2017年3月 予算 議会報告

安倍暴走政治から市民の暮らしを守る 日本共産党市議団

2017年3月 予算 議会報告
日本共産党伊丹市会議員団

2017年3月 予算 議会報告はこちら(PDFファイル)

【1面】

みなさんとごいっしょに実現しました

保育所

 待機児童解消 伊丹市は、4月1日現在、「待機児童0(ゼロ)」を達成したと発表。これは党議員団が市民と一緒に要求し続けてきた成果です。市はこの4年間で認可保育所の定員を796人増やし、待機児童の定義を保育所入所希望者全員対象として、「自宅から概ね1キロ圏内」に対象施設がない場合も含めるとしています。今後も引き続き年度途中の待機児童解消を求めます。

中学校給食 6月から開始

 長年の市民の願いがようやく実現。中学校給食が6月から始まります。日本共産党議員団は一貫してその実現を要求。4年前の市長選挙を機に藤原市長も実現へ方向転換しましたが「センター方式・民間委託」に固執。安心安全・食育を進めるうえでも引き続き「市直営調理」を求めていきます。小学校給食調理は引き続き市直営の維持を求めます。

放課後児童くらぶ

6年生まで拡大・施設充実

 多くの保護者の要求により、今年度から児童くらぶの対象児童が小学校6年生まで拡大されました。児童数が増えるために、小学校の普通教室等を児童くらぶ専用室に整備(内容は流し台、電気温水器、インタ-ホンの設置等)するなど、放課後に安全で快適な生活ができる環境が整えられます。

 児童数の増加により児童くらぶの定員が増えるのは、南(120人→160人)、有岡(80人→120人)、神津(40人→80人)です。

公立幼稚園を守れ

  伊丹市教育委員会は市内16園(神津除く)の市立幼稚園を10園程度に統廃合しようとしています。小学校と連動し保護者にも支持されている「一校区一園制」を今後も維持し、早期に3年保育と預かり保育を実施することを強く求めました。

 これに対し教育委員会は、「昨年度市内各地で市民の意見を聞いてきたが、現状も踏まえて結論を出したい」と明確な答弁を避けました。

介護保険
要支援1・2の「介護給付はずし」
必要な介護が受けられない

 国による制度「改正」によって、要支援1・2の人が「介護給付」からはずされ、「新総合事業」に移行します。伊丹市では、訪問介護の内、「生活援助」(家事援助等)のみのサービスがヘルパーの資格のない人に変更。必要な介護が受けられなくなる可能性があります。

 また、今まで要支援1・2の人は、半年に1回、医師の意見書を付した要介護認定が必要でしたが、今後、再認定を受けずに「新総合事業」のサービスを受ける場合も。「介護給付」希望などの本人や家族の意向がどこまで尊重されるのか疑問です。

 党議員団は、必要な介護が受けられない制度変更に反対しました。

【2面】

市民の要求・疑問にこたえ、質問

一般質問から

かしば優美議員

教員の長時間勤務の改善に向けて―
クラブ活動の負担軽減を

 全国的に教員の長時間勤務が問題になる中、特にクラブ活動の負担を軽減することが急務となっています。以前にも同様の指摘を行い、伊丹市でもようやく「週1回のノー部活デー」を設定。

 部顧問教師の負担軽減には外部指導者が必要ですが、現在市内8中学校では全104クラブ中20クラブにしか配置されていません。今後学校任せではなく教育委員会として確保に全力を尽くすよう求めました。これに対し市教委は「国において(仮称)部活動指導員の設置等も検討されている。こうした動きも視野に入れ見直していく」と答弁しました。

ひさ村真知子議員

学校での平和教育・平和学習進めよ

 憲法は子供たちに平和を築く主権者として成長することを求めていると思います。学校教育ではそのための啓発はどのように行われているか、憲法そのものを平和教育・平和学習の教材とすべき、と質問しました。

 また、市博物館に保管されている平和資料の充実・活用と、伊丹在住の中国残留孤児の皆さんの体験を平和教育に活用することの検討を求めました。

 市は、「平和教育」は学校教育の一つの柱と位置付け、現在の小中学校での平和学習の取り組み状況を詳細に答弁しました。

上原ひでき議員

就学援助制度の充実を求める

 国は、今年度から就学援助費の新入学学用品費の単価を、小学校4万600円、中学校4万7千400円に、それぞれ約2万円引き上げました。しかし伊丹市の予算に計上されていません。私は、国の制度変更に伴い、伊丹市でも補助金額を引き上げるべきと主張。その後当局から、今年度から支給を引き上げると返事がありました。

 また、伊丹市の新入学学用品費の支給時期が5月となっており、入学準備に間に合っていません。3月中の支給を求めたところ、前向きな答弁。引き続き実現に奮闘します。

服部よしひろ議員

市職員の長時間勤務解消を

 過労自殺を生む長時間労働が社会問題に。長時間労働の実態を把握できない「自己申告制」をやめるよう厚労省も通達を出しています。

 市職員の勤務時間把握方法も事実上「自己申告」。また、特定の部門では繁忙期に2ケ月連続100時間に及ぶ残業も記録されています。

 充実した市民サービスには健全な勤務状態が求められます。市職員の勤務実態と勤務時間の把握方法をただし、厚労省ガイドラインどおり「残業月45時間、年360時間以内」とし、客観的な勤務時間把握制度の導入を求めました。市は「代休取得と仕事量の平準化を進める。制度導入は留保」と答弁しました。

後期高齢者医療(75歳以上)安倍自公政権、保険料大幅値上げ

 後期高齢者医療保険料値上げの条例が提案され、党議員団だけの反対で可決しました。これは国の社会保障関連予算削減の一環で、年金を引き下げ、高齢者の保険料負担を増やすものです。内容は、①低所得者(年金のみで178万円以下)に対する所得割の5割軽減を2割にして18年度から廃止する、②被用者保険加入の元被扶養者に対する均等割り9割軽減を7割にして18年度には5割にするもので、これら合わせて市全体で約1千800万円の値上げとなります。

これは驚き
公明党議員団が「年金改悪反対」の請願に反対討論

 年金者組合提出の「マクロ経済スライド制度の廃止」「最低保障年金の実現」などを求める請願に対し、公明党議員団が反対討論。討論では、年金制度改革は「将来にわたって年金給付を保障するためのもの」制度存続のために「若い人の負担を減らし、受け取る年金を減らすもの」で我慢してもらうとの趣旨を表明。高齢者の実態を無視した立場を露呈しました。

○賛成 ×反対

議案・意見書・請願の審査結果 結果 共産党 フォーラム 公明党 創政会 新政会 未来ネット

2017年度一般会計当初予算    ○  ×   ○     ○   ○   ○   ○

後期高齢者医療事業特別会計予算 ○  ×   ○     ○   ○   ○   ○

介護保険事業特別会計予算 ○  ×   ○     ○   ○   ○   ○

年金制度改革関連法改定についての意見書 ×  ○   ○     ×   ×   ×   ○

最低賃金の改善と中小企業支援の充実を求める請願書 ×  ○   ○     ×   ×   ×   ○

野良猫の不妊去勢手術助成金制度創設を要望する請願書 ○  ○   ○     ○   ○   ○   ×

共産党4人 フォーラム8人 公明党6人 創政会5人 新政会3人 未来ネット2人

2017年3月議会 久村 真知子:平和教育、民間住宅の借り上げ市営住宅

2017年3月議会 一般質問

2017年3月8日
日本共産党市会議員団 久村 真知子

1、平和教育・平和学習

 初めに伊丹市の学校教育の中で平和教育・平和学習についてです。

 戦後70年には、広島での平和記念式典は過去最高の100か国の代表を含む5万5000人が参列され各国にもその模様や被爆者の声などが報道されたようです。

 昨年はオバマ大統領が現職の米大統領としては初めて広島に訪れたことなども大きく報道されました。すでに第二次大戦が終わり70年以上もの月日が流れ過ぎたのを、改めて感じました。

 実際に戦争を体験された方々が少なくなってきていますが、戦争で悲惨な体験をされた方々は「二度と戦争はごめんだ。今後も日本が世界が平和であってほしい」と望んでこられたでしょうし、私たちも戦争を起こさないよう一人一人が世の中の動きに関心を持っていかなくてはならないと思います。そのためには、戦争体験は風化させてはならないことなのだとも思います。

 広島の平和記念資料館では、大統領の折鶴の影響などで入館者が過去最高になったと先日報道されていました。多くの方々が折鶴をみながら平和記念資料館を訪れ平和への思いが深まるきっかけになれば大いにいいことだと思います。

 先日伊丹市議会で議員研修会が行われ、弁護士でありテレビなどでも活躍されている伊藤真さんの講義で「憲法の中の人権とは」、という内容を聴かせていただきました。

 憲法前文や各項目のお話の中から「戦争は最大の人権侵害である」「自分の人権を考えることは、相手の人権を守ることでもある」などのお話が印象に残りました。

 人権を守るためには憲法前文第一項に書かれている「政府の行為によってふたたび戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意しここに主権が国民に存することを宣言しこの憲法を確定する」とは、改めて重いことだと感じました。そして第12条に「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」となっています。改めて納得でしたが、この憲法の精神を私たちが守る努力を行うことが、どのように伝わっているのでしょうか。真の平和を次の世代につなげていくことができるのか、講演を聞いた後に考えさせられました。

 次の世代を担う子供たちや若者がこのような問題をどこでどのように学べるのでしょうか。

 誰にとっても身近な人から戦争体験の話を聞く機会は重要ですし、実際にその時代で戦争体験をされた方々に直接話を聞くことは平和問題を深く考えるきっかけとなると思います。しかし若い人や小学生などの身近には戦争体験を話してもらえるような方が身近にはほとんどいないでしょうから、学校などで学ぶしかないでしょう。その中で、こどもたちは平和を守るという自覚を持てるのでしょうか。伊丹の平和教育の在り方はどうなのだろうと気になりましたので数点お聞きします。

(1)  伊丹市の学校教育での平和教育の進め方

 伊丹市の学校教育での平和教育の進め方ですが、教育基本法第1条には「教育の目的」として、「教育は、人格の完成をめざし、平和な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。」と示されています。

 平和教育は、民主主義教育でもあるといわれていますが、平和な国家の形成者として育成されなければならないという大きな目的が改めて大事なものであり、この目的に沿って行なわれる教育は大変重要なものであると考えます。

 しかし「平成29年度・伊丹の教育、取り組みと主要事業」等では、特に平和教育・平和学習に関しての考え方、方針が見られないようなのですが、当然こともたちが平和の形成者となるよう、平和教育を進めておられるとはおもいますが、改めて伊丹の学校教育の中では、どのような立場で平和教育を進めておられるのかお聞きいたします。

(2) 戦後70年の問題

 戦後70年の問題ですが、伊丹市は「平和都市宣言」を行っていますので、それにふさわしく、若い人たちは平和の大切さ、平和を守るのは、「国民の不断の努力よるものであること」など、憲法に謳われているを身に付けてほしいと思いますが、戦争をゲームのように感じたり、自分には関係がないことという風潮があるのではないでしょうか。

 「戦後70年」は先ほどもいいましたが、いろいろマスコミでも報道されました。子供たちにも関心がもてる機会であったのではと思いますので、学校では、平和教育・平和学習の観点から、戦後70年問題はどうだったのでしょうか、どのようなことに取り組まれたのかお伺いいたします。

(3) 平和教育・学習に関連する資料

 平和教育・学習に関連する資料の充実はどうなのかという問題ですが、他市では様々に地域の状況とからめての平和資料館が作られているところもあります。平和教育のためには、戦争に関する資料などが大切になると思います。資料収集は十分なのかが気になるところです。また戦争体験を話して聞かせる語り部なども広島・沖縄などでは行われていますが、伊丹でも充実させるよう取組むことは必要ではないでしょうか。

 戦争に関しての語り部ができる方々も限られてきていると思いますので、聞き語りしたものを残していかなければならないとも思います。伊丹市としても子どもたちが、身近に平和問題を考える場として資料の収集を行い、観られるようにすることは必要ではないかと思います。

 現状では市立博物館に大変貴重な資料が展示されていますが、戦争への流れ、歴史感や伊丹市での戦争に関することが、あまり伝わってこないようにも思います。もっと多くの資料が伊丹にはあるのではないでしょうか。市民の協力をいただき集めることができればともっと充実したものになるのではと考えます。また展示の仕方ですが、伊丹の子供たちが分かるように平和が大事と思えるように展示することが必要だと思います。「平和な国の形成者」として子供たちの目を通しての資料つくりなどが行われてもいいのではないかと思います。現状の資料に対してのより一層の充実を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

(4) 伊丹におられる中国残留孤児の方々

 伊丹におられる中国残留孤児の方々に関する事柄を資料にする件に関してですが、伊丹に中国残留孤児の方々がおられることを知っている方は、そう多くはないと思うのですが、兵庫県下では伊丹に一番たくさん住んでおられます。

 この方々の体験を聞くことは子供たちに平和の大切さを知ってもらうのに貴重な体験になると思います。戦争で親は幼子を日本に連れて帰れず、現地の方々に預けその後長く中国の方々に育てられ、自分が日本人だと分かったのち、日本中国の国交が回復してから祖国日本にかえってこられたわけですが、その歴史を私たちは知らなければならないと思います。その方々を「町の先生」として積極的に登録をしていただくよう協力を要請していただき、子供たちに話ができるようになればと思います。ぜひ貴重な話を聞ける場を作っていただきたいと思います。同時に様々な資料の提供などの協力の呼びかけもしていただきたいと思います。見解をお聞かせください。

(5)  平和教育・平和学習の基本には、憲法学習

 平和教育・平和学習の基本には、憲法学習が必要と思うのですが、どのようにされているのかについてですが。研修会では、トーマスマンの言葉を引用されていました「真の教養とは、人間は戦争をしてはいけないと信じること 自国のことのみを考えるのではなく、他国のことも深く理解すること」と紹介されていました。このような真の教養を、伊丹の子供たちは身に付けてほしいとおもいます。その基礎となるのが憲法をしっかり理解することにつながると思います。

 平和学習、平和教育のなかで、憲法をどのようにとらえておられるのか、また教育のなかでどのように生かされているのか、お聞きいたします。

(6)  平和学習の工夫

 平和問題の学習は低学年や高学年、中学生などでは、それぞれ違うと思いますがどのようなことを工夫して行なっているのかについてですが。伊丹では、子供の修学旅行には広島などへ行き平和学習としては大変大きな役割を果たしていると思います。平和に関しての様々な形で学習が行われていると思いますが、「ドイツなどでは学校でナチズムの問題を学習されているので平和に関することなど周りの方々と大変話し易い」とお聞きしたことがあります。

 日本でも平和問題は原爆投下の状況やまたなぜ戦争が起こったのか、戦後の日本はどうだったのか、どう復活してきたのかなど、様々な点からの学習が必要と思います。低学年や高学年中学校などでは学ぶ観点がそれぞれ違うと思いますが、伊丹ではどのように工夫されているのでしょうか。お伺いいたします。  

2.民間住宅の借り上げでの市営住宅化は進んでいるか。

(1) 伊丹市の方針である民間借り上げての市営住宅化の現状は。

 伊丹市は、民間の住宅を借り上げて市営住宅化するという、「住生活基本計画」を定め、すでに10年目を迎えようとしています。

 市が建て替え等を行わず民間から借り上げて市営住宅とする計画ですが、市営住宅が古くなっている現状でこのような方向はどうなのか気になるところです。すでに同じような質問が昨日出ましたが、重なる質問ですがよろしくお願いします。

 行基団地、若松団地の用途廃止のため当面50戸の募集計画で、移転先は民間借り上げ住宅を当てるとして進められていますが、その進捗状況についてはどうなのか気になるところです。転居先が決まるまで長い時間がかかることは住んでいる方々に大きな精神的負担をかけていることになるでしょう。このような状況を考えると「借り上げ計画」で市民の皆さんの安心した生活の保障ができるのかがどうなのか心配するところです。今までの答弁でも中々借り上げが進まないので借り上げ条件を緩和されてさらに進めようとされていますが、その現状はどうなっているのかお聞きします。

(2) 市民の市営住宅入居要望をかなえるためには、今後どのような方針をもって行うのか。

 入居希望の方々から「なんとか市営住宅に入れないかな」という声は相変わらず寄せられます。最近は高齢者の方からの声がかかります。

 特に高齢者の方はバリアフリーなどでの住みやすいところを求めておられますので、その環境を作っていかないと所得の低い一人暮らしの方が住むところがない状況がやって来るのではないかと心配します。

 現状では市営住宅の4階5階などが多く募集されていますが、「エレベーターがあればね。」という声は相変わらずありますからこのような方の声やまた病気などで階段の少ないところへ変わりたい等の声も緊急です。このような方々のためにも伊丹市としては公営住宅の新たな確保も必要でしょう。今後も当然今お住みの方々は高齢になっていくのですからこのような方々が一日も早く安心して住めるところが必要です。

 公営住宅法の第1章第1条の目的では、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする」となっています。

 伊丹市として住宅に困窮いている低所得の方に住宅提供の責任を果たしてこそ、安心安全な街づくりだとおもいます、今の「住基本計画」の方向で民間住宅の借り上げが間に合うのでしょうか。市民の生活の安定という自治体の役割が果たせるのでしょうか。「また他へは転居したくない。なぜ建て替えをしてくれないのか。」などの市民の声にどうお応えされるのか。お伺い致します。

日本共産党伊丹市議団ニュース第304号を発行しました

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日本共産党伊丹市議団ニュース第304号はこちら(PDFファイル)

6月議会6月6日~24日

一般質問

6月 9日 10時~ かしば優美議員
     15時~ 服部よしひろ議員

6月10日 10:45~ 上原ひでき議員

6月13日 10時~ ひさ村真知子議員

かしば優美議員

1、国保都道府県化

   ―「運営方針策定要領(案)」(ガイドライン)提示に関して

(1)運営方針策定の今後のスケジュール

(2)都道府県化の考え方が変わったのか

(3)運営方針策定には、市の意見が十分に反映されるのか

(4)市独自の一般会計法定外繰り入れ「禁止」を運営方針に盛り込ませないこと

(5)「国保の構造的な問題点」について一切言及していないガイドライン

2、マイナンバ-制度―欠陥が露呈、強引な推進は矛盾深めるだけ

(1)制度の本格運用から半年が経過した時点での本市の実態について

 ① 窓口における相談内容は?

 ② 番号通知が届いていない人数は?

 ③ 個人番号カード申請件数と発行枚数

 ④ コンビニでの住民票、印鑑登録証の発行枚数

(2)カード管理システムの断続的トラブルの詳しい原因が解明されるまでカードの交付作業をストップすべき

服部よしひろ議員

生活保護行政と、高齢受給者の状況

(1)市における生活保護受給者の状況

 生活保護受給者と相談者の2014年度からの増減と65歳以上、75歳以上の高齢者の比率はどうなっているか

(2)住宅扶助の状況

 住居の改善が再就労に道を拓く契機になるように施策の充実を求める

 住宅扶助受給世帯数と、劣悪な住環境のため転居希望している世帯数は

(3)医療扶助の状況

 おむつ代が生活困窮者を圧迫する。

 市として国基準を超える部分の補助を実施できないか

(4)速やかな保護開始が必要

申請から保護開始までの期間の短縮を

(5)受給者の増加、高齢者の増加とケースワーカーの負担の増加への対応

 ケースワーカー一人あたりの相談件数と担当受給世帯数はどうなっているか

 行き届いた対応のために職員の増員を

上原ひでき議員

1.伊丹市人権・男女共同参画に関するアンケートについて

(1)人権の概念について

 「人権」を身近な問題として感じているかどうか問う項目があるが、「人権」といっても個人個人ではその捉えかたが違うと思うが…。

(2)アンケートを通して今後の施策の参考とされるとのことだが、次の項目でどのような施策を考えておられるのか。

 ① 性的マイノリティの人権について

 ② 男女共同参画に関して、男性の育児や介護、地域活動への参加促進について

(3)同和問題に関する項目について

2.学校並びに就学前における歯科健診について

(1)歯科健診で要治療とされた子どものうち、完治したとの保護者の報告がされていない子どもに対する対策について

(2)就学前の歯科健診について

ひさ村真知子議員

1、被後見人の投票権行使について

  公職選挙法が改正され、被後見人の投票権が回復したことへの見解を伺う

 ① 本件に関する問い合わせはあるか

 ② 選挙権回復の被後見人に主権者教育への対応を問う

 ③ 昨年の統一地方選挙での対応は

 ④ 投票率向上のために、関係者の意見を聞き改善を

2、三軒寺前広場のイベントに安心して参加するためトイレ設置を。

 ① 広場でのイベント参加者からの「トイレがあれば」の声に応えよ

 ② 伊丹を訪れる方へのトイレの位置づけは

 ③ 地域に合った個性的なデザインのトイレの検討を

傍聴においでください。市議会HPからもご覧いただけます。

2016年3月議会 上原ひでき:代表質問

 3月4日、日本共産党伊丹市議会議員団を代表して、上原ひでき議員が代表質問を行いました。

 その全文は以下の通りです。

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2016年3月議会 代表質問

日本共産党議員団 上原秀樹

1.市長の情勢認識を問う

1)市長は安保法制=戦争法の廃止、立憲主義の回復を政府に求めよ

 自民・公明安倍政権による、昨年9月19日の安保法制=戦争法強行成立後、国民の反対の声は収まらず、どの世論調査でも、安保法制=戦争法に反対する人は過半数を超えています。このようななかで、野党5党が安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする5野党共同の取り組み方針を確認し、今年の参議院選挙での選挙区1人区での候補者調整にも及びました。このことは何よりも、この安保法制=戦争法が、自民党自身が60年間、集団的自衛権行使は憲法に違反するといい続けてきたのを、180度覆してこれを容認し、他国同士の戦争への参加を認めるという、自衛隊の海外での武力行使を行う仕組みを盛り込んだ違憲立法だからであり、憲法9条を踏みにじるという立憲主義を破壊したことはきわめて重大です。

 この法律によって、伊丹の自衛官も殺し殺される事態に直面します。南スーダンで活動する自衛隊のPKO部隊に、戦争法によって「駆けつけ警護」という新たな任務が追加されます。伊丹に総監部を置く陸上自衛隊中部方面隊の自衛官が、現在南スーダンに派遣されていますが、現在、政府と反政府勢力による武力衝突で、住民と兵士が入り乱れた紛争が続いています。深刻なのは、11歳から17歳の子どもたちが1万人以上少年兵として戦闘に繰り出されていて、このような地域で自衛隊が「駆けつけ警護」にあたれば、自衛官の向けた銃口の先にいるのは住民と子どもたちです。

 自衛官の命を守るためにも、自衛官が誰の子どもも殺させないためにも、安保法制=戦争法廃止、立憲主義の回復を政府に求めるべきです。各地の紛争も、過激武装組織ISに対しても、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発、中国との領土問題にいたるまで、憲法9条を持つ日本の役割は、武力による解決ではなく、非暴力・非軍事による平和的解決の先頭に立つことです。

 市長の見解を伺います。

2)憲法改正=緊急事態条項は必要か

 自民党の改憲草案では、緊急時とされる事態に、内閣への権力集中と国民の基本的人権の制約を行うことが明記されており、安倍首相は、「緊急事態条項」の新設が憲法改定の重要なテーマとなるとの考えを示しました。その根拠とされる災害対策が「緊急事態条項」の理由になるのでしょうか。

 東日本大震災の被災地、東北弁護士会連合会は、この問題で声明を出し、行政の震災対策の初動対応の遅れの原因は、行政による事前の防災計画策定、避難訓練、法制度への理解といった「備え」の不十分さにある。日本の災害法制はすでに法律で十分整備されている。国家緊急県は、災害対策を理由としてもその必要性を見出すことはできない、とされています。

 「緊急事態条項」は、独裁国家、戦争国家に道を開き、憲法9条改定につながる危険きわまりないものと思いますが、市長はどうお考えでしょうか。

 市長は当然のことながら、日本国憲法を遵守する、立憲主義の立場に立っていると考えます。その立場から市政を担っておられると思いますが、市政を担う責任者として、憲法遵守、立憲主義の中心はどこにあるとお考えでしょうか。

 見解を伺います。

3)「アベノミクス」がもたらした貧困と格差の拡大をどう見るか。消費税増税・大企業減税ストップを政府に求めよ。

 市長の来年度予算の提案説明では、景気の先行きは不透明であるとされました。

 一方、安倍首相は、「この3年間で雇用が増え、高い賃上げも実現し、景気は確実に回復軌道を歩んでいる」と「アベノミクス」の成果を自画自賛されています。確かに、一部の大企業は2年連続で史上最高の利益を上げ、内部留保を3年間で36兆円増やし、初めて300兆円を突破しました。しかし、安倍内閣のこの3年間で、実質賃金はマイナス5%と、国民の暮らしはますます悪化し続けているのが実情です。厚生労働省が発表した2015年の毎月勤労統計調査によれば、実質賃金指数は94.6で、前年比0.9%減となり、4年連続の前年割れです。また、総務省の「家計調査」での実質可処分所得は、2015年には40万8,649円で、30年前の41万3,835円を下回る水準まで落ち込んでいます。国民生活基礎調査で「生活が苦しい」と答えた人が62%にのぼっているとおり、「アベノミクス」は完全に崩壊しています。その際たるものが、日銀による「マイナス金利」導入です。

 このようなときに消費税を10%に引き上げたら、食料品などの税率を8%に据え置いたとしても、1世帯あたり年間6万2,000円もの負担増となり、くらしにも、経済にも、大打撃となることは明らかです。大企業には今まで3兆円、更に1兆円の減税を行うとし、その財源として地域の中小企業に打撃を与える財形標準課税の適用拡大を進めようとしていますが、ますます貧困と格差が広がるだけです。

 市長は、「アベノミクス」がもたらした貧困と格差の拡大をどう認識されているのか。伊丹市民にどんな状況をもたらしているのか、何を是正しなければならないとお考えなのでしょうか。市長は、消費税増税・大企業減税ストップを政府に求めるべきと思いますが、合わせて見解を伺います。

2.伊丹市行財政プランについて

1)効率的な行政経営 PPP(公民連携)の推進について

 伊丹市行財政プランでは、PPP(公民連携)に関する基本的な考え方として、民間と公共の双方がWIN-WINの関係を築けるようにする。新規事業実施の際には、PPPの活用を検討する。既存の事業についても再度民間ノウハウの活用を検討する。民の能力を活用できるものは民に任せ、行政が直接行うべきサービスの集中・重点化を図るとされました。そして具体的な取り組みとして、民間委託等の推進などを挙げられています。

 そこで、民間委託等の推進、指定管理者制度における民間事業者の参入を増やすとされている問題について私の見解を述べ、お考えを伺います。

 一つには、民間事業者の参入では、その委託先が利益を得ることが前提となります。公共を担う公務員は、憲法15条で「全体の奉仕者」とされ、このことは公務員が憲法的価値、すなわち人権保障を実現するための存在ということです。したがって、公務員が担う公の施設管理や公的業務に市場原理、利潤追求はなじまず、このことで公共性を失うことになるのではないでしょうか。

 二つには、民間企業は利益を得るためには、人件費の低下を招き、その結果サービスの低下につながりかねず、「官製ワーキングプア」の増大につながります。

 三つには、民間事業所への委託等の拡大は、公務労働を通じて、公務員の最大の仕事である人権保障の業務に関するノウハウを、サービスの現場で働く公務員と市役所内に蓄積する機能を縮小させることになります。

 以上の問題点に関して見解を伺う。

2)市民まちづくりプラザの移転について

 具体的な事務事業の見直し・効率化の項目で、「まちづくりプラザの借料見直し」が上げられ、まちづくりプラザが阪急伊丹駅前ビルに設置されており、毎年約600万円の借料等を支出していることから、市内公共施設の別の場所に移転させることや運営手法の抜本的な見直しを検討するとされました。そして、来年度予算案で、スワンホールレストラン跡に移転することが提案されています。

 伊丹市まちづくりプラザは、「市民の参画と協働によるまちづくり活動の推進を図るため」とその目的を条例で定め、条例第3条で事業内容が規定され、指定管理者によって管理運営が行われています。昨年度も例年と同様、来館者数は13,454人、登録団体は276団体、活動相談件数は127件など、活発な活動拠点としての役割を果たしていると考えます。

 もともとは、震災によって倒壊した阪急伊丹駅を福祉駅として再建したことによりハートフルプラザと言う情報サービスセンターとして、1998年の11月にオープンしましたが、その後、2004年4月から現在のまちづくりプラザとしての機能を有する施設となり、市民の参画と協働のまちづくりを実践するため、市民間の活動の情報の交換、市民力によるまちづくりの連携・交流を図ることで、協働によるまちづくりを推進していくため施設とされ、年間13,000人を越える利用者によって、現在まで運営されてきました。

 今回の提案では、行財政計画における「まちづくりプラザの借料見直し」としてのものです。しかし、当初の施設設置時に言及された市民にとって利便性のすぐれた駅ビルの中における施設が、スワンホールに移転することになれば、施設利用者にとっての利便性が損なわれることになるのではないか、今の場所でどんな不便があったのか、なぜ中心市街地で代替を探さなかったのか、などの疑問があります。

 また、行財政計画の中で、「運営手法の抜本的な見直しを検討する」とされていますが、現在の管理運営の何が問題であると認識されているのか、どのような運営手法が求められているとお考えなのでしょうか。

 以上2点、見解を伺います。

3.伊丹市産業振興ビジョンについて
――「アベノミクス」に対抗し、いかに地域経済を活性化させるか

 来年度から5年間の伊丹市産業振興ビジョンがつくられようとしています。伊丹市統計書によると、2012年における市内事業所総数は5,617事業所、総従業者数は64,987人となっており、事業所総数の99%は中小企業であり、従業者の内の80%以上が中小企業で働いている状況にあります。しかも伊丹市民の従業地では45%が市内事業所という他市にない特徴があり、二つの大規模事業所と二つの大型商業施設があるにせよ、中小企業の活性化は地域経済と市民の暮らしに直結しています。一方、統計書によれば、3年前の2009年と比べて、事業所総数で456のマイナス、中でも建設業が43、製造業が22、卸・小売業が86事業所のマイナスとなっており、従業者数でも、総数で13,067人、建設業で554人、製造業で1,076人、卸・小売業で477人のマイナスです。事業所の減少分の内、10人未満の小規模事業の割合を見ると、総数で68%、建設業で79%、製造業で45%、卸・小売業で52%となっており、小規模な事業所の廃業若しくは転業が際立っているのが特徴です。新たな産業振興ビジョンのなかで、これらの事態をどう変えていくのかが課題となります。

 そこで次の点についてお聞きします。

1)地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の方策について

 注目していることは、第5次総合計画の中で打ち出された「伊丹の強みや魅力を発揮できるよう事業者間の交流や連携を強め、地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の方策を検討します」という考え方です。当時も発言しましたが、地域内経済循環型の地域経済をつくるには、いかに持続的な地域経済発展の仕組みをつくるか、地域に密着した多くの中小企業・事業所、農家等に所得が生まれてくるという視点での仕事起こし、福祉や環境分野も含めた「人間の再生」と地域の持続性を踏まえた新しい産業政策が求められていると、この考え方に共感しました。地域で物、仕事、資金が回る循環型の仕組みを通じて、一定の経営支援を行うことにより、地域経済持続への展望も開けてくると考えます。

 今までの5年間の産業振興ビジョンのなかで、地域内経済循環を視点に総括した場合、どのような評価をされているのでしょうか。

2)地域内経済循環に視点を置いた産業活性化の具体化について

 ①中小企業振興条例(仮称)の制定について

 この間、2014年6月には小規模企業振興基本法が策定され、法的にも小規模企業支援が自治体の責務と位置づけられたことにより、全国で中小企業・小規模企業振興条例が制定され、2015年12月現在で、同年10月に制定された兵庫県を含み、39道府県145市区町に及んでいます。

 伊丹市は、他市と比較して産業が集積したまちであること、市民の従業地では45%が市内事業所という特徴があり、比較的中小企業・小規模事業所で働く従業者が多いこと、二つの超大型商業施設が進出し小規模商店に大きな影響を及ぼしていること、他市と比較して小規模建設業者が多いこと、都市農業でのがんばりが他の事業とも連携できる可能性が大きいこと、様々な地域資源が活用できる条件があることなど、他市にない特徴があります。伊丹市はこのなかで、5年ごとの産業振興ビジョンをつくり、産業振興策を進めていますが、法的にも小規模企業支援が自治体の責務と位置づけられた今、中小企業振興条例(仮称)の制定で、地域内経済循環を視点においた伊丹市独自の長期的展望にたった理念を持ち、系統だった中小企業振興策が求められているのではないかと考えます。見解を伺います。

 ②住宅リフォーム助成制度について

 住宅リフォーム支援に関しては、今まで、何度か要望して実現された住宅の耐震化工事への支援や介護でのバリアフリー工事への支援は行われており、今回、国の地方創生交付金を活用して、伊丹市に転入される世帯に対してのリフォーム助成制度を創設されました。国の総合戦略では、「人口減少を踏まえた既存のストックのマネジメント強化」の中で、「中古住宅の流通やリフォームは十分ではない」とし、2010年までのKPIとして「中古住宅流通・リフォーム市場の規模を20兆円」と設定し、国もリフォーム促進を推進しています。このことで大手建設企業のリフォームの営業活動も活発化してきています。

 一方、国のこの動きを受けて、全国の自治体では、様々なリフォーム助成が展開されるようになり、リフォーム助成の経済効果を32億7千万円から735億円に引き上げる目標を設定した自治体、定住促進事業でのリフォーム促進、地域コミュニティ支援事業の中で空き家のリフォームの位置づけ、店舗リフォーム助成制度も行われています。

 伊丹市は公共施設マネジメントの中で、資源を大切にするとして計画的な修繕を行うとしていますが、個人住宅も同じように、大切な社会的資源といえます。建て替え、買い替えではなく、超寿命化を図る、そのためのほんの一部に対する助成でリフォームのきっかけとなり、地元建設業者のみならず様々な業種に効果が波及します。答弁でもこの制度の経済波及効果はあるとされてきており、伊丹市としてどう「地方版総合戦略」に位置づけるか検討し、おそらく5年間は継続されると予想されるこの制度を活用して、リフォーム助成制度を創設することを求めます。見解を伺います。

3)事業所訪問調査をどう生かしているか

 伊丹市は今まで商工会議所と連携して市内事業所訪問をやられています。工業、地域の商店でどんな要望が出されて、今回のビジョンに反映されたのか。特に、中心市街地における商店支援は、空き店舗助成等様々な形で行われたが、周辺の商店には行き届いていません。地域の小売商店に関して、第5次基本計画の中では、「こうした店舗は、商品を販売するだけでなく、都市機能の一部として地域住民のコミュニティ機能や地域の身近な台所としての役割を果たしており・・・地域の身近な場所での買い物や古流など、市民のくらしを支える商業機能の活性化が必要」とされている。この実現をどうされようとしているのか、合わせてお伺いします。

4.子どもの貧困対策…子育て支援の充実

 厚生労働省が発表した2013年の国民生活基礎調査によると、日本の相対的貧困率は16.1%で、貧困線も1997年の149万円から下がり続け、今回は122万円となり、貧困線が下降するなかで貧困率が上昇していることは、貧困線未満の人が増大していることになります。なかでも子どもの貧困率は16.3%と、これも過去最悪です。日本の18歳未満人口は2062万人で、単純に貧困率を掛けると323万人が貧困線以下の所得しかない家庭の子ども。単純に伊丹市の2014年の推計18歳未満人口に掛けると、5,645人が貧困線以下ということになります。とりわけ一人親世帯の貧困率は前回調査の50.8%から54.6%に悪化し、OECD諸国のなかで最悪の水準が続いています。

 一方、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が2014年1月に施行、その8月に「子供の貧困対策に関する大綱」がつくられ、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済支援が重点施策として挙げられています。しかし、安倍政権は、生活保護の扶助費の削減、老齢・障害・遺族年金の引き下げ、児童扶養手当や障害のある子どもへの手当を減額を行い、生活保護基準の引き下げは子どものいる家庭で約10%と最も大きく、これに連動して就学援助も打ち切られる子どももでてきます。 

1)就学援助補助事業の見直しについて

 伊丹市行財政プランの事務事業の見直しの項目に、「就学援助事業の見直し」があげられ、国の生活保護基準の見直しに伴い、認定基準の見直しを実施するとされています。しかし、就学援助制度は、経済的に苦しい家庭の小中学生の学用品などを補助する仕組みで、憲法26条の「教育を受ける権利」「義務教育の無償」を具体化した制度の一つ。事務事業の見直しで基準を引き下げるような性格のものではありません。

 そもそも生活保護の生活扶助費引き下げの算定において、電気製品購入割合を一般世帯と同じにする手法をとったことで、生活保護世帯の生活実態とかけ離れました。2008年と2010年の比較では、ノートパソコンやテレビなどの物価変動率66.4から73.0と大きく下がり、生活必需品は112.2から138.4と上がっています。生活費は上がっていることになり、もともと生活保護基準の引き下げは道理のないものです。そのようなもとで、伊丹市における保護世帯の内、30歳代の両親と12歳、10歳の子どものいる家庭では、保護基準引き下げ前と比べて月額15,070円も下げられました。

 従って、このような道理のない生活保護基準の引き下げに伴う、就学援助費における認定基準額引き下げは、子どもの就学の条件と環境を最低限整える上で極めて重大な問題となります。だからこそ安倍政権は、「就学援助などに影響させない」として自治体に通知を出し、阪神間各市も基準額は下げていません。それなのに伊丹市だけが今年から基準額引き下げを行ったのです。来年度も引き下げることになれば、阪神間では三田市を除いて最低の基準になります。これでは、いくら市長が「未来の子どもたちにまちの活力を届ける」とか、「未来を担う人が育つまち」と言っても、やることは逆の施策ではありませんか。

 「子どもの貧困対策法」で、国・自治体に対し子ども世帯への経済的支援強化が求められているとき、伊丹市としては、就学援助における基準額引き下げをやめ、ただちに元に戻すこと。その際、生活保護扶助費に掛け合わせる倍率を引き上げて就学援助費基準額を求め、さらに現在の伊丹市の4人世帯での基準2,746千円を、せめて川西市の2,955千円まで引き上げることを求めるものでが、見解を伺います。

2)子育て世帯への直接支援…子どもの医療費助成について

 子育て世帯の負担となっているのが子どもの医療費負担です。子どもの医療費助成の取り組みは全国に広がり、兵庫県下では、今年度中学3年までの無料化が30自治体に広がり、来年度猪名川町も踏み切ることとなり、75.6%の自治体まで無料化が進みました。

 昨年3月議会の質問でも、患者の経済的理由により治療を中断する事例や、経済的負担を理由に検査や治療、投薬を断られた事例が半数以上存在する調査結果を示しました。シングルマザーのAさんは、「長男がADHDで定期的な受診が必要だが、なかなか通院できない。財布の中身を心配して受診を控えてしまう」と訴えています。長野県のある医師は、「貧困層でなければ、保護者はお金がかかっても必要なとき医者に連れて行く。しかし貧困家庭では、窓口負担があることで、医者にかかるべきなのに連れて行かない、医療ネグレクトともいえる事態がおこっている」と指摘しています。今までの答弁で、コンビに受診を助長することへの懸念に言及されました。窓口負担というハードルでコンビに受診を減らそうというのは、貧困層を医療から遠ざけ、医療ネグレクトを助長するだけです。しかも、受診を控えることで重症化し、医療費が高くつくという調査結果もあります。

 本来国が、全国どこでもお金の心配なしに医療にかかれるようせめて就学前まで無料化を実施すべきですが、安倍政権はこれに背を向け、窓口助成する自治体には国民健康保険へのペナルティを実施して、子どもの医療費の無料化を抑えてきました。

 伊丹市で中学3年生まで無料化を広げるには、1億2,000万円の財源が必要で、限られた財源状況を踏まえ、子育て支援策として幅広くかつ慎重に議論しなければならないというのが今までの答弁です。しかし兵庫県下で75.6%の自治体が実施しているのであり、「活力ある都市ランキング」で兵庫県下29市中4番目の伊丹市が、貧困家庭にある子どもにも活力を与えるためにも、財政調整基金を標準財政規模の20%にすることより優先して取り組むべきことと考えますが、見解を伺います。

5.障害者施策について

 障害者施策では、2014年の障害者権利条約批准、今年4月の障害者差別解消法施行に続き、障害者総合支援法が見直しされることとなり、「障害者総合支援法施行3年後の見直しについて~社会保障審議会障害者部会報告書~」(以下「報告書」)がまとめられ、現在行われている通常国会に改正案が提出される見込みです。これから国会での議論となりますが、伊丹市からも当事者や福祉現場の声を届け、「骨格提言」や「基本合意」に近づける努力をお願いしたいと思います。

 今回は、「報告書」の「各論点について」の中から、伊丹市の施策に関して、次の問題についてお聞きします。

1)高齢の障害者に対する支援のあり方について

 「報告書」の「障害者の高齢化に伴う心身機能の低下等への対応」についてお聞きします。当然のことながら障害者の高齢化に伴ってこれまでと違ったサービスが求められる。特に知的障害者には、体の衰えや病気などに対する自覚がなく、今まで以上に健康管理や予防が必要となり、医療との連携が求められます。また、これらの人は幼少のころから家族を中心として様々なサービスの支援を受けてきているが、家族の高齢化に伴って家族中心の支援とはいかなくなる。親亡き後の体制整備も必要です。

 そこで、伊丹市の場合、これらの課題への今までの取り組みと、今後の取り組みはどうなのか。その際、「報告書」ではグループホームにおける重度者への対応強化や医療との連携等を総合的にすすめるため、地域生活を支援する拠点の整備を推進するべきであるとされていますが、このことに対する見解も合わせてお伺いします。

2)精神障害者に対する支援について

 「報告書」では、精神病院は新規入院患者の87%が1年未満で退院する一方、約20万人が1年以上入院していること、毎年5万人の長期入院者が退院する一方、新たに5万人が長期入院者となっているとされています。そして、本人の意向を尊重し、地域移行・地域生活の支援の取り組みを強化すこと、グループホームや障害者支援施設を中心とする地域生活を支援する拠点づくりの機能強化を行うとしています。

 精神障害者が真に地域で安心して暮らせるようにすることは必要です。しかし、国は地域移行のための必要な財源保障や整備を十分行ってきているとはいえません。

 そこで、まず、伊丹市における入院精神障害者の地域移行の実態についてお伺いします。さらに、地域移行する場合、医療との連携、グループホーム、家族への支援、ピアサポート等々様々な整備が必要となりますが、伊丹市の場合これら整備は十分とお考えなのか。また、「報告書」では、市町村が中心となり、当事者を含めて医療と福祉の双方を含む様々な関係者が情報共有や連携体制を構築する場として、協議の場の設置を促進するとされているが、伊丹市にとってこの必要性についてのお考えを伺いします。

6.介護保険について

1)安倍内閣の「介護離職ゼロ」でどう変わるのか

 介護めぐる事件が連日のようにニュースになっています。家族が介護疲れから殺人に至る事件は、警察庁が統計を取り始めた2007年から2014年の間に未遂も含めて373件おきており、年平均46件、8日に1回の割合です。介護を苦にした自殺・無理心中は同じ8年間に2,272人にも上り、介護のために家族が仕事をやめる「介護離職」は年約10万人で推移しているといわれます。

 このような中、安倍内閣は「1億層活躍社会」の緊急対策で、「介護離職ゼロ」に向けて介護施設などを50万人分増やすとしていますが、その一方で、介護報酬を過去最高の規模で引き下げました。厚生労働省所管の独立行政法人が行った介護報酬改定影響調査を10月に公表しましたが、7割の特養が減収、過半数の特養が先行き懸念を表明し、職員の処遇改善も進まず、施設建設のめどが立っても職員確保ができずに開所を断念するケースもあるとされています。
東京商工リサーチによれば、昨年1年間に発生した「老人福祉・介護事業」の倒産件数は前年比40.7%増の76件で、介護報酬の引き下げが影響しています。

 これらの実態は、「介護離職ゼロ」どころか、現場での「介護崩壊」を如実に示しているのではないでしょうか。そこでお聞きします。

① 先ほど述べた国やり方についてどうお考えでしょうか。また、昨年の介護報酬引き下げによって伊丹市内の事業所の経営実態はどのようになっているのか掌握されているのでしょうか。

② 特養の待機者解消にむけて努力はされているが、国の言う38万人分の従来からの計画は、伊丹市では第5期、第6期の計画内にすでに盛り込まれているのが実態です。では12万人分の追加は伊丹市においてはどのようにされるのか。財政支援がなければ追加の建設はできないがどう措置されるのか。また、伊丹市の特養待機者をいつゼロにできるとお考えか、お伺いします。

7.教育課題について

1)主権者教育

 今年の夏の参議院選挙から選挙権が18歳に引き下げられることに伴う、主権者教育のあり方について、昨年の12月議会でも質問しましたが、時間が足りず、不十分に終わったことから、再度質問したいと思います。

 文部科学省による「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(通知)がだされましたが、問題と思われる箇所、すなわち学校内での授業・生徒活動・部活動を「利用」した政治活動の禁止をはじめ、放課後や休日における学校内での政治活動も、学校外での政治活動も制限又は禁止としていることに関し、これらの点では従来の通知とほとんど変わらず、このことによって、せっかく18歳選挙権が実現したのに、真の主権者教育ができなくなるのではないかとの危惧からの質問でした。

① 論点となったひとつは、教育基本法第14条です。その条文は、1項で「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。」2項では「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」とされている点で、教育委員会は、その第2項を持って、憲法と子どもの権利条約で保障する政治活動を制限することができるとの答弁です。そもそも第1項で政治教育を重視していることが前提です。第2項は、主語は「学校」であり、授業などの教員による教育活動が特定の政党を支持する活動であってはならないという趣旨であって、何回読んでもこの項目に生徒の個人的活動は含まれようがありません。学校が党派的授業を行ってはならないということと、生徒が個人的に政治活動を自主的に行うことは別の事柄であって、第2項が生徒の政治活動を制限できるものではありません。

② 二つには、教育委員会の答弁で、「基本的人権とはいえ、高校生の政治活動については、学校の教育の目的を達成するために…制限を受けることは必要」とされた問題です。そもそも教育基本法では、教育の目標に、豊な人間性、国家および社会の形成者、個性の確立、社会の理解と批判力などを掲げていますが、この目的を達成するためになぜ憲法に定められた基本的人権が制限されることになるのかまったく理解できません。

③ 三つには、高校生の政治活動が、違法・暴力であったり、施設の物的管理の支障であったり、学習活動への支障や他の生徒の学業の支障であったりする場合を制限の理由にしている問題です。しかし、それは政治活動に限らず、どんな行為でも違法・暴力や他者の権利侵害は許されないのであって、これをもって政治活動の制限の理由にはなりえません。制限されるのは、暴力そのものであり、他者への権利侵害そのものです。学習活動への支障があげられていますが、それは制限の理由にするのではなく、親身の助言を通じて、教育的に行われるべきものであり、かつ、それに従うかどうかは生徒個人の問題です。
生徒から見れば、学校とは本来、自由に社会や政治の話ができ、社会問題や政治の基礎的知識を学ぶことができる場であり、学ぶなかで、自分なりの考えで政治活動を行う自由もあります。ただし、それは一人の人間としての行動であり、学校の正規の教育活動としてではなく、教育活動と政治活動の区別は大事であり、それは両者をそれぞれ保障するためのものであって、萎縮させるためのものであってはなりません。

 以上の点について見解を伺います。

2)コミュニティ・スクールについて

 事業概要では、保護者および地域住民の学校運営の参画の促進や連携強化を進めることにより、学校と保護者、地域住民等と信頼関係を深め、一体となって学校運営の改善や児童生徒の健全育成に取り組むシステムを構築するとされています。そしてその基本的役割として、①学校運営の基本方針の承認②学校運営に関する意見を述べることができる③教職員の任用に関する意見を述べることができるとしています。

 今までの学校と地域の関係は、学校評議員として地域の代表が参加していることや子どもの登下校時の見守り、授業での昔の話をする、土曜学習、樹木選定などで、ボランティアとしての参加が中心でありました。今回のコミュニティ・スクールの場合は、一定の権限を持ち、学校と地域が対等な立場で学校運営を行い、ある意味では学校を監視することにもなり、特に教職員の任用に関する意見も述べることができるという点は、そこまでするのかというのが実感です。また、教育の専門家である教師が子どものたちのために働いていることから、それを尊重し、教師を励ますことになれば、このことは重要と考えますが、学校は自立した教育のための組織体として、地域と適度な距離をもつのが良いのではないか。また、地域からの参加と言っても、地域住民の意見を代表することになるのか。等々様々な疑問が出てきます。
 

そこで、①学校、地域それぞれどんなメリットがあるのか。②PTAは今まで学校に関わることも多かったが、地域にとっては関わりが薄く、地域の理解をどう深めていくのか。③学校運営に対する意見や教職員の任用に関しても意見を述べることができるとされるが、そのことがどこまで実現可能なのか。

 以上に対する見解を伺います。

来年度予算編成にかかる要望書を提出しました

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 党議員団は11月26日、市長に対して来年度予算編成にかかる要望書を提出しました。

 要望書は、基本的事項8項目、具体的要望事項167項目の合計175項目からなっています。

 下記の通りです。

2016年度予算編成に当たっての基本的要望事項(PDFファイル)

2016年度予算編成に当たっての具体的要望事項(PDFファイル)

日米共同軍事演習(YS-69)の概要が明らかに

 日米共同軍事演習が自衛隊伊丹駐屯地で行われますが、その概要が明らかになりました。

 12月1日から13日まで。自衛隊4500名、米軍2000名の規模で、コンピューターシミュレーションで図上演習をします。

「平成27年度日米共同方面隊指揮所演習(日本)の概要について」(自衛隊 中方広報室)

「平成27年度日米共同方面隊指揮所演習(日本)(YS-69)記者説明資料 日程等

 12月5日(土)午後1時30分、昆陽池公園での「戦争法廃止!!ストップ!サマサクラ69大集会」にご参加を。

 

 

全国の地方議員のみなさん、「戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会 議員アピール」にご賛同を

全国の地方議員のみなさん、「戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会 議員アピール」にご賛同を

 全国の地方議員のみなさん、陸上自衛隊は、2015年11月下旬から12月中旬にかけて、日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ69)を、陸上自衛隊伊丹駐屯地(中部方面総監部)において行うことを明らかにしました。

 私たちは、この演習に反対し、安倍自公政権によって強行採決された安保関連法=戦争法を廃止する運動を進めるとともに、憲法九条の精神を政策の中に活かし、再び政府が誤った道を歩むことのないように不断の努力をすることを決意して、2015年12月5日(日)に開催する「戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会」成功のために力をつくします。

 つきましては、別紙の「戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会議員アピール」にご賛同いただきますよう、心から呼びかけるものです。

 「大集会」において、参加者のみなさんに賛同議員名の入った「議員アピール」を配布する予定です。

戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会 議員アピール(PDFファイル)

全国の地方議員のみなさんへ(PDFファイル)

戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会(12月5日)の成功を

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 安保法制=戦争法が、安倍自公政権によって強行可決された直後の11月下旬から12月中旬にかけて、自衛隊伊丹駐屯地で、日米共同方面対指揮所演習(ヤマサクラ69)が行れます。

 この演習は、コンピューターシミュレーションによる図上演習で、実践さながらのリアルな演習です。日米共同作戦計画も、自衛隊と米軍の「軍軍間調整所」も存在するなかでの演習となり、アメリカの戦争に参加するための演習に外なりません。

 戦争法廃止を高く掲げ、日米共同演習をストップさせるため、12月5日(土)午後1時30分、伊丹市昆陽池公園の多目的広場で大集会を開催します。

 実行委員会の呼びかけ、申し合わせ事項をご確認のうえ、実行委員会にご参加いただき、集会成功に力をお貸しください。よろしくお願いします。

戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69(日米共同軍事演習)大集会実行委員会への呼びかけ(PDFファイル)

戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会実行委員会 申し合わせ事項(PDFファイル)

戦争法廃止!!ストップ!ヤマサクラ69大集会案内チラシ(画像PDFファイル)

2015年9月議会:上原秀樹 「憲法違反の集団的自衛権行使はしないことを求める意見書」に対する賛成討論

 2015年9月議会が、10月7日に終了しました。党議員団は、2014年度伊丹市一般会計決算、同後期高齢者医療保険事業会計の認定に同意できない意見を述べ、反対しました。

 また、「憲法違反の集団的自衛権行使はしないことを求める意見書」を提案し、賛成討論を行いましたが、賛成12人、反対15人で否決されました。

 以下、それそれの討論です。

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意見書案第4号「憲法違反の集団的自衛権行使はしないことを求める意見書」に対する賛成討論

2015年9月議会 意見書討論 本会議

2015.10.7
日本共産党議員団 上原秀樹

 議長より発言の許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して、議題となりました意見書案第4号「憲法違反の集団的自衛権行使はしないことを求める意見書」に対して、賛成の立場から討論を行います。

 安倍自公政権は、9月19日、集団的自衛権行使を含む安全保障関連法、すなわち戦争法の採決を強行しました。日本共産党は、空前の規模で広がった国民の運動と、6割を超える「今国会での成立に反対」という国民の声に背いて、憲法違反の戦争法を強行した安倍自公政権に対し、怒りをこめて抗議するものです。

 国会審議を通じで明らかとなったことは、この戦争法が日本国憲法に真っ向から背く違憲立法であることです。戦争法に盛り込まれた「戦闘地域」での兵たん、戦乱が続く地域での治安活動、米軍防護の武器使用、そして集団的自衛権行使、そのどれもが憲法9条を蹂躙して、自衛隊の海外での武力行使に道を開くものとなっています。集団的自衛権の行使に関しては、国連憲章第51条に明記されている通り、他国への戦争参加のことであり、だからこそ60年間、歴代政権が憲法違反だから行使できないとしてきたとおりです。安倍首相が、在留日本人を輸送中の米艦防護や中東・ホルムズ海峡での機雷掃海などを例に挙げて必要性を説明していましたが、参議院の審議でその口実が総崩れしました。また、日本とは関係のないところで行われている他国同士の戦争が、日本の存立を脅かす明確な危険がある場合を「存立危機事態」とし、その場合、集団的自衛権を発動して武力の行使ができるとしていましたが、政府は地球規模においてもその事例をあげることはできませんでした。すなわち政府は、この法律の法的根拠を示すことはできませんでした。

 従ってこの議論の中で、圧倒的多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、元最高裁判所長官を含むかつてない広範な人々から、戦争法は憲法違反という批判が集中しているのも当然のことです。このような重大な違憲立法の存続を許すならば、立憲主義、民主主義、法の支配というわが国の存立が根底から覆されることになりかねません。

 よって、本意見書案が、国に対して憲法に違反する集団的自衛権の行使をしないことを求めていることは願意妥当であります。

 なお、日本共産党は、かつてない規模で広がる国民運動と野党内での共同の前進を背景に、戦争法廃止で一致できる政党・団体・個人に対して、共同して国民連合政府をつくろうと呼びかけをしました。議員各位におかれましても、是非ご賛同いただきますことを呼びかけをいたしまして、意見案第4号に対する賛成の意見とします。

2015年9月議会:かしば優美 代表質問

9月定例市議会 14年度決算ふまえて、市民のくらし・福祉の充実を

日本共産党議員団 かしば優美 議員

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して質問を行ないます。市長・当局におかれましては誠意ある答弁よろしくお願いします。

 第一に、明日明後日にも政府・与党が強行採決を狙ういわゆる「安全保障関連法案」に関してうかがいます。

 同法案はこの三ヶ月あまりの衆議院参議院の審議を通して、三つの点が明確となりました。

 第一には、「安全保障関連法案」が憲法違反だということです。「戦闘地域での兵站、戦乱が続いている地域での治安活動、集団的自衛権そのどれもが海外での武力行使そのものであり、憲法を踏みにじるものであることが明らかになりました。圧倒的多数の憲法学者、元内閣法制局長官、元最高裁判所長官も憲法違反と断じています。

 第二は、安倍政権が最後まで国民の理解を得ることができなかったことです。自民党の高村副総裁は「安全保障関連法案」を「国民の理解が得られなくても成立」させるといい放ちました。究極の居直り発言です。国民の6割以上が「今国会での成立反対」としている法案を強行することは、憲法の平和主義と国民主権の大原則を踏みにじるものであり断じて許されるものではありません。

 第三は、自衛隊の暴走という大きな問題です。自衛隊の河野(かわの)統合幕僚長が昨年12月に訪米し米軍幹部と会談した時に、何と昨年12月の段階で、「安全保障関連法案」は「来年の夏までには終了する」と米軍側に約束していたことが明らかになりました。大変な自衛隊の暴走であります。併行して米軍と自衛隊との一体化が国民の知らないうちに急速に進んでいます。伊丹においても今年11月下旬から12月中旬にかけて伊丹駐屯地等で日米共同方面隊指揮所演習が計画され、自衛隊中部方面隊と米軍側から第3海兵機動展開部隊、在日米陸軍司令部等が参加するとしています。

 様々な面から道理のなさが指摘されている法案は廃案しかありませんが、少なくとも拙速な採決は避け慎重に審議することが必要だと考えます。市長の見解をうかがっておきます。

2回目「安全保障関連法案」について

 最近ではこの「安全保障関連法案」ほど国民的関心・議論の高まりを示しているものはない。それは今後の国のあり方に根本的に関わる中身であり、全国民市民に重大な影響を与えることになるため、「賛成」・「反対」も含めてかってない状況になっていると思う。ですから「国防」「国の安全保障」問題は決して国の専決事項ではなく、客観的には一人ひとりに判断が求められていると思います。とりわけ市長は公人であること。自衛隊員が多数住む伊丹の市長として多くの市民が注目していると思います。「安全保障関連法案」への考え方を発信すべきではないでしょうか。再度見解をうかがいます。

第2に、地方交付税において決算一般財源と基準財政需要額との乖離についてであります。

 2014年度決算の説明の中で扶助費は過去最高を更新との見出しで、「増加を続ける扶助費は、障害者(児)福祉サ-ビス費、生活保護費の増、私立保育所保育委託料の増等により過去最高を更新。歳出全体に占める割合は1/4以上と高い水準になっています。」としています。さらに「扶助費がこの20年間で約3倍、(国県補助や利用者負担金等)特定財源を除く一般財源(いわゆる市の負担)は約2.5倍まで増加しています。」と表記。こうした状況から当局は「社会保障関係費などの増加などにより、厳しい財政状況は続くものとみられる。」と説明しています。

 はたしてこれが真実なのかどうか。地方交付税の側面から考察したいと思います。

 地方交付税(普通交付税)は地方全体および個別自治体のいずれのレベルにおいても、基準財政需要額と基準財政収入額の差額によって配分額が決定されています。この基準財政需要額とは、歳出の中でも使途が自由な一般財源によってまかなわれる部分です。つまり、一般財源でまかなわれるべき基準財政需要額に対して自治体の自主的一般財源である地方税(の75%分)が不足をする場合に、同じ一般財源としての地方交付税が交付されます。この不足分つまり基準財政需要額と基準財政収入額の差額が100%地方自治体に交付されれば何の問題もありません。しかし実際にはかなりの市の持ち出し(超過負担といわれるもの)が存在するといわれています。そこで生活保護費については、「制度上は国庫負担金と地方交付税によって財源が保障される仕組みとなっており、基本的には、生活保護費の増加は自治体財政の増加を導くものではない。」とされていますが、本市の実態についてうかがいます。

 障害者(児)福祉サ-ビス費、保育所費について、地方交付税における決算一般財源と基準財政需要額との乖離についてどのように分析されているのでしょうか。

 地方交付税の算定にあたっては、基準財政需要額の算出根拠となる「単位費用」や「補正係数」に関して実態に合うよう国に改善を求めていると思いますが、当局の現状認識、見解をうかがっておきます。

第3に、人件費・職員給与等についてです。

 ご承知のように2013年度、本来地方自治体が条例にもとづき自主的に決定すべき地方公務員の給与に対して国が干渉し、地方固有の財源である地方交付税を用いて人件費の削減を強制。市はそれに従い職員の給与減額を実施しました。その内容は地方交付税減額分3.6億円を捻出するために、市長等特別職と課長級以上について給与カット1年、職員全体に定期昇給見送り1年以上とするものです。今般その経過をお聞きしますと、給与カットについては予定通り昨年9月末に終了していました。2013年度の昇給見送りによる給料の号給の影響については、副主幹以下は今年度7月に復元しているものの課長級以上は今も復元されていません。すでに地方交付税減額分3.6億円は捻出されておりその趣旨から考えても速やかに復元すべきではありませんか。当局の見解をうかがいます。

2回目人件費・職員給与等について

 「課長級以上の昇給見送りについて速やかに復元すべき」と求めましたが、「現時点においては実施すべきでない。」との答弁でした。この関係する議案は2013年9月議会で日本共産党議員団は質疑も行ないました。その時に当局は、当初「国が地方公務員の給与削減を強制することは地方自治の根幹にかかわる問題で……このようなことは断じて行なうべきでない。」と国のやり方の不当性を指摘しました。しかし最終的には「苦渋の決断」をし、先に述べたとおり給与カット、定期昇給見送りを実施したわけです。

 当初の説明でも「定期昇給見送りは、削減効果が継続する措置であり、給与カットとあわせ複数年で地方交付税減額分3.6億円を捻出する」というものでした。今でも国のやり方はおかしい、不当だと考えておられるなら、すでに地方交付税減額分3.6億円は捻出されているわけですから、課長級以上についても「あれこれ総合的に勘案する」のではなくきちんと筋を通すべきでありませんか。再度答弁を求めておきます。

第4に、人事評価制度の「本格的導入」に関してうかがいます。

 昨年5月の地方公務員法改正により、来年度から全自治体で、従来の勤務評定に変わる、「発揮した能力とあげた業績による人事評価制度」の全面的導入が義務付けられました。 今年度は、各自治体で制度の規定と運用の細目が検討されます。なお国家公務員は2009年度から実施されています。

 伊丹市ではすでに管理職についてはこの人事評価制度を2007年(平成19年頃)から導入し、評価にもとづき人事配置等に活用しており、今年度から一般職に対して試行的導入をしています。こうした経過・内容をふまえて数点うかがいます。

 1点目、基本的に地方公務員の仕事に「成果主義」はなじまないということです。

 総務省の説明によると人事評価のねらいは、(1)能力・実績にもとづく人事管理の徹底によってより高い能力を持った公務員の育成、(2)組織全体の士気高揚、公務能率の向上により住民サ-ビスの向上であるとしています。そして人事評価とは、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び業績を把握した上で行われる勤務成績の評価であるとしています。そしてそれを任用(役目につけて使うこと)、給与、分限(地位・資格)その他の人事管理の基礎として活用するものとし、より具体的には能力本位の任用、勤務成績を反映した給与、厳正公正な分限処分、効果的な人材育成等の措置となっています。

 さらに今回の法改正で人事評価と人事及び処遇に関する一切が任命権者に権限が集中していくのではないか。それは全体の奉仕者としての公務員が首長への奉仕者に変わって行くのではと危惧するものであります。基本的に地方公務員の仕事に「成果主義」はなじまないと考えますが、当局の見解を求めておきます。

2点目は、人事評価の基本的なしくみと改善方向についてです。

 総務省では人事評価の基本的なしくみを例示していますが、これをどのように改善していくのかが大事だと考えます。(1)評価項目と評価基準の明示については仕事要因を重視して、主観性の入りやすい項目や人格・性格などは排除すること。(2)評価の客観性、納得性、公平性を担保する仕組みとして、評価内容と評価結果に関する情報開示と協議および修正権の確立、評価者の訓練・研修の強化、記述方式を併用した絶対評価を基本ル―ルとすること、(3)異議申し立て制度(苦情処理制度)の強化と救済機関の設置等の制度化などが必要であると考えますが当局の見解をうかがいます。

三点目、人事評価と賃金のリンクについて

 年功的な給与制度の修正と給与面でのインセンティブによる士気向上を、本制度の効果としています。しかし多くの場合、集団・組織で仕事をしている公務員の職場。そこに個人の人事評価を導入し賃金にリンクさせることは、職場に不要な混乱を招きかねません。よって人事評価と賃金をリンクさせるべきでないと考えますが見解を求めます。

第5は、国民健康保険事業会計についてですが、

 この国民健康保険事業ほど予算と決算の乖離が大きい会計も大変珍しいでしょう。2012年度は療養給付費等医療費が前年度比で1.0%減少する中、会計全体で4億円の赤字を一挙に解消し約1億3千万円の黒字となりました。2013年度は一般会計の繰り入れ基準の見直しにより、当初予算には歳入に計上していた一般会計その他繰入金約5億4800万円を全額財政調整基金に積み立てる措置(いわゆる「予算はがし」)が講じられた年でした。ところがそれにもかかわらず約3億2千万円の黒字となりました。そして2014年度はどうでしょうか。

 決算を見ますと、繰越金が3億1600万円あったとはいえ、一般会計その他繰入金が1.1億円減となる中、4億6800万円の黒字を計上しています。(単年度収支も1.5億円の黒字でした。)

 当局は2018年度からの国保事業都道府県化に向けて「2017年度までの国保会計の収支均衡を図らなければならない」としています。

 しかし今年6月議会質問に対する当局答弁にもあったように都道府県化の動向は、都道府県移管後もすべての市町で一律の保険料とはせずに、都道府県が市町の集めるべき保険料の総額を納付金(分賦金)として割り当て、市町は割り当てられた分賦金をふまえて加入者から保険税を徴収する。また都道府県は人口、年齢構成、医療費、所得水準などを考慮して市町ごとの保険料の目安を示すことになっています。

 一方で今後引き続き市町の法定外繰り入れが可能となるのかどうか、また国保に対する国の財政支援がどうなるのか不明な点もあります。しかし、都道府県化に対して国も当初示されたような一律的な対応ではなく、各保険の実態をふまえた対応へと変わらざるをえない状況です。

 今後のあり方に関して市長は先日の文教福祉常任委員会で、「これ以上国保税を引き上げることは非常にしんどいこと」と言われ、「国保の県単位化までは被保険者の国保税負担は据え置く」といわれました。現時点での財政調整基金(国保分)4.3億円あまりを活用して、少なくとも2013年度税値上げ分2億9千万円については16年度国保税を引き下げすべきではありませんか。見解をうかがっておきます。

2回目国民健康保険事業会計について市長に答弁を求めます。

 先ほどの私の質問に対して、9月10日に開かれた文教福祉常任委員会での市長答弁の考え方についての答弁がありました。市長が「国保の県単位化までは被保険者の国保税負担は据え置く」と言われたことに対して、「平成30年度の都道府県単位化までの間、何とか国保税率等を維持していきたいという思いを表明されたものです。都道府県単位化前の平成29年度の保険税率については、その時点での国保会計の収支状況や都道府県単位化の影響等をふまえた財政運営と被保険者の負担のあり方に関して、国保運営協議会で審議いただき、その答申をふまえて慎重に判断すべきものとの認識です。」との説明であります。

 常任委員会の答弁と今の答弁に重大なくい違いがあります。市長は常任委員会で、「国保の県単位化までは私の責任で、仮に会計が赤字になっても値上げせず、一般会計から税を投入して被保険者の国保税負担は据え置く」と明確におっしゃいました。

 (1) なぜ答弁に食い違いが生じるのか説明を求めます。

 (2) 市長自身も「これ以上国保税を引き上げることは非常にしんどいこと」と認識されているのですから、改めて国保の県単位化までは被保険者の国保税負担は据え置く決断していただきたい。

第六、介護保険事業について

 はじめに、今年八月からの新たな利用者負担の影響についてうかがいます。

(1) 一定額以上の所得がある高齢者のサ-ビス利用料負担が1割から2割に引き上げられたことについては、一定額以上の所得がある高齢者のサ-ビス利用料負担が1割から2割に倍増となり、今回の負担増の対象は一人世帯で年金収入だけなら年280万円以上の人たちなどです。

 当局にお聞きしますと、要介護認定者約7,900人中利用料2割負担になる人は約1,100人、率にして約14%となるとのことです。決算資料によると利用者一人あたりの月額介護給付費は居宅サ-ビスで約104千円、地域密着型サ-ビス214千円、施設サ-ビス269千円であり、よって自己負担2割の人は居宅サ-ビスで約2.1万円、地域密着型サ-ビス約4.3万円、施設サ-ビス約5.4万円と大きな負担増となります。結果として諸サ-ビスを中止するまたは抑制する利用者も出てくるのではと推察しますがどうお考えでしょうか。

(2) 特別養護老人ホ-ムなど介護施設の入所者に対して、食費・居住費を補助する「補足給付」に資産要件が導入されたことについて、非課税の低所得の人で特別養護老人ホ-ムなどの利用者は、利用料が1割負担のままでも食費や部屋代の補助が8月から打ち切られる人があると聞いています。一定の資産(単身で預貯金1000万円超など)がある人たちが補助からはずされるためです。本市ではどの程度の影響があるのかお聞きしておきます。

○「補足給付」1,512人中 →5月に1239人に申請書(更新)を送付した

(2)次に介護給付費等準備基金積立金を活用して保険料負担の軽減を求めたいと思います。

 第5期事業計画(2012~14年度)では五割基金取り崩しを予定して、介護保険料等を決めました。しかし結果として基金の取り崩しはありませんでした。

 もともと基金の原資には1号被保険者の保険料が含まれています。また今年度6月議会補正予算で、低所得者の介護保険料の軽減を目的として第一段階保険料の軽減措置を議決しました。11億円を超える介護給付費等準備基金積立金の一部を取り崩し、例えば第二段階の保険料負担を少しでも軽減することも可能ではないかと考えますか見解をうかがいます。

2回目介護保険事業について

○新たな利用者負担について、特にサ-ビス利用料が2割になることによる負担について、さきほど「一方で高額介護サ-ビス費の一ヶ月あたりの負担額の上限が適用されますことから、一ヶ月あたりの負担額は最大でも4万4400円となっています。」と言われました。これはおそらく「倍の2割負担になっても上限の歯止めがかかっているから大きな負担増にはならない」と言いたかったのではないかと思います。しかし対象となる年金収入が280万円前後の人は月収では23万円あまりで、この階層の人がサ-ビス利用負担が倍になり毎月1~2万円支払いが増えるとしたら、その影響はかなり深刻であり、答弁とは逆に「利用者にとって必要なサ-ビスの抑制や中止につながる危険性があることを重ねて指摘しておきます。

○)介護給付費等準備基金積立金を活用して保険料負担の軽減を求めました。
 第5期の介護保険事業計画における介護給付費の実績が事業計画で予定していた額の約90%にとどまり、基金残高が2014年度末で11億4千万円あまりとなった、そして今年度から始まった第6期計画で基金の半分約5億円を計画期間中に取り崩す予定であるとの答弁でした。残った基金の一部を使って例えば第二段階の保険料負担を少しでも軽減することができないかと質問しました。

 低所得者に対する介護保険料の軽減が必要であるとの認識は私だけではありません。答弁の最後にあったように国も必要だと考えています。ただその財源を消費税率の引き上げに頼っている点は認めることができませんが……。介護給付費の財源は保険料50%公費50%で、保険料の約20%は65歳以上の方の保険料となっています。五億円の準備基金の20%程度を活用した軽減対策は十分に可能だと考えますが、再度答弁を求めるものです。

第7は生活保護についてです。

(1つ)は今年7月1日施行となった住宅扶助額の引き下げの影響について、
 伊丹市の場合の家賃基準が、単身世帯の場合4.25万円が4.0万円に、2人世帯の場合は5.54万円が4.8万円にそれぞれ引き下げられます。厚生労働省は、「経過措置を含めて3年間で引き下げによって転居を迫られる恐れのある世帯は44万世帯となる」と答弁しています。現在の利用者の三世帯から四世帯に一世帯の割合で、引き下げの影響を受けることになります。七月からの新規申請は、引き下げ額になりますが、伊丹市における影響についてうかがいます。

(2つは)住宅扶助基準額を検討するときにもっとも大事な点は、国が決めている「最低居住面積水準」が保障できる基準になっているかどうかです。「最低居住面積水準」は、2011年3月に閣議決定したもので、専用台所水洗トイレ、浴室、洗面所などの条件を充たしたうえで、「健康で文化的な生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準」で、単身で25平方㍍、2人で30平方㍍、3人で40平方㍍、4人で50平方㍍といったように、世帯人数に応じて決められています。現在の住宅扶助基準では、多くの生活保護利用者がこの水準を充たす住宅には住んでいないと言われています。本市の現状と当局の見解を求めるものです。

 (3つは)今回の改正に際し、伊丹市は当事者の個別の事情や住居の安定を十分に配慮した慎重な対応を求めたいと思います。
 15.4.14社会・援護局長通知「生活保護法に基づき厚生労働大臣が別に定める住宅扶助の限度額の設定について」の積極的運用を求めたいと思います。個別の事情によるもので、

  • 車椅子使用の障害者等で特に通常より広い居室を必要とする場合
  • 高齢者等で従前からの生活状況からみて転居が困難と認められる場合
  • 地域において住宅扶助上限額の範囲内では賃貸される実態がない場合

などは旧基準を適用すること。

〈住居の安定に配慮した経過措置等〉については、

  • 住宅扶助上限額の減額の適用を契約更新時まで猶予する。 
  • 住宅扶助上限額の範囲内の住宅への転居が必要となる場合は、転居費用を支給する。 
  • 転居が困難なやむを得ない理由がある場合は、見直し前の額を適用する等であります。

また生活保護利用当事者に十分に周知すること強く求めるものです、見解をうかがいます。

8、伊丹市都市計画道路網の見直し(案)について

 都市計画道路網見直し検証結果(案)によると、今年3月議会で「都市計画道路見直しについて」の質問に対して、当局は「議員のご案内のとおり、都市計画決定後の自治体の財政的な理由や地元調整による理由などから長期未整備・未着手の区間が多く存在し、その区域の地権者に対して建築制限等の土地の利用制限を続けることの妥当性を問われるようになりました。一方ライフスタイルや物流における道路交通の役割などが大きく変化し、また今後少子高齢化による人口の減少とともに自動車交通量や保有台数の減少が想定され、時間の経過とともに都市計画道路としての必要性そのものや、機能について見直しが求められているところです。このような状況から、県は2010年度に「兵庫県都市計画道路網見直しガイドライン」を作成し、そのガイドラインにもとづき2011年度から県とともに各市町が足並みをそろえて具体的な道路網の見直し・検証作業を進めています。今回本市での見直し対象路線は幹線道路の13路線、延長にして約11キロ㍍があり、県が道路機能について客観的な判断による指標により検証を行い、現在第二段階として地域固有の要素を踏まえた市の視点による検証を行い、対象路線の存廃の選定作業を行っている最中です。」との答弁でした。

それをふまえて3点うかがいます。

(1)ガイドラインに基づく検証の結果について 

 今年6月に「伊丹市都市計画道路網の見なおし(案)が示され、それによると未整備区間13路線のうち存続候補路線11、廃止候補路線2となっている。「検証の流れ」によると、「県の視点にもとづく検証」「市の視点にもとづく検証」を経ての結果となっているが、存続候補路線と廃止候補路線の違いは何かうかがいます。

(2)計画幅員について―道路構造令に照らして

 同じ補助幹線に分類されていますが、計画幅員について西野中野線や口酒井森本線は16㍍、野間御願塚線や東野山本線は12㍍としている理由について。また計画幅員について、車線幅員については、設計速度・交通量・大型車混入率を想定し定めている道路構造令に照らして計画されているのかどうかうかがいます。

(3)財源の確保に関して

 今回の案では未整備区間13路線のうち存続候補路線11としていますが、仮にすべてを完成させるとすれば概算で270億円の費用がかかると聞きました。仮に毎年の事業費を3億円とすると90年かかる計算となります。個別事業費で見ても主要幹線に分類されている塚口長尾線で69億円、宝塚池田線で20億円と試算されています。財源は無制限にあるものではなく、この面での検証を行なう必要があると考えますが、見解を求めておきます。

2回目伊丹市都市計画道路網の見直し(案)について

 伊丹市都市計画道路網の見直しについて、財源について質問しましたが、県負担や補助金を除く11路線約270億円の事業費に対し市の実質負担額は約100億円と試算しているとのことでした。ただ現時点での試算ですから将来どうなるのか予想が難しいとも思います。

 今第五次総合計画後期5ヶ年の行財政プランが審議会で論議されています。その中で健全な財政運営の実現に向けた取り組みの方向性について政策的・投資的事業の方針についても議論されているところですが全体として厳しい状況を反映していると感じます。ですから都市計画道路にしても複数以上の路線を同時整備することは非常に困難なわけで、どうしても優先順位を考慮する必要があると考えますが、どのようにお考えなのか見解を求めるものです。

9、最後に教育問題として、

(1)スク-ルソ-シャルワ-カ-の増員を強く求めたいと思います。

 行政評価報告書(2014年度事後評価)では、前年度「伊丹市いじめ防止等対策審議会の開催など、実効性のある取り組みができた。また、スク-ルソ-シャルワ-カ-等の効果的な活用により、生徒指導上の課題についてきめ細かい対応が図れた。」とし、これをふまえて今年度は「スク-ルソ-シャルワ-カ-の増員などにより、いじめ、不登校、問題行動等の生徒指導上の課題に対して、学校への多面的な支援を図るとともに、未然防止、早期発見、早期対応に向けた効果的な取り組みを推進する。」としています。

 午前中教育長の答弁にあったように現在市は独自に2人のスク-ルソ-シャルワ-カ-を配置して、学校、家庭、関係機関へ訪問など問題解決にあたっておられますが、市民からは「なかなか順番がまわってこない」などの声も耳にします。また市は「国のスク-ルソ-シャルワ-カ-活用事業の対象を市へ拡充する制度見直しの支援」を県政要望の重点項目に挙げています。

そこで

(1) 市内全体の状況からニ-ズをどのように把握しているのか

(2) 県教育事務所に設置されている学校支援チ―ムに現行9名のスク-ルソ-シャルワ-カ-が配置されていると聞いています。県と相談してより有効に活用できないものかと考えますが見解をうかがいます。