2017年6月議会 加柴優美:伊丹山田線(昆陽泉町工区) 学校プ-ル開放事業

2017年6月議会 加柴優美:伊丹山田線(昆陽泉町工区) 学校プ-ル開放事業

2017年6月14日
日本共産党議員団 加柴優美

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 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告通り質問します。

まず

A、都市計画道路・伊丹山田線(昆陽泉町工区)について

1.該当区域自治会・住民が「事業化の見直しを求める」ことを決議したことについて

(1) 今年4月9日泉町自治会は定期総会で、「我々は平成25年から手順を踏んで伊丹市に計画道路の見なおし作業の経過説明会を開催するよう要請し、道理をつくし話し合いをしてきた。この過程で兵庫県は、社会環境の変化に対応し塚口長尾線の計画見直しを英断した。環境の変化は山田伊丹線も同じであろう。泉町自治会の住人の多くは山田伊丹線の整備を望んでいない。ましてや当該住民は言わずもがなである。伊丹市当局におかれてはかかる環境の変化をしっかり認識し、われわれの思いをくみ取り、今般実施しようとしている山田伊丹線(泉町工区)の今一度の見直しを求めるものである。」と決議がなされました。当局は当該自治会で反対決議がなされた背景及び理由をどのように考えているのか見解をうかがいます。

(2) また同決議の中で、「平成25年9月第1回住民集会、平成26年7月第2回目住民集会がもたれた。この中でわれわれは『計画決定から65年余が経過し社会環境は激変している。計画の廃止を含めて見直してほしい』旨訴えた。伊丹市は「現時点では白紙状態にある」「これから皆さんのご意見も踏まえて検討する」と述べた。しかるに平成27年7月の第3回住民集会において突然、「山田伊丹線は重要度の高い路線であると認識している。山田伊丹線の都市計画は廃止できない」と明言され、住人から次々と落胆と強い憤り(いきどおり)の声が発せられた。」とこの間の経過が説明されています。計画路線当該住民・自治会から「見直し」の要望・声が出ていたにもかかわらず、「2016年2月に公表した整備プログラム改定」で山田伊丹線を最優先路線としたのはきわめて不可解であります。その理由をうかがいます。

2.昆陽泉町工区整備の必要性について

 第1に、県道飛行場線の拡幅による「役割の低下」をどう考えるのかです。

 計画当初、山田伊丹線は県道伊丹飛行場線の補助幹線道路の位置づけであると仄聞(そくぶん)しています。現在伊丹飛行場線が2車線から4車線に拡幅整備されたが「あまり自動車交通量の増加は見受けられない」との指摘があるとおり、基本的に東西交通は伊丹飛行場線で担える状況にあると考えます。この点について当局が十分に精査・検討されたのかどうかうかがいます。

 第2に、早期着工の必要性の理由として、「安全・防災面」が特に強調されています。しかし狭隘地域の・防火防災対策については以前から消火栓、防火水槽等基準通りに設置されていると認識しています。昆陽泉町近辺及び市内全域における防火防災対応の現状等について消防局の見解をうかがいます。

 第3に、道路ネットワ-クの連続性を考慮している」としていることについて
 計画路線全体をいくつかの工区に分けて整備することは、工期ごとの予算配分等にも関わり十分にありうることです。また工区ごとの整備であっても、すでに道路としてその役割・効果を十分に発揮している場合が数多くみられます。山田伊丹線・行基町工区(2010年度完成済み)は泉町と阪急伊丹を結び、昆陽南工区の整備により山田地域と道意線が直結しそれぞれ通行の利便性が高まっている。こうした視点で考えれば、ネットワ-クの連続性にこだわることが本当に必要なのかどうかであります。

 次に、多くの困難が予想される高齢者世帯の立ち退きについてです。仮に事業を実施した場合の移転対象軒数及びそのうち高齢者世帯の数についてうかがっておきます。

 泉町自治会定期総会の決議は、「計画当初の意義が薄れ社会環境も激変しているにもかかわらず、既成事実だけで多数の住民(多くは高齢者世帯)の立ち退きや宅地の減歩等住民の大きな犠牲と膨大な経費をともなうこのような公共事業の在り方は、今日的にもまた「費用対効果」からしても見直すべきではなかろうか」と指摘しています。これに対する当局の見解を求めておきます。

B.学校プ-ル開放事業(自由プ-ル)について

 昨年来一貫して(しつこく?)質問を重ねてきましたが、今年度から新しく事業実施要綱および要領が策定されたとのことでこの点評価したいと思います。

 第1に、その内容について昨年の実施内容と比較しながらうかがいます。

 ① 実施期間を市立小学校における夏季休業日の初日から8月第2週の金曜日までとする。

 ② 1日あたりの実施時間を昨年は9時~12時、13時~16時であったものが今回9時30分~11時30分、13時30分~15時30分へと時間を短縮している、

 ③ 監視等にかかる予算は1校につき120,000円で、昨年は10回以上実施している学校があるが今回実施回数10回に相当する金額。

 ④ 特別な支援を要する児童の参加にあたっては、事前に十分にその参加方法について協議することとし、保護者が付き添うことを原則とする。

 以上の4点に対する基準・根拠をうかがいます。

 第2に、事業実施要綱および要領は事業実施の役割分担として、利用者である児童の安全管理を最優先するため、主催者の市教育委員会と事業を委託された各小学校自由プ-ル運営委員会と、施設管理者である各小学校が協力して行うものとすると明記している。市教育委員会が自由プ-ル事業の全体管理を行うとしているものの、直接の運営は運営委員会とし実施計画の立案運営、監視員等の確保などが求められるというものです。

 とにかくも今年度この体制で事業を実施するとしても、昨年度のようにSCやPTAの中で独自に監視員等を確保できた学校が圧倒的に少ない事態を改善できるのか、大変不安であります。夏休みを前にした取り組みの現状について当局の見解を求めます。

 第3に監視員の確保に関して、教育委員会の積極的な働きかけが必要だという点です。

 監視員の確保方策について他のプ-ル例えば女性児童センタ-の場合、聞き取りをしたところ、日給6750円、前から来てもらっている人に声をかける、同センタ-に関係する子どもが大学生になった場合要請する、伊丹市内の大学に募集の掲示を依頼するなど同センタ-独自の人脈を通じて毎年必要数は確保できているとのこと。その場合の動機として「子供とのふれあい」と答えた大学生も多いとのことでした。プ-ル運営委員会に参加し自らも「子供たちに有意義な場所を提供したい」と監視員・スタッフの確保に奔走している校長先生を見るにつけ、教育委員会のイニシアティブを期待するものですが見解を求め1回目の質問とします。

【一問一 答】

一問一答・1回目

 県道飛行場線と山田伊丹線立ち位置について1回目質問しました。答弁で「混雑度」という数値が出てきまして、特に昨日「平成22年度交通センサスによると国道171号線と塚口長尾線間の飛行場線の混雑度が1.22である」との答弁でした。しかし平成22年度というのは拡幅工事が完成する以前であり、現在はおそらく「混雑度」もかなり下がっているのではと思います。いずれにしても県道飛行場線や塚口長尾線、また道意線の交通量調査を実施し、過去の数字と比較しその結果を昆陽泉町工区整備必要性の是非についてひとつの客観的な判断基準にしてはどうかと考えますがいかがでしょうか。

一問一答・2回目

 道路ネットワ-クの連続性について、関係する尼崎市の2015年3月改定の都市計画整備プログラムを調べてみました。すると山田伊丹線の尼崎市域区間は計画路線には組み込まれているものの、2023年度(平成35年度)までに着手予定路線とはなっていません。昨年3月議会本会議で当局は「現在のところ整備時期は未定ですが、今後整備する時期が来れば尼崎市とも密に調整しながら検討してまいります」と答弁されていますが、10年~20年後ということもありうるということですか?

一問一答・3回目

 当該地域世帯の実態をお聞きしましたが高齢者世帯が多いですね。そこで尋ねたいのは建物移転および買収から取り残された土地に対する補償の考え方はどうなっているのでしょうか。またその補償内容によって住民にはどのような影響を与えるのかであります。たとえば経過年数に応じた減価等を見込んだ建物移転補償などでは、別の場所に新築することは難しいということになる。また住み慣れた地域を離れなければならず精神的苦痛をもたらすことになる。それは仕方がないとの考えですが?

一問一答・4回目

 泉町自治会の隣の自治会は「賛成・促進」の立場と聞いているが当該地区は考えが一様ではない。また個々に当然賛成する人、反対する人もある。こうした状況のもと当局は昨日我が会派の上原議員の質問に対しても「山田伊丹線は全体の78%整備済みであり、容易に計画を見直すことができない」と答弁していますが、「何がなんでも推進する」と受け止められかねない姿勢は本来の行政の在り方とはいえないと考えますが、見解を求めておきます。

一問一答・5回目

 自治会が見なおし決議をあげたことを踏まえ、昨日市長や当局は「重く受け止めている」「説明が不足していた」「相反する意見があり対立を心配している」と述べられました。聞いてみますと泉町や昆陽南などの自治会・住民の方が最も心配しているは、「道路整備によって対立を生みその結果地域社会・コミ二ティが壊れていくことだ」と強調されていました。市は現状を真摯に受け止め.「2018年度までに着工する」との計画をいったん白紙に戻す英断を下すべきではないでしょうか。最後にうかがっておきます。

概算事業費26億円(内訳=用地、物件等補償費で24億円、工事費は約2億円)

 工期およそ7年との見通しとの答弁が以前からなされています。

【2】小学校プ-ル開放事業について[2回目]

 今年度から新しく事業実施要綱および要領が策定されたもとで、夏休みが迫ってきています。運営方式も教育委員会直営から各小学校の運営委員会への委託となります。その是非は今後検証するとして、何よりも監視員がきちんと確保できるかどうかにかかっていると思います。教育委員会の強力な取り組みを求めて質問終わります。