日本共産党伊丹市議員団ニュース臨時号 憲法踏みにじる「緊急事態基本法」意見書提出請願

2012年6月28日
発行:日本共産党伊丹市会議員団

日本共産党伊丹市会議員団ニュース臨時号はこちら(PDFファイル)

伊丹市6月議会
憲法の国民主権、基本的人権踏みにじる「緊急事態基本法」制定求める意見書提出請願

日本共産党以外の会派と一部無所属議員の賛成で可決、本会議に意見書上程

 6月25日開催の二つの常任委員会で、3本の請願が審議されました。

 日本共産党市会議員団紹介の「県立こども病院のポートアイランド移設に関する意見書」は僅差で可決されましたが、「消費税増税反対に反対する意見書の提出を求める請願」は、わが党委員以外の委員は反対理由を一言も述べることなく、否決しました。

 他党会派及び一部無所属議員の紹介による「緊急事態基本法早期制定請願」は、わが党委員の道理を尽くした質問にまともに答えることができない中で、わが党委員以外の賛成多数で可決されました。なお、これにより上程された二つの意見書が本会議で採決されますが、「県立こども病院」意見書の可否の状況は微妙です。

「東日本大震災」「福島原発事故」を口実にすることは許せない

 日本共産党 かしば優美議員の請願質疑により、次のことが明らかになりました。

①「緊急事態基本法」を制定しなくても、現存する法律(災害対策基本法、大規模地震対策特別措置法、原子力災害対策特別措置法等)で今後の大規模災害への対応は可能なこと。

②「緊急事態」として中国漁船尖閣事件を例証しているが、尖閣列島は日本の領土であり、その領海内での外国漁船の不法行為については、海上保安庁が取り締まることで対応できること。

③「原発事故への初動対応の遅れ」を指摘しているが、これは現行の法律・制度が本来予定していた組織・機能が準備不足などにより適切に働かなかったこと。

④今回制定を求めている「緊急事態基本法」は、2004年5月に自民・民主・公明党3党により合意した骨子案と同じであること。そしてその内容には、憲法で保障された国民の基本的人権を制限する内容が含まれていること。

「緊急事態基本法」とは

 大震災や外国からの侵略行為(尖閣問題やロシア閣僚の千島訪問も含まれる)があった場合、内閣に「超法規的権限」を付与し、国民の基本的人権を制限したり、「前衛部隊(自衛隊・警察・消防)」等に私有物の撤去、土地の収用等の行動の自由を付与するという内容で、2004年5月に自・公・民3党が談合し上程を準備しましたが、国民の強い反対にあい提出出来ていません

委員会傍聴者の談話

 賛成討論の中で、ある議員は「決断できない首相の背中を押す法律が必要」と述べました。歴代の首相の顔を思い出して下さい。これらの首相に、憲法が保障している人権を制約出来る権限を与えたらどのような事態が生じるか、想像して下さい。もの言えない戦前の暗黒社会に逆戻りです。29日(金)の本会議を多くの市民が傍聴頂くことを念願します。

本会議傍聴で、市民の安心と憲法を守る立場に伊丹市議会を立たせましょう。

市議会本会議の審議(6 月29日[金]AM10 時から)を傍聴しましょう!

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県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書提出についての請願

請願者 兵庫県保険医協会 理事長 池内春樹氏 外一名
紹介議員 上原秀樹 (日本共産党)          

請願の要点

 兵庫県は、県立こども病院の老朽化に伴う建替えは現地で可能との結論を翻し、ポートアイランド内に同一機能を持つ神戸市中央病院の隣接地に並べて建設する計画を突如持ち出した。

 今回の東日本大震災でも明らかなように沿岸地に拠点病院を建設することは防災上避けるべきであり、伊丹市としてもこの移転計画中止の意見書を提出頂きたい。

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「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書提出に関する請願

請願者 伊丹市南鈴原二-一三二 隅田敏生氏  
紹介議員 加藤光博(新政会) 山内寛(公明党)  
川上八郎(伊丹市民連合)      
 新内竜一郎(躍進会)杉一(蒼翠会) 
相崎佐和子(無所属)         

請願の要点
 今回の東日本大震災や原発事故において、国の取り組みには甘さを感じる。更に言えばわが国の憲法は平時を想定した文面になっており、外部からの武力攻撃、テロや大規模自然災害を想定した「非常事態条項」が明記されていない。そこで2004年に自・公・民三党で合意した「緊急事態基本法」を早急に制定するよう要望する意見書を提出頂きたい。