久村真知子:2020年12月議会 一般質問 無料低額宿泊所/子どもたちへのセクハラ

2020年12月議会 一般質問

2020年12月8日

日本共産党議員団 久村真知子

1.無料低額宿泊所の利用に関して

 家賃が払えずにアパートからでなくてはならないなどの理由で路上生活を余儀なくされた人などが、多くなってきたような時期に、社会福祉施設として無料低額宿泊所が作られてきました。

 伊丹市内にはそのような施設はありませんが大阪、尼崎市内にはあります。2000年ごろから無料低額宿泊所が急増し、同時に入所者に生活保護を受ける支援を行ったり、その保護費を施設側が何らかの経費の支払いをすれば、ほとんど手持ち金はなくなってしまう、という貧困ビジネス問題が起こりました。それを防ぐために、大阪府、埼玉県、さいたま市などは独自に貧困ビジネス規制条例等を制定しています。

 伊丹市からも施設を利用していますので、その施設に生活支援課からの紹介で入所されている方々がおられます。なれ親しんだ伊丹市から大阪や尼崎市へ行き、親しい人からも離れなければならなかった方々は大変さみしい思い不安な気持ちではないかと思います。

 ある方が相談に来られたのですが、その方は、現状住んでいるところから家族の病院費用の為マンションを売ることになったのでどうすればいいかという事でしたが、生活支援課で相談するよう紹介しました。出ていくための費用がなかったので相談されましたが、その時点で無料低額宿泊所を紹介され入所手続きを進めてられたようでした。その方は大阪の方へ行かれましたが、その後連絡ができていませんので、私には状況がわからないのですが、家の事や家族のことがどうなったのか気がかりです。

 このように転居費用がない方は施設への入所をすすめているのが、伊丹の現状となっていると思います。

 入所してもそこへ長くとどまらずに、伊丹へ帰り居宅生活ができるならば、一時的に入所してもらうのは仕方ないのかもしれません。しかしいったん入所すればなかなか伊丹へ帰れていない状況のようです。居宅での自立した生活ができるようになるには大変な時間がかかっているようです。

 このような施設に長期に滞在することは、貧困ビジネスを助長していることになるのではないかと気にかかります。そのうえ施設の生活で、憲法25条で保障されている「健康で文化的な生活」が送れているのか。自分の趣味を活かしたり、友人との交流、地域との交流などは生きがいにつながりますが、そのような生活ができているのか大変疑問に思います。

 また伊丹市の生活支援課の具体的支援でどの様に自立した生活が実現できるようになっているのか、また入居者は、その様な方針に沿ってどのような生活を行い、どのような体験をし、また本人はどの様に考えておられるのかは外からではまったくわかりませんので、少し細かくなりますがお伺いしたいと思います。

① 初めに「住んでいるところを出なければならない」と生活保護の申請や相談に来られて方にたいして、本人は居宅を望んでいても、入所を勧めるのは、どの様な基準で考えるのか。本人の意思についてはどの様に考えているのか。お伺いしておきます。

② 現状で無料低額宿泊所に入所している方々は、それぞれ何人で、また滞在日数は、最短、最長はどうでしょうか。

③ 施設の待遇や設備についてですが。

 食事はどのような形で行われているのか、その内容はどうなのでしょうか。

 また、毎日の生活をするうえで、居室は大変大事なものですが、国の方では居室の広さなど等の基準を決めているようです。家賃は、生活保護の基準を支払っていると思いますが、部屋の広さは家賃に見合っているのか、風呂トイレ、暖房や冷房等安心して生活できる状況となっているのでしょうか。お伺いいたします。

④ また生活するうえで生活保護費の使い方は生死を分けるのにつながりますが、施設での、家賃、食費その他の経費の支払い内容はどうなのか。手持ち金はどのくらいになるのかでしょうかお伺いいたします。

⑤ 入居が結構長いのではないかと思いますが、本来の目的は自立した居宅生活だと思いますが、入居されて居宅生活を望んだ方や居宅生活ができる人には、家を探すことや家を借りる資金などの必要経費の請求手続き等は、希望通り行っているのでしょうか。

⑥ 相談に訪れた方への説明をするときには、生活保護法第30条に沿っての説明もするべきではないかと思います。

 保護の方法としては、生活扶助は居宅において行うものとすると初めに書かれています。第二項の但し書きの規定については、被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならないとも書かれています。この条文に沿っての支援が本来の在り方であり、本人の希望に沿うように支援すべきと思いますが、そのような説明はされていないのではないかと思います。

 ですから毎回懇切丁寧な説明を行いと言われますが、説明が長くなればなるほど、転居費用や手持ち金がなければ、支援課のすすめるままに動かなければならないとほとんどの方は思われると思います。

 窓口に相談に行くだけでも皆さん切羽詰まり落ち込んでおられますから、自分の意見を言うことはあまりされないようです。

 ですから相談の中で、本人の本音や希望を聞き出すことは結構難しいことだと思います。

 最近改めて国の方でも、「生活保護は権利であり遠慮なく相談するように」とも示されました。ですから今後もコロナ禍の影響を受ける人や、非正規で低賃金の方、年金で生活できない高齢者の方なども、申請の相談に来られるかもしれません。

 申請の権利を認めることは、生活保護法にそっての本人の希望をきちんと聞きくことや、住み慣れた伊丹で安心して生活を送る事を保障することであると思います。しかし無料低額宿泊所に入所をすすめられ入所される方もおられます。

 入所されていた方から施設での暮らしの話を聞きましたら、「長くはいたくないところ」とお聞きしました。その様な思いをさせていいのかと大変気になるところです。申請の権利を認めることを考えますと、本人の意思をしっかりとくみ取りその意思を尊重することではないかと思います。生活が困難になった方への支援の在り方や、今後無料低額宿泊所をどのように利用されるのかが問われているのではないかと思います。人間らしい健康で文化的な生活ができるよう入居者の意見もきちんとお聞きして自立へつながるようにしていただければと思いますが、どの様にお考えかどお伺いいたします。答弁よろしくお願いいたします。

2.子どもたちへの、セクハラ、わいせつ行為を防ぐために

 最近はこのような問題が多く報道さています。被害にあった子どもたちは一生そのことによって苦しめられてしまいます。幼い子女の子だけでなくも男の子も、そのような被害にあっているという事に本当に心が痛みます。

 最近は学校等での児童生徒に対する問題も大きく報道されています。また地域などでも知らない人からの声掛けや露出行為・盗撮などが頻繁に起こっている状況となっています。伊丹での子どもたちが被害者にならないための対策が必要です。

 様々な防止策が必要ですが、
① 初めに伊丹での実態などはどうなのでしょうか。お聞きいたします。

② 子どもへの性犯罪の容疑者は90%以上が知っている人だといわれています。

 性的虐待を受けた子供たちは、被害にあっても声を上げにくいという問題があります。

 理由としては、知っている人から、信頼している人から行われたことに対して、何が起こったのか自覚できないこと。また恥ずかしいから誰にも言わない、周りに心配を掛けたくないと思ったりして、事実を誰にも言わなかったりして、一人で問題を抱え大変苦しい状況となってしまい、時には自殺をしてしまう問題にもなってしまいます。

 中には子どもの時の被害が大人になってから自覚し苦しんだという事もあります。警察に届け出たりしているのは氷山の一角と言われ実際にはもっと多くの被害があるようです。

 ですから性犯罪をなくすためには、被害者は声を上げることが必要と思います。その事も周りの理解などがあってできると思います。子どもたちの一生にかかわることですから、伊丹市としても十分に対策を考えて今なくてはならないと思います。

 一つは子どもたちが声を上げやすい環境を作らなくてはならないと思いますが、どの様にお考えでしょうか。

③ また、自分の体が大切だという認識をしっかり持つための教育が必要だと思います。

 自分の体を勝手に触られたり、強制性交をされたりする場合もあるのですから、その様な知識があってこそ、そのようなことが、どれだけ危険なことかを自覚することができるのではないでしょうか。

 また問題が起こった場合に病院に行くことや警察に知らせること等の対応の仕方に関してもしっかりと知っておく必要があると思います。

 今後、より十分に学び身に付けることが子どもたちの人生を守るためにも必要だと思いますが、いかがでしょうか。

④ このような問題に関して保護者の方や地域の方々また学校での教員の中でも認識をもってもらうことも大いに必要だと思いますがどのようにお考えでしょうか。お伺いたします。

2回目の発言

2.子どもたちへのセクハラ・わいせつ行為をなくすために

 実態についての答弁では、今年4月から11月の8か月間に警察で分かっているのが17件とお聞きしました。付きまとい、露出、わいせつ、盗撮などが、1か月に2件は起きているわけです。

 届けがない分はもっとあるのではないかと思います。

 相談窓口の設置もされていますので広く地域にも周知していただきたいと思います。

 教育委員会も教職員に対しての対策もされていますが、読売新聞の全国調査では、2019年度までの5年間にわいせつセクハラ行為で懲戒処分を受けた公立小中高校等の教員が1030人にもなっていると報道されていました。

 このようなことが起こらないようにお願いしたいと思います。

 しかし学校だけではこの問題を防ぐ事は難しいでしょう。地域での危険な場所や、気を付けること等、学校でも、地域、家庭やそして子ども自身の知識として必要ではないかと思います。

 学校や家庭で安心して相談できる体制や、相談できる友達などいつでも助けを求められるように受け止める体制を作るように学校・地域とともに取り組みを進めなければならないと思います。

 長野県では「子どもを性被害から守るための条例」を作っています。多くの方の意見を寄せて作られています。このような取り組みも必要だと思いますので、日ごろからこの問題での話し合えるような場が学校や地域で必要ではないかと思います。今後もより力を入れていただきたいと要望しておきます。

1.無料低額宿泊所について

 生活保護の目的は、憲法25条に定められているすべての国民に対しての権利、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を国が保証することが定められています。

 その理念に基づき生活保護法の運用がされていると解釈しますが、そのことは私たちの生存権にかかわる問題だと思います。

 相談者に対しては、憲法25条や生活保護法をきちんと守って運用していただきたいと思います。

 特に入所を決定する時十分に説明して本人の了解を得ていると答弁されていますが、先ほども言いましたが、本人の意向を十分に話すことが難しい面もありますが、住居を失う方や失っている相談者への説明の中で、生活保護法30条の説明を行ってはいないと思います。

 30条では「生活保護は居宅において行うものとする。」となっています。しかし、居宅がいいか、施設がいいかなどは聞いてはませんし、いったん施設に入ってくださいと言われています。保護の決定には少し時間がかかっていますので、その間しばらく入所するのは仕方ないと思いますが、先ほどの答弁では23人の方が入所されていますが、最も長い方が8年5か月です。内訳をお聞きしました。

 長い方は1年が3人、2年が1人、3年が2人、4年、5年の方がそれぞれ3人づつ7年が2人、8年が2人でした。他は1年未満の方ですが。

 このように長く入所しているのは、この施設が終の棲家となっているのでしょうか。一時的に入所されているとは思えない状況ではありませんか。本人の希望で継続しているといわれていますが、先ほども言いましたが、居宅での生活保護の原則はどの様にとらえておられるのでしょうか。

 生活保護法の30条第2項には「被保護者の意に反して入所を強制することができると解釈してはならない。」となっています。このことから思いますが、住宅を出なければならない場合の相談で、その方が居宅生活を望む方には当然敷金、仲介手数料など費用の給付が認められるのではありませんか。相談に来られて方はそのようなことは知らずに支援課を頼って相談に来られているのですから、きちんとした対応をすべきではありませんか。

 またケース診断会議で居卓生活ができるか同課の基準を判断するといわれていますが、金銭管理、炊事、洗濯、コミュニケーションが、居宅生活している人でも苦手な人はいますし、本人にそのような質問をされているのは見たことないのですが、保護を受けていなくてもできない人はいます。

 またそのことが施設入所していたらいつになれば完璧にできるのでしょうか。

 何年も入所している方がたくさんおられます。逆に地域との交流もなしに何年も閉ざされた生活をしている方が自立など余計できなくなるのではありませんか。伊丹で生活できるよう入所者の立場に寄り添った対応をきちんとすべきではありませんか。

 生活保護での住宅費に見合うところが見つけにくくなっていますので、市営住宅の空き部屋や市内の空き家などの活用も考えるべきではないかと思います。

 施設での費用内容を私もお聞きしましたが、手元に3万円7万円が残るとは聞いていないのですが。

 その方の話では、家賃4万5千円、朝夕は500円のお弁当で1万5千円、施設全体での介護費用1万5千円(なんの費用かよくわかりません)なのでそれを支払い光熱費は自分で払うので、8万ほどは支払うといわれていました。

 年金のある月は年金が入るまでの月初めは保護費では足らないので、施設側に足らない分は後払いでしばらくは借金をしているという事が繰り返されていると聞いています。

 入所している人はほとんどその様だといわれていましたが、他の施設の方は自炊を当番制でしている、施設内の掃除も当番でしている、手元に残るお金は2万円程で、昼ご飯はないので自分で外で食べたりしているが大変な生活だといわれています。

 十分に食べることもできない、このような生活が健康で文化的な生活と言えるのでしょうか。このような費用の支払いに関しては、きちんと支払いの内訳や領収書など本人が内容のわかるのも受け取れてないようですが、このような施設の運用は、やはり貧困ビジネスにつながっているのではありませんか。

 以前の答弁では「貧困ビジネスによって搾取されてはならない」と言われていますが、このような状況は搾取そのものだと私は感じます。支援課では、施設の管理は良好だと思われている様ですが、きちんと実態を入所者からも聞き改善を申し入れることは必要ではないでしょうか。様々な点での要望としますが、無料低額宿泊所は一時的な利用として保護の手続が決定したならできるだけ早く、転居支援を行うべきです。以上要望といたしますのでよろしくお願いします。

来年度予算に関する市長との政策懇談会で予算要望(11月9日)

来年度予算に関する市長との政策懇談会

 11月9日、毎年行われている来年度予算に関する市長との政策懇談会が開催されました。会派ごとに行うもので、市長から来年度の予算に対する考え方が示され、党議員団として「基本的・重点要望」を提出して懇談するものです。

 問題となったのは、公立幼稚園の3歳児全員入園について、現在3歳児の定数250名に対して、応募が245名。定数を満たしていませんが、市内中心部分とこども園、北部で定数を超える応募があります。党議員団は、公立に対する信頼があることから、身近な幼稚園に通わせたいという保護者の願いを実現することを求めました。また、保育所の待機児童は、4月1日現在では待機ゼロとなっていますが、11月現在、417名の待機があります。認可保育所を増設する以外に解決する方法はありませんが、党議員団としては、年度途中の待機児童の保護者の困難を抱える現状を示し、公的部分で解消することとともに、私立に対する国・県・市の財政支援を行うことによる解消をお願いしました。また、コロナ対策では、困窮している中小業者に対する支援、検査体制のさらなる充実を求めました。

 詳細な要望は別紙の「要望書」を参考にしてください。

pdfアイコン 2021年度予算編成にあたっての基本的・重点要望(日本共産党伊丹市議会議員団)

日本共産党伊丹市議団ニュース371号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース371号を発行しました

pdfアイコン 日本共産党伊丹市議団ニュース371号(表面)

pdfアイコン 日本共産党伊丹市議団ニュース371号(裏面 アンケート用紙)

来年度予算要求懇談会のお知らせ

日時:10月28日(水) 午後7時~
会場:東リいたみホール 3階 会議室2

伊丹市に対する予算要望 裏面の用紙をご利用ください。
当日参加できない場合はFaxで送付頂くか、党市議会議員団、党市委員会へご持参ください。

日本共産党伊丹市議団ニュース371号(表面)

日本共産党伊丹市議団ニュース371号(裏面 アンケート用紙)

日本共産党伊丹市議団ニュース370号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース370号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース370号(表面)

日本共産党伊丹市議団ニュース370号(裏面)

pdfアイコン 日本共産党伊丹市議団ニュース370号

9月議会終わる

9月議会が10月5日閉会しました。
コロナ過の中にも拘わらず熱心な市民の傍聴(ネット含)で、熱のこもった議論が展開されました。各議案に対する議員団の態度をまとめて報告します。

2020年9月議会報告

2020年9月議会報告

日本共産党伊丹市議会議員団

1.提案された主な議案

一般会計補正予算(賛成

(コロナ関連)
○医療機関、福祉施設での簡易陰圧テントや除菌装置、マスク、消毒液の購入。
○感染症対応従事者への慰労金の支給…市立伊丹病院、休日応急診療所など。
○市バスへの抗菌・抗ウイルス対策

(その他)
○新庁舎整備事業において詳細設計や市民団体との協議の結果、「低層棟の基礎免震化」や「障がい者対応の充実」などの設計変更を行う。約5億円。
○認定こども園(南西部こども園)整備事業
○防災のIT化…無料通信アプリLINE(ライン)を活用し、迅速な避難支援等を行う。

追加補正予算(賛成

○季節性インフルエンザ予防接種…65歳以上無料化(通常自己負担は1,500円)
 阪神間では伊丹市のみ。

条例等(反対した議案

●第6次伊丹市総合計画基本構想及び基本計画
●伊丹市立児童会館の指定管理者の指定…シダックス大新東ヒューマンサービス(株)に。

2.提出された請願

(会派名の下線部分は討論をした会派)

国に対し「再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を求める意見書」の提出を求める請願(日本国民救援会伊丹支部/紹介議員―日本共産党議員団

(結果) 賛成(9人)…日本共産党議員団討論内容はこちら)、フォーラム伊丹、小西議員
     反対(17人)…新政会、公明党、創政会、斎藤議員
     退席(1人)…高塚議員

幼保無償化から除外された外国人学校幼稚園に救済措置を求める請願(学校法人兵庫朝鮮学園、伊丹朝鮮初級学校/紹介議員―日本共産党、フォーラム伊丹、公明党、小西議員)

(結果) 賛成(15人)…日本共産党議員団討論内容はこちら)、フォーラム伊丹、公明党、小西議員
    反対(12人)…新政会、創政会、斎藤議員

3.2019年度決算に対する態度

○一般会計決算…認定に同意できない(ひさ村議員討論 討論内容はこちら

○病院、水道、工業用水道、下水道のそれぞれの決算に認定できない(消費税転嫁)(上原議員討論 討論内容はこちら

久村真知子:2020年9月議会 本会議一般会計決算 認定に同意できない立場からの討論

一般会計決算 本会議  認定に同意できない立場からの討論

2020年10月5日
日本共産党議員団 ひさ村真知子

 ただいま委員長より発言の許可をいただきましたので私は日本共産党議員団を代表して報告第9号令和元年度伊丹市一般会計歳出歳入決算の認定に同意できない立場から討論いたします。

 2019年度は、消費税が10月に10%に増税された年であります。増税の根拠とした毎月勤労統計は、実質賃金はマイナス0.5%であったのを、不正調査を行い、かさ上げされた状況で、消費税引き上げが行われました。その上実質家計消費支出は年額25万円も落ち込んでいる状況でした。安倍政権下での景気判断そのものが誤っており、市民のくらしは一層悪化すると予算審議の時にも指摘してきました。

 実際に市民に与えた影響は、実質GDPは、連続マイナス前期比7.9%に落ち込み、個人消費は前期比8.2%の減、年率28.9%減と落ち込んでいます。そのうえ今年のコロナウイルス感染症の広がりの影響で、雇止めを含む解雇数は6万人と厚生労働省発表は公表しています。

 また、年収200万円以下のワーキングプアーと言われる人については、総務省公表の「労働力調査2019年平均」では、年収が200万に満たない雇用者数は1,874万人であり、全雇用者5,660万人の約33%を占めています。男性より女性の方が多く、非正規職員の割合が影響しているようです。

 市内でも当然、年金生活の高齢者や不安定雇用の市民がその影響を受けて、今後の市民生活はより一層苦しくなります。この様なときこそ伊丹市として、市民の声に耳を傾け、市民生活を守り、福祉や教育の充実のための施策が一層求められます。このような立場から意見を述べます。

① 初めに、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編の問題です。

 市立病院あり方検討委員会からの報告は市立伊丹病院と近畿中央病院を統合し、高度急性期医療に対応する600床の病院にする方向が出されました。現状より200床減となることや、近畿中央病院が現状のところから移転すること等市民は大きな不安を持ちました。丁寧な説明を行うとされていましたが、市立病院あり方検討委員会は非公開とされるなど住民の安心できる医療体制を十分に説明ができたとは言えません。そのことは、統合再編に反対する署名が1万8000名を超えたことにも現れています。今後は近中跡地に医療機関を誘致されるとともに、新病院の在り方に関しては、専門家や市民の声を聴き、安心できる病院とされることを求めます。

②全国学力テストについてです。

 全国一斉学力テストに参加することによって、結果として平均点を上回ることが教育の基準に置かれています。全国平均を目安にする教育でなく、伊丹での子供たちの学力、育ちに毎日真摯に向き合っている教員の声にしっかりと耳を傾ける教育を行うべきではないでしょうか。
 全国学力テストの参加も、伊丹市独自の学力テストもやめるべきです。

③空港問題についてです

 存続協定には、「環境基準の達成に向けて不断の努力をする」と明記されています。そのため関西エアポートは、低騒音機の導入を行っているが、いまだに環境基準は達成できていません。しかし、市長は、「伊丹空港の安全と環境の確保を前提として国際便の復活」を要望しています。日々環境基準を超える騒音にさらされている地域住民からは、国際便導入等の理解は得られません。

次に要望することについて述べます。

1.公共施設再配置計画に基づく、共同利用センターの今後の在り方についてです

 市長は地域力が大事と言いながら、地域のコミュニティ活動の拠点である共同利用施設の 統合再編を進めています。 共同センターは、災害時の避難所ともなっており、地域の様々な方が趣味の活動等を行い住民のつながりの場となっています。センターの統合再編については、財政上の都合での一方的な説明でなく、地域の声に耳を傾けることが大事ではないでしょうか。今後のコミュニティ活動についての対応策も納得のいくものにすること等、市民の要望に沿うような形にすることが必要と思います。

2.中学卒業までの子ども医療費の無料化について

 兵庫県下では12市町で、高校3年生までの医療費の助成を行い。中学3年生までの無料化は36市町が行っています。子育てには費用がかさみますから、医療費の支援があれば助かるという声も多くなっています。子どもの貧困が問題となっている今の時期に、多くの自治体が行っているように、伊丹市でもせめて義務教育の間の医療費の無料化を実現すべきです。

3. 公立幼稚園の跡地活用と認可保育所の増設について。

 閉園となった公立幼稚園の跡地利用については、子どもたちの公園など子育て世代や地元住民の要望を聞くとともに、認可保育所の増設も含め検討を求めます。

4.平和推進事業について

 戦後75年、二度と戦争はしないと決めた憲法施行から73年の年になりました。しかし安倍内閣は、安保法制すなわち戦争法を作り、日本を戦争できる国つくりへと進めてきました。また唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約を批准しようとはしません。新内閣はその方針を引き継いでいくと明言しています。しかし、核兵器をなくしてほしいと訴えられている原爆被害者の方々の思いに賛同され、「核兵器禁止条約」に46カ国が批准し、あと4カ国で、条約が発効します。日本非核宣言自治体協議会に加盟している伊丹市として、多くの平和を願う市民との共同で、核兵器禁止条約の批准を国に求めるとともに、戦争体験を地域でしっかりと継承し、憲法にそって平和行政を一層拡充されることを求めます。

5.小中学校での20人程度の少人数学級の実現を。

 伊丹市は小学校4年生まで35人学級ですが、5年生以上は、40人学級です。子どもたちの顔を一人一人見ながら落ち着いた環境で勉強するためには、少人数学級が望ましいと思います。特にコロナ禍での分散登校で改めて、三密を避けることも含めて、少人数学級の必要性が認識されました。子どもたちに目が届き、安全な教室で学習するためには、20人程度の少人数学級を求める声が高まっています。このような中で、文部科学省は、2021年度予算案概算要求に公立小中学校での少人数学級の検討を織り込みました。

 しかし、今回の要求は規模も進め方も記されない「事項要求」となっています。引き続き国に対して強く要望されることを求めます。

 そのほか本会議や委員会で要望しました内容については、是非検討・実施いただくことを求め討論といたします。委員各位のご賛同をお願いいたします。

久村真知子:2020年9月議会 個人質問 生活保護は国民の権利

2020年9月議会 個人質問

2020年9月18日
日本共産党議員団 久村真知子

 

ただいま議長の発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問をいたします。

1.生活保護は国民の権利としての認識は浸透しているのか。に関していくつか質問いたします。

①コロナ禍の中で、伊丹での生活保護の申請がどのような状況か。

 総務省の労働力調査で、派遣労働者が7月前年同月から16万人も減少していると発表されています。派遣契約の更新と重なる6月の時期に、様々な理由で雇い止めが行われるのではないかと、言われていましたが、その状況が現実に起こったわけです。そのような状況にあわれた方は、とたんに生活ができなくなり、生活保護に頼らざるを得ない方もおられると思います。このような状況の中で、伊丹での生活保護申請者状況はいかがでしょうかお伺いいたします。

②生活保護申請することをためらう人

 「体調の加減で働けない、高齢で年金では生活できない。頼れる人もいない、」等生活に苦しい状況の方の相談を時々受けますが、生活保護を受けた方がいいね。と勧めると、高齢の方でも「生活保護は嫌だ」と言われ、なんとか働きたいといわれます。

 しかし高齢の方が、生活できる給料をもらえるようなところはほぼありませんし、70歳で雇止めですと宣告される状況です。それに怪我をする可能性も高まります。また病気になったらどうするのかといつも心配になります。短時間で、少ない給料でも生きがいのために働きたいと思うなら、保護を受けていてもきちんと収入額を届ければ働けるのですから、そのような手続きを知っていただいておればと、いつも思います。家賃が払えずにアパートを追い出され、ホームレスにならざる得なくなる状況の方もおられますが、そのようなことになる前に生活保護の申請をされれば安心できるのにと思いますが、中々申請するのには勇気がいるようです。

 以前に、市内には多くのホームレスの方がおられました。様々なかたと話をしました。ある方々は、公園など占領しておられる状況なのですが、そのような状況になっていても、「何とかする」と素直には役所に行くことには返事をもらえない方も多くおられました。何度も話をする中で生活保護の申請にたどり着くこともできるようになりました。支援課の職員さんの協力も得ることができるようになり多くの方がアパートなどに入居することができました。しかしそれ以外の方々も生活保護の話をしてもやはり受けたくないといわれる方もおられました。

 それほどまでに何故生活保護の申請を皆さんは、嫌がられるのでしょうか。生活保護に対しての偏見があるのは確かですから、身近な方やからみて自分がどのように判断されるのかを大変気にされるからだと思います。高齢の方で年金も少なく、そのうえ体調の心配な人もおられます。ほっておくことは孤立死につながってしまうと思いますので、どの様に生活するのかを何度も話し合い、やっと申請に行かれる状況です。

 この様に生活保護を受けることをためらわれる原因がどこにあると思われるでしょうか。お伺いいたします。

今後生活保護の必要な方が増えるのではないか

 多くの方が、非正規での働き方が続き、国民年金では全く生活費が足らないと言われる高齢者の方も多いです。このような状況では、今後生活苦の人が増えると思いますが、所得の低い方で生活保護の対象になる年収の方が、実際には申請に来ていないという方はどの程度おられるのでしょうか。今後その様な方が生活保護の申請に来られるのではないでしょうか、どのくらい申請される方が増えるとお考えでしょうか、ご見解をお伺いいたします。

・窓口対応に関して

 以前は、「どうせ申請に行っても無理でしょう」と言われる方も結構おられました。また「行ってもいろいろ言われ断られた」という方も何人かお聞きしました。水際作戦と言われ中々申請できない時期がありましたがありました。このような話が広がり申請に行きにくいのかとも思いますが、必要な方が生活保護の申請をあきらめたり、遠慮されてしまう事を、ほっておけばまた以前のようにホームレスの人が増えたり、自殺者も増えてしまうのではないでしょうか。最近の窓口の対応はどうなのでしょうか。お伺い致します。

③国の動きにからみて

 コロナ禍のなかで、生活苦であっても、申請をためらっているようなことがあれば困ったことになってしまいます。

 このようなことに対して、国の方でも生活保護制度に対しての見解が今回改めて出されました。厚生労働省からコロナ禍の中で「生活を支えるための支援のご案内」のリーフレットが4月に出されています。その支援制度の中に生活保護制度に対しての紹介があります。そこの書かれている文言は「生活保護は、最低生活の保障と自立の助長を図ることを目的として、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行う制度です。また生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに自治体にまでご相談ください」と、案内されています。大変大事なことがかかれていると思います。

 その文言の「生活保護申請は国民の権利」について、皆さんに正しく理解してもらうことが必要だと思います。このことが皆さんにきちんと浸透すれば、今までのような生活保護に対しての誤解や偏見がなくなると思います。生活保護受給者に対してのバッシングもなくなるでしょう。貴重な文言だと思います。生活支援課の窓口には、相談者向けの生活保護のしおり」が置かれています。以前にはなかったものですが、大変参考になります。その中には、生活保護は、憲法25条に保障されていると、書かれています。相談に来られた皆さん方はそのように、理解されているとは思いますが、そのことが、国民の権利だとまでは、理解されていない人もおられるのではないかと思います。

 ですから改めてこの文言はきちんと書き込むことが、大切なことだと思います。伊丹市の「しおり」に記載していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

④「生活保護は権利」を市民に周知することについて

・「国民の権利であると」理解されることは、生活苦になるときちんと申請をすることや、受給者に対しての、バッシングや偏見などもなくなると思いますので、すべての方に十分に理解されることが必要と思います。そのためにはどのような方法があるのでしょうか。広報などでも理解されるように掲載する事もできると思います。その他の方法等も必要かと思いますがいかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

⑤生活支援課の職員の増員について

 現状でも相談者に対しての対応や受給者への訪問など大変時間がかかる仕事だと思います、今後非正規の方や、国民年金の高齢者の方など、相談者が増えるかもしれませんので、対応に追われる職員がゆとりをもって仕事ができるようにするためには、職員の増員が必要だと思いますが、どの様にお考えでしょうか。お伺いいたします。

⑥収入認定等の運用につて正しく理解されているか

 生活保護の運用に関してはきちんとしていくことは大変大事なことだと思います。又申請者の意見・気持ちを尊重しながらどの様な生活を保障するかが必要です。

一つには制度の内容について十分理解されてない方もおられるようです。例えば収入認定に関してですが、高校生などのアルバイトは学業の為なら収入認定しない事などを、対象者さえ知らない方がおられるのではありませんか、十分に理解されていないと思います。学力を付けることは大変大事なことです。アルバイトまでして、頑張って高校に行こうとしているのですから、励ますことが必要です。そのためには学業の為ならアルバイトは認められること、親にも本人にもきちんと周知すべきです。

 また近いうちに生活保護から自立を目指している方も、アルバイト代の収入認定はしないと思います。今回コロナ問題での特定定額給付金も多くの方が、「どうせ収入認定されるから、もらっても一緒でしょう。」と何人かが言われていましたが、正しい情報がなかなか行き渡っていないことがわかります。

 様々な運用の情報を正しく伝えていただくことは、本人の一生を左右する大変大事な事であります。目標が達成できるよう応援していただきたいと思いますので、正確に伝わっているのか進学をあきらめたり、結局自立できないなどになれば、生活保護の目的からも外れ、お互い大変不幸なことになってしまいます。

 10月からまた保護費が引き下げられるようですので、より生活が苦しくなってしまいますので、少しの収入でも働きたいと思われる方にも収入認定の内容などもきちんとわかるように知らせていただきたいと思います。皆さんがこのようなことを正しく理解されることは、生活保護への偏見をなくすことにもつながることですし、生きがいを持って生活することにもつながると思いますので、きちんとした運用ができるよう周知をお願いしたいと思います。・またこのような問題等で誤解からの、トラブルとなっていないのでしょうか。お伺いいたします。

⑦申請しやすくするために

 生活保護は国民の権利としての正しい理解を市民の皆さんが理解され、また伊丹市としてもそのことを尊重しながらの行政をおこなうならば、生活保護の申請をしやすいように、申請書や調査書類を窓口に置かれてもいいのではありませんか。

 伊丹市では相談に行った場合、面談室で、先に、生活状況等の聞き取りをされたのちに、申請紹や調査用紙をいただき、その場で書くか、持って帰って記入して再度提出にきています。書くことがたくさんあり、大変時間がかかりますので、持って帰りゆっくりかけるようになったこのことは、高齢者や、体調不良の方は大変助かります。次回に記入した調査票を持っていき、改めて、面談していることが多いのではないかと思います。

 面談をされるときに、様々なプライベートなことを聞き取りされますが、その中で感情の行き違いがあったりして、もう行きたくないといわれた方も何人かおられました。受けないと生活できないのに行きたくないという人を説得するのも大変です。

 その様なことをなくすためにも、本人の「申請したい」という意思を確認すれば、申請書や調査書類を先に窓口でお渡しいただいき、書いた書類を持参してから聞き取り等の話をするという方法がいいのではないかと思います。書類を書くのは時間がかかり、一苦労ですし。先に必要書類を書いて面接時にもっていけば時間の節約にも大いに役立ちますし、本人の生活保護に対しての理解も深まります。その上申請者が、生活歴などで特にプライベートな事等あまり直接話したくないことに対して、書類に書いてあれば確認することで済みますから、スムーズに調査できると思いますので、窓口に申請書、調査書類を置いていただきたいと思いますがいかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。

(2回目の発言)

伊丹市の申請数はあまり増えてはいないという事ですが、今年3月から8月で137件もあります。コロナウイルスの影響は8件という事です。今後申請を考えておられるかもしれないと思います。申請をためらってるならその原因も何らかの方法でつかんでいただきたいとは思います。
 生活苦、貧困問題は様々なところに影響が出るのですから、伊丹の安心安全を考えるなら、皆さんが生活苦にならないことは重要だと思います。そのためにも、生活保護にたいして偏見を持たないような工夫は、ぜひ今後考えていただきたいと思います。

運用に関しては、就労収入の未申告があれば、その分返還しなければならないのですが、学校の費用に充ててしまっていたら、返還を求めるのは重大な問題だと思います。学生を応援するためにもそのようなトラブルがないように十分理解してもらえるように対策をとっていただきたいと思います。

申請書類については、希望があれば窓口で渡しているという事ですから、そのように求める人にはぜひ渡していただきたいと思います。
 しかし一方答弁では、生活保護の決まり、義務の話をし、十分に理解して申請してほしいともいわれています。申請する前にそのようなことをどうしても行わなければならないことでしょうか。それでは何のための、申請書・調査書類でしょうか。

 生活保護決定するには、申請し、調査書類を提出し、その後それをもとに審査を2週間から1か月かけてされ、その結果決定されるのですから、書類には必要な事すべて書かれていますし。審査が通るかどうかもわからないのに、申請することにそのような条件を付けることはおかしいのではありませんか。

 必要な事は、まずはその方が生活困窮者であるかどうかが一番の問題ですから、調査書類にそのことは書かれていますから、事前の決まり事、義務の問題が必要だとは思え枚です。いろいろ悩みやっと、勇気を出して申請に来られていると私は思います。その様な方に受給ができるかどうかわからない状況時に様々説明するのは、以前行われていた水際作戦の一種でではないかとも受け取れます。

 「安心して生活できるよう支援をします」との決定が出れば、決まり事や義務に対しての説明をされれば皆さん安心して耳をかたむけられると思います。まずは、申請者に寄り添って、生活の安定をしっかりと保障することを忘れないでいただきたいと思います。しおりに書かれています憲法25条は、守られるのは市民であり、その市民をしっかりと守るのは役所の役割だと思いますので、そのことを解釈しやすいように、厚生労働省の文言を一枚しおりに挟んでいただきたいとお願いしておきます。

 その「権利」を保障するためには、生活に困った人が誰でも申請できるように、窓口に書類を置いていただきたいと思います。それを記入できる内容は記入してから、改めて申請の面談に訪れるという段取りにしていただきましたら、生活保護への正しい理解が広まっていくと思いますので、要望しておきます。