日本共産党伊丹市議団ニュース(第264号)を発行しました

日本共産党の個人質問は21日(金)です。傍聴お願いします。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第264号)はこちら(画像PDFファイル)

上原議員の質問 10時40分から

1、活力ある地域産業の進行と創出について

(1) 地域内経済循環に視点を置いた産業活性化策について(質問の全文はこちら)

① 専門的、学術的な産業関連分析が必要である、

② 産業界や個々の事業者の方、市民の方々の声を聞きながら具体的な検討を進めていく、と答弁されているが、この二つの点でどのように進められてきたのか伺う。

(2) 伊丹市産業振興ビジョンについて(質問の全文はこちら)

① 事業所訪問による支援活動の推進…具体的にどんな調査で、今後の施策にどう反映させるのか、また市職員も調査に参加すべきと考えるが見解を問う。

② 計画の検証と推進管理の体制…産業振興ビジョン策定委員会、中小企業対策委員会等で行うべきと考えるが見解を問う。

(3) 伊丹市都市農業振興計画における、(仮称)農を活かしたまちづくり基本条例の策定について(質問の全文はこちら)

① 都市農業振興計画に条例化を明記してありながら、2012年3月議会、予算審査特別委員会で「そう簡単にはいかない」と答弁された件について。

② 今後の条例制定に至るスケジュールについて。

2、伊丹市立伊丹高等掌校普通科の通学区域のあり方について(質問の全文はこちら)

伊丹市学校教育審議会の9月12日答申「伊丹市立伊丹高等学校普通科の通学区域のあり方について」に対して、教育委員がこの答申をどう受け止めておられるのかという視点で、見解を問う。

① 市立伊丹高校普通科の学区を現在のままにした場合、生徒にとって学校選択がどう複雑になると考えるのか。

② 伊丹の生徒が市立伊丹高校普通科に行きにくくなることと、県の選抜制度に合致させることに関して。

③ 「伊丹市内の生徒の入学する割合が減少することはない」との意見がありながら、なぜ学区を拡大するのか。

かしば議員質問 午後1時40分から(質問の全文はこちら)

1、障がい者制度改革のゆくえと障がい児通園施設について

(1) 「改正」自立支援法と児童福祉法の一部改正により、つつじ学園、きぼう学園、カルミア園はどのような影響を受けるのか。

(2) 障がい児通所施設にかかる給付費激変緩和措置の動向について

-来年度から激変緩和補助金が廃止されるといわれているが。

(3) つつじ学園の施設改善について

-老朽化に加え通園児童数の増加により、保育室や言語指導室の確保に支障をきたしているのでは?

(4) (仮称)発達支援センターの整備について進捗状況については先の6月議会でも答弁がありましたが、新たに施設の一元化や新しい支援も加わる中で、施設集約の可能性や設置場所などについてどの程度まで検討されているのか。

2、サービス付き高齢者向け住宅について

 この制度は昨年10月にスタート。伊丹市の第5期「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」では、民間サービス等の活用によって市内に整備を進めるとしています。

 しかし最大の問題は低所得者高齢者の入居が困難だということ。

2012年9月議会:上原議員 虐待防止に係る体制が強化について

議案第94号 平成24年度伊丹市一般会計補正予算(第2号)

 障害福祉総務費における補正で、「障害者虐待防止センター」の設置が行われます。補正予算はわずか59万7千円です。これは、今年10月1日に「障害者虐待防止法」が施行されることに伴うものですが、「センター」設置によってどのように虐待防止に係る体制が強化されるのか質疑を行います。

2012年9月11日
日本共産党議員団 上原ひでき

1.議案第94号 平成24年度伊丹市一般会計補正予算(第2号)

 お伺いするのは、本補正予算の歳出のうち、第3款民生費、第2項障害福祉費、第1目障害福祉総務費において、「障害者虐待防止センター」を障害福祉課内に設置し、虐待の未然防止や早期発見、迅速な対応、その後の適切な対応を行うため、支援体制の整備や地域における関係機関等との協力体制の強化を図るとして、59万7千円を措置しようとされていることについてであります。
 これは、今年10月1日より、「障害者虐待防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律」が施行されることに伴うものであります。

 この法律により、「市町村は、障害者の福祉に関する事務を所管する部局または市町村が設置する施設において、当該部局または施設が市町村障害者虐待防止センターとしての機能を果たすようにするものとする」とされ、このことで伊丹市は、障害者虐待防止センターを設置し、虐待の通報や届出を受理し、相談、指導および助言を行うこととともに、啓発活動を行うことになります。
 今回の補正予算提案における説明で、「センター」設置による事業概要は、①連携協力体制整備事業②家庭訪問等個別支援事業③専門性強化事業④普及啓発事業、とされています。この件についていくつかお聞きをします。

1)今回の法律施行により、本格的に障害者虐待防止等の事業を行うこととなります。

 しかし、いままでも障害者への虐待に対する相談等の対応はされてきていると思われます。例年虐待の通報や相談等は何件くらいあり、それに対する対応をどのように行ってこられたのか。そして今回のセンター設置で、どのように抜本的に対応が強化されるのか、お伺します。

(答弁)

 虐待の相談件数は、虐待の定義が明確でなく、正確な統計は存在しないが、年に3回程度が相当する。

 虐待への対応の強化として、①働く障害者に対する使用者による虐待も対象になる、②市民の通報の努力義務、通報先を明確化、③市町村に障害者虐待防止センターを設置、④し画虐待を受けているもののところへの立ち入りや調査ができるように立ったこと、虐待を事前に防止するための取り組みなど。

2)今回の補正予算内容は、主に(仮称)「障害者虐待防止連絡会」の設置に伴う委員報酬、啓発のためのパンフレット作成と市民向けセミナーに対する財政措置となっています。しかし、事業概要にある家庭訪問等個別支援事業等を行ううえでは、専門的知識を有する職員の確保とそのための財源も必要となると考えるものですが、今回は措置されていません。

 いままでの体制で十分なのか、今後の専門職員の確保等体制の強化をどう考えるのでしょうか。

 また、養護者による虐待を受けた場合、必要な居室を確保するとされていますが、今後どうされようとされているのでしょうか。あわせて、これらに対する国の財源的支援はどうなるのかお伺します。

(答弁)

 専門職員の確保については、現在、社会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士などのケースワーカーを配置している。今回のセンター設置でどの程度相談件数が増加するのか不明であるため、現職員体制で臨むことにする。
居室の確保は、市内の短期入所事業所に理解を求め、協力してもらう体制を整える。

 国の財政的措置は、家庭訪問等個別支援事業等は1/2、普及啓発事業は定額補助で上限50万円。3)障害者虐待防止法では、養護者、障害者福祉施設従事者、使用者に対する規定と、学校、保育所等、医療機関に対する規定が異なり、これらの施設での虐待について自治体への通報や救済の対象とせず、研修や虐待に対する相談体制の整備にとどまっています。

 しかし、医療機関等での虐待がかつて問題となったこともあり、法的な権限がないということで、対応しないということはできません。通報を受けた場合の伊丹市の対応がどうなるのか、お伺いします。

答弁

 学校、保育所等、医療機関においては、障害者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚して、早期発見に努めるとされている。そこでの障害者虐待に対する権限行使は、それぞれに対応した法律等によって対応される。

2回目の発言メモ

1.一般会計補正予算…障害者虐待防止センター

○あらたな法律に基づく「センター」はどういく役割を果たしていくのか、そのためにどんな体制をつくるのか。

・3月議会の答弁「障害者虐待防止センター機能を十分に果たすためには、速やかな対応ができる体制づくりと支援を適切に行えるよう専門的に従事する職員の確保が必要であり、そのための財源も必要となってまいります。今後、国庫補助の活用を基本とした補正予算対応も念頭に置きまして、障害者虐待防止センターの体制整備を進めてまいりたいと考えております。」

・速やかな対応ができる体制づくりとは

虐待防止法第4条・・・地方公共団体に「虐待を受けた障害者の迅速かつ適切な保護」や「必要な体制の整備」を求めています。

第35条・・・市町村へ「養護者による障害者虐待に【いつでも迅速に対応する】ことができるよう、特に配慮しなければならない」と定めています。

 こうした法の規定からは、厳密に24時間365日の対応までは求められないとしても、できる限り「いつでも迅速に対応する」ことができる体制を整えることが求められます。仮に平日の勤務時間のみ対応する虐待防止センターとなった場合は、違法とまではいえませんが、非常に不適切であるといえます。

・支援を適切に行えるよう専門的に従事する職員の確保とは

 

2012年7月:上原ひでき 社会福祉協議会予算、特定疾患医療費助成廃止、生活習慣病予防事業

2012年7月6日
日本共産党伊丹市会議員団 上原 秀樹

文教福祉常任委員協議会の報告

 7月5日に開催された文教福祉常任委員協議会は、①社会福祉協議会・社会福祉事業団の予算、②特定疾患医療費助成制度を廃止することについて、③伊丹市とフィットネス事業者との連携による生活習慣病予防事業について、の3点について協議を行いました。

①社会福祉協議会・社会福祉事業団の予算

 社会福祉協議会については、歳末たすけあい募金の有効配分の実施に関する問題、アイ愛センターの災害時における対応について、伊丹市福祉権利擁護センターについて。

 社会福祉事業団については、今年度の介護報酬の改定の影響などについてただしました。

②特定疾患医療費助成制度を廃止することについて

 国の難病対策は、56疾患に限定、県は3疾患を上乗せして医療費助成をしている。伊丹市は、県の3疾患を含めて16疾患を上乗せし、難病患者に対して独自に医療費助成(入・通院費を月額上限3万9千円助成)を行ってきている。当局は、この助成制度は福祉の観点から意義ある制度であるとしながらも、16疾患以外の疾患患者との整合性がなく、公平性に欠けること、国が定める認定基準や専門的知識を有するものからなる審査機関がなく、設置することも困難であること、このことから財政負担を考慮して積極的に周知をしてこなかったことなどから、経過措置をとって廃止するとの報告。

③伊丹市とフィットネス事業者との連携による生活習慣病予防事業について

 当局の説明資料→伊丹市とフィットネス事業者との連携による生活習慣病予防事業について

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以下①②の詳報

1.社会福祉協議会・社会福祉事業団の予算について

【社会福祉協議会予算】

○歳末たすけあい募金の有効配分の実施に関して、昨年から「見舞金」を廃止して、申請方式による年末年始の地域福祉事業に配分することにしたが、地域組織に対する連絡が遅く、約1ヶ月間しか申請期間に猶予がなかった。このことから、早く組織に知らせるとともに、予算を話し合う段階から周知すべきではないかと質した。答弁では、今年は約2ヶ月の猶予を考えていること、募集する段階から地域に有効に配分されることを周知することで、地域の募金活動にも有意義となると考えるとのこと。

○障がい者デイサービスセンターのあるアイ愛センターの災害時における対応について、昨年の予算で福祉避難所としての設備を設置するとしていたが、どうされたのかと質したところ、予算がつかず整備されなかったとの答弁。福祉避難所自体が足らなくて、増やすことも求められている。せめて避難所に指定しているところは、きちんと整備することを強く要望した。また、デイサービスに通所している人たちの災害時対応として、職員の対応は当然のこととして、自宅にいる場合、地域や関係機関との連携を日常的にとっておく必要性についても強調した。

○「伊丹市福祉権利擁護センター」が8つの福祉法人と共同で設立がされ、社会福祉協議会が事務局を担当している。地域福祉を担当する社協が事務局を担当することから、高齢者の虐待や施設利用者の権利擁護等あらゆる権利擁護を受け持つのか、との質問に、この「権利擁護センター」は「市民後見人」制度を扱う協議の権利擁護としたとの答弁。「センター」として各地域で「何でも相談会」を行うとされているが、日常的なあらゆる権利擁護の相談に関しては、「センター」として扱わないとのこと。社会福祉協議会が事務局を担当する「センター」として適切なのか疑問が残るところ。もちろん、あらゆる権利用語に対応するためには、それなりのスタッフが必要で、現状のままでは対応できないというのが実情のようだ。

【社会福祉事業団】

○今年度の介護報酬改定は1.2%となったが、介護職員の処遇改善交付金を廃止し、介護報酬に組み込んだことから、実質的にはマイナス改定。このことがどう影響するのか質したところ、始まったところで具体的な影響は不明、積極的に事業展開(サービス拡大)することで、介護報酬をプラスにするという予算を組んだとの答弁。今回の改定で生活援助が縮小されている問題を挙げ、このことでサービスを低下させないこと、総合的な事業所として全体でカバーできるようにすることを要望。

○予算の「基本方針」の中で、組織体制の整備・強化について、組織活性化に向けた人事給与制度の見直しに着手するとしているが、その具体的内容について質問。答弁では具体的には決まっていないこと、これから考えをまとめるとのこと、給与を引き下げるという単純な考えではないとのこと。

2.特定疾患医療費助成事業について

○国の難病対策は、56疾患に限定、県は3疾患を上乗せして医療費助成をしている。伊丹市は、県の3疾患を含めて16疾患を上乗せし、難病患者に対して独自に医療費助成(入・通院費を月額上限3万9千円助成)を行ってきている。当局は、この助成制度は福祉の観点から意義ある制度であるとしながらも、16疾患以外の疾患患者との整合性がなく、公平性に欠けること、国が定める認定基準や専門的知識を有するものからなる審査機関がなく、設置することも困難であること、このことから財政負担を考慮して積極的に周知をしてこなかったことなどから、経過措置をとって廃止するとの報告。

○検討委員会でも、伊丹市の助成制度のうち76%を占めるリウマチ患者に関して、生物学的製剤の投与で費用は高額だが後遺症もなく非常によい状態に進んでいること、助成制度の廃止で治療を止めなければならなくなることが予測される、との意見が出されているとおり、助成制度を受けてきた患者にとっては死活問題。特に助成されている所得階層が200万以下とする人が67%を占めていることから、廃止は問題ありと指摘。答弁では、3年間の経過措置があり、その間に医療機関と相談していただくと。しかし、相談しても安価の生物学的製剤の投与はできる展望はない。

○不公正というなら、都道府県間でも独自の上乗せに違いがある(兵庫県では3疾患、東京都は22疾患)。本来は5千から7千あるとされるすべての難病患者が安心して医療を受けることができるようにするため、国の制度を拡充することが大事。伊丹市だけが独自助成を行ってきた経過から、兵庫県と国に対して制度拡充を強く求めることを要求(特に国が、「社会保障と税の一体改革」で、難病対策の充実を議論しながら、消費税増税だけ決めて、医療費助成は何も決めていないことを批判して)。答弁では、いままでも行ってきたが、これからも国に対しては制度充実を要望していくと。

○改めて、今回の特定疾患医療費助成制度廃止は納得いかない、と強調した。

2012年6月議会本会議:上原ひでき 県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書案 賛成討論

意見書案第3号に対して賛成、意見書案第4号に対して反対の立場からの討論

2012年6月29日
日本共産党議員団 上原 秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました意見書案のうち、意見書案第3号「県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書」(案)に対して賛成、意見書案第4号「「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書」(案)に対して反対の立場からの意見を述べます。

 はじめに意見書案第3号についてです。本意見書案は、兵庫県が、神戸市須磨区にある県立こども病院を、神戸市中央区のポートアイランドに移転しようとしていることに対して、その計画を中止することを求めています。

 この移転計画に対して、多くの県民・医師・患者から、「なぜ、阪神・淡路大震災の時にアクセスが途絶え、液状化をおこした人口島に移すのか」「東日本大震災での大津波の教訓はどうなっているのか」という疑問の声が上がっています。

 県立こども病院移転する問題点の第1は、県当局は医師等関係者の声を聞かないまま移転先を決定したことです。パブリックコメントを行った基本構想には当該地への移転計画はでていません。また、移転先を決めた総合事業等審査会には医師は一人も入っていません。このような経過から、神戸市医師会や兵庫県医師会などは、明確にポートアイランドへの移転には反対と意見表明されています。

 第2は、医師会が反対の理由とされている移転候補地の災害リスクの問題です。ポートアイランドは、東南海・南海地震と津波により甚大な被害をこうむる危険があり、県が行った災害シミュレーションではポートアイランドは孤立するとされています。同様の機能を持つ病院であれば、分散配置するのがリスク管理の基本であります。また、ポートアイランドには先端医療センターを中心に、高度専門病院群、医療研究施設があり、災害時のバイオハザードの危険もあります。

 県立こども病院は、1970年に小児総合病院として開設されて以降、新施設を次々と開設し、いまや地域医療になくてはならない役割を果たしており、阪神北広域こども急病センターからも、08年から11年の4年間に、24人の子どもが3次救急として後送されています。このこども病院を、あえて災害リスクにさらすことは許されません。本館が築40年を越えることから老朽化対策が求められていますが、設計専門家による調査で、現地建て替えが可能であることが判明しているところでもあります。

 よって、本意見書案が、兵庫県に対し、移転計画を中止し、改めて医師等専門家の意見を聞き、計画の再考を求めていることは妥当であり、賛成とするものであります。

(意見書案第4号「「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書」(案)に対して反対の討論はこちら)

日本共産党伊丹市議団ニュース(第257号)を発行しました

庶民増税、福祉医療助成制度改悪、介護保険料・後期高齢者医療保険値上げ ストップ!

日本共産党伊丹市議団ニュース(第257号)はこちら(画像PDFファイル)

伊丹市議会3月予算議会

  • 一般会計への反対討論 上原ひでき議員
  • 特別会計への反対討論 かしば優美議員

2012年3月議会 かしば優美:介護保険会計への反対討論

議案第31号「平成24年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」、議案第60号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」に対する討論

2012年3月27日
日本共産党伊丹市会議員団 かしば優美議員

 第60号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」と関連する議案第31号「平成24年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」についてであります。

 今回条例の一部改正として、第5期介護保険料の基準額を月額4,200円から4,400円に引き上げるとともに、保険料段階区分を10区分から12区分に見直すものとなっています。この改定により年金収入300万円の人には、月額で5500円、年間で66,000円の保険料がかかってきています。

 今回の介護保険料引き上げは、年金が引き下げされる中、現状でも高い国民健康保険税に加えて、来年度から後期高齢者保険料も値上げとなるもとでの実施となり、高齢者に大きな不安を与えるものとなります。

 さて今回当局は、第5期介護保険料設定にあたり介護給付等準備基金1,145,000千円の5割570,000千円を取り崩して基準保険料を月額4,400円に抑えたとしていますが、なぜ5割=半分だけの取り崩しなのか根拠がありません。委員会でも質疑しましたが、第4期介護保険事業計画策定にあたり、当時存在した介護給付費等準備基金861,000千円については、第4期介護保険料の上昇を抑えるために262,000千円、残り約6億円は第5期の保険料の上昇抑制のために積み立てておくとの計画でした。ところが第4期では取り崩しを予定していた262,000千円はその必要がまったくなかったこと、しかも逆に第4期・2009年から2011年までの3年間で新たに284,000千円準備基金を積み増ししたのです。このことは、第4期介護事業の中でさまざまな理由があったにしろ、徴収した介護保険料に見合う介護サ-ビスが提供できていないことを示しています。

 この介護給付費等準備基金すなわち「剰余金」は第一号被保険者の保険料にほかなりません。よって少なくとも、第5期の保険料を抑えると約束していた約6億円と第4期中に取り崩しの必要がなかった260,000千円合わせて約8億6千万円の介護給付費等準備基金については、それを取り崩して保険料上昇を抑制することが被保険者に対する最低の責任だと考えるものです。

 以上の理由により議案第60号と関連する31号に反対とします。

2012年3月議会:かしば優美 後期高齢者医療会計への反対討論

議案第30号「平成24年度伊丹市後期高齢者医療事業特別会計予算」に対する反対討論

2012年3月27日
日本共産党伊丹市会議員団 かしば優美議員

 議案第30号「平成24年度伊丹市後期高齢者医療事業特別会計予算」についてであります。兵庫県後期高齢者医療広域連合は、2012年度と2013年度の保険料率について、被保険者一人当たりの保険料額を現行70,717円から4,310円引き上げ75,027円と決定しました。伸び率は前年比6.09%となります。厚生年金の平均的な年金受給者(受給年額201万円)の場合で、現行対比3,847円の増となり、保険料額は年額58,738円(現行対比7.01%の増)となります。年金が減らされる中、医療保険など社会保険料負担の増大が高齢者に大きな不安を与えています。

 今回の兵庫広域連合予算を少し具体的に見ると、2012年、13年度毎年医療費が7%前後の伸びが見込まれ、保険料はなんら上昇抑制措置を講じなければ14.42%ものびる試算となっています。さらに医療給付費は、公費で5割、現役世代からの支援で4割、高齢者からの保険料で1割として制度発足しました。この1割負担いわゆる「後期高齢者負担率」が、最初の2008年、09年度は10%であったものが、10年11年度は10.26%、そしてさらに高齢者が増加したという理由で、12年13年度予算では10.51%と引き上げられています。

 日本共産党議員団は以前から、後期高齢者医療制度は後期高齢者の人口と医療給付費(医療費)が増加すればするほど保険料の値上げに直結するしくみとなっており、露骨な受診抑制をもたらす最悪の医療制度であると指摘してきました。そのことが次年度以降の兵庫県広域連合の予算にも端的に現れています。そして伊丹市の平成24年度事業会計予算にも、今回の保険料値上げが含まれており、議案第30号に反対するものです。

2012年3月議会:上原ひでき 一般会計予算等に対する討論

(一般会計予算・市税条例改正・福祉医療改悪に反対、土地信託に関する議案に賛成

(2012.3.23)
日本共産党伊丹市会議員団 上原秀樹

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、議案第28号「平成24年度伊丹市一般会計予算」、議案第52号「市税条例の一部を改正する条例の制定について」、並びに議案第57号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例および伊丹市子育て支援のための医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」に反対、議案第70号「市有地の信託の変更について」に対しては賛成の立場から意見を述べます。

平成24年度伊丹市一般会計予算

 はじめに、議案第28号「平成24年度伊丹市一般会計予算」についてであります。

 来年度を迎えるにあたっての国民・市民のくらしに関しては、政府の統計でも、2011年の雇用者報酬が10年前に比べて約20兆円も減少、労働者賃金は年平均50万円減少し、家計消費も前年比1.1%減という苦しい状況が続いています。伊丹市においても、今年の所得状況では、給与が2.3%、事業所得が1.98%と対前年比で減少し、法人市民税でも均等割り、法人税割とも前年を下回っています。

 このように景気が落ち込み、格差が拡大する中、民主党の野田政権は、「社会保障と税の一体改革」と称して、消費税を2015年に10%に増税する法案を成立させようとしていますが、国民の暮らしを大きく圧迫し、景気を冷え込ませ、日本経済をどん底に突き落とすとともに、財政破綻も一層ひどくするものとなることは間違いありません。

 提案されています2012年度の伊丹市一般会計予算は、歳入・歳出660億円で、前年対比6.1%の増とするものです。しかし、借換債や第3セクター関係費用を除くと601億円で、3.4%の減となります。個人市民税では市民に対して年少扶養控除の廃止等によって約3億4,500万円の増税をするものですが、法人市民税と償却資産税とともに、リーマンショック前と比べて約29億円の減少のままとなるとされており、市民のくらしや中小零細業者の営業は依然として厳しい状況が続くことが予想され、このことから伊丹市においては、一層暮らしを守る施策が求められることになります。

 一方、普通交付税と臨時財政対策債の合計は、市税が約2億4000万円減少し、扶助費が約3億円増となっているにもかかわらず、実質前年とほぼ同額となっています。この点では地方財政計画においても、社会保障関係費の自然増における地方負担分を、給与関係費と投資的経費の削減によってつじつまを合わせただけのもので、その反映といえます。給与関係費に関しては、政府の「集中プラン」で大幅削減を誘導し、地方ではこれ以上減らすことができないところにあります。このような財政計画を見る限り、一般財源は総額確保したとはいえ、実際には歳出削減路線を伴っており、小泉内閣による地方交付税の大幅削減はいまだに回復できていません。

 国に対して、自治体が「住民の福祉増進」という役割を十分発揮できるだけの一般財源の保障を強く求めていただきたいと思います。

 本予算の問題点について述べます。

 第1に、同和問題についてです。伊丹市は同和教育・啓発を推進していますが、その理由として、「人権に関する意識調査」から、「居住の敬遠」と「結婚問題」で20%台から30%台の人が同和問題に関する人権問題が起きていると思うとされたこと、またのその原因を「社会全体に残る差別意識」とする回答が40%近くあったことから、同和問題は解決されていないためとされています。しかし、そのような差別の実態はほとんどありません。にもかかわらず、「意識調査」でそのような結果が出ることにこそ、いまの同和教育・啓発の問題があります。かつての部落問題に関して、正しい知識を得るための学習が必要なこともあります。問題は、伊丹市の同和教育・啓発の出発点が「いまだに差別意識が根深い」という認識にあることです。「差別意識は根深い」ことを強調することは、市民が正しい認識を持つことができなくなるとともに、旧関係住民の気持ちも逆なですることになります。このことは、人権教育指導員に、同和問題に関して、部落解放同盟のメンバーが4人入っていることにも起因します。ただちに同和問題の解決の展望を市民に示し、同和教育を終了することを求めます。また、かつてのいわゆる「同和住宅」の一般対策化に関しても同様です。早期に解決することを求めます。

 第2に、福祉医療助成において、助成対象者を削減する問題です。予算の上でも、重度の身体・知的・精神障がい者に対する医療費助成では、2%の60人が、また子育て支援のための医療費の助成おいては、22,463人のうち4.8%の1,070人が対象から外れることになります。伊丹市は、他市に先駆けて子どもの医療費助成を充実してこられました。このことは評価をするものですが、他市においては、県の改悪に従わず、現行を維持する自治体があるとともに、保護者の経済的理由により子どもが医療を受けることができない事態をなくし、安心して子育てができるように、入院、通院とも中学校卒業まで無料化が広がっています。福祉医療助成対象者の削減は、その流れに逆行するものです。

 第3に、PPP(官民共同)基本方針策定の問題です。伊丹市は、公共施設の効率化・効果的な整備や維持運営に資するため、PFI事業に関して、その導入基準や手続き、体制などを取りまとめるとされるとともに、さらに市場化テストなども検討するとされました。しかし、PFIに関しては、近江八幡市立総合医療センター等の破綻で明らかになったとおり、民間事業者の利益が優先され、高金利負担となり、いつ発生するか分からない修繕費用の前倒し支払い、中間業者が介在するというPFIの制度的欠陥性などが問題となっています。一時的な費用負担軽減のため、市民のための公共財産を安易に民間にゆだねる手法はやめるべきです。

 第4に、伊丹市立高校(定時制)の阪神昆陽高等学校校舎への移転並びに、定時制高校統合負担金9,000万円の問題です。来年度はその初年度に当たるため、改めて問題点を述べておきます。定時制の移転に関しては、多くの反対の声や不安がありながらも、移転の決定を急いだこと、すでに施設整備費に約3,000万円支出し、来年度、施設使用料932万円、送迎業務委託料1,150万円など新たな負担をしなければならなかったこと、そして生徒の通学時間の調整や今後の留年生徒への対応策など様々な困難を抱えた生徒に精神的な負担を押し付けることなどです。また、統合負担金に関しては、来年度から4年間合計3億6,000万円支出するもので、学校教育法や地方財政法に違反する可能性もあるとともに、違反しないとすれば何のための負担金か不明のまま負担するという性格のものです。

 来年度、困難を抱えながらのスタートになると考えますが、定時制は、小・中学校時代に不登校経験のある生徒や中途退学者など、さまざまな入学動機や学習暦のある生徒が学んでおり、伊丹市教育委員会がその生徒の教育を受ける権利を保障する上で、来年度からの3年間、全力で支援をしていただきたいと思います。

 また、統廃合完了後の問題では、県立高校に移管した以上県教育委員会の方針で運営されるもので、答弁にあったとおり、教育内容を伊丹市教育委員会と県教育委員会で協議できるものではありません。伊丹市立定時制高校の伝統を市内外に発信する上では、「定時制教育の記録」などの冊子をつくることを提案します。検討をお願いします。

 次に評価すべき点、並びに要望すべき点について述べます。

 第1に、国民健康保険事業に対して、来年度も4億2,500万円を補助するとともに、国の制度ではありますが、後期高齢者医療制度における人間ドッグ助成事業が行われることです。本会議でも求めましたが、国保への一般会計からの補助に関しては、次年度以降、新たな仕組みをつくり、増額していただきたいと思います。

 第2に、子育て支援に関して、神津認定子ども園整備事業では、神津まちづくり協議会や幼稚園・保育所関係者との協議を積み重ねた設計に基づき、建設工事が始まります。認定子ども園にはさまざまな解決すべき問題は残されていますが、伊丹市が責任を持つ公立園であることから、子どもの立場に立って打開していただき、神津地区のまちづくりの核となり、子育て支援の拠点となるよう努めていただきたいと思います。また、「詰め込み」保育の解消、待機児童解消に向けて認可保育所誘致に全力をあげていただきたいと思います。

 第3に、「協働の指針」の策定については、新たに市民が主体となったまちづくりを実現するものとして期待するものです。地域には、孤独死や貧困の広がりによる困難など様々な地域問題がありますが、それらの問題を協働で解決できる力量を高めていくことが求められています。地域には自治会などの地縁組織をはじめ、様々な団体・組織があります。これらの多様なまちづくりの主体が、行政の公共性を前提として、行政と対等な関係の中で、それぞれの特徴を活かしながら、連携・協力して共通の目標を達成するために力をつくす仕組みをつくることは、住みよい地域づくりに大きく貢献するものと考えます。地域問題解決の手段として必要な協働関係を構築することができるような指針となることを要望します。

 以上、主なものしか触れることはできませんでしたが、これ以外に様々な要望を本会議、委員会で行いました。早期に実現することを求め、反対の立場からの意見とします。

市税条例の一部を改正する条例

 次に、議案第52号「市税条例の一部を改正する条例の制定について」であります。

 本条例案の問題の第1は、付則第9条において、2013年1月1日以降支給の退職所得に関して、個人市民税の10%税額控除を廃止しようとしていることです。廃止によって約1000万円の増税となるものです。

 問題の第2は、付則第24条を新設することで、全国緊急防災・減災事業の財源確保を名目に、個人市民税の均等割を500円引き上げようとしていることです。このことによって、86,000人に対して、4,300万円の増税となるものです。個人市民税の均等割は、就業者数に照らしてそのほとんどが納税義務者となっており、所得の低い人にも負担を課すものです。応能負担こそ税制の基本であり、低所得者に負担を強いる個人市民税の均等割引上げに財源を求めるべきではありません。しかも、引上げ期間は10年間であり、恒久的な増税措置になりかねないものであります。さらに、全国レベルでいえば、住民税均等割の引上げによる地方税の増税は被災自治体の住民にも及ぶものであり、被災者支援に反するものと言わなければなりません。
 よって本条例案に反対するものです。

伊丹市老人等医療費の助成、子育て支援のための医療費の助成

 次に、議案第57号「伊丹市老人等医療費の助成に関する条例および伊丹市子育て支援のための医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について」です。

 本条例案は、重度の身体・知的・精神障がい者に対する医療費助成に関して、また、子ども医療費助成制度における乳児以外の医療費助成に関して、助成を受ける保護者等の所得要件を、主たる生計維持者から世帯合算に変更しようとするものです。このことによって、先ほど一般会計予算で述べたとおり、多くの助成対象者が削減されます。

 伊丹市は、所得制限に関しては、県の制度に合わせていくということが方針であるとされていますが、神戸市や明石市、芦屋市、宝塚市においては今回の県の制度見直しに合せず、いままでどおりの所得制限として対象者を削減しない方針です。もともと伊丹市も県の行革による医療費助成削減に反対していたことから、削減しない方針を貫くべきです。

 主たる生計維持者の所得と世帯合算の場合の矛盾を解消に関しては、所得制限の上限を引き上げることなどによって矛盾解消による助成対象者削減をしない措置を考えるべきです。さらに、入院医療費助成等県の制度に上乗せしている制度に関しては、県の所得制限に合せる必要はありません。

 よって、本条例案に反対するものです。

市有地の信託の変更

 次に、議案第70号「市有地の信託の変更について」です。

 本議案は、信託の目的に「処分」を加えることで処分型の信託に変更し、処分に対する信託報酬を、売却代金収入に1000分の30を乗じてえた額に100分の105を乗じて得た額にしようとするものです。

 旧伊丹市役所で、後に社会経済会館となった伊丹市中央3丁目406番8の土地に関して、伊丹市は、1989年(平成元年)3月24日に、当時の三菱信託銀行株式会社(現 三菱UFJ信託銀行株式会社)と土地信託契約を締結し、現在に到りました。

 当時の「市有地の信託について」の議案に対する党議員団としての態度は、国の信託に関する法律改定は民間活力導入政策の一環として行われたものであること、公共財産は住民全体の公共的利益のために使われるべきもので、民活の名による民間企業の営利の具にしてはならないこと、将来の担保も不明確なものであることから反対しました。

 1989年度予算審議における党議員団の委員会質疑の中で、当時の市長は「リスクはあろうとも、挑戦していくことが必要」「危険ばかり感じておっては、発展はありえない」と答弁され、将来の破綻の危険性を承知の上で土地信託の契約に踏み切っています。当初予定した伊丹市に対する信託配当累計は、34億2,400万円、固定資産税・都市計画税の累計10億7,100万円と合せて、約45億円が30年間で伊丹市に入ってくるというものでした。一方、信託報酬は3億1,100万円、銀行利息は約20億円とされ、民間企業の営利も保障していました。

 ところが、右肩上がりのバブル期が30年も続くはずはなく、危惧していたとおりの事態となりました。この間、伊丹市が受け取った信託配当と固定資産・都市計画税の合計は、2010年度末で12億3,470万円にとどまり、一方で、銀行に対する利息は12億5,400万円、信託銀行への信託報酬は1億3,300万円で、合計13億8,700万円となり、伊丹市が受け取った金額より多く、民間企業の営利の具とされてきたことはいうまでもありません。

 いま、明らかに信託事業は破綻しました。このことは、リスクを見込んだ上での信託事業決行に対して、また、「官から民へ」「民間活力の導入」「民間のノウハウを活かす」などと、公が果たすべき「住民の福祉向上」を民間にゆだねてきた路線そのものに対して、その問題点と限界が明らかになったといえます。
 今回提案されている処分型信託への変更によって、何よりも市民の大切な財産を失うことになります。信託の出発点と今日までの経過における当局の責任は重大といわざるを得ません。この件に関して、本会議・委員会の中で様々な議論が交わされました。しかし、このまま継続すると、空いている床が埋まる保障はなく、たとえ埋まったとしても終了時までのリスクは背負い続けなければならず、さらに家賃の引き上げの展望もないまま推移することとなり、傷口は広がり、最終的に受益者である伊丹市が、その債務を負担することになります。

 したがって、党議員団としては、本議案における処分型信託への変更を是とするものであります。

 なお、信託銀行が行う入札に当たっては、伊丹市として、透明性が確保されるあらゆる手段を指示されることを求めて、賛成の立場からの意見とします。

 議員各位のご賛同をお願いしまして、討論とします。

2012年3月議会:かしば優美 個人質問骨子/特定疾患医療費助成事業

2012年3月11日
日本共産党伊丹市会議員団 かしば優美

個人質問骨子

1、医療福祉に関連して(このページ)

1)特定疾患医療費助成事業に関する検討会設置について

(1)なぜ年度末の設置なのか

(2)会議を非公開とする理由について

(3)検討会構成員に特定疾患患者(団体)いわゆる当事者市民を加えないのはなぜか

2)子育て支援医療費助成―議案第57号について

(1)所得判定の見直しによる影響は?

(2)10年12月時点では「反対」、今回は「容認」と市の姿勢が一変したのは?

(3)子育て支援の拡充を“オンリーワン”に

2、公園緑化協会の解散に向けた課題

(1)プロパー職員や臨時職員の身分保障を

(2)特に昆虫館の今後の管理・運営のあり方について

3、後期高齢者医療事業について

(1)伊丹市のおける現状について

(2)2012、13年度2ヵ年の保険料額設置に関して

(3)増大する保険料負担への対応について

個人質問要旨

 議長より発言の許可をいただきましたので、私は日本共産党議員団を代表して質問します。はじめに医療福祉費に関連してうかがいます。

特定疾患医療費助成事業

 第一に特定疾患医療費助成事業についてであります。

 伊丹市は昨年12月に、特定疾患医療費助成事業に関する検討会設置要綱を定めました。検討会の設置目的は、特定疾患医療費助成事業の実施状況を点検し、事業のあり方について検討するとし、検討する事項は、特定疾患の助成事業の現状についての点検及び助成事業の見直しに関すること、その他市長が必要と認める事項に関することになっています。そして検討会は学識経験者、伊丹市医師会会長、兵庫県伊丹健康福祉事務所長、健康福祉部長の4名の委員で構成し、委員の任期は今年3月末まで。この設置要綱は今年1月20日から施行するとなっています。

 一方特定疾患医療費助成事業については、昨年2月に発表された「伊丹市行財政プラン」の中で、事務事業の抜本的見直しの「検討項目」の一つにされました。その後、8月市当局からの申し入れにより議会各会派で、特定疾患医療費助成事業見直し資料をもとにした「勉強会」が実施されました。こうした経過もふまえて数点うかがいます。

 1点目として、検討会設置要綱の施行が今年1月20日からと年度末の時期になったのはなぜか。また1月20日と2月10日に会議をされたと聞いていますが、どのような審議が行われているのか。

 2点目として、会議が非公開としていることについて

 伊丹市審議会等の会議の公開に関する指針は、「審議会等の会議を公開することにより、市民の参画と協働によるまちづくりを一層推進するとともに、市政の透明性や公平性を高めることを目的とする。」と規定しています。検討会を非公開にしていることはこの指針に反することになります。

 3点目として、検討会の構成員の中に市民や特定疾病患者(団体)いわゆる当事者市民が加わっていないのはなぜか。以上3点について当局の説明・見解を求めるものです。

子育て支援医療費助成

 第2に、子育て支援医療費助成―議案第57号についてであります。

 現在、子育て支援医療について、0歳児は所得制限がなく、1歳から15歳については、幼児等保護者または扶養義務者の市町村民税所得割額が23.5万円の所得制限がかかっています。今回市当局は議案第57号の提案理由として、「医療費助成の受給資格にかかる所得制限を見直すとともに、所得制限にかかる算定の特例を設けるほか所要の改正を行うため」と説明しています。23.5万円という制限所得について、現行は世帯の最上位所得者で判定しているものを、同一世帯を合算する所得判定へ是正するというものです。私はこの問題で一昨年2010年12月に質問を行いました。その時の答弁では、「子育て支援医療費助成の所得制限の見直しにより、本市においては10年度当初の16,860人の受給者のうち約2,000人が対象から外れると見込んでいる」というものでした。以上の点をふまえて、

(1)改めて、所得判定が見直しされれば何人が制度の対象外になるのか。

(2)前回からの姿勢を変えたのはなぜか

 兵庫県は一昨年(2010年)11月に第二次行革プランの中で「所得判定の見直し」を発表。ところが県下市町の反対が強かったこともあり、実際の実施を1年半遅らせてきた経過があります。私が2010年12月にこの問題で一般質問した際に当局は、「これまでの方針を転換するとも受け取れる今回の見直し案につきましては、兵庫県との共同事業として福祉医療助成を実施している市といたしましても、到底容認できないということは県に対し強く申し入れを行っているところです」と答弁されていました。ところが今回一変して県の見直しを容認しておられますが、その明確な理由を説明願いたいと思います。

(3)子育て支援の拡充を“オンリ-ワン”に

  これまで伊丹市は全県に先駆けて、入院について中学校3年まで医療費を無料にしてきた実績があります。今回の見直しについては県に追随することはやめ、子育てがしやすい街、子育て支援の拡充を“オンリ-ワン”にする姿勢を堅持していただきたいと考えます。県下では、神戸や明石、芦屋、宝塚市は県にあわせず、対象者を削減しない方針であると聞いています。当局の見解を求めておきます。

2、公園緑化協会の解散に向けた課題について はこちら

3、後期高齢者医療事業について はこちら

2012年3月議会:かしば優美 後期高齢者医療事業について

2012年3月11日
日本共産党伊丹市会議員団 かしば優美

  1. 特定疾患医療費助成事業に関する検討会設置/子育て支援医療費助成について
  2. 公園緑化協会の解散に向けた課題について
  3. 後期高齢者医療事業について(このページ)

4. 後期高齢者医療について

 兵庫県後期高齢者医療広域連合は2012年度と2013年度の保険料率(案)について、被保険者一人当たりの保険料額は、現行70,717円から4,310円引き上げ75,027円になるとしています。伸び率では6.09%となります。年金が減らされる中、医療保険など社会保険料負担の増大が高齢者に大きな不安を与えていますが、後期高齢者医療について3点うかがいます。

 第1に、伊丹における保険料普通徴収の実態について、また短期保険証の交付数についてうかがいます。

 第2に、兵庫県広域連合は、保険料の大幅な上昇を抑える趣旨から、2011年度末の剰余金を活用し、また財政安定化基金を取り崩して、一人当たりの保険料額を6.09%の伸び率に抑えたとしています。しかし財政安定化基金については、約89億円のうち約68億円を取り崩しただけであり、なぜ全額取り崩して保険料の上昇をさらに抑えることをしないのか。2月28日には来年度から2ヵ年の保険料額等を審議する広域連合議会が開催されましたが、どのような議論がなされたのかお聞きしておきます。

 第3に、後期高齢者医療制度は、後期高齢者の医療給付費が増えれば後期高齢者の保険料の値上がりに直結する仕組みが露骨であります。今回の兵庫広域連合の場合も、2012年、13年度毎年医療費が7%前後の伸びが見込まれ、保険料はなんら上昇抑制措置を講じなければ14.42%ものびる試算となっています。今回の保険料率見直しにより、均等割、所得割の軽減措置をとらざるを得ない低所得者の高齢者にも容赦なく保険料負担が増加しています。市独自の減免措置等を講ずる必要があると考えますが見解を求めておきます。