2020年9月議会 個人質問
2020年9月18日
日本共産党議員団 久村真知子
ただいま議長の発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問をいたします。
1.生活保護は国民の権利としての認識は浸透しているのか。に関していくつか質問いたします。
①コロナ禍の中で、伊丹での生活保護の申請がどのような状況か。
総務省の労働力調査で、派遣労働者が7月前年同月から16万人も減少していると発表されています。派遣契約の更新と重なる6月の時期に、様々な理由で雇い止めが行われるのではないかと、言われていましたが、その状況が現実に起こったわけです。そのような状況にあわれた方は、とたんに生活ができなくなり、生活保護に頼らざるを得ない方もおられると思います。このような状況の中で、伊丹での生活保護申請者状況はいかがでしょうかお伺いいたします。
②生活保護申請することをためらう人
「体調の加減で働けない、高齢で年金では生活できない。頼れる人もいない、」等生活に苦しい状況の方の相談を時々受けますが、生活保護を受けた方がいいね。と勧めると、高齢の方でも「生活保護は嫌だ」と言われ、なんとか働きたいといわれます。
しかし高齢の方が、生活できる給料をもらえるようなところはほぼありませんし、70歳で雇止めですと宣告される状況です。それに怪我をする可能性も高まります。また病気になったらどうするのかといつも心配になります。短時間で、少ない給料でも生きがいのために働きたいと思うなら、保護を受けていてもきちんと収入額を届ければ働けるのですから、そのような手続きを知っていただいておればと、いつも思います。家賃が払えずにアパートを追い出され、ホームレスにならざる得なくなる状況の方もおられますが、そのようなことになる前に生活保護の申請をされれば安心できるのにと思いますが、中々申請するのには勇気がいるようです。
以前に、市内には多くのホームレスの方がおられました。様々なかたと話をしました。ある方々は、公園など占領しておられる状況なのですが、そのような状況になっていても、「何とかする」と素直には役所に行くことには返事をもらえない方も多くおられました。何度も話をする中で生活保護の申請にたどり着くこともできるようになりました。支援課の職員さんの協力も得ることができるようになり多くの方がアパートなどに入居することができました。しかしそれ以外の方々も生活保護の話をしてもやはり受けたくないといわれる方もおられました。
それほどまでに何故生活保護の申請を皆さんは、嫌がられるのでしょうか。生活保護に対しての偏見があるのは確かですから、身近な方やからみて自分がどのように判断されるのかを大変気にされるからだと思います。高齢の方で年金も少なく、そのうえ体調の心配な人もおられます。ほっておくことは孤立死につながってしまうと思いますので、どの様に生活するのかを何度も話し合い、やっと申請に行かれる状況です。
この様に生活保護を受けることをためらわれる原因がどこにあると思われるでしょうか。お伺いいたします。
・今後生活保護の必要な方が増えるのではないか
多くの方が、非正規での働き方が続き、国民年金では全く生活費が足らないと言われる高齢者の方も多いです。このような状況では、今後生活苦の人が増えると思いますが、所得の低い方で生活保護の対象になる年収の方が、実際には申請に来ていないという方はどの程度おられるのでしょうか。今後その様な方が生活保護の申請に来られるのではないでしょうか、どのくらい申請される方が増えるとお考えでしょうか、ご見解をお伺いいたします。
・窓口対応に関して
以前は、「どうせ申請に行っても無理でしょう」と言われる方も結構おられました。また「行ってもいろいろ言われ断られた」という方も何人かお聞きしました。水際作戦と言われ中々申請できない時期がありましたがありました。このような話が広がり申請に行きにくいのかとも思いますが、必要な方が生活保護の申請をあきらめたり、遠慮されてしまう事を、ほっておけばまた以前のようにホームレスの人が増えたり、自殺者も増えてしまうのではないでしょうか。最近の窓口の対応はどうなのでしょうか。お伺い致します。
③国の動きにからみて
コロナ禍のなかで、生活苦であっても、申請をためらっているようなことがあれば困ったことになってしまいます。
このようなことに対して、国の方でも生活保護制度に対しての見解が今回改めて出されました。厚生労働省からコロナ禍の中で「生活を支えるための支援のご案内」のリーフレットが4月に出されています。その支援制度の中に生活保護制度に対しての紹介があります。そこの書かれている文言は「生活保護は、最低生活の保障と自立の助長を図ることを目的として、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行う制度です。また生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに自治体にまでご相談ください」と、案内されています。大変大事なことがかかれていると思います。
その文言の「生活保護申請は国民の権利」について、皆さんに正しく理解してもらうことが必要だと思います。このことが皆さんにきちんと浸透すれば、今までのような生活保護に対しての誤解や偏見がなくなると思います。生活保護受給者に対してのバッシングもなくなるでしょう。貴重な文言だと思います。生活支援課の窓口には、相談者向けの生活保護のしおり」が置かれています。以前にはなかったものですが、大変参考になります。その中には、生活保護は、憲法25条に保障されていると、書かれています。相談に来られた皆さん方はそのように、理解されているとは思いますが、そのことが、国民の権利だとまでは、理解されていない人もおられるのではないかと思います。
ですから改めてこの文言はきちんと書き込むことが、大切なことだと思います。伊丹市の「しおり」に記載していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
④「生活保護は権利」を市民に周知することについて
・「国民の権利であると」理解されることは、生活苦になるときちんと申請をすることや、受給者に対しての、バッシングや偏見などもなくなると思いますので、すべての方に十分に理解されることが必要と思います。そのためにはどのような方法があるのでしょうか。広報などでも理解されるように掲載する事もできると思います。その他の方法等も必要かと思いますがいかがお考えでしょうか。お伺いいたします。
⑤生活支援課の職員の増員について
現状でも相談者に対しての対応や受給者への訪問など大変時間がかかる仕事だと思います、今後非正規の方や、国民年金の高齢者の方など、相談者が増えるかもしれませんので、対応に追われる職員がゆとりをもって仕事ができるようにするためには、職員の増員が必要だと思いますが、どの様にお考えでしょうか。お伺いいたします。
⑥収入認定等の運用につて正しく理解されているか
生活保護の運用に関してはきちんとしていくことは大変大事なことだと思います。又申請者の意見・気持ちを尊重しながらどの様な生活を保障するかが必要です。
・一つには制度の内容について十分理解されてない方もおられるようです。例えば収入認定に関してですが、高校生などのアルバイトは学業の為なら収入認定しない事などを、対象者さえ知らない方がおられるのではありませんか、十分に理解されていないと思います。学力を付けることは大変大事なことです。アルバイトまでして、頑張って高校に行こうとしているのですから、励ますことが必要です。そのためには学業の為ならアルバイトは認められること、親にも本人にもきちんと周知すべきです。
また近いうちに生活保護から自立を目指している方も、アルバイト代の収入認定はしないと思います。今回コロナ問題での特定定額給付金も多くの方が、「どうせ収入認定されるから、もらっても一緒でしょう。」と何人かが言われていましたが、正しい情報がなかなか行き渡っていないことがわかります。
様々な運用の情報を正しく伝えていただくことは、本人の一生を左右する大変大事な事であります。目標が達成できるよう応援していただきたいと思いますので、正確に伝わっているのか進学をあきらめたり、結局自立できないなどになれば、生活保護の目的からも外れ、お互い大変不幸なことになってしまいます。
10月からまた保護費が引き下げられるようですので、より生活が苦しくなってしまいますので、少しの収入でも働きたいと思われる方にも収入認定の内容などもきちんとわかるように知らせていただきたいと思います。皆さんがこのようなことを正しく理解されることは、生活保護への偏見をなくすことにもつながることですし、生きがいを持って生活することにもつながると思いますので、きちんとした運用ができるよう周知をお願いしたいと思います。・またこのような問題等で誤解からの、トラブルとなっていないのでしょうか。お伺いいたします。
⑦申請しやすくするために
生活保護は国民の権利としての正しい理解を市民の皆さんが理解され、また伊丹市としてもそのことを尊重しながらの行政をおこなうならば、生活保護の申請をしやすいように、申請書や調査書類を窓口に置かれてもいいのではありませんか。
伊丹市では相談に行った場合、面談室で、先に、生活状況等の聞き取りをされたのちに、申請紹や調査用紙をいただき、その場で書くか、持って帰って記入して再度提出にきています。書くことがたくさんあり、大変時間がかかりますので、持って帰りゆっくりかけるようになったこのことは、高齢者や、体調不良の方は大変助かります。次回に記入した調査票を持っていき、改めて、面談していることが多いのではないかと思います。
面談をされるときに、様々なプライベートなことを聞き取りされますが、その中で感情の行き違いがあったりして、もう行きたくないといわれた方も何人かおられました。受けないと生活できないのに行きたくないという人を説得するのも大変です。
その様なことをなくすためにも、本人の「申請したい」という意思を確認すれば、申請書や調査書類を先に窓口でお渡しいただいき、書いた書類を持参してから聞き取り等の話をするという方法がいいのではないかと思います。書類を書くのは時間がかかり、一苦労ですし。先に必要書類を書いて面接時にもっていけば時間の節約にも大いに役立ちますし、本人の生活保護に対しての理解も深まります。その上申請者が、生活歴などで特にプライベートな事等あまり直接話したくないことに対して、書類に書いてあれば確認することで済みますから、スムーズに調査できると思いますので、窓口に申請書、調査書類を置いていただきたいと思いますがいかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。
(2回目の発言)
① 伊丹市の申請数はあまり増えてはいないという事ですが、今年3月から8月で137件もあります。コロナウイルスの影響は8件という事です。今後申請を考えておられるかもしれないと思います。申請をためらってるならその原因も何らかの方法でつかんでいただきたいとは思います。
生活苦、貧困問題は様々なところに影響が出るのですから、伊丹の安心安全を考えるなら、皆さんが生活苦にならないことは重要だと思います。そのためにも、生活保護にたいして偏見を持たないような工夫は、ぜひ今後考えていただきたいと思います。
② 運用に関しては、就労収入の未申告があれば、その分返還しなければならないのですが、学校の費用に充ててしまっていたら、返還を求めるのは重大な問題だと思います。学生を応援するためにもそのようなトラブルがないように十分理解してもらえるように対策をとっていただきたいと思います。
③ 申請書類については、希望があれば窓口で渡しているという事ですから、そのように求める人にはぜひ渡していただきたいと思います。
しかし一方答弁では、生活保護の決まり、義務の話をし、十分に理解して申請してほしいともいわれています。申請する前にそのようなことをどうしても行わなければならないことでしょうか。それでは何のための、申請書・調査書類でしょうか。
生活保護決定するには、申請し、調査書類を提出し、その後それをもとに審査を2週間から1か月かけてされ、その結果決定されるのですから、書類には必要な事すべて書かれていますし。審査が通るかどうかもわからないのに、申請することにそのような条件を付けることはおかしいのではありませんか。
必要な事は、まずはその方が生活困窮者であるかどうかが一番の問題ですから、調査書類にそのことは書かれていますから、事前の決まり事、義務の問題が必要だとは思え枚です。いろいろ悩みやっと、勇気を出して申請に来られていると私は思います。その様な方に受給ができるかどうかわからない状況時に様々説明するのは、以前行われていた水際作戦の一種でではないかとも受け取れます。
「安心して生活できるよう支援をします」との決定が出れば、決まり事や義務に対しての説明をされれば皆さん安心して耳をかたむけられると思います。まずは、申請者に寄り添って、生活の安定をしっかりと保障することを忘れないでいただきたいと思います。しおりに書かれています憲法25条は、守られるのは市民であり、その市民をしっかりと守るのは役所の役割だと思いますので、そのことを解釈しやすいように、厚生労働省の文言を一枚しおりに挟んでいただきたいとお願いしておきます。
その「権利」を保障するためには、生活に困った人が誰でも申請できるように、窓口に書類を置いていただきたいと思います。それを記入できる内容は記入してから、改めて申請の面談に訪れるという段取りにしていただきましたら、生活保護への正しい理解が広まっていくと思いますので、要望しておきます。