市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウム開催

市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウム開催

 2月9日(土)、JEC日本研修センターで市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウムを開催しました。主催は、日本共産党市議団と伊丹市委員会。日本共産党の金田峰生元県会議員・国会議員団兵庫事務所長(参議院兵庫選挙区予定候補)が、誰もが必要な医療を受けられる権利とそれを保障する国、自治体の責任を強調し、病院統廃合の背景にある国の医療費削減と地域医療構想を批判しました。

 上原ひでき市会議員は、「市立伊丹病院あり方検討委員会報告書」の内容や、伊丹病院と近畿中央病院の統合に向けた市当局の動きを報告しました。

 参加者は90人。「統廃合でベッドを減らし、入院期間を短くして早期に病院を追い出した後、患者をどうするのか」「二つの病院を残すにはどうしたらいいのか」「県の構想はどうなっているのか」など、活発な意見や質問が出されました。

 司会は、ひさ村真知子市会議員、かしば優美市会議員が主催者あいさつを行い、服部好廣市会議員が閉会あいさつで「呼びかけ」を読み上げました。
 二つの病院を守り充実させていくためには、4月の市会議員選挙と7月の参議院選挙で日本共産党が大きくなることです。みなさんのご支援をお願いします。

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市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジウム

よびかけ

 伊丹市長が設置した「市立伊丹病院のあり方検討委員会」(「あり方検討委員会」)が、伊丹市民にとってかけがえのない二つの公的・公立病院の統合再編の方向を、報告書として提出しました。

 これに対して、住民から「身近な総合病院が必要」「南部から総合病院がなくなると気軽に病院に行けない」となど切実な声がだされています。
 一方、「あり方検討委員会」の議論がされる中で「市立伊丹病院と近畿中央病院の存続と充実を求める会」(「病院の存続と充実を求める会」)が結成され、住民アンケートの取り組みが進められており、今後署名の取り組みも行っていく予定です。

 二つの病院が統廃合されて一つになり、ベッドが大幅に削減されると、身近で市民の命を守っている総合病院に気軽にかかることができなくなります。

 こうした公立病院の統廃合は兵庫県下全域で行われていますが、進めているのは安倍自公政権と兵庫県政です。

 今日皆さんからいただいたご意見をしっかり当局に届け、病院の統合再編を許さず、市民のいのちと二つの総合病院をまもるために、日本共産党は全力をあげます。

 今年は統一地方選挙、参議院選挙が連続して行われますが、市民のいのちをまもって奮闘している日本共産が勝利することが二つの病院をまもることにつながると確信しています。

 「病院の存続と充実を求める会」が取り組んでいるアンケートと今後予定される署名とともに、二つの選挙での皆様のご協力をこころからよびかけます。

2019年2月9日

市立伊丹病院と近畿中央病院の統廃合を考えるシンポジュ-ム

                       日本共産党伊丹市議会議員団
                       日本共産党伊丹市委員会

「関西3空港懇談会」における大阪空港の規制緩和に関する申し入れ

2018年12月28日

伊丹市長 藤原保幸 様

「関西3空港懇談会」における大阪空港の規制緩和に関する申し入れ

日本共産党伊丹市議会議員団
団長  加柴 優美

 12月24日に開催された「関西3空港懇談会」において、兵庫県知事や大阪府知事、関西経済団体連合会会長らから、神戸と大阪で国際チャーター便を認めることや午後9時以降の着陸における「弾力的運用」、大阪・神戸の運用見直し等が出されたとの報道がなされた。

 このことを受けて25日、藤原市長は記者会見で、国際便チャーター便の提案を歓迎し、大阪空港で段階的に国際線の規制緩和をする必要があると述べ、午後9時以降の着陸の弾力的運用も周辺市で協議するとされた。

 しかるに、大阪空港に関しては、国が存続の結論を出すに際して、住民は「環境基準達成に向けて不断の努力を続けること」を求め、1990年12月の「存続協定」の中にこの文言が明記されるとともに、これを具現化するため1日の発着回数を370便にすること、午後9時から午前7時までに発着するダイヤを認めないこととともに、大阪空港は国内線の基幹空港とすることなどを盛り込み、その後の機能分担の中で国際線は関西国際空港に一元化することとなった。

 その後YS11型機のジェット化、一定の機材の低騒音機への変更等を経たが、この間の「うるささ指数」を見る限り「環境基準達成に向けた不断の努力」は極めて不十分と言わざるを得ない。

 従って、市長らによる大阪空港における国際チャーター便を含めた国際便の復活や、遅延便の9時以降の着陸の「弾力的運用」は気象条件等による例外を除いて認めるわけにはいかない。

 よって、市長に置かれては、大阪空港への国際便の復活等の規制緩和を主張するのではなく、国に対して存続協定を遵守することを求め、「環境基準達成に向けた不断の努力」を具体的に主張されることを強く求める。

日本共産党伊丹市議団ニュース337号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース337号

2019年1月1日 日本共産党伊丹市議会議員団

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【1面】

市民のくらし・福祉をまもり希望ある年に

 新年あけましておめでとうございます。

 皆様には、お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。日頃より日本共産党に暖かいご支援たまわり、本当にありがとうございます。

 今年は昨年に引き続き、憲法改悪阻止、消費税増税ストップなど各分野の国民運動をいっそう前進させるべき重要な年になります。

 日本共産党議員団はこの間市民要求実現に取り組み、中学校給食の実施、保育所待機児童の解消などさまざまな成果をあげてきました。同時に今年は、市立伊丹病院と近畿中央病院の「統合再編」や「伊丹空港」においては国際線就航などの規制緩和を押し付ける動きが強まることが予想されます。幼稚園3歳児全員入園、年度途中を含む保育所待機児解消、国保税引き下げなど、市民のくらし、環境、福祉、医療を守るために党議員団全力を尽くす決意です。

 さて、統一地方選挙・伊丹市議会議員選挙まで3カ月、参議院選挙まで6カ月となりました。沖縄に続き、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進で、国と地方の両面で憲法が生きる新しい政治の扉を開きましょう。

 7月の参議院選挙、比例選挙では日本共産党、兵庫選挙区では金田峰生へのご支援を心よりお願いします。4月の伊丹市会選挙には現職の4人が立候補を予定し、必勝を期して頑張りぬく決意です。

 本年もどうぞよろしくお願いします。

2019年1月    日本共産党伊丹市議会議員団   かしば 優美
                         上原 ひでき
                         ひさ村真知子
                         服部よしひろ

2019年日本共産党新春のつどい

2019年1月18日(金)18:30開演(開場18:00)
いたみホール 6階中ホール

第1部 文化行事 うた(シャンソン)堀田さちこ
第2部 記念講演 党副委員長・参院議員 山下よしき

ご挨拶 党兵庫県国政事務所長 金田みねお
    党伊丹市議会議員

【2面】

市立伊丹病院と近畿中央病院の統合で市民の命が守れるか?

「あり方検討委員会」答申を1月7日提出

「市立伊丹病院のあり方検討委員会」は、市立伊丹病院の建て替えに伴い、近畿中央病院と統合して500床超規模の阪神北地域の基幹病院を目指すべきという「報告書」案を議論、伊丹市が12月14日、議会に報告しました。

この問題点は、
①「検討委員会」が非公開(のちに議事録はHPで公開)で進められている
②市が予測する将来必要なベッド数約1000床を半分に減らそうとする
③市南部から総合病院がなくなる
④二つの病院が個別に建て替えをしないことが前提になっている
など、市民に知らせないままに統合を前提にして議論を進めてきたことです。

 この背景には、安倍政権が必要な医療費を削減するために全国的規模で進める、
病院統廃合によるベッド数削減政策とそれにそった県の「地域医療構想」があります。

 党議員団は本会議・委員会でこれらの問題点を質してきましたが、引き続き市民にこれらの問題を明らかにするとともに、「市民病院、近畿中央病院を守れ」の市民運動と連帯していきます。

12月定例市議会

12月議会での党議員団の議会質問項目を紹介します

かしば優美議員 

1.小学校の英語教育について
2.地域包括支援センターの現状と今後のあり方

上原ひでき議員 

1.学校における教職員を増やし、異常な長時間労働の是正を
2.市立伊丹病院あり方検討委員会について
3.市営住宅の建て替えを求めてきたことについて

ひさ村真知子議員  

1.朝食抜きの子どもが依然として多いことについて
2.公立幼稚園の応募状況と今後の教育の在り方はどう考えるのか
3.スクールソーシャルワーカーの増員が必要ではないか

服部よしひろ議員

1.ごみ分別、充電式電池とプラスチックごみの回収に関して
2.路上たばこ喫煙規制の強化を求める

「伊丹空港」の運用時間や発着回数の枠を広げる規制緩和を許すな!

 -オリンピック、大阪万博開催などを背景に、3空港懇談会開かれる-

 関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港について、地元自治体や関西財界が役割分担を話し合う「関西3空港懇談会」が昨年末開催されました。今後来年開催のオリンピック、6年後の大阪万博を背景に、関西経済の浮上を図ることを目的に、3空港の活用策が話し合われ、大阪空港の遅延便受け入れなど運用時間や発着回数の枠を広げる規制緩和を視野に入れた議論が行われました。

 現在、大阪空港は国内線に限定、運用時間は午前7時から午後9時まで、発着回数は370便となっています。これは、大阪空港が「市街地空港」であること、1990年12月の「存続協定」に基づく最小限の規制内容です。

 今後開かれる3空港懇談会において大阪空港の環境・安全性をないがしろにする規制緩和を許してはなりません。

中学3年まで35人学級求める請願が採択!

 12月議会には5件の請願が市民から寄せられました。

夜間中学校の財政助成を県に求める請願 <採択>
治安維持法国賠法を国に求める請願 <否決>
消費税10%増税中止 <否決>
当面35人学級の実現を県に求める請願 <採択>
後期高齢者の窓口1割負担継続求める請願 <否決>

 日本共産党議員団は、そのどれもが市民が求めるものであり、紹介議員となり採択のため奮闘しました。特に、「小学校5年生から中学校3年生まで、当面35人学級の実現を県に求める」請願は僅差で採択が実現しました。

 2019年10月からの消費税10%増税中止を求める請願は、昨年反対した「フォーラム伊丹」が「2019年10月からの消費税増税は反対」として賛成。公明党は「増税しなければ社会保障や子育て支援を削らなければならない」など、破綻済みの理由を並べ反対。僅差で採択には至りませんでしたが前進しました。

 治安維持法国賠法請願には新政会(自民党)が「当時は治安維持法は正しかった」と弾圧法を合理化する暴論を展開し、反対しました。

2018年12月議会 服部好廣:反対討論 指定管理でなく直営で

2018年12月議会 反対討論

2018年12月21日
日本共産党伊丹市議団 服部好廣

議案第136号「伊丹市立生涯学習センター及び伊丹市立図書館南分館の指定管理者の指定について」ならびに、議案第141号「伊丹市立図書館神津分館の指定管理者の指定について」
議案第138号「伊丹市緑が丘体育館・緑が丘武道館等の指定管理者の指定について」への反対討論 

 ただいま議長の発言許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して議案第136号「伊丹市立生涯学習センター及び伊丹市立図書館南分館の指定管理者の指定について」ならびに、議案第141号「伊丹市立図書館神津分館の指定管理者の指定について」、議案第138号「伊丹市緑が丘体育館・緑が丘武道館等の指定管理者の指定について」に対し反対の立場から討論を行います。

 議案第136号は、伊丹市立南部学習センター及び伊丹市立図書館南分館の指定管理者に、公益財団法人「いたみ文化・スポーツ財団」を、また、議案第141号は伊丹市立図書館神津分館の指定管理者に、特定非営利活動法人「わくわくステーション神津」を、議案第138号は伊丹市緑が丘体育館・緑が丘武道館等の指定管理者にアシックス・サンアメニティ共同体を指定しようとするものです。

 第136号及び第141号で問題にするのは、図書館南分館を指定管理者に管理させようとする件に関して、です。

 まず、大前提として、今まで日本共産党議員団は、図書館法が憲法、教育基本法、社会教育法の精神に基づいて法制化されたものであり、公立図書館の目的は国民の教育と文化の発展に寄与するものであること、また地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、図書館は学校と並ぶ教育機関と位置付けられ、教育委員会が直接管理運営する、となっていることを主張してまいりました。

 そして、2008年、衆院、参院で社会教育法、図書館法、博物館法を改定する法案が上程された際に、当時の文部科学大臣が、指定期間が短期であるために長期的視野に立った運営というものが図書館の運営には難しい、職員の研修機会の確保や後継者の育成等の機会が難しくなる、やはりなじまない。と発言されています。このことによって、衆議院、参議院の付帯決議でも、人材確保に関して指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮する旨が盛り込まれましたが、この指摘は、指定管理者制度が持つ根本的な欠陥からくるものであり、指定管理者に改善を求めても根本的には達成できるものではありません。

 本、南分館、神津分館に関しましても、5年間という指定期間であることから、おのずと司書等の雇用が短期雇用とならざるを得ず、同法人が地域に根差した運営に頑張っておられることは十分に評価いたしますが、長期的視野に立った図書館運営は困難にならざるを得ません。

 よって、住民の学ぶ権利を保障する公的責任を負う教育委員会に対しまして、南分館、神津分館を直営に戻し、施設管理を行う団体や地域住民との協働を広げ、地域に根差した図書館分館の管理運営をされることを求めまして、議案136号及び議案141号に反対いたします。
なお同時に、図書館条例第19条における「指定管理者に分館の管理を行わせる。」という条文を削除することを求めます。

 次に、議案138号「伊丹市緑が丘体育館・緑が丘武道館等の指定管理者の指定について」です。

 伊丹市体育施設条例第1条「設置及び目的」では、「これらの設置目的は、市民の体育、スポーツ及びレクリエーションの振興と心身の健全な発達を図ることにより、市民福祉の増進に寄与するため、伊丹市立体育館を設置する。」と位置付けられています。そのためには公の施設の管理は公的責任による公平性、専門性、継続性、安定性の確保が必要です。しかし公募することによって、営利を目的とした株式会社の参入に道を開きます。そのことは経営の透明性の確保が難しくなり、5年間という短期間の雇用で不安定雇用を作り出すことになります。よって指定管理に株式会社を指定しようとする本議案には反対です。

 以上、3議案への反対意見を述べました。委員各位のご賛同をお願いいたします。

2018年12月議会 服部好廣:ごみ分別・充電式電池・プラ、たばこ喫煙規制の強化

2018年12月議会 一般質問

2018年12月7日
日本共産党伊丹市議団 服部好廣

 ただいま議長の許可をいただきましたので、私は、日本共産党議員団を代表して質問します。

1.ごみ分別、充電式電池とプラスチックごみの回収に関して質問します。

(1)充電式電池を含む小型家電・水銀使用廃製品の回収ボックスや拠点回収ステーションが少なすぎる点です。

 豊中市伊丹市クリーンランドの3Rセンターでは、不燃物ごみの中に充電式電池等が混入することによる火災が28年度82件に対し29年度162件と急増しています。それによる損失は昨年度の大規模修理だけで1115万7千円にのぼります。

 市は市内7か所の公共施設に小型家電と水銀使用廃製品の2種類の回収ボックスを設けて回収を呼び掛けています。また、市内9か所での拠点回収を行っていますが、市民の利便性から考えて極めて回収箇所が少ないと言わざるを得ません。

 また、拠点回収は曜日と時間が設定されており、よほど意識の高い市民か時間的な余裕のある市民でなければ利用は難しいのではないかと思います。先日、南分室での回収に出会いましたが、クリーンセンター職員が所定の時間待機していても訪れる市民は十数人でした。また、小型家電や水銀使用廃製品の回収ボックスが設置されていることをご存じない市民が多いのではないかとも思います。 

 そういう状況から、結果的には多くの市民は不燃物の中に通常の乾電池も充電式電池も一緒にして廃棄することになるのではないか、と思われます。

 そこで、充電式電池、水銀使用廃製品の回収について、近隣他市はどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

 ところで、水銀は法律によって厳格に取り扱いが規制されています。また、充電式電池の回収とリサイクルは法的に製造物責任、販売者責任により実施されるべきものです。家電量販店、電気店、コンビニ等の店舗での回収を求めるべきではないかと考えますが、これらを含め、抜本的な改善を行う気はあるのかお聞かせください。

(2)プラごみの分別方法、分別はなぜ必要か、についてお聞きします。

 世界全体では年間800万トンを超えるプラスチックごみが陸上から海へ流出していると推計されています。このままでは50年までに世界の海の魚の総重量を上回るプラごみが排出されると警告されています。海に流出し5ミリ以下になったマイクロプラスチックを魚や鳥、動物がのみ込んでいます。人体への影響も危惧されます。

 これに対し世界でさまざまな取り組みが広がり、米国のスターバックス社が20年までに全店舗での使い捨てストロー廃止を発表したことなどが話題を呼びました。

 しかし、日本の対策は立ち遅れています。

 国際社会では、使い捨てプラ製品の製造・販売・流通の禁止に踏み込む流れが強まっています。国連環境計画(UNEP)によると世界の60カ国以上の国や地域で、レジ袋や発泡スチロール製食器などの生産を禁止したり、使用時には課金したりする規制が導入されています。レジ袋の生産、消費、販売などを禁止・規制する国も相次いでいます。

 ところが、日本には世界各地で取り組まれている使い捨てプラスチックの生産を禁止するような規制はありません。プラスチック業界の自主努力任せであり、プラスチックそのものの発生削減が不十分です。

 こうした政府の対応の背景には「拡大生産者責任」の政策の遅れがあります。拡大生産者責任とは、使用後の製品回収や再資源化の費用まで製品コストに組み入れ、生産者の責任で負担させる考え方です。欧州でとられているこうした政策に学び、さらにプラごみ削減を進めるために基準年を明確にした数値目標を明記すべきです。

 今年6月にカナダで開かれたG7サミットで、各国の規制強化をすすめる「海洋プラスチック憲章」に日本が米国とともに署名をしなかったことに、失望の声が広がりました。年限を区切った数値目標を嫌がる産業界にばかり気を配る腰の引けた対応を安倍晋三政権が続けていては、国際社会からも国内でも強い批判を受けることは必至です。従来の姿勢を改め、実効性ある「戦略」を作成すべきです。

 このように、廃プラスチックの回収制度の遅れの責任は政府にありますが、そう言って手をこまねいていることもできません。伊丹市では市民と自治会の協力で廃プラスチックの分別回収を推進していますが、さらなる推進が必要です。可燃ごみに含まれるプラスチック量が増加すると、可燃ごみ焼却熱で発電した電気の売電価格が低下します。環境負荷を下げるためにも可燃ごみ中のプラごみを削減しなければなりません。H28年度に比べ売電量が増加しているにもかかわらず売電収入が約9400万円も低下したのは、電力事情による売電単価の下落もありますが、プラごみ比率が増加したことでバイオマス比率が低下し、売電価格が低下したことも要因となっており、このことが重要であることがわかります。

 可燃ごみ中のプラごみ削減には食品包装プラスチックの回収率を高めることが必要ですが、それに対する市の対策はどのようなものがありますか。例えば、食品トレーやポリ袋などでリサイクル可能なものについてですが「食品の付着をさっと洗い流す程度でよい」ことがあまり知られていません。これら含め、より回収しやすい方法を周知して可燃物として廃棄されるプラごみの回収を強化すべきと思いますが、いかがですか。

 一部には、3Rセンターの回収・分別経費削減のためにプラごみをすべて燃料にして発電量を高めよ、という議論もあるようですが、地球温暖化防止のためにもプラごみの回収をさらに推進すべきと思います。

 以上のことを踏まえて、
① プラスチックごみによる地球環境汚染を防止するために何をなすべきか
② 容器包装の分別回収の向上のため、市はさらに丁寧な説明をすべきでは
③ 国の回収制度が立ち遅れているもとで、市としてプラごみ削減をどう進めるべきか
について、市の見解を伺います。

2.たばこ喫煙規制の強化を求めることについて質問します。

(1)昨年6月議会で中心市街地に限られている「路上喫煙禁止区域」をそれ以外の鉄道駅周辺まで拡大すべき、特に通学経路と重なる阪急稲野駅周辺道路の喫煙防止区域を設定することを要望しておりますが、その後の検討状況をまずお伺いします。

 阪急稲野駅周辺にはたばこ販売店が東西に各1店舗ありますが、東側店舗は駅に隣接しており塚口方面への乗車客が店舗備え付けの灰皿で喫煙し、駅南側踏切を通学する中高生や保育園児が受動喫煙被害にあっている状況を説明しましたが、確認していただきましたでしょうか。

 近隣住民からの苦情も直接聞いていいますが、市の方にも同様の苦情や要望は寄せられているかお伺いします。

 また、それに対する対策はどのような内容で、その効果は検証されているか伺います。

 阪急新伊丹駅前踏切も多くの小中高校生が通学路としていますが「路上喫煙禁止区域」に指定されていないために同様の被害を被っています。速やかに検討していただきたいと思います。

(2)駅周辺のコンビニ、たばこ販売店に設置されている喫煙所を規制すべき。条例の趣旨に反する開放型の喫煙所は禁止すべき。ということについてです。

 「伊丹市路上等の喫煙及び吸い殻の散乱の防止に関する条例」の第1条は
 「この条例は, 路上等における喫煙による市民等の身体又は財産への被害の防止及び環境美化の推進について必要な事項を定めることにより, 安全で快適な生活環境を確保することを目的とする。」となっており、「市民等の身体または財産への被害防止と環境美化」が目標となっています。

 しかし、「路上喫煙禁止区域」内に特例として設けられているコンビニ等の灰皿は、常時多くの喫煙者が利用しており、せっかくの「禁止区域」指定が形骸化されてしまっているのではありませんか。

 2017年2月11日付産経新聞の記事によると、コンビニ業界は「灰皿は歩行喫煙者が店内にたばこを吸いながら立ち入らないために設置している」と主張しています。そのため近隣住民からの喫煙訴訟に配慮して灰皿を撤去する方向だと述べていいます。コンビニがその動きを持っているときに、行政から撤去の働きかけを行うことにより灰皿の撤去を促進すべきではないかと思いますが、見解を伺います。

(3)期限を切った改正を求める

 2020年にはオリンピック・パラリンピック、2025年には大阪万博の開催が予定されており、すでに多くの海外からの来訪者が訪れている伊丹市において、いまだに通学路や駅周辺でたばこの喫煙が黙認されている状況は大変残念であり、速やかな対応が必要になっていると認識しています。改めて路上喫煙対策の強化を、いつまでに実施するか、期限を切った対策をお聞きしたいとおもいます。

 以上で1回目の質問といたします。

2回目

 2回目は、路上喫煙禁止区域の拡大を求める件に関しての再度の質問と、その他の項目に対する意見要望といたします。

 まず、昨年の質問に対する答弁で「バス乗り入れをしておらず、利用者数がJR、阪急伊丹駅に比べ少ないから路上喫煙禁止区域として設定していない」とし、その後も検討していないとの答弁でした。

 昨年6月の質問で、このような答弁に対し、通学路途上にある喫煙所での大人の行動が子どもにたいしてどう受け止められるかを問いました。教育委員会とも相談して対策を検討するよう要望したわけですけれど、通行人数の多い少ないで判断した結論を検討しようともしていなかったわけで、非常に残念な判断だと感じました。

 そもそも、仮に喫煙者比率が全市的に平均しているならば、利用者が少なくても多くても、受動喫煙の確率に変化はないのではありませんか。受動喫煙の被害者の立場から考えるべきです。

 また、実際に市民から苦情も寄せられており、路上喫煙が市民に損害を与えていることも明白になっているではありませんか。市職員による調査で、店舗向かいの自販機周辺にポイ捨てを確認した。とのことでした。7時半に店舗が開店してすぐに店主は周辺のポイ捨てたばこの掃除をされています。それでもまだポイ捨てが残っていたわけで、喫煙者のマナーが、大変残念な状態であることが想像できます。現実にこれらの状況より通学する小中学高校生が受動喫煙の環境に放置されていることについてどう受け止めているのでしょうか、伺います。

 次に、昨年6月の答弁で伊丹小自治協議会が実施したアンケート結果の紹介がありました。条例制定後の変化があまり芳しくないとの報告でした。今後もアンケートを実施してほしいと要望しておりましたが、今年度は実施したのでしょうか。実施したならその結果と、昨年との変化をお示し下さい。

 東京での取り組み状況と兵庫県の対応を紹介いただきました。東京オリンピックを意識しての対応ではありますが、東京ではすでにかなり強力に受動喫煙対策が進められていることがわかりました。厚労省も子どもに対する受動喫煙防止配慮を強調しています。こういう状況にありながら、「住みよいまち伊丹」「子育てしやすいまち伊丹」を標榜する伊丹市がなぜ受動喫煙に対して積極的対応をされないのか理解に苦しむところです。他がやるまで待っていていいのでしょうか。請願採択に押されてようやく「路上喫煙を規制する条例」を制定した轍を今後も踏んで行ってよいのでしょうか。

 路上喫煙禁止区域の拡大と、コンビニ・店舗の灰皿撤去要請をぜひ期限を切って対応することをご検討いただきますよう、要望いたします。

 次に、充電式電池を含む小型家電および水銀使用廃製品の回収についてですが、近隣他市に比べ伊丹市が努力していることがわかりました。引き続き市民への働きかけを進めていただきますよう要望しておきます。

 同時に、製造物責任に基づく自主回収について関係業界・団体への働きかけを行っているとのことでした。引き続き要請を強化していただくよう要望します。

 プラごみに関する質問に対し、詳細な答弁をいただきました。燃やすごみの中からプラごみを選別して再資源化する大変な仕事を担っている方々に敬意を表します。地球環境保全のために一人一人の努力が求められますが、大本はやはり国の政策としてプラごみ削減施策の推進が求められるところです。引き続きプラごみ削減を推進することを要望します。

3回目は要望を述べます。

 2回目の答弁で条例の文言の引用をされましたが「路上等での喫煙による身体または財産への被害の防止」がタバコの火によるやけどなどの直接被害を想定しているとの認識が示されました。しかし、条例は「たばこによる身体の被害」は副流煙による健康被害も含まれると解釈するのが当然ではないでしょうか。

 健康福祉部とも連携してさらなる対応をお願いします。

 地区社協によるアンケートで喫煙マナーが向上しているとのことでした。市の努力によって市民の意識が向上してきていることは喜ばしいことです。引き続き取り組んでいただきますようお願いして質問を終わります。

2018年6月議会 服部よしひろ:「核兵器禁止条約」批准を求める意見書に賛成討論

請願第8号―「核兵器禁止条約」に署名・批准を求める意見書提出のお願い の賛成討論

2018年6月28日 日本共産党議員団 服部よしひろ

 議長の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、請願第8号に賛成の立場から討論を行います。

 広島・長崎の原爆被爆から72年目の昨年7月、国連で122か国の賛成のもと「核兵器禁止条約」が採択されました。そしてこの核兵器禁止条約に調印した国は今年6月7日ドミニカ共和国を含めて59か国となり、批准した国は10か国となっています。

 世界はいま、核兵器のない世界に向けて歴史の新しいステ-ジに立っています。核兵器を明文上も違法化した核兵器禁止条約が成立し、「核兵器のない世界」への新たな展望が開かれようとしています。

 3月2日に可決した長野県議会の意見書は、禁止条約が核兵器廃絶の担い手として被爆者を明記したことは「核兵器のない世界を求めてきた日本と世界の世論に誠実に応えるものであり、歴史的な前進」だと評価し、「日本が禁止条約に参加しないことに失望や批判の声が広がっている」と述べ、「唯一の戦争被爆国であるわが国には、率先して核兵器禁止条約に参加し、核保有国と非保有国との橋渡しを行うことが求められる」として署名と批准を求めています。
原水爆禁止日本協議会の調べによりますと、核兵器禁止条約が国連で採択された昨年7月7日以降、日本政府に対して禁止条約への署名や批准、参加などを求める地方議会の意見書可決が、今年4月1日現在、239に上っており、全自治体数(47都道府県と1741市区町村)の1割を超えています。

 日本政府はこうした声を真摯に受け止め、唯一の戦争被爆国として地球上の核兵器廃絶に向けて主導的な役割をはたすべきだとの請願主旨はまことに妥当であり、賛成するものです。

 昨年7月7日に国連で採択された「核兵器禁止条約」はどういう特徴を持っているか。

 1つには、この条約は必ずしも実際に存在する核兵器を直ちになくすものではありません。そうではなく、核兵器は残虐兵器であり、残虐兵器である核兵器を非合法化するという点です。

 2つには、核不拡散条約(NPT)条約の欠点である保有国と非保有国の不平等性を改めた、という点です。

 3つには、核兵器に関わる主要な活動、生産・保有・移転・移転の受領・使用と威嚇・支援と勧誘など、ほとんどを明確に非合法化し、同時に核兵器被爆者、被害者への支援が締約国に義務付けられている点です。

 4つには、核兵器保有国が一つも参加しなくても条約が発効するという点です。日本政府は「核兵器保有国も同意できる内容でないと非現実的だ」「コンセンサスが必要だ」と署名も批准も拒否しています。確かにNPT条約は核保有国5か国を含む44か国の批准で発効することになっており、核保有国の同意がなければ発効しませんが、この条約では核保有国に関係なく50か国の批准で発効することになっています。保有国が参加しなくても核兵器禁止が法的に効力を発揮します。

 あえて言うなら、日本政府のいう核兵器保有国も含む合意は、NPT締結で核兵器はかえって増大し、1995年以来のNPT再検討会議での交渉は20年経てもほとんど進展せず、核兵器廃絶は実現できていません。

 日本政府に求められているのは、唯一の「戦争による被爆国」であり、多くの被爆者の苦しみをわが事として受け止めることであり、その思いを国際社会に向けて発信し、世界から核兵器の脅威をなくすために努力することではないでしょうか。そのためにも、世界の核兵器禁止の流れに遅れることなく、速やかに署名・批准すべきと考えます。

 今回、「伊丹市原爆被害者の会」から提出されている請願は、被爆の当事者からの請願であり、当、伊丹市議会として、「私たちの苦しみをほかの人に味あわせたくない」という思いを重く受け止めるべきと願っています。

 重ねて、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、請願への賛成討論といたします。

以上

杉一議員の反対討論要旨

1、 政府が進める核軍縮、核不拡散の立場が一貫している。その実現のために保有国・非保有国の実践的に取り組みを進めていることに賛同している。

2、 保有国が参加していない、非保有国だけで進めることは対立をより深めることになるのでは、との意味で両者の協力を重視する政府の立場から考えても合致しない。対立増進の効果になる

3、 日本政府は、CTBTにおいて調整国、共同議長国を務めてリードしている。核分裂物質禁止専門家パネル21か国の一つに選ばれた。G7広島宣言でイニシアティブ発揮し、日本政府は先頭を切ってリードしている。

4、 被爆地、ヒバクシャをかかえる唯一の国であり、ヒバクシャの声に耳を傾け努力を続けなければならない。その中での政府の立場は重要。現実的、実質的な不拡散の努力を進めている政府の決断に賛同する。

談話 

歴史的な米朝首脳会談を心から歓迎する

朝鮮半島の非核化と平和体制の構築へ合意の実行を

一、6月12日、シンガポールで米国のドナルド・トランプ大統領と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正恩国務委員長による米朝首脳会談が歴史上初めて行われ、両首脳は共同合意文に署名した。

 「合意文」は、米朝両国がこれまでの敵対的関係ではなく、「平和と繁栄のための両国民の要望に基づき、新しい米朝関係を構築する」こと、「朝鮮半島における持続的で安定した平和体制を構築する」こと、「朝鮮半島の完全な非核化のために努力すること」など4ツの項目からなっている。

 日本原水協はこれまで一貫して、平和的手段による問題解決を主張し、また、朝鮮半島の非核化は、北東アジア地域の平和体制の構築を一体的・包括的に進めるべきことを提起してきた。両者が、こうした点に立って、「両国間の数十年におよぶ緊張と敵対関係を越え、新しい未来を開く」ことを決意し、「共同合意文の項目を完全に、そして迅速に履行することを約束」していることを心から歓迎する。

 我々は、両国が、速やかに「合意」を具体化し、誠実に履行することを強く求める。

一、今回の歴史的な首脳会談を通じて、対話による問題の平和的解決こそが、真に問題の解決に通じる手段であることが改めて示された。「話し合いは時間の無駄」、「最大限の圧力を」という、日本政府の力ずくの対応の危険性と破たんは明らかである。

 政府は、「日朝平壌宣言」などこれまでの合意に基づき、朝鮮半島の平和と非核化、日朝関係の正常化のために誠実に努力するとともに、唯一の被爆国として、アジアのこの地域でも核兵器のない世界の流れを強めるよう力を尽くすべきである。

一、4月の南北首脳会談と今回の米朝首脳会談によって開始された、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和体制の構築、平和のプロセスを実らせるためには、関係各国と国際社会の協調、なによりも核兵器のない世界を求める世界諸国民の世論と運動が重要である。日本原水協は唯一の被爆国の運動として、目前にせまった原水爆禁止2018年世界大会の成功をはじめ、世論と運動の前進に全力を尽くすものである。

2018年6月13日   原水爆禁止日本協議会事務局長 安井正和

学校施設における安全点検に関する申し入れ

2018年6月19日

伊丹市長    藤原 保幸   様
伊丹市教育長  木下  誠   様

学校施設における安全点検に関する申し入れ

日本共産党伊丹市議会議員団
団長  加柴 優美
議員  上原 秀樹
議員  久村真知子
議員  服部 好廣

 6月18日、大阪北部地震によって、小学校4年生の女児(9歳)が倒れてきた高槻市立寿栄小学校の壁に巻き込まれて死亡する事件が発生しました。倒壊したのは、同小学校のプールの周囲を囲む高さ3.5メートルの壁のうち、ブロック8段で組まれた上段部分で、40メートルにわたり道路側に倒れたものです。

 党議員団として、児童の保護者、ご家族に対して心からお悔やみ申し上げるとともに、伊丹市においても、このような事故が起きないよう万全を尽くさなければならないと考えます。

 文部科学省は、校舎の外壁や照明器具などの「非構造部材」の耐震点検や対策の実施について調査を進めており、2016年4月の資料では高槻市は「耐震点検」の実施率が100%でした。他方で、文部科学省の担当者は、「今回のようなブロック塀は調査の対象外」としてしますが、「小学校施設整備指針」(文科省、2016年3月)では、今回のような壁を「地震時の安全性を確保するよう設計する」としています。

 党議員団として、伊丹市及び伊丹市教育委員会に対し、伊丹市内の学校園においてこのような痛ましい出来事が起こらないように、改めてすべての施設を総点検することを強く求めます。

2018年6月議会 服部好廣:幼稚園保育所統廃合、障がい者施策

2018年6月議会 服部好廣:一般質問

2018年6月14日 日本共産党議員団 服部好廣

 議長の発言許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して質問します。

1.公立幼稚園・保育所再配置計画(就学前施設再配置計画)「説明会」での議論から

初めに

 5月11日から開催されてきた伊丹市による「就学前施設の再編にかかる説明会」いわゆる(市立幼稚園・保育所統廃合に関する協議の場)が一巡しました。当初の時間設定が夕刻であり、当事者の幼稚園児・保育園児の保護者の皆さんにとって最も参加しにくい時間帯が設定された結果、多くの会場で参加者が少なく、また保育所保護者のほとんどが参加できないという事態となり、改めて2回目が設定されました。この間、いわゆる「説明会」参加者の一人としてまた、皆さんから出された意見と質問に対する市当局の対応・答弁も含めていくつか質問をしたいと思います。

(1) 付帯決議をどうとらえているか

 1月議会で市長提案の就学前施設統廃合計画は否決されました。市長の再議権発動による硬直状態を打開するために8項目の「付帯決議」を担保して原案を一部修正のうえ全会一致で可決しましたが、市長はこの「付帯決議」の重みを3月議会冒頭の所信表明で端的に述べられました。5月11日~行われたいわゆる「説明会」は3月議会でも当局から「説明会という名称だが付帯決議による協議の場」だと説明されています。

 しかしながら、私が各地の説明会の状況を確認した限りでは、推進班による「説明」ではしばしば「廃園は決定しています」というフレーズが出てきます。改めてお聞きしますが、廃園は「決定」しているのですか。決定とは場所とともに時期が決定して「決定」となるのではありませんか。条例に基づき、ここで改めて正しい表現で答弁をお願いします。

 付帯決議の1項目には「市民への説明責任を果たすため、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること」となっています。

 「推進計画に固執しない協議の場」であるならば市民・保護者の疑問や意見に対しどのような対応が必要だったでしょうか。一昨年まで2年間実施された「学教審答申」への理解を深める「市民講座」では、出された意見をカードに記載し、参加者全員が共有しながら議論を進めましたが、今回は昨年8月以降の「説明会」と同じく、当局との「質疑応答」の域を出ず、市民・保護者は「説得され、断念させられ、意気消沈する」状況だったと語っています。要望を出しても「そんなこともう済んだ話だ」と言わんばかりのつっけんどんな対応や、不真面目な態度まであったと聞き及んでいます。

 連日の説明会で担当の皆さんもお疲れだったとは思いますが、市民はこのように受け取っていることを重く受け止めていただきたい。

 市民の皆さんの思いを受け止めるには先ほど申しましたように、学教審答申への理解を深める「市民講座」型懇談会のような自由に意見を出せる仕掛けや雰囲気づくりなど、当局側の姿勢が大切だと考えますが、当局の見解を伺います。

(2) ニーズ調査は就学前施設再編計画にどう生かされるのか

 5月29日の鈴原幼稚園での説明会で、ニーズ調査の結果は今年度の冬に出ると回答しましたが、それは「伊丹市子ども子育て支援計画管理事業」でのニーズ調査を指すものと思いますが、このニーズ調査は「就学前施設再編計画」のどういう部分に生かそうと考えていますか。

 一方で市の方は一部の保護者からの「早く決めてほしい」という意見を逆手にとって「7月中の意思決定」を狙っているわけですが、それならばニーズ調査は全く反映されないことになります。

 そもそも、この調査でなにを調査しようと考えているのですか。

(3) 神津認定こども園の経験をどう生かすのか

 市当局は、「認定こども園の設置は決定している」と繰り返し説明会でいい、そのため2020年の運用開始のために今秋には廃園を決定しないといけないと言います。

 説明会では「認定こども園そのものがよくわからない」という質問が多くありましたし、それに対する当局の説明も的を得たものではありませんでした。その割に当局側からは繰り返し「もう設計も終わり変更の余地なし」と受け取れる発言が飛び出します。事情がよくわからない保護者・市民に間違った受け止めをさせるような発言は厳に慎むべきではありませんか。

 何度も質問で取りあげているように、神津での事例を参考にするならその市民保護者中心の決定と建設過程であり、完成形をひな形にした押し付けであってはならないということです。

 新たに建設されるこども園への市民参加について改めて伺います。

(4) 3歳児保育を直ちに実施すべき

 保護者の要求ははっきりしています。公立幼稚園で直ちに3歳児保育を実施することです。

 市は、2020年から存続する全園での3歳児保育を実施するとしています。しかし、この間の説明会の市民・保護者の意見は「いま、直ちに3歳児保育を始めないと公立幼稚園は存続できない」という危機感です。ただでしも減り続けている公立幼稚園への入園者は、統廃合計画発表を機に激減し、さらにこの間の説明会での「2020年度入園児の抽選」という狭き門を示されて公立園への入園断念を決断せざるを得ない人も出ていると聞いています。

 当局は繰り返し「私立との住み分け」を口にしますが、市民の当たり前の感覚は「健全な競争こそより良い幼児教育をつくる」ですよ。

 公立幼稚園は「生き残りをかけて」3歳児保育に直ちに着手すべきです。説明会では「3歳児保育には研究と実技経験のため2年必要」との答弁も飛び出しましたが、それならあえて言いたい。「神津での優れた実践」はどこに消えたのですか。すでに伊丹では公立園での3歳児保育はたっぷり実践済みではありませんか。

 責任ある答弁をお願いします。

(5) 再編計画を先送りし、在園児の卒園を保障し、保護者の悩みを解消すべき

 4歳児の入園を考えている保護者にとって、2年後に廃園が予定されている園では再来年の希望園の指定を求められています。行政は再編後の転園をスムーズに行いたいとの考えで行っていると思いますが、保護者の希望は最初に選択した「廃園予定の園」での卒園であり、通園しにくいブロック内の他の園への転園ではありません。行政は保護者の意思を最大限保障し、卒園まで補償すべきではありませんか。行政の都合を保護者・市民に押し付けることは許されません。

 説明会で、この、転園の悩み、2年後の他の園の選択の悩み、それに追い打ちをかける「抽選」の脅し。兄弟が卒園した園で卒園させてやりたい。近くて安心で内容も充実している公立園をあきらめて、こどもに1年後の転園というリスクを負わせたくないと私立園を選択しようと思い悩む保護者のつらい気持ちを、当局は感じていますか。

 さらに、私立園は100名もの待機児を生んでいます。私立園を選択しても入園できないかもしれない。さらに費用も無償化になっても公立の4倍も持ち出さないといけない。

 保護者の深刻な悩みに対し、説明会での当局の対応はまことに冷たく、聴くに堪えないものだったことを、あえて申し述べておきます。

 市は、今の再編計画を先送りし、少なくとも来年入園者が卒園するまで今の園を保持し、市民の願いを受け止めるよう求めます。見解を伺います。

2.障がい者施策の拡充を求める

 伊丹市は「伊丹市障害福祉計画(第5期)」「伊丹市障害児福祉計画(第1期)を今年3月に作成し、新たに「居宅訪問型介護サービス」を開始したことは評価するところですが、一方で障害者手帳3級をお持ちの方への医療費助成がまだ実施されていません。障害者への医療費助成は、都道府県単位では3級まで拡大されているのは38都道府県で81%を占めています。兵庫県は実施していない19%に入ります。都市で見ると、近隣では神戸、西宮、宝塚市が実施していますが、伊丹市では県の助成範囲を踏襲するとして実施していないということですが、その考えを変更する気はありませんか。

 また、精神障がい者の外出支援は進んでいません。H5(1993)年に改正された「障害者基本法」で「障がい者の自立と社会、経済、文化その他のあらゆる分野の活動への参加の促進」を基本理念とし、身体障害と精神薄弱に加え精神障害を「障がい者」と規定し、福祉対策の対象として明確に位置づけました。さらにH7(1995)年「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の改正により精神障がい者の福祉施策を法体系上に位置づけ、「自立生活の援助あるいは社会参加の促進のために必要な援助」を行うことが明確にされています。

 精神障害1級の方は「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」と分類されており、介助人を伴わない限り外出は困難な方です。一方、3級の方は「過大なストレスがかかる状況でなければ一人で外出できる」程度の障害とされています。法の精神からすると、3級の方こそ外出の支援が必要であると考えます。伊丹市には市バスもあり、なぜ市バスの無料パスを実施しないのかお尋ねします。

 障がい者が日常的に社会参加し「生きがい」を見つけるために就労支援は大変重要と考えます。

 新聞報道によりますと、2017年度に、民間事業所の廃止や縮小に伴って解雇された障がい者が2272人で、前年度の1.7倍に急増したことが厚労省の調査で分かったということです。各地で起きた「就労継続支援A型事業所」の廃業による大量解雇が影響したものとしています。

 06年の障害者自立支援法施行後、安倍政権が進める福祉事業の規制緩和路線で営利企業が続々と参入。しかし、一部の企業に国の給付金を不正受給するなどしたため規制を強化した結果経営に行き詰まり廃業が相次いだといういきさつがあります。

 市としては、雇用契約を結び、就労により最低賃金以上の収入が得られるA型事業所を推進する考えと聞いていますが、現状のA型事業所とB型事業所での障がい者、職員の状況と就労条件についてお聞きします。

【2回目】

1.公立幼稚園・保育所再配置計画(就学前施設再配置計画)「説明会」での議論から

(2) 付帯決議をどうとらえているか

 「施行日は規則に委任されており、規則は、今回の説明会の状況等を踏まえ、市長が時期を判断し、制定することとなっている、旨申し上げた」との答弁でした。

 市長は付帯決議を踏まえて「このことを真摯に受け止め、これらの請願や常任委員会で可決された附帯決議につきまして、その趣旨を尊重しつつ施策を進めてまいります。」と所信の表明をされております。つまり、附帯決議では「市民への説明責任を果たすため、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること」となっており、市民の意見を聞いて協議をすることを求めているのですから、答弁はこの、市長の所信表明の趣旨を逸脱しているのではありませんか。

 市民の皆さんの思いを受け止めるには先ほど申しましたように、学教審答申への理解を深める「市民講座」型懇談会のような自由に意見を出せる仕掛けや雰囲気づくりなど、当局側の姿勢が大切だと考えますが、当局の見解を伺います。

(2) ニーズ調査は就学前施設再編計画にどう生かされるのか

① 次に、ニーズ調査に対する質問に対しては、ニーズ調査は「政府が実施する子供子育て支援計画」のニーズ調査だということでした。それを市が進める就学前施設再編計画に関するニーズ調査としても用いるが、7月に国から示されるアンケートを秋に実施して次の冬に結果を公表するということで、2020年度に反映させるとの答弁でした。

 今、市民が求めているニーズ調査は、この4月から実施された幼児教育無償化と再来年度から実施される公立園3歳児保育によってどのようなニーズ変化が生じるか、それによって市の計画による就学前施設再編計画が妥当なのかを確認するものだということです。市が考えているニーズ調査はそれにこたえることが出来ますか。確認してください。

② 国が実施するニーズ調査で、市が欲しいデータは得られるとお考えですか。そもそもアンケートの中身も国にお任せで、求めるデータが得られるとは考えにくいのですが。お答えください。

③ 附帯決議では施行日決定はニーズ調査を前提としています。調査結果に基づき協議を行うことも必要になるはずです。どうお考えですか。

④ 次に、調査対象です。聞くところによると対象者の3割程度の抽出とするようですが、1月の「説明会」案内は全対象者に郵送したのですから、市としては対象者全員の名簿はお持ちのようですので、ぜひ今回も全対象者に郵送して全員対象で実施すべきと考えますが、見解をお聞かせください。

⑤ そもそも、ニーズ調査を実施する予定はあったのか。保護者はニーズ調査を実施してその結果を見ないとあきらめがつかないと言っている。

(3) 神津認定こども園の経験をどう生かすのか

① 2020年にこども園を運用開始する前提に廃園決定があるのではないかという質問には答えていません。再度伺います。子ども園の設置は「老朽化保育所の建て替えのため」という説明をされていますが、この話は昨年8月に突然持ち出されたものであり、そもそも公立幼稚園の統廃合問題の議論の枠外の課題でした。当局も「幼児教育の充実のため幼児集団と教師集団を確保するためだ」と説明してきたではありませんか。子ども園の設置は1号認定と2号認定を合わせて一定の集団をつくりだせますから園児数が激減している公立幼稚園の再生に役立つので、その範囲で実施すればよいのではありませんか。

② 神津こども園のノウハウを引き継ぎ、保護者アンケートと教諭・保育士の専門的知識を合わせて設計に反映し、その後地域への説明と意見聴取をするのだとの答弁でした。しかし、神津とこれから実施するこども園との違いは明確です。複数の小学校区が合流する形が計画されているため、意見聴取を真っ先に実施すべきは地域・保護者ではないでしょうか。見解を伺います。

(4) 3歳児保育を直ちに実施すべき

 3歳児保育を直ちに実施すべきとの指摘に対し、教員の確保と一定の財源が必要との答弁でした。ニーズ調査を実施していない時点で、教員が確保できないから、財源が必要との理由で公立3歳児の受け入れを直ちにしないことは市民のニーズにこたえるタイミングを逸して公立園の再起を不可能にするのではないかと危惧します。無償化により、幼児教育のニーズが高まっている時期をみすみすやり過ごすことはありません。

 3歳児保育のカリキュラムと教員の教育が必要との答弁ですが、伊丹の公立幼児教育にはすでに3歳児教育のノウハウが神津こども園に蓄積されているではありませんか。

 あちらでは神津の実績を言いながらこちらでは実績がない、というのは通じないのではありませんか。

(5) 再編計画を先送りし、在園児の卒園を保障し、保護者の悩みを解消すべき

 5歳児のみになるのが不安という保護者の意見があると思いますが、保育集団が小さい場合のゆきとどいた教育というメリットもあります。

 抽選になる確率は低いという見通しをお持ちのようですが、保護者としては確実に行けるところを保障して欲しいと思うのは当然のことだと思います。

 市の説明では「最悪の場合でも市内のどこかの幼稚園に入れます」といったわけです。通園困難な園に入れてもそれでよしとできないではないですか。全く答えになっていないのですよ。

 その認識がないから市民は不安に駆られるのです。納得のいく答弁をお願いします。

2.障がい者施策の拡充を求める

 2回目は意見と要望と致します。

 近隣市が実施している施策が伊丹市で実施されていないということは、市の施策のデメリットとして非常にわかりやすいうえに、障がい者の社会参加がインクルーシブ教育上も重要であり、実施すべきと考えます。財源については国の責任で行うべきであり、国や県へも要求していただくよう要望しておきます。

 就労支援について丁寧な説明を頂きました。障がい者の就労についてはあくまでも障がい者の生きがいや能力の自主的発揮の場として自由な選択ができることが基本であり、その点に留意した施策展開がされているとのことでした。引き続き推進していただくよう、要望いたします。

議会報告2018年春季号を発行しました

  議会報告2018年春季号はこちら(PDF)

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【1面】
公立幼稚園・保育所統廃合計画

保護者・地域住民参加での見直しに道ひらく

子育てママパパ 伊丹市政を動かす!

 伊丹市が1月臨時市議会に提出した「幼児教育推進計画」に基づく条例5件のうち、補正予算案と就学前施設再編条例を修正可決、3件を原案通り可決しました。

保護者・市民の運動が市長原案を通さなかった!、

就学前施設(公立幼稚園・保育所・認定こども園)再編計画は当初案を修正

幼稚園16園を5園+認定こども園3園、保育所3か所廃止

          ⇓ ⇓

幼稚園を5園+1分園、こども園3園、
保育所2か所廃止

市立ありおか幼稚園 ➜ 伊丹幼稚園ありおか分園として存続(市の修正)

市立こばと保育所 ➜ 市立保育所のまま近隣市有地に新築移転
(議員修正)

就学前施設再編時期を明記せず
(今後保護者・関係者・地域住民参加による見直しへ)

預かり保育実施(伊丹幼稚園・荻野幼稚園で今年4月から)

公立幼稚園での3歳児保育実施(2020年度から)

就学前施設再編条例に対する付帯決議

1.市民への説明責任を果たすため、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること。

2.公立幼稚園が閉園となる場合、跡地は教育、子育てのために活用するよう努めること。

3.保育所待機児童を解消すること。定員を超えた待機児童の受け入れは極力避けること。

4.3歳児の希望者全員が幼稚園に入園できるようにすること。

5.特別に支援が必要な子どもは、抽選によるのではなく、全員が身近な幼児教育施設に入園(所)できるようにするとともに、さらに充実すること。

6.認定こども園の規模は幼児教育・保育の質を考慮して計画すること。

7.通園距離が遠いケースには柔軟かつ適切な処置を実施すること。

8.施行日は、当該地域の関係者の意見を聞くとともに、当該地域の保育ニーズまたは幼児教育ニーズを的確に把握したうえで決定すること。

【2面】

伊丹市  市民と議会

2017年

8月、市は「幼児教育の段階的無償化」と「幼児教育推進計画」を発表。

日本共産党市議会議員団は、市議会報告(全戸ビラ)で計画の内容と保護者・関係者の声を紹介。ビラ添付のアンケートを呼びかけ。

ビラで事実を知った幼稚園・保育所保護者、関係者から大きな反響.アンケートにネットも含め290通の回答。「計画に反対・見直し」が圧倒的多数に。

「伊丹市の子どもの未来を考える会(考える会)」が呼びかけた「当事者の声を聞いて計画を見直して」という市長への要望署名が瞬く間に2万筆に(最終23千筆)。11月末・要望書を市長へ提出。同趣旨の請願書も議会へ提出し、市議会各派と積極的に採択へ向け要請を展開。別途「伊丹市の幼児教育を考える親の会(親の会)」も市長に要望書提出。

市長、12月議会に「幼児教育推進計画」関連条例案提出を断念。1月議会へ先送り

市議会は連日子ども連れの傍聴と要請行動でにぎやかに。
市議会の雰囲気が一変。

「伊丹市の子どもの未来を考える会」請願(1.保護者・地域住民・関係者の意見を聞いて計画を見直すこと2.小学区ごとにこ丁寧な説明をすること)を、12月市議会で賛成多数で採択。(賛成=フォーラム伊丹創政会・共産党)

市、市議会終了後3日目の12月25日、「計画案」を修正した「見直し案」を発表。
 全額無償化・ありおか幼稚園を伊丹幼稚園の分園として存続

2018年
「くらしとまちに元気を伊丹市民の会(市民の会)」と「考える会」が連携して市民へ宣伝。

市、1月13日いたみホールで「見直し案」を市民向けに説明会開催。

1月17日、1月臨時市議会開会。「見直し案」に基づく条例案提出。
関連請願7件提出。

市議会、予算修正案と就学前施設再編計画を白紙にもどす修正案を可決。(賛成=フォーラム伊丹・創政会・共産党)

市長、拒否権発動し、「再議」となる。

再議の結果、「修正案」否決。
「再修正案」を議員提案。全会一致で可決。
8項目にわたる付帯決議を採択。
関連請願7件すべて賛成多数で採択。

「再編計画」の実施時期を明記せず、今後改めて地域・関係者の意見を聴くことに。計画見直しに道ひらく。

「身近な幼稚園・保育所に通いたい」の声にこたえて

 伊丹市には小学校区に一つの公立幼稚園が存在しますが、園児数が減少する中、伊丹市は2度にわたって再編計画を出してきました。党議員団は、そのたびに3年保育と預かり保育を実現すれば「一校区一園制」は維持できると要望しましたが、市はこれを放置したため、園児数が一けた台の幼稚園が生まれる事態になりました。

 党議員団は、今回の再編計画にあたって市民と運動をする中で、「近くの幼稚園、保育所にかよわせたい」という保護者の願いに応え、ともに力を合わせることにしました。

皆さんの思い・願いをお寄せください

2018年3月議会 服部好廣:就学前施設・公共施設の再配置計画

2018年3月議会 服部好廣:個人質問

2018年3月7日 日本共産党議員団 服部好廣

市民参加による「住みよいまち伊丹」創りについて

市民とつくる「住みよいまち・子育て一番の伊丹」とするには何が必要か?

(1回目)

議長の発言許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して質問をいたします。

1、就学前施設の再配置計画をめぐり、市民の声を今後どう生かしていくか

1)就学前施設再配置計画の実施においては「参画と協働」を基本理念に掲げる「伊丹市まちづくり基本条例」の精神を踏まえて

 かしば議員の代表質問のうち、「幼児教育推進」の項目の中で「8項目の付帯決議も踏まえ、丁寧な説明の場と地域住民・関係者の意見を聞く場を早急にセットすべき」に対し、「具体的な取り組み内容については現在検討中」「再編対象施設については~変わるものではない」との答弁があり、真摯に対応されることと思いますが、具体的には未着手だということでした。

 地域では1月議会の議決を受け、就学前施設再編に向けどうすべきか、考え始めているところもあります。

 南部では「こばと保育所」が建替え移転する計画地である「稲野公園」について、保育所建設と同時に、公園のバリアフリー化と合わせて、より地域に親しみやすい公園にリニューアルすべきでは、との声が上がりつつあります。保育所はこども未来部の、運動公園は教育委員会と所管部門が分かれますが、地域の希望を組み込んだ計画にすることで「まちの魅力」も倍増するのではないかと思います。

 そういう時に、市として市民の声を積極的に取り入れる用意があるか、お聞かせください。

 また、これらの施策に対する国の有利な財源はどのようなものが活用できるかお聞きします。

2、公共施設再配置計画はこれで良いのか

1)社人研の人口減予測と市の人口ビジョンの関係を問う

 2015年(H27年)3月に改正された「伊丹市公共施設等総合管理計画」に記載された国立社会保障・人口問題研究所(社人研)のデータによれば、2015年(H27年)の19万7826人をピークに伊丹市の人口は減少に転じ、2040年には18万人、2010年度比‐8%に減少すると予測していました。そのデータをもとに「計画」は、将来減少すると予測した人口に見合った分に公共施設の総量(延床面積)を減らす必要がある。その人口は1998年とほぼ同じなので、当時の延床面積に等しくするため現在より10%以上削減を目標とする。として2040年には53.6万㎡(6万㎡減)という数値目標を掲げています。

 これに対し、2015年(H27年)10月に発表された「伊丹創生人口ビジョン」には伊丹市独自の人口の「将来展望シミュレーション」が作成されており、伊丹市の人口は2025年まで微増し20万人を超え、次第に微減に転ずるが、2040年でも19万7139人を維持すると予測しています。この人口は今年度の人口とほとんど変わらず、今後25年間は現在の公共施設でもまだ不足を生じかねない状況を予測しています。

 伊丹市が様々な施策も実施して市の人口を維持できる展望を持っています。それには一定の転入が必要ですが、転入促進に重要な「住みよいまち伊丹」に必要な身近で便利で使いやすい公共施設」を、大幅な人口減予測に基づいて「マイナス10%」という数値目標をいまだに堅持して、公共施設の統廃合や「機能移転」を進める理由はどこにあるか、伺います。

2)人口減社会でも住みやすいまちをめざすべき

 予測される人口減にも対処できる施策を検討しておくべき、との考え方もあると思います。

 だからと言って、単純に総床面積を縮小させるだけでは市民の要求にこたえることはできません。

 市の「人口ビジョン」にも示されているように、伊丹市が的確な政策を遂行するなら人口は現状水準を少なくともまだ25年は維持すると思われるので、その間にじっくりと市民意見をまとめ、市民とともに人口減少時代のまちづくりと公共施設再配置を考えていけばよいのではありませんか。

 そのとき、老朽化施設の長寿命化を可能な限り実施すること、また耐震化未実施施設は国の有利な財源を活用して実施すべきではありませんか。

 身近な共同利用施設を含め、地域の皆さんとの十分な話し合いによって再配置を含めて検討すべきと考えますが、見解を伺います。

 以上で1回目の質問を終わります。

(2回目)

2回目の質問を行います。

1、稲野公園へのこばと保育所移設については、移設保育所開設時期を2020年に設定されていることと思いますが、それに合わせて市民合意、稲野公園の整備を含めて合意を得るための十分な時間的保証を確保することが困難になる可能性がありますが、その時に、「保育所建設先に有りき」の見切り発車がないよう、こばと保育所が現存することを利点として、柔軟に対処すべきと考えますが、いかがでしょうか。

・また、こばと保育所の敷地面積を確定できるのであれば、設置位置を確定して地割のみ先行させることは可能か伺います。

・また、再整備される公園と、こばと保育所の接続も必要になるかと思いますが、どうお考えでしょうか。

2、公共施設再配置計画に関して

・人口減少ではないが、構成が変化するので税収減に向かう中で公共施設の維持管理費用の負担が問題であり、将来の更新費用を削減する必要がある。との答弁でした。

 人口構成で高齢者が増加して税収が減るから経費を削減しないといけないという流れで、財政面に着目すれば、市民ニーズや市民の満足度が置き去りになります。

 この問題でも、市当局からの情報発信と市民との協議が重要となると考えますが、どのようにお考えでしょうか。

・人口減少も、高齢化も財源不足という共通項があります。財源不足の中で必要な施設を確保するには市民の合意形成が必要です。施設の複合化という方針も出ていますが、それによって利便性が低下する心配があります。
利便性を確保しながら施設の複合化を図ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

(3回目)

 3回目は要望とします。

 地域でも、歩いて使える、小学校区単位で利用しやすい施設を確保していくこと、既存施設の長寿命化とリニューアル、バリアフリー化で高齢者の利用しやすい施設を確保できるよう、地域での「参画と協働」が求められていると思います。既存の共同利用施設は旧耐震基準の建物が大半ですが、市民の利用しやすい身近な施設であり、利便性を考えるなら耐震化診断を行って長寿命化して継続して使用することも検討していただきますよう要望しておきます。

(時間が残ったなら)
 奈良女子大大学院教授、中山徹氏は「人口減少時代のまちづくり」という著書で、人口減少に向かう中での住民を主人公にしたまちづくりについて検討しています。

 人口や産業の減少に対応し、どのような都市をつくるべきか。
計画的な市街地の縮小を進めることができれば、従来と同じ生活を、同じ負担で送ることができる。さらに、空いた土地を使って自然環境を大規模に再生できれば、都市環境が向上する。

 人口減少が地域を衰退させるのではなく、人口減少に対応した計画的な縮小型都市計画が実施されれば、人口が減少しても生活の質を低下させず、むしろ生活の質を上げることができる。
と提言しています。

 長期的に見れば伊丹市の人口も減少局面に入りますが、それを逆手にとって魅力的なまちづくりを進めることも可能であることを最後に述べまして質問を終わります。