12月市議会 22日最終日
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服部よしひろ,かしばふみ
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来年度予算要望 藤原市長へ提出
日本共産党市議会議員団は、2024年度予算編成にあたり、市民の切実な要求をまとめ、市長へ「2024年度予算編成にあたっての基本的・重点要望書」を提出。
市長、教育長、関係部長と懇談しました。
予算要望提出にあたり、はじめに以下の発言を行いました。
国においても来年度予算における概算要求が出され、今後の予算議会で審議が始まります。その特徴は、大軍拡予算の2年目の予算となりますが、昨年度5.6兆円をはるかに超えた7.7兆円、米軍再編費を含めると8兆円となり、2年間で2.5兆円という以上膨張となっています。その中身は、長射程ミサイルの大量導入が目白押しで、さらに前倒し導入を求めています。自衛隊の「常設統合司令部」を設置し「米インド太平洋軍司令部」の指揮下になる仕組みが概算要求の文書に明記されるなど、憲法無視の大軍拡に突き進んでいます。
一方で、岸田内閣の支持率は軒並み最低を記録していて、行き詰まりは顕著です。
今、国民の暮らしは物価高騰の下で大変な状況に陥っています。「失われた30年」というべき長年にわたる経済停滞と暮らしの困難を打ち破る経済改革が必要だとわが党は「経済再生プラン」を発表しています。
市長には市民の立場から国に対して軍事費より暮らし優先の予算編成を要求するとともに、伊丹市政においては、市民の困難に心を寄せた暮らしを応援する政治が求められています。
以下、2024年度予算編成にあたっての基本的・重点要望を提案しますので、予算に反映していただきますようお願いします。
1.思い切った物価高騰対策を
・ 子育て世帯、低所得世帯への支援を拡充すること。
・ 高齢者・障がい者・幼児教育等の施設への物価高騰支援を行うこと。
・ コロナ禍による事業の疲弊と物価高騰に加え、インボイス制度の強行によって大きな打撃を受けている中小事業者への支援を充実すること。
2.憲法を生かし、人権を守り、市民が主人公、平和の実現に寄与する伊丹市政を
・ 市内の自衛隊基地の強靭化が進められて、さらに基地周辺の土地取引を制限し、情報管理を強化する土地利用規制法が施行され、伊丹の2つの駐屯地も候補地として指定された。市民への影響が大きいと予想されることから、市として指定を辞退すること。
・ 自衛隊への電子データによる個人情報の提供はやめること。
少なくとも、住基4情報の提供に対して「除外申し出制度」をつくること。
3.福祉・医療の充実、市民の暮らしを守る対策を
・ 国に対して介護保険制度の大改悪の中止を求めるとともに、介護保険における国庫負担を思い切って増額し、誰でも安心して介護を受けることができる体制と、保険料の軽減を求めること。
・ 国民健康保険税を引き下げるため、国にさらに1兆円の公的負担を求め、均等割り・平等割の廃止で協会けんぽ並みの保険税にすることを国に求めること。
市独自に少子化対策として財政支援を行い、就学前の子どもの均等割りをなくすこと。
・ 子どもの医療費は所得制限なしで高校卒業まで完全無料にすること。
・ 国に対して補聴器購入補助制度をつくることを求めるとともに、伊丹市として助成すること。
ヒアリングループを公共施設に備え活用を図ること。
・ 障がい者に対する医療費助成制度において、身体障がいの場合は3,4級、療育手帳の場合はB(1)、精神障がいの場合は2級まで対象を拡大すること。
・ 近畿中央病院跡地に、統合新病院オープンまでに回復期病床を含む医療機関を市の責任で誘致すること。
4.すべての子どもの成長発達を支える豊かな教育環境を
・ コロナ禍や社会・家庭環境による困難な子どもへの対策として、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、不登校支援員配置のさらなる増員で、児童・生徒と家庭を支援するとともに、介助員の増員で障がい児の教育を受ける権利を保障すること。
ICT教育万能の考えにとらわれない、現場の教員の自主性を尊重した活用を図ること。
・ 教育のあらゆる部門で子どもの権利を守ることを宣言し、実行ある施策を推進するとともに子どもの権利擁護のためにも子どもの権利条例を制定すること。また、子ども向けの子どもの権利条約パンフレットを作成されたが、子ども同士、家庭において子どもの権利条約が話し合われる環境をつくり、絶えず充実されること。
・ 小中学校給食を無償化すること、就学援助制度の充実をはかること。
5.中小企業・零細業者への支援を強め、人間らしく暮らせる地域社会と住みよい住環境を
・ コロナ対応の緊急借入で積みあがった中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題になっており、コロナ対応借入分の軽減・免除する仕組みをつくること。
・ 文化・芸術関係者に対して、新たなイベントへの支援にとどめず、「場と担い手」への支援を行うとともに、国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化することを国に求めること。アイホールは演劇ホールとして存続すること。
・ 市営住宅は戸数を減らすのではなく、必要な個数を維持し、旧耐震住宅は順次建て替えを行い、バリアフリー化された住みよい住環境を提供すること。また、住民からの修繕要求には積極的に対応すること。また、エレベーターの設置を進めること。
・ 大企業への優遇税制の廃止・縮小や所得税・住民税の最高税率を引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の税負担を求め、消費税を5%に減税するよう国に求めること。国民に更なる消費税負担増となるインボイス制度は、直ちに廃止することを国に求めること。
6.自然災害から市民の命を守るとともに、環境を守り、安心・安全の伊丹市を
・ 災害の発生に備え、市民の防災意識啓発に努めるとともに、感染が広がる中での避難対策に関しては、避難所におけるきめ細かな対応(発熱、障がい者、高齢者等)や地域における要支援者の避難誘導等を含めた地域ごとの「防災まちづくり計画」を推進するための支援を行うこと。
・体育館に空調施設整備など避難所の改善を図ること。
7.「住民の福祉の増進」(地方自治法)に必要な財源を国に求め、市が主体となって市民の暮らしを守ること
・ マイナンバーカードに健康保険を紐づけし健康保険証を廃止することを、中止するよう国に求めること。
2023年10月11日
日本共産党議員団 服部よしひろ
議長の発言許可を得ましたので、私は日本共産党市議会議員団を代表して、報告第8号「2022年度伊丹市一般会計歳入歳出決算の認定」に同意できない立場から討論をいたします。
2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵略戦争を開始し、現時点でも悲惨な戦闘が繰り広げられています。2022年度は世界が軍事対軍事の対立を激化させ、日本もその一方にくみする方向に大きく傾き、軍事費を突出する中、物価高騰がコロナ禍に追い打ちをかけ、国民の暮らしが大きく圧迫され、さらに生活苦は日々強まっています。
物価高騰に苦しむ市民の暮らしを守るための市の施策が特に重要だった年度でした。
市税では、昨年度比で約9億円増の324億円となりました。コロナ関連の軽減措置の終了や家屋の新増築による固定資産税の増加によるもので、市民全体の所得が回復したわけではなく、長引く物価高騰により実質賃金の低下で、市民生活はますます苦しくなっている状況です。
一方で、国の国庫支出金は、物価高騰への緊急支援や新型コロナ対応の臨時交付金増の一方で、子育て世帯臨時特別給付金の約32億円の減額、非課税世帯向け臨時特別給付金の8億円余りの減額で31億円もの減額となり、長引くコロナ禍で疲弊した市民の暮らしをさらに追い込む形となりました。
伊丹市の財政調整基金残高は、モーターボート会計からの10億円の繰り入れなどにより、23%増の約72億5千万円となりました。
このような中で、伊丹市には、国・県と連携するとともに、市独自の財源によって新型コロナウイルス感染から市民の健康と命を守り、コロナ禍で落ち込んだ営業を支援するとともに、物価高騰から市民の暮らしを守る対策が求められました。子どもの医療費完全無料化にはあと2億円、小中学校給食の無償化には8億円あれば可能との答弁もありました。
本会議や決算分科会等では指摘できなかったことも含め、以下、問題点を述べます。
第1に、国が施策として推進する「マイナンバーカードの利用促進施策」に対し、市民の個人情報の漏洩の危険に配慮することなく「マイナンバーカード交付円滑化事業」を実施したこと。その結果、マイナンバーの紐付け誤りによる利用者の個人情報を危険にさらす事態も発生するに至っていることです。あらためて、この機会に、マイナンバーカード取得推進とマイナポータルの推進による個人情報漏洩の危険から市民を守る立場に立ち返ること、また、国に対し、マイナンバーカードの廃止を求めるものです。
第2に、自衛隊への市民の適齢者名簿を電子データで提供することをやめようとしないことです。
代表質問でも述べましたが、自衛隊法施行令120条の「防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときには、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な…資料の提供を求めることができる」としていますが、自衛隊法の立法者意思を確認できる、唯一の逐条解説書とされる「防衛法」自由国民社(1974年)によれば、「募集事務がスムーズに遂行されるよう、…募集に対する一般の反応、応募者数のだいたいの見通し、応募年齢層の概数などに関する報告及び県政統計等の資料の提供を求め…」と規定しています。ここには個人4情報の提供は規定がありません。市町村長の対応も規定がありません。したがって市町村長には「求め」に答える義務はありません。
このように適齢者名簿の提供が何らの法的根拠もなく行われているのは明らかであり、個人情報保護法第3条に反し、憲法13条の幸福追求権の侵害にもなりかねない重要な違反行為と言わざるを得ません。このことへの市の認識を問いましたが、従来通りの自衛隊の求めに従順に従い、市民の個人情報を守る立場に立とうとしていません。直ちに名簿提供を停止すべきです。
せめて、申し出により適用除外する制度を制定することをもとめます。
第3に、学力テストを毎年実施し、教員と児童生徒の負担を増加させていることです。
その目的は、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の課題を検証、改善して、教育指導の充実や学習状況の改善に役立てるとされています。
しかし、全国学力テストは、国連・子どもの権利委員会が何度も日本政府に対して、極度に競争的制度とストレスフルな学校環境から子供を開放するよう勧告する一因となっているように、自治体が学校と子供を点数競争に巻き込み、教育をゆがめるものとなっています。学力テストの結果は学力の特定の一部分、教育活動の一側面でしかありません。したがって、毎年悉皆調査をする必要はなく、数年に一度の調査で十分児童生徒の学力や学習状況の傾向を見ることは可能です。
それを全国学力調査の平均値と比較しての数値を達成目標として、児童と教員を管理することが、「確かな学力、主体的・対話的で深い学び」に通じるのか、毎年繰り返し問い続けていますが、見直されることはありません。その一方で教員の長時間労働に拍車をかけており、働き方改革を推進しても心身の負担は増すばかりではありませんか。毎年行う学力テストの見直しを改めて求めておきます。
第4に、市営住宅の問題です。市営住宅は、低所得者などの住宅困窮世帯にとってはかけがえのない施設です。伊丹市が住まいの確保に責任を負わなければなりません。しかし、すでに築後50年以上経過した老朽市営住宅は、居住者の人権を損なう段階となっており、耐震化やエレベータ設置などにより部分的に居住性を改善しても限界に達しているといわざるを得ません。
わが党議員団は繰り返し、周辺自治体で進んでいる、老朽化した市営住宅の建て替えと修繕の実施を伊丹市に求めてきました。また、住人の要求であるエレベータ設置を求めてきました。
「住まいは人権」です。市営住宅の建て替えと、エレベータ設置を含む必要な修繕を実施することを決断されるよう、改めて求めておきます。
第5に、市内南部地域への大規模マンション開発や鴻池地域への大規模物流倉庫建設などが進められ、地域環境の激変を招き、関係住民の住環境を脅かす状況を引き起こしていることです。
決算委員会での質疑で、浮かび上がったように、地域住民と事業者の紛争解決に、市が定めている中高層建築物に関する指導要綱に基づく市長の調整が正しく機能していないことなどがこの状態を引き起こしているのではないでしょうか。
今日もこの時に、稲野町では次第に高度を増す高層マンションの陰で激しい騒音と振動に静かな日常を奪われ、さわやかな季節なのに窓を開けて外気を入れることもままならず、窓を閉めて騒音に耐えている周辺住民の皆さんが生活をされています。
長年住み続け慣れ親しんだ環境を壊さずに、地域の開発が行われるためには市民の意見要望が設計に組み入れられる仕組みを作らなければならないと思います。引き続き検討を求めます。
第6に、同和・人権政策についてです。
問題は、伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針を改定し、同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育、啓発を継続していることです。実態的な差別がほとんどない中で、差別意識を殊さら強調することは、同和問題の真の解決に逆行するものです。
同和問題に限らず、様々な人権課題が存在しています。市のアンケートでも、最も関心のある人権課題は、女性、高齢者、障害者、子どもが多数を占めており、それぞれに関する人権を保障するための施策は重要な課題となります。
様々な人権問題に対しては、憲法に規定されている、国をはじめとする公権力が補償すべき自由と人権とは何かなどについて、市民とともに学ぶ機会を持っていただき、多様な個人の尊厳が守られ、人権・民主主義が根付く伊丹市をつくるための学習・啓発をされることをもとめるものです。
第1に、コロナ禍で疲弊した市民生活支援に国の「地方創生臨時交付金」約15億6千万円に約3億円の自主財源を上積みして支援策を実施したことです。
第2に、子どもの不登校対策に独自の予算措置を行い、小中学校に「不登校対策指導員」を配置し、個別指導を実施し、児童・生徒と教職員への支援を充実したことです。今年度は小学生への支援員配置が削減され、中学生への配置が廃止されていますが、直ちに復活させることを要望いたします。
第3に、子どもの医療費無料化を前進させ、所得制限付きで中学卒業までの医療費無料化を実現し、今年度では18歳入院まで所得制限なしの無料化を実現したことです。引き続き18歳までの通院費の無料化まで実現されることを要望します。
第4に、4月時点での待機児のゼロを5年間続けていることです。引き続き年度途中の待機児の解消を実現できるように努力を求めておきます。
第1に、市職員の長時間労働の是正を図ることをもとめます。昨年度は伊丹ミュージアム創設に向けて職員の長時間労働が発生し、労働基準監督署の立ち入り調査を受けることになりましたが、市庁部局における長時間労働はまだ解消に至っていません。DXのみに解決策を求めるのでなく、必要な職員数を確保し、過重労働をなくし、市民に向き合える時間を増やすことをもとめます。
第2に教員・保育士の過重労働をなくすために、独自加配を行い、長時間労働の解消を図ることをもとめます。
第3に、生活保護を「生活保障」の観点から充実させることをもとめます。国民の権利として必要な人への受給の促進を図ること。そのために、直接市民の目に留まる大型ポスターなどを使用した積極的な広報を行うことをもとめます。
第4に、天神川堤防決壊事故を教訓にして、防災・災害予防への取り組み強化を図ることをもとめます。
第5に、統合新病院の建設が進み始めましたが、同時進行で進めるべき近畿中央病院跡地への代替病院の誘致が進展しません。
病院統合により、伊丹市内の公的病院のベッド数は800から600へ減少することは明らかで、3年後に統合新病院が完成すれば、ベッド数200床の代替病院が市内に必要になります。
日本共産党議員団は、新型コロナ禍を経て、兵庫県の地域医療構想の見直しを求めています。また、伊丹市南部は新たな大規模マンションの建設などにより人口が増加傾向にあり、学校とともに医療需要も増加傾向にあります。そういう中で、新病院の運用開始とセットで近畿中央病院跡地に代替病院を完成させ、医療空白を生まない対応をすることが必要です。
市長は地元住民の皆さんと近畿中央病院跡地への「回復期機能を有する民間医療機関の誘致に取り組む」と約束をされています。
周辺地域住民の皆さんのこの地域で安心できる医療を受けたい、という要求にこたえ、この約束を果たすよう強く求めるものです。
以上、このほか本会議、委員会等で要求しましたことを来年度予算に反映されますことを求めまして、報告第8号、令和4年度伊丹市一般会計歳入歳出決算の認定に同意できない立場からの討論といたします。議員各位のご賛同をよろしくお願いします。
9月議会 最終日 決算討論
服部よしひろ議員 10月11日(水)午前10時15分頃
➔ 日本共産党伊丹市議団ニュース(第416号)はこちら(PDF)
2022年度決算に対する反対討論(要旨)
報告第8号 2022年度伊丹市一般会計歳入歳出決算の認定に同意できない。
1:国が推進する「マイナンバーカードの利用促進施策」に対し、市民の個人情報の漏洩の危険に配慮することなく「マイナンバーカード交付円滑化事業」を実施した。
2:自衛隊への市民の適齢者名簿を電子データで提供することをやめようとしない。
3:学力テストを毎年実施し、教員と児童生徒の負担を増している。
4:市営住宅が老朽化し、居住に堪えない状況にもかかわらず、建て替えをしない。
5:市内南部地域への大規模マンション開発や鴻池地域への大規模物流倉庫建設などが進められ、地域環境の激変を招き、関係住民の住環境を脅かす状況を引き起こしている。
6:同和問題に関する市民の差別意識の解消のためとしての教育、啓発を継続している。
評価すべき点
1:コロナ禍で疲弊した市民生活支援に国の「地方創生臨時交付金」約15億6千万円に約3億円の自主財源を上積みして支援策を実施したこと。
2:子どもの不登校対策に独自の予算措置を行い、小中学校に「不登校対策指導員」を配置し、個別指導を実施し、児童・生徒と教職員への支援を充実したこと。
3:子どもの医療費無料化を前進させ、所得制限付きだが中学卒業まで無料化を実現したこと。今年度は18歳入院まで所得制限なしの無料化を実現したこと。
4:4月時点での待機児のゼロを5年間続けていること。
来年度に向けた要望
1:市職員の長時間労働の是正を図ることをもとめる。
2:教員・保育士の過重労働をなくすために、独自加配を行うこと。
3:生活保護を「生活保障」の観点から充実させることをもとめる。
4:天神川堤防決壊事故を教訓にして、防災・災害予防への取り組み強化をもとめる。
5:統合新病院の建設と同時進行で、近畿中央病院跡地への代替病院の誘致を実現すること。
日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2023年夏季号
5月豪雨災害による天神川堤防決壊
市と県は被災者に寄り添った補償を
➜ 日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2023年夏季号(PDF)
[1面]
[2面]
➜ 日本共産党伊丹市議団ニュース(第411号)2023年6月29日(PDF)
6月市議会の主な議題は、国の交付税(未確定分含む)に基づき、物価高騰による市民生活の負担軽減施策を盛り込んだ市の補正予算を審議・決定することを中心に、5月8日に発生した天神川堤防決壊による災害など、市民生活に係る諸課題を議論しました。(市が発表した「物価高騰負担軽減施策」は裏面に掲載)
市の補正予算のうち、高齢者・障がい者施設入居者へのマイナンバーカード出張交付事業については、マイナカードと保険証の紐付けなどによる重大事故続発のさなかに利用促進することは「市民に損害を広げかねない」と指摘し、マイナンバーカード機能をスマホに付与し住民票などをコンビニ交付する条例改定案には、反対しました。
市の運営する合葬式墓地の埋葬許可交付を指定管理者に移行する条例にも、市民の人権と個人情報保護の観点から反対をしました。
党議員団は一般質問で市の姿勢を質しました。
1.新型コロナ感染 第5類移行後の市の医療体制について
2.近畿中央病院跡地への医療機関誘致について
3.①高校世代まで子どもの医療費を通院も含めて無料にすること
②学校給食の無償化を行うこと
1.第5類移行後は幅広い医療機関で医療提供ができる。
伊丹は55か所が対応。お盆は「ダイヤル24」で24時間対応。
2.近畿中央病院跡地へは回復期病床の誘致に務める。
3.①高校世代までの医療費完全無料化にはあと2億円必要。
②学校給食の無償化には8億円必要で財源がない。
1.稲野駅前大手前大学跡地への大規模マンション建設に関連して
南に隣接する稲野公園利用者の安全対策をどう考えるか
2.天神川堤防の決壊と市の危機管理上の問題点について
県の責任について
1.稲野公園利用者への危険性は認識しているので、マンション事業者と必要に応じて協議する。
2.天神川堤防決壊は予期していなかった。被災市民への丁寧な対応を迅速に行っている。
県の責任は明白なので、調査委員会を注視していく。
県議団と市議団の要請を受け、県は6月30日に150万円までの被災者向け生活資金貸付制度(無利子)を設けました。
1.日本政府へ核兵器禁止条約への参加を求める請願
世界的に核兵器禁止条約への参加が進んでいる。唯一の戦争被爆国の政府として、参加を求めました。(自・公・維新会派の反対で不採択)
2.消費税インボイス制度実施の延期を求める請願
中小業者やフリーランスの方に多大な影響を与えるため実施の延期を求めました。(自・公・維新会派の反対で不採択)
[2面]
市の新聞発表の議案説明資料からの抜粋なので市の表現そのままです。
ご了承ください。
2023年6月9日
日本共産党議員団 かしばふみ
ただいま、議長より発言の許可を得ましたので、私は、日本共産党議員団を代表して通告に従い、質問を行いますのでよろしくお願いします。
私は長年、医療従事者として働いてまいりました。その思いでこの質問を行いたいと思っております。
今回の新型コロナ感染症拡大を通して、地域医療における、公的病院の重要性が浮き彫りになりました。2023年5月8日から、新型コロナウイルスの扱いが5類移行となり、感染が収束したとも思われるような風潮が現在ありますが、季節性のインフルエンザと違い、ワクチンによる予防、以外の治療がしっかりと確立されていないことから、引き続き、感染対策を行っていく必要があると思っています。
第8波感染拡大時、発熱外来を行なっているクリニックなどが見つからず、見つかっても予約が一杯で直ぐに見てもらえない、高熱があっても自宅で様子を見るしかない等(年末、年始に重なったこともあって)大きな不安を抱えて、危険な状況の中で年末年始を過ごした方が沢山いらっしゃいました。
今後、コロナの感染拡大に備えての、伊丹市の医療体制について質問します。
国の方針では、9月末までに幅広い医療機関による、自立的な通常対応を、コロナを理由に診療を断ってはいけない、どの医療機関でも診察を受けられる体制に、との方向ではありますが、発熱など、コロナ感染が疑わしい方が検査や診察を受けられる医療体制は本当に整うのかということです。
特に私が、一番に危惧しているのは、長期休暇(お盆、正月など)の際の対応について、市民は、きちんと医療が受けられるか、本当に大丈夫か、ということです。
また、国の方針では、10月に公費支援が完全に廃止されれば、窓口負担やワクチンの負担など自己負担の方向であります。伊丹市の対応は今後どうなっていきますか? 検査や、ワクチン接種の費用負担などについても改めて教えていただきたいと思います。
答弁後 2回目の発言
新型コロナウイルスの扱いが5類移行後、メディアでもコロナに関する報道は明らかに少なくなりました。伊丹市においては、広報やホームページなどで、コロナ感染に対する予防喚起を引き続き有効に行っていただくようお願いいたします。
2021年8月1日に伊丹市と公立学校共済組合間で締結された、「公立学校共済組合近畿中央病院跡地活用に関する覚書」が基本になる、ということは変わっていないとのことですが、伊丹市と公立学校共済組合との合意の中で(「近中」の跡地は伊丹市の土地ではない)ことを前提に、病院の誘致は両者が協力して進める方向であるとお聞きしています。
「近中」の跡地は、取り壊し後は、(土壌汚染なども想定され、)すぐには建設に着手できません。この間、取り壊し後から建設に取り掛かるまで、最低2~3年は必要と想定されると伺っております。この期間は医療空白となると考えます。伊丹市の南部は今後、マンションの建設の動きもあり、人口増加の可能性があります。地域医療の重要性を鑑み、伊丹市の南部を医療空白としないために、次の4点をお願いいたします。
これは地域住民の方々から出された切実な要望ですのでよろしくお願いします。
① (市長の)回答にあった回復期病院の誘致と、複数の診療科を持つ民間医療機関の誘致を、地域の実情に配慮し地域住民が望む形で実現してください。
② 医療機関の誘致状況、及び、建築計画を明確に、市民に公表してください。
③ 近畿中央病院の閉院後の医療空白を防ぐ手立てを市は責任をもって行い、医療活動を継続してください。
④ 市は地域住民に対して、状況説明会を開くとともに住民の声をもっと聴いてください。
以上の要望に対する伊丹市としての見解をお聞かせください。
答弁後 2回目発言
2つの病院の統合再編により、病床数が、200床以上も減ってしまうということは、地域住民にとっては、入院できるベッドが減ってしまうという思いがとても強いのです。この思いを市の当局にお伝えしておきたいと思います。
次に、病院統合再編により、新病院は、救命救急センターを備えた、高度急性期医療を提供する病院としては、更なる在院日数の短縮が期待されると思いますが、地域住民の方たちにとりましては、在院日数の短縮は、退院後の受け皿として、次の病院が見つかるか、自宅に戻ることができるのかといった、不安要素でもあります。
① 市内の回復期医療施設に移れるのか?医療施設の整備等が、現在進んでいるのか充足しているのかどうか。
② 新しい市立伊丹病院が稼働を始めた時、回復期の医療体制はどのように想定されているのか等住民の不安は尽きません。
市立伊丹病院も、近畿中央病院も現在は伊丹市に於いて、診療活動を継続中で、地域住民にとっては、大切な命の砦です。地域医療を担ってきた総合病院が、地域から無くなってしまうということは、地域住民にとりましては不安でしかありません。答弁にもありましたように、地域住民の声に耳を傾けていただき、説明の機会をぜひ設けていただきたい。そのことをお願いいたしまして、病院の統合再編に関する質問は終わります。
まず、子供の医療費の無料化についてです。
今年の7月から、伊丹市では、高校生世代までの子供の医療費が、所得制限無しで入院費の無料化が実現することは承知しています。中学卒業までの入院、通院の無料化実施から、わずか1年足らずで今回の経過に至ったことは、子育て中の市民にとっては、大変喜ばれております。伊丹市に於いては、高校生までの入院日無料化に対して約3億円、更に通院も無料化とするのに約2億円の予算が必要とのことであります。
少子化の中、全国どこに住んでいても、安心して医療が受けられる体制作りが必要であると思っています。引き続き高校世代までの子供の医療費(通院も含めて)の完全無料化を希望いたします。また、学校給食の無償化を求めるものです、
これについて、市の見解を伺います。
答弁後 2回目の発言
子供の医療費や学校給食の問題は、社会全体で考えていくべき問題であり、予算の上でも継続した財源が必要となります。
子どもの医療費窓口無料に対する国のペナルティー(国民健康保険の減額調整処置)について、試案ではありますが、廃止するとの方向が、国から示されていると聞いております。大変喜ばしいことだと思っております。
また、学校給食の無償化についても、物価高騰の中、伊丹市は食材の費用を補助する等、給食費の値上げをストップ出来ていることなど、対応していただいております。引き続き子育てに係る支援の強化をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
➜ 日本共産党伊丹市議団ニュース(第408号)2023年6月10日(PDF)
党議員団の一般質問の日時と内容は以下の通りです。
ぜひ傍聴にお越しください。
かしば ふみ議員 6月13日(火)10時45分頃から
1.新型コロナ感染拡大について
(1) 新型コロナ感染拡大第8波の時、医療にかかれない人が沢山いたが、
5類に移行後の医療機関の対応
(2) 窓口負担など今後どうなるのか、改めて伊丹市の対応を伺いたい
2.近畿中央病院跡地への医療機関誘致について(地域住民の要望から)
(1) 地域の実情に配慮して、回復期病床と複数の診療科を持った医療機関を誘致すること
(2) 今後、医療機関の誘致に関する進捗状況を明確にして市民に公表し、住民の声を聴くこと
(3) 近畿中央病院閉院後の医療空白を防ぐ手立てを市は責任をもって行なうこと
3.高校世代まで子どもの医療費を通院も含めて無料にすること、また、学校給食の無償化を行うことに関する市の見解を伺う
服部よしひろ議員 6月16日(金)10時45分頃から
1.稲野駅前大手前大学跡地への大規模マンション建設に関連して
近隣住民の納得が得られないまま、多くの問題を起こしつつ建設は進んでいる。改めて、現在未解決のいくつかの問題について市の見解を求める。
敷地に南接する稲野運動公園との離隔距離と利用者の安全確保について
① スポーツ振興課が「事前審査」を継続協議にしている理由は、何か。
② 公園利用者の安全確保にどのような問題があるのか。
③ 公園北縁1m幅貸地の条例根拠は何か。
2.天神川堤防の決壊と市の危機管理上の問題点について
5月8日未明に発生した天神川堤防決壊による水害について
(1) 市の危機管理上の問題はなかったのか。
(2) 住民への対応に問題はなかったのか。
(3) 今回の事案の責任の所在はどこにあるか。
(4) 県の責任が明確である以上、市民への補償を速やかに実施することを求めるが市の考えはどうか。
【2面】
☆低所得世帯への1世帯当たり3万円の給付金支給の補正予算は、6月8日に全会一致で可決されました。党議員団が物価高騰に苦しむ市民への支援を求めていたものです。しかし、今後とも続く物価高騰への最大の対策は消費税の減税しかありません。党議員団は、皆さんとともに引き続き消費税の5%減税求めていきます。
食費等の物価高騰の負担感が大きい低所得世帯に対し特別給付金を支給します。
▽ 対象者:
① 令和5年6月1日時点で本市の住民基本台帳に記載されている「令和5年度住民税非課税世帯」(住民税が課税されている者の扶養親族のみで構成される世帯を除く)
② 家計急変世帯(対象期間:令和5年1月~令和5年12月)
▽ 支給額:1世帯あたり3万円
▽ 支給時期:令和5年7月上旬(初回支給の予定)
▽ 手続方法:①プッシュ型給付 ②家計急変世帯は要申請(申請期間:令和5年7月~令和6年1月)
☆前回に引き続き、上下水道料金の基本使用料を、1期(2か月)分(2023年8月、9月徴収分)を減免し、公共料金等の負担軽減を図ります。党議員団が基本料金減免の継続を訴えてきたものです。
▽ 減免額(例:一般家庭(口径20㎜)の場合)
・水道料金1期(2か月分)当たりの基本料金1,144円(税込)
・下水道使用料1期(2か月分)当たりの基本使用料1,298円(税込) 合計2,442円(税込)
食料品価格等の高騰に対応する生活者支援として、商店街等が取り組むプレミアム付商品券の発行を支援します。
▽ 利用期間:令和5年11月~12月(予定)
▽ 価格:1冊10,000円(12,500円分)プレミアム率25%
▽ 共通券6,500円分、専門券6,000円分
条例改正案では、①伊丹市市税条例の改正、②伊丹市立児童会館条例の改正が提案されています。
① 伊丹市市税条例の改正では、来年から「森林環境税」が新たに導入されることによるもので、均等割に1,000円が追加されます。これは、温暖化対策と言われていますが、その原因であるCO2排出の大企業に負担を求めるのではなく、広く国民に負担を求めるもので、問題です。
② 伊丹市立児童会館条例の改正では、会議室等の使用料の納付先を伊丹市から指定管理者に変えるものです。指定管理者は「シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社」です。その収入が増えれば指定管理者の利益が上がりますが、収入の減少によるサービスの低下や人件費の削減が懸念されます。党議員団は指定管理者による管理に反対してきました。
請願は、① 伊丹市原爆被害者の会、伊丹原水協から「日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める請願」 ② 伊丹民主商工会から「インボイス制度の実施の延期を求める請願」が、いずれも党議員団の紹介で提出されました。採択に向けてがんばります。