2021年12月議会:久村真知子 一般質問 生理用品、補聴器購入補助、痴漢対策

2021年12月議会 一般質問

2021年12月8日
日本共産党議員団 久村真知子

1.学校のトイレに生理用品を設置することについて

 生理用品のトイレへの設置に関しては、前回伊丹市の見解をお伺いしております。答弁では「管理の面において課題があるため、今後の対応について検討する」との事でした。その後どうなったのか、できるだけ早く設置していただきたいと思いますので続いて質問させていただきます。

 「生理の貧困」が言われ始めてから、海外ではイングランドやフランスなどで生理用品の無料配布が行われ、スコットランドでは、2020年11月に生理用品無償化を義務図ける法案が制定されたりしていることには驚きます。

 国内でも群馬県ではすべての県立学校や県の施設に生理用ナプキンを提供する方針を決めています。 東京都等様々な自治体で設置がされ始めてきています。

 女性が安心して活動するためには、生理の問題は避けて通れない問題だと思います。

 最近まではこのような問題についてオープンに話は出来ませんでした。長い間生理は汚れたものという扱いでしたから、小学校での生理用ナプキンの使用方法の説明では、女生徒だけが集められ説明を受けましたから、特に男性には知られないように気を遣うのが当たり前という風潮でした。生理時の大変つらい状況に対しても長年声を上げにくかったのですが、やっと生理の貧困という形ですが声が出始めてきました。

 今日議会でこのような話ができるという時代になってきたことを、私は大変うれしく思います。

 女性の体の健康問題でありますから男女ともに真剣に考えてなければならないと思います。少しの思いやりがあれば生理の時も女性が安心できる状況を作ることができると私は思います。ですから伊丹市はやっと出てきた声を真剣に耳を傾け受け止めていただきたいと思います。女性が安心して様々に活動するためには今までの状況でいいのか、何をどう変えなければならないのかは、避けて通れない問題だと思います。

伊丹市内の学校で児童生徒が生理時に生理用品がなくて困ったことがないのか

 質問の1点目は、伊丹市内の学校で児童生徒が生理時に生理用品がなくて困ったことがないのかという事。

 その状況をどう把握されているのかについてですが、きちんと把握することが必要だと思います。NHKの報道ですが、ある学校でのアンケートでは、生理用品が学校でなくて困ったことがあったのは、17%です。その理由は、持参するのを忘れたが95%。家庭で準備できなかったが5%という結果がありました。生理は予期せぬ時になるのですから、わからない間に下着やスカートが汚れてしまう等、女性ならその時の大変さ、困ったときの経験はだれにでもあるのではないかと思います。生理の時にどんなことに困ったのか等、この学校のようにある程度の人数の意見を聞いてみること等もしていただければ、生徒児童の困った状況がすぐにわかるのではないでしょうか。

 前回の答弁では、「学級担任や学年の教職員が中心となり子どもたちを注意深く観察し、子どもたちの心のSOSを見逃さない、小さな変化を見逃さない体制つくり、子どもたちが相談しやすい環境つくりが必要である」等いわれていますが、その体制で、生理で困っていた全員の子どもの問題点をきちんと把握し、解決できているのでしょうか把握内容に付いてお伺いいたします。

 第2に、各地でトイレへの設置が広がりつつありますが伊丹ではまだ検討中との前回の答弁からあまり進んでないと思いますが、最近は群馬県などのように、自治体や学校の判断で取り組みが進んできています。このような状況に対して、どのような見解をお持ちなのでしょうか。お伺いいたします。

 第3に、また伊丹市でも、学校のトイレに生理用品の設置を求めていますが、児童生徒の意見はどうなのかです。

 「どこにおいてほしいか」の問いに150人からアンケートを取っている学校がありますが、その答えは
  トイレにおいてほしいが、87%。
  保健室1%
  どちらでもよいが9%。

 ほとんどの児童生徒がトイレへの設置を希望しているわけです。

 どこにおいてほしいのか等の把握もなどは、すぐに聞くこともできるでしょう。前回の答弁では、「対応については、検討する」と答えられています」。突然の生理に困って一人で悩むことなく、トイレにおいてあげれば、すぐに解決できるわけです。子供の健康を守り尊厳を守るなら、子どもたちの声にきちんと対応することが学校の役割と思いますが、前回の答弁後、伊丹市での取り組みに関して検討された内容についてはどうであったのか、その後の検討内容について、お伺いいたします。

2.補聴器購入費用の補助について

 補聴器購入に関しては、2019年決算議会で上原議員が知るもんしていますが、少し時間もたち又多くの自治体で補助制度などもできていますので伊丹市でもぜひ実現していただけたらと思い質問させていただきます。

 最近知り合いの方がとても話が聞こえなくなった、「家でも奥さんとの会話もできないくらい」と言われていました。「補聴器を買えば」。と言いましたら「高いので買えない」と返事が返ってきました。その方は地域の活動などでも周りの方のお世話なども行い、大変信頼がある方です。その様な方が周りとの会話ができない状況だという事が私には大変ショックでした。何とかしてあげたいと思いますが、このような方に補助制度があれば助かるのにと思います。高齢化社会ですので同じように困っておられる方も多いのではないかとおもいますので、ぜひ実現していただきたいと思います。

 初めに難聴と認知症の関係についてお伺いいたします。高齢化が進み様々に体も衰えてきますが、伊丹市では健康を保つために様々な検診をはじめ、運動をしたり、食事に気を付けたり、引きこもりにならないように、地域でサロンを開く等、様々な施策がとられています。その結果多くの方が健康を保つための自覚も高まってきていると思います。しかし中々自分で気が付かず治りにくいというのが、高齢になっての難聴です。難聴になれば人との会話がうまくいかず、日常生活が苦痛になり外出は少なくなり、社会からの孤立する状況となってしまいます。その様な状況で難聴が認知症の最大の危険因子となっているといわれています。

 WHO基準での26デシベル以上を難聴とした場合、65歳から69歳で3割から4割、70代で4割から7割、80代以上では8割になるといわれています。WHOは補聴器の装着を推奨する中程度の難聴者は、41デシベルから69デシベル、としています。しかし高齢者は一人暮らしの方も多いためテレビの音が大変大きくしている方や話しかけているのに返事がない等

 自分の聞こえに関して気付きにくいという状況があります。このような状況では、社会的な孤立の人も多くなるのではないでしょうか。その解消のためには補聴器の利用が有効だといわれています。高齢者の難聴と認知症の関係また補聴器の有効性については、どのように認識されているのかお聞きいたします。

 補聴器の購入への助成制度に付いてですが、東京江東区では、「より良いコミュニケーションと積極的な社旗参加」を目的に1990年から補聴器支給制度が行われています。65歳以上の難聴者に4万5千円相当の補聴器を支給します。区が指定する耳鼻咽喉科で聴力検査をして必要と認められれば医師が支給し、検査料は無料とされています。また長野県南木曽町(なぎそ)でも補聴器の助成制度が購入費用の2分の1で上限3万円です。専門家の意見者があれば販売店で購入できる制度となっています。愛知県設楽町(設楽町)では助成額は購入費の3分の2の範囲で、助成額上限5万円。65歳以上が対象となっています。所得制限はなし、片耳一個ですが、特に医者が必要と認める場合は両耳で上限10万円となっています。これらの助成は多くの自治体に広がっているようです。認知症予防のために行われているわけです。補聴器の利用でコミュニケーションをとることが大事なことだと思いますが、認知症と聞こえの関係をどの様に認識されているのでしょうか。お伺いいたします。

 補聴器は様々なものがありますが、値段が高いものが多く補聴器の購入ができないといわれている方も結構おられます。各自治体で進んでいるように伊丹市も補聴器購入の助成制度を制定し高齢者の皆さんが安心して生活できる伊丹市にすることが必要と思いますが、いかがお考えでしょか。お伺いいたします。

3.痴漢予防の対策について

 痴漢に合ったことがないという方の方が少ないのではないかと思うくらいに日本は、痴漢が多いといわれています。

 海外でも痴漢という言葉は知られており大変恥ずかしい事だと思います。痴漢被害に対して被害者の言葉は、あまり表に出ず。そのためか最近まで正面からの解決のための話は出来ていませんでした。しかし痴漢は性差別に基づく暴力であり、人権問題です。このような被害に合えばだれでも傷つき、大きな打撃を受けるものです。自分の人格が否定されたと感じ、自分自身が自分を責めてしまいますし、体調も崩してしまいます。男性が怖くなってしまい外を歩き人とすれ違うのが怖くなってしまったりします。様々に心の病が起こってしまいます。

 電車の中で周りの人が気づいても助けてくれなかった等の例も多くあります。

 最近はスマホなどでの盗撮などの被害もあります。抵抗できない子どもたちがターゲットになっている事件も多くあります。痴漢などの被害にあっても、誰にも言えなかった。また怖くて何もできなかったという方々が多いのが現状です。

 警察庁の調べでは、被害にあった人の89%の人が「通報相談できない」という風に答えています。また被害を目撃したことのある人のうち45%が「何も行動しなかった」と答えています。また周りの人に話しても「あなたの服装が派手だったんじゃないか、」等セカンドレイプと言わるような状況にもなってしまう場合も多いのです。

 このように被害者に落ち度があったという風になると、被害をなくすことは出来ないのではないでしょうか。痴漢は許さないという市民の思いが必要だと思います。やっと最近は様々な人が痴漢被害等をなくしていこうと女性中心の様々な運動が起きています。被害が起こってしまってからは取り返しがつきません。そのための施策が必要だと思います。お聞きいたします。

① 伊丹市での痴漢被害の状況などはどうなのでしょう。電車などでは、小学生中学生なども痴漢の被害にあっています。学校の行き帰り等子どもたちに対しての防止対策は家庭、地域も含めどの様に行われているでしょうか。

② 痴漢防止対策の啓発についてですが

 痴漢被害は様々なところで起こります。・電車の中が多いといわれていますが、駅構内、バスの中、プール、映画館、公共施設、路上等であります。伊丹市内もこのような場所がありますが、どんな時でも女性や子供が安心して出歩けることは当然の事なのですから、そのことがきちんと保障される対策は必要な事だと思います。そのためには被害者の意見を何らかの形で聞くことも必要でしょうし、心のケアーが必要な人には気軽に受けられることも必要だと思います。安全を守るための対策についての様々な啓発なども必要と思いますが、どのようにお考えでしょうか。お伺いします。

(2回目の発言)

生理用品の配置

 答弁をいただきましたが、なんだか前回の質問から全然変化していない内容に感じますが、子どもたちが抱える課題の内容を把握することは必要であると考えておられるという事ですが、私は児童生徒が生理時に困ったことを経験していないか、その状況についての把握の内容を聞いているのですが、全く進んでいないという風にとれる答弁です。

 子どもたちは先ほど例を挙げましたように、生理が始まるのは、いつ始まるのかわからないのですから、その時に生理用品を持っていなければ困るわけですよ。トイレに行きそのことがわかってから、保健室にもらいに行くかもしれませんが、中には行きにくい子もいるでしょうし、保健室に男子や他の方がいれば、言えない子もいるかもしれません。

 その様な例を把握できないのでしょうか。

 それこそ小さなSOSではないですか。小さなSOSを見逃さないような体制つくりに努めおられるのにこのような内容を把握することができないのでしょうか。

 もしそのようなことで困っている子供がいれば本当に気の毒です。学校での対応の冷たさを感じるのではないでしょうか。学校へ行くのが不安にもあるのではないでしょうか。今の時代は、トイレに行けばトイレットペパーがあって当然となっています。衛生面で大変安心できます。ある学校の校長先生は、自分がトイレいきトイレットペパーがなければ大変困る。このことと同じことなのかと感じられ学校に生理用品をおくことにしたと、報道がありました。全くその通りだと思います。

 誰もが同じ様に困ると思います。生理用品を持っていなかった場合はそのことと同じ状況になりますし、トイレに行った時だけの事ではなく、経血は何日も続いて流れ出ているのです。それが健康な女性の体なのですから、どうしても生理用品が必要なのです。

 生理の間は、当然体調の変化も起こります。私の中学校でも腹痛生理痛で授業も受けるのが大変なくらい痛さに我慢できないという症状の人もいました。

 頭痛がする、気分が落ち込む等それぞれ症状は色々ですが、このような症状は生理がなくなるまで40年間も繰り返し起こるのです。社会に出れば仕事ができないくらい体調が崩れる人もいますから、体のためには生理休暇を取り休んだ方がいいと思います。

 このような体調でも学校に休まず来て勉強する生徒に対して、もし生理用品が持ってきていなかったときに下着やスカートなどにもしみ込んだしまったりもするのですから、もしそうなれば大変恥ずかしい思いをすることになってしまいます。すぐに生理用品が必要なのです。その時にわざわざ保健室に行き、事情を話すのも結構勇気がいると思います。また休み時間で間に合わないかもしれませんし、授業中なら、トイレに行けば生理用品があればなんとかなると思います。大変細かく話をしましたが、女性の体をきちんといたわることは、将来安心して子どもを産むことに大きくつながることだと思います。対処の仕方を間違えれば健康被害になるかもしれません。

 生理の貧困問題が明るみに出てきましたが、政府の目指している男女共同参画社会、伊丹市もその方向の実現のため努力しているわけですが、そのためにも生理の問題はきちんと向き合ってほしいと思います。男性にはわからない問題でしょうが、女性が安心して活動できる条件を整えることが様々な面で必要です。その大一歩になる問題ではないでしょうか。

 海外ではすべての人に無料で生理用品が行き渡るように配慮している国もあるわけです。生理の貧困を言うなら女性だけが経済的負担ともなるわけですから、そのような配慮はあってしかるべきだと思います。

 伊丹市も災害用備蓄の生理用品を必要な方に配布しましたが、一過性で終わっていいのでしょうか。女性の生理は一度で葉終わらないのですが。三田市は二度目の生理用品配布を行っていると新聞記事にありました。担当者は「生理用品は絶対に必要な物遠慮なく取りに来て」と言われています。大変温かい対応だと思います。

 学校のトイレに設置することに関しては、子どもたちの意見を聞くことがいいと思います。自分たちの事ですから、子どもの意見表明の権利をしっかりと保障すべきと思いますので、是非早急に取り組んでいただきたいと思います。

2.補聴器の問題も認知症との関係などあるという事なのですから、高齢化社会となってきていますから、ぜひ多くの自治体が行っていることからも、皆さんが楽しく元気に老後の人生を送れるように、補聴器の補助制度ぜひ行っていただきたいと思いますので要望いたします。

3.痴漢問題ですが、被害者の人権を守るためにも絶対あってはならないことです。

 市民全体が痴漢は許さないという認識を持っていただけるようにすることが、痴漢をなくしていくことに大きくつながると思います。
 女性の警察官の方にお話を伺いました、加害者は初めは小さな犯罪を行っていてもそのうち強制わいせつなどの性犯罪を起こすことにもつながる可能性があるので、どんな小さな被害でも知らせてほしい、また周りの方も協力していただきたいといわれていました。伊丹市の強制わいせつがこんなにあるのにも驚きましたが、やはり実際はもっと多いと考えられるという事ですし、バスで移動する中での被害など学生もあっているかもしれません。様々な方法で「痴漢は許さない。という啓発を都市交通都市安全企画課が中心となり進めていっていただけると思いますので、市民からの様々な意見が届くよう工夫もして安全な伊丹市にしていただけるようお願いしたいと思います。

 警察に行きました時に防犯ニュースをもらってきましたが、痴漢や強制わいせつ等に注意しましょうという内容です。

 その内容は、防犯対策として、できるだけ人通りのある明るい道を歩きましょう。時々後ろを振り返る等周囲を警戒しましょう。歩きスマホはやめましょう。エレベターには出来るだけ見知らぬ人と二人きりで乗り合わさないよう注意しましょう。等10項目の対策がありました。
 防犯対策として理解できますが、これでは神経を張り詰めて歩かなければならず女性は安心して出歩けなくなってしまいます。女性が社会にでて様々に活動することのためには、安心して歩けことの補償がいります。様々に課題が多いのに改めて考え込んでしまいそうです。

 そしてもしも被害にあってしまったら、すぐに110番をと呼びかけてあります。

 被害を目撃した人も、110番通報や被害者を保護するなどの協力をして欲しいといわれていました。

 110番することには結構躊躇しますが、伊丹市としても都市安全企画課がこのような窓口にもなっているなら安心して連絡される方もいると思いますので、市民と共に問題点など話し合う機会なども作っていただき女性が活動しやすい社会にするためにぜひ、痴漢の出ない安全な伊丹市になるよう啓発や様々な情報なども広く届けていただけるよう要望しておきます。