2015年6月議会:服部よしひろ 一般質問/独居老人対策/航空機騒音/洪水対策/耐震化

2015年6月議会 一般質問

2015年6月12日
日本共産党伊丹市議会議員団 服部よしひろ

 ただいま、議長の発言許可をいただきましたので、通告に従い、日本共産党市会議員団を代表して質問をいたします。

 はじめに、私はこのたび初めて市会議員となりました。選挙で掲げた「福祉最優先、子育て一番の伊丹」そして「平和な伊丹」を実現するため「憲法を暮らしに生かす」政治を目指して奮闘することを、まず最初に表明いたします。

 それでは、質問に入ります。

1.独居老人対策

 第一に、一人暮らしまたはお年よりだけの所帯への見守りと安全対策に関して質問します。

(1) 伊丹市における独居老人の状態はどこまで把握できているか

 内閣府の平成25年版高齢社会白書によりますと、都市部における65歳以上の方がいる世帯数は、2011年度現在で1900万世帯であり、その約半数が夫婦・独居となっています。
まず、伊丹市における、これらの世帯数についてお聞きします。

(2) 孤独死の発生と地域見守り体制

 次に、ある調査によると、2013年の年齢層別の孤独死者数は、全国で2400人のうち約45%が60歳~74歳に集中しているとしています。

 伊丹市における同様の調査資料があればお示しください。

 今年1月、私の自宅の前の文化住宅で一人暮らしの男性がなくなって数日後に発見されました。どういう人生を歩まれた方かはわかりませんが、だれにも見取られることもない寂しい死を迎えました。このような状況を一人でも少なくしていかなければ、と思います。

(3) 伊丹市の「緊急通報システム」の実態と三好市の取り組みの状況

 そういう取り組みのひとつとして伊丹市では「緊急通報システム」を導入していますが、その利用状況についてお尋ねします。

i. このシステムの利用者は何人で、その対象者比率は何パーセントでしょうか。

ii. このシステム利用者で、実際に通報、救助された件数はいくらでしょうか。また、利用者でありながら通報に至らずに救助できなかった件数はどうでしょうか。

 類似システムを導入している徳島県三好市の例を参考にお示しします。

 三好市の導入しているシステムは、伊丹市のいわゆる「命のペンダント」に加え、「安否センサー」と緊急通報装置本体で直接通話可能、という3重の通報体制になっています。

 三好市の人口は29951人、世帯数は11998世帯(H22国勢調査)、65歳以上の独居高齢者世帯数3524世帯、高齢者のみの世帯1937世帯です。システム設置台数438台、加入者は340人、対象者中の加入者比は6.2%となっています。

 利用料金は初回設置費用980円、月額使用料は、市民税非課税世帯100円、均等割り世帯510円、所得割課税世帯1030円となっています。

 伊丹市の利用料は、非課税世帯無料、課税世帯月額500円
 H25年設置数702(うち高齢者・一人暮らし663、前年度-112)

 三好市のシステムにより、救助された件数・比率はH26年度 54件 利用者人数比で16%となっています。なお、三好市では加入者で通報できずに亡くなったかたは、昨年度はいらっしゃいませんでした。

(4) 望まれる体制整備

 遠くの家族より身近な地域・行政の見守りで安心・安全な伊丹の実現を図っていく上でも「緊急通報システム」の充実を図る必要を感じますが、いかがでしょうか。

2.航空機騒音

 次に、伊丹空港の航空機騒音についてお尋ねします。

(1) 伊丹空港発着航空機の状況と騒音の状況

 伊丹空港の発着機数のうち、プロペラ機枠の「低騒音」機枠化が完了したようですが、これにより伊丹市における航空機騒音はどうなっているでしょうか。騒音レベルは低下しましたか、増加しましたか。

 また、ジェット化に伴い、A滑走路とB滑走路の使用頻度はどう変化したでしょうか。

 ジェット機の離陸のために桑津地区により近い、長いB滑走路の使用頻度が高くなり、以前に比べ騒音がひどくなったと感じる住民が増えているのではないでしょうか。

 滑走距離の短い航空機は積極的にA滑走路を使用させるように要請しているのでしょうか。

(2) 騒音の実態把握体制

 次に、離陸後の飛行ルートの問題です。

 最近の離陸後の飛行ルートが急上昇と急カーブで旋回し、飛行ルートを短縮していると思われます。その結果、離陸直後の直下に位置する鋳物師・緑ヶ丘・大野・東野地区の騒音が増加しているのではありませんか。これらの地区の騒音状況は把握できていますか。

 飛行ルートは直下の住民にとっては安全上のリスクにかかわってきます。以前の飛行ルートは武庫川に沿って南下し、海へ出てから目的方向へカーブしていたのに、どんどんショートカットして伊丹市上空を飛んでいるのではないでしょうか。これらの状況の把握はできていますか。

(3) 地域住民の「実感」としての騒音状況と飛行ルートとの関係の把握が必要ではないでしょうか。

(4) 空港の有効活用の推進と航空機騒音の低減推進の両立

 市長は、「夢まちプラン」の政策目標3で「空港を活かしたまちづくり」を掲げておられますが「空港の有効活用」の強調の影で周辺住民に環境悪化のしわ寄せがされてはならないと思います。航空機技術の向上が環境改善に有効に働かなくてはならないと考えますが、お考えをお伺いいたします。

3.河川改修と洪水対策

 次に、河川改修と洪水対策について質問します。

(1) 下河原地区と箕面川

 今、市立博物館で「小坂田」の展示がされていますが、その中に箕面川の付け替えの状況がよくわかる航空写真がありました。下河原地区は箕面川の付け替えにより地域が2分された形になっています。このことと直接かかわりがあるかは不明ですが、昨年の夏の増水により、箕面川の護岸の一部の石垣がえぐりとられ、箕面川の堤防決壊の危険が生じました。昨年9月議会で日本共産党市会議員団上原市会議員が委員会質疑でこの問題を取り上げ、早急な復旧を申し入れた結果、現在復旧工事が進行しています。

 この時も指摘をいたしましたが、下河原地区は猪名川の堤防と箕面川の堤防により周囲を囲い込まれた「池の底」のような状態になっています。

 箕面川の堤防決壊が起こるとたちまち2m近い水位により下河原地区の南半分が水没する危険が生じています。

 以前からこのようになっていたかと申しますと、そうではありません。数年前までは猪名川の堤防には15m程度の切り欠き部分、いわゆる「霞堤」が設けられていました。猪名川と箕面川の川底の高低差は約2mあり、たとえ箕面川堤防が決壊しても増水部分は自然と猪名川に流れ込むため、床下浸水程度で収まるようになっていました。そのため地元自治会の申し送りで「霞堤」を守ってきた経過があります。

 それが、国土交通省による猪名川護岸工事により突然ふさがれて、「霞堤」部分が消滅してしまった結果、水没の危険にさいなまれている状況となっています。

 地元の皆さんには異論を持ちながらも意見表明する機会も無く工事が進行してしまったことに不安と危機感をもたれている方が少なくありません。地元の方の声も集約せずにこのような工事を遂行した国土交通省も無責任ですが、伊丹市の担当部門も配慮が足りなかったのではないでしょうか。

 伊丹市として、市民の安全を守る立場から、直ちに「霞堤」の復活をさせるか、代替設備、たとえば大型樋門や非常用排水ポンプを設置するなどの善後策を、国土交通省に実施するよう申し入れることを求めます。

4.地域避難所指定施設の耐震化推進

次に、地域の避難所指定施設の耐震化推進についてお聞きします。

(1) 地域避難所の耐震化状況

 現在、小学校区ごとに避難所が設定されていますが、学校、幼稚園、保育所等の教育・保育施設以外の共同利用施設等は何箇所が避難所として設定されていますか。

 また、その施設の耐震化の状況をお聞きします。

 現状、多くの共同利用施設の耐震化ができていない状況にあると思いますが、避難所で2次災害にあうことのないように耐震化を進める必要があると思います。現状での計画をお示しください。

(2) 耐震化診断の実施

 同時に、現状でも耐震性を満たしている施設があるかもしれません。安心して避難所として利用するためにも直ちに耐震診断だけでも実施すべきと考えます。実施する意思があるかどうかと、実施するならいつまでに完了できるかをお答えいただきますようお願いして、1回目の質問を終わります。