2020年3月議会 上原秀樹:『選択的夫婦別姓の導入』請願賛成討論

2020年3月議会 本会議

請願第1号『選択的夫婦別姓の導入の一日も早い民法改正』を国に求める意見書の提出を求める請願への賛成討論

日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました、請願第1号「『選択的夫婦別姓の導入の一日も早い民法改正』を国に求める意見書の提出を求める請願」に対して賛成の立場から討論します。

 本請願は、選択的夫婦別姓制度導入に関し、世論調査でも賛成が7割を占め、国連女性差別撤廃委員会からも再三の勧告を受けていることや日本国憲法上の要請からも、一日も早い民法の改正を国に求める意見書の提出を求めています。

 日本共産党は、すでに1987年から、希望すれば別姓を名のることができるように民法改正を政府に求めるとともに、民法の一部を改正する法律大綱も提案してきました。そして、1996年2月の法制審議会総会の決定事項には、民法第750条の改正、すなわち選択的夫婦別姓制度を含む民法の一部を改正する法律案要綱が盛り込まれました。その後24年間、歴代政権はこの答申に基づく民法の一部改正を、国会に上程してきませんでした。

 しかし、今日、日本社会の中に「別姓を望む人に選択の自由を与えてもよい」という合意が形成されてきています。2017年の内閣府の調査では、選択的夫婦別姓のために法律を変えても構わないが42.5%、反対が29.3%となっていました。ところが、今年1月25、26日に朝日新聞社が実施した全国世論調査では、選択的夫婦別姓について、69%が「賛成」と答え、「反対」24%を大きく上回っています。自民支持層でも63%が賛成し、反対は31%と、大きく国民の考え方が変わっています。

 一方、2015年12月の最高裁判所大法廷は、夫婦同氏の強制を定める民法第750条は、憲法に違反するものではないと判断しました。その理由は、婚姻の際の「氏の変更を強制されない自由」は憲法上保障されていないこと、個人の尊厳と両性の本質的平等という憲法第24条の要請に照らして夫婦同氏の強制が合理性を欠くとは認められないなどがあげられました。

 しかし、1996年2月の法制審議会答申の民法改正案作成に関わった、元法務省民事局参事官で弁護士の小池信行氏は、91年から5年間、各界からの3回に及ぶ意見聴取の結果、民法を改正して選択制夫婦別姓制度を正面から採用するに至った経過を述べています。それは、「姓は人が個人として尊重される基礎であり、個人の人格の一部である」「婚姻によって姓を改めなければならないとすることは人格権の侵害につながる」というのが最も多かったと言われています。

 2015年の最高裁大法廷判決においても、5名の裁判官が、民法第750条は憲法第24条に違反するとの意見を述べています。そのうちの一人の女性裁判官は、夫婦同氏の強制によって個人識別機能に対する支障や自己喪失感等の負担がほぼ妻に生じていることを指摘し、その要因として、女性の社会的経済的な立場の弱さや家庭生活における立場の弱さと、事実上の圧力など様々なものがあることに触れており、夫婦同氏の強制が個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえないと説示しています。

 当時の日本弁護士連合会の菊池会長は、会長声明で次のようにの寝ています。「民法第750条は、憲法第13条及び同第24条が保障する個人の尊厳、同第24条及び同第13条が保障する婚姻の自由、同第14条及び同第24条が保障する平等権を侵害し、女性差別撤廃条約第16条第1項(b)が保障する「自由かつ完全な合意のみにより婚姻をする同一の権利」及び同項(g)が保障する「夫及び妻の同一の個人的権利」にも反するものである」と。私はこの考えに賛同します。

 最高裁判所判決は、民法第750条は憲法に違反しないとしましたが、一方では国での議論を促しています。このことは、5人の裁判官が「憲法に違反する」との意見を表明されたことや、女性差別撤廃条約等国際的な人権尊重の考え方への認識の発展があったことによるものです。選択的夫婦別姓によって誰も不利益を受ける人はいません。

 さらに、請願趣旨にも書かれている通り、2015年の政府答弁では、世界で夫婦同姓を法律で義務付けている国は日本がけであり、国連女性差別撤廃委員会が繰り返し、同姓強要は「条約違反」として、法改正を勧告していることからも、国は、別姓を選択する自由を認める選択的夫婦別姓制度の導入を求める声に応えるべきです。

 よって、請願の含意は妥当と考え、賛成とするものです。
 議員各位のご賛同をお願いしまして、請願への賛成の立場からの討論とします。

2020年3月議会 ひさ村真知子:後期高齢特別会計 伊丹市病院事業会計 反対討論

令和2年度 議案12号「後期高齢者医療事業特別会計」
議案第18号「令和2年度伊丹市病院事業会計予算」 

日本共産党伊丹市議会議員団 ひさ村真知子

 ただいま議長の発言の許可をいただきましたので、私は議案12号「後期高齢者医療事業特別会計」並びに、議案第18号「令和2年度伊丹市病院事業会計予算」に反対の立場から討論いたします。

議案12号 2020年21年度における保険料の引き上げを行うもの

 初めに、議案12号についてですが、この議案は、2020年21年度における保険料の引き上げを行うものです。

 保険料の改定は均等割り額を、現行より月額210円、年額2516円引き上げ、月額4281円、年額51371円とし、所得割率も現行10,17%を0,49%にするものです。

 このことによって、平均年保険料額は、現行82,186円が3,331円引き上げられ、85、517円となり、4,05%の引き上げとなります。

 この引き上げに対しては、令和元年度末の給付準備基金残高見込みの123,9億円を全額活用し、一人当たりの保険料の上昇幅を抑えたとされていますが、保険料は改定のたびごとに引き上げられています。また賦課限度額も現行62万円から2万円引き上げ64万円となります。この保険料引き上げは、75歳以上の人口が増加すること、同時に医療費が増えることで保険料に跳ね返る仕組みになっているためで、今後も引き上げが行われる事になります。このような仕組みは、高齢者の生活がますます苦しくなる要因となり、健康も守れなくなってしまいます。

 よって議案12号は、後期高齢者の保険料改定が含まれているため本議案に反対といたします。

令和2年度伊丹市病院事業会計予算

 次に、議案第18号「令和2年度伊丹市病院事業会計予算」についてですが、

 この議案は、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編を前提に、「統合再編基幹病院整備費」として、用地測量・物件調査委託料6千6百33万5千円、基本設計委託料2億4千万円(240、000千円)、債務負担行為として実施設計委託料3億2千7百万円(327,000千円)が計上されています。

 市立伊丹病院と近畿中央病院を統合再編し、医療の充実を謳っていますが、病床数は600床となり、両病院のベッド数を合わせれば800床ありますから、200床も減るという事になるわけです。統合により、近畿中央病院がなくなることに対し、60年間利用してきた市南部の市民から大きな不安の声が上がっています。それはすでに市長あてに提出された、1万6千筆の署名にも表れています。 

 この間、伊丹市は住民説明会等、市民への説明を行ってきたとされていますが、地域住民が十分納得出来ていないのが実情です。市民にとっては、健康と命がかかっている問題です。市内でも、今後高齢者が増加すると予測される中で、ベッド数を削減することは、市民の医療を受ける権利を保障することは出来ません。

 国においても、統合再編を求める全国の公立・公的病院名を、昨年9月に公表しました。このことに関しては「地域の特性を無視している」等、批判が集中しました。このような国の流れの下に統廃合、病床の削減など行うことは、地域医療の充実ではなく崩壊の方向となってしまいます。

 今回の新型コロナウイルス問題でも、医療への不安が増しています。統合でベッド数を減らすのでなく、どちらの病院でも感染症対策が行えるようにしていただくことを市民は求めています。

 伊丹市病院の建て替え充実が必要な事は認めますが、近畿中央病院との統合を前提にした「統合再編基幹病院整備費」については認めることは出来ません。「整備費」以外は賛成ですが、それらが含まれている議案第18号に対しては、反対といたします。

2020年3月議会 上原秀樹:本会議討論

2020年3月議会 本会議討論 一般会計等審査特別委員会

日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案のうち、議案第10号、24号、30号に対して反対の立場から討論します。

 はじめに、議案第10号 令和2年度伊丹市一般会計予算に対してです。

新型コロナウイルス対策についての意見・要望

 最初に、新型コロナウイルス対策についての意見・要望を述べます。

 第1に、中小企業をはじめとする企業倒産とリストラ・失業の連鎖を起こさないことを経済政策の大きな目標に据える必要があります。そのために、中小企業への無担保無保証人制度を思い切って増やすとともに、雇用調整助成金を10分の10へ、またフリーランスをはじめ雇用保険の対象にならずに働いている人への所得補償制度を充実することです。さらに、消費税5%への緊急減税を本格的に検討し、実行すること、国保税をはじめ社会保険料の緊急減免などの措置をとることを国に強く求めていただきたいと思います。

 第2に、政府の「全国一律休校要請」が各地で深刻な混乱と被害を引き起こしている問題です。とくに子どもたちの受けた被害は深刻です。長期の休校は、「基本的に自宅ですごす」という子どもの生活にそぐわない方針のもとで、子どもの心身の健康を損ねるおそれすらあります。学ぶ権利の保障の問題も重大です。

 そこで、伊丹市教育委員会として、学校への子どもの受け入れや校庭・体育館の使用、図書館などの公的施設への子どもの受け入れの促進等、子どもの心身のケアを重視することを強く求めます。また、突然の長期休校は、障害のある子どもにとって特に深刻です。子どもの生活が昼夜逆転する、パニックになる、親のストレスが限界に達するなど放置できない状況が広がる可能性があります。障害に応じた教育的ケアなどができるよう、特別支援学級を含め、教育委員会として改善されることを求めます。さらに、小中学校では、3週間の授業がなくなってしまいますが、この回復に関しては、学校・教員に最大限の裁量を保障し、個々の実情に応じた無理のない計画で、授業の遅れを取り戻せるようにすることを求めます。

 第3に、検査体制の問題です。かかりつけ医などの民間の医療機関では検査を受けることができず、PCR検査も兵庫県内では4か所しかありません。諸外国と比べて検査体制が遅れていることが重大な事態につながる恐れがあります。
 そこで、国と県に対し、急いで検査体制を強化し、民間診療所が必要と判断すれば検査ができるようにし、PCR検査体制を抜本的に強化すること、コロナウイルス感染症患者の入院病床の確保を求めていただきたいと思います。

一般会計予算について

 では、一般会計予算について述べます。

 はじめに歳入についてです。個人市民税では納税義務者の増によって5千万円の増加となっていますが、増えたのはパートやアルバイトなどの非正規雇用で、給与所得は逆に0.31%のマイナスです。法人市民税でも、資本金10億円以下の中小企業の欠損法人が増加しています。いずれにしましても、消費税増税による消費不況の影響が市民の暮らしと中小企業に深刻な事態をもたらしていることがうかがえます。さらに、安倍政権の下で全世代型社会保障の名のもとに、高齢者医療費自己負担の増や年金の削減等が行われようとしていることも重大です。
 来年度はこの情勢のもと、市民の暮らしを守る施策が強く求められています。

来年度予算における問題点

 次に来年度予算における問題点についてです。

 第1に、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編の問題です。この問題の発端は、社会保障費削減の方針の下、安倍政権が医療費を抑制するために2025年に向けて必要な医療機関の病床数を33万から37万床も削減すべきとしたことにあり、伊丹市における病院の統合再編もその流れから出された問題です。

 問題の一つは、統合再編によって病床数を200床削減する問題です。県の地域医療構想においても、北阪神準圏域では2014年対比で2040までにすべての病床あわせて382床不足し、なかでも回復期が約1,300床不足します。この伊丹市の病院統合再編でさらに病床数が200床不足することになります。これでは医療難民を生みかねません。

 二つには、市内南部から総合病院がなくなることです。近畿中央病院は、約60年間、地域に根差した総合病院として大きな役割を果たしてきました。長年にわたる周辺住民の身近なところでの総合医療を受ける権利を奪うことになります。

 三つには、今回の新型コロナウイルスへの対応を考えた場合、感染症対策に緊急を要する事態に公立・公的病院が果たす役割は大きく、公的総合病院が一つなくなることで十分な対応できなくなる可能性があります。

 一方、病院統合再編基本方針(案)では、新病院の運営形態を伊丹市の直営として公営企業法の全部適用としたことや、近畿中央病院の跡地への民間病院の誘致の検討、公共交通機関による新病院への交通アクセスの検討等、今後周辺住民とともに生かすことができる点も含まれています。引き続き住民とともに協議を続けていただきたいと思います。

 第2に、伊丹市市営住宅等整備計画(案)において、伊丹市の市営住宅の目標管理戸数を約200戸減らし、1,700戸としたことです。その目標管理戸数の算出方法は、国土交通省が示した「ストック推計プログラム」により、著しい困窮年収未満の世帯数を基礎にしたものです。しかし、著しい困窮年収未満の世帯の収入基準は、市営住宅入所基準の所得の約2分の1、月額所得8万円です。このような低い所得基準を基礎に必要な目標管理戸数を推計することでは、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅の役割を果たすこととはできません。また、市営住宅の建て替えをしないことも大きな問題です。伊丹市は、公営住宅法第1条に書かれている「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」する責任があり、一部の住宅にエレベーターを設置することを検討されていることは評価しますが、今後、市営住宅建て替えも含めて、若年者から高齢者まで、必要な人が入居しやすい住宅への改良や民間住宅の家賃補助制度の創設等を求めるものです。

 第3に、職員の人事評価です。公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、単純なことではなく、評価によっては公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第4に、マイナンバーカードの問題です。カードの交付が2016年1月から始まって4年になりましたが、目標に比べて大幅に遅れています。カードの普及が進んでいないのは、国民が必要としていないことともに、カードをめぐる様々な問題が噴出していることがあります。マイナンバーを記載した行政文書の誤送付や、国・自治体によるマイナンバー付きの情報の漏洩が頻繁に起きています。また、他人がマイナンバーカードを取得する事件やカードの偽装が発覚しています。

 このようなもとで、国はマイナポイント制度等によって一気に普及を加速しようとしていますが、今後、税や銀行預金、医療・福祉の個人情報がカードでひも付されれば、政府は一人ひとりの健康やその履歴、財産などを瞬時に入手できるようになり、「安心・安全」どころか危険な国民監視社会を加速させかねません。

 第5に、教育の分野では、全国学力テストへの参加と市独自の学力テストの問題です。来年度はコロナウイルスの関係で4月は取りやめることになりましたが、中止されていません。国は、今後どうするかは検討するとのことですが、特に来年度は授業をどう進めるのか見通しが立っていないもとで実施することは、子どもの学習にとっても、教員の働き方にとっても大きな負担となり、中止すべきです。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて検討を求めます。

評価する点

次に評価する点です。

 ①保育所待機児童解消に向けて、定員180人分の民間保育所整備を支援することとともに、民間保育事業者の保育士確保のための支援されることです。

 ②妊娠出産包括支援事業によって、産前産後のサポートが受けられない妊産婦の不安や負担軽減を図る事業を行うことです。

 ③パートナーシップ宣誓制度を創設されることです。

 ④かねてから要望していました合葬式墓地を整備されることです。

要望

 次にいくつかの要望をします。

 ①保育所における3歳から5歳児の副食費の保護者負担に関して、国に対してその撤廃を求めるとともに、伊丹市として補助制度を創設することを求めます。

 ②職員の働き方改革に関しては、一定の努力されていることは認めますが、時間外労働は月45時間、年間360時間以内にするよう、一層の改善を求めます。

 ③みやのまえ文化の郷再整備事業における博物館の廃止に関して、社会教育施設である博物館はその調査・研究と一体的なものであることから博物館は残し、その上で文化・歴史・芸術の連携を図るべきと考えますので、検討を求めておきます。

 ④夜間中学校の問題では、近隣の尼崎市で開校している夜間中学校に近隣自治体からも入学できるよう改善を求めます。
 以上、そのほか本会議での文書による発言や委員会での審議で出しました提案・要望を今後検討していただきますよう求め求めるものです。

伊丹市立児童会館条例

 次に、議案第24号 伊丹市立児童会館条例の制定についてであります。

 本条例案は、児童福祉法第40条に規定する伊丹市立児童会館を設置しようとするものです。その法第40条では、「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設とする」としています。

 本条例案の問題は、第4条 指定管理者による管理です。伊丹市が設置する児童厚生施設は3か所あり、内1か所は市が直接管理する施設であり、もう1か所は地域組織が管理し、地域に根差した運営がされています。いずれもこどもの権利を保障する重要な施設となっています。特に本施設は市内の中心に位置し、全市域における子どもの健全な育成に寄与するものです。

 よって本施設は指定管理による管理ではなく、伊丹市が直接管理すべきと考え、反対とするものです。

職員の給与に関する条例など

 次に、議案第30号 一般職の職員の給与に関する条例及び伊丹市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例の制定についてであります。

 本条例案は、伊丹市の給料表を改定して、国家公務員の給料表に全面改正するとともに、所要の規定整備を行おうとするものです。

 問題の一つは、現給補償はされますが、新たに職員となる人にとっては、将来にわたる生涯給料は現在に比べて引き下がることになります。

 二つには、伊丹市が自治体独自の給与票を持っていることに関して、県からの技術的助言があったことが契機となっていますが、国家公務員の給与表に改正された自治体は阪神間でも少数にとどまっています。自治体職員の給与は自ら決めるものであり、技術的助言とはいえ、国や県が関与するものではありません。

 三つには、教育職給与表(二)を廃止することによって、一般行政職の給与表となり、幼稚園教諭の給与が引き下がることになります。こども園も幼稚園、保育所も幼児教育が大切だとして、教育委員会の所管になりました。こども園での同じ職場で働く両者の給与を同じにするならば、むしろ保育士の給与を引き上げるべきです。

 よって本条例案に反対とします。

市議会 代表質問の内容はホームページで(3月9日)

市議会 代表質問の内容はホームページで(3月9日)

 伊丹市HP 市議会のページ 代表質問の内容

 3月9日9時からの議会代表者会で、議長より今日から始まる代表質問と個人質問は本会議を休会して文書発言にしたいと提案がありました。

 いくら当局のコロナ対応に配慮するにしても、予算審議に必要な質疑である質問を中止しなければならないのか? 仮に緊急対応が必要になれば、一時休会にすることは可能と考えて続行すべきと党議員団として発言しました。今日が休み明けであることを考慮して休会にするにしても、最低限代表質問だけはやるべきであると。

 しかし、議会運営委員会でもこの問題に賛否両論の議論となり、まとまらず、最終的に議長判断で代表質問個人質問はなくなり、休会となりました。

 それぞれの質問と答弁は発言予定日に議会ホームページで公開されることになります。

 昨日・今日の発言予定であった代表質問の質問内容と答弁は下記のサイトで閲覧できます。党議員団の上原議員の代表質問も載っています。

 伊丹市HP 市議会のページ 代表質問の内容

議会の日程が変更になりました

議会の日程が変更になりました。

 3日(火)から6日(金)が代表質問・個人実門の日程でしたが、新型コロナウイルスのため、その間を休会とし、9日から代表質問が始まります。最終日は今のところ24日に変わりありません。

 代表者会で相談した結果、削減されるのは予算特別委員会の予備日のみで、残る審議時間はそのままずれて行います。

ニュースの日程をご覧ください。議員団ニュース3月3日付357号はこちら(PDF)

議員団ニュース357号1面

議員団ニュース357号2面

2020年3月議会 上原ひでき:代表質問の予定内容(3月4日)

3月4日の上原秀樹議員 代表質問の予定

2020年2月28日
伊丹市議会議員  上原 秀樹

1.市長の情勢認識と対応について

1)消費税増税の影響と国民の暮らしについて
2)安倍政権による「全世代型社会保障改革」について
3)核兵器禁止条約の批准を、市民あげて国に求めよう

2.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について

1)回復期病床をどうするか
 伊丹市として具体的にどのようにして病院を誘致しようとお考えなのか、改めてお聞きする。

2)市内南部、尼崎市北部からの交通アクセスについて
 近畿中央病院に通院・入院されている人からの調査が必要だが、どう調査するのか。同病院の周辺住民への説明も必要と考えるが、見解を聞く。

3)医師会等との連携について
「保健医療分野」を独立させ、地域医療に関して具体的な計画として市民に示す必要があると考えるが、見解を聞く。

3.新型コロナウイルス対策について

4.子ども・子育て施策について

1)公立幼稚園の3歳児全員入園の状況と今後の公立幼稚園のあり方について
2)保育所3歳から5歳児の副食費に補助制度をつくることについて

5.公立学校における1年単位の変形労働時間制について

 教育委員会の「変型制」に対する見解を改めてお聞きするとともに、伊丹市教育委員会として今後どのような方法で学校、教員の意向を調査されるのか、また兵庫県教育委員会の考え方についてもお聞きする。

6.伊丹市営住宅整備計画(案)について

1)市営住宅目標管理戸数を1,700戸と設定することについて
①将来の著しい困窮年収未満の世帯の収入基準はどうなっているのか。その基準が収入分位25%以下となっている理由は何か。
②安倍政権による「全世代型社会保障制度」での社会保障負担増、年金引下げ等の社会的要素は含んでいるのか。

2)長寿命化等改修計画について
①エレベーターの設置箇所を増やすことについて見解を聞く。
②改修内容に住宅の内装の改修もすべきではないか。

3)市営住宅の建て替えについて
 10年間は建て替えしないとされているが、10年後の見通しをどう考えるのか。

7.マイナンバー制度について

1)現在のカード発行の体制について
市民の重要な個人情報を取り扱う職場で臨時職員任せには問題があるのではないか。
2)今後の対応について
政府のカード交付の予算拡大に対して、伊丹市としてはどのような体制をとられるのか。正規職員の配置はどうなるのか。

2020年3月議会 上原ひでき:2019年度補正予算に対する質疑

2020年3月議会 2019年度補正予算に対する質疑

2020年2月21日
日本共産党議員団 上原秀樹

 議案第1号「令和元年度伊丹市一般会計補正予算」第7号)」に関して、第10款教育費、第2項から第5項までの施設整備事業費のうち、LAN整備工事についてお聞きします。

 説明によりますと、Society5.0時代に生きる子どもたちのための教育における「GIGAスクール構想の実現」に基づき、児童・生徒一人一台の端末整備にかかる高速大容量の校内通信ネットワークの整備を行うとされています。補正予算金額は4億5,856万4千円で、国の補助金は2分の1となっています。

 本補正予算は、政府が2023年度までに全国の小中学校で一人につき1台パソコンの情報端末を配備する方針を決め、国の補正予算で「GIGAスクール構想」の実現として、2,318億円を計上したことによるもので、今後4年間で4,000億円を投じようとするものです。来年度以降、一人1台パソコン整備が行われることになり、国の予算では1台当たり上限4万5,000円、国が負担するとされています。

 1月24日に開催された中央教育審議会では、これからの小・中・高等学校などの教育のあり方に関する「論点取りまとめ」が報告されました。先端技術の活用で一人ひとりの子どもに「個別最適化された学び」を推進するなど、学校教育を大きく変える内容を盛り込んでいます。「個別最適化された学び」は、情報通信技術(ICT)や先端技術を使い、一人ひとりの子どもの学習傾向やスポーツ・文化活動などのデータを分析して、それぞれの子どもに「最適化」された学習内容を提供するというものですが、この方針に対して、公教育への企業の参入をいっそう進め、集団的な学びがおろそかにされ、教育の画一化につながる恐れがあるとの懸念の声が出ています。

 1月26日の読売新聞の社説「一人1台のPC 投資に見合う教育効果あるか」でも、「配備されるPCを使ってどのような授業をするのかが、見えていない。1人に1台が本当に必要なのか。子どもの学力に応じて、それぞれのPCに難易度の異なる問題を出せば、個別に最適化された学習ができると、文科省は説明する。仮にそんな授業を行うのなら、教員にかなりの指導力が要る。PCを授業で使いこなせる教員は7割にとどまるとの調査結果がある。文科省は、教員の役割や指導力の向上策を検討するとしているが、何とも心もとない」「早い時期から、PCでドリルの反復練習をしていると、長い文章をじっくり読んで意味を考えることがおろそかになりかねない。PC学習では読解力は身に付かないと指摘する専門家もいる。PCの使い方次第では、かえって子どもたちにマイナスの影響を与えることにならないか。配備されたPCを使うこと自体が目的化すれば、本末転倒である。学校現場が目的意識をきちんと持って、適切にPCを活用しない限り、巨額の投資は無駄になる。そのことを文科省も教育委員会も肝に銘じてもらいたい」とかなり厳しく指摘しています。

 教育現場のICT環境の整備自体は重要なことですし、個々の子どもにあったが学習をきちんと保障することも大切です。しかし、政府が進めようとしているGIGAスクール構想に応じて伊丹市が予算化され、今後の教育を大きく転換しようとされていることから、以下の点についてお聞きします。

① すべての学校においてLAN整備工事を行い、一人1台パソコン整備をするとされていますが、そのことが子どもたちにとって、どのような教育的効果があるとお考えなのでしょうか。お聞きします。

② 文部科学省によれば、子どもたちが端末でそれぞれ異なる課題に取り組むことも想定されていますが、このことで集団の中での学び、人格の形成を目指す学校教育のあり方を根底から変えることになるのではないかと危惧するものですが、見解をお聞きします。

③ 来年度から小学校でプログラミング教育が本格的に始まります。いまだに現場は混乱して振り回されている状況ではないでしょうか。英語教育等も含めて、次々と新たな課題が教育現場に押し寄せてきています。今後、教師の負担はどうなるのでしょうか。また、これらの課題に対してどれくらい教職員は増員されるのでしょうか、お聞きします。

(2回目の発言)

○一人1台端末の教育的効果について答弁いただきました。この答弁に対して再度お聞きしたいと思います。

・今年度と来年度で2500台の端末は整備されることになっています。一人1台までは至りませんが、ほぼ二クラスの児童・生徒が同時に使用可能となります。となれば、端末の使い方や、先ほど答弁された調べ学習や表現・創作活動などは十分できます。端末を使っての教育が、全体の教育の一つのツールと考えれば、一人1台が必要なのかどうか。現在は答弁されたとおり各校に40台の端末がありますが、現在の端末を使用した教育と一人1台端末の教育でどんな変化を期待されるのか、改めてお聞きします。

・先ほどの答弁で、個々の生徒の学習履歴が自動的に記録されると言われました。そうして蓄積されたデータを活用することによって、個別的な支援ができるということです。しかし、経済産業省のある研究会の提言では、学習塾や音楽・スポーツ教室など民間教育サービスまで含んだ学習ログを幼児期から蓄積するように要求し、高校や大学入学者選別への活用や、民間企業が利用できるようにすることも求めていることには驚きます。そこで、学習履歴のデータはどの機関保存し、いつ削除するのか、データの内容はどんなものを残すのかお聞きします。

○最初の質問で、ある新聞記事に基づいて、「早い時期から、PCでドリルの反復練習をしていると、長い文章をじっくり読んで意味を考えることがおろそかになりかねない。PC学習では読解力は身に付かないと指摘する専門家もいる。PCの使い方次第では、かえって子どもたちにマイナスの影響を与えることにならないか」ということを紹介しました。答弁では、PISA調査で日本の生徒たちの読解力が低下していることがわかったことから、端末を活用してその力をつけようということです。しかし「長い文章をじっくり読んで意味を考えることがおろそかになりかねない」という指摘に対してどうお考えでしょうか、端末を通じて「読解力の育成」は可能なのかどうか、お聞きします。

日本共産党伊丹市議団ニュース356号を発行しました

3月議会始まる

日本共産党伊丹市議団ニュース 第356号

2020年2月20日 日本共産党伊丹市議会議員団

伊丹市議会 3月議会始まる 会期2月18日~3月24日
○2月補正予算案審議
○2020年度予算案審議

日本共産党議員団から上原議員が議案質疑 2月21日午前10時~

 日本共産党伊丹市議団ニュース356号はこちら(PDF)

2019年12月議会 久村真知子:介護保険特別会計予算 反対討論

議案第105号 令和元年度伊丹市介護保険事業特別会計予算(第3号)

2019年12月23日
日本共産党議員団 久村真知子

議案第105号 令和元年度伊丹市介護保険事業特別会計予算(第3号)に対して反対の立場からの討論

 議案第105号 令和元年度伊丹市介護保険事業特別会計予算(第3号)に対して反対の立場から討論を行います。

 議案第105号は、マイナンバーカードを利用して介護保険に関する行政手続きのオンライン申請を可能にするため、介護保険システム改修事業費として、1370万円の補正予算を計上するものます。

 マイナポータル「ピッタリサービス」を活用することで、パソコンやスマートホンから様々な手続きが可能となるとし、運用開始は来年の4月予定とされています。

 マイナンバー制度に関して、安倍政権は、国民の利便性が高まる、行政の効率化につながると宣伝してきましたが、マイナンバー取得した人は未だに、全国的には住民の14.3%、で伊丹市では21.4%にとどまっています。普及しない背景には、情報の漏洩などが様々なところで起きており、カードの紛失、盗難などの心配などがあり、カードが盗まれ本人に成りすまして使われること等の危険性は高齢者になればなるほど不安が大きいことにあります。一度漏れた情報は売買されることもあり、そうなれば取り返しは尽きません。

 党議員団は以上の問題から、マイナンバー制度そのものに反対し、新たに個人番号の利用を広げることにも反対してきました。よって、本議案が、介護保険申請にマイナンバーガードを使用することを可能とするシステム改修経費を計上されており反対するものです。

 議員各位のご賛同をお願いいたしまして、討論といたします。

2019年12月議会 上原ひでき:本会議 請願討論

2019年12月議会 本会議 請願討論

2019年12月23日
日本共産党議員団 上原ひでき

 議長の発言の許可を得ましたので、議題となりました請願第4号から6号まで、賛成の立場から討論します。

請願第4号 指定難病医療費助成制度で、「軽症」とされた難病患者を同助成の対象とするよう国への意見書提出を求める請願書

 まず、請願第4号 指定難病医療費助成制度で、「軽症」とされた難病患者を同助成の対象とするよう国への意見書提出を求める請願書についてです。

 請願趣旨にも書かれている通り、2015年1月から「難病患者に対する医療費等に関する法律」(「難病法」)が施行され、新たな指定難病委旅費助成制度が始まりました。このことにより、「重症度基準」による選別が行われ、この基準で「軽症」と認定されると医療費助成の対象外となってしまいました。

 2017年12月31日の経過措置終了によって、14.6万人が不認定となり、医療費助成がなくなったため、患者の通院頻度は大幅に減少し、患者から受診抑制による重症化の不安の声が上がっています。

 当事者団体である一般社団法人日本難病・疾病団体協議会には、不認定になった人が、その後、入院しているため再申請に行けず困っていること、「臨床調査個人票」の記載を医師に依頼したが、軽症となるから申請してもメリットがないといわれ、お願いしても書いてもらえなかった人、提出書類が複雑でわからず申請をあきらめた人などの相談が相次いでいます。また、毎日新聞の取材でも、「潰瘍性大腸炎」の人で、体調には波があり、大学病院を受診した時にはたまたま血便が収まっており「体調はいいです」と伝えたところ、「軽症」と認定された。その後体調が変化し下痢と血便に悩まされたが、「軽症」であるため申請をあきらめた。以前の受診に比べて4000円負担増。難病関連の情報が入らなくなることなどが掲載されています。

 「難病法」は、医療・研究面に焦点を当てただけではなく、病気を持っている人が尊厳をもって地域社会で生きられるよう、必要な支援をすべきとの理念で定められました。難病患者の場合、症状が安定して、ほぼ問題なく日常生活を送る人も増えていますが、いつ急変するかわからない不安を抱えており、完治することが困難ため、軽症を維持していても、定期的な通院と服薬等、生活における自己管理が必要となります。したがって、地域社会で尊厳を持って生活するためには、定期的な通院・服薬は必要であり、継続的に受診しなくなれば、研究に必要な難病に関するデータの蓄積がなくなってしまします。

 よって、本請願事項で、指定難病医療費助成制度について、重症患者基準による選別をやめ、「軽症」者を含めたすべての指定難病患者を同助成の対象とするよう、国に対して求めるとされたことは含意妥当であり、賛成するものです。

請願第5号 【小学校5年生から中学3年生まで、当面35人学級の実現】を県に要望することを求める請願書

 次に、請願第5号 【小学校5年生から中学3年生まで、当面35人学級の実現】を県に要望することを求める請願書についてです。

 少人数学級は、子どもの悩みやトラブルに対応するうえでも、子どもの発言の機会がふえるなど学習を豊かにするうえでも、重要な教育条件です。欧米でも20人から30人学級が当たり前です。ところが安倍政権は、国会が全会一致で決議した〝小中学校の35人学級の全学年実施〟に7年連続で背を向け、35人学級を小学校1年と2年でしか認めていません。国として35人学級を早期に全学年で実施し、地方独自の教員加配などの措置とあいまって、少人数学級を推進することは重要な課題です。このことは、2010年の中央教育審議会初等中等教育部会提言でも、「40人という学級規模では学級経営が困難」と指摘されている通りです。

 一方、過労死ラインを大幅に超えて仕事をされている教師の働き方改革の観点からみても、少人数学級実現のため定数改善を行い、教師がゆとりをもって子どもに向き合うことができる体制をつくることも必要です。

 よって、本請願趣旨で言われている通り、子どもたちに豊かな人格としっかりとした学力を身につけてほしいという国民の願いにこたえるためには、少人数学級の実施など教育条件の改善を図ることが必要です。国がいつまでも決めたことを実行しないのであれば、兵庫県が小学校4年生まで35人学級を実施されていることから、引き続き中学3年生まで35人学級の実現を求めることは、含意妥当と考え、賛成するものです。

請願第6号 『核兵器禁止条約』に署名・批准を求める意見書提出のお願い

 次に、請願第6号 『核兵器禁止条約』に署名・批准を求める意見書提出のお願い についてです。

 「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」、いわゆる「核兵器禁止条約」は、国連において、国際条約として、2017年7月7日、122か国・地域の賛成多数により採択されました。なお、日本政府は、この条約に反対し、国連会議に参加しませんでした。一方、核兵器禁止条約の国連総会への採択を含め、条約の推進には核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の貢献が大きいとされ、同団体は2017年10月6日にノーベル平和賞を受賞されました。2年半が経過した2019年12月現在、署名国80カ国、批准国は34カ国となりました。この条約は、50ヵ国が批准して90日後に発効することになっていますが、発効まで時間の問題となっています。

 この条約の前文には、日本語の被爆者という言葉がそのまま使われ、「ヒバクシャが受けた、容認できない苦しみと被害を心に留める」と記されています。広島、長崎の被爆者が、長年、壮絶な被爆体験を世界中で語り続け、核廃絶を求めてきたことへの敬意が込められています。その上で、「国際人道法に反する」として、核兵器の「開発」や「保有」それに「使用」などを禁じるとしています。さらに、核兵器の使用を前提にしての「威嚇」も禁じています。これは、核抑止の考え方を明確に否定することを意味しています。

 この条約のその他の特徴は、1つには、この条約は必ずしも実際に存在する核兵器を直ちになくすものではなく、核兵器は残虐兵器であり、残虐兵器である核兵器を非合法化するということ。2つには、核不拡散条約(NPT)条約の欠点である保有国と非保有国の不平等性を改めたという点。3つには、核兵器に関わる主要な活動、生産・保有・移転・移転の受領・使用と威嚇・支援と勧誘など、ほとんどを明確に非合法化し、同時に核兵器被爆者、被害者への支援が締約国に義務付けられていること。 4つには、核兵器保有国が一つも参加しなくても条約が発効するという点です。

 日本政府は「核兵器保有国も同意できる内容でない。非現実的だ」「コンセンサスが必要だ」と署名も批准も拒否しています。日本政府のいう核兵器保有国も含む合意ということに関していえば、日本やアメリカも批准しているNPT条約があります。もともとこの条約は核保有国が核独占体制を維持するためにつくられたものですが、第6条で核軍備撤廃の交渉義務を明記したことで、NPT再検討会議での交渉は一定の前進が作られてきました。しかし20年経ても核兵器廃絶は実現できず、核兵器は逆に増大しています。これが現実です。一方、これまでのNPT再検討会議での到達点を踏まえ、核兵器廃絶への道筋をどう切り開くのかが、国際社会に問われています。それが核兵器禁止条約です。

 日本政府は、アメリカの「核の傘」への依存を強め、世界の流れに逆行しています。核保有国と非保有国との橋渡しをするといいながら世界で核兵器保有国は増えました。圧倒的多数の核兵器禁止の声にアメリカと歩調を合わせて背を向けることで、核保有国と核兵器禁止を願う国々との溝をさらに大きくしてきているのが今の日本政府が果たしている役割です。

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が広島、長崎などを訪問され、その地でスピーチをされました。その内容は、戦争のための原子力を使用することは、犯罪以外何物でもなく、人類とその尊厳に反する。核兵器の保有は、それ自体が倫理に反している。紛争の解決策として、核兵器の脅威による威嚇をちらつかせながらどうして平和を提案できるのでしょうか。核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際的な法的原則にのっとり、飽くことなく迅速に行動し、訴えていく。などと述べられ、核兵器のない世界が可能であり必要であるという確信の下、核兵器が人類にもたらした惨禍を真正面から受け止め、核兵器廃絶への決意とともに、核兵器禁止条約の実現に向けた不退転の決意も述べられたことは、政府も深く受け止めるべきことです。

 日本政府に求められているのは、唯一の「戦争による被爆国」であり、多くの被爆者の苦しみをわが事として受け止めることであり、その思いを国際社会に向けて発信し、世界から核兵器の脅威をなくすために努力することではないでしょうか。そのためにも、世界の核兵器禁止の流れに遅れることなく、速やかに署名・批准すべきと考えます。

 今回、「伊丹市原爆被害者の会」から提出されている請願は、被爆の当事者からの請願であり、請願書にもあるとおり、「この願いが被爆者のみではなく、国民的意義があること」を伊丹市議会としても思いを重く受け止めるべきです。

 よって、本請願に賛成するものです。

 以上、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、賛成討論といたします。