2012年12月議会:上原ひでき 高すぎる伊丹市国民健康保険税

2012年12月議会 一般質問

日本共産党伊丹市会議員団 上原秀樹

「2.中学校給食、公立幼稚園の今後のあり方」はこちら

「3.国の地方財政に対する認識について」はこちら

1. 高すぎる伊丹市国民健康保険税に対する認識を問う

 国民健康保険会計については、市長から国民健康保険事業の健全化対策について諮問がされ、国民健康保険運営協議会で審議がされています。その資料によりますと、伊丹市の国保会計は、2011年度決算で約4億円の赤字で、前年度対比で約6億3,600万円改善。2012年度決算見込みでは、3億1,100万円の赤字となる見通しです。その主な理由は、一般会計から2年間で別途繰り入れを行ったことによるもので、累積赤字を一定解消することができたものです。2011年度に一般医療分の国保税の引き上げを行いましたが、一般会計からの繰り入れ増に関しては、党議員団として評価をしてきました。

 ところが、今後の国保会計の見通しを試算したとき、一定の財政健全化策を講じたとしても、2017年度(平成29年度)には、一般医療分と後期高齢分の合計で約60億円の赤字となる見通しが出されました。これを、2012年度末の累積赤字を解消し、今後5年間、毎年単年度収支を解消する税改定を行えば、5年間の増税額合計で53億3,500万円、最終年度の2017年度の国保税は平均して現在の1.5倍にもなります。国保税は現在でも負担の限度額を超えており、こんな値上げなどとんでもありません。

 伊丹市の国保加入者の実態は、平均所得は約90万円、所得なし層が全体の23.6%を占め、所得200万円未満の層が73.3%を占めています。その所得200万円の3人世帯の場合の国保税が、現在でも年額約35万円です。1.5倍となると52万5,000円、所得の4分の1以上が国保税に消えてしまい、生活保護基準以下の可処分所得しか残りません。

 伊丹市の国保加入者の73.3%が所得200万円以下、それらの世帯を中心に、国保税が伊丹市民の貧困を拡大していると言えます。もちろんこの実態は、伊丹市だけのものではなく、全国的なものです。国民健康保険法第1条では、その目的を「社会保障および国民保健の向上に寄与する」と定めていますが、国はその本来の目的を放棄しています。もともと国保加入者は、伊丹市の実態の通り、所得なし世帯、低所得世帯が中心で、公的医療保険のセイフティネットとしての役割を担い、1961年から続く皆保険制度を下支えしているものです。したがって当然のことながら国庫負担がそれなりに投入されなければ維持することはできません。しかし、国庫負担は1980年代から減らされ続け、国保総収入に占める国庫支出金の割合は、50%から25%を割る状況になりました。このことが国保税を引き上げ、自治体負担を増やす結果となったものです。

 したがって、国保加入者のいのちと生活を守り、社会保障としての役割を果たすことができるように、国に対する国庫支出金の増額を求めるとともに、伊丹市として何ができるのか、考えてみる必要があります。

そこで、次の点を市長にお伺いします。

1) 現在の伊丹市の国保税が、被保険者に耐えがたい負担を強いることで「国保が貧困を拡大する」実態に対して、どのような認識を持っておられるのでしょうか。

2) 今後5年間の収支見通しから、毎年単年度赤字を解消するために値上げを行い、5年後には国保税が現在の1.5倍になるという試算に対して、どうお考えなのでしょうか。

3) 今後の国による国庫支出金の引き上げの見通しはあるのか、また、一般会計からの繰り入れについては、今まで、収入未済額の2分の1の繰り入れを4分の3に、あるいは全額に引き上げることや、国保財政安定化支援事業の中に組み入れている条例に基づく一般減免の金額を別立てとすること、同時に条例減免の制度を充実すること、また土地開発公社に対して措置したような決算剰余金の一定割合を繰り入れる仕組みをつくることなどを提案してきましたが、一般会計からの繰り入れに対してどうお考えなのかお伺いします。

伊丹市会報告2012年秋季号 中学校完全給食の実現に全力

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伊丹市会報告2012年秋季号はこちら(画像PDFファイル13.7MB)

 【1面】

中学校完全給食の実現に全力 日本共産党議員団

 日本共産党伊丹市議員団は、以前から中学校完全給食の実施を強く求めてきました。周辺他都市でも実施されており、芦屋市でも本格的検討に入っています。

 今議会では他会派も実施を要求し、市長と市当局がはじめて「検討を開始する」と答弁、従来の「実施しない」立場から微妙に変化しました。

教育と子育ての支援を要求

認可保育所増設で待機児童解消を

 10月1日現在、緊急を要する保育所待機児童は149人(前年同月比53人増)。昨年の年度末には250人を超えるとともに、各保育所では定員を超え、すし詰め状態です。党議員団の要求と市民の声に、来年度は新設保育所を含めて115人の定員増となりますが、安心して預けることができるよう、更なる増設を求めました。

子どもの医療費は中学3年まで無料に

 中学生の通院・入院は小学生低学年と比べて大幅に少なく、中学生の医療費無料化はわずかの予算措置で実現できます。さらに、所得制限はやめ、すべての子どもの医療費を無料にするよう求めています。

いじめ解決のためにゆとりを持てる学校運営を

 学校でのいじめが全国的な話題になっています。

 伊丹では3年前に中学生の暴行死事件が発生し、学校でのいじめや暴力への取り組みが強化されてきました。今年度実施のアンケートでは、「いじめが継続している」と回答した生徒数は小中あわせて771人ありました。

 教育委員会はスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを配置して対応を強化しています。しかし根本的には教員がゆとりを持って子どもと接することができる体制が必要であり、少人数学級の拡充と教員の増員を求めました。

早期に「発達支援センター」の整備を

 市内の障がい児施設は、設置場所が分散していることに加え、つつじ学園などが老朽化し、以前から施設の建替え・集約化が課題となっています。市は「来年3月までには場所や集約のあり方、事業費などを示し、2015年度には発達支援センターを建設する」としていますが、未だなんの説明もありません。重ねて早期の整備を強く求めました。

2012_10_report_ski_2【2面】

日本共産党伊丹市議団

 高すぎる国保税引き下げを 特養ホームの増設を

国保税 高くて払いたくても払えない

 国保加入世帯の約73%が所得200万円以下。所得200万円3人世帯の国保税は約32万円で、とても払いきれません。一般会計からの繰り入れ増額を今後も維持し、高すぎる国保税を引き下げることを求めました。

介護施設 いつまで待てば入所できる?

6月現在で特別養護老人ホームの待機者は178名。現在も小規模特養設置への新規事業者の応募はなく、介護保険計画を達成しても待機者はなくなりません。党議員団は、国に補助金の拡充を求め、介護施設増設を急げと要求しました。

後期高齢者保険料 市独自の減免制度を要求

今年度から後期高齢者保険料が6%引き上げられ、平均で年間7万5千円となり、年金支給額が減少する中、「高くて払えない」と悲鳴が上がっています。党議員団は、市独自の保険料減免制度の創設を強く要求しました。

「(仮称)農を活かしたまちづくり基本条例」の制定を

 都市農業振興計画で条例化が明記されました。都市における農地は、安全な旬の農産物の提供、災害時の避難場所、遊水機能など多面的な役割があります。農業者市民と議論する場を設置し、条例化を急げと求めました。

消費税大増税が市立伊丹病院の経営を圧迫

市立伊丹病院は3年連続黒字となり、医師の増員や地域医療の充実にも力を入れています。

 民・自・公三党による消費税大増税は、医薬品、医療器具などの価格を引き上げ、医療費に消費税がかからないため病院経営をおびやかします。

 病院が消費税負担しなくてよい制度に改善が求められています。

経常収支比率が高いことは問題なのか

 経常収支比率とは、財政構造の弾力性を表すもので、伊丹市は99.8%と、「硬直化」しています。しかし、暮らしを守る施策を行うほど比率は高くなるもので、比率が高いこと自体が問題ではありません。他会派議員が、改善のために公共料金値上げや市バス敬老パス有料化などを主張することはくらし破壊につながるだけです。市艮の暮らしを守る財源を確保するため、国に地方財源の増額を強く求めることが急務です。

2012年9月議会:かしば優美 障がい者制度改革、サ-ビス付き高齢者住宅制度

2012年9月21日
日本共産党議員団 かしば優美

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、日本共産党議員団を代表して通告どおり質問します。

 はじめに、障がい者制度改革のゆくえと障がい児通園施設に関して4点うかがいます。

 第1に、「改正」自立支援法と児童福祉法の改正により、きぼう園、つつじ学園、カルミア園に対する影響についてですが、自立支援法廃止が決まって以降、障害者制度改革についての議論がすすめられてきました。障害児支援の分野の施策は、当面2012年4月から施行された「改正」自立支援法とこれにともなう児童福祉法の改正によって大きく変えられます。

 この点については6月議会本会議で次のような答弁がありました。それは「児童福祉法の一部改正にともない県からの権限移譲により、きぼう園、つつじ学園の入園判定や施設利用の受給者証の発行等については市でおこなうことになり、相談から支援に至るまで一連の手続きについて身近な市において行われることとなり、手続きの簡素化がはかられました。また、通所施設の一元化もはかられ、児童ディサ-ビス事業所カルミア園は児童発達支援事業所に、つつじ学園、きぼう園につきましては、それぞれ福祉型、医療型の児童発達センタ-に移行しました。」との内容です。

 その中で市内の肢体不自由児通園施設・きぼう園、幼児通園施設・つつじ学園、カルミア園も大きな影響を受けるとしています。「福祉型」と「医療型」との区分けにより職員配置を大きな変えなければならないこと。さらにサ-ビス利用者は今回の「改定」により利用者負担が増加するとお聞きしました。

 「改正」自立支援法とこれにともなう児童福祉法の改正により、利用者や市内の障害児施設がどのような影響を受けるのか、それに対する対応と課題について当局にうかがいます。

 第2に、障がい児通所施設にかかる給付費激変緩和措置の動向についてです。

 今年6月議会一般会計補正予算として障害児通所施設給付費激変緩和補
助金13,608千円が計上されました。この激変緩和補助金というのは2006年から措置されてきました。それまで障害児通所施設に対する給付費が月額制であったものが児童の施設登所率によって変更する日額制になり、その結果減少する給付費の90%を補助してきたものです。この額は12年度きぼう園で12,220千円、つつじ学園で1,108千円となっています。

 ところが6月議会の質疑の中で、来年度からこの激変緩和補助金が廃止される動きであることが明らかにされました。きぼう園の場合はこの激変緩和補助金が事業・管理費全体の22.6%(2011年度決算)も占めており、仮に廃止ともなれば園の運営に重大な支障をきたします。現時点での国・県の動向について、また仮に廃止された場合には市単独でも給付費を助成する必要があると考えますが、当局の見解をうかがっておきます。

 第3に、つつじ学園の施設改善について

 つつじ学園はおおむね3歳から6歳の発達に遅れのある幼児が、家庭から学園バスで通園し、親子関係の安定や対人関係の基礎を育み、自立に必要な基本的生活習慣を身につけ、集団生活を通じて言語の獲得、コミュニケ-ションや遊びに対する意欲を育むよう発達を支援する施設です。ところがご承知のように相当古い建物であり、生徒に対して十分な対応ができる環境にはないと感じざるをえません。以下課題・問題点と思われる4点について当局の見解を求めておきます。

①現在32名の通園児童が、10月から4名増えて36人になると聞いています。緊急対応としてプレハブ室を増設されていますが、今後の対応について。

②プレハブの中にボ-ルプ-ルをおいていますが、夏はエアコンが設置されていてもまったくきかない状態であり、児童には酷な状態・環境であることについて。

③もともとの言語指導室を保育室に振り替えたために、しっかりと言語指導できる部屋がないことについて。

④建物全体は築47年経過(1965年に建設)し、雨漏りがひどい状態だとききました。早急に改修が必要であることについて。

第4に、(仮称)発達支援センタ-の整備についてであります。

 この点についても先の6月議会で質問があり、これに対して「当該施設の整備につきましては、公共施設再配置計画案をべ-スに、つつじ学園、きぼう園、カルミア園、たんぽぽ、保健センタ-の個々の施設のはたすべき機能とその集約化の可能性に関する検討のほか、設置場所、必要面積、概算事業費の算定などについて、現在関係部局の実務者レベルの協議を行っているところ」と答弁されています。今回のように児童福祉法の改正により、「保育所等訪問支援」が新設されるなど障害児施策が多岐にわたることになります。こうしたことを踏まえた検討を強く求めるものです。改めて(仮称)発達支援センタ-の検討内容・進捗状況をうかがっておきます。

 次にサ-ビス付き高齢者住宅制度についての質問です。

 昨年10月からスタ-トした、「サ-ビス付き高齢者向け住宅」制度は、従来の高齢者専用賃貸住宅などの高齢者向け賃貸住宅を廃止、一本化して新たに制度化したものです。

 一戸あたり面積25m2以上、バリアフリ-など一定の設備基準を満たし、さらに生活支援・安否確認などのサ-ビス要件を備えた施設の新設・改修工事費にたいし一戸あたり100万円を上限に補助金がでます。

 一方要介護や健康の不安を抱える高齢者が入居する施設や住宅の整備はきわめて貧弱です。65歳以上の高齢者の80%が持ち家居住ですが、健康状態が衰えたときに必要な質を備えている住宅はかぎられていることから、高齢者が安心して住める住宅の整備が急がれます。

 伊丹市の第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、「民間サ-ビス等の活用による豊かな住環境の整備の提供」と題して、「サ-ビス付き高齢者向け住宅を提供する民間事業者等と連携しながら、住み慣れた地域で高齢者が住み続けられるよう、入居者の見守りに努めるなど高齢者の安全・安心の確保に努めます」としています。

 本市では8月末現在、このサ-ビス付き高齢者向け住宅を県に登録しているのは6事業所で株式会社3、医療法人2、社会福祉法人1となっています。このうち登録申請しているが、まだ開設していない所もあると聞いています。

 最大の問題点は、新制度では低所得の高齢者の入居が困難だということです。新制度の費用負担は家賃6万円、サ-ビス費2万円、食費4万円、それに介護保険の自己負担分がプラスされると想定していることから、月額20万円ぐらいの所得がある高齢者しか入居できないということです。

 事実伊丹市の東部地域で3年前から開設している居室数50室の「高齢者向け住宅」の費用は、入居金40万円、家賃82,000円、食費37,800円、管理費25,200円合わせて月額145,000円となっています。加えて訪問介護による在宅サ-ビスや医師による在宅診療を受ければさらに別途料金が必要となりやはり20万円/月近くかかるようです。

 整備に当たっては①在宅生活を継続できるだけの十分な医療・介護の供給と小規模で同居人と顔なじみになれるような施設、②買い物、交通、防災の確保のほかにできるだけ、家族や友人などと交流できる生活条件を満たすこと、③サ-ビス付き高齢者向け住宅は介護保険施設ではないため、特定入所者介護(予防)サ-ビス費のような利用料の軽減が適用されません。費用負担も低額所得者が利用できるように、家賃補助制度と組み合わせるなど低額なものの供給が必要であります。この3点についての見解をうかがい、一回目の質問とします。

2回目質問

1、障がい児通園施設

○民主党政権の公約やぶりは国民の怒りを沸騰させていますが、この障害者施策も同様です。「障害者自立支援法」を「障害者総合支援法」に名称を改めたものの、サ-ビス利用に1割負担を残す、問題となっている「日額制」はそのままというひどい内容であります。

○今回の一連の「改正」の中で、現行の障害児通所施設・事業は、医療の提供の有無により「児童発達支援」または「医療型児童発達支援」のどちらかに移行・選択をするとなっています。答弁では現在「医療型児童発達支援センタ-」であるきぼう園を「福祉型児童発達支援センタ-」へ移行することを検討しているとありました。きぼう園は児童福祉法にもとづく「肢体不自由児通園施設」ですが、医療法による診療所を併設しており、「病院」というリハビリテ-ション機能を兼ね備え、診療所・保育・機能訓練・給食のサ-ビスを提供しています。このきぼう園が「福祉型」に移行すれば、医療法にもとづく診療所がどうなるか、必要な医療・リハビリなどの提供に重大な支障をきた療育サ-ビスの低下を懸念するものですが、こうした課題についての明確な答えがありませんでした。再度答弁を求めます。

○発達支援センタ-については残念ながら従前と同様の答弁でした。しかし今年度も折り返しを過ぎようとしている段階になっているのに、いまだに施設のはたすべき機能とその集約化について、設置場所、必要面積、概算事業費の算定などが議会に説明できないというのは、つつじ学園の老朽化への早急な対応など考えても遅れ過ぎであります。改めて公共施設再配置計画の突然の変更が発達支援センタ-整備に重大な支障をきたしていると指摘せざるをえません。 いずれにしても極力早く整備方針案をまとめていただくよう要望しておきます。

2、サ-ビス付き高齢者住宅制度について

 この問題について1回目の質問で「最大の問題点は、新制度では低所得の高齢者の入居が困難だということです。」と述べました。これまで私のような年代の市民の方からはたとえば「親がGHなどに入所しているが、親の年金が少なく毎月5万円とか10万円近く支払わなければならない」等の相談をしばしば受けます。

 日常的にケアが必要な1 人住まいの高齢者や高齢者のみの世帯が急増している中、特養ホ-ムなどは待機者が多くて入居できない。そういった中で株式会社などもサ-ビス付き高齢者住宅制度にのっかって参入してきていますが、冒頭にも述べたように一定の利益も上げなければならない背景の中で入居費用も異常に高くなっていると思います。

 「現在のところ考えていない」とおっしゃった高齢者世帯を対象とした家賃補助制度については今後検討していただきたいと思います。そこで要望・提案なのですが、現在市内に2カ所に整備されている軽費老人ホ-ムいわゆるケアハウスは比較的低料金で利用できる施設となっています。私が訪問したケアハウスの利用料は入居者の収入に応じて9万円~15万円というものでした。今後こうした比較的低料金の施設を一定整備する必要があるのではと考えますが見解をうかがっておきます。

2012年9月議会代表質問:ひさ村真知子 介護保険施設の充実について

2012年9月19日
日本共産党伊丹市会議員団  ひさ村真知子

2012年9月議会 代表質問

  1. 「税と社会保障の一体改革」は市民生活に何をもたらすのか
  2. 原発再稼動に関しての市長の見解を。
  3. 介護保険施設の充実について(このページ)
  4. 子どもの権利を保障し守るために
  5. 男女共同参画計画の推進のために
  6. 子ども・子育て新システムについて

3、介護保険施設の充実について

①介護現場のヘルパーの労働条件について

 2012年4月の「改正」介護保険法、改定介護報酬の実施から4ヶ月あまりがたちました。今回の制度見直しは生活援助の時間短縮や新たな利用制限、基本報酬の引き下げ、たん吸引など介護職員による医療行為の「容認」など利用者にとっても、事業所とそこで働く職員にとっても、重大な影響をもたらすものが明らかになっています。

 はじめに、介護現場のヘルパーの労働条件についてですが、多くの人の命を預かるヘルパー職場の定着率が少ないと問題にもなっています。その理由としてヘルパーの報酬が安心して生活できる報酬とはなっていないという問題があります。現場で働いている人からお聞きしましたが、手取り12万円ほど、夜勤を数日していても、手取りは17万円と聞いています。このような賃金では家族が安定した生活ができません。

 人手が多くいる職場であり訪問介護なども利用者からは大変ヘルパーさんは必要とされています。せっかくなれた人が変わってしまうと利用者は大変不安に思うわけです。安心して介護を受けるためには、ヘルパーが十分足りているのか、が問われます。

 そのためにはヘルパーの労働条件が適正であることが求められます。

 まず賃金に関してですが、職員の処遇改善のための、護職員処遇改善交付金制度がありましたが、現場ではどのように職員待遇は改善されたのでしょうか、賃金アップにつながったのか状況はどうでしょうか御伺い致します。またこの制度が今年の3月で廃止され、介護報酬に組み入れられています。2012年介護報酬改定率は1,2%の引き上げとされているが、交付金を介護報酬に換算すると2%強に相当するため、差し引き0,8を超える引き下げ、実質的にはマイナス改定となりました。子のような報酬改定は介護労働者の賃上げにつながるのか。現場にどのような影響となっているのかも御伺い致します。

 広島県では、介護労働者の職場の問題点の把握をアンケートなどを行い、改善などの方向を出されているが、兵庫県また、伊丹市としてはどのようにして把握されるのか。働きやすい職場にするために、介護現場の状況を把握することが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか御伺い致します。

②点目は、施設入所待機者解消は、第5期介護保険計画で実行できるのかについてです。

 高齢者の方やその家族は、介護施設の充実、在宅介護の充実はどうなのかと大きな関心を持っています。介護保険計画第4期の報告では、伊丹市の高齢化率は全国比より低い割合ですがでは、今後は高齢者割合が上昇傾向となっています。介護認定数は、計画より実績が上回っていますので、施設利用者は今後も増えるでしょう。しかしまずは現状の待機者の解消が必要です。

 お聞きいたします。第5期の介護保険計画で待機者の解消は実行はできるのでしょうか。お答え願います。

③「改正」介護保険ですが、生活援助が大きく後退し、十分な介護が受けられなくなっています。

 生活援助が見直され、これまでの時間区分を大きく短縮しています。「30分以上60分未満」「60分以上」が「20分以上45分未満」「45以上」に再編され、洗濯16,7分。掃除、27分となっており各家の実態には合っていないものです。このことから風呂の掃除を減らす、時間不足で洗濯ができない。などが起こっていますが、これでは安心して介護は受けられません。

 一人くらしの高齢者が頼るのはヘルパーです。皆さんヘルパーさんが来るのを嬉しそうに話してくださいますが、改正されてからは、風呂の掃除を途中から自分がして肩が痛くなったといわれていました。体調が悪い方ですのでもし転倒でもされたらと大変心配です。制度の改善が必要です。現場では安心して生活援助が受けられなければ、高齢者の生活はひとりではできなくなってしまいます。、安心して受けられるようにすることが必要です。どのようにお考えでしょうか御伺い致します。

④・痰の吸引をするなどが介護職の業務で「容認」されましたが、今後の入所受け入れの見通しはどうでしょうか。事業所では、どのような対応がされているのでしょうか

日本共産党伊丹市議団ニュース(第264号)を発行しました

日本共産党の個人質問は21日(金)です。傍聴お願いします。

日本共産党伊丹市議団ニュース(第264号)はこちら(画像PDFファイル)

上原議員の質問 10時40分から

1、活力ある地域産業の進行と創出について

(1) 地域内経済循環に視点を置いた産業活性化策について(質問の全文はこちら)

① 専門的、学術的な産業関連分析が必要である、

② 産業界や個々の事業者の方、市民の方々の声を聞きながら具体的な検討を進めていく、と答弁されているが、この二つの点でどのように進められてきたのか伺う。

(2) 伊丹市産業振興ビジョンについて(質問の全文はこちら)

① 事業所訪問による支援活動の推進…具体的にどんな調査で、今後の施策にどう反映させるのか、また市職員も調査に参加すべきと考えるが見解を問う。

② 計画の検証と推進管理の体制…産業振興ビジョン策定委員会、中小企業対策委員会等で行うべきと考えるが見解を問う。

(3) 伊丹市都市農業振興計画における、(仮称)農を活かしたまちづくり基本条例の策定について(質問の全文はこちら)

① 都市農業振興計画に条例化を明記してありながら、2012年3月議会、予算審査特別委員会で「そう簡単にはいかない」と答弁された件について。

② 今後の条例制定に至るスケジュールについて。

2、伊丹市立伊丹高等掌校普通科の通学区域のあり方について(質問の全文はこちら)

伊丹市学校教育審議会の9月12日答申「伊丹市立伊丹高等学校普通科の通学区域のあり方について」に対して、教育委員がこの答申をどう受け止めておられるのかという視点で、見解を問う。

① 市立伊丹高校普通科の学区を現在のままにした場合、生徒にとって学校選択がどう複雑になると考えるのか。

② 伊丹の生徒が市立伊丹高校普通科に行きにくくなることと、県の選抜制度に合致させることに関して。

③ 「伊丹市内の生徒の入学する割合が減少することはない」との意見がありながら、なぜ学区を拡大するのか。

かしば議員質問 午後1時40分から(質問の全文はこちら)

1、障がい者制度改革のゆくえと障がい児通園施設について

(1) 「改正」自立支援法と児童福祉法の一部改正により、つつじ学園、きぼう学園、カルミア園はどのような影響を受けるのか。

(2) 障がい児通所施設にかかる給付費激変緩和措置の動向について

-来年度から激変緩和補助金が廃止されるといわれているが。

(3) つつじ学園の施設改善について

-老朽化に加え通園児童数の増加により、保育室や言語指導室の確保に支障をきたしているのでは?

(4) (仮称)発達支援センターの整備について進捗状況については先の6月議会でも答弁がありましたが、新たに施設の一元化や新しい支援も加わる中で、施設集約の可能性や設置場所などについてどの程度まで検討されているのか。

2、サービス付き高齢者向け住宅について

 この制度は昨年10月にスタート。伊丹市の第5期「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」では、民間サービス等の活用によって市内に整備を進めるとしています。

 しかし最大の問題は低所得者高齢者の入居が困難だということ。

2012年9月議会:上原議員 虐待防止に係る体制が強化について

議案第94号 平成24年度伊丹市一般会計補正予算(第2号)

 障害福祉総務費における補正で、「障害者虐待防止センター」の設置が行われます。補正予算はわずか59万7千円です。これは、今年10月1日に「障害者虐待防止法」が施行されることに伴うものですが、「センター」設置によってどのように虐待防止に係る体制が強化されるのか質疑を行います。

2012年9月11日
日本共産党議員団 上原ひでき

1.議案第94号 平成24年度伊丹市一般会計補正予算(第2号)

 お伺いするのは、本補正予算の歳出のうち、第3款民生費、第2項障害福祉費、第1目障害福祉総務費において、「障害者虐待防止センター」を障害福祉課内に設置し、虐待の未然防止や早期発見、迅速な対応、その後の適切な対応を行うため、支援体制の整備や地域における関係機関等との協力体制の強化を図るとして、59万7千円を措置しようとされていることについてであります。
 これは、今年10月1日より、「障害者虐待防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律」が施行されることに伴うものであります。

 この法律により、「市町村は、障害者の福祉に関する事務を所管する部局または市町村が設置する施設において、当該部局または施設が市町村障害者虐待防止センターとしての機能を果たすようにするものとする」とされ、このことで伊丹市は、障害者虐待防止センターを設置し、虐待の通報や届出を受理し、相談、指導および助言を行うこととともに、啓発活動を行うことになります。
 今回の補正予算提案における説明で、「センター」設置による事業概要は、①連携協力体制整備事業②家庭訪問等個別支援事業③専門性強化事業④普及啓発事業、とされています。この件についていくつかお聞きをします。

1)今回の法律施行により、本格的に障害者虐待防止等の事業を行うこととなります。

 しかし、いままでも障害者への虐待に対する相談等の対応はされてきていると思われます。例年虐待の通報や相談等は何件くらいあり、それに対する対応をどのように行ってこられたのか。そして今回のセンター設置で、どのように抜本的に対応が強化されるのか、お伺します。

(答弁)

 虐待の相談件数は、虐待の定義が明確でなく、正確な統計は存在しないが、年に3回程度が相当する。

 虐待への対応の強化として、①働く障害者に対する使用者による虐待も対象になる、②市民の通報の努力義務、通報先を明確化、③市町村に障害者虐待防止センターを設置、④し画虐待を受けているもののところへの立ち入りや調査ができるように立ったこと、虐待を事前に防止するための取り組みなど。

2)今回の補正予算内容は、主に(仮称)「障害者虐待防止連絡会」の設置に伴う委員報酬、啓発のためのパンフレット作成と市民向けセミナーに対する財政措置となっています。しかし、事業概要にある家庭訪問等個別支援事業等を行ううえでは、専門的知識を有する職員の確保とそのための財源も必要となると考えるものですが、今回は措置されていません。

 いままでの体制で十分なのか、今後の専門職員の確保等体制の強化をどう考えるのでしょうか。

 また、養護者による虐待を受けた場合、必要な居室を確保するとされていますが、今後どうされようとされているのでしょうか。あわせて、これらに対する国の財源的支援はどうなるのかお伺します。

(答弁)

 専門職員の確保については、現在、社会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士などのケースワーカーを配置している。今回のセンター設置でどの程度相談件数が増加するのか不明であるため、現職員体制で臨むことにする。
居室の確保は、市内の短期入所事業所に理解を求め、協力してもらう体制を整える。

 国の財政的措置は、家庭訪問等個別支援事業等は1/2、普及啓発事業は定額補助で上限50万円。3)障害者虐待防止法では、養護者、障害者福祉施設従事者、使用者に対する規定と、学校、保育所等、医療機関に対する規定が異なり、これらの施設での虐待について自治体への通報や救済の対象とせず、研修や虐待に対する相談体制の整備にとどまっています。

 しかし、医療機関等での虐待がかつて問題となったこともあり、法的な権限がないということで、対応しないということはできません。通報を受けた場合の伊丹市の対応がどうなるのか、お伺いします。

答弁

 学校、保育所等、医療機関においては、障害者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚して、早期発見に努めるとされている。そこでの障害者虐待に対する権限行使は、それぞれに対応した法律等によって対応される。

2回目の発言メモ

1.一般会計補正予算…障害者虐待防止センター

○あらたな法律に基づく「センター」はどういく役割を果たしていくのか、そのためにどんな体制をつくるのか。

・3月議会の答弁「障害者虐待防止センター機能を十分に果たすためには、速やかな対応ができる体制づくりと支援を適切に行えるよう専門的に従事する職員の確保が必要であり、そのための財源も必要となってまいります。今後、国庫補助の活用を基本とした補正予算対応も念頭に置きまして、障害者虐待防止センターの体制整備を進めてまいりたいと考えております。」

・速やかな対応ができる体制づくりとは

虐待防止法第4条・・・地方公共団体に「虐待を受けた障害者の迅速かつ適切な保護」や「必要な体制の整備」を求めています。

第35条・・・市町村へ「養護者による障害者虐待に【いつでも迅速に対応する】ことができるよう、特に配慮しなければならない」と定めています。

 こうした法の規定からは、厳密に24時間365日の対応までは求められないとしても、できる限り「いつでも迅速に対応する」ことができる体制を整えることが求められます。仮に平日の勤務時間のみ対応する虐待防止センターとなった場合は、違法とまではいえませんが、非常に不適切であるといえます。

・支援を適切に行えるよう専門的に従事する職員の確保とは

 

2012年7月:上原ひでき 社会福祉協議会予算、特定疾患医療費助成廃止、生活習慣病予防事業

2012年7月6日
日本共産党伊丹市会議員団 上原 秀樹

文教福祉常任委員協議会の報告

 7月5日に開催された文教福祉常任委員協議会は、①社会福祉協議会・社会福祉事業団の予算、②特定疾患医療費助成制度を廃止することについて、③伊丹市とフィットネス事業者との連携による生活習慣病予防事業について、の3点について協議を行いました。

①社会福祉協議会・社会福祉事業団の予算

 社会福祉協議会については、歳末たすけあい募金の有効配分の実施に関する問題、アイ愛センターの災害時における対応について、伊丹市福祉権利擁護センターについて。

 社会福祉事業団については、今年度の介護報酬の改定の影響などについてただしました。

②特定疾患医療費助成制度を廃止することについて

 国の難病対策は、56疾患に限定、県は3疾患を上乗せして医療費助成をしている。伊丹市は、県の3疾患を含めて16疾患を上乗せし、難病患者に対して独自に医療費助成(入・通院費を月額上限3万9千円助成)を行ってきている。当局は、この助成制度は福祉の観点から意義ある制度であるとしながらも、16疾患以外の疾患患者との整合性がなく、公平性に欠けること、国が定める認定基準や専門的知識を有するものからなる審査機関がなく、設置することも困難であること、このことから財政負担を考慮して積極的に周知をしてこなかったことなどから、経過措置をとって廃止するとの報告。

③伊丹市とフィットネス事業者との連携による生活習慣病予防事業について

 当局の説明資料→伊丹市とフィットネス事業者との連携による生活習慣病予防事業について

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以下①②の詳報

1.社会福祉協議会・社会福祉事業団の予算について

【社会福祉協議会予算】

○歳末たすけあい募金の有効配分の実施に関して、昨年から「見舞金」を廃止して、申請方式による年末年始の地域福祉事業に配分することにしたが、地域組織に対する連絡が遅く、約1ヶ月間しか申請期間に猶予がなかった。このことから、早く組織に知らせるとともに、予算を話し合う段階から周知すべきではないかと質した。答弁では、今年は約2ヶ月の猶予を考えていること、募集する段階から地域に有効に配分されることを周知することで、地域の募金活動にも有意義となると考えるとのこと。

○障がい者デイサービスセンターのあるアイ愛センターの災害時における対応について、昨年の予算で福祉避難所としての設備を設置するとしていたが、どうされたのかと質したところ、予算がつかず整備されなかったとの答弁。福祉避難所自体が足らなくて、増やすことも求められている。せめて避難所に指定しているところは、きちんと整備することを強く要望した。また、デイサービスに通所している人たちの災害時対応として、職員の対応は当然のこととして、自宅にいる場合、地域や関係機関との連携を日常的にとっておく必要性についても強調した。

○「伊丹市福祉権利擁護センター」が8つの福祉法人と共同で設立がされ、社会福祉協議会が事務局を担当している。地域福祉を担当する社協が事務局を担当することから、高齢者の虐待や施設利用者の権利擁護等あらゆる権利擁護を受け持つのか、との質問に、この「権利擁護センター」は「市民後見人」制度を扱う協議の権利擁護としたとの答弁。「センター」として各地域で「何でも相談会」を行うとされているが、日常的なあらゆる権利擁護の相談に関しては、「センター」として扱わないとのこと。社会福祉協議会が事務局を担当する「センター」として適切なのか疑問が残るところ。もちろん、あらゆる権利用語に対応するためには、それなりのスタッフが必要で、現状のままでは対応できないというのが実情のようだ。

【社会福祉事業団】

○今年度の介護報酬改定は1.2%となったが、介護職員の処遇改善交付金を廃止し、介護報酬に組み込んだことから、実質的にはマイナス改定。このことがどう影響するのか質したところ、始まったところで具体的な影響は不明、積極的に事業展開(サービス拡大)することで、介護報酬をプラスにするという予算を組んだとの答弁。今回の改定で生活援助が縮小されている問題を挙げ、このことでサービスを低下させないこと、総合的な事業所として全体でカバーできるようにすることを要望。

○予算の「基本方針」の中で、組織体制の整備・強化について、組織活性化に向けた人事給与制度の見直しに着手するとしているが、その具体的内容について質問。答弁では具体的には決まっていないこと、これから考えをまとめるとのこと、給与を引き下げるという単純な考えではないとのこと。

2.特定疾患医療費助成事業について

○国の難病対策は、56疾患に限定、県は3疾患を上乗せして医療費助成をしている。伊丹市は、県の3疾患を含めて16疾患を上乗せし、難病患者に対して独自に医療費助成(入・通院費を月額上限3万9千円助成)を行ってきている。当局は、この助成制度は福祉の観点から意義ある制度であるとしながらも、16疾患以外の疾患患者との整合性がなく、公平性に欠けること、国が定める認定基準や専門的知識を有するものからなる審査機関がなく、設置することも困難であること、このことから財政負担を考慮して積極的に周知をしてこなかったことなどから、経過措置をとって廃止するとの報告。

○検討委員会でも、伊丹市の助成制度のうち76%を占めるリウマチ患者に関して、生物学的製剤の投与で費用は高額だが後遺症もなく非常によい状態に進んでいること、助成制度の廃止で治療を止めなければならなくなることが予測される、との意見が出されているとおり、助成制度を受けてきた患者にとっては死活問題。特に助成されている所得階層が200万以下とする人が67%を占めていることから、廃止は問題ありと指摘。答弁では、3年間の経過措置があり、その間に医療機関と相談していただくと。しかし、相談しても安価の生物学的製剤の投与はできる展望はない。

○不公正というなら、都道府県間でも独自の上乗せに違いがある(兵庫県では3疾患、東京都は22疾患)。本来は5千から7千あるとされるすべての難病患者が安心して医療を受けることができるようにするため、国の制度を拡充することが大事。伊丹市だけが独自助成を行ってきた経過から、兵庫県と国に対して制度拡充を強く求めることを要求(特に国が、「社会保障と税の一体改革」で、難病対策の充実を議論しながら、消費税増税だけ決めて、医療費助成は何も決めていないことを批判して)。答弁では、いままでも行ってきたが、これからも国に対しては制度充実を要望していくと。

○改めて、今回の特定疾患医療費助成制度廃止は納得いかない、と強調した。

2012年6月議会本会議:上原ひでき 県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書案 賛成討論

意見書案第3号に対して賛成、意見書案第4号に対して反対の立場からの討論

2012年6月29日
日本共産党議員団 上原 秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました意見書案のうち、意見書案第3号「県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書」(案)に対して賛成、意見書案第4号「「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書」(案)に対して反対の立場からの意見を述べます。

 はじめに意見書案第3号についてです。本意見書案は、兵庫県が、神戸市須磨区にある県立こども病院を、神戸市中央区のポートアイランドに移転しようとしていることに対して、その計画を中止することを求めています。

 この移転計画に対して、多くの県民・医師・患者から、「なぜ、阪神・淡路大震災の時にアクセスが途絶え、液状化をおこした人口島に移すのか」「東日本大震災での大津波の教訓はどうなっているのか」という疑問の声が上がっています。

 県立こども病院移転する問題点の第1は、県当局は医師等関係者の声を聞かないまま移転先を決定したことです。パブリックコメントを行った基本構想には当該地への移転計画はでていません。また、移転先を決めた総合事業等審査会には医師は一人も入っていません。このような経過から、神戸市医師会や兵庫県医師会などは、明確にポートアイランドへの移転には反対と意見表明されています。

 第2は、医師会が反対の理由とされている移転候補地の災害リスクの問題です。ポートアイランドは、東南海・南海地震と津波により甚大な被害をこうむる危険があり、県が行った災害シミュレーションではポートアイランドは孤立するとされています。同様の機能を持つ病院であれば、分散配置するのがリスク管理の基本であります。また、ポートアイランドには先端医療センターを中心に、高度専門病院群、医療研究施設があり、災害時のバイオハザードの危険もあります。

 県立こども病院は、1970年に小児総合病院として開設されて以降、新施設を次々と開設し、いまや地域医療になくてはならない役割を果たしており、阪神北広域こども急病センターからも、08年から11年の4年間に、24人の子どもが3次救急として後送されています。このこども病院を、あえて災害リスクにさらすことは許されません。本館が築40年を越えることから老朽化対策が求められていますが、設計専門家による調査で、現地建て替えが可能であることが判明しているところでもあります。

 よって、本意見書案が、兵庫県に対し、移転計画を中止し、改めて医師等専門家の意見を聞き、計画の再考を求めていることは妥当であり、賛成とするものであります。

(意見書案第4号「「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書」(案)に対して反対の討論はこちら)

日本共産党伊丹市議団ニュース(第257号)を発行しました

庶民増税、福祉医療助成制度改悪、介護保険料・後期高齢者医療保険値上げ ストップ!

日本共産党伊丹市議団ニュース(第257号)はこちら(画像PDFファイル)

伊丹市議会3月予算議会

  • 一般会計への反対討論 上原ひでき議員
  • 特別会計への反対討論 かしば優美議員

2012年3月議会 かしば優美:介護保険会計への反対討論

議案第31号「平成24年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」、議案第60号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」に対する討論

2012年3月27日
日本共産党伊丹市会議員団 かしば優美議員

 第60号「伊丹市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」と関連する議案第31号「平成24年度伊丹市介護保険事業特別会計予算」についてであります。

 今回条例の一部改正として、第5期介護保険料の基準額を月額4,200円から4,400円に引き上げるとともに、保険料段階区分を10区分から12区分に見直すものとなっています。この改定により年金収入300万円の人には、月額で5500円、年間で66,000円の保険料がかかってきています。

 今回の介護保険料引き上げは、年金が引き下げされる中、現状でも高い国民健康保険税に加えて、来年度から後期高齢者保険料も値上げとなるもとでの実施となり、高齢者に大きな不安を与えるものとなります。

 さて今回当局は、第5期介護保険料設定にあたり介護給付等準備基金1,145,000千円の5割570,000千円を取り崩して基準保険料を月額4,400円に抑えたとしていますが、なぜ5割=半分だけの取り崩しなのか根拠がありません。委員会でも質疑しましたが、第4期介護保険事業計画策定にあたり、当時存在した介護給付費等準備基金861,000千円については、第4期介護保険料の上昇を抑えるために262,000千円、残り約6億円は第5期の保険料の上昇抑制のために積み立てておくとの計画でした。ところが第4期では取り崩しを予定していた262,000千円はその必要がまったくなかったこと、しかも逆に第4期・2009年から2011年までの3年間で新たに284,000千円準備基金を積み増ししたのです。このことは、第4期介護事業の中でさまざまな理由があったにしろ、徴収した介護保険料に見合う介護サ-ビスが提供できていないことを示しています。

 この介護給付費等準備基金すなわち「剰余金」は第一号被保険者の保険料にほかなりません。よって少なくとも、第5期の保険料を抑えると約束していた約6億円と第4期中に取り崩しの必要がなかった260,000千円合わせて約8億6千万円の介護給付費等準備基金については、それを取り崩して保険料上昇を抑制することが被保険者に対する最低の責任だと考えるものです。

 以上の理由により議案第60号と関連する31号に反対とします。