2013年3月議会:ひさ村真知子 体罰問題 生活保護制度の見直し(質問全文)

2013年3月7日 一般質問

ひさ村真知子 議員

1、体罰問題の無い学校のために

 子供を取り巻く環境は、貧困と格差の広がりの中で、さまざまな問題が絡み合い複雑になっています。子どもたちが生きにくい世の中となってしまっているかも知れません。しかし私たちは、未来をになう子供たちは健やかに育ってほしいと願いますし、また子どもたちが安全な場所で楽しく成長するできる環境をつくることは私たち大人の責任です。しかし今日、大切な命が失われる事件が多発しています。そのうちの1つが連日報道された体罰問題です。学校での体罰を受ける中で、貴重な子供たちの命が失われまた心の傷が残り、健康な体にも傷を受けています。子どもたちの貴重な未来を奪わないために、問題となっている体罰をなくすことに私たちは力を注がなくてはならないと思います。

 学校教育法の第11条によって、校長及び教員は懲戒として体罰を加えることは出来ないとなっています。このように法によって決められているにもかかわらず教育現場では体罰が起こっている、という事実があります。なぜこのようなことが起こるのか、またどのようにすれば体罰という暴力がなくなるのか難しい問題なのかも知れません。今日までしつけなどの理由により体罰が行われてきた事実もあり、また多くの保護者も体罰を容認してきた問題があると思います。しかし多くの子どもたちが通う学校というのは子供たちが一番安全な居場所で無ければならないと思います。私たち保護者や地域が協力して、学校運営に協力をし合い、子どもたちの安全な居場所であるような学校を作り上げていくものだと思います。子供たちをのびのびと安心して育てられる環境の場と将来もしていくために、体罰の無い学校であることを実現していきたいと思います。 数点お聞き致します。

① はじめに、安心安全な学校づくりのために、学校・地域・保護者が共に力を合わせの学校運営を行っていくことが必要と思います。開かれた学校づくりと言われてきましたが、学校の危機管理のため誰でもが学校に入れない状況もありますので、協力体制を作り出すことも大変かもしれません。

 学校とのよりよい連携・協力体制つくりについていかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

② 次に体罰は禁止されており学校では行われては無いと考えますが、今日体罰が原因となり自ら命を断った事件が、大きな問題となって報道されています。教育現場やスポーツ関係では体罰と称しての暴力だと私は思いますが、報道されている問題にたいしてどのような見解をお持ちかお伺いいたします。

③ 他市の教育委員会は、体罰防止のために今日までにさまざまなとり組をされ、「体罰防止マニュアル」などを作成し教職員の研修会など取り組まれています。伊丹市でも現場での問題点などに関して、また今日まで体罰防止に関し努力されてきていると思いますが、体罰の無い指導のあり方などについてどのような取り組みをされてきたのでしょうか。お伺いいたします。

④ 次に今日の体罰の実態の把握についてですが、市内の学校、クラブ活動ではどのような状況なのか、当然市民の皆さんは気にされているところだと思います。体罰の実態の把握は大変重要と思いますが。今日までに教育委員会として、独自に全学校現場の体罰問題の調査は行ったことがあるのでしょうか。今日までの体罰の実態はどのように把握されてこられたのでしょう。

⑤ 今後の取り組みに関係しますが。体罰に関しては、禁止をされているにもかかわらず、行われている実態がさまざま報道されていますが、文科省は現状把握のために、実態調査アンケートをされているようですが、どのように取り組まれているのでしょうか。秋田県などはセクハラ問題等もあわせてアンケートをとったところもあるようですか、このような伊丹独自での内容に関しては今回の調査内容に入っているのでしょうか。また、今回のアンケート結果でどのような取り組みを考えておられるでしょうか。結果についてはどのように指導面に反映されるのでしょうか。お伺いします。

⑥ また結果によっては引き続き実態を把握する必要があると思いますが、今後実地把握はどのように行われるのでしょうか。今後も独自のアンケートなりを考えられるのでしょうか。

 日常的には、相談窓口を各学校や誰もが相談しやすい場所に設け、専門的知識のある方によって相談を受ける体制づくりをすることは、実態を把握することが出来また、早くに問題に対処できると思いますが、どうおかんがえでしようか。

⑦ 「子どもの権利条約」にそえば、子どもの意見表明尊重のためにも、体罰に関しての生徒の声を早くに聞くことは大変重要だと思います。どのように取り上げられるのでしょうか。同時に教師の意見を聞き議論する場も必要です。どちらも指導の中に生かされていかいかなくてはならないでしょう。いかがお考えかお聞きします。

⑧ 体罰自殺再発防止のため、さまざまな団体がさまざまな取り組みを行っています。

 日本体育協会は、体罰自殺再発防止のため、加盟団体に「再発防止のための、適正な指導を求める通知」を出しているが、市内でのスポーツ指導のあり方に関しては、この通知によって取り組みの変化があるかと思います。

・京都府教育委員会は「教員の意識改革を」として体罰防止マニュアルの作成するとしています。

・生徒への接し方の点検リスト、体罰防止の取り組み例などを取りいれて作成することを検討をしているとされているが。教師として個人での判断はなかなか難しい面があるかもしれませんので体罰を考える上で、伊丹独自のこのような参考例などがあればいいのではと思います。

 体罰の無い、生徒に対する指導方法について、また、体罰を容認する声も地域には一部あるため保護者や地域も含め議論していくことが学校での体罰暴力をなくしていくことになると思いますが、体罰防止・体罰自殺などなくすためのこれらの取り組みに対してまた伊丹で体罰をなくすための教育長の考えをお聞きします。

2、生活保護制度の見直しに関して

 政府は生活保護制度の、生活保護基準やさまざまな点での見直しが行われようとしています、このことに関して生活保護受給者が安心して暮らせないと不安の声があるが、心情的にも生活保護バッシングがあり、周りからの生活保護制度に関しての批判の声があり、不正をしているわけではないのに、大変不安という声も聞いています。憲法25条に示されている生存権についてや生活保護に対しての市民の正しい理解が必要と思います。保護制度にさまざまな誤解などがあるのも原因のひとつだと思います。受給者ももちろんですが、一般市民への生活保護制度への理解はこのままでいいのでしょうか。生活に困ったときには保護の申請をし、憲法に定められた「健康で文化的な最低限の生活の保障」があることを共通の認識にする必要があると思いますが、生活保護への正しい認識を広げるためにはまずは相談者、や申請者、保護受給者への生活保護制度に関しての正しい理解が必要です。そのような観点から数点お伺いします。

① 受給者に対する指導のあり方についてです。

 2013年度についても、生活保護受給者や相談者に対しての就労支援事業が行われています。今年度は就労支援員が1名新規採用され3名での就労支援事業の充実を行うとされていますが、この事業に関しても、健康な人は仕事を見つけ自立したいと思っている人が大半だと思います。しかし実際にはハローワークに行ってもそれなりの仕事が無いというのが実態です。面接に行っても雇ってもらえないため「うつ」状況になりそうな状況の人などさまざまに悩んでおられます。就労が大変難しい状況の中での、就労指導ですからなかなか就労に結びつかない状況です。そのような中で面接の回数を決められるなど、実行しようとしても相手のあることですから、なかなか回数が達成は出来ません。

 人によっては長くこのことが続くのですから、強制と受け止められる状況があるようです。就労を支援されても思うように行かない状況に、悩みその結果、保護課の窓口に行くのが苦痛であるという状況を作り出しています。このような状況は健全な生活を送ることには心情的に結びつきません。自立へ結びつけるための支援も当然、保護受給者の人権は守られなくてはなりません。

 生活保護だから精神的苦痛に我慢しなければならないのかと悩んでいる人も少なからず聞いています。保護受給者はさまざまな困難を抱えている状態の方が多くいます。その困難な状況を抱えながらその上に、就労支援の指導が苦痛に感じることはより自立を遠のける危険性があると思います。ちょっとしたことで保護の打ち切りなのかと不安を持つ人もいます。自立のためには自尊心をきちんと持つことが大切です。自立への足がかりでもあると思います。社会的活動力も付けていかなくては社会に出ることは困難でもあります。ですから強制と感じるような支援指導のあり方は果たして正しいのか疑問に思います。

 「生存権裁判を支援する全国連絡会」は、生活保護基準を「健康で文化的な生活」を保障するものに改善し、制度改悪をしないよう厚労省に要請する中で、保護制度みなおしでの就労支援について、厚生労働省担当者は、「就労の強制はせず、本人の意思を尊重」する、また「扶養義務は慎重に行う」と回答しています。

 今後の就労支援事業のなかでも、本人の意思の尊重するという立場からの就労支援を行っていただきたいと思います。

② 扶養義務の調査に関しても、複雑な家庭事情があったりでDVの状況もあったりしますが、「扶養義務調査をしなければ生活保護の申請は出来ないです。」と相談者に指導されていることをお聞きしますが、これでは相談者は当然申請は出来ないものと思います。生活に困窮している人が、申請できないとなるとどういう生活が待っているのでしょう。このような指導内容で相談者が救われるのでしょうか。生活保護の申請時には必ず、生活保護法第4条の、生活保護は、生活に困窮するものが、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用することが条件と説明されています。

 しかし、このことは当事者間の話し合いが無ければ、どうしても出来ないことです。扶養義務者が扶養の能力とその気持ちがなければ、「その他あらゆるもの」の条件には含まれないと思います。このことから扶養義務に関しては「保護の要件」とはなりません。このことに関しても、本人の意思を尊重して慎重に行っていただきたいと思います。この様なことは相談者に対しての指導のあり方は正しいわけではありません。

 生活保護制度にかんしては市民の皆さんが正しい知識を持つことが必要です。生活が出来なく自殺を考える人が、安心して相談に来ることが出来る、申請権が守られる、保護を受け、安心して生活が出来る。そのようなことを市民に保障することが求められています。本人の意思の尊重を守り指導していく立場を求めますがいかがでしょう。見解をもとめます。

③ 今回市民からの通報などを元に適正化に向け捜査を行うようですが、市民からの通報を広げる方法では、やはり市民の人権にかかわるのではないでしょうか。制度に関しての正しい知識が無いままに通報することになれば、近所隣での不信感が高まっていくことになってしまい安心して生活は送れないでしょう。制度への誤った理解を生まないように、このような問題からの指導のあり方について、考えなおしていただくことを求めますが、いかがお考えでしょうか。

② 保護基準が引き下げられることに対して、政府は他の制度への影響は出来るだけ出ないように」すると行っていますが、実態がどうなるのかよくわかりません。伊丹でも就学援助制度を利用している子どもたちへの影響は当然出てくると思います。現状で利用されている親御さんは23年度は要保護では、218人準用保護では2951人で全体の18から19%となっています。所得が、生活保護基準の1、16倍の家庭が対象で制度の利用をされていますが、保護基準が下がれば対象者の中で制度の利用から外れる世帯が出てきてしまいます。今まで通り利用できるよう求めますが、いかがお考えでしょうか。

④ また夏や冬の冷房暖房費も大変負担が重くなりますが、それへの補助が必要となってくると思いますがこのことも是非補助を行うべきと思いますがいかがお考えでしょうか。