業への指定管理者選定は行わないこと。

≪消防局≫

1.消防・救急体制については、人員、装備、施設のすべてにわたって、充実・強化し、消防力の整備指針を100%充足すること。

2.雑居ビルの防火管理を強化すること。

3.住民や事業者の自主的な防災活動と連携し、防災教育、防災訓練を充実すること。消防の再任用職員を活用し、長年の知識や経験を生かして、地域の防災教育、防災訓練の仕事が担えるようにすること。

4.消防職員委員会が職員の意見を十分反映でき、生かすようにすること。

5.職場に混乱を持ち込む「能力・実績に基づく人事評価制度」は行わないこと。民主的な人事・人材育成制度を確立すること。

6.女性職員が安心して働くことができるように、施設・設備、労働環境を改善すること。

≪健康福祉部≫  

1.生活保護

イ.格差と貧困が広がる中、2017年2月に生活保護を受給した世帯は163万8900世帯を超えるものとなっている(厚生労働省発表)。その役割は益々重要となっているにもかかわらず、政府は、生活扶助費、住宅扶助費を大幅に引き下げ、さらに引き下げようとしている。このことは憲法25条で保証された最低限の生活も保障されない状況となる。消費税増税分の正確な反映と生活保護基準の引き上げを強く国にもとめること。 また母子加算の継続を国に求めること。

ロ.生活保護を必要な人が必要なときに受けることが出来るようにすること。そのためにも生活困難者の相談には「寄り添い型」の姿勢で行い、信頼関係を持てる相談に努めること。また分かりやすい制度紹介の「しおり」とともに生活保護申請用紙を窓口カウンターに常備し、相談者の生活保護申請権を尊重した対応をすること。しおりの中に、同居であっても別世帯申請などできる例や貸付制度(冷暖房機などの購入)に関しての説明も示し、利用しやすいようにすること。

ハ.ホ-ムレスの保護に関しては、住居の場所がないことや稼働能力があることのみをもって保護用件に欠けるものではないと明記した「ホ-ムレスの自立の支援等に関する基本方針」の立場で行うこと。また、自立支援センタ-等への入所については申請者の意思を尊重すること。

ニ.正職員としてのケースワーカーを増員し、申請から法定期間の14日内の決定など申請者への対応を迅速に行うとともに、保護世帯の相談に十分に応えることが出来るようにすること。

ホ.生活保護世帯の夏季・冬季見舞金を復活すること。母子加算の削減に反対するとともに、老齢加算の復活を国に求めること。

2.国民健康保険

イ.県単位化の準備が進められているが、政府に国庫補助率の復元、拡充を要求するとともに、一般会計からの繰り入れを維持し、高すぎる国民健康保険税を引き下げること。

ロ.国保税と一部負担金の減免制度を拡充するとともに、市民への広報を強めること。

ハ.保険証のとりあげはやめ、短期保険証、資格証明書の発行は行わないこと。

ニ.葬祭費の給付額を大幅に改善すること。

ホ.国保税の滞納者に対し、いたずらに「徴税強化」をあおるのではなく、納税者の権利を保障するとともに、社会保障制度の立場に立った相談を中心として、滞納の背景にある市民の困難を他の部署と連携して解決すること。

3.年金

イ.年金額を月額5万円底上げする最低保障年金制度をつくり、国民年金では月額8万3千円に引き上げるよう国に求めること。

ロ.現在年金を受けている人を含めて受給額を大幅に削減することや、支給年齢を68歳ないし70歳まで引き上げる年金の大改悪に反対すること。

4.医療費助成

イ.北欧等では常識となっている医療費窓口負担ゼロをめざし、その第一歩として75歳以上の高齢者と子どもの医療費無料制度を国の制度として創設することを国に求めること。子育て支援医療費助成については、市独自に通院も義務教育終了まで無料にすること。

ロ.一部負担金を導入した重度心身障害者および母子医療費の撤回を県に求めるとともに、市独自の上乗せ措置を復活させること。

ハ.重度精神障害者(児)医療助成事業に対し、市負担で上乗せ措置を行うこと。

5.医療保険でより良い歯科医療が提供できるように保険の給付範囲を拡大するとともに、補聴器も保険適用するよう国に要望すること。

6.入院時において、おむつ代など医療保険外負担に対する援助を行うこと。

7.高齢者の医療負担をなくすとともに、療養病床に入院する高齢者の食費負担、居住費負担などの医療改悪を元に戻すよう国に求めること。

8.県策定の地域医療構想による病床削減は、地域医療の崩壊を招くことから中止することを県に求めること。

9.後期高齢者医療制度

イ.75歳以上の高齢者すべてから保険料を徴収する差別医療押し付けの、「後期高齢者医療制度」の廃止を国に求めること。同時に制度存続の間、市独自の保険料減免制度、医療費一部負担減免制度を創設すること。

ロ.一定以上所得者の窓口負担割合、高額療養費の引き上げに反対すること。

ハ.70歳から74歳までの方で、福祉医療を利用した場合の償還払いをやめ、現物給付にすることを県に求めること。

10.高齢者福祉

イ.介護保険

①介護保険事業にかかる国庫負担割合の引き上げを国に求めること。

②要介護認定は、必要な人が必要な介護を受けることができるように改めること。今後要介護認定制度や利用限度額は廃止して、現場の専門的な判断で必要な介護を提供できる制度にするよう国に求めること。

③必要な人がすべて安心して介護を受けることができるために、特別養護老人ホ-ムや小規模多機能型居宅会議施設等介護施設を増設し、ホ-ムヘルプサ-ビス、デイサ-ビス、ショ-トステイなど居宅サービスを拡充すること。   

④介護施設等で働く人への賃金引上げを国に求めると同時に、市も独自の支援を行うこと。

⑤保険料は住民税非課税の高齢者・低所得者からは徴収しないこと。

⑥低所得者の利用料を抜本的に軽減すること。利用料3割負担における減免制度も作り、広く市民に広報すること。

⑦要介護認定から要支援認定された人に関して、機械的な訪問介護サ-ビス縮小などの措置をとらず、利用者の実態にあったサ-ビスを提供すること。

⑧国による「自立支援・重度化防止」に向けた財政的インセンティブの付与によって、介護サービスの切り捨てとならないようにすること。

⑨介護予防・日常生活支援総合事業においては、利用者の意思を尊重し、少なくとも現行サービスは低下させないこと。

⑩介護保険基金10億円は、サービスの充実と介護保険料軽減に充当すること。

ロ.社会福祉事業団は高齢者、障害者の介護サ-ビスにおける公的責任を堅持すること。

ハ.現行の市バス無料乗車制度を堅持すること。同時に、居住期間制限をなくすこと。

11.障害者福祉

イ.すべての障害者施策における「応益負担」の原則を撤廃することを国に求めるとともに、原則定率一割負担の更生医療、育成医療、精神通院医療に対する軽減措置の充実をはかること。

ロ.すべての障害者が利用できるよう、施設やホ-ムヘルパ-などの基盤整備を充実すること。

ハ.国に財源の増額を求め、「地域生活支援事業」の利用料を無料にするとともに、サービスを充実すること。

ニ.福祉施設、作業所への報酬の日払い制度をやめ、大幅に引き上げるよう国に求めること。

ホ.市内事業所に、障害者雇用促進法にもとづく法定雇用率を達成するようさらに雇用の拡大をはかること。一般就労や福祉就労では、公的分野で一層の拡大を図ること。

 ≪こども未来部≫

1.児童くらぶ

イ、小学6年生までの入所年齢の引き上げに伴い、施設の拡大・充実に努めるとともに、長期休業期間の給食を実地すること。

ロ、必要な指導員の配置とともに、指導員の休養場所を確保すること。

2.保育所

イ.子ども子育て支援新制度が2015年4月から本格実施されている。伊丹市での実施にあたっては、子ども・子育ての基本理念である子どもの権利条約と児童福祉法第2条「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」との規定に基づいて行ない、市の保育実施責任を拡充すること。

ロ.待機児童と詰め込み保育を解消するため、さらに認可保育所の増設を急ぐこと。国に対して補助金の復活を求め、公立保育所も増設すること。

ハ.保育所保育料は、国の動向を注視して無償化を推進すること。

ニ.病児・病気あけ保育所は市民の要望を注視してさらなる充実を図ること。

ホ.保育所の公私立間格差に関しては、保育士給与に一定の配慮はあるものの是正はされていない。早急に是正するために援助をすること。

へ.認可外保育所の実態を把握し、助成を検討するとともに、適正な条件で保育している施設の認可を促進するよう支援を行い、待機児童数とすること。

ト.正職員の保育士を増員し、保育内容をより充実すること。

3.こども文化科学館利用駐車料金は1時間無料にすること。
4.児童虐待防止に迅速・適正に対応するため、さらに相談員を増員するとともに、川西こどもセンタ-の相談員を増員するよう県に求めること。

≪市民自治部≫

1. 平和都市宣言をアピ-ルする標柱などをJR伊丹駅周辺にも設置すること。

2.市として、平和首長会議の方針である「核兵器廃絶国際署名」への取り組みを進め、国に対して核兵器禁止条約を批准することを求めること。

3.すべての同和行政と同和教育をやめ、「同和行政終結宣言」を行うこと。

イ.「差別を許さない都市宣言」は廃止すること。

ロ.「部落差別解消推進法」に関しては、衆・参両院における付帯決議を遵守し、新たな差別を生み出さないようにすること。

4.男女平等の実現、女性の社会参加をよりいっそう促進するために、「男女共同参画条例」を制定すること。女性センターの機能移転にあたっては、男女共同参画センターとしての位置づけをし、市民の参画による基本計画を策定すること。

5.家庭系ゴミの、これ以上の有料化は実施しないこと。

6.地球環境を守るため、各種公共建築物等において雨水利用や太陽光・熱利用の促進を図ること。

7.自然エネルギーの活用を促進するため、家庭用ソーラシステム導入への補助制度を導入すること。

8.天神川、天王寺川の緑道整備を行い、ネットワ―ク化を急ぐこと。

≪都市活力部≫

1.文化振興のため、文化施設の運営にあたっては、ひろく専門家や市民・文化団体などの意見を聴取し、低廉で利用できるようにすること。特にいたみホ-ルの使用料を引き下げること。

2.すべての文化施設の駐車場利用者に対し、1時間無料にすること。

3.さしたるインセンティブ効果が発揮されてない、文化振興財団など指定管理者への「利用料金制」は見直すこと。

4.都市農業基本法が成立したもとで、伊丹市都市農業振興基本計画に基づき、(仮称)農を活かしたまちづくり基本条例を制定し、都市農業を維持・発展させること。また中小企業も含め地域循環型経済を実現するため、「産業振興条例」を制定すること。

5.ウメ輪紋ウィルス対策支援事業として、引き続き国に対して生産農家の営業損失に対する適切な保障を実施することを求めること。

6.国・県と協力し、下請け代金支払い遅延等防止法にもとづき、大企業の中小企業に対する単価きり下げなどを止めさせるため、実効ある取り組みを国に求めること。

7.届け出制を都道府県知事等の許可制に改めるなど、大規模店舗立地法の改正を国に求めること。また、市独自に地域の小売店保護と良好な地域生活環境を守ること。

8.ルネサス撤退問題を教訓にして、企業「リストラ」や撤退に対して早期の情報把握に努め、関係機関と連携して、地域経済と従業員・市民の雇用と暮らしを守る立場から適切な対応を講じること。

9.都市計画法の抜本改正による都市農業の積極的な位置づけがなされたことに伴い、伊丹市も市街化区域内農地の保全のため、生産緑地の最小規模を300㎡に改めるとともに、指定後30年が経過する生産緑地の継続を図るため、「特定生産緑地」指定制度の積極的活用を図ること。

10.わが国が諸外国と結ぶTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)に反対し、伊丹の農業を守り農産物の自給率を高めること。

11.市内の失業やブラック企業の実態等を把握し、国・県と連携して相談窓口を設置し、若者等の雇用対策を図ること。

12.パ-ト労働者の賃金・労働条件の改善をはかるとともに、パ-ト労働者福祉・退職金共済制度を創設するよう国に求めること。

13.派遣労働を臨時的、一時的な業務に限定するなど、労働者派遣法の抜本改正を国に求めること。

14.耐震診断、耐震改修計画策定費、耐震改修工事費の補助額の増額を県に要望するとともにさらに耐震診断を進めること。

15.住宅リフォ-ム助成制度を創設し、市内中小企業の仕事を確保するとともに地域経済の活性化を図ること。

16.住宅政策

イ.現行の市営住宅は建て替えることを含めて存続し、必要な戸数を確保すること。中野県営住宅跡地を市営住宅建て替えに活用すること。

ロ.市営住宅の指定管理制度は撤回すること。

ハ.既設市営住宅において、入居者要望にもとづく補修・改善を実施すること。またエレベ-タ-を設置すること。エレベーターがない場合、高齢者や障がいのある入居者のため、急いで1階への住み替えやエレベーターのある民間住宅の借り上げで対応すること。

≪都市交通部≫

1.国直轄事業に対する地方負担が廃止の方向であり、当然県施行街路事業についても、市負担を軽減するよう県に強く求めること。

2.都市計画道路山田伊丹線昆陽泉町工区の事業化には賛否両論があり、十分住民の理解が得られていないことから、関係住民との話し合いを続けること。また、宝塚池田線(大野工区)の整備計画については、事業を見直すこと。

3.県道塚口長尾線(札場の辻交差点以南)の歩道拡幅整備を早急に行うよう県に求めること。

4.道路拡幅・自転車通行レーンの新設に際してはむやみに街路樹の伐採を行わず、地域住民の理解と協力により街路樹の温存と増植を図り、都市景観の維持向上を図ること。自転車通行レーン設置に伴い伐採した街路樹に対し、植えなおし等代替措置を実施すること。

5.狭隘道路、細街路等市民の生活道路の整備・補修を促進すること。

6.飛行場線JR陸橋に自転車・歩行者用道路を設置すること。

7.JR北伊丹駅南側の北村踏み切りの拡幅・改善をはかること。

8. 阪急御願塚北踏切など、通学上危険な狭隘踏切の拡幅・歩道設置等、抜本的改善を図ること。

9.荻野小学校東方向通学路など、通学上危険な遠回り・狭隘通学路を解消し、最短通学路整備、狭隘道路の拡幅等、抜本的改善を図ること。

10.高齢者、障害者等が利用しやすく安全な歩道整備を推進し、特に国道・県道の歩道段差解消をさらに進めるよう求めること。

11.騒音値の高い市道については、低騒音舗装を進めること。

12.全見守りカメラの運用にあたっては、市民の個人情報保護を最優先とし、警察への提供は最小限とすること。「共謀罪法」に関する情報提供はしないこと。

≪教育委員会≫

1.人権・教育指導員設置要綱は廃止すること。

2.伊丹市人権・同和教育研究協議会を廃止すること。

3.卒業式、入学式等で、日の丸掲揚、君が代斉唱の強制はおこなわないこと。

4.いじめをなくし、いかなる暴力も許さない学校教育を確立して生徒・児童の人権を守るよう指導すること。

5.一人ひとりの子どもの成長と発達を中心においた教育――具体的にはすべての子どもに、主権者として必要な基礎学力、体力、情操、市民道徳を身につけさせる教育を推進すること。

6.「子どもの権利条約」を全市民に普及するとともに、発達段階に応じたパンフレット等を作成し、子どもへの普及も行うこと。さらに「条約」を伊丹市で具体的に生かすために、子どもの権利に関する条例を制定すること。

7.公立幼稚園の統廃合はやめ、すべての幼稚園で3歳児保育と預かり保育を実施すること。

8.幼稚園20人、小中学校30人以下学級の実現につとめること。当面現在の小学校4年生までの35人学級を、小学校・中学校の全学年に拡大し実施できるよう県に強く要望するとともに、市独自に35人学級を広げること。

9.伊丹市は、競争教育を激化させる「全国学力テスト」への参加をやめ、伊丹市独自の学習到達度調査を中止し、条件整備など、真に学力保障になる施策を進めること。

10.「ことば科」の専任講師の配置を必要に応じて復活させること。

11.引き続き私立幼稚園の就学奨励費を拡充すること。幼稚園保育料の無償化にあたっては、国の動向を注視して推進すること。

12.国に対して、幼児教育・義務教育のクラブ活動経費・私立高校授業料等の無償化、大学・専門学校の負担軽減、給付制奨学金制度の創設・拡充を求めること。諸奨学金の額を引き上げ、奨学生選考の基準を見直し充実すること。入学給付金の拡充を行うこと。

13.準要保護における国の補助制度を復活することを求め、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費を支給すること。

14.小学校給食の民間委託はしないこと。二時間以内の喫食を行うこと。

15.特別支援教育では、障害児教育を充実するため障害児学級の充実、並びに通常学級に在籍する支援が必要な子に対する教員を配置するよう県に働きかけること。

16.学校図書館における図書指導を充実するため、読書指導員の身分をせめて嘱託職員として報酬を引き上げること。

17.貧困と格差の拡大、不登校、少年犯罪等児童・生徒と家庭の困難性に目を向け、学校・地域・家庭が協力して解決できるよう支援するためにも、スク-ルソ-シャルワ-カ-を増員すること。

18.トライやる・ウィークにおける自衛隊での体験学習に関しては、日本を戦争する国に変える憲法違反の安保法制=戦争法が強行され、任務遂行上武器使用も認められる「殺し、殺される」自衛隊に変わったことから、再検討すること。

(管理部)

1.公立幼稚園に技能員と養護教諭を全園に配置すること。

2.支援の必要な児童・生徒の重度化にともない介助員をさらに増員すること。

3.養護教諭を全校で複数配置するよう国・県に働きかけること。当面一学期だけでも補助教員をつけること。

4.生徒指導担当教員・指導主事を増員すること。

5.学校事務補助職員の勤務時間を従来通りとし、正職員にすること。

6.教職員の増員、少人数学級の実現等により、教職員の多忙化を解消し、生徒・児童に向き合う時間を増やすこと。教員免許更新制度の廃止を国に求めること。

7.県教育委員会に対し、教員の臨時的任用を制限し、正規職員を増員することを求めること。

8.教室が不足する学校では特別教室の転用等緊急対応ではなく、教育施設の増改築に努めること。また床などの老朽箇所や雨もり・黒板等を点検し、必要な改修を行うこと。

9.市立伊丹高校のグランドの改修を急ぐこと。

10.県立こやの里支援学校の増設と学校施設改善を至急行うことを県に要望すること。

(生涯学習部) 

1.図書館南・北分館の指定管理はやめること。

2.公民館は建て替えをすること。公民館使用料は無料にもどすこと。

3.スポ-ツ施設の民間企業への指定管理はやめること。

4.スポ-ツ振興法の精神に基づき、安全で低廉なスポ-ツ施設として広く市民の                    利用に供すること

5、夏休みプール開放事業において監視員の増員、充実をはかり実施日数を増やすこと。

≪上下水道局≫

1.水道料金引き上げに直結する資産維持費は、料金原価に算入しないと。

2.下水道整備にかかる国庫補助制度のいっそうの改善・充実を求めること。

3.下水道使用料に関しては、使用料原価に資産維持費を導入することはやめ、試算費に対しては一定割合での出資金を投入して引き下げを行うこと。

4.雨水幹線管渠、遊水池等の整備を促進し浸水地域をなくすこと。また雨水流出抑制をはかるため、雨水浸水桝や貯留施設の設置を啓発し、あわせて支援策を講じること。

≪交通局≫

1.ダイヤ編成は、病院、市役所など利用頻度の高い公共施設への利便性を高めること。また、乗り継ぎ時の個人負担を無料化すること。

2.車内転倒事故の防止等、安全運転を徹底すること。

3.高齢者・障害者にやさしいバス停に向け、早急に上屋、ベンチを設置すること。

4.バスロケ-ションシステム(バス接近情報管理システム)の導入をはかること。

5.バス路線に関する市民から寄せられた要望に対して検討し、次期ダイヤ改正で対応すること。

≪病院≫

1.医師の勤務条件等処遇を改善し、医師の確保に努めること。新しく小児科、産婦人科をめざす医師の3分の2が女性であり、女性医師が子育てと両立できる労働条件にすること。

2.看護師増員と待遇改善で患者サ-ビスの向上をはかること。

3.県の地域医療構想策定によって病床の削減がされないようにすること。

4.無料低額診療制度の導入を検討すること。