資料5
請願1~7の賛成討論
日本共産党伊丹市議会議員団
議長の発言許可を頂きましたので、私は日本共産党議員団を代表して、請願第1号~請願第7号について賛成討論をいたします。今回提出されている請願は、伊丹市幼児教育推進計画における公立幼稚園と公立保育所の大規模な統廃合・再編や認定こども園建設に関して、各団体からの関連する請願となっています。
■請願第1号「幼児教育推進計画(案)における市有地売却に関する請願」
初めに請願第1号「幼児教育推進計画(案)における市有地売却に関する請願」についてです。
「市民の大切な財産である公立幼稚園・保育所などの土地を安易に売却することなく、子育て・教育や地域活性化などに活用して欲しい」との請願趣旨・事項となっています。
・土地売却(案)は2014年6月の学校教育審議会答申において、「存続園以外の施設の利活用策については、就学前の子どもたちのための施設に限定せず柔軟性を持たせることが望ましい」としつつも、たとえば地域のコミュニティセンタ-や学童保育のような小学生のための施設なども視野に入れることが望ましいとしています。よって今回の土地売却(案)は答申から著しく逸脱しています。
・当初幼児教育推進計画(案)では、特に幼児教育無償化を2018年度から実施していくためには廃止予定の幼稚園・保育所の売却益を財源にするとの説明でした。しかし国が幼児教育無償化を進めることを明確にしており、基本的にはすべての土地を売却する必要性がなくなりました。
・廃止予定となっている公立幼稚園の園庭面積は、せつよう2,478㎡、すずはら1,860㎡、緑1,619㎡天神川幼稚園2、499㎡と広く芝生化も実施されています。子どもたちにとっても最良の環境が残っています。よって「一度失った豊かな自然や文化的環境は取り戻すことはできません。」との願意は妥当であり、請願に賛成するものです。
■請願第2号「伊丹市幼児教育推進計画(案)における稲野幼稚園に関する請願書」に対する賛成討論
本請願書は、伊丹市幼児教育推進計画において、伊丹市立稲野幼稚園が閉園とされていることに関して、保護者や地域住民、専門職等と話し合う場と時間を与えていただくことを求めています。 請願趣旨にも書かれている通り、稲野小学校地区社会福祉協議会が主催した説明会で、参加者から推進計画の見直しの声が出されていたとされています。そのことは、今まで幼稚園と地域組織とのさまざまな行事等での共同が、地域組織にも潤いを与え、地域の活性化にも影響を及ぼすとともに、園児にとっても地域とのかかわりの中で成長していく姿が地域の中に見えるからです。稲野幼稚園は、一番新しい資料によると、来年度の4歳児の入園予定は26人で、全公立幼稚園の中で3番目に多い数となっています。また、閉園となったとしても土地は売却できないとされています。このような事情から、稲野幼稚園がなぜ閉園となるのか十分理解が得られていないといわざるを得ません。今までのような当局による説明と質疑だけでは不十分で、改めて協議の場が必要と考えます。
したがって、本請願書が、保護者や地域の住民、幼稚園等の専門職のみなさんと話し合う場と時間を与えてもらうことを求めることは願意妥当と考え、賛成するものです。
■請願第3号「伊丹市幼児教育推進計画(案)に関する請願書」の賛成討論
廃園対象の6幼稚園の跡地に対し、「廃園となる幼稚園の跡地を安易に売却せず、地域の子どもたちが活用できる場とすること」との請願趣旨・事項となっています。この問題に関しては、先ほど請願第1号と同じく、国が幼児教育無償化を進めることを明確にしており、基本的にはすべての土地を売却する必要性がなくなったことや、跡地売却が予定されている6幼稚園は1970年~1974年頃建築されており、40年以上も地域にねざし幼児教育の中心として大きな役割を果たしてきたこと。また、仮に比較的規模の大きな認定こども園が新設され、特別支援教育を必要とする子供が集中する場合であっても、従来通り一人一人の状況にあった教育を進めていくことが大切であります。
公立保育所、公立幼稚園では特別支援教育が手厚く実施されてきました。しかし、今回の就学前施設再編計画で統廃合される公立幼稚園・保育所で実施されてきた高い質の特別支援教育を、民間で引き継いで行ける保証は十分ではありません。もし、計画通り就学前施設の再編が行われても、公立幼稚園・保育所で現在実施されている特別支援教育が正しく継承されることを願うのは当然のことであり、請願第3号に賛成するものです。
■次に請願第4号「幼児教育の施策に関する請願書」について
「今後無償化によってさらなる保育ニ-ズが高まり待機児童が増えた時のために、公立幼稚園の跡地を売却するのではなく、子どもたちのために利活用していただきたい」と述べています。この点について計画(案)自体も「核家族化・少子化の進行や女性活躍社会における就業状況の変化など、地域社会の変容を背景に、家庭教育や地域の子育て支援機能の補完が求められるとしています。また当局自身、「土地の売却計画と跡地の活用に関して」の質問に対し、「跡地の利活用を全く持って否定するものではなく、今後の市政運営において、必要とあれば、施設の転用や別用途での土地活用も可能であると考えている」と答弁しています。以上のことから、請願第4号に賛成するものです。
■請願第5号「幼児教育の施策に関して情報の透明性を求める請願」
伊丹市の計画が、あまりにも性急すぎる形での提案であるため、職員の多くの時間をさいた説明にも、納得はできない。伊丹市の幼児教育はどうなるのか。わが子はどうなるのか。と市民、保護者は不安、惑いが起こっています。そのため多くの関係者が連日議会の傍聴に訪れています。その様な中で「私立幼稚園との協定はないと」パブリックコメントの回答であったのが、文教福祉常任委員会では、「公立幼稚園の3歳児は225人と約束している」と、違う答弁がされたことから、市民にたいして、明らかにされていない情報がほかにもあるのではないかと不信感が広がりました。保護者の皆さんは伊丹市と共により良い幼児教育を築きたいと考え、その方針について真剣に考えておられるのですから、伊丹市もその思いにはきちんと応えるべきです。市民に必要な情報を知らせることが、説明責任者としてのあるべき態度ではないでしょうか。そのことは、参画と協働の基礎でもあります。また保護者や市民の理解なしに幼児教育の充実を進めることはできません。行政からの積極的な情報に努めること、情報の透明性を図ることを求める請願には賛成といたします。
■請願第6号「伊丹市Aブロック南部地域の保育所の充実を求める請願」への賛成討論
Aブロック南部地域は、阪神間への通勤の利便性が良く、居住する子育て世代も多数となっています。請願趣旨にありますように、南部地域には多くの待機児が発生しております。さらに、大手前大学跡地への集合住宅建設も取りざたされるなど、この地域は今以上に子育て世代の増加が予測され、就学前施設の需要は拡大すると思われます。また、公立こばと保育所では、「食物アレルギー対応(なかよし給食)や特別支援児対応保育士の常駐による統合保育の体制も整っており、公立でなければ実施の保障がない内容です。さらに、南部地域の公立・私立保育所で唯一専用園庭を持っています。国の認可基準が引き下げられる中、より優れた保育環境を求める保護者にとって重要な意味を持っています。
この間の質疑でも明らかになりましたように、Aブロック南部に位置する柏木町から、議案5号に示される「南部こども園」への通園には距離2.2km、所要時間は徒歩で40分以上を必要とし、保護者と児童に多大の負担を強いることは明らかです。保育所利用者・保護者にとって、駅や職場に近い。通勤ルート上にあるなど「働きながら子育てする」ための保育所立地条件について、請願書で切々と訴えられているこれらの事情は、大いに共感できる内容であり、在園児への配慮は最低限の措置であると考えます。これらのことから、南部地域に引き続き公立保育所を確保してほしいという請願者の願意は妥当なものです
■「請願第7号 伊丹市幼児教育推進計画(案)における緑幼稚園、天神川幼稚園、せつよう幼稚園、はなさと幼稚園、すずはら幼稚園、稲野幼稚園に関する請願書」に対する賛成討論
本請願書は、閉園予定の幼稚園とされている、緑幼稚園、天神川幼稚園、せつよう幼稚園、はなさと幼稚園、すずはら幼稚園、稲野幼稚園などに関し、保護者有志一同から、保護者・地域住民等の方々と意見交換を行う機会を設けることを求めているものです。
請願趣旨にも書かれている通り、12月議会における請願書採択に関し、その請願項目を誠実に実行する責任が当局にはあります。その請願項目の要旨は、①市民参加が不十分なままに計画を策定するのではなく、地域住民、現在の保護者等の意見を聞いて、見直すこと、②地域によって事情が異なる小学校区ごとに市民に対して丁寧な説明を求めているものです。しかし、1月13日の全体説明会は質疑の時間がたらず、参加者の疑問に十分こたえるに至っていなかったことや、各幼稚園等で行われた個別説明・相談会はまさに個別の意見を聞いたり、個人的な相談に答えたりと、地域への説明会ではありませんでした。したがって、本請願書が求めている閉園予定の園に関して保護者・地域住民との意見交換を行う機会を設けることは、願意妥当と考え、賛成するものです。