2014年6月議会一般質問:上原ひでき ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために

2014年6月11日

日本共産党議員団 上原秀樹

「1.生活困窮者自立支援法に伴う諸問題」はこちら

2.ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために

1)リストラの内容、働く人たちの生活と雇用・地域経済への影響に対する見解を伺う。

 半導体大手メーカーであるルネサスエレクトロニクスは、これまで毎年のようにリストラを行い、2万人に超える人員削減を強行してきました。そして今年1月に新に大リストラ計画を発表しました。その内容は、「国際競争力強化」を理由に、2015年度末までに、社員5400人を削減、賃金制度改定で人件費100億円削減するというものです。

 人員削減は、早期退職の募集、社外への転籍などとしていますが、2015年9月に北伊丹事業所を閉鎖するとして、関東の事業所に関連企業も含めて1600人もの大量転勤を命じ、応じられない人を退職に追い込もうというものであります。

 このことが実施されるならば、転勤できない人の生活に対する多大な影響だけではなく、周辺地域の経済にも重大な悪影響を与えます。職場からは、子育てや親の介護などで移動できないなどの声が上がるとともに、「いくら会社の説明を聞いても武蔵に集約する合理性が見えない」「これまで懸命に積み上げてきた技術はどうなるのか」「転勤しても、行った先でまたリストラになる、信用できない」と、厳しい批判の声が上がりました。

 一方、ルネサス北伊丹事業所の前身である三菱電機は、瑞ヶ池を埋め立てて建設した、伊丹市の誘致企業です。様々な優遇を受けてきた企業が「国際競争力強化」を理由に、事業所閉鎖などで労働者と地域、住民にしわ寄せすることが許されるのでしょうか。労働者、地域住民の雇用と生活を守ることは、最も基本的な企業の社会的責任です。ルネサスの設立母体である三菱電機の社会的責任も問われなければなりません。

 そこで、伊丹市としてのルネサスの今回のリストラの内容、働く人たちの生活と雇用・地域経済への影響に対する見解、並びに、伊丹市として誘致した企業が撤退することに対する行政の考え方、空港を「売り」にして企業誘致を行っている立場からこの事態をどう見るのかについての見解をお伺いします。

2)兵庫県、伊丹市、県労働局との協議の内容について

 「ルネサスのリストラから雇用と地域経済を守る連絡会」は、4月30日、兵庫県と伊丹市に対して「雇用と地域経済を守るための要請書」を手渡して懇談しました。石井孝一・県産業労働部長は、「雇用問題については、影響を少なくしていくために、市と労働局と連携をとりながら最善の努力をしたい」とされるとともに、松村隆・伊丹市都市活力部長も、県と連携するとして5月中に話し合いを持ちたいとされていました。

伊丹市として、県、労働局と連携をして雇用と地域経済を守るためにどのような最善の努力をされようとされているのでしょうか、お伺いします。

【2回目】

2.ルネサスエレクトロニクスのリストラから雇用と地域経済を守るために

1)リストラの内容、働く人たちの生活と雇用・地域経済への影響に対する見解。

・答弁では、「市としては到底受け入れがたく、説明を聞いて、はいわかりましたといえることではない」と答えたとされている。これは当然のことで、「国際競争力強化」の名のもとに事業所閉鎖で、関連企業を含めた1500人をリストラするものだから。

・ルネサス自体は売り上げも営業利益も伸ばしている。

・産業革新機構が約70%の株を所有し、リストラの先導役を果たしている。

2)兵庫県、伊丹市、労働局との協議

・国も含めて、兵庫県と伊丹市は、住民に就業と生活を保障する自らの責任とともに、大企業にその社会的責任を果たさせていく政治的指導責任も、自覚的に取り組む必要がある。その対象は、ルネサスだけではなく三菱電機も。

① 従って、今回のリストラに関しては、リストラによって被害をこうむるであろう地域住民や業者、自治体に対して、十分な説明責任と補償責任を取るよう要求するとともに、地域経済への影響について当該企業が積極的に協力するよう求めていく必要がある。

 この点についての見解を伺う。

② 家族の事情等で転勤できない人に対して、「工場閉鎖のための従業者の出向・移籍による労働移動の支援」を県とも協力して進めると答弁。もともと企業には、従業員の雇用と家族の生活を守る責務があり、それこそが企業の社会的責任の核心をなす問題。

・そもそもルネサスは、答弁でもあったとおり、半導体産業の国内での規模縮小の中、三菱電機等がその部分を切り離して設立したもの。方や三菱電機は、売り上げも営業利益も内部留保も大きく伸ばしている。労働移動の支援に関して、その設立母体の三菱電機の社会的責任も問われなければならない。

・そこで、先ほどの答弁に関して、「出向・移籍による労働移動の支援」という点では、三菱電機に対する働きかけも必要と考えるが、見解を伺う。

「3.公共施設の再配置計画-保健センターと職員会館機能について」はこちら