久村真知子:2020年9月議会 本会議一般会計決算 認定に同意できない立場からの討論

一般会計決算 本会議  認定に同意できない立場からの討論

2020年10月5日
日本共産党議員団 ひさ村真知子

 ただいま委員長より発言の許可をいただきましたので私は日本共産党議員団を代表して報告第9号令和元年度伊丹市一般会計歳出歳入決算の認定に同意できない立場から討論いたします。

 2019年度は、消費税が10月に10%に増税された年であります。増税の根拠とした毎月勤労統計は、実質賃金はマイナス0.5%であったのを、不正調査を行い、かさ上げされた状況で、消費税引き上げが行われました。その上実質家計消費支出は年額25万円も落ち込んでいる状況でした。安倍政権下での景気判断そのものが誤っており、市民のくらしは一層悪化すると予算審議の時にも指摘してきました。

 実際に市民に与えた影響は、実質GDPは、連続マイナス前期比7.9%に落ち込み、個人消費は前期比8.2%の減、年率28.9%減と落ち込んでいます。そのうえ今年のコロナウイルス感染症の広がりの影響で、雇止めを含む解雇数は6万人と厚生労働省発表は公表しています。

 また、年収200万円以下のワーキングプアーと言われる人については、総務省公表の「労働力調査2019年平均」では、年収が200万に満たない雇用者数は1,874万人であり、全雇用者5,660万人の約33%を占めています。男性より女性の方が多く、非正規職員の割合が影響しているようです。

 市内でも当然、年金生活の高齢者や不安定雇用の市民がその影響を受けて、今後の市民生活はより一層苦しくなります。この様なときこそ伊丹市として、市民の声に耳を傾け、市民生活を守り、福祉や教育の充実のための施策が一層求められます。このような立場から意見を述べます。

① 初めに、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編の問題です。

 市立病院あり方検討委員会からの報告は市立伊丹病院と近畿中央病院を統合し、高度急性期医療に対応する600床の病院にする方向が出されました。現状より200床減となることや、近畿中央病院が現状のところから移転すること等市民は大きな不安を持ちました。丁寧な説明を行うとされていましたが、市立病院あり方検討委員会は非公開とされるなど住民の安心できる医療体制を十分に説明ができたとは言えません。そのことは、統合再編に反対する署名が1万8000名を超えたことにも現れています。今後は近中跡地に医療機関を誘致されるとともに、新病院の在り方に関しては、専門家や市民の声を聴き、安心できる病院とされることを求めます。

②全国学力テストについてです。

 全国一斉学力テストに参加することによって、結果として平均点を上回ることが教育の基準に置かれています。全国平均を目安にする教育でなく、伊丹での子供たちの学力、育ちに毎日真摯に向き合っている教員の声にしっかりと耳を傾ける教育を行うべきではないでしょうか。
 全国学力テストの参加も、伊丹市独自の学力テストもやめるべきです。

③空港問題についてです

 存続協定には、「環境基準の達成に向けて不断の努力をする」と明記されています。そのため関西エアポートは、低騒音機の導入を行っているが、いまだに環境基準は達成できていません。しかし、市長は、「伊丹空港の安全と環境の確保を前提として国際便の復活」を要望しています。日々環境基準を超える騒音にさらされている地域住民からは、国際便導入等の理解は得られません。

次に要望することについて述べます。

1.公共施設再配置計画に基づく、共同利用センターの今後の在り方についてです

 市長は地域力が大事と言いながら、地域のコミュニティ活動の拠点である共同利用施設の 統合再編を進めています。 共同センターは、災害時の避難所ともなっており、地域の様々な方が趣味の活動等を行い住民のつながりの場となっています。センターの統合再編については、財政上の都合での一方的な説明でなく、地域の声に耳を傾けることが大事ではないでしょうか。今後のコミュニティ活動についての対応策も納得のいくものにすること等、市民の要望に沿うような形にすることが必要と思います。

2.中学卒業までの子ども医療費の無料化について

 兵庫県下では12市町で、高校3年生までの医療費の助成を行い。中学3年生までの無料化は36市町が行っています。子育てには費用がかさみますから、医療費の支援があれば助かるという声も多くなっています。子どもの貧困が問題となっている今の時期に、多くの自治体が行っているように、伊丹市でもせめて義務教育の間の医療費の無料化を実現すべきです。

3. 公立幼稚園の跡地活用と認可保育所の増設について。

 閉園となった公立幼稚園の跡地利用については、子どもたちの公園など子育て世代や地元住民の要望を聞くとともに、認可保育所の増設も含め検討を求めます。

4.平和推進事業について

 戦後75年、二度と戦争はしないと決めた憲法施行から73年の年になりました。しかし安倍内閣は、安保法制すなわち戦争法を作り、日本を戦争できる国つくりへと進めてきました。また唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約を批准しようとはしません。新内閣はその方針を引き継いでいくと明言しています。しかし、核兵器をなくしてほしいと訴えられている原爆被害者の方々の思いに賛同され、「核兵器禁止条約」に46カ国が批准し、あと4カ国で、条約が発効します。日本非核宣言自治体協議会に加盟している伊丹市として、多くの平和を願う市民との共同で、核兵器禁止条約の批准を国に求めるとともに、戦争体験を地域でしっかりと継承し、憲法にそって平和行政を一層拡充されることを求めます。

5.小中学校での20人程度の少人数学級の実現を。

 伊丹市は小学校4年生まで35人学級ですが、5年生以上は、40人学級です。子どもたちの顔を一人一人見ながら落ち着いた環境で勉強するためには、少人数学級が望ましいと思います。特にコロナ禍での分散登校で改めて、三密を避けることも含めて、少人数学級の必要性が認識されました。子どもたちに目が届き、安全な教室で学習するためには、20人程度の少人数学級を求める声が高まっています。このような中で、文部科学省は、2021年度予算案概算要求に公立小中学校での少人数学級の検討を織り込みました。

 しかし、今回の要求は規模も進め方も記されない「事項要求」となっています。引き続き国に対して強く要望されることを求めます。

 そのほか本会議や委員会で要望しました内容については、是非検討・実施いただくことを求め討論といたします。委員各位のご賛同をお願いいたします。

日本共産党伊丹市議団ニュース359号を発行しました

新型コロナウィルス感染症対策

日本共産党伊丹市議団ニュース 第359号

2020年4月20日 日本共産党伊丹市議会議員団

新型コロナウィルス感染症対策
「自粛と補償は一体で!」
 党議員団 市民の要求をくみあげ、提案・要望を提出
 日本共産党議員団は、アンケートや聞き取りによって寄せられた意見・要望を議会「災害対策支援本部」を通じてそのつど市長に届けています。
 以下、最近の要望と回答をお知らせします。

 日本共産党伊丹市議団ニュース359号はこちら(PDF)

 

2020年3月議会 ひさ村真知子:後期高齢特別会計 伊丹市病院事業会計 反対討論

令和2年度 議案12号「後期高齢者医療事業特別会計」
議案第18号「令和2年度伊丹市病院事業会計予算」 

日本共産党伊丹市議会議員団 ひさ村真知子

 ただいま議長の発言の許可をいただきましたので、私は議案12号「後期高齢者医療事業特別会計」並びに、議案第18号「令和2年度伊丹市病院事業会計予算」に反対の立場から討論いたします。

議案12号 2020年21年度における保険料の引き上げを行うもの

 初めに、議案12号についてですが、この議案は、2020年21年度における保険料の引き上げを行うものです。

 保険料の改定は均等割り額を、現行より月額210円、年額2516円引き上げ、月額4281円、年額51371円とし、所得割率も現行10,17%を0,49%にするものです。

 このことによって、平均年保険料額は、現行82,186円が3,331円引き上げられ、85、517円となり、4,05%の引き上げとなります。

 この引き上げに対しては、令和元年度末の給付準備基金残高見込みの123,9億円を全額活用し、一人当たりの保険料の上昇幅を抑えたとされていますが、保険料は改定のたびごとに引き上げられています。また賦課限度額も現行62万円から2万円引き上げ64万円となります。この保険料引き上げは、75歳以上の人口が増加すること、同時に医療費が増えることで保険料に跳ね返る仕組みになっているためで、今後も引き上げが行われる事になります。このような仕組みは、高齢者の生活がますます苦しくなる要因となり、健康も守れなくなってしまいます。

 よって議案12号は、後期高齢者の保険料改定が含まれているため本議案に反対といたします。

令和2年度伊丹市病院事業会計予算

 次に、議案第18号「令和2年度伊丹市病院事業会計予算」についてですが、

 この議案は、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編を前提に、「統合再編基幹病院整備費」として、用地測量・物件調査委託料6千6百33万5千円、基本設計委託料2億4千万円(240、000千円)、債務負担行為として実施設計委託料3億2千7百万円(327,000千円)が計上されています。

 市立伊丹病院と近畿中央病院を統合再編し、医療の充実を謳っていますが、病床数は600床となり、両病院のベッド数を合わせれば800床ありますから、200床も減るという事になるわけです。統合により、近畿中央病院がなくなることに対し、60年間利用してきた市南部の市民から大きな不安の声が上がっています。それはすでに市長あてに提出された、1万6千筆の署名にも表れています。 

 この間、伊丹市は住民説明会等、市民への説明を行ってきたとされていますが、地域住民が十分納得出来ていないのが実情です。市民にとっては、健康と命がかかっている問題です。市内でも、今後高齢者が増加すると予測される中で、ベッド数を削減することは、市民の医療を受ける権利を保障することは出来ません。

 国においても、統合再編を求める全国の公立・公的病院名を、昨年9月に公表しました。このことに関しては「地域の特性を無視している」等、批判が集中しました。このような国の流れの下に統廃合、病床の削減など行うことは、地域医療の充実ではなく崩壊の方向となってしまいます。

 今回の新型コロナウイルス問題でも、医療への不安が増しています。統合でベッド数を減らすのでなく、どちらの病院でも感染症対策が行えるようにしていただくことを市民は求めています。

 伊丹市病院の建て替え充実が必要な事は認めますが、近畿中央病院との統合を前提にした「統合再編基幹病院整備費」については認めることは出来ません。「整備費」以外は賛成ですが、それらが含まれている議案第18号に対しては、反対といたします。

病院統合再編に関するパブリックコメントの結果(3月13日)

3月13日に当局から説明のあった、病院統合再編に関するパブリックコメントの結果についての資料です。

 「市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編に係る基本方針」(案)についてのパブリックコメントの実施結果について(PDF)

 議員向け通知(PDF)

 

2020年3月議会 上原ひでき:代表質問の予定内容(3月4日)

3月4日の上原秀樹議員 代表質問の予定

2020年2月28日
伊丹市議会議員  上原 秀樹

1.市長の情勢認識と対応について

1)消費税増税の影響と国民の暮らしについて
2)安倍政権による「全世代型社会保障改革」について
3)核兵器禁止条約の批准を、市民あげて国に求めよう

2.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について

1)回復期病床をどうするか
 伊丹市として具体的にどのようにして病院を誘致しようとお考えなのか、改めてお聞きする。

2)市内南部、尼崎市北部からの交通アクセスについて
 近畿中央病院に通院・入院されている人からの調査が必要だが、どう調査するのか。同病院の周辺住民への説明も必要と考えるが、見解を聞く。

3)医師会等との連携について
「保健医療分野」を独立させ、地域医療に関して具体的な計画として市民に示す必要があると考えるが、見解を聞く。

3.新型コロナウイルス対策について

4.子ども・子育て施策について

1)公立幼稚園の3歳児全員入園の状況と今後の公立幼稚園のあり方について
2)保育所3歳から5歳児の副食費に補助制度をつくることについて

5.公立学校における1年単位の変形労働時間制について

 教育委員会の「変型制」に対する見解を改めてお聞きするとともに、伊丹市教育委員会として今後どのような方法で学校、教員の意向を調査されるのか、また兵庫県教育委員会の考え方についてもお聞きする。

6.伊丹市営住宅整備計画(案)について

1)市営住宅目標管理戸数を1,700戸と設定することについて
①将来の著しい困窮年収未満の世帯の収入基準はどうなっているのか。その基準が収入分位25%以下となっている理由は何か。
②安倍政権による「全世代型社会保障制度」での社会保障負担増、年金引下げ等の社会的要素は含んでいるのか。

2)長寿命化等改修計画について
①エレベーターの設置箇所を増やすことについて見解を聞く。
②改修内容に住宅の内装の改修もすべきではないか。

3)市営住宅の建て替えについて
 10年間は建て替えしないとされているが、10年後の見通しをどう考えるのか。

7.マイナンバー制度について

1)現在のカード発行の体制について
市民の重要な個人情報を取り扱う職場で臨時職員任せには問題があるのではないか。
2)今後の対応について
政府のカード交付の予算拡大に対して、伊丹市としてはどのような体制をとられるのか。正規職員の配置はどうなるのか。

日本共産党伊丹市議団ニュース356号を発行しました

3月議会始まる

日本共産党伊丹市議団ニュース 第356号

2020年2月20日 日本共産党伊丹市議会議員団

伊丹市議会 3月議会始まる 会期2月18日~3月24日
○2月補正予算案審議
○2020年度予算案審議

日本共産党議員団から上原議員が議案質疑 2月21日午前10時~

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日本共産党伊丹市議団ニュース351号を発行しました

12月議会が始まりました!

日本共産党伊丹市議団ニュース 第351号

2019年12月6日 日本共産党伊丹市議会議員団

 日本共産党伊丹市議団ニュース351号はこちら(PDF)

一般質問
上原ひでき議員 12月6日(金)午前10時~

1.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について

1)安倍政権による強引な「地域医療壊し」に対する市長の見解を問う

・厚生労働省による公立・公的病院の統合再編に向けて全国424の病院名を一方的に公表したことについて。

2)伊丹市と公立学校共済組合による共同調査研究事業について

①新たな病院の病床数を600 としたことについて

・高度急性期、急性期、回復期、慢性期における今後2035年、2040年の市内及び圏域における必要とされる病床数に関する見解を改めて伺う。

②近畿中央病院はどうなるのか

・回復期病床を中心にこの地に何らかの形で医療機関を残すことについて、その是非も含めてどのような協議がされたのか、また共同調査研究事業の協議内容の公開を求めたが、どうされるのか伺う。

2.認可外保育施設における指導監督基準を満たしていない施設について

①市内における企業主導型保育事業助成施設、事業所内保育施設を含めた認可外施設はいくつあり、そのうち指導監督基準を満たしていない施設はいくつあるのか。

②指導監督基準を満たしていない施設に対して、どのような指導・監督が行われ、5年間でこの基準を満たすことができるような市としての対策は取られているのか。

③5年間の経過措置は長すぎるとの指摘がある。条例で経過措置の期間を短縮、その間に基準を満たすようにする必要性もあると考えるが、見解を伺う。

④認可外施設において、万が一事故が起こった場合、指導監督基準を満たしていない施設でも認可施設と同様の補償を受けることができるような対策は取られているのか。

一般質問
ひさ村真知子議員 12月6日 午後3時~

1.生活保護の運用に関して

① 最近の生活保護受給者の状況は
② 今後の受給者についての見解は
③ 住宅を借りる中でのトラブルはどのようなものがあるのか
④ 家賃などに関して厚生労働省からの通知が出ているが、どのように運用しているか
⑤ 受給者である人のDV対応に関して
⑥ リバースモーゲージ制度の今後について

2.体罰問題と子どもの権利条例について

① 学校教育法で禁止されている体罰はあってはならないことがなぜ根絶できなかったのか
 子どもの権利条例を策定することに対しての見解は

○恒例の年明けの議員団駅頭・庁舎前街宣は 1月6日(月)です。

  JR伊丹駅西口 午前7時15分
  市役所前    午前8時30分

2019年9月議会 上原秀樹:市立伊丹病院検討特別委報告

2019年9月議会 「市立伊丹病院検討特別委員会」報告

2019.10.23
日本共産党伊丹市議会議員 上原秀樹 上原秀樹

1)10月23日 議会「市立伊丹病院検討特別委員会」での伊丹市の報告

伊丹市と公立学校共済組合(本部=東京)との協議の結果、「中間報告」として以下のことが報告された。

①二つの病院を統合して1つにし、高度急性期医療を担う病院として、病床数は600床とする。
②新しい病院は、現地で若干土地を広げて建て替えをする(桃寿園、松風園は移転して新築)。
③協議の中では、近畿中央病院は現地には病院は残らないとの結論を出している。

2)質疑の中で出した「中間報告」の問題点

①近畿中央病院がなくなること。

・中間報告では二つの病院を統合するという説明だが、南部地域から病院がなくなるということについて1万筆を超える署名も提出されている。身近なところで医療にかかりたいというのが市民の声。市内の診療所も患者が通いやすいところを紹介するといわれている。市民病院は市内中心部に位置するが、今まであった南部の急性期医療を提供する病院がなくなることは、大変不便になる。その認識はないのか。
新病院は両病院の入院患者はすべて受け入れられる。立地場所も市内の中心地になるので利便性もよい。
近畿中央病院では、患者数が減少することで建て替えを断念した。

近畿中央病院を一定の規模で残し、市民病院と連携することで維持できるのではないか。
市民病院も入院在院日数が減れば患者も減っていく。そのことで医師が減ればチーム医療ができなくなる。働き方改革もしなければならず、そうなれば救急もできない。たとえ200床規模の病院を残したとしても、当直も救急もできない。そんな病院とは連携できない。

近畿中央病院は「職域」は外せないといっているが、どうなるのか。現地にはそのことも含めて全く近畿中央病院の機能はなくなるのか。
まだ調整中で、詳細はこれから詰める。近畿中央病院の機能がなくなるかどうかは現時点では答えられない。

・近畿中央病院の地に病院を残すかもしくは新たな病院を誘致するか、現在の協議の中で、また兵庫県との調整会議の中で伊丹市南部と尼崎市北部の医療需要を踏まえて検討することを要望する。

②病床数約800床から600床へ200床減少でいいのか。

・伊丹市の人口推計に関して、社人研の推計では2030年には18万8千人、市の地方創生人口ビジョンでは20万人で、その1.06倍となっているが、600床で十分か。
6%増で想定して585床が620床になるが、2040年までに在院日数が減れば600床で対応できる。

・在院日数が10年間で3日減ったというが、今後も同様のことが言えるのか。短縮できたとしても、新病院になったとたんに減るわけではない。
医療技術の進歩で必ず減少する。

・現在2つの病院に入院されている「回復期」の一部の患者(退院調整中の88名)を切り捨てようとしているのではないか。
一時的にはすべての患者を受け入れることを想定している。回復期の患者も様々な症状がある。時間をかけてこのような形にしていく。

・市内の回復期の受け入れ先はあるのか。
現在320床で稼働率70%、100床は空いている。個々人様々で、回復期、リハビリ、在宅、地域包括ケアなどに移行していくことになる。

・新病院の病床稼働率を90%と見込んでいるが、高すぎる見込みと考える現在の稼働率で割り戻すとどうなるのか。
659床になる。

・(新潟県の例)一般的に高度急性期は75%、急性期は78%を想定している。尼崎の総合医療センターは82%になっているではないか。90%はありうるのか。
箱が先で計算するとそうなるが、今回はマーケットで計算して箱をつくる。加古川のケースでは91%92%となっている。尼崎の場合は、特定集中治療室があり、施設基準で病床数が決まっているので空きが存在する。

・高度急性期医療に対応する病院となると、宝塚や川西からも患者が来ることになるが、そのことは想定されていないのではないか。
現在市外の患者は35%、対応可能と考える。市内完結率80%を想定していて、すべて見るのは難しい。(阪神)圏域内で考えないといけない。

③今後の進め方について

・現在協議中の議事録は公開しないのはなぜか。公開すべき。
突っ込んだ話し合いや不安を与える内容もあるので、公開する気はない。
(市長)外交の駆け引きを公開しないのと同じ。いろいろ問題もあるので駆け引きもある。結果的に公開すれば不利になることもある。合意点だけあればいいと思う。どこまで出せるか検討しなければならない。
両者合意のできた内容で発表する。協議の上整理していきたい。

・今回の「中間報告」の説明会が3回だけとなっている。地域から要望があれば説明会をするのか。
様子を見ながら検討する。

・結論を12月に出すとなっているが、拙速すぎるのではないか。
4年間検討してきたので今年度中に結論を出したい。

・再編ネットワークの関する財政上の特例措置との関係は。
2020年までとなっているが、国に延長を要望している。

・方針案を策定するというが、近畿中央病院はどうなるのかも示すのか。
両病院の形を示したい。
近畿中央病院は新たな病院として現地に作ることは組合員のためにならないとの考えを聞いている。

〇建設費はどうなるのか。
姫路播磨734床で350億円かかっている。
県の補助に関しては、再編ネットワーク債、基金の活用を県に要望している。

〇完成時期はいつか
来年度基本設計、詳細設計2年、工事3年で新病院完成は5~6年後。
(市長)西宮市の完成が2025年なので、西宮より先にしたい。

〇運営形態はどうするのか。独立行政法人は議会の関与がないのでやめてほしい。
(市長)公営企業法の全部適用(現在)か独立行政法人化いずれか。

2019年9月議会 上原秀樹:代表質問

2019年9月議会 代表質問

2019.9.17
日本共産党議員団 上原秀樹

1.総務省「自治体戦略2040構想研究会」報告に対する市長の見解を問う

 総務省の設置する「自治体戦略2040構想研究会」から、昨年の4月に1次、7月に2次の報告が出され、すぐに第32次地方制度調査会への諮問に引き継がれました。この「構想研究会」の戦略目標は、「人口縮減時代の新たな社会像の構築、基本施策の開発、自治体行政の大胆な書き換え」であり、その中身は市町村行政のフルセット主義からの脱却、スマート自治体への転換、「圏域」単位での行政の推進です。

 急速に進む人口減少社会への対応、持続可能な地域・自治体づくりは、喫緊の課題であり検討が必要なことは言うまでもありません。問題はその報告、中身、進め方が正しいのかどうか、検討する必要があります。これに対しては様々な諸説がありますが、問題と思われる点を取り出し、市長にその見解をうかがいたいと思います。

 一つは、「2040年頃に迫り来る危機」と言っていますが、これらはすでに提起され、「地方創生」政策として伊丹市も含めて国も自治体も一定の対策を講じています。報告書はその努力や成果を考慮せず、「危機」ありきで今から自治体のあり方を大胆に「書き換える」先取り的な改革が必要と提起しています。福島県相馬市長は「地方創生にがんばろうとしている努力に水を差す以外何物でもない」「努力の成果も検証できないうちに2040年にはダメになるからという議論は適切か」と提起しています。

 二つには、「「迫り来る危機」を強調し、政府側の戦略・手法に沿った全国画一的な対応を上から押し付けようとしていることです。熊本県嘉島町長は「上からの押し付けではなく、選択可能な制度や仕組みを準備することが重要だ」と提起しています。

 三つには、スマート自治体への転換、自治体の執行体制のスリム化(半減化)です。報告書では、2040年ごろには現在の半数の職員でも業務に対応できるようにする」「AI・ロボティクスによる自動処理」ができるようにするとしていますが、自治体の事務・事業の性格、内容を踏まえた検証が必要です。安倍政権の狙いは、自治体・公務の民営化、外部化、産業化の推進であり、すでに様々な手立てが講じられ、各地で問題となっているところでもあります。

 四つには、人口減少・少子高齢化の問題についてです。日本の出生率低下は以前から指摘されてきました。政府は幼児教育・保育の無償化を打ち出しましたが、消費税増税とセットです。1993年1.66から2010年2.0に上げたフランスや1999年1.5から2010年1.98に上げたスェーデンのように、なぜ日本の場合は家族給付や出産・育児と就労支援の両立支援など、若い世代の生活実態に寄り添った措置を講じて、計画的、系統的に改善を図ってこなかったのか、このことが今日の「危機」を作り出しています。一方、各自治体では子どもの医療費無料化など様々な施策や住民参加の取り組みで、持続可能な自治体に向けて努力をしています。このことに目を向けず、国民の税金をアメリカいいなりで武器を爆買いする一方で少子化対策には十分な税金を使わず、規模のメリットやサービス提供の効率性をことさら強調し、小規模自治体の自治の機能、役割、権限を縮減し、再編を迫るのは本末転倒です。

 いずれにしても、この報告は今後の自治体のあり方をめぐって重大な問題を提起していると思います。市長はどうお考えでしょうか。見解をお聞きします。

2.財政問題について

 2018年度決算による各種基金残高を見ますと、財政調整基金は73億600万円で標準財政規模に対して17.8%、公債管理基金は20億5,700万円、公共施設等整備保全基金は50億6,100万円となっています。順調に、ほぼ計画通りに基金の積み立てをしてきたとされますが、市庁舎の建設費に加え市立伊丹病院の建て替えも重なり、行革プランの財政計画に新たな問題が生じることになりますが、このことに対する認識についてお伺いします。

3.2018年度予算審議で問題点として指摘した主な事業から

1)幼児教育施設の再編について

 2017年度から2018年度にかけて、公立幼稚園と保育所の統合再編が市民の間で大きな議論となりました。結果として修正された再編計画が可決されるとともに、この計画を策定するにあたって市民から「施策の進め方が拙速すぎる」「さらなる説明を求める」との請願が提出され、採択されました。このことを踏まえ、市長は、このことを真摯に受け止め、これら請願や常任委員会で可決された付帯決議について、その趣旨を尊重しつつ施策を進めるとされました。当初予算における市長のこの提案説明通りに進めてきたのかということです。付帯決議の主な内容に関してお聞きします。

 一つは、「市民への説明責任を果たすために、伊丹市幼児教育推進計画に固執することなく市長も含めた当局と保護者、地域住民等で十分協議すること」についてです。当局は昨年度、説明責任を果たすといって各小学校区では2回にわたって説明会を開催されました。しかし、協議という形式ではなく、当局が説得する会議になっていたのではないでしょうか。付帯決議での「推進計画に固執することなく」「十分協議すること」を市長は尊重されたのでしょうか。

 二つには、「公立幼稚園が閉園となる場合、跡地は教育、子育てのために活用すること」ですが、この点では跡地利用については教職員、保護者、地域住民との協議を十分行うことが要望されていました。十分協議されているのでしょうか。教育委員会があらかじめ跡地利用を決め、説得されることはないのでしょうか。

 三つには、「3歳児の希望者全員が幼稚園に入園できるようにすること」「特別に支援が必要な子どもは、全員が身近な幼児教育施設に入園できるようにする」ことです。見通しはどうでしょうか。

 四つには、「施行日は当該地域の関係者の声を聞くとともに、当該地域の保育ニーズまたは幼児教育ニーズを的確に把握したうえで決定すること」です。施行日は7月1日に決められました。関係者の声を聞き、保育・幼児教育のニーズを把握されて決められたのでしょうか。

2)教職員の働き方、教員の増員について

 党議員団は、当初予算への討論で、一昨年11月の調査によって月当たりの時間外勤務が教諭で45時間の厚生労働大臣告示を超えるとともに、管理職では「過労死ライン」といわれる月80時間以上を上回る実態が明らかになったことから、その改善を求めるとともに正確な勤務時間の把握、35人、30人学級の実現を国にも要求することなどを求めました。また12月議会では、日本共産党の提案を具体的に示す中で、答弁では、伊丹市における時間外勤務は、月当たり小学校で39時間、中学校で82時間、教頭も80時間を超えていること、このことに対して伊丹市として「学校における働き方改革基本方針」を策定し、様々な取り組みすることで、2020年までに月45時間以内の時間外労働をめざし、2020年までに現在の時間外労働時間を20%削減するとされました。小中学校におけるこの間の働き改革の成果はどうでしょうか。何よりも、子どもに向き合う時間を増やすことができるような改革となっているのでしょうか。お伺いします。

 党議員団は、教職員にとって子どもに向き合う時間を増やし、教員としての初心が生かされ、働き甲斐のある職場にするためには、学校における有効で具体的な改善を徹底して行うとともに、教職員の定数改善、教職員の増員が最も重要であるとして、このことを要求してきましたし、教育委員会も同様に国に求めています。しかし安倍政権は十分この声に応えていません。

 さらに、党議員団は小・中学校における非正規の教職員よりも正規の教職員を増員することも求めてきました。現状での正規の教員と非正規の教員の数はどうなっているのでしょうか。この5年間で見ると正規の教員の割合は増えたのでしょうか。お聞きします。

 また、働き方改革改善のためにも全国学力テスト、市独自の学力テストの廃止も求めてきました。毎年毎年同じような学習状況調査をして全国平均に一喜一憂、テストの問題に対しては平均点にも一喜一憂し、その出題傾向と対策が出されるということをされていますが、当たり前のことが書かれているようです。毎年しなければならないのか。数年に一度、抽出調査で十分ではありませんか。改めて見解を伺います。

4.市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について

 この問題に関しては毎議会、過去5回の質問を行ってきました。先の6月議会では、①救急医療や高度急性期医療を担う病院の必要性は認めながら、病床数は別として二つの病院を残し、連携によって地域医療を充実させること、②2040年までは入院医療需要は増加すること、県の医療構想でも急性期病床数は現存させて、その後回復期等への転換の必要性に言及していることから、二つの病院の病床数約800床は減らすべきではないこと、③統合等の連携後の経営主体は地方独立行政法人とされる可能性があることから、議会の関与がなくなること等の問題点を指摘し、質問しました。しかし、近畿中央病院・公立学校共済組合との協議中であること、病床数は医療需要調査の結果によるものとして、明確な答弁はありませんでした。
 そこで今回お聞きすることは次の点です。

①この間、地域への説明会、シンポジウムを行ってこられましたが、それらを通して、当局は市民の要望をどう捉えたのでしょうか。

②医療需要調査の方法について6月議会でもお聞きをし、レセプトデータや両病院の診療報酬データを活用して患者数の分析を行うとの概略は答弁いただきましたが、将来の医療需要の予測はどう調査されるのでしょうか。調査方法を具体的にお示しください。

③6月議会では、地方独立法人化について、議会の関与がなくなることを指摘しました。すなわち、3年以上5年以内の中期目標に関しては市長が定めて議会の議決は必要ですが、中期計画は市長への許可、年度計画(予算)は市長への届け出、決算にあたるものは市長に提出するとともに議会には報告だけとなり、明らかに議会の関与は極端に減少することになるのではないでしょうか。

④10月には両病院との協議の中間報告をされるとお聞きしています。どこまで協議の内容と市の考えを明らかにするのでしょうか。
 以上のことに対する見解をうかがいます。

5.外国人労働者受け入れと自治体の役割、多文化共生政策について

 昨年12月に外国人労働者政策を大転換する出入国管理及び難民認定法改正が成立し、今年4月に施行されました。いわゆる特定技能制度を規定する同法の法案は、具体的な制度内容の大半が省令にゆだねられるとともに、現在の外国人労働者の労働基準法や最低賃金すら守られていない過酷な働かせ方に対する反省も改善策も不十分なまま、政府が資料として提出したデータの根本的な誤りや改ざんが指摘される中での強行でした。

 大きな問題を残して施行された法律ですが、いずれにしましても、海外からの労働者とその家族は全国的に増加する傾向にあり、現在でも、市内に約50カ国、約3,200人の外国人が居住され、この人たちに対する様々な支援が行われており、今後、より充実した取り組みが必要です。

 第5次総合計画の中の「多文化共生のまちづくりと国際交流」の中で、外国人市民の審議会委員への登用、多文化共生の教育、利用しやすい相談体制や情報提供、災害時等での情報提供等が盛り込まれています。そこで、今後多文化共生政策を充実していくうえで、次の点をお聞きします。

①市民・事業者(企業)・ボランティア団体などと協力して外国人市民に関わる施策などを体系化して推進していくために、改めて「多文化共生社会推進方針・計画」を策定する必要があるのではないでしょうか。「社会的包摂」の立場で、市民と一緒に方針・計画をつくることが、市民の理解と協力も増えることになります。

②その際、伊丹市の歴史的経過から在日コリアンが多いことを踏まえ、ここでも改めてその歴史的経過も明らかにして「内なる国際化」の方針を明記することが必要です。特に政治の上で韓国、北朝鮮との関係が複雑化されているもとで、市民との交流は大事です。

③今年度のことば蔵における多文化共生事業はどうだったか。また、今後伊丹マダンの位置づけをどうされるのでしょうか。
 以上、お伺いします。

6.情報公開条例と公文書管理のあり方について

 国において、森友学園や加計学園問題や陸上自衛隊南スーダンPKO派遣部隊の日報問題、裁量労働制データー、毎月勤労統計不正など、安倍政権のもとで、政権にとって都合の悪い文書の公開を拒否し、さらには公文書の違法な隠蔽、改ざん、破棄、ねつ造が行われてきました。国民に真実の情報を公開することなくして、民主主義は成り立ちません。

 情報公開制度は、何人からの請求にも、政府が保有するすべての情報を原則として開示する制度です。それは、国民の知る権利を保障すると同時に、政府に対してその諸活動について国民に説明する責任を課すものです。すでに情報公開法と公文書管理法が制定・施行され、公文書を「国民共有の知的資源」と位置付け、行政機関に「政策決定過程を記録に残すこと」を義務づけています。

 伊丹市における公文書管理はどうでしょうか。伊丹市は「伊丹市情報公開条例」において、市民の知る権利の尊重、公文書の公開を請求する権利の保障が明記され、第22条では「この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理する」とされています。伊丹市は「伊丹市公文書取扱規則」を定めておられますが、情報公開条例と連動した公文書の位置づけが不足しているのではないかと考えます。

 国における公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付けたうえで、「現在及び将来の国民に説明する責務」を果たすため、行政機関が「経緯を含めた意思決定に至る過程」を「合理的に跡付け」「検証する」ことができるよう文書を作成することを義務付けています。そこで次の点をお聞きします。

①伊丹市においても、国の公文書管理法を参考に、公文書の位置づけをきちんと明記し、市民の知る権利の実現の趣旨も併せて「公文書管理条例」を策定してはどうでしょうか。

②行政機関の職員が職務に関して作成・取得した文書、記録、データなどはすべて行政文書として位置づけられているでしょうか。もしそうでなかったら、その位置づけを行い、公文書として公開の対象にすること。

③公文書の保管期限が切れる際、破棄する文書を公開し、市民のチェックを受けるようにすること。

④行政機関に設置されている審議会、専門委員会、ワーキンググループ、今回の病院再編に関わる協議事項等はすべて議事録に記録し、市民がインターネット等で閲覧できるようにすること。

 以上、見解を伺います。

7.国民健康保険事業について

 国民健康保険は、加入世帯主の4割が年金生活者などの無職、3割が非正規労働者で、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、平均保険料は、4人世帯の場合、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍になります。

 全国知事会、全国市長会、全国町村会など地方団体は、加入者の所得が低い国保が、他の医療保険よりも保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、これを解決するために、公費投入・国庫負担を増やして国保料(税)を引き下げることを国に要望し続けています。

 伊丹市の国保加入世帯も、所得のない者16.1%をはじめ、年所得150万未満の世帯が60.9%を占め、その世帯では滞納世帯の74.7%を占めるに至っています。国保税は4人世帯、年収360万円、これは保育の無償化に伴う副食費免除世帯に重なりますが、その世帯で年間約44万円の課税となり、とても払いきれる金額ではありません。 日本共産党は、さらに1兆円の公費投入増で国保料(税)を協会けんぽの保険料並みに抜本的に引き下げ、国保制度を立て直す改革を提案しています。

 そこで次の点をお聞きします。

①国・県へ、公費投入・国庫負担を増やして国保料(税)を引き下げることを要望されているのでしょうか。要望されながらも国が実現できない理由はどこにあると考えているのでしょうか。国が県単位化に移行する際、3400億円を公費投入されましたが、この金額は自治体が法定外繰り入れを行って高すぎる国保料(税)を抑えるためのもので、この金額を公費投入しても、高すぎる国保料(税)は下がりません。

②応能割保険料に、多子・母子・障がい者などの独自の減免制度を、応益割保険料に子どもの均等割り保険料軽減を行うことを求めるものです。

③保険料を納付することによって生活保護基準以下になる場合の軽減制度を求めます。

 以上、見解を伺います。

8.介護保険事業について

 2018年度は、第7期介護保険事業計画が始まった年であり、介護保険料の引き上げに加えこれまでの訪問型基準緩和型訪問サービスに加えて基準緩和型通所サービスを導入し、さらに所得が一定額を超える高齢者の利用料負担を2~3割に引き上げてきました。高齢者世帯においては年金の金額が引き下げられ、その上に介護の負担も増やされれば、生活費が圧迫され、受けたい介護サービスも受けづらくなってしまいます。

 厚労省の見通しによれば、給付削減の改悪がこれだけ繰り返されるもとでも、現在、全国平均で月5,500円である65歳以上の介護保険料は、2025年には月8,100円にまで引き上がります。保険料・利用料の高騰を抑えながら、制度の充実や基盤の拡充を図り、本当に持続可能な制度とするには、公費負担の割合を大幅に増やすしかありません。

 日本共産党は、介護保険の国庫負担割合をただちに10%引き上げ、将来的には、国庫負担50%(公費負担75%)に引き上げることを提案しています。

 そこで次の点をお聞きします。

①基準緩和型サービスの実態(生活援助ヘルパー等)についてです。決算報告書によりますと、要支援1,2の人は18年度決算では2,771人、要介護認定者に占める割合は30%となっています。この人たちへの介護サービスが介護保険給付から外され、介護予防・日常生活支援総合事業へと移行されました。このことによって全体として介護報酬(主に人件費ですが)はどのくらい引き下がったのでしょうか。また、実態として生活援助ヘルパーが足らなくて通常のヘルパーを派遣されているところが多いと聞いていますが、そのことによる介護報酬引き下げで介護事業所の経営が圧迫されているとお聞きします。その実態をどう認識されているのでしょうか。

② 高齢者のサービス利用をはばむハードルとなっているのが自己負担の重さです。ところが、安倍政権は、高齢者の利用料負担を2~3割に引き上げるなど、利用者負担増の改悪を連打してきました。
 これらの改悪を撤回し、利用料の軽減・免除をすすめることが求められています。住民税非課税世帯など低所得者の利用料を免除する国の制度をつくり、経済的な理由で介護を受けられない人をなくすこと。施設の食費・居住費負担の軽減をすすめ、自己負担から保険給付へと戻していくことが必要です。
 また、高齢者の3人に2人は住民税非課税であり、65歳以上の介護保険料(第1号保険料)の負担が生活圧迫の大きな要因となっています。
高齢者本人や家族の貧困が深刻化するなか、国に対してこれら利用料・保険料の軽減措置を求めるとともに、低所得者に対して利用料・保険料が軽減・免除となるよう、市独自の利用料軽減制度をつくることを求めます。
 以上に対する見解を伺います。

9.加齢性難聴者への支援について

 聴力が規定以下で身体障がい者の認定を受けた場合、障害者総合支援法によって補聴器購入時に補助を受けることができます。ただし、認定される規定聴力は高度難聴レベルなので、軽度・中度の難聴では障がい者と認定されません。児童の場合は中程度の難聴であっても、市町村が実施主体となる補聴器購入時の補助制度があります。

 高齢者の加齢による難聴はほとんどの場合、規定聴力に該当せず、法による補助の対象外となりますが、近年、高齢者人口の増加や生活状態の悪化の中で、購入時の補助を実施する自治体も生まれています。

 高齢者は、70歳代の男性の23.7%、女性では10.6%、80歳代では男性36.5%、女性は28.8%の人が難聴者となっているといわれています。難聴になると家族や友人との会話が少なくなり、会合出席や外出の機会が減り、コミュニケーション障害がおこるとされています。さらに、認知機能低下が、正常聴力の人より32~41%の悪化がみられています。現在14.4%しか補聴器をつけていないとの推計もあり、理由の一つが補聴器の価格です。補聴器は3万円くらいから30万円以上のものがあり、平均で15万円と、「価格が高すぎる」との声が多くあります。そこでお聞きします。

①市内における加齢性難聴者の実態を当局はどう把握されているでしょうか。
②検診項目への追加による初期段階からの対応が必要と考えます。
③伊丹市として、補聴器購入助成制度創設を求めます。
 以上、見解を伺います。

10.若者の力をまちづくりに生かすために

 少子高齢化の進行、人口の減少が進む中で、自治会活動等地域の課題解決に困難な側面が生じてきています。その中で、次世代を担う若者が、まちづくりにおいて自らの力を発揮する姿も出てきています。伊丹市においても様々なイベント・行事に企画から携わって力を発揮されています。

 一方、18歳からの選挙権が始まり、高校等における主権者教育も様々な取り組みがされてくるようになりました。しかし、若者全体としての投票率は低い水準で推移しています。

 このような状況で、全国では「若者会議」「若者議会」などという名称で、主権者としての若者の参加を基盤に、若者の視点からまちの現状や将来について議論や提案を行い、時には実践も行うとともに、まちのあり方に決定権も与えるという取り組みが出ています。愛知県の新城市では2015年に若者条例・若者議会条例が制定されています。「若者議会」は、市長の諮問機関としておおむね16歳から29歳の委員20人以内で組織され、任期は1年(再選可能)という形で組織され、そこで提案された施策には年間1000万円程度の予算がつけられるというものです。その中で、教育ブランディング事業が生まれ、小中学生に、若者議会から主権者教育を働きかけるということにも波及しています。そのほかの自治体では自治体のそれまでの取り組みに合わせて創意工夫がされているようです。そこで次の点をお聞きします。

①伊丹市において、「若者会議」若しくは「若者議会」を設立し、若者の提言を市政に反映する仕組みをつくったらどうでしょうか。権利主体として自分が活動する社会に参加し、自分たちが望むまちのあり方を意見表明し、決定に影響を及ぼすしくみです。この取り組みは小中学生の主権者教育にも結び付く可能性もあります。
 見解を伺います。

伊丹民報2019年4月号外 署名にご協力ください

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署名用紙はこちら 上原ひでき版 かしば優美版

  

署名用紙はこちら ひさ村真知子版 服部よしひろ版

 

署名は072-779-3256までご連絡いただくか
   072-779-2828にFAX、もしくはもよりの共産党事務所までお寄せください。

日本共産党伊丹市委員会 伊丹市千憎6-218 TEL072-779-3256

---キリトリ線---

【要望趣旨】

 伊丹市が設置した「市立伊丹市民病院あり方検討委員会」は2月5日、市立伊丹病院は近畿中央病院と統合し、高度急性期医療を担う500から600床規模の阪神北圏域における基幹病院を目指すべきとする「報告書」を市長に提出しました。これを受けて市長は、統合を前提として近畿中央病院(公立学校共済組合)と協議をするとしています。

 しかし、2つの病院が1つになれば身近な総合病院がなくなり、ベッド数を現在の800床から減らせば、必要な入院治療・療養を受けれなくなる事態がひろがります。

 私たちは、両病院の建て替えにあたっては、統合を前提とした協議ではなく、高齢化社会に向けて必要なベッド数を確保して両病院の存続・連携を前提として協議をするべきと考えます。

市立伊丹病院と近畿中央病院の存続と充実を求める要望書

伊丹市長 藤原保幸 殿

【要望事項】

1、市立伊丹病院と近畿中央病院の存続と充実を求めます。