2012年1月議会:上原ひでき 伊丹市立高校(定時制)統合負担金を質疑

2012年1月 日
日本共産党伊丹市会議員団 上原ひでき

代表質問要旨 伊丹市立高校(定時制)統合負担金を再度提案されたことに関して

・昨年の12月議会 統合負担金3億6千万円を一括で支払う補正予算が可決されなかった。今回の提案は、金額は変えず、3億6千万円を4年にわたって分割で支払うための債務負担行為として提案された。

・12月議会での議員の意見…①3億6千万円の算出根拠とされた、1クラス150万円にクラス数を掛け合わせ、20年間分とされたことが、学校教育法第5条、地方財政法第28条の2の関係で法律に抵触する可能性 ②地方財政法第27条の3の建設費への支出の可能性等の問題

1.市長の提案説明で、「議会のご指摘を踏まえ、件と再協議を行い」とされているが、その内容について、その中心点について伺う。

2.12月議会での問題点について

 12月議会の答弁…統合するにあたり、1学年3クラスの4学年分を特別に増設することで、「県に新たな負担が生じることによるもの」、維持運営費相当分について基準財政需要額に参入される額を除いた残りの額の範囲内での20年分、20年分の根拠はCSR方式(福利厚生施設等)の市町への移管に準じたものと説明。

 しかし今回の提案説明では、「県立阪神昆陽高等学校の本来の学級数に、伊丹市立高等学校の学級分を加えた規模を確保することに係る負担金」とされた。

1)1学級あたり150万円とされた根拠が12月議会でも示されなかったが、その根拠は何か。(基準財政需要額と実際の支出金の差160万円以内ということだけの説明。)

 また、CSR方式に準じたということについて…高等学校とCSR施設とは地方交付税にかかる基準財政需要額の考えは異なる。すなわち、高等学校の基準財政需要額の算定は、教職員数と生徒数、福利厚生施設等に関する規定は、公園の場合を除きまったく異なっている。それなのにCSR方式に順ずる理由は何か。

2)12月議会は「県に新たな負担が生じること」への負担(維持管理費)、今回は伊丹の「学級数を加えた規模を確保することへの負担」…この違いは何か、なぜ変えたのか。

 また、学校教育法第5条「学校の設置者は、…その学校の経費を負担する」と、地方財政法第28条の2「法令の規定に基づき経費の負担が定められている事務について、…地方公共団体相互の間における経費の負担区分を乱すようなことをしてはならない」との法律への違法性の問題はどのように整理され、解消したと考えるのか。

3)今回の提案で「本来の学級数に、伊丹市立高等学校の学級分を加えた規模を確保」とされたが、その「本来の学級数」とは何を根拠にしているのか。もともと3学級としていたという認識だが、どの時点の県教育委員会の見解で判断したのか。

3.一括払いから4年の分割にしたことで、建設費が対象ではないとされるようだが。

1)4年の分割にすることが建設費への支出ではないということの根拠は何か。

4.負担金の支出根拠が極めて不明確であることについて

1)提案説明における「子どもたちの未来への投資」という目的の不明確な「負担金」の支出ということは、地方財政法第3条「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、かつ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない」という法令に違反することにならないか。

2)仮に建設費への支出ではなく、さらに運営費への負担でもなく、単なる一般的な「負担金」とすれば、提案説明で説明された、負担金を払うことで「本市の定時制教育が実質的に継承され」とされているが、その担保はどこにあるのか。

 提案説明で定時制高校の県立高校への統合は「発展的なものであり、定時制教育の充実につながるもの」とされているが、あくまでも伊丹市立高校は廃止され、新たな県立高校が設置されるということ。新設県立高校は県の教育方針に基づき、県下・全国の教訓を踏まえて充実させられていくもの。負担金を払うから県が定時制高校の教育を充実するというものではない。

(2回目の質疑で)

 ◎押なべていえば、市立高校(定時制)を県に引き取ってもらったお礼に3億6千万円支出するということ。持参金付き統合。何に使われるかわからない不明金。従って伊丹の定時制教育が引き継がれるという担保はないお金。

 地方財政法第3条の「合理的基準」もない負担金、である。