2017年6月議会 服部好廣:個人質問 平和施策、禁煙条例の実施状況

2017年度6月議会 個人質問

2017年6月19日
日本共産党市議団 服部好廣

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 議長の指名により、私は日本共産党議員団を代表して、通告に従い質問いたします。
 なお、通告の(2)の4項と5項はまとめて質問します。

1.伊丹市の平和施策につき市長の見解を伺う

(1) 平和都市宣言の今日的意義

伊丹市の平和施策について市長の見解を伺います。

 日本周辺で緊張が高まっています。憲法9条を持つ日本は9条1項で「武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」、2項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と定め、国民が政権に対してこれを守るよう指示・命令しています。日本政府は日本周辺での国際的緊張を憲法の規定に従い平和的に解決するための努力を払うことが求められています。

 その努力は、国家権力だけでなく、地方自治体にも求められるべきものと私は解釈しておりますし、また現実に伊丹市では「平和都市宣言」を1990年(H2年)に制定し、対外的に発信しています。

 「平和は人が生きるための大本です。戦争はかけがえのない生命を奪い、幸せをふみにじります。
 いま、世界は恐ろしい核兵器をなくし、惨たらしい戦争のない社会をつくろうと、ようやく歩みはじめました。が、ここで心をゆるめてはなりません。戦争は人の心の中にひそんでいるのです。
 人類が幸せを分かち合える地球環境をつくり、自由と人権を尊び、差別や貧困をなくすことも、すべて平和の問題です。
 私たち市民は、平和な社会を築くことを誓い、ここに平和都市を宣言します。」(平成2年11月10日伊丹市)

 この宣言の精神は今日も伊丹市の平和への取り組みの基本点だと思いますが、改めて市長の見解を伺います。

(2) 核兵器廃絶に向けた国連の会議への見解

 さて、「平和都市宣言」の中に謳われている「核兵器廃絶」の思いを体現する行為として市長は「伊丹市原爆被爆者の会」の求めに応じ「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に署名されたと伺っており、敬意を表明します。おりしも、国連では「核兵器禁止条約を話し合う国連会議」が3月に開催され、核兵器禁止条約の国連交渉会議(第2会期)が6月15日から開催されています。被爆者の方々と連帯する日本と世界の人びとの長年の取り組みがついに核兵器を世界からなくす上での大きなステップを踏み出す瞬間を迎えています。残念ながら日本政府は唯一の被爆国として国際社会に向け核廃絶を訴える立場に立たず、国際社会から大きな失望の声が上がりました。

 平和首長会議の一員として、この問題に対する市長の見解を伺います。

(3) 被爆国日本と被爆者の運動の評価

 この国連での国際会議を成功させるうえで、市長が署名された「国際署名」が大変大きな役割を果たしていることを3月の国連会議のエレン・ホワイト議長が語っています。被爆者の皆さんは生き残った者の使命として核兵器廃絶に向けて被爆体験を語り、署名を呼びかけてきました。その草の根の活動と努力が70余年の歳月を重ね、ようやく結実しようとしています。これらの活動への市長の見解を伺います。

(4) 平和首長会議への参加と今後の展望

 日本共産党伊丹市議会議員団は毎年、伊丹市として「核廃絶の国際署名」への具体的取り組みを求めてきました。例えば昨年度の予算要求懇談会での具体的要望事項で『平和首長会議の方針である「核兵器廃絶国際署名」に市として取り組むこと。』を求めました。その回答は「当市は平成24年7月に平和首長会議に加盟し、同会議の方針である原爆ポスター展の開催、核兵器禁止条約の交渉開始等を求める署名活動を実施しています。当市および伊丹市国際・平和交流協会の平和啓発事業の会場にて署名呼びかけを行い、また国際・平和課のページでも同会議を紹介し、外部リンクでオンライン署名いただけるようになっています。「核兵器廃絶国際署名」と同趣旨の署名を職員および市民へ広く呼びかけを行っております。」となっています。

 そこで、実際に市民が伊丹市の取り組みに興味を持って、この署名に応じようと伊丹市ホームページから「核廃絶署名」にアクセスしようとしますと、これがなかなか行きつけない。まず、入り口である「国際平和課」が国際署名を扱っていることがトップページではわからない。ようやくそれを探り当ててもそこから平和市長会のリンクに入って、さらに署名を探すのに一苦労しなければならない。ここまで8ステップが必要です。

 また、「当市および伊丹市国際・平和交流協会の平和啓発事業の会場にて署名の呼びかけを行い」と述べていますが、実際には「平和啓発事業の会場」での署名簿設置であり、広く市民の目の届く市庁舎の窓口や出先機関の窓口に設置されているわけではありません。

 これらの状況は国際平和課の回答のニュアンスように一般市民が気軽に署名に参加できる状況ではないと思いますが、見解を伺います。

2.伊丹市禁煙条例の実施状況について伺う

 受動喫煙防止に関する国会論戦に関連して

 受動喫煙の防止策を非公開で議論した今年5月15日の自民党厚生労働部会で、たばこの煙に苦しむがん患者の立場を訴える議員の発言に「(がん患者は)働かなくていい」という趣旨のやじがあったとして、患者団体が反発しています。タバコ喫煙による喫煙者以外の受動喫煙者の被る被害について、喫煙者側の感覚が批判にさらされています。

(1) 市条例制定後の中心市街地での喫煙マナーの状況

 一昨年12月に制定された市条例「伊丹市路上等の喫煙及び吸い殻の散乱の防止に関する条例」により、中心市街地の禁煙区域と歩行喫煙禁止区域が制定されました。その後の指定区域の喫煙状況についてお聞きします。状況は改善されたでしょうか。

 私の経験では、歩行喫煙禁止区域での歩行喫煙をたびたび目撃しています。また、駅周辺の吸い殻の散乱も日常的に存在します。JR伊丹駅東側にある商店主さんは「毎朝おびただしい吸い殻を掃除している」と訴えていました。その場所は歩行喫煙禁止区域です。当局の見解をお聞かせください。

(2) 禁煙区域・歩行喫煙禁止区域の表示の状況

 このように、禁止区域でありながらそれが守られていないことの原因の一つに、禁止区域の表示が大変少なく、また表示自身が目につきにくいことがあげられます。例えば同じように禁煙区域を設けている他の自治体ではこのような表示がされています。わかりやすいうえに設置個所が多い。路面貼り付けシートも目につきやすいと思います。伊丹市の表示では喫煙者気が付かない上に、周囲の人も気が付かない、また気が付いていても表示が見当たらないと喫煙者に注意したくとも根拠が示せないので注意しにくい。言葉を掛けなくとも、周囲に表示が目につくなら喫煙者に対し周囲の市民の視線を感じ、喫煙防止効果が得られると思います。現状では喫煙者が他人の視線を気にせずに堂々と喫煙しているようにも見えます。

 他市の例を参考に、誰でもここが禁煙区域・歩行喫煙禁止区域はっきりわかるよう目立つ表示に変更し、設置も大幅に増やすべきと思いますがいかがでしょうか。

(3) 喫煙指導員と摘発状況

 次に、指導員を配置しての喫煙マナー指導の状況はどうなっているでしょうか。何人に指導して、また過料を科した件数は何件でしょうか。

(4) 2駅以外の駅周辺と通学路

 受動喫煙が問題になっています。中心市街地以外でもJR伊丹駅、阪急伊丹駅以外の駅周辺や通学路上に面したコンビニやたばこ店に設置されている喫煙所=主に街頭に公然と、むき出しの大型の灰皿を設置しただけの設備ですが、それに喫煙者がたむろして濛々と副流煙を立てている光景は非常に見苦しいものです。子供の受動喫煙の危険と同時に、児童に喫煙への興味を増加させるきわめて非教育的な事象と言わざるを得ません。

 私の自宅最寄りの阪急稲野駅は、稲園高校と南中学校の通学路と、主に三菱電機尼崎事業所への通勤路、駅利用者が重なっています。駅前のたばこ販売店が設置している屋外灰皿にたむろする人たちの喫煙マナーを横目に見ながら副流煙にさらされて児童が通学していきます。

 通勤時間帯が過ぎた後の灰皿の周辺には吸い殻やたばこの空箱などのごみが散乱し、たばこ店主が掃除をするのが日課になっています。

 大人の責任としてこのような状況に対して適切な処置を望むものです。

 現在の中心市街地2駅に加え、それ以外の市内の駅周辺の禁煙区域と歩行喫煙禁止区域設置を検討いただきたい。ちなみに駅構内は全面禁煙になっていて、愛煙家は長い通勤時間の禁煙に備えて乗車前に腹いっぱい喫煙をする習慣になっているようです。

 以下の点について実施検討いただきたい。

市条例の適用区域の拡大

① 現状の「路上等喫煙禁止区域」及び「歩きたばこ・ポイ捨て防止重点区域」を拡大すること

② 市内全駅周辺を「路上等喫煙禁止区域」に設定すること

③ 駅周辺で通勤路と通学路が重なる道路に面する店舗が設置する屋外喫煙所を廃止すること

 以上で1回目の質問といたします。 

【2回目】

2回目は、意見要望と再質問とします。1.市の平和施策については要望、2.の路上喫煙防止条例については質問と要望を述べます。

1.市長から、伊丹市長としての平和推進の立場を表明していただきました。また、核兵器禁止のために努力している各種の活動への理解と支援についても表明いただきました。今年8月9日長崎の平和市長会総会への参加は、ヒバクシャの方々を大いに励ますことと思います。
市ホームページからの署名アクセスについては改善をしていただけるようですのでよろしくお願いいたします。

 また、市役所窓口に署名簿を設置することは困難との表明がありました。署名簿をオープンにすれば個人情報が露出するでしょうが、工夫次第では可能です。たとえば窓口に市民が持ち帰りができるように用紙を設置し、署名投函用のポストなどを設置することをご検討いただければ、と思います。

 6月15日から開催されています国連会議には、今年5月に日本人女性として初めて国連軍縮部門トップに就任した中満泉(なかみついずみ)軍縮担当上級代表も参加しています。中満氏は会議の冒頭、「会議はまさしく歴史的で、核軍縮分野における最も意義ある交渉を象徴している」と強調。「勇敢でたゆみない被爆者の努力」が国際社会を導いてきたとし、「みなさんの交渉の結果、将来への懸け橋が築かれ、だれもがこの問題に関わりを持つことが不可欠だ。そのような関わりが、核兵器の全面廃絶の達成には不可欠だ」と述べました。

 改めて、被爆者の方々、そしてその活動を支えてきた国内外の市民の皆さんの活動に敬意を表したいと思います。

2.次に、「伊丹市路上等の喫煙及び吸い殻の散乱の防止に関する条例」に関する質問へのご答弁について、です。

 施行後1年近くで、一定の成果が見られるとのことでした。周辺の自治会の皆さんのご意見にもありますようにさらなる施策の充実が必要と思います。

 「路上等喫煙禁止区域」や「歩きたばこ・ぽい捨て防止重点区域」には看板やのぼり、路面シールも設置して啓発をされているようですが、それよりも「放置自転車防止」や「安心安全見守りカメラ」のPRのほうが目立ち、「路上喫煙防止」のほうは不足しているように感じます。駅周辺への喫煙規制には、駅を出たところではっきりと喫煙規制が実施されていることがわかるように表示を工夫する必要があると思われます。さらなる工夫をお願いいたします。

 通学路周辺での喫煙場所について、市としての規制は法的に無理だとしても行政的指導は可能と思いますので、教育委員会とも連携して検討いただきますようお願いいたします。

 先ほどの答弁で市民へのアンケートを実施されたとのことでしたが、その内容と、今後も定期的にこのようなアンケート調査を実施する予定はあるのかお聞きします。
以上で2回目の発言とします。 

【3回目】

 アンケートの結果を見ましても、市民の皆さん、中心市街地の皆さんの意向は明確ではないかと思います。喫煙者のマナー向上と、物理的に副流煙を遠ざける処置、通学路の安全を図る措置をさらに進めていただくよう要望して私の質問を終わります。