日本共産党伊丹市議団ニュース359号を発行しました

新型コロナウィルス感染症対策

日本共産党伊丹市議団ニュース 第359号

2020年4月20日 日本共産党伊丹市議会議員団

新型コロナウィルス感染症対策
「自粛と補償は一体で!」
 党議員団 市民の要求をくみあげ、提案・要望を提出
 日本共産党議員団は、アンケートや聞き取りによって寄せられた意見・要望を議会「災害対策支援本部」を通じてそのつど市長に届けています。
 以下、最近の要望と回答をお知らせします。

 日本共産党伊丹市議団ニュース359号はこちら(PDF)

 

伊丹市議会災害対策支援本部会議 情報(4月17日)

 4月17日に開催された市議会災害対策支援本部会議の資料です。

 この中に、党議員団が4月14日に提出した意見・要望に対する回答がありますので、ご覧になってください。

 さらに皆さんから要望等がありましたら、メール等で連絡ください。
 また、「議員団ニュース」も参考にしてください。

  下記資料の一括ダウンロードはこちら下記資料の一括ダウンロードはこちら(5ページ)

1.新型コロナウイルスへの対応状況(4月17日9時現在)(1ページ)

2.公明党からの質問と回答(1ページ)

3.共産党からの質問と回答(3ページあり)

児童くらぶ、保育所が特別保育に(4月14日)

 児童くらぶ、保育所(こども園の保育所関係も)が特別保育に変わります。

 特別保育とは、対象児童を限定して受け入れる保育で、以下の資料の通りに限定するものです。なお、その対象者数は現在調査中です。

 児童くらぶ、保育所の特別保育への移行について
 (p1)児童くらぶ/(p2)保育所等

新型コロナウイルス対策に関する意見・要望・提案(4月14日)

2020年4月14日

新型コロナウイルス対策に関する意見・要望・提案

日本共産党伊丹市議会議員団

  この「意見・要望・提案」のダウンロードはこちら

1.緊急事態宣言が出された都府県では、いずれも「自粛と補償はセットで」という要望が強い。何らかの補償がなければ、自粛も機能しないのは明らかである。アメリカもフランス、イギリスなどでも保証をしている。そこで、国がやらないのなら、兵庫県と市町が協力して事業所や働く人への補償を考えることが必要と思う。全国的には市町レベルでも少ないながらも補償するところが出ている。

①市内の小規模事業所の実態はどう把握されているのでしょうか。
②出勤を自粛された人への補償はどうなっているのでしょうか。
③伊丹市として国に対して「自粛は補償とセットにすべき」と強く求めていただきたい。

2.小・中学校の給食センターにおける従業者、事業者に対する給与、委託料の支払いはすることになっているのでしょうか。できなければ、再開した場合の従業者等の保障がなくなる場合も想定される。

3.市内で企業を解雇されたために住居を失った人はいないのかどうか。仮にそのような人が出た場合の対策はできるのか。

4.国民健康保険事業における傷病手当の実施は始まっているのか。専決で行うのか、補正予算として計上するのか。国保税の減免・免除制度が創設されるが、これらを含めて市民への情報提供と迅速な対応を求めるが、どんな体制を考えているか。

5.兵庫県内における検査体制と病床確保の状況を教えてほしい。

6.放課後デイサービスの実態をどう把握されているのか。感染防止のために欠席した子どもへの電話対応はきちんとされているのか。

以上

伊丹市議会災害対策支援本部会議 情報(4月14日)

 4月14日、伊丹市議会災害対策支援本部会議が開催されましたので、その内容をお知らせします。(資料一括ダウンロードはこちら

資料1…新型コロナウィルスへの対応状況(4月14日午前9字現在)

資料2…党議員団が提出していた要望に対する回答(介護施設について、学校休校について、児童くらぶについて、市民への情報提供について)です。その中で、学校休校における子どもの受け入れ等は一切行わないとのこと。このことは結局地域の公園等における集団的な遊びにつながらざるを得ません。また、児童くらぶの利用自粛に伴う育成量の返還は、資料4の通り、返還することになりました。

資料3…副市長による市職員の勤務に関する通達で、職員の勤務はできる限り減らすことになります。

資料4…新型コロナウイルス対応の市の補正予算の内容です。

資料5…阪神間各市議会の対応の資料です。

資料6…全国市議会議長会からの視察の自粛要請です。

 なお、議員も議会への登庁を自粛することが要請されました。党議員団も可能な限り協力をしますので、議員に用事がある場合は連絡してください。

新型コロナウイルス対策に関する質問・要望・提案(2020年4月8日)

新型コロナウイルス対策に関する質問・要望・提案(2020年4月8日)

日本共産党伊丹市議会議員団

 党議員団が提出していた要望に対する回答はこちら(4月14日掲載)

 「新型コロナウイルス対策に関する質問・要望・提案」のダウンロードはこちら(PDF)

 国による「緊急事態宣言」が出されたことに伴い、以下の点を要望する。

1.介護施設について

伊丹市内において、感染防止のためにデイサービスを休止する事業所は出ているのでしょうか。休止する事業所が出た場合、今まで通所していた高齢者への対応はどうされるのか。休止することで、職員が利用者を訪問してサービスを提供する場合、報酬単価が低すぎることが問題で、十分サービスが行われる保障がないと思われる。

 そこで、仮にデイサービスを休止した事業所が出た場合、

①訪問してサービスを行う場合の報酬単価を引き上げることを国に求め、伊丹市としても助成を考えること。

②今までデイサービスで出していた食事を、職員が利用者に配達するなどで安否確認ができるようにすること。

2.学校休校について

 小・中・高・特別支援すべての学校が5月6日まで休校となりました。これにより春休みを含めると2カ月以上基本的に学校にいけない状態が続くことになる。

 ①子どものストレスを解消するためにも、生活リズムを崩さないためにも、時間を区切って、交代で学校に来られるような対策を検討すること(校庭や体育館の使用も)。

 ②図書館や学校図書室で本を借りることができるようにすること。

 ③保護者が医療・福祉・公務などにつく人や困難を抱える世帯の子どもは、引き続き学校で受け入れることができるようにすること。

 ④経済的な困難を抱える世帯の子どもへの支援として、子どもの学ぶ権利を保障するための学校での受け入れも検討すること。

 ⑤交代等により学校で受け入れする場合、学校給食が利用できることも検討すること。

3.児童くらぶについて

 児童くらぶの職員も2カ月以上の長期間に渡って一日中の勤務となり、子どもたちの生活も長期間に渡る。

 ①指導員は交代で休めるようにすること。

 ②子どもたちには程度な運動ができるようにすること。

 ③議員総会でも問題となったが、3月における児童くらぶの利用の自粛要請に伴う育成料は日割りによって返還することを改めて求める。

4.緊急事態宣言によって市民や事業者等が利用できる制度を、わかりやすく15日付の広報に載せて徹底し、疑問にも答えられるように職員体制を整えること。
 
※なお、参考までに、日本共産党国会議員団の「緊急要望」を添付します

日本共産党国会議員団が「緊急要望書」を提出しました

 この緊急要望書のダウンロードはこちら

 日本共産党中央委員会のホームページ(国会議員団 緊急要望)はこちら

新型コロナウイルス感染症対策 緊急要望

2020年4月6日 日本共産党国会議員団

1、自粛要請と一体に補償を行うこと

――苦境に陥っている事業者・個人に感染防止対策として思い切った補償に速やかに踏み出す

 イベントや外出の自粛要請により、収入が途絶える、激減する事業者・個人が広がっている。収入減への補償に踏み出してこそ、自粛要請にこたえて安心して休業することができ、感染拡大防止の実効性を確保できる。感染防止対策として「自粛要請と一体に補償を行う」ことを、一刻も早く政府の基本方針にすえるべきである。憲法29条は「私有財産は、正当な補償の下に、公共のために用いることができる」としている。この精神にたつなら、感染拡大防止という公共のために起きた損失を国が補償することは、憲法上の要請である。

(1)緊急に、すべての国民を対象に1人10万円の給付金を支給すること。

 現金給付は、「1人10万円」を求める。一刻も早く届けることを最優先にする。様々な条件をつけることによる事務手続きの煩雑化などを避け、すべての国民(日本に居住している外国人を含む)を対象にする給付を急いで行う。高額所得者は新型コロナ終息後に所得税の増税で実質的に返納してもらうなどを検討する。これはあくまで緊急の措置であり、一回きりの現金給付でおわりにせず、賃金・収入補償の仕組みを急いでつくる必要がある。

(2)賃金・収入の8割以上を補償する手立てをとること。

 雇用保険加入者か否かに関わらず、非正規雇用労働者、フリーランス、自営業者も含め、通常の賃金・収入の8割以上を補償し、速やかな支給ができる手立てをとること。

(3)「自粛」による倒産・廃業をさせないために、固定費などへの補償、税・社会保険料の減免を行うこと。

 自粛要請によって直接・間接に影響をうけているすべての中小・小規模事業者に対して、家賃・地代・水光熱費・リース代などの固定費への直接助成をはじめ、自粛要請による損失を補償する。また、国保料(税)の緊急減免をはじめ税・社会保険料の減免や消費税納税の猶予を行う。

(4)イベント中止などにともなうキャンセル料・必要経費の補償を行うこと。

(5)無担保・無利子融資を当面20兆円以上の規模にするとともに、速やかに受けられるようにすること。

  中小・小規模事業者が資金繰りのために、無担保・無利子融資を速やかに受けられるようにすること。そのためにリーマンショック時の20兆円を上回る規模を確保し、受付窓口の体制を強化するとともに審査の迅速化をはかる。

(6)リストラ解雇を起こさないよう、経済界・大企業に雇用責任を求めるとともに、万全の体制を講じること。

 リーマンショック時に、大企業で、特別の融資を受けながら解雇リストラを行うことが横行した。経済界・大企業に雇用責任を果たすよう求めるとともに、特別融資の要件として、雇用の維持を明記する。

 リーマンショック時のような「派遣切り」を二度と繰り返さないために、万全の対策を講じる。

(7)各自治体が取り組む地域経済対策を支援するために、「地方臨時交付金」制度を創設すること。

2、医療・介護・障害者等の社会保障の体制を崩壊させないための予算措置を行うこと

 “医療崩壊”への危機感が専門家会議をはじめ、関係者から相次いで表明されているにもかかわらず、現場の体制確保、ベッドや軽症者のための療養・宿泊施設の確保をはじめ、医療のための本格的な財政措置が、いまだにとられていない。

 また、感染拡大への不安から、受診抑制、介護の訪問サービスやデイサービスの利用を控えるなどにより、医療・介護などの事業所も大幅な減収となっている。このままでは次々と事業所がつぶれる危険性がある。社会保障の体制崩壊を起こさないための予算措置は急務である。

(1)新型コロナウイルス感染症への対応として、病床確保が急がれる。空き病床を準備する場合の減収分をはじめ、感染症対応で必要となる経費は、全額国が補償すること。

 政府は「ベッドの確保」を要請しながら、それに伴う必要な財政措置を行っていない。医療体制確保に必要な経費は全額国が負担をすることを明確にする必要がある。

(2)軽症者への対応のために、宿泊・療養施設の確保と運営など必要経費は国の責任で確保すること。

 軽症者対応は宿泊・療養施設を基本にすべきである。政府は、ホテルなどを借り上げた宿泊・療養施設を確保することを自治体に要請しているが、ここでも財政措置をとっていない。確保と運営に必要経費は国の責任で確保する。

(3)医療機関を、新型コロナ対応の病院と、一般患者対応の病院に役割分担を行い、それぞれについて手厚い支援を行うこと。

 役割分担をはかることは、医療崩壊を阻止するうえでも急務となっている。

(4)医療機関に、必要な装備・備品をすみやかに供給すること。

 医療関係者を感染から防護するために、医療用マスク、ゴーグル、防護服などをすみやかかつ十分に供給すること。人工呼吸器の供給の抜本的強化をはかること。

(5)医療を最前線で担っている医療機関への補償を適切に行うこと。

 患者発生にともなう減収および、外来患者の減少にともなう損失など、医療機関への補償を行う。

(6)急性期病床の大幅削減となる公立・公的医療機関の再編・統合を直ちに凍結し、撤回すること。

(7)介護事業所の感染症対策の必要経費、デイケア中止などによる減収分を全額補償すること。

(8)障害者施設に対する報酬を月額方式にすること。就労支援施設での自粛の影響による減収、利用者の工賃について全額補償すること。

3、PCR検査の問題点を明らかにし、ただちに改善策をとること

 感染確認から短期間で重症化する事例が報告されている。重症者・死亡者をできる限り抑えるためには、迅速なPCR検査が必要なことは明らかである。また、医師が必要と判断しても、PCR検査にたどりつかない、検査までに相当な時間を要しているなどの指摘は後を絶たない。PCR検査の現状の問題点を明らかにするとともに、早急に以下の改善を行うこと。

(1)医師が必要だと判断したら、帰国者・接触者相談センターを介さずとも、速やかに検査が受けられる体制をつくること。

(2) 相談センター、行政検査、クラスター対策など、対策の中核となる保健所体制の抜本的な強化に予算措置をふくめ国が全力で支援すること。

(3) 抗体検査を早期に導入すること。

(4)帰国者に対して、公共交通機関の利用をしないよう求めるだけでなく、ホテル等の待機場所の確保や必要経費の補償をすること

4、消費税5%への減税に踏み切ること

 消費税10%への増税の影響で、経済指標がマイナス傾向を強めていたところに、新型コロナウイルス感染症の巨大な打撃が加わった。

 政府は、消費税率引き上げについて「リーマンショック級の出来事がないかぎり、予定通り引き上げを行う」と説明していたことを見ても、消費税率の引き下げに踏み切ることは当然である。

 消費税減税は、食料はじめ生活必需品はどんな時期にも購入するのであり、所得の少ない人ほど手厚くなる重要な生活支援策となる。さらに、新型コロナ感染が終息に向かう時期には消費喚起、需要拡大効果となる。

 ただちに消費税率5%への引き下げを行い、一時的ではない経済対策として、応能負担を原則とした税制の見直しを迅速にすすめること。

伊丹市新型コロナウイルス感染症対策本部会議 概要

市の「対策本部会議」が8日の午前に開催され、その内容が議会から報告されましたので、お知らせします。

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議会災害対策支援本部 事務局→ 本部役員(会派代表者)等へのご連絡
令和2年4月8日

 本日11時00分から、伊丹市新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催されましたのでその概要をお知らせします。

①学校園、市立伊丹高等学校については、一昨日お知らせした内容に変更はありません。5月6日まで休校が延長されます。

②保育所、2号3号認定こども園、児童くらぶについては、感染防止対策を厳重に徹底した上で、保育サービス等の事業を継続します。
 なお、家庭での対応が可能な場合等は、可能な限り利用の自粛を要請します。

②高齢者施設・障害者施設については、感染防止対策を厳重に徹底した上で、事業を継続します。
なお、家庭での対応が可能な場合等は、可能な限り利用の自粛を要請します。

④公共施設については、4月16日までの閉館を5月6日まで延長します。
市主催イベントについても4月30日までの中止期間を5月6日まで延長します。民間主催イベントは自粛要請します。

⑤生活の維持に必要な場合を除き、外出の自粛を要請します。

⑥医療関係者、患者関係者等への風評被害対策や食料・医薬品等の買い占めを行わないように周知を図ります。

⑦今回の決定事項等について、HPはもとより、広報伊丹4月15日号の記事を急遽、予定していたものから差し替え、市民の皆様にお知らせします。
4月15日号の配布が、通常より3日程度遅れることをお許しください。

2020年3月議会 上原秀樹:本会議討論

2020年3月議会 本会議討論 一般会計等審査特別委員会

日本共産党伊丹市議会議員団 上原秀樹

 日本共産党議員団を代表して、議題となりました議案のうち、議案第10号、24号、30号に対して反対の立場から討論します。

 はじめに、議案第10号 令和2年度伊丹市一般会計予算に対してです。

新型コロナウイルス対策についての意見・要望

 最初に、新型コロナウイルス対策についての意見・要望を述べます。

 第1に、中小企業をはじめとする企業倒産とリストラ・失業の連鎖を起こさないことを経済政策の大きな目標に据える必要があります。そのために、中小企業への無担保無保証人制度を思い切って増やすとともに、雇用調整助成金を10分の10へ、またフリーランスをはじめ雇用保険の対象にならずに働いている人への所得補償制度を充実することです。さらに、消費税5%への緊急減税を本格的に検討し、実行すること、国保税をはじめ社会保険料の緊急減免などの措置をとることを国に強く求めていただきたいと思います。

 第2に、政府の「全国一律休校要請」が各地で深刻な混乱と被害を引き起こしている問題です。とくに子どもたちの受けた被害は深刻です。長期の休校は、「基本的に自宅ですごす」という子どもの生活にそぐわない方針のもとで、子どもの心身の健康を損ねるおそれすらあります。学ぶ権利の保障の問題も重大です。

 そこで、伊丹市教育委員会として、学校への子どもの受け入れや校庭・体育館の使用、図書館などの公的施設への子どもの受け入れの促進等、子どもの心身のケアを重視することを強く求めます。また、突然の長期休校は、障害のある子どもにとって特に深刻です。子どもの生活が昼夜逆転する、パニックになる、親のストレスが限界に達するなど放置できない状況が広がる可能性があります。障害に応じた教育的ケアなどができるよう、特別支援学級を含め、教育委員会として改善されることを求めます。さらに、小中学校では、3週間の授業がなくなってしまいますが、この回復に関しては、学校・教員に最大限の裁量を保障し、個々の実情に応じた無理のない計画で、授業の遅れを取り戻せるようにすることを求めます。

 第3に、検査体制の問題です。かかりつけ医などの民間の医療機関では検査を受けることができず、PCR検査も兵庫県内では4か所しかありません。諸外国と比べて検査体制が遅れていることが重大な事態につながる恐れがあります。
 そこで、国と県に対し、急いで検査体制を強化し、民間診療所が必要と判断すれば検査ができるようにし、PCR検査体制を抜本的に強化すること、コロナウイルス感染症患者の入院病床の確保を求めていただきたいと思います。

一般会計予算について

 では、一般会計予算について述べます。

 はじめに歳入についてです。個人市民税では納税義務者の増によって5千万円の増加となっていますが、増えたのはパートやアルバイトなどの非正規雇用で、給与所得は逆に0.31%のマイナスです。法人市民税でも、資本金10億円以下の中小企業の欠損法人が増加しています。いずれにしましても、消費税増税による消費不況の影響が市民の暮らしと中小企業に深刻な事態をもたらしていることがうかがえます。さらに、安倍政権の下で全世代型社会保障の名のもとに、高齢者医療費自己負担の増や年金の削減等が行われようとしていることも重大です。
 来年度はこの情勢のもと、市民の暮らしを守る施策が強く求められています。

来年度予算における問題点

 次に来年度予算における問題点についてです。

 第1に、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編の問題です。この問題の発端は、社会保障費削減の方針の下、安倍政権が医療費を抑制するために2025年に向けて必要な医療機関の病床数を33万から37万床も削減すべきとしたことにあり、伊丹市における病院の統合再編もその流れから出された問題です。

 問題の一つは、統合再編によって病床数を200床削減する問題です。県の地域医療構想においても、北阪神準圏域では2014年対比で2040までにすべての病床あわせて382床不足し、なかでも回復期が約1,300床不足します。この伊丹市の病院統合再編でさらに病床数が200床不足することになります。これでは医療難民を生みかねません。

 二つには、市内南部から総合病院がなくなることです。近畿中央病院は、約60年間、地域に根差した総合病院として大きな役割を果たしてきました。長年にわたる周辺住民の身近なところでの総合医療を受ける権利を奪うことになります。

 三つには、今回の新型コロナウイルスへの対応を考えた場合、感染症対策に緊急を要する事態に公立・公的病院が果たす役割は大きく、公的総合病院が一つなくなることで十分な対応できなくなる可能性があります。

 一方、病院統合再編基本方針(案)では、新病院の運営形態を伊丹市の直営として公営企業法の全部適用としたことや、近畿中央病院の跡地への民間病院の誘致の検討、公共交通機関による新病院への交通アクセスの検討等、今後周辺住民とともに生かすことができる点も含まれています。引き続き住民とともに協議を続けていただきたいと思います。

 第2に、伊丹市市営住宅等整備計画(案)において、伊丹市の市営住宅の目標管理戸数を約200戸減らし、1,700戸としたことです。その目標管理戸数の算出方法は、国土交通省が示した「ストック推計プログラム」により、著しい困窮年収未満の世帯数を基礎にしたものです。しかし、著しい困窮年収未満の世帯の収入基準は、市営住宅入所基準の所得の約2分の1、月額所得8万円です。このような低い所得基準を基礎に必要な目標管理戸数を推計することでは、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅の役割を果たすこととはできません。また、市営住宅の建て替えをしないことも大きな問題です。伊丹市は、公営住宅法第1条に書かれている「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備」する責任があり、一部の住宅にエレベーターを設置することを検討されていることは評価しますが、今後、市営住宅建て替えも含めて、若年者から高齢者まで、必要な人が入居しやすい住宅への改良や民間住宅の家賃補助制度の創設等を求めるものです。

 第3に、職員の人事評価です。公共を担う公務員には、全体の奉仕者の立場から、市民の声を聞き、提供する市民サービス、人権保障のあり方を職場で自由に議論し、決定する権限が与えられています。そのような場に「能力」「業績」などという測ることが困難な尺度で5段階評価することは、単純なことではなく、評価によっては公務員の労働意欲の向上や創意工夫の発揮を阻害することにもつながります。今後、人事評価の問題点を十分認識していただき、5段階評価はやめることなどを含めて、職員の力が十分に発揮され、市民福祉の向上に向けて働きやすい職場とされるよう改善を求めます。

 第4に、マイナンバーカードの問題です。カードの交付が2016年1月から始まって4年になりましたが、目標に比べて大幅に遅れています。カードの普及が進んでいないのは、国民が必要としていないことともに、カードをめぐる様々な問題が噴出していることがあります。マイナンバーを記載した行政文書の誤送付や、国・自治体によるマイナンバー付きの情報の漏洩が頻繁に起きています。また、他人がマイナンバーカードを取得する事件やカードの偽装が発覚しています。

 このようなもとで、国はマイナポイント制度等によって一気に普及を加速しようとしていますが、今後、税や銀行預金、医療・福祉の個人情報がカードでひも付されれば、政府は一人ひとりの健康やその履歴、財産などを瞬時に入手できるようになり、「安心・安全」どころか危険な国民監視社会を加速させかねません。

 第5に、教育の分野では、全国学力テストへの参加と市独自の学力テストの問題です。来年度はコロナウイルスの関係で4月は取りやめることになりましたが、中止されていません。国は、今後どうするかは検討するとのことですが、特に来年度は授業をどう進めるのか見通しが立っていないもとで実施することは、子どもの学習にとっても、教員の働き方にとっても大きな負担となり、中止すべきです。学力調査が必要な場合、数年に一度の抽出調査で十分です。改めて検討を求めます。

評価する点

次に評価する点です。

 ①保育所待機児童解消に向けて、定員180人分の民間保育所整備を支援することとともに、民間保育事業者の保育士確保のための支援されることです。

 ②妊娠出産包括支援事業によって、産前産後のサポートが受けられない妊産婦の不安や負担軽減を図る事業を行うことです。

 ③パートナーシップ宣誓制度を創設されることです。

 ④かねてから要望していました合葬式墓地を整備されることです。

要望

 次にいくつかの要望をします。

 ①保育所における3歳から5歳児の副食費の保護者負担に関して、国に対してその撤廃を求めるとともに、伊丹市として補助制度を創設することを求めます。

 ②職員の働き方改革に関しては、一定の努力されていることは認めますが、時間外労働は月45時間、年間360時間以内にするよう、一層の改善を求めます。

 ③みやのまえ文化の郷再整備事業における博物館の廃止に関して、社会教育施設である博物館はその調査・研究と一体的なものであることから博物館は残し、その上で文化・歴史・芸術の連携を図るべきと考えますので、検討を求めておきます。

 ④夜間中学校の問題では、近隣の尼崎市で開校している夜間中学校に近隣自治体からも入学できるよう改善を求めます。
 以上、そのほか本会議での文書による発言や委員会での審議で出しました提案・要望を今後検討していただきますよう求め求めるものです。

伊丹市立児童会館条例

 次に、議案第24号 伊丹市立児童会館条例の制定についてであります。

 本条例案は、児童福祉法第40条に規定する伊丹市立児童会館を設置しようとするものです。その法第40条では、「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設とする」としています。

 本条例案の問題は、第4条 指定管理者による管理です。伊丹市が設置する児童厚生施設は3か所あり、内1か所は市が直接管理する施設であり、もう1か所は地域組織が管理し、地域に根差した運営がされています。いずれもこどもの権利を保障する重要な施設となっています。特に本施設は市内の中心に位置し、全市域における子どもの健全な育成に寄与するものです。

 よって本施設は指定管理による管理ではなく、伊丹市が直接管理すべきと考え、反対とするものです。

職員の給与に関する条例など

 次に、議案第30号 一般職の職員の給与に関する条例及び伊丹市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例の制定についてであります。

 本条例案は、伊丹市の給料表を改定して、国家公務員の給料表に全面改正するとともに、所要の規定整備を行おうとするものです。

 問題の一つは、現給補償はされますが、新たに職員となる人にとっては、将来にわたる生涯給料は現在に比べて引き下がることになります。

 二つには、伊丹市が自治体独自の給与票を持っていることに関して、県からの技術的助言があったことが契機となっていますが、国家公務員の給与表に改正された自治体は阪神間でも少数にとどまっています。自治体職員の給与は自ら決めるものであり、技術的助言とはいえ、国や県が関与するものではありません。

 三つには、教育職給与表(二)を廃止することによって、一般行政職の給与表となり、幼稚園教諭の給与が引き下がることになります。こども園も幼稚園、保育所も幼児教育が大切だとして、教育委員会の所管になりました。こども園での同じ職場で働く両者の給与を同じにするならば、むしろ保育士の給与を引き上げるべきです。

 よって本条例案に反対とします。