2017年3月議会 加柴優美:教員の長時間勤務の改善 夏休みプ-ル開放の充実など

2017年3月議会 一般質問

2017年3月6日
日本共産党市会議員団 加柴優美

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告通り一般質問を行います。

 はじめに、教員の長時間勤務の改善について―特に部活動との関連でうかがいます。

 昨年の9月議会で木下教育長の答弁の中で、「学校現場を取り巻く環境が複雑化・多様化し、学校に求められる役割が拡大する中、教員の長時間勤務の改善が課題となっている。とりわけ部活動における休養日の設定の徹底をはじめとした運営の適正化等の必要性を示している」とする、文部科学省の「学校現場における業務の適正化に向けての(通知=昨年6月17日付)」内容が紹介されました。
また同時に教育長は、2013年2月に出された、兵庫県教職員の勤務時間適正化取り組み評価検討会による、「教職員の勤務時間適正化新対策プラン」について触れられました。

(1) まず「教職員の勤務時間適正化新対策プラン」によりますと、県や市・町教育委員会が部活動の在り方に関してすぐに具体的に取り組む内容として、①「ノ-部活デ-」の徹底、②地域のスポ-ツ人材(=外部指導者)のさらなる活用、③部活動の在り方の検討、④競技大会開催の見直し などがあげられています。

 また各学校の対応については、①顧問の複数配置、②効果的な練習の実施、③「ノ-部活デ-」の実施、④参加大会の精選などが指摘されています。

 これらの項目の何かでたとえば、「ノ-部活デ-」の徹底では、部活動を統括する関係団体すなわち中体連、高体連等に対し、「ノ-部活デ-」の趣旨徹底と効率的な練習計画等の立案、1回の部活動の最長時間の設定など練習時間短縮の推進を働きかけるとしています。

 さらに競技大会開催の見直しでは、市・町教育委員会は、市町レベルの競技大会の開催時期、運営方法等の見直しを主催団体に働きかけるとしています。学校に対しては、各競技大会の目的・内容・経費負担等を十分検討し、参加する大会を精選すると指摘しています。

 「プラン」が示しされてから約4年が経過をしていますが、市教育委員会と各学校においてどの程度改善されてきたのか、到達も含めて見解をうかがっておきます。
(2)また文部科学省から「学校現場における業務の適正化に向けての通知の中で、例えば総合的な実態調査、スポ-ツ医科学等の観点からの練習時間や休養日等の調査研究が必要と強調されています。また中体連等の大会規定の見直しも指摘していますが、こうした文部科学省の通知に対する当局の見解をもうかがっておきます。

次に自由プ-ル(夏休み小学校プ-ル開放)の充実に向けてであります。

 昨年の9月議会本会議で夏休み小学校プ-ル開放事業の現状と課題について質問しました。プ-ル監視員が十分に確保できないことが大きな原因で、実施日数が学校によって減少し、子供たちが利用したいと思ってもできない事態となっていたからです。

 改めて昨年の小学校ごとの実施回数を見てみると、校舎の工事のために開催できなかった南小学校を除く16校のうち3回が1校、6回が4校、7回が4校、8回が1校、9回が1校、11回が1校、12回が4校と、かなりのばらつきがあります。

 同じ事業であるにもかかわらず、各学校により実施回数等がまちまちであり、「プ-ル開放事業について各小学校が同じ基準で実施できるように規則・要綱を整理することが必要ではないか」との質問に対し当局は、「全校同じ基準で統一的に実施することがよいのか、学校地域の実情に合わせ実施するのかについては、今後検討すべき課題」との答弁でした。次年度が目の前に迫っている中どのように検討されたのかうかがいます。

 さらに何としても改修した新しいプ-ルを、夏季休業中の子どもたちの体力づくりやプ-ル遊びの場として提供しない手はありません。プ-ル監視員の十分な確保のため、監視資格を持つ業者の確保やアルバイト希望者の待遇を改善するために予算をふやすなどあらゆる工夫が必要ではありませんか。当局の見解を求めておきます。

最後に、児童くらぶ指導員の休憩場所の確保(状況)についてです。

 児童くらぶの開所時間は条例・規則にあるように、平日は小学校下校時から5時までで延長もあります。土曜日、夏休み・冬休み・春休みは午前8時15分から延長の場合午後6時までで、特に土曜日や長期休校日には指導員は8時間を超える労働時間となります。よって労働基準法第34条により少なくとも1時間の休憩時間が与えられなければなりません。

 この問題に関して先般ある指導員さんから、「現在児童クラブとして使用している部屋とは別の休憩室を確保してほしい。そうでないと本当の休憩にはならない」との要望がありました。この指導員さんの指摘はもっともな内容であり、エアコン等が設置された別の部屋を全児童クラブで確保する必要があると考えます。現状とともに今後の対応について見解をうかがって、1回目の質問とします。

教員の長時間勤務の改善について―特に部活動との関連で【2回目】

(1) 外部指導員の配置については先ほどの答弁にもあったように、生徒からも顧問教員からも大変メリットがあるとの感想が寄せられているとのことでした。しかし現状では市内中学校104クラブ中、20クラブしか外部指導員を配置できていないことも明らかとなりました。約20%の配置率をさらに引き上げることが喫緊の課題だと考えますが、障害となっている要因は含む当局の見解を求めておきます。

(2) またすべての部活ではないにしても年間を通してみれば、夏の総合体育大会、秋の新人戦、各スポ-ツ協会主催の大会があり、その間の練習試合とかなりハ-ドな日程であるとも聞いています。部活動で汗をながす生徒にとって、とりわけ全国総合体育大会等に出場することは大きな目標であり、かなりの練習を行っています。ただ教員の長時間勤務の改善との観点から見れば、練習試合や総合体育大会等の在り方についての検討は必要かと考えますが、見解をうかがっておきます。

自由プ-ル(夏休み小学校プ-ル開放)【2回目】

 昨年各小学校はどのように監視員を確保したのかであります。稲野小学校、摂陽小学校はPTAやスポ-ツ21から監視員を派遣し、市からの派遣監視員はゼロでした。しかしその他の小学校はPTAからの協力も一定あるが、多くは教育委員会通じて監視員の派遣に頼っている情況で、内4小学校ではPTAなど地元からの参加はないという結果でした。先ほどの答弁で「町づくり協議会など地域から監視員を確保するために話をする」とのことでしたが実際に見通しがあるのかどうかです。結果として自由プ-ルの実施日がいっそう縮小するのではないかと懸念しますがいかがでしょうか。

児童くらぶ指導員の休憩場所の確保【2回目要望】

 答弁のなかで、「夏休み期間中は個別空調のある教室を時間を決めて別に借り、指導員が交代で休憩をとれるようにしているが、冬休み、春休み期間は、夏休み期間と比べると入所児童数も減ってくるので、特に休憩場所は確保していない」とありました。

 しかし児童数が減るとしても拘束される勤務時間はかわらないのですから、冬休み、春休み期間であっても専用の休憩場所は必要だと思います。

 ある指導員さんは「本当に休憩しようと思ったら、極力子供たちの声が聞こえない場所が理想的であり、たとえば小学校に隣接する幼稚園の一室を利用させてもらうことも一つの改善策ではないか」と言われていました。今後指導員の声も聴いていただき必要な対策をとっていただくことを要望して2回目の質問とします。