2016年3月議会 久村 真知子:鴻池雇用促進住宅、中学校給食の調理部門の民間委託

2016年3月個人質問

2016年3月9日

日本共産党議員団 久村 真知子

1、鴻池雇用促進住宅廃止に向けて、今後どうなるのか。

① 雇用促進住宅一方的国の廃止決定に関して

 全国にある雇用促進住宅に関しては、2001年の閣議決定で2021年までに完全に廃止をすると決定しています。

 雇用促進住宅は、「石炭から石油へ」と言う国のエネルギー政策転換によって1960年から移転、転職の人々のために国の住宅政策で雇用促進事業団によって建設されてきた住宅で、最高時には全国で38万人が入居され、その後、雇用能力開発機構が管理し、2015年8月、住宅数1190団地、約10万人が住んでいます。

 しかし国は、官から民へと特殊法人改革の中で廃止を進めていったわけです。

 伊丹市鴻池にある促進住宅にも、炭鉱閉鎖から仕事探しで伊丹にこられた方々や震災後から住んでおられる方、派遣切で仕事や住居を失った人も多く入居されています。

 しかしこのような入居者に対して意見を聞いての決定はなく、国は一方的に居住権を奪い、生存権を脅かすような状況を作り出しているのです。

 新入居はストップされ、すでに空き家となっている部屋も目立っています。住宅環境の整備も難しくなっているのではないでしょうか。国の廃止決定のため住民の皆さんは、伊丹市が安心して住めるところの提供などしてもらえるだろうと思っている方もおられると思います。当然の考えかと思いますが、入居者のこのような意見などを聞いているのか大変心配するところです。

 国の一方的な廃止は居住権を全く無視をしており、法に違反した行為と、言わざる得ないと思います。安心した生活が不安に陥れられ、生きていけるのかという生存権が国によって脅かされているのです。このような国の方針にたいして、市としては、どのようにお考えなのか見解をお伺いいたします。

②伊丹市に対して鴻池の雇用促進住宅の「機構」から譲渡の話の経過、結果、さらには、公営住宅などの活用にについてお聞きします。

 このような大変な問題に対して丁寧な説明が行なわれるべきですが、現状は、「国の方針や現状の経過が書かれた説明文書を受け取っただけですね」、と言う方々も多くおられ、住んでいる人への個々の質問に応えると言うような丁寧な相談はされていないようです。

 説明書に記載されている内容は、「入居者と建物を一体として、関係自治体への譲渡を行う方向で、打診をしてきたが、伊丹としては、譲渡を受けるとの返事ではないため、民間への売却を行なう準備を進めているところ」という内容が伝えられています。しかしその理由などは示されてはいませんので気になるところです。

・伊丹市への譲渡についての経過、結果は、どうであったのかお伺いいたします。

・また、他市では、若い人向けの住宅としてなど様々に活用されているようです。伊丹市としても安心安全の生活の維持のために伊丹市として公営住宅として他市の取組みを参考にしての活用することはできないのでしょうか。考えはいかがでしょうか。

③次に、入居者状況の把握と様々な支援が必要ではないか。

 廃止の2021まであと5年しかないのですが、現状では、今後どなるのかが決められてはいません。その中で高齢者や病気の人も多い中、転居準備などができるのかなど大変心配です、転居費用のこと、敷金のこと家賃などお金の問題。特に家賃は、今と同じようでないと支払いが大変です。

 様々な方が入居され、日本語が理解できないまたもおられますので、きちん分かる言葉での説明が要るでしょう。このような問題は当然国が行うべき事であると思いますが、現状ではそのようなことは全く示されてはいません。住んでいる方々は、不安を抱えたままの生活です伊丹市にも相談にもこられていると思います。住民の方々などの現状を把握して、できる範囲で様々な支援を行なっていただきたいと思いますが、どのように対応されているのでしょうか。

④今後の住人からの相談などは、国との連携で応えられるようにすべきではないか。

 現状の様子では、今後もより相談にこられる方が増えるのではないかと思います。伊丹市民の皆さんの安全・安心なくらしを保障するためには、伊丹市としても、相談者の話を、親身に聞いてほしいと思います。そして問題解決のために、国に対して十分な説明を求めていただくと共に、国と連携して問題の解決に手を差し伸べていただきたいと思いますがいかがお考えでしょうか。

2、中学校給食の調理部門の民間委託に関して。

①市民の関心は食の安全。国の施策のTPP合意で給食の安全性の確保はどうなるのか。

 共産党議員団は、伊丹でのすべての子ども達に中学校給食の実施を求め様々な質問を行なってきました。その中で学校給食の安全性や食育の観点から、自校方式で子どもたちと調理員さんが顔の見える形での給食つくりを求めてきました。

 やっと2017年から中学校でも給食が実施されることになり市民の皆さんも期待されています。

 市民からのアンケートにも寄せられた声は安全な給食です。

 特に毎日食事つくりをする保護者は、育ち盛りの子どもたちに安全な食べ物をと買い物にも気をつけておられます。生産地はどこか、添加物はどうか、遺伝子組み換え食品ではないかなど様々な知識がないと安全な食べ物が手に入らない状況となっています。日本の安全基準は厳しく海外に比べれば安心と私たちは思っていますが、TPPで日本の食糧事情が大きく変わるのではないかと懸念する声も聞くところです。

 給食の材料は、伊丹市が責任もって仕入れを行なうと言われていますので少しは安心ですが、大量に仕入れを行なうのですから、影響もあるのではと思います。海外からの食料は市場には多く出回っていますが、安全な食品をしっかり見極めて使っていただけるのか。今後よりいっそうの注意が求められると思います。今後の食材の給食への影響など、どのようにお考えかお伺いしたいと思います。

② 給食の調理部門は、経費削減のために民間に委託することは、官製ワーキングプアにつながるのではないか。どう防止するのか。

 中学校給食検討委員会で様々な角度から議論され「センターの運営方式に関しては、伊丹市の財政状況を鑑み、業務効率の向上を図り経費の削減に努める一方で、安全で安心できる学校給食を提供できる仕組みをつくることが必要であり、これらのことが保障される限り運営方法を市直営とするか、民間委託とするかは市の判断にゆだねることとする」。結ばれています。

 これほど重要性のある給食の位置付けをされているのもかかわらず、なぜ直営でなくて調理部門は民間委託にするのかと疑問もわいてくるのです。

 市の経費削減は、職場の環境に大きく関係すると思います。委託会社は給食を作ることで会社の収益を上げるのですから、収益がなければ委託事業をしないでしょう。どうすれば会社の収益が上がるのかは会社の使命でしょう。

 しかし一方伊丹市は経費削減のため委託をするわけですから、できるだけやすくとなるわけですから、矛盾も出てくるでしょう。この矛盾がワーキングプアを生むのではないかと思います。

 委託費用が給食センターで働く調理員さんへどれだけ配分されるのかは働く意欲につながる大切なことです。また環境が悪ければすなわち給料が安ければ辞める方も出るでしょうし、入れ替わりが激しくなれば、調理のノウハウも蓄積もできないのですから、委託会社任せではなくどれだけの賃金で働くのかは伊丹市としても点検が必要と思いますが。いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

③問題となっている偽装請負のリスクはあるのではないか。

 私たちは伊丹市の栄養士さんや委託先の調理員さんが当然現場では一緒に力を合わせて調理をすることと誰しも思っていると思います。

 しかし業務を委託されている職場では、伊丹市の管理栄養士がその現場で一緒に調理に参加し指図はできないと言うことですから、大変難しい状況となるのではありませんか。

 またそれをしないために様々に細かいことを仕様書に書き委託先の責任者に渡し作業をしてもらうのと言うことですが、このことも栄養士さんには大変な時間手間がかかると思います。その文書通りに作業を行なうことも大変ではないかと思います。

 そのような職場の環境は働きやすい環境といえるのでしょうか。保護者向けのリーフには確かに調理部門は民間委託にとはかかれていますが。その様な状況で調理がされるということを、市民の皆さんは理解されているでしょうか。

 各地で偽装請負が問題になっていることを私たち議員団は指摘してきておりますが、調理現場で、一生懸命ことも達のために調理をしようとすれば、栄養士と調理員さんが力を合わせようとするのは当然のことではないでしょうか。

 委託ならば、そこに法に触れる行為が発生し偽装請負の問題がどうしてもでてくるのではないでしょうか。絶対にそのようなことはないと言い切れるのでしょうか。私たち議員団はこのような問題は委託で働く皆さんにも影響を与えることであり、本当に良い給食を作れるのかなどの見解から民間委託はやめ直営方式で行なうべきだと提案してきているわけです。伊丹市としても当然偽装請負の状況は把握されていると思いますが、法に触れる心配なく給食の提供ができることがまずは一番ではないか。そのことが市民が求めている安心な給食に大きくつながるのではないか。と思いますので改めて当局の御考えをお聞きしておきます。

④災害対応や様々な業務の拡大等によって、委託先の業務が拡大すれば委託料などはどう対応するのか。

 災害対応に関しても、調理できる契約にするといわれていますが、いつもとは違う作業に当然あるわけですし、また作業工程が様々なことで変化することもあるかもしれません、そのようなときに委託料が変わっていくことは当然あると思われますはそのようなときには、どのように対応されていくのでしょうか。