日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 6月議会始まる

日本共産党伊丹市議団ニュース 第383号 2021年6月12日

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2021年6月議会始まる(6月7日~30日まで)

上原議員が代表質問(15日午後1時~)

質問要旨

1.市長の情勢認識について

1)新型コロナウイルス感染症対策について

 市長は、ワクチン接種を加速化させることで感染の抑え込みを図るという政府の方針を述べておられるが、モニタリング検査などのPCR検査や抗体検査を無症状者に焦点を当て、大規模に検査体制を拡大することが必要と考えるが、国の感染対策に対する見解を問う。

2)「デジタル庁」設置(デジタル関連法)とデジタル化政策について

 菅政権が進めようとしている「デジタル改革」は、国家による個人情報の一括管理を強め、企業がそのビッグデータを活用することで、経済成長を促すという国家戦略に立っているなどの問題があるが、その見解を問う。

 議案第49号、第50号の条例改正の目的を問う。

3)核兵器禁止条約の批准を国に求めることについて

2.伊丹市の新型コロナウイルス感染症対策について

1)ワクチン接種について

①福祉的対応をされている人へのワクチン接種について
②学校教職員や保育所職員へのワクチン接種はどうするのか。
③今後のワクチン接種を想定した現時点での評価について

2)PCR検査等の検査体制を拡充することについて

3)中小企業・零細業者への支援について

3.病院統廃合に関する問題

1)近畿中央病院跡地への医療機関誘致について

 伊丹市として、公立学校共済組合が近畿中央病院跡地に新たな医療機関を誘致するための土地を提供する決断を急ぐように求めるとともに、医療空白期間を可能な限りなくす計画を立てることを求めるが、見解を問う。

4.子育て支援について

1)子どもの医療費の中学校卒業まで無料化することについて

 子どもの医療費無料化を中学校卒業まで広げることで、不要不急の受診行動を促進する科学的根拠を問う。

5.新型コロナウイルス感染症対策と地域産業の振興について

1)新たな「伊丹市産業振興ビジョン」策定について

 感染拡大による消費者、事業者の実態を見据え、事業者への聞き取りを含めた実態を調査すること、コロナ禍での生活様式の変化に事業者が対応するための支援策、地域内経済循環を重視した視点を改めて強化するなどが必要と考えるが、見解を問う。

6.教育基本方針について

1)「主体的・対話的で深い学び」と全国学力テストについて

①「アクティブラーニングと平均正答率との相関が明らかに高い」ことについて
②主体的・対話的な授業を実施していると答えた児童・生徒と教職員との差について
③テスト返還後の「傾向と対策」と「主体的・対話的で深い学び」について

2)「開かれた教育課程」について

 コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の現時点での評価について

2021年6月定例会の日程

7日 月曜日 本会議(招集日) 所信表明、補正予算等説明
14日 月曜日 本会議(第2日) 代表質問
15日 火曜日 本会議(第3日) 代表質問
16日 水曜日 本会議(第4日) 個人質問
17日 木曜日 本会議(第5日) 個人質問
18日 金曜日 本会議(第6日) 個人質問・常任委員会付託
21日 月曜日 予備日
22日 火曜日 総務政策常任委員会 付託議案審査
23日 水曜日 文教福祉常任委員会 付託議案審査
24日 木曜日 都市企業常任委員会 付託議案審査
25日 金曜日 予備日
30日 水曜日 本会議(最終日) 報告・議決

日本共産党伊丹市議団ニュース 第382号 新型コロナワクチン接種に関する申し入れ(第2弾)に市が回答

日本共産党伊丹市議団ニュース 第382号 2021年6月2日

新型コロナワクチン接種に関する申し入れ(第2弾)に市が回答

日本共産党伊丹市議団ニュース 第382号 2021年6月2日

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党議員団のワクチン接種に関する要望(第2弾)
伊丹市が回答 主なものを掲載します

 日本共産党議員団が5月25日、他の会派とともにワクチン接種等に対する質問・要望書を提出しましたが、その回答が届きましたので、その主なものをお知らせします。なお、ワクチン接種に関する情報は伊丹市のホームページに詳細が掲載され始めていますので、参考にしてください。

【PCR検査について】 

1.国・県が高齢者・障がい者施設等に「社会的検査」をすることになっているが、市内における進捗状況はどうなっているのか。

介護施設等、障害福祉サービス施設・事業所における新規入所(入居)予定者及び新規採用予定職員に対し、令和3年4月12日から6月30日まで(毎月曜日、計10日間)PCR等検査継続実施を行っている。
 さらに、兵庫県対処方針では、感染多数地域の高齢者入所施設の従事者を対象とする集中的検査の範囲を拡大し、県内全域(保健所設置市を除く)の高齢者・障害者入所施設の従事者を対象とした集中的検査を6月末まで実施している。

2.社会的検査を福祉施設だけにとどまらず、保育所や学校、幼稚園に広げ、最低週1回の頻回調査を行うこと。

兵庫県対処方針では、医療機関や社会福祉施設、学校などで陽性者が確認され、感染の拡がりが疑われるなど、クラスター(集団感染)の発生が懸念される場合には、濃厚接触者以外も幅広く関係者を対象として検査を実施するとしているところ。

3.無症状の感染者に焦点をあてた幅広いPCR検査(モニタリング検査)を行い、無症状の感染者を発見、保護して感染を封じ込めること。現在その体制はどうなっているのか。

兵庫県の感染拡大防止に向けた対策によると「感染拡大の早期探知のためのモニタリング検査の実施について」として、3月5日より無症状者1,000人/日程度を目途に神戸市中央区で当面実施し、順次、検査場所を拡大するとしている。
 また兵庫県対処方針では、検査体制の強化として、衛生研究所、民間検査機関、帰国者・接触者外来へのPCR検査機器購入支援などにより、検査体制の充実を図り、7,080件/日の検査件数を確保している。また保健所を介さず検査を行う「地域外来・検査センター」を8ヶ所開設するとともに、本市におきましては伊丹市医師会が兵庫県からの委託により今年度も引き続きPCR検査を実施されている。

【ワクチン接種について】

1.伊丹市では65歳以上の高齢者の接種は7月末に完了する見込みはあるのか。

65歳以上の高齢者については7月末に接種完了予定としている。

2.予約が行われている70歳以上の人で、自宅で寝たきりの人や障がいがあり外出できない人など、福祉的対応をしている人の予約状況はどうなっているのか。またその方法をどうお考えか。

福祉的対応をしている方の詳細な予約状況は把握いたしておりませんが、ワクチンの接種を希望される方が漏れなく予約できるよう関係団体と対応していく予定。

3.市内南西部に集団接種会場がないため、ラスタホールで集団接種はできないか。

現時点での市南西部地域での集団接種会場の確保は難しい状況です。5月25日から個別医療機関での接種が始まっておりますので個別医療機関での接種もご検討いただければ。

4.大阪と西宮の大規模集団接種会場での予約と伊丹市との連携はきちんととれているのか。大阪会場の予約システムの不具合は解消されたのか。

現時点で国、県が実施する大規模集団接種会場に関する詳細の情報は提供されていませんが、市民周知などについては連携し、対応したい。

5.個別接種での予約状況がわからないとの意見があるが、会場ごとの予約状況、空き状況を公表できないか。

予約管理システム上、確認することは可能。予約状況が日々かわるためタイムリー情報をホームページなどに掲載することは困難ですが、日ごとの予約状況については、公開している。

6.市のホームページでは日々の予約件数は公表されているが、接種件数がわからないので、合わせて公表してほしい。

間もなく市ホームページ上で公開予定。

7.電話予約とネット予約の枠はそれぞれ別枠にされているのですか。ネット予約の場合予約日が後半に集中しているのはなぜかという問いがありました。

当初、別枠で設定していましたが、現在、電話予約とネット予約枠は別枠とはなっていない。

6月議会 市長の所信演説、代表質問が行われます

 市長選挙後初めての伊丹市議会が6月7日から30日まで開催されます。市長選挙で5期目の当選を果たした藤原市長から、所信演説が行われ、各会派からの代表質問と個人質問が行われます。議会の日程(案)は下記の通りです。
 請願の締め切りは7日午後5時。

日 曜日 会議
7 月 本会議(市長所信)
14 月 本会議(代表質問)
15 火 本会議(代表質問)
16 水 本会議(個人質問)
17 木 本会議(個人質問)
18 金 本会議(個人質問)
21 月 (予備日)
22 火 総務政策常任委員会
23 水 文教福祉常任委員会
24 木 都市企業常任委員会
25 金 (予備日)
30 水 本会議(議案の議決)

 

 

日本共産党伊丹市議団ニュース 第381号 新型コロナワクチン接種に関する申し入れに市が回答

日本共産党伊丹市議団ニュース 第381号 2021年5月25日

新型コロナワクチン接種に関する申し入れに市が回答

日本共産党伊丹市議団ニュース 第381号

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 日本共産党議員団が5月7日に、市長に対してワクチン接種に関する申し入れを行いましたが、その回答が届きましたので、主なものを紹介(ニュース掲載の回答は抜粋 全文はこちら)します。いずれも市独自にPCR検査等の検査を広げることも生活支援、事業者支援も考えていないことがわかりました。
 党議員団は、引き続き6月議会でも市民の命と暮らしを守るために、様々な提案を行い、その実現に向けて奮闘します。

ワクチン接種に関して

4.ワクチンの集団接種会場に行くことができない高齢者への対応を検討してください。
回答…「外出困難で自宅での接種を希望される方への体制は、現在、対応を検討中」

PCR検査体制について

1.国に対してPCR検査等の頻回検査体制を早急に広げ、モニタリング調査を含め、だれでも、いつでも、無料で検査を受けることができるようにすることを強く申し入れてください。
2.伊丹市独自に、民間で行う検査に対して助成を行ってください。

回答…「兵庫県は、感染の拡がりが疑われるなどクラスターの発生が懸念される場合には、濃厚接触者以外も幅広く関係者を対象として検査を実施されていることなどから、適切に検査を実施されているものと認識している。引き続き国や県の動向を注視してまいりたい。従って、市独自に助成制度を行うことは現時点では考えていない」

【事業者への支援について】

1.緊急事態宣言が長引くことで、事業者の営業が疲弊しています。時短営業に協力した事業者への協力金の支給を迅速に行うこと、とともに、休業や時短への協力金は事業規模に応じたものにし、 すべての損失を国の責任で補償すること、持続化給付金と家賃支援給付金の第2弾の給付、生活困窮者への給付、医療機関への支援等を行うことを国に強く求めてください。

回答…「兵庫県に対し、営業時間短縮や酒類提供制限に対する感染症拡大防止協力金の支給を、迅速に行うよう要望している」「一時支援金や月次支援金の制度が創設されており、加えて、感染拡大が継続している状況を踏まえ、住民生活支援や事業者支援、雇用維持に必要な対策が実施できるよう、国に対し財源措置を要望している」

回答…「生活困窮者への給付にかかる国への政策要求は、現在実施されている各種支援施策の今後の動向を注視しながら、その必要性を適宜判断していく」
回答…「新型コロナウイルスワクチン接種を始めとした医療体制確保など医療機関への支援について国・県への要望は行っている。兵庫県伊丹健康福祉事務所や伊丹市医師会と連携しながら医療体制の充実に努めていく」

2.伊丹市独自にも、上下水道料金の減額、事業者への家賃補助、低所得者への給付等再度実施することを検討してください。

回答…「水道料金・下水道使用料の再度の減免は、国や近隣他都市等の動向や今後の水道の使用水量の推移、市民生活や事業活動に与える影響、自己資金の状況や将来の水道事業経営に与える影響等を総合的かつ慎重に考慮しながら判断する」

回答…「家賃の支払い等に充てることも想定した感染症拡大防止協力金や一時支援金が支給されることに加え、今後新たに月次支援金の創設が発表されている。これらの制度に関する情報を適宜適切に発信し、今後も引き続き事業者の皆様の事業継続支援に取り組んでいく」

回答…「低所得者への市独自の給付については、今後予定している低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金の実施状況や、国や県及び近隣市の政策動向を注視しながら、その必要性を適宜判断する」

【子ども支援について】

1.生理用品の入手に苦労する「生理の貧困」に対応し、必要な人に届くことができるように、市内の小中学校、高等学校、特別支援学校のトイレで無償配布できるようにしてください。

回答…「市内の各学校のトイレにおける生理用品の無償配布につきましては、現時点では考えてはいない。児童生徒の状況の把握や、関係機関と連携しながら課題の解決につなげられるよう努めていく」

コロナワクチン接種予約の相談 受け付けます

 日本共産党伊丹市議団では、お一人住まいの高齢者や、スマホ・パソコン操作が苦手な方へWEB予約の相談とお手伝いをいたします。

 お気軽に議員団または各議員へお問い合わせください(各議員の電話番号は1面記載)。

 (議員団控室電話番号:072-784-8114 午前10時~午後5時)

参考

WEBでの予約方法

1、スマホから①広報伊丹5月15日号に記載のQRコードから予約ページへ
       ②ネットで「伊丹市ワクチン接種」を検索し、予約ページへ
パソコンの場合は②と同じ

2、自宅に届いている「接種券」に記載されている接種券番号(10桁の数字)と
パスワード(最初は本人の生年月日を西暦で8桁 例:19510925)を入力

3、接種場所を選択(接種会場と医療機関が一覧で表示されるので選択する

4、接種希望日を選択する(空いている日が表示されている。空きがなければ別の接種場所を選択しなおす)

5、もう一度パスワードの入力を求められる。この時は最初の生年月日ではなく別のものを入力する必要があるので、あらかじめ考えておく(数字と記号の組み合わせ8桁以上)
6、予約情報が記録され、あとで確認ができる(パスワードが必要なのでメモしておく)

 

伊丹市議会3月議会報告

伊丹市議会3月議会報告

日本共産党伊丹市議会議員 上原ひでき

 日本共産党議員団は、次年度予算審議にあたって、市民の命と暮らしを守り、福祉と教育を充実させるために様々な提案を行い、次の問題を指摘して一般会計予算には反対をしました。一般質問でもコロナ対策について質しました。

 第1に、新型コロナウイルスの感染が広がり、市民の命と暮らしが脅かされているもとで、市独自のPCR検査体制の拡充と生活困窮者への支援、事業者への補償を求めました。しかし、コロナ対策の予算が全く計上されませんでした。

 第2に、近畿中央病院の跡地に、医療空白をつくることなく、必要な医療機関を市の責任で誘致することを求めました。この問題では、市長選挙の論戦を通じて、現職の候補が回復期の病院を誘致すると言わざるを得ない状況をつくり出したことは、市民の運動の成果です。声を上げれば政治は変わります。

 第3には、少人数学級への市の独自対策や中学校給食無償化、中学卒業までの医療費無料化などを求めましたが、前向きの答弁はありませんでした。

 第4に、伊丹市でも菅政権のデジタル化政策を進めていますが、この問題は個人情報を国家が一括管理し、企業がそのビッグデータを活用することを目的としていることにあり、個人情報の保護がないがしろにされます。

 引き続き、市民の切実な要求を実現するため議会で発言をしていきます。みなさんの要望・意見をお寄せください。

2021.4.28. 2021年3月議会 本会議討論 一般会計予算/市人権審条例の制定に反対

2021.4.28. 2021年3月議会一般質問 新型コロナ/少人数学級/給食費

上原秀樹:2021年3月議会 本会議 討論 一般会計予算/市人権審条例の制定に反対

2021年3月議会 本会議 討論
議案第7号令和3年度伊丹市一般会計予算、議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定に対する反対討論

日本共産党議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表しまして、議案第7号令和3年度伊丹市一般会計予算及び議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定に対に対して反対の立場から討論します。

 はじめに議案第7号についてです。

 来年度の市民をめぐる情勢に関しては、新型コロナウイルス感染の影響で、個人市民税では、非正規労働者の減少と給与所得、年金収入、事業者所得などの減少により、対前年度対比で5.7%の減となるとともに、法人市民税も21.3%の減少を見込んでいるとおり、市民の大幅な収入の減少が今年度に引き続き来年度も続く見込みとなります。

 このような中で、伊丹市に求められていることは、感染から市民の命と健康を守り、暮らしを支える市政です。以下、問題点を述べます。

 第1に、新型コロナウイルス感染対策についてです。伊丹市に求められるのは、ワクチンの接種を安全に、すべての希望する市民に行きわたる対策を行うと同時に、ワクチン頼みになるのではなく、一定落ち着いている今こそ、PCR検査を思い切って広げ、無症状の感染者を見つけ出し、保護、療養・治療をして感染者を減少させることです。そして、生活上で困難に陥っている人に給付を行うとともに、自粛によって営業が困難なところに十分な補償をすることです。経済対策はソーシャルディスタンスのとれる範囲で行い、感染を封じ込めることに全力を上げること以外に今後の経済対策に道を開く方法はありません。

 この点では一般質問等で伊丹市独自の検査体制の拡充と自粛に対する補償を求めましたが、来年度予算にはその対策が入っていないのは大きな問題です。国からの地方創生臨時交付金と基金を活用して、急いで対策を取られることを求めます。

 第2に、国のデジタル化政策に呼応して、伊丹市でも本格的に行政のデジタル化を進めようとされています。市の方向性はこれからとのことですが、情報通信などのデジタル技術の進歩は、本来人々の幸福や健康に資するものであり、その方向に進むことを求めるものです。しかし、菅政権が進めようとしている「デジタル改革」は、マイナンバーカードの普及を軸に国家による個人情報の一括管理を強め、企業がそのビッグデータを活用することで、経済成長を促すという国家戦略に立っています。なかでも自治体システムの統一・標準化は、自治体独自の施策が消滅する可能性があることや、個人情報保護法の改定では個人の保護体制を大きく改変して規制緩和を狙うものとなります。また、デジタル化は行政手続きのオンライン化など効率的運用に寄与する側面もありますが、行政窓口では助言や相談など人と人の対面によって一人ひとりの実態に沿ったきめ細かなサービスが求められることが多くあり、デジタル化だけで行政サービスの質も向上にはつながりません。さらに「デジタル格差」が広がることも懸念されます。今後の課題として、無批判に国の進めるデジタル化政策を進めるのではなく、コロナ禍で明らかになった通り、必要な職員体制の確保や労働条件の改善など、公務・公共体制を拡充し、市民の権利を保障することを強く求めます。

 第3に、新たに「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」を改定されようとしていることです。この方針は、国の「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」第5条の地方公共団体の責務に対応するものとして、2010年10月に策定されたものです。もともとこの法律の発端となったのは、地域改善対策特定事業の終結に伴う1996年の地域改善対策協議会の意見具申で、同和問題に関する差別意識の解消に向けて教育・啓発は引き続き積極的に推進するべきとされたことにあります。その4年後の2000年に意見具申の趣旨に沿ってこの法律が策定され、教育・啓発に関しては、人権教育のための国連10年行動計画で具体化され、伊丹市でも2001年に同伊丹市行動計画を策定、そして、その10年後に基本方針が作られたという経過があります。したがってこの流れの中心は、同和問題に関する国民の差別意識の解消です。一方、同和問題に限らず、様々な人権課題も存在することは事実です。市のアンケートでも、最も関心のある人権課題は女性、高齢者、障がい者、子どもが多数を占めており、それぞれに関する人権を保障するための施策は重要な課題となっています。しかしこれらの課題は、憲法における人権保障の規定に基づき、解決していくものであり、必要とあれば、教育・啓発はそれぞれの分野で行うべきことです。問題は同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育・啓発を継続することにあります。実体的差別がほとんどない中で、差別意識をことさら強調することは、同和問題の真の解決に逆行するものです。従って、あらゆる人権課題を包括して、それを教育・啓発に関する方針としてまとめる必要はないと考えます。

 第4に、一般質問で要求しました、少人数学級への独自の対策、中学校給食無償化に向けた助成、中学卒業までの医療費無料化、障がい者に対する医療費助成の拡大に対して、前向きの答弁がなかったことです。少人数学級に関しては、教育長からその効果について、詳しく述べられた通りで、せめて中1ギャップ解消のために中学1年生からでも独自の35人学級を求めました。国も中学も含めた35人学級に言及していますので、是非前向きに検討を求めます。また、中学校給食に関しては、文部科学省の調査でも中学校における学校教育費における支出が約14万円で、給食費がその3分の1を占めていること、全国的に給食費への助成が一部助成も含めて約4分の1の自治体で行われていることを明らかにしています。ぜひ検討をお願いします。子どもの医療費助成は中学までの無料化は県内41自治体のうち37自治体が無料化を実施するに至りました。また、障がい者に対する医療助成も阪神間各市と比較して遅れた分野です。この件も是非前向きに検討を求めるものです。

 第5に、全国学力テストの問題です。その目的は、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の課題を検証改善して教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てることとされています。しかし、全国学力テストは、2019年、国連子どもの権利委員会が日本政府に対して「極度に競争的制度」と「ストレスフルな学校環境」から子供を開放するよう勧告する一因となっているように、実態が学校と子どもを点数競争に巻き込み、教育をゆがめるものとなっています。全日本教職員組合の調査では、44%の学校で過去の問題をやらせるなどの特別指導を実施していること、学年初めの学級づくりや授業づくりに支障が出ているという声が上がっています。文部科学省の通知の通り、学力テストの結果は学力の特定の一部分、教育活動の一側面でしかありません。従って、毎年悉皆調査をする必要はなく、数年に一度の調査で十分児童生徒の学力や学習状況の傾向を見ることができます。

 以上が主な問題点です。なお、来年度予算では新規事業はほとんど計上されず、市長選挙後の補正予算に任されることになりますが、本予算において、子どもの虐待防止等すべての子どもの権利を保障するための「子ども家庭総合支援事業」が行われることや、新たな認可保育所増設や保育人材確保等によって241名分の保育の受け皿を整備されること、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業など、新たに取り組まれる事業に関しては評価をするものです。

 なお、本会議や委員会で様々な要望や提案を行いましたが、先ほど述べたこと以外に主な点を述べます。

 第1に、近畿中央病院の跡地への医療機関の誘致は、県と公立学校共済組合との共同で、回復期病床だけではなく地域に必要な医療機関の機能を有する病院を、医療の空白期間をなくし、伊丹市が責任をもって誘致されることを求めます。

 第2に、公立幼稚園・保育所の統合再編に関しては、これ以上の再編を行わず、3歳児全員入園と延長保育の時間延長を求めるとともに、保育所待機児童の解消における年度途中の待機については公立で担えるようにすることを求めます。

 第3に、地震、豪雨など自然災害対策のさらなる充実と、地域での避難行動要支援者対策も含めた地域防災計画策定に支援を行うとともに、避難所ともなる学校体育館に空調施設を整備されることを求めます。

 第4に、共同利用施設の統合再編に関しては、地域組織での議論をもとに、伊丹市が地域の実情を考慮したうえで判断されることを求めます。

 第5に、市営住宅に関して、住まいの人権を保障するため、200戸の削減ではなく、市民の実態に即して増設されること、耐震基準を満たさない住宅の順次建て替えを改めて求めるとともに、その間に住宅のバリアフリー化と必要な修繕を行うことを求めます。

 以上が主な要望ですが、その他本会議・委員会で要望しましたことを、今後実現に向けて取り組まれることを要望して、反対の立場からの討論とします。

 次に、議案第20号伊丹市人権教育・啓発審議会条例の制定についてです。

 この条例は、現行の「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」の改定を行うために、伊丹市人権教育・啓発審議会を設置しようとするものです。

 第1の問題は、この「基本方針」の根拠法となる「人権教育及び啓発の推進に関する法律」では、国民の責務として、「人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努める」としています。その「涵養に努める」中心は教育・学習です。しかし、憲法に基づけば国民の学習・教育は権利です。また、「人権が尊重される社会の実現」の責務は国と自治体にあります。したがってこの法律は、憲法をねじ曲げるものとなっていることが問題です。したがって、この法律による「基本方針」の策定自体が問題です。

 第2には、先ほど一般会計予算に対する討論で述べた通り、あらゆる人権課題を包括して、それを教育・啓発に関する方針としてまとめる必要はないと考えます。

 以上の理由により、本条例の制定に反対するものです。

 議員各位のご賛同をお願いしまして討論とします。

日本共産党伊丹市議団ニュース376号を発行しました

pdfアイコン 日本共産党伊丹市議団ニュース376号

日本共産党伊丹市議団ニュース376号1面

日本共産党伊丹市議団ニュース376号2面

 新年あけましておめでとうございます
 新型コロナウイルス感染拡大の「第3の波」の深刻な危機が起こる中で新しい年を迎えました。菅政権は「医療崩壊」の危機、雇用と事業の困窮という深刻な事態に対して、無為無策と逆行というほかない有様です。伊丹市においては、党市会議員団がコロナ感染対策でこれまで14回にわたる切実な市民の声を届けてきました。先の12月議会でもPCR検査の拡大と暮らしと営業を守る市独自施策を要求しました。しかし、残念ながら藤原市政はこれに応えようとしません。
 今年は総選挙が行われる年です。菅政権が「無為無策」で感染防止に逆行の政治を続けるならば、政権を変えるしかありません。日本共産党は、今度の総選挙で野党連合政権をめざすことを決め、他の立憲野党と国民に呼びかけました。そのために市民と野党の共闘を広げるとともに、その要となる日本共産党を、特に比例代表選挙で躍進させていただくために全力を尽くします。
 また、4月には市長選挙が行われます。公立幼稚園の統廃合や病院の統合再編を進め、子どもの医療費無料化に背を向ける市政を変えるために、力を尽くします。今年もご支援をよろしくお願いします。
 みなさんの益々のご発展とご健勝を祈念いたします。

2021年元旦

日本共産党伊丹市議会議員団
上原ひでき 
ひさ村真知子

【2面】

市政報告会
1月23日(土)午後2時~
アイホール カルチャールーム
主催:くらしとまちに元気を伊丹市民の会

2020年12月議会終わる

2020年度12月議会が12月3日から23日まで、21日間の日程で開催されました。

 12月補正予算では、コロナ対策としては感染防止資機材の整備などにとどまり、デジタル化推進事業やマイナンバーカードを健康保険証として利用するためのシステム改修などが盛り込まれ、市民の暮らしや業者への支援はありませんでした。
 党議員団はPCR検査拡充や暮らしを応援する施策を提案して奮闘しました。

日本共産党伊丹市議団ニュース371号を発行しました

日本共産党伊丹市議団ニュース371号を発行しました

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pdfアイコン 日本共産党伊丹市議団ニュース371号(裏面 アンケート用紙)

来年度予算要求懇談会のお知らせ

日時:10月28日(水) 午後7時~
会場:東リいたみホール 3階 会議室2

伊丹市に対する予算要望 裏面の用紙をご利用ください。
当日参加できない場合はFaxで送付頂くか、党市議会議員団、党市委員会へご持参ください。

日本共産党伊丹市議団ニュース371号(表面)

日本共産党伊丹市議団ニュース371号(裏面 アンケート用紙)