2015年6月議会:ひさ村真知子 一般質問/市営住宅

2015年6月議会 一般質問

2015年6月15日
日本共産党伊丹市議会議員団 ひさ村真知子

 ただいま議長の発言の許可をいただきましたので、私は日本共産党議員団を代表して、通告に従い質問いたします。

 伊丹市の「住生活基本計画」で、市営住宅への市民要望がかなえられているかに関して伺います。

 住まいは、人が安心して心豊かに生きていく上で様々な役割をもっています。すべての人々が安心して住めるところが様々な形できちんと提供されるということが、憲法25条に示されている生存権の土台になるものだと思います。

 しかし今日安心して住むことができない状況等もマスコミなどでも取り上げられていました。貧困ビジネスで劣悪な住居に押し込められたり、ネットカフェ難民といわれ住居といえないところで寝泊りをし火災にあい命を失うなどもあります。また収入が少なくなったり仕事がなくなったりの状況の中でホームレスにならざる得ない状況など、住宅を確保できない人々が大勢いる状況等に改めて驚くばかりでした。

 憲法25条が保障する生存権が脅かされている状況が野放しにされているわけですが、「公営住宅法」第1条制度の趣旨として、憲法25条の行使の為に「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸(てんたい)することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする」とされています。安全安心の生活の保障のために「公営住宅法」の目的どおり、伊丹市としても低廉な住宅の供給を保障していただきたいと思いますし、誰しもがこの権利をしっかり保障されなければならないと思います。

 このことは憲法に保障された一人ひとりの大切な人権です。質問に対して、「住まいは人権」の立場で質問したいと思います。

 国は2006年に「住生活基本法」を施行し、県は2007年に「住生活基本計画」を定め、量から質の向上が図られています。伊丹市も2008年から2017年度まで10年間の「伊丹市住生活基本計画」を策定しています。計画の中にあります「公営住宅の活用」があげられていますので、その関連を数点お伺いします。

1.1点目として、公営住宅法で定められている低廉な住宅の提供は十分かですが。

 様々な市民の方から市営住宅に入居したいが、なかなか応募しても抽選に外れてしまうといわれています。市営住宅に入居の方の収入や年齢家族数など申し込み資格に当てはまれば応募されるのですが、現状では低廉な住宅を求める人の応募数から見ましても相変わらず競争倍率は高いのが現状ではないでしょうか。

 またエレベーターのあるところ等は応募率が極端に高いと思います。応募されていない方でも入居したいと思っている方もまだまだいると思いますが、この様な状況から、市民の思いに対して、十分な住宅供給の役割が現状では果たせているのでしょうか。ご見解をお伺いいたします。

2.2点目は市営住宅は、エレベーター設置が求められているのではないかに関してです。

 「住生活基本計画」の目標は、いきいきとしたくらしを支える住まいづくりとなっており重点施策の方針がいくつか掲げられています。当然高齢化社会に対応する住宅、良好な住宅環境を目指しているのですから、そうなればエレベーターの設置は行われるべきではないかと思います。

 今日まで数回質問もさせていただいてきていますが、エレベーターのない公営住宅にお住みの方々から、どこでもその声をお聞きいたします。特に病気になられた方、怪我をされた方、高齢で階段がしんどくなった方など切実な問題です。他市では実際設置の計画がされ設置もされているところも有ります。市民の生活を支えるために、伊丹市としても考えるべきでは有りませんか。

 今日までは、設置しないと答弁されていますが、計画の目的からすれば、また良好なストックのためには、エレベーター設置をの市民の声を是非反映すべきと思います。市民の声にどのようにこたえられるのでしょうか。お伺いいたします。

3.次に市内にある県営住宅では建て替えが進みエレベーターも設置され、建て替えをしていない既存住宅にも新たにエレベーターの設置もされているのですが、このような計画は、伊丹市の方向とは大きく違っています。

 県の計画には、「誰もが安心して暮らせる住まいづくり」として、公営住宅の的確な供給での主な施策として、建て替えを行うことやエレベーターを設置すること・長寿命化・集約の推進等とされています。この計画の目的については、県は、国の施策の方向と同じだと思いますが、伊丹市としては、「建て替えはしないエレベーターはつけない」などの方針が出されていますが、同じ法律での計画がこのように方向が大きく違うのは市民から見て納得は出来ないと思います。お考えをお聞き致します。

4.次に、現状の市営住宅の長寿命化、耐震化等の安全性の確保についてですが、やはり県の計画は次世代に受け継ぐ住まいづくりのため、長寿命化の推進での計画的な修繕を実施するとされています。耐久性、耐震性、維持管理の容易性、間取りの変更のしやすさなどが上げられています。

 伊丹市でも住民の安全確保のためには長寿命化や耐震化は、しっかりと行っていただきたいと思います。計画では耐震診断、耐震改修の促進となっていますが、が進んでいないようです。計画の進捗(しんちょく)現状はいかがでしょうか。またどのようにお考えなのでしょうか。お伺いいたします。

5.次に新たな市営住宅建設を行うことも視野に入れていただきたいという問題です。

 話は少しそれますが、生活保護費の住宅扶助が7月から大幅に引き下げられるという事ですが、そうなれば今の基準額でも民間の入居先は、大変少ない状況ですが、基準額が下がれば市内での対象とされる賃貸住宅は多くはなく、保護受給者は、そのまま現状の住居に住むことが出来なくなるでしょう。新たな申請者も入居先を見つけることは出来なくなるでしょう。このような方の入居の受け皿となるのは、今まで以上に市営住宅となるのではありませんか。

 そのことを視野に入れれば当然多くの方の入居先が早急に必要と思います。このような状況も含め高齢者や、子育て中の方が安心して住める住宅の確保のため新たな市営住宅建設がどうしても必要と思いますが、お考えはいかがでしょうか。お伺いいたします。以上一回目の質問といたします。