日本共産党伊丹市議団ニュース(第281号)を発行しました

憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は侵害することはできない

日本共産党伊丹市議団ニュース(第281号)はこちら(画像PDFファイル)

 日本共産党伊丹市議団は6月12日、以下の見解を発表しました。

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2014年6月12日

日本共産党伊丹市議会議員団
団長 上原秀樹 
議員 加柴優美 
議員 久村真知子
事務局長 服部好廣 

(1) 全国の議会に、日本会議地方議員連盟に所属している小坪慎也福岡県行橋市議から、「地方自治体における政党機関紙『しんぶん赤旗』の勧誘・配布・販売について自治体独自での実態調査並びに是正を求める陳情」、「地方自治体における政党機関紙『しんぶん赤旗』の勧誘・配布・販売について(全国的な)実態調査を(国に)要請する決議を求める陳情」と関係資料が郵送されています。

 これは、産経新聞の意図的なキャンペーンも背景にしながら、各地で右翼的な議員が行っている『しんぶん赤旗』攻撃の一環です。今回の「陳情」の仕掛け人である行橋市議が自身のブログで「市議1議席で・日本共産党(政党全体)を振り回してガタガタにして見せますっ!河野談話の検証・憲法解釈の変更に際し、左翼勢力からの攻撃に対して、敵戦力を分散させることで側面支援してみますっ♪」などと述べていることからも明らかな通り、この「陳情」にはひとかけらの大儀も道理もなく、自治体、議会を反共と反動の党派的意図でもてあそぶものです。

 「陳情」の内容は、憲法で保障された個人の思想・信条の自由、政党の政治活動の自由を根本から侵害し、憲法違反の実態調査を求めるものであり、議会として審査の対象とするのにふさわしくないものです。

(2) 「陳情」では、行橋市議会や鎌倉市議会での議会質問の「事例」を持ち出していますが、事実と異なる内容となっています。

 行橋市議会に関しては、問題の市議が、昨年の12月議会で「日曜版配布後の職場は『赤旗』まみれ」などと取り上げ、3月議会でも「『赤旗』の庁舎内の販売(配布・徴収)について」質問しました。しかし・総務部長は、「前回12月議会での指摘を受けて、私自身、庁舎内を点検・巡回したが、ご指摘のような事実は認められなかった」と答弁したため、同市議は質問を続行できず、次のテーマに移って終わったという状況です。

 また、全面禁止を決断した「事例」として鎌倉市を持ち出していますが、これは、産経新聞が4月5日付で、「『赤旗』の勧誘市庁舎内禁止鎌倉市『職務の中立性重視』」という記事を載せたことを利用した攻撃です。日本共産党鎌倉市議団は、この報道に対しただちに、「政治活動の自由、市職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由はなんら禁止されていません」との見解を発表し、議員団のホームページに載せました(裏面)。12月議会で市長が政治活動の規制の検討を表明したものの、憲法に反する規制は行うことができず、個人情報を取り扱う執務室内の規制にとどまらざるを得なかったのが事実です。

 いずれにしても、憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、侵害することはできません。

以上

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日本共産党伊丹市会議員団の「見解」で引用した、日本共産党鎌倉市会議員団の「見解書」

職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由はなんら禁止されていません

事実と異なる一部新聞報道について

2014年4月5日
日本共産党鎌倉市議会議員団

1、4月5日付の産経新聞で「赤旗の勧誘市庁舎内禁止」「鎌倉市『職務の中立性』重視」との見出しをたてた記事が掲載されました。これは、事実と異なるものです。政治活動の自由、市職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、なんら禁止されていません。

1、「『職務の中立性』重視」を産経は「理由」としていますが、市当局は、今回、「情報管理と安全確保の観点から」を理由として「執務室内での物品の販売の禁止」をしたというのが事実です。松尾市長も党市議団の申し入れに対し、(職員が)「各政党のことを全部読んで、それをきちんと吸収したうえで市政をすすめていくことは良いことだと思うので、そこの禁止は全くできないこと」と答えています。この問題を質問した自民党議員でさえ、「職員の自由意思は尊重したい。読むなとは言っていません」と発言していたものです。

 また、「市庁舎内禁止」との見出しについても、市民の個人情報の管理や安全にかかわる「執務室内」に限定したのが今回の市の方針であり、市庁舎内すべてで禁止などということも、事実と異なります。さらには、庁舎管理規則は、議員の政治活動であることをもって禁止するルールでないことは、議会答弁で明確にされています。

1、今回、自民党議員の質問に始まった一連の経過にもかかわらず、憲法で保障された正当な政治活動の自由、職員の思想・信条の自由、新聞購読の自由は、侵害することはできないということを、あらためて明らかにしておくものです。

2014年度兵庫県・阪神地域合同防災訓練への米軍参加の中止を求める申し入れ

2014年5月14日

伊丹市長藤原保幸様

日本共産党伊丹市議会議員団
団長 上原秀樹 
議員 加柴優美 
議員 久村真知子
事務局長 服部好廣 

2014年度兵庫県・阪神地域合同防災訓練への米軍参加の中止を求める申し入れ

 8月31日に南芦屋浜を中心に兵庫県と阪神8市町の主催で実施する合同防災訓練に、米軍の参加を兵庫県が要請していることが明らかとなっています。

 そもそも防災訓練は、甚大な被害をもたらした阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓を生かし、今後想定される南海トラフ巨大地震・津波などから住民の生命と安全、財産を守る取り組みの一環としてきわめて重要なものです。

 ところが、兵庫県は、今年度の防災訓練に自衛隊姫路基地を通じ、在日米軍の参加を要請しています。また、去る4月23日付神戸新聞は「在日米軍が始めて参加することが取材でわかった」「オスプレイの投入も調整中だが、今回は見送られる見通し」と報じています。兵庫県は、米軍の参加の理由を、南海トラフ巨大地震では広域災害が想定され、多方面からの応援が必要としています。

 しかし、これは、日本政府と米軍の意向に沿ったものです。すなわち、2013年7月6日付沖縄タイムスは、小野寺五典防衛相が、在日米海兵隊を統括するグラック海兵隊中隊と会談し、「今週にも南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震を想定した日米合同の防災実動訓練を実施することで一致した。MVオスプレイも始めて投入する」と報じていること、また、今年10月の防災訓練への在日米軍の参加を受け入れた和歌山県知事は、「防衛省から在日米軍の協力を得てよいかという打診があり」、オスプレイの活用の打診もあったことを述べていることからも明らかです。先の神戸新聞でも、東日本大震災での米軍による「トモダチ作戦」を踏まえて、米軍は自治体との関係構築をさらに広げる狙いがあると指摘しています。

 兵庫県が必要としていることよりも、震災支援を利用して日米同盟の「深化」を図ろうとする米軍と日本政府の意向に沿ったものといわざるを得ません。

 さらに、どんな被害想定でどんな訓練を行うかも明確になっていない段階で、参加要請の形を取っているのは「米軍参加ありき」と指摘せざるを得ません。

 このような米軍の防災訓練への参加は、県民・市民の厳しい批判をまねがれないものです。

よって、以下のことを強く申し入れるものです。

1.2014年度の県・阪神地域の合同防災訓練への米軍参加は取りやめること。

2.兵庫県、阪神8市町が行うべきは、自治体と住民、消防、警察など関係機関が協力して、震災発生直後の人命の救出と救助、消防等の訓練を積み上げることであり、関係機関や住民の意向も踏まえた防災訓練とすること。
以上

2014年3月議会:上原ひでき 意見書に対する討論

 3月27日(木)、日本共産党伊丹市会議員団の2014年3月議会に提案した意見書に対する討論は以下の通りです。

 介護保険制度改正に関する意見書、「ブラック企業」根絶へ実効ある施策を求める意見書、集団的自衛権に道を開く憲法解釈は 行わないことを求める意見書、原発の再稼働はやめ、再生可能エネルギー政策に転換することを求める意見書(以上は賛成)、

 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた環境整備及び地域における取り組みへの支援を求める意見書(反対)

2014年3月議会 本会議 意見書討論

日本共産党議員団 上原秀樹

上程となりました意見書案のうち、意見書案第2号から5号までは賛成の立場から、意見書案第6号には反対の立場から意見を述べます。

はじめに意見書案第2号「介護保険制度改正に関する意見書(案)」に対してです。

安倍内閣がすすめる介護保険改定の一つが、「要支援1・2」と認定された人が受ける訪問・通所介護サービスを、ボランティアなどを活用して市町村が行う「総合事業」に移すとともに、要介護認定を省こうとしている問題です。要支援者が受けているサービスは、「訪問介護」と「通所介護」が6割を占め、これらのサービスが市町村の事業になれば、自治体の財政状況によって左右され、どこでも平等に介護サービスを受けられる権利を奪うものです。二つには、年金収入280万円以上の単身高齢者などのサービス利用料を1割負担から2割負担に引き上げることです。三つには、特別養護老人ホームの入所を「要介護3」以上に限定することです。伊丹市でも、昨年8月現在で111名が待機されており、入所を待ち続ける高齢者・家族にとってあまりにも過酷です。このことで、安倍内閣が自ら「介護難民」を増やすことになるものです。

この改定の狙いは、「軽度者」の利用を削減・抑制して、公的介護保険にかかるお金を押さえ込むことにあり、しかしその結果、サービスから締め出された「軽度者」の重度化は、公的費用を更に膨張させることになります。

よって、本意見書案が、拙速な介護保険制度改正を行わないよう求めていることから、賛成とするものです。

次に意見書案第3号「『ブラック企業』根絶へ実効ある施策を求める意見書(案)」についてです。

本意見書案は、不当な雇用管理を行う「ブラック企業」が社会問題となっている現在、労働者や若者を使い捨てにする雇用のあり方を改めるため、相談窓口の設置・拡充と若者への就労支援拡充、「ブラック企業」名の公表、労働行政における監視・指導体制の強化を国に求めるものです。

日本共産党は、国会に「ブラック企業」規制法案を提出しました。その理由は、一つに、若者を「使い捨て」「使いつぶす」働かせ方を放置することはできないからです。いわゆるブラック企業では、採用した労働者を過重な労働に駆り立て、次々に離職に追い込むという、大量採用、大量離職・解雇を前提にした経営が行われ、多くの若者が心と身体の健康を壊して退職に追い込まれていきます。どんな企業であれ、そこで働く人たちの生活と権利、人間としての尊厳が踏みにじられているときに、それを是正することは政治の責任です。二つには、ブラック企業を放置すれば、日本全体の労働条件の悪化をもたらし、日本の企業経営とそこで働くすべての人たちの生活に、大きな被害をもたらすものであり、その規制は日本社会と経済にとっても急務となっています。

よって本意見書案に賛成とするものです。

次に意見書案第4号「集団的自衛権行使に道をひらく憲法解釈は行わないことを求める意見書(案)」についてです。

安倍政権が狙っている「戦争する国づくり」の核心部分が、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認です。政府の「安保法制懇」は、4月にも報告書を提出して6月中にも閣議決定する考えです。

しかし、第1次安倍政権を含む歴代政権は「自衛のための必要最小限を超えるので集団的自衛権を行使できない」との立場を堅持してきました。今の安倍政権がこれを否定すれば自己否定になってしまいます。このため安倍首相は、集団的自衛権行使に関して、自衛権には必要最小限の実力行使の制約があり、その中に入るものがあるかどうか検討しているとしています。しかし内閣法制局は「集団的自衛権は、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処するものではなく、他国に加えられた武力攻撃を武力で阻止することを内容とする」もので、「国民の生命等が危機に直面している状況下で個別的自衛権を行使する場合とは異なる」と説明している通り、集団的自衛権はどう考えても、海外での戦闘参加を可能にするもので、現憲法の下では行使できません。

また、安倍首相は、中国との尖閣諸島の領有権問題や北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、解釈改憲の必要性を強調しています。日本が個別的自衛権を行使できることは自明のことです。「安保法制懇」で示された集団的自衛権行使の事例はいずれも「個別的自衛権で対応できる」、米国向けミサイル迎撃は「技術的に不可能」、「政府が自由に憲法解釈を変更できる性質のものではない」との批判が相次いでいます。

では、なぜ、何のための集団自衛権行使容認なのか。安倍首相は何一つ合理的な理由を示していません。

日本政府は1981年5月の政府答弁書で、集団的自衛権の定義を「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力を持って阻止する権利」と規定、いわば「他衛権」といわれ、戦後米国の発案でソ連も賛成して、国連憲章第51条に書き込まれたものです。しかし、国際的には国内法が優先することは常識となっています。

そしてその後、米国、旧ソ連などの軍事大国は、他国に軍事介入するときに「集団的自衛権」の行使を主張してきました。たとえば、2001年からの米国によるアフガニスタン・対テロ戦争には、NATO諸国が集団的自衛権の行使で参戦、79年から89年の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻、アメリカのベトナム戦争では、集団的自衛権行使で参戦した韓国は5000人近い死者を出しています。

すなわち、日本政府が集団的自衛権を行使すれば、自国への攻撃がなくても、米国の要請があれば海外で武力行使できることになります。自衛隊が海外で人を殺し、殺されることにもなります。

したがって、集団的自衛権行使容認は、憲法のもとでは許されるものではなく、ましてや、解釈によって憲法を変えることなどできるものではなく、立憲主義を否定するものです。

よって本意見書案に賛成するものです。

次に、意見書案第5号「原発の再稼働はやめ、再生可能エネルギー推進政策に転換することを求める意見書(案)」についてです。

本意見書案は、福島第1原子力発電所の事故によって、いまだに多数の人が避難生活を余儀なくされ、放射能被害が広がっている現状から、安倍政権による原発再稼働をやめ、再生可能エネルギー政策に転換することを求めています。

一方、安倍内閣は、財界と一体になって、原発の再稼働への暴走を開始し、原発輸出の「トップセールス」に奔走し、「成長戦略」に「原発の活用」を明記、そして「エネルギー基本計画案」では、原発を重要なベースロード電源と位置づけ、原子力規制委員会の「規制基準」の7月施行を受けて、泊、柏崎刈羽、高浜、大飯などの各原発の再稼働をねらっています。しかし、どの世論調査でも再稼働反対が多数で、国民の願いを無視して、危険な原発の再稼働を強行することは許されません。

原発による低レベル放射性廃棄物に関しても、すべての原発を今廃炉にした場合にも、49万6000㎥以上になることが明らかにされ、その処分地さえ決まっていません。また、高レベル廃棄物でも、技術自体が確立されておらず、政府が計画する「地層処分」も、めどが立っていません。まさに「トイレなきマンション」といわれるとおりで、原発の再稼働はさらにこれらを増やすことになり、無謀でしかありません。莫大な費用が必要にもなります。

原発事故から3年間の体験は、原発と人類は両立できないことを示しました。原発の危険から国民と地球環境を守るという点からも、国民合意という点からも、どの原発も再稼働する条件はありません。すべての原発の稼働がストップしている今、「即時原発ゼロ」を決断し、ただちに廃炉のプロセスに入ることが、最も現実的な道です。

原発にたよらず、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギーの大幅導入への抜本的転換の計画を立てて、実行していくことです。エネルギー確保のためには、当面、5~10年程度の期間は、過渡的な措置として、火力による電力の確保が必要になりますが、その間に、再生可能エネルギーの大規模な普及と低エネルギー社会への移行をすすめます。原発推進派は「自然エネルギーは供給が不安定」などとしますが、多様なエネルギーである太陽光・熱、小水力、風力、バイオマス、地熱、潮力などを組み合わせて普及すれば、安定します。

よって、本意見書案に賛成とするものです。

次に、意見書案第6号「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた環境整備及び地域における取り組みへの支援を求める意見書(案)」についてです。

日本共産党は、もともと、オリンピックの東京への招致に関して、石原都政以来、オリンピックを利用して大規模な開発を進めようとしてきた経過があり招致に反対してきました。

しかし、IOCの総会で決まった以上、これを尊重し、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現に努めるという立場を明らかにしています。同時に、東京招致には内外から様々な不安と疑問の声が出されており、無条件の信任ではありません。

したがって、国立競技場の建て替えに3000億円かけるという話もありますが、オリンピックを口実とした大規模開発はやめるべきであり、今後もしっかりとした監視が必要と考えます。あくまでも、国民生活の向上を図りながら、東京大会を成功させるという見地が大切であり、国民・都民の生活や環境と調和の取れた簡素で無理のない取り組みにすることが大事です。

一方、本意見書案では、国に要望する項目のうち、4項目目に「国際空港機能拡充やアクセス強化に向けた交通インフラの整備」など、「社会基盤整備」を促進する項目があります。このことは、国会の「東京五輪成功決議」にもない項目であり、大規模開発に道をひらくものと言わざるをえません。

したがって本意見書案には反対とするものです。

なお、バリアフリー環境の促進やスポーツ基本法に基づく国民のスポーツ権を保障するための環境整備は、オリンピックに関係なく進められるべきであることはいうまでもありません。今後、オリンピックの準備に向けて、オリンピック憲章の精神と国民・都民の利益を守り、スポーツの民主的発展を促進するために、力をつくしていきたいと思います。

以上、それぞれの意見書案に対する意見とします。議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。

2014年3月議会 本会議:上原ひでき 特定秘密保護法に関する請願書に対する賛成討論

請願第2号 国に対して「「特定秘密の保護に関する法律」を改めて慎重に審議することを求める意見書」を提出することを求める請願書 に対する賛成討論

2014年3月27日

日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、請願第2号 国に対して「『特定秘密の保護に関する法律』を改めて慎重に審議することを求める意見書」を提出することを求める請願書 に対して賛成の立場から討論を行います。

 この法律は、政府が勝手に特定秘密を指定し、その漏洩に厳罰を科すもので、国民の知る権利を侵害し、言論・表現の自由など国民の基本的人権を破壊し、国家安全保障会議設立と一体で戦争への道を推し進める稀代の悪法です。何よりも、国民主権、基本的人権、平和主義という憲法の基本原則を踏みにじる点で、明らかに憲法違反です。

 この法律に反対する声は、わずか1ヶ月の審議期間でしたが大きく盛り上がり、今も広がっています。呼びかけ人に山田洋次監督ら5人が名を連ねた「反対する映画人の会」には、映画監督の宮崎駿さんや女優の大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さんらが名を連ねています。また、ノーベル賞を受賞した白川英樹さん、益川敏英さんなど著名な学者が呼びかけた「反対する学者の会」は、賛同者が約4000人となり、さらに広がっています。

 安全保障上、秘密保護法は必要という声があります。しかし、国家・国民の安全を守るためにはスパイ防止法のようなものがあっていいと主張する小林節慶応大学教授は、「第三チェックをかたくなに拒むところに言い知れぬ不安を感じる。法のつくり方を見ても秘密の対象を列挙した後、その他がついてくるのは対象を恣意的に広げられる」と批判しています。

 情報の漏洩の脅威が高まっているともいわれますが、それには、憲法違反の法律をつくることで対応することではありません。情報漏えいの脅威は、「高度情報通信ネットワーク社会の発展」に起因するもので、これに対処するためには、公的情報の管理の合理化と、情報保全システムの適正化で対応すべきであって、処罰で対応する問題ではありません。伊丹市民にも大いに関係があります。特定秘密を取り扱う自衛隊などの公務員や軍事産業関係の民間事業所で働く従業員は、適正審査が行われ、本人だけではなく家族、親戚友人まで及び、プライバシーが侵害されます。

 このような法律が成立したことで、国連人権高等弁務官事務所は、日本の特定秘密保護法に関して深刻な懸念を表明しました。たとえば「ジャーナリストや市民社会の代表を含め、それが公益にかなうという信念から機密情報を受け取った場合、差し迫った状況に個人が陥ることがない限り、法的制裁から守られるべき」とするとともに、「当局が秘密保護の必要性を確認できる例外的な場合でも、当局の決定を独立機関が審査することは不可欠」としています。日本の場合、特定秘密の指定・監視・検証の機関はすべて内閣総理大臣のもとに置かれており、自分で秘密をきめて自分でチェックするというというものです。

 また、国家の秘密保護には、安全保障と情報へのアクセス権とを調和させた国際的にきめられたガイドライン、すなわち「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」通称ツワネ原則が存在しますが、その作成を率いた財団が「日本の秘密保護法は国際基準を大きく下回る。米国からの圧力は理由にならない」と緊急声明を発表しています。まさに国際的に見ても異常な法律であることがわかります。

 そもそも特定秘密保護法を繰り返し求めてきたのは国民ではなく、米国です。2005年には、日米両国の部隊から首脳レベルまであらゆる範囲で軍事戦略や情報を共有することを日本は約束しました。その際、「秘密保護の追加的措置」、つまり米国の情報が日本から漏れないよう、対策強化を要求されています。

 そして、安倍首相がオバマ米大統領との会談で、特定秘密保護法案は「日米同盟強化を見据えたもの」と説明したとおり、海外で米国と一体に「軍事行動をする国」へ日本を作り変える構想との一環として出てきたものです。日本の国土を守ることとはまったく関係のない集団的自衛権行使の具体的要件等を定める国家安全保障基本法のもとに、国家安全保障会議設置法と特定秘密保護法が位置づけられていることからも、この法律の目的は明らかです。このような憲法にかかわる重大な法律を、わずかな期間で、しかも審議を打ち切って急いで強行採決したことは、異常という以外にありません。法案が可決された後も、請願書に書かれているとおり、共同通信社の世論調査で「廃止する」「修正する」は74.8%を占めており、このまま施行すべきではありません。

 日本共産党はこの特定秘密保護法を廃止することを求めています。しかし、多くの国民が不安に思っている法律を改めて慎重に審議することは、国民に改めてその全容を明らかにすることで、法律の是非も含めた判断を問うことにつながります。よって本請願の願意は妥当と考え、賛成とするものです。

2014年3月議会代表質問:上原ひでき 市長の情勢認識を問う(消費税増税、戦争する国づくり)

2014.3.7. 上原ひでき議員

1.市長の情勢認識と政治姿勢について

1)消費税の増税と市民の暮らし悪化の中でくらしを守る施策を

市長は、提案説明の中で、わが国経済の基調判断について政府の見解を引用し、個人消費の増加等、景気が回復していること、規制緩和などの成長戦略で「経済の好循環」が期待できるかのように言及されましたが、事態はまったく逆の方向に進んでいます。

安倍内閣による4月からの消費税増税によって、市民の暮らしは計り知れない深刻な打撃をもたらし、経済も財政も共倒れ破綻に追い込まれる「経済の悪循環」になることは明らかです。

働いている人の賃金は、18ヶ月連続で前年同月比マイナスとなり、1997年と比べて年間60万円も減少しています。これは、定期給与の抑制や非正規雇用化などによるものですが、その一方で、資本金10億円以上の大企業が保有する内部留保は前年対比で5兆円増の272兆円にも達しています。また、アベノミクスの金融緩和で、レギュラーガソリンや灯油、ガス・電気代、生鮮野菜、マーガリンなどの乳製品など生活必需品の価格高騰が続き、総務省が発表した2013年の消費者物価指数が前年比0.4%上昇しました。

賃金が下がり、物価が上がるその上に、国の2014年度予算案では、医療費では70歳から74歳の窓口負担を1割から2割に倍増し、生活保護の生活扶助費を2.5%削減、年金支給額も1%削減します。これら社会保障の負担増と給付減で負担は約2兆円、消費税増税と合わせて10兆円もの国民の負担が増えることになります。さらに兵庫県も、「第3次県行革プラン」において、老人医療費・母子家庭等医療費の助成を削減しようとしています。

このような国のアベノミクスによる国民の暮らし破壊と消費税増税などによって、市民の暮らしは深刻になっています。市長は、この市民の生活をどう認識されているのでしょうか、また、伊丹市が深刻な市民生活を守る防波堤としての役割を果たすため、国の国民いじめの政治に反対し、市民の暮らしを守るために、何が必要とお考えなのか、お伺いします。

2)安倍内閣による「戦争する国づくり」に対する見解を伺う

伊丹市の「平和都市宣言」は、「平和は人が生きるための大本です。戦争はかけがえのない生命を奪い、幸せをふみにじります」という言葉で始まります。しかし、安倍内閣は人が生きる大本である平和をないがしろにし、戦争の道へと暴走しています。

先の臨時国会で可決成立した「特定秘密の保護に関する法律」は、特定の情報を政府が恣意的に秘密指定でき、国民には何が秘密か明らかにされないというもので、国民主権、基本的人権、平和主義をないがしろにする憲法違反の稀代の悪法です。この法律が強行された後の共同通信の世論調査で、「法律に不安を感じる」が70.8%、「法律を修正する・廃止する」が82.3%に達しました。廃案を訴えた運動は各界に広がり、山田洋次監督ら5人が呼びかけた「反対する映画人の会」には、映画監督の宮崎駿さんや女優の大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さんらが名を連ね、ノーベル賞を受賞した白川英樹さん、益川敏英さんなど著名な学者が呼びかけた「反対する学者の会」は、賛同者が約4,000人にもなり、今も広がっています。

このことは、この法律によって、懲役10年以下の重罰とそれによる威嚇や、適性評価の名によるプライバシー侵害と権力の監視にさらされるのは、限られた公務員の特殊な漏えい行為だけではなく、国民の普通の日常とその自由が広く対象とされるからです。

この法律の目的は、安倍首相がオバマ米大統領との会談で、特定秘密保護法案は「日米同盟強化を見据えたもの」と説明したとおり、集団的自衛権の行使を可能とし、海外で米国と一体に「軍事行動をする国」へ日本を作り変える構想との一環として出てきたものです。

そしてその「集団的自衛権」とは、「自衛」とは無関係の概念で、海外への武力行使を可能とするものあり、大国が侵略や軍事介入する際の口実として使われてきたもので、日本国憲法第9条に違反することは明白です。だからこそ歴代政府は、「憲法9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり、許されない」としてきました。

ところが、安倍首相は、「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることで(行使容認は)可能であり、憲法改正が必要との指摘は当たらない」「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持つ」などと述べ、首相が自由に憲法の解釈を変更できるかのような発言を行っています。これは、最高法規としての憲法のあり方、立憲主義を否定するものに他ならず、さすがに古賀誠自民党元幹事長も、「立憲国としてとても考えられない」「普通だったら予算委員会がとまるほどの大騒動の話」と批判し、同様に河野洋平元衆議院議長や野中広務自民党元幹事長、村上誠一郎元行革担当相、漆原良夫公明党国対委員長らも批判しています。

市長は、伊丹市平和都市宣言に照らして、このような戦争への道を突き進む安倍内閣の暴走をどうお考えでしょうか、立憲主義に対する考え方も含めて、見解を伺います。

9月議会報告 2013年秋季号 市民の切実な願いにこたえ いのち・くらし・営業をまもれ!と提案

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2013_11_report_aki_3日本共産党 9月議会報告 2013年秋季号
市民の切実な願いにこたえ いのち・くらし・営業をまもれ!と提案

伊丹市会報告2013年秋季号はこちら(PDFファイル 4.98MB)

【1面】

消費税増税・社会保障改悪ストップ!

 第4回定例市議会は9月4日から10月10日までの37日間、2012年度決算、2013年度補正予算などを議題に開催され、白熱した議論が交わされました。

 日本共産党議員団は市民のいのち・くらし・営業をまもる立場から市長、市当局の姿勢を厳しくチェック。

 決算の認定を「同意せず」としたのを含め4件の議案に反対、補正予算他41件の議案に賛成しました。

「来年4月からの消費税増税を中止」-市長として発信を

 安倍首相は、来年4月からの消費税増税を予定通り実施すると表明しましたが、参院選後の世論調査でも、増税を「中止すべきだ」や「先送りすべきだ」という意見が7~8割と圧倒的です。それは、長引く不況により給料は上がらず物価は上がり、医療費や介護負担は増え、その上消費税が増税されれば暮らしや経営が成り立たないという、庶民の実態があるからです。

 党議員団は、市長として「4月からの消費税増税は中止を」の声を内外に発信することを求めました。

市立伊丹病院 消費税8%が経営を直撃 新たに1億円負担増

 消費税が8%になれば、病院が国に支払う消費税分は約1億円増え、2億5千万円前後になることが決算委員会質疑の中で明らかになりました。市立伊丹病院はこの間医師確保などの取り組みの中で、3年連続の単年度黒字を計上してきましたが、消費税増税は病院経営を直撃することになります。

 消費税増税により大半の病院が経営困難におちいるといわれており、公立病院や地域医療を守るためにも増税をストップさせなければなりません。

国民健康保険事業の都道府県広域化 見直しを

 現在国民健康保険事業は市町村ごとに運営されていますが、国の主導により数年後には広域的運営化が計画されています。

党議員団はその問題点について

① 各自治体一般会計からの繰り入れがなくなり、大幅な国保税の引き上げになる

② 地域の実情や住民・被保険者への対応が困難になる

と指摘し、広域化は、地域の実情や市民の生活実態を無視した国保税を県が決め、その徴収に各自治体が振り回されることになるのでやめるべきだ、と主張し
ました。

介護保険大改悪やめよ

 軽度の認定者への保険給付廃止、施設からの締め出しなど政府は次期介護保険計画策定に向けて、大幅なサービス縮小・切捨てや利用料負担増を計画しています。その中身は

①要支援1、2認定者への保険給付の廃止

②特別養護老人ホームなど施設入所は、要介護度4、5の重度者に限定

③サービス利用料について一定以上の所得があれば2割に引き上げる等です。

党議員団、社会保障の拡充を求める意見書を提出
 他の会派・議員の反対で否決

 党議員団は「『社会保障制度改革推進法』を廃止し、社会保障の拡充を政府に求める意見書」を提出しました。具体的には、

① 特に医療・介護・子育て等の負担軽減を急ぐこと。

② 社会保障の公的責任を放棄する「社会保障制度改革推進法」は廃止すること。

③ 社会保障の財源は、消費税増税ではなく大企業や富裕層に応分の負担と責任を求める内容です。

 本会議では他の会派・議員はまったく理由も述べずに反対し、意見書案は否決されました。

【2面】

市民のくらし福祉まもって奮闘

市発注の公共工事は適正な労務単価で

 国土交通省は、今年度の設計労務単価を15.1%と大幅に引き上げました。その背景には、ダンピングの激化と下請けへのしわ寄せで、技能労働者の賃金の低下(グラフ参照)や、若年入職者の減少があります。

 党議員団は、今後とも適正な設計労務単価による発注を行うとともに、その労務単価が賃金に反映されること、社会保険加入等福利厚生の充実が図られるために、兵庫県などと連携して検証を行うことを求めました。

市税等の徴収に当たっては、納税者の権利を保障した対応を

 伊丹市の市税等の収納率向上対策の強化から、納税者とのトラブルが発生しています。市民のくらしは、給料も年金も、営業実績も下がりっぱなし。従って、市税等の徴収に当たっては、「差し押さえありき」の対応が、善良な納税者を悪質滞納者扱いすることになりかねません。可能な限り避けるべきです。

 党議員団は、納税者の実態に即してその困難に寄り添い、納税者の権利を尊重した納税相談を行うことを求めました。

高齢者の虐待防止対策の充実を

 2025年には、高齢者人口3500万入、認知症350万人に達するといわれています。
 厚労省は高齢者虐待防止法の制定を受け、高齢者への虐待防止に向けた全国調査を行い、対応状況の把握を行いました。その結果、擁護者による虐待、介護事業従事者からの虐待、相談・通報件数が増加していました。家庭での同居者からの虐待が86.2%とほとんどを占めます。虐待防止のために、伊丹市包括支援センターの充実や認知サポーターの増員、見守り協定事業者の拡充を求めました。

ウメ輪紋病対策充実で生産農家への支援強化を

 伊丹市は、ウメ輪紋病対策として、被害生産農家対策やウィルス防除ハウス経費の一部助成を行っています。党議員団は、貴重な地域の品種保存を生産農家が共同して行うことができる対策を検討するとともに、引き続き国に対して、生産農家の営業損失に対する適切な保障を強く求めることを要望しました。

自民系・公明党 市職員給与引き下げ賛成 議員報酬削減には反対

 伊丹市は、国による地方交付税削減による職員給与引き下げ強要に対して、職員の定昇を見送った上、課長級以上の給与3%~5%、市長等の特別職給与5%カットを提案。党議員団は職員給与引き下げには反対しましたが、賛成者多数でいずれも可決されました。

 このことを踏まえて、党議員団3名を含む7名の議員が議員報酬5%削減の条例を提案。採択の結果は12対12の可否同数(蒼翠会2名は退席)、議長(公明党)裁定で否決されました。

市職員の採用条件から「正社員の勤務経験」を削除せよ

 厚生労働省は、採用選考は職務遂行上必要な適性・能力を持っているかどうかという基準で行うことを求め、現在の雇用状況が正社員になりたくてもなれない事態が続いていることから、このことを配慮した採用選考を行うこと、その際、職業経験について不問にすることも求めています。

 以上のことから党議員団は、伊丹市の採用選考に当たって、現在の採用要件にある「正社員としての勤務経験」(3年・5年)を削除することを求めました。

航空機騒音の軽減を求める

大阪国際空港における今年4月の航空機騒音調査で、滑走路側近の西桑津地域の騒音が上昇していることが明らかになりました。原因として、空港におけるプロペラ機枠の段階的なジェット機枠化の推進や側近の滑走路からの離陸便の割合が増加したことが考えられます。環境基準達成に向け不断の努力を行うという大前提がくずれており、党議員団は必要な対策を新会社に要請するよう当局に求めました。

【3面】

子育て環境の充実を求めて

保育所増設で待機児童の解消を

 待機児童は本来ゼロであるべきところ、今年4月に33名。毎年3月には300名を超える待機児童数を出しています。

党議員団は繰り返し保育所の増設で待機児の解消を求めてきましたが、荻野保育所の「耐震補強事業」のための新築移転計画(荻野8丁目の北コミ広場・2015年完成)をうけ、移転場所の大気汚染・騒音等、保育環境の確保と合わせ定員増を求めました。

 市長は「公的措置の枠は拡大しない」と、現状定員維持の態度に固執しました。

中学卒業まで医療費無料化を 所得制限撤廃を

 保護者の経済的理由により子どもが医療を受けられないことが無いよう、入院、通院とも中学校卒業まで医療費の無料化が広がっています。

 しかし県は福祉医療の改悪を実施し、所得制限をきびしくし、子育て助成対象者のうち4%が対象から外れました。

党議員団は、伊丹では県の改悪に従わないこと、独自に中学校卒業まで入院費だけでなく通院も無料にすること、また国に対して医療費助成制度を国の制度として確立することを求めました。

「きぼう園」における児童発達支援の充実を

 医療型児童発達支援センター「きぼう園」を福祉型に移行する条例が提案されました。

 国による財政措置の廃止により、使用料が、36人中11人は従来通り無料、25人は数百円から最高4400円程度の値上げとなります。一方、保護者からの要望で理学療法士と言語療法士が1人ずつ増員され、サービスの充実が図られるとともに、職員は従来通り5人で運営されます。党議員団は、さらなる発達支援の充実を求めました。

教育環境の改善を求める

市立定時制高校の移転から1年、生徒の教育を受ける権利の保障を

 伊丹市は昨年、定時制高校を阪神昆陽高等学校校舎へ移転、道理のない統合負担金として3億6千万円も県に負担することを決めました。また、多くの反対の声や不安があるなかでの移転は、様々な矛盾を抱えることにもなりました。

 党議員団は、定時制ではさまざまな入学動機や学習歴のある生徒が学んでおり、その生徒の教育を受ける権利を保障する上で、残された期間引き続き全力で支援することを求めました。

「全国学力テスト」依存はやめ、教員の教育力強化で確かな学力を

 伊丹市教育委員会は、「全国テスト」の平均点を学力の指標においています。しかし、そこで測定できるのは学力の特定の一部分に過ぎません。高い得点をえることが最優先にされることで、かたよった学力観を子どもや保護者に持たせています。
 党議員団は、一人ひとりの子どもの実態をよく知っている教員が、その子どもに応じて様々な教え方を工夫した教育活動を行うことで、全体とした学力を身につけることができると主張しました。

【4面】

中学校給食実施へ・平和市長会議加盟 党議員団の奮闘で実現

中学校給食導入検討委員会開催される

 長年の市民の願いであった中学校完全給食が実現に向けて進み始めました。

 教育委員会では「伊丹市中学校給食導入検討委員会」を立ち上げました。

 委員会は毎月開催、自校調理方式、センター方式、デリバリー方式の比較検討が行われ、今年度中に基本方針を策定する計画です。

 安全でおいしく温かい給食を提供するために「自校調理方式を」という父母・市民の多数の声の実現に党議員団は引き続き奮闘します。

産婦人科医師確保に全力を
 市立伊丹病院、来年4月から分娩受け入れを休止

 市立伊丹病院は医師数の減少などにより、分娩の受け入れを来年4月から休止する方針です。ただし分娩以外の産婦人科の診察や出産前後の検診などは維持するとしています。伊丹市内の分娩できる病院は二ヶ所しかなく、党議員団は、今後市民に安心を保障するためにも、産婦人科医師確保に全力をつくすよう求めました。

伊丹市が「平和市長会議」に加盟、市長が広島に

 伊丹市は、昨年7月に「平和市長会議」に加盟、今年の8月には藤原市長が総会に出席するため広島を訪れ、平和記念式典にも参加しました。「平和市長会議」には、党議員団が加盟を求めていたものです。党議員団は、「被ばくクスノキ」の木)を世界に贈る事業も活用し、核兵器廃絶・平和事業をさらに充実することを求めました。

公共施設マネジメント基本方針(案)策定、パブリックコメント実施

 伊丹市は、市が保有する学校や保育所、庁舎などの施設について、人口動態や財政状況、市民ニーズ等に基づいて維持管理・更新のあり方に関する「基本方針」(案)を策定、11月18日から12月17日までパブリックコメントを実施します。基本方針(案)では、2030年には、少子高齢化、人口減少を見込み、公共施設の統合、複合化と新規整備の規制で、床面積を10%削減することを目標にしています。

従軍慰安婦問題の解決を求める請願が僅差で否決、党議員団は採択に全力

 新日本婦人の会伊丹支部から、「慰安婦」問題の速やかな解決を求める意見書を国に提出することを求める請願書が提出され、賛成11、反対15で否決されました。党議員団は、「河野談話」が、軍の関与により「慰安婦」が強制的で痛ましい生活を余儀なくされたことに反省とお詫びの意とともに、今後の対応の検討を表明したにもかかわらず、被害者への個人補償はなされていないこと等をあげ、賛成の立場から意見を述べました。

黒田官兵衛に「あやかり」

 来年のNHK大河ドラマは「黒田官兵衛」ですが9月議会では「有岡城にまつわる黒田官兵衛」で「伊丹のまちおこし」が議論されました。

 ゆるキャラ「村重たみまる」や「官兵衛プロジェクト」もスタート。

 伊丹市長が姫路市長と「和解の握手」、黒田官兵衛に大いにあやかりたい伊丹市です。

「市民まもる防波堤」党議員団

 37日間に及ぶ長い9月議会の大部分を傍聴しました。本会議では全議員が質問に立ち、活発な議論が展開されました。

 各委員会では、市施策の細部にわたり予備日に食い込む審議が熱心に行われましたが、他会派の議論で欠けている点があります。それは「市民の暮らし(生活感)に根ざした立場」です。これがない「行財政の健全化」議論は結局「市財政危機=市民の暮らし・福祉予算の削減」という方向に向かわざるをえません。

 伊丹市を「市民をまもる防波堤に」と奮闘したのは党議員団でした。

 市議会を多くの方が傍聴し、日本共産党議員団の活躍を見て頂くことを願っています。(H)

2013年6月議会代表質問:上原ひでき 市長の情勢認識を問う(アベノミクス、従軍慰安婦、憲法改正論議)

2013年6月14日 上原ひでき議員

1.市長の情勢認識を問う

1)アベノミクスで市民の暮らしはよくなっていると実感されていますか

市長が提案説明の中で触れておられます、アベノミクス、すなわち安倍自公政権のもとで進められている「3本の矢」といわれる経済対策についてです。市長は政府の月例経済報告での、景気が回復に向かっているということを紹介されました。安倍首相は株が上がったと盛んに自慢しているようですが、5月23日の東証株価は13年ぶりの暴落となり、市場関係者から「企業業績の裏打ちがない中、期待だけで株価が上がっていた。暴落は当然」と言われるとおり、外資に左右されるアベノミクスの制御不能な危険性が暴露されました。

また、国民のアベノミクスの評価にしても、大体7割から8割の国民が、所得は増えない、景気回復は実感できないと答えています。それもそのはずで、安倍内閣になってからも賃金は減り続け、企業の設備投資も減少、大銀行の中小企業向け融資は史上最低で、あらゆる経済の土台の落ち込みが続いているからです。その上に、円安による原材料費や燃油、水光熱費、小麦などの高騰は、中小企業や漁業、農業に深刻な打撃となり、家計を圧迫し始めています。一方では、この「バブル」で一握りの大株主や富裕層には、巨額の富が転がり込み、大企業の多くは円安・株高の中で利益を増やし、内部留保は1年間に10兆円増えました。

市長は、現在進められているこのようなアベノミクスで市民の暮らしはよくなり、景気が回復するとお考えなのでしょうか、お伺いします。

今必要な経済対策は、消費税の増税を中止し、国民の所得を増やす本格的な景気回復の道です。賃上げと安定した雇用、中小企業支援のルールをつくり国民の消費購買力を引き上げ、社会保障改悪ではなく、現役世代も高齢者も安心できる社会保障制度に拡充することが必要と考えるものです。市長は、今後民間企業の設備投資は持ち直しに向かうとされましたが、このままだと期待できる要素はありません。地域内経済循環に視点をおいた企業活動への支援にしても、市民の消費購買力が上がらなければ企業や地域商店の努力にも限界があります。あわせて見解を伺います。

2)「日本の侵略戦争」に対する歴史認識、「従軍慰安婦」に対する認識を問う

安倍政権が発足して以来、過去の侵略戦争と植民地支配を正当化し、美化する歴史逆行の動きが顕著に現れ、国際問題となっています。米議会調査局レポートでは、安倍首相を「強力なナショナリスト」とし、「性奴隷や歴史教科書、靖国神社への参拝」などでの対応が、アジア諸国やアメリカから強い懸念をもって見られていると指摘しています。戦後の国際政治は、日独伊がおこなった戦争が不正不義の侵略戦争だったということを共通の土台にしています。この土台を覆す勢力は、国際政治に参加する資格を失い、国際的な孤立の道に転落していくことになります。

さらに、日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要だった」という発言に、内外から大きな批判が起きています。女性を戦争の道具とみなす暴言は、女性への冒涜であるとともに、人間への冒涜です。国連拷問禁止委員会は、日本軍「慰安婦」問題で「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」とし、日本政府に対して、こうした発言に明確に反論することを求めました。

市長は、このような安倍首相や橋下共同代表の歴史を逆行させる考えに対してどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いします。

日本がアジアと世界から信頼され、国際社会で名誉ある地位を占める国になるためには、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りをきっぱりと認め、その負の遺産を清算する立場にたつことが不可欠です。すなわち日本政府の責任ある立場の政治家が、侵略戦争を肯定・美化するような行動、言動をとらないこと、日本軍「慰安婦」問題では、日本政府として公式に謝罪し、個人補償を行うこと、日本の侵略戦争と植民地支配の歴史を子どもたちに正しく伝え、アジアと世界の国ぐにと平和・友好の交流を積極的におしすすめることが必要と考えるものです。

以上に対する見解もあわせてお伺いします。

3)自民党などの「憲法改正」論議に対する考え方を問う

自民党をはじめとする改憲勢力が多数を占めていますが、その一番の狙いは、自民党の改憲案にあるとおり、憲法9条を変えて「国防軍」を明記することで、集団的自衛権の行使など、日本を「海外で戦争する国」につくりかえることです。この人たちは、「北朝鮮や中国との関係を考えても憲法の改定が必要」だといいます。しかし、北朝鮮の問題にしても、中国・韓国との領土問題などにしても、何よりも求められるのは憲法9条を生かし、道理に立った外交交渉によって解決をはかることです。

一方、安倍首相は、改憲の発議を、国会議員の「3分の2以上」から「2分の1以上」に引き下げる96条改定を言い出しました。しかし、これは単なる「手続き」論ではありません。近代の立憲主義は、主権者である国民が、その人権を保障するために、憲法によって国家権力を縛るという考え方にたっています。そのために改憲発議の要件も、時の権力者が都合の良いように、簡単に憲法を変えることができないようにされています。憲法改正の発議要件を緩和し、一般の法律なみにしてしまうことは、立憲主義を根底から否定するものにほかなりません。

市長は、これら改憲の動きに対してどのような見解をお持ちでしょうか、お伺いします。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第269号)を発行しました。

市長選挙初議会

中学校給食は自校方式で。市営住宅の民間委託は問題。住宅リフォーム助成を。障がい者福祉。いじめ対策

上原議員が 6月議会 代表質問

日本共産党伊丹市議団ニュース(第269号)はこちら(画像PDFファイル)

【1面】

代表質問の内容は次の通りです。

1.市長の情勢認識を問う

  1. アベノミクスで市民の暮らしはよくなるのか。
  2. 「日本の侵略戦争」に対する歴史認識、「従軍慰安婦」に対する認識を伺う。
  3. 自民党などの「憲法改正」論議に対する考えを伺う。

2.中学校給食は自校調理方式で

 すべての生徒の健やかな心と身体の発達を支え、身近な農家の新鮮な食材が活用でき、栄養士・調理員などの職員と身近に接することができる自校調理方式が望ましいと考えるが、見解を伺う。

3.議案第54号「平成25年度伊丹市水道事業会計補正予算」(第1号)

4期拡張事業、兵庫県水道用水受水施設整備工事の見直しが提案された。この件に関し、

  1. 県営水道に不測の事態が生じたとき、千僧浄水場からの供給は可能なのか。
  2. 水道事業会計への影響をどう考えるのか、

について見解を伺う。

4.議案第64号「伊丹市営斎場条例の一部を改正する条例の制定について」、議案第66号「伊丹市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について」

それぞれの条例で、指定管理者制度を導入しようとする問題について伺う。

①それぞれの施設において、直営で管理するよりもその目的を効果的に達成でき、住民サービスの向上につながるとされた理由は何か。

②個人情報の保護という点では問題はないか。

③市営住宅における福祉対応、維持管理業務という点では問題はないか。

5.住宅耐震改修工事への補助制度創設について

①制度創設の理由、新耐震基準適合率向上との関係。

②住生活基本計画における環境に配慮した住まい・まちづくりという観点でのリフォームをどう進めるか。

③戸建て住宅における太陽光発電の促進をどう進めるのか。

6.障がい者福祉について

①新しい法律で、障がい者の範囲に難病が加わったことについて。②重度身体障がい者等が自立して生活できるために。

【2面】

2013_06_12_news_269_b

みなさんと一緒に実現しました 2013年6月議会に市長提案

中学校給食導入検討事業 中学校給食の導入に向けた検討を開始

「中学校給食導入検討委員会」を立ち上げ、具体的に検討を行う事になりました。党議員団は、自校調理方式を主張して奮闘します。

保育所開設助成事業 待機児童解消のため保育所開設経費を助成

 4月には保育所待機児童が30人を超えました。保育所増設を要望していましたが、このたび、平松に保育所ができます。定員は60名。

保育所施設整備事業費補助事業 児童の安全・安心のため私立保育所の耐震改修等費用を補助

「かおり保育園」の全面耐震改築に対して補助を行います。同時に定員を15名増員します。

住宅耐震改修促進事業「耐震改修費用を補助し住宅耐震化を促進

 何度も要望していた、住宅耐震改修補助制度が創設されます。戸建住宅、共同住宅にそれぞれ上限30万円、10万円。県の補助制度と合わせて使えます。

風しん予防接種費助成事業

 風しんを予防するワクチン接種費用を助成、妊娠を予定または希望する女性及び妊婦の同居家族に対して、風疹の予防接種にかかる費用の一部を助成。序接種回数は1回、5000円を限度。

高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種費助成事業  高齢者の肺炎を予防するワクチン接種費用を助成

 高齢者肺炎球菌ワクチン接種費用の一部を助成。対象は75歳以上の心臓等機能障害を有する身体障害者手帳1~4級を所持する市民。

道路安全対策事業(自転車通行帯の整備)

 伊丹山田線で試験的に実施した自転車通行帯の明示を、道路交通法に基づく指定を行い、実線で整備する。その他自転車安全運転教育を行う。

神経外科手術医療機器等整備事業

 市立伊丹病院において、1名の脳神経外科常勤医が確保されたことで、専用の医療機器を整備。今後3名の勤務医を確保していく予定。

2013年3月議会:かしば優美議員 「平成25年度伊丹市一般会計予算」反対討論

議案第12号「平成25年度伊丹市一般会計予算」の討論

2013年3月24日
日本共産党議員団 かしば優美

 ただいま議長より発言の許可をえましたので、私は日本共産党議員団を代表して議案第12号「平成25年度伊丹市一般会計予算」に反対し、修正案にも反対する立場から討論を行います。

 昨年行われた総選挙によって第2次安倍政権がつくられました。この政権は「アベノミクス」と称して、無制限の金融緩和策と200兆円もの大型公共事業を進めるとしています。しかしこれは過去において失敗済みの経済対策でしかなく、見せかけの「経済成長」を演出し、消費税大増税を予定通り強行しようとするものです。また社会保障政策では、民・自・公3党合意による「社会保障と税の一体改革」を進め、国民の生存権の保障をないがしろにしようとしています。

 こうした中で伊丹市政に求められるのは、市民のくらし、福祉、営業を守り充実することであります。こうした視点で本予算の内容に触れていきます。

 2013年度の一般会計予算は、歳入・歳出規模で対前年対比4.8%減の628億円とするものです。

 歳入の根幹となるべき市税については、大阪国際空港民営化にともない固定資産税等で約2億円の増加となったものの、個人市民税は約6700万円減少し、依然として厳しい状況を反映しています。法人市民税は7000万円の微増となっていますが、5年前(平成20年度)の29億円と比べると59%という水準であります。今後も市民のくらしや中小企業・零細業者の営業は厳しい状況が続くことが予想されるだけに、伊丹市はいっそう市民のくらしと安全を守る施策が求められていることを強調しておきます。

 次に普通交付税と臨時財政対策債の合計は、前年対比で1億3千万円、率にして1.5%の減となっています。特に今回国においては、地方財政計画に国家公務員の特例措置に伴う地方公務員の給与削減を盛り込み、一方的に地方交付税を削減していることはまったく異例であります。全国市長会の緊急アピ-ルの通り、こうした行為は地方の財政自主権を根底から侵すものであり、断じて許されるものではありません。

 以下今年度予算の問題点を述べていきます。

 第一は、職員給与の削減・引き下げです

 国家公務員の給与減額に端を発し、本市においても一般職職員の給与について7.8%もの大幅減額への対応が問われています。伊丹市はこれまでも職員給与に関して、「給与構造改革」の名の下に4.8%削減し、さらに地域手当も下げてきました。

 7.8%給与引き下げについて当局は、「今回の地方交付税の削減に伴う給与削減措置については、人事院勧告にもとづく視点とは異なったものであると認識しており、・・・・慎重に検討していきたい」と答弁しています。

 今年度予算において財源対策を措置されている通り、財政基金からの繰り入れによって給与の引き下げを行わないことを強く求めておきます。

 第二は、医療福祉にかかる問題点です。

 特定疾患医療費助成制度について、2015年10月廃止を決定し、今年10月から段階的に上限額を引き下げていくことです。廃止に向けて「新規申請は受け付ける」とか「所得制限、対象疾病の見直しはしない」等の経過措置を設けるとしていますが、難病がゆえに多額の医療費負担に苦しむ市民には冷たい仕打ちとなるものです。

 またこども医療費については、県制度にあわせて今年7月から通院について中学1年から3年まで自己負担の1/3を助成するとしています。子育て支援策拡充への市民からの要望は大きく、さらに通院についても所得制限をなくし中学校卒業まで無料にすることを求めておきます。

 第三に市民特別賃貸住宅における若年世帯等家賃補助にかかる問題であります。

 若年世帯等への家賃補助を開始した翌年から基準を逸脱していたことについて、市は「誰が指示したのか書類も残っていないのでわからない」としていますが、管理上あまりにもずさんであります。また当局が「家賃支援要綱」に問題があると認識したのが、2011年1月会計検査院による検査を受けた時であり、市長自身同年10月に知りえたと答弁しています。問題があるとわかった時点で、議会に説明がなかったこと、また要綱を見直しなど即座に対応してこなかったことなど市長の責任は重大です。

 次に修正案について意見を述べます。修正案は要綱の第3条=支援の用件にある政令月額下限153,000円、上限322,000円以外の世帯についてすべて支援対象からはずす内容となっています。しかしもともと今回の要綱からの逸脱について市民には何の責任もありません。加えて特に下限額以下の世帯を支援対象から除外することは生活に即著しい影響を与えることになりかねません。したがって日本共産党議員団は修正案には賛成できません。

 第四に、同和問題であります。

 市の同和・啓発の問題点は、その出発点として「いまだに差別意識が根深い」という認識にあることです。「差別意識が根深い」ことを強調することは、旧関係住民の気持ちも逆なですることになります。堀池、中曽根、緑の各市営住宅の地域を限定した入居条件はただちに撤廃し、同和行政・同和教育の終結宣言を行うことを強く求めておきます。

 第五に、生活保護の引き下げについてであります。

 安倍内閣のもと生活保護費のうち生活費に当たる生活扶助を3年間で段階的に引き下げられます。その結果96%の世帯が引き下げられ、世帯類型ごとに現在と2015年度以降とを比較すると、都市部に住む70代以上の夫婦で5.3%、40代夫婦と小中学生の子ども2人の場合(都市部に住む)で9.0%それぞれ減額となります。なかでも子どもの数の多い世帯が一番の打撃を受けることになります。貧困に陥った人の「生きる権利」侵害する重大な内容です。また生活保護の相談者に対して、「まず就労」を優先させることや、扶養能力のある親族が受給者の扶養を拒否する場合の親族の説明責任の強化など、本来、法律上申請要件に入っていないものを持ち出し、生活保護を受けにくくすることは大きな問題です。伊丹市の予算には生活保護費削減が反映しており、憲法第25条にうたう生存権をおびやかす内容を認めることはできません。文字通り憲法を市政に活かす立場から、国に対して生活保護費削減撤回を強く求めるべきであります。

 第六に、昆虫館職員の人件費削減についてであります。

 公園緑化協会の解散にともない伊丹市所有となった昆虫館は、4月から伊丹市文化振興財団による管理運営が行われることになります。その中で昆虫館に働く職員は公園緑化協会から文化振興財団に身分を移すことによって、職務内容はまったく変わらないのに給与が減額することを当局は認めました。

 指定管理者制度のもとに給与削減を押し付けるのではなく、伊丹市は従前の給与を保障するために、昆虫館に対する運営委託料を増やすべきです。

 第七に、学習到達度調査についてです。

 市教育委員会は今年度(平成25年度)全国学力・学習到達度調査と市学習到達度調査を4月に小学校6年と3年生を対象に悉皆調査を行うとしています。党議員団は以前から指摘しているように、全国一斉学力テストは子どもたちと教育に対するいっそうの競争と管理を強め、教育の格差づくりを進めるものです。同時に、子どもの学力実態を客観的に明らかにする調査も必要な場合があり、その際には調査目的を限定して、無作為による最小限の抽出で行い、数年に1回行うことでも、その後の学力保障に向けた具体的な施策に反映できるものです。以上の理由から、全員参加による学力調査は必要なく中止を求めるものです。

 国の経済対策を受けた補正予算、元気交付金を活用しての、学校園施設の改修・耐震化や市営住宅・プ-ルの改修など暮らしに密着した公共事業の推進については評価するものの、先に述べたとおり、多くの問題点を含んだ予算内容になっており反対するものです。

 次に議案第48号「伊丹市職員退職手当支給条例の一部を改正する条例等の一部を改正する条例の制定について」反対の立場から意見を述べます。

 本議案は、官民の支給水準の均衡をはかるため、一般職職員の退職手当制度上もうけている「調整率」を段階的に引き下げ、併せて、退職理由および勤続年数にかかわらずすべての退職者に適用し、退職手当の支給水準の引き下げを実施しようとするものです。

 市職員への具体的影響については、勤続35年以上の定年退職者で、退職時給料月額が40万円の場合、2015年度(平成27年度)に退職する場合、現行より9.69月分、387万6千円の減額になるとしています。

 今回の退職手当支給水準の引き下げは、2015年度(平成27年度)から共済年金と厚生年金が統合されるにあたり、制度的な格差解消を目的とし、国家公務員の退職手当を大幅に引き下げたことに端を発しています。しかも国が「要請」という形で地方に押し付けてきていることも問題であります。

 同時に市職員や地域に与える影響です。

 第一は、退職手当は、長期の勤続に対するものであり、退職後の生活保障の性格を持つものであります。

 また退職近い職員は既に現行水準による退職手当を見込んだ生活設計を行っており、退職手当の大幅減額は職員の家計や生涯設計に大きな影響を与えるものです。

 第二に、今回のような大幅な引き下げは、将来も急激な変化が突然起こりかねないとの不安を与え、中堅・若手職員の士気にも影響をもたらすものです。

 第三に、退職手当削減を通じて人件費を減らすことが民間の退職金引き下げにもつながり、「官民での労働条件悪化の悪循環にさらに拍車をかけるものです。

 以上のような問題点があり、よって議案第48号には反対するものです。
 議員各位のご賛同をお願いし討論とします。

2013年3月議会:上原ひでき 若年世帯等家賃補助に係る問題、教育長の答弁についいて

2013年3月6日

日本共産党議員団 上原秀樹

①伊丹市市民特別賃貸住宅における若年世帯等家賃補助に係る問題について

 市民7人が2月28日、伊丹市市民特別賃貸住宅にかかる若年世帯等家賃補助に関して住民監査請求を提出、 2001年から2010年に2億7300万円が違法に交付された疑いがあるとしている問題について。

②木下教育長の2012年12月議会での一般質問に対する答弁について

 教育長は、12月議会において、「子供たちに日本人が長年培ってきたよき伝統や規範意識を身につけさせてやりたい」 として、自己中心的な考えが生まれる背景には、「戦後、戦争につながったと考える規範や日本古来の伝統で占領政策に そぐわないものはすべて排除をされ、かわって平和主義、自由主義、個人主義を国の方針にしたことに一つの原因がある のではないかと思っています」と答弁されたことについて。

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1.伊丹市市民特別賃貸住宅における若年世帯等家賃補助に係る問題について

 新聞報道によりますと、市民7人が2月28 日、伊丹市市民特別賃貸住宅にかかる若年世帯等家賃補助に関して住民監査請求を提出、2001年から2010年に2億7300万円が違法に交付された疑いがあるとしています。この家賃補助制度は、35歳以下の夫婦や小学校卒業までの子どものいる世帯が対象で、政令月収15万3000円から26万8000円の世帯に対し4万円前後の家賃を補助しており、入居後は32万2000円まで認めているもので、市は対象外の住民に2002年度以降家賃補助をしていたことを認めておられます。

 補助金に関しては、地方自治法第232条の2において「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる」とされ、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第3条では、「補助金等に係る予算の執行に当たっては、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、・・・公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない」とされ、これらに基づき、伊丹市補助金等の交付に関する規則第4 条で、「市長は,補助金等の交付申請があつたときは,当該申請にかかる書類等の審査および必要に応じて行なう現地調査等により,当該補助金等が法令等の定めに違反しないか,・・・等を調査し,必要と認めたものについて予算の範囲内で補助金等の交付および交付する額を定めるものとする」とされています。

 そこでお伺いします。

1)新聞報道で、「市の要綱には特別規定があり、支援を続けたことは問題ない」「要綱の拡大解釈をした運用をしていた」「手続きに不透明な部分があり、要綱の見直しを進めている」と、答えている問題について

 昨日の答弁もそうですが、ここには、要綱と補助金の支出の間には問題があるとの認識はありません。しかし、先ほど紹介した地方自治法以下の法律、規則によれば、明らかに違反しているとしか考えられません。昨日の答弁では、「支援を続けたことは問題ない」とされた理由は、「要綱」の目的における政策目標の実現等にあるとのことです。それでは「要綱」で定められている所得制限はどうなったのかという疑問が出てきます。

 そこで、改めて法律、規則、「要綱」に照らして、その認識を伺いたいと思いますが、それは、「支援を続けたことは問題ない」とされてきた市長の責任の問題です。「伊丹市市民特別賃貸住宅にかかる若年世帯等家賃支援要綱」では、家賃の支援を受けようとする世帯は、申請書を市長に提出、市長はその内容を審査の上、可否の決定をすることになっています。伊丹市補助金等の交付に関する規則第4 条の引用を先ほど示しましたが、市長は規則「要綱」に基づき、「可」とする決定をされてきたわけですが、市長就任以来8年間、その規則に照らしたとき、問題点を認識されてきたのかどうか。認識されたとき、どんな議論がなされて今日まで至ったのでしょうか。

 さらに、「要綱の見直しを進めている」との答弁からすれば、市長は、「不透明」を自覚し、見直しの必要性を認めながら見直しをしなかったということになります。それはなぜでしょうか。あわせてお伺いします。

2)監査委員における行政監査のあり方について

 地方自治法第199条の第2項で、「監査委員は、…必要があると認めるときは、普通公共団体の事務の執行について監査することができる」と、行政監査について規定され、同条第7項では、伊丹市が補助金等財政的援助を与えている伊丹市都市整備公社などに対しても、監査することができるとされています。さらに、全国都市監査委員会発行の補助金における行政監査の着眼点では、「事務の執行は、法令等に従って適正に行われているか」などを基本として行うことが書かれています。

 そこでお伺いします。通常の監査委員による行政監査において、この問題に見られるような補助金に係る監査で、要綱に基づく適正な事務の執行がなされているのか、また社会経済情勢の変化に応じた補助金の見直しの必要性の如何等にまで踏み込んだ監査を行うことは可能でしょうか。

3)今後の市民特別賃貸住宅あり方について

 貧困と格差が広がるもとで、若年層に低所得者が増えています。問題となっている市民特別賃貸住宅にかかる家賃支援において、対象外とされた123世帯のうち、下限月収以下の世帯が106世帯で、その約86%、支援を受けている世帯全世帯からすれば約40%、前入居世帯の32%に及んでいます。もともと市民特別賃貸住宅は、中間所得者層を対象としたものですが、実態は低所得者が対象となっているのが現状です。

 今後の「要綱」の見直しに関しては、低所得者に対しては、昨日の答弁で収入基準の下限を定めない改定をするとのことです。

 一方、公営住宅法では、「住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸」することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としています。従って、現行の市民特別賃貸住宅を、一定の割合、公営住宅法に基づく市営住宅として借り上げする方策を考える必要があるのではないかと思いますが、見解を伺います。

2.木下教育長の2012年12月議会での一般質問に対する答弁について

 教育長は、12月議会において、「子供たちに日本人が長年培ってきたよき伝統や規範意識を身につけさせてやりたい」として、自己中心的な考えが生まれる背景には、「戦後、戦争につながったと考える規範や日本古来の伝統で占領政策にそぐわないものはすべて排除をされ、かわって平和主義、自由主義、個人主義を国の方針にしたことに一つの原因があるのではないかと思っています」と答弁されました。

 この答弁に関してよく理解できない点があることから、以下お聞きいたします。

1)「戦争につながったと考える規範や日本古来の伝統で占領政策にそぐわないものはすべて排除をされ」という点について

○戦争につながったと考えられる規範は何をさしているのでしょうか。

○日本古来の伝統とは、縄文時代もあれば平安時代、鎌倉時代から江戸時代の封建制といわれる時代に生まれた文化、明治から戦争終了までの時代、その時々に生まれた伝統があるでしょう。ここで言われるに日本古来の伝統とは何をさしているのでしょうか。

○それら、占領政策にそぐわないものはすべて排除されたことが、規範意識の問題、自己中心的な考えになったとされたのは、どういう考え方からでしょうか。

2)「平和主義、自由主義、個人主義を国の方針にしたことに一つの原因があるのではないかと思っています」という点について

○戦後の出発は、新しい憲法を制定するところから始まりました。その憲法には、政府の行為によって再び再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重などが明記されました。そしてこの憲法に基づき、教育基本法が定められ、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」とされたところでです。これが教育長の言われる「平和主義、自由主義、個人主義を国の方針にしたこと」の中身です。このことが今の若者を自己中心的にしたという原因にはなりません。どのような認識からこのような発言が生まれるのでしょうか。

3)戦後教育がめざしたものはなんだったのか。

 憲法が制定され、それに基づく教育基本法の前文は、「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する」とされ、第1条の目的へと続いています。

 教育長の12月議会での答弁は、この教育基本法自体が間違いの出発点であったとの認識にあるのではないでしょうか。その認識には大いに疑問があります。教育長は、そもそもこの教育基本法において戦後教育がめざしたものは何であったと認識されてい

るのでしょうか。見解を伺います。

(2回目の発言メモ)

1.伊丹市市民特別賃貸住宅における若年世帯等家賃補助に係る問題について

○もともとこの制度自体に問題があるわけではない。若年層、子育て世帯を支援することは、党議員団としても以前から求めてきたこと。問題は「要綱」。さきほどの質問で、「要綱」に基づく申請から市長の支援の可否決定に至る流れの中で、市長はどのように認識されていたのか、について質問した。答弁では、市長就任以来の8年間のうち、一昨年までわからなかったと。

 しかし申請書には必要書類が添付されており、その内容を審査の上可否を判断し、さらに書面で申請者と都市整備公社に通知するとなっている。したがって、支援する要件に合致しているかどうかはわかることになる。

 しかしそこでは、すでに所得要件は緩和されているわけで、「要綱」が改正されずに所得要件が緩和されるということは、「要綱」の第14条「この要綱の施行に関し必要な事項は市長が別に定める」という項目が存在することになる。しかしそれがない。ということならば、毎年度市長が判断しているということになるのではないか。

2.教育長の12月議会での答弁に対して

答弁におけるキーワードに絞って再度質問します。

① 戦前の教育から戦後教育への転換、すなわち1947年の教育基本本制定によって何が変わったのか。そのひとつが、教育の目的を、戦前の天皇制国家に役に立つ人材から、人格の完成を教育の目的としたこと。すなわち国家のための教育から一人ひとりの人間的成長のための教育へと、教育の根本を変えたことにあります。

 なお、当時の法案作成過程で「個人ばかり尊重すると社会のことを考える人間が育たないのではないか」という問題が論争になったそうです。その中で、「個人をむなしくして公につくす」という戦前的な考え方、すなわち全体主義的な考えではなく、近代的な個人を確立してこそ、社会の一員として積極的な役割を果たす人間になるという個人主義的な考え方が採用されています。実はこのこと自体が公共の精神という意味なのです。

 教育長は、全体主義より個人主義を極端に重視する傾向から公共の精神がなおざりにされたとの認識をお持ちのようです。それでは、公共の精神とは何でしょうか。それは、2006年の教育基本法改正の時、当時の文科省の国会答弁に見ることができます。すなわち、「人間は、教育において、個人の尊厳が重んじられ、自己の確立を図ることを通じて他者の尊厳をも重んじる態度をはぐくむとともに、他者とのかかわりによってつくられる社会を尊重し、さらには、主体的にその形成に参加する公共の精神を養うことへと発展するもの」とされています。このことは旧教育基本法の内容と共通しています。すなわち、本来の意味での公共の精神は、もともと旧教育基本法で明確にしていました。しかし、わざわざ新教育基本法にこの公共の精神を明記した本来の意図は、「国を愛する態度」や徳目を明記したこともあわせて、国策に従う人間をつくるということにあると私は考えます。

 このことはさておきましても、 以上のことから、教育長の「全体主義より個人主義を極端に重視する傾向から公共の精神がなおざりにされた」との認識を、公共の精神とは何なのかを考える中で、改める必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。

② 日本古来の伝統に関して教育長の見解が述べられました。「伝統」といっても地域や時代によって違いがあります。そこには時代の固有性や他文化からの影響などが含まれています。それらが複雑に絡み合って今の私たちのものの感じ方や考え方を形成していますから、伝統のどこに共感するかは人によって違います。安易に固定の伝統観を押し付けることはできません。

 教育長は、これら「公共の精神」と「伝統文化」を、「不易流行」の「不易」として次代に継承・発展させるための教育を充実させる、といわれます。

 「公共の精神」と「伝統文化」に関しては、いずれも人間の生き方や物の見方・考え方に関することです。従って、これらは、事実に基づいた科学的な学習、自由な雰囲気の中での話し合いなど、各教科指導や生活指導の中で培われるものと考えます。いくら立派な徳目を教えるにしても、具体的な行動からかけ離れて教えられれば、教え込まれるだけで自主的な判断ができなくなります。

以上に対する見解を伺います。