ルネサスエレクトロニクス北伊丹事業所閉鎖の問題で、伊丹市に要請

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 2月4日、ルネサスエレクトロニクス北伊丹事業所閉鎖の問題で、伊丹市に要請をしました。
 「連絡会」から、上原ひでき・かしば優美市会議員、服部よしひろ くらし・雇用対策委員長、山本「連絡会」事務局長、藤田尼崎労連議長が参加し、伊丹市から、松村都市活力部長、谷口産業振興室長、牧村商工労働課長が対応しました。

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2015年2月4日

ルネサスのリストラから雇用と地域経済を守る連絡会

ルネサスのリストラから雇用と地域経済を守るための要請にあたって

 ルネサス・エレクトロニクスは北伊丹事業所・玉川事業所・相模原事業所を閉鎖し、関東・武蔵事業所への転勤者を対象に「早期退職募集」(期間12月10日から12月19日迄)という名で1,800人削減を強行しました。

 ルネサスが12月24日発表した「早期退職」結果報告によると、1,725名が「早期退職」募集に応募したとしています。

 北伊丹事業所では、武蔵事業への転勤対象者1,000人(本体400名、関連企業600名)のうち、約半数近くの労働者が「退職」を余儀なくされたとの情報提供を受けています。 いま、退職に追い込まれた労働者はもちろん、単身赴任等で転勤する労働者と家族は、これからの雇用と生活不安の真っただ中にあります。

 私たちは、ルネサス北伊丹事業所閉鎖に伴う1800人削減にあたって、雇用と地域経済を守るため、伊丹市に対し、昨年11月26日に二回目の要請を行いました。

 12月議会では12月9日、上原ひでき議員がルネサス北伊丹事業所閉鎖と武蔵事業所への転勤問題に関する質問を行いました。

 今回は、その後のルネサス北伊丹事業所での退職者の実態と伊丹市の対応、及び、県・労働局と連携した対応についてお伺いしたうえで、「退職者」の雇用確保問題についてあらためて要請したい。

1、リストラによる「退職者」の実態についてお聞きしたい。

  • ルネサス本体での退職者数と関連企業での退職者数について
  • 「退職強要」の実態について

2、12月市議会(12月8日)後の伊丹市の対応について

(1)12月議会では「県内の雇用をゆるがす大きな問題である」として危機感をもつて受け止め、兵庫県・伊丹市・及び雇用・失業問題の担当部署である労働局が密に連携をとりあって対処していく」答弁されたが、今回武蔵事業所への異動にあたって、どう実態を把握し、対応されてきたのか。

(2)市長は9月議会本会議でかしば議員の質問に対し、「今後、関東への集約・異動がすすんで退職者が多くでることが見込まれる場合には、改めて(三菱電機へ)受け入れをお願いしたい」と答弁、12月議会では上原議員の質問に対し、「県と連携して必要に応じて対応したい」と答弁されたが、どう対応されたのか。

(3)ルネサスは、いま再就職支援会社3社と契約をして、「再就職が決まるまで仲介を支援する」、「再就職率は高い」と松村部長は答弁されたが、実態・実績は把握されていなかった。それ以降、ルネサスの対応についてどう把握され、対応されているのか。昨年9月末で高崎事業所への異動で退職された89名の再就職活動の実態と再就職の実績についても伺いたい。

備考・情報提供

ルネサス本体全社での退職者数は689名である。事業所別にみると北伊丹事業所で170名(退職163、解職2、移籍5※)、玉川事業所で193(退職192、解職1)、武蔵事業所で188名(退職183、移籍5)、高崎事業所で36名、日本ビル(本社)で102名となっている。(1月20日情報提供)

・関連企業の退職者は、応募した1,725名から、ルネサス本体応募者689名を差し引けば、1,036名となる。

・北伊丹事業所ルネサス本体の転勤対象者400名のうち退職者数170名(42.5%)、関連企業の転勤対象者600名の退職者数は現在つかめてないが、仮に本体の退職比率で計算すると255名となり、あわせると425名となる。昨年9月末(高崎事業所への異動時)での退職者89名を含むと500名を超える。

 別紙の要請書(↓下に掲載)を手渡した上で、以上のことについて当局と懇談を行った。

 「連絡会」として、正規社員、関連企業含めて半数近くが退職に追い込まれ、再就職先がないという実態を話し、三菱電機に対する再度の要請と伊丹市・兵庫県・労働局が連携して対応することの必要性を訴えた。これらのことに対して当局から以下の趣旨が述べられた。

部長)ルネサスとして配置転換を行っていることは理解している。何度か面談が行われ、再就職については期待している。ルネサスからの市に対する報告は、特段の問題がないとのことで報告はなし。多くの退職者が出ていることは聞いている。三菱へは前回以降行っていないが、近いうちに意向を聞く。ハローワークとの連携は取っている。

課長)ハローワークから退職者の人数は聞いている。ハローワークも危機感を持っている。ハローワークに対する会社からの要請はないとのこと。失業給付の説明会には多くの人の参加があったと聞く。今週中(2月6日まで)にはルネサスに行く予定。

次長)タワージャズジャパンの場合は、会社そのものがなくなることで、全員が解雇というものなので、兵庫県としても危機感を持って取り組んだ。ルネサスの場合は当初どれくらいの退職者が出るかわからない状況にあった。しかし多くの退職者が出ている状況なので、市・県・労働局の連携が必要となっている。

 改めてルネサス、三菱電機の様子を聞いたうえで報告を受けることにした。

要請書(要請書のPDFファイルはこちら)

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伊丹市長
藤原 保幸 様

2015年2月4日
ルネサスのリストラから雇用と地域経済を守る連絡会 代表  津川 知久
日本共産党兵庫県会議員団 団長 練木 恵子
日本共産党伊丹市会議員団 団長 上原 秀樹

ルネサスのリストラから雇用と地域経済を守るための要請書

 ルネサスエレクトロニクスは北伊丹事業所・玉川事業所・相模原事業所を閉鎖し、関東・武蔵事業所への転勤者を対象に「早期退職募集」(期間12月10日から12月19日迄)という名で1,800人削減を強行しました。

 ルネサスが12月24日発表した「早期退職」結果報告によると、1,725名が「早期退職」募集に応募したとしています。

 北伊丹事業所では、武蔵事業への転勤対象者1,000人(本体400名、関連企業600名)のうち、約半数近くの労働者が「退職」を余儀なくされたとの情報提供を受けています。 いま、退職に追い込まれた労働者はもちろん、単身赴任等で転勤する労働者と家族は、これからの雇用と生活不安の真っただ中にあります。

 以上の点から、下記のとおり申し入れるものです。

1、誘致自治体の政治責任として、再就職を求める労働者の雇用確保でルネサスと設立母体である三菱電機に企業の社会的責任を果たさせること。

1、雇用確保にあたっては、パソナなど再就職支援会社だけに任せるのでなく、県・市・労働局が連携して、県内の三菱電機7事業所を含む、広く地元の雇用を優先させ、企業の社会的責任を果たさせること。

1、伊丹市として、改めて「退職者」の再雇用を三菱電機に要請すること。

以上