2019年12月議会 上原ひでき:都市企業常任委員会付託議案への討論

2019年12月議会 本会議 都市企業常任委員会付託議案への討論

2019年12月23日
日本共産党議員団 上原ひでき

 議長から発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して、上程となりました議案のうち、議案第106号、108号、114号、116号に対して反対の立場から討論します。

議案第106号「令和元年度伊丹市農業共済事業特別会計補正予算(第1号)」
議案第108号「伊丹市農業共済条例を廃止する条例について」

 はじめに、議案第106号「令和元年度伊丹市農業共済事業特別会計補正予算(第1号)」及び議案第108号「伊丹市農業共済条例を廃止する条例について」です。

 議案第108号は、伊丹市が農業共済事業を廃止し、農林水産省が進める農業共済団体等における1県1組合化の推進政策によって、兵庫県に1本化しようとするものです。昨年の12月議会における伊丹市農業共済条例の一部改正の質疑・討論でも指摘しましたが、これら農業共済事業改革の問題点として、農業共済への加入が当然加入から任意加入に変わったことで加入者の減少を招くこと、2年後には一筆方式が廃止されることで圃場ごとのきめ細かい被害補償がされなくなる可能性があることなどの問題があります。

 本条例案に対する本会議質疑への答弁でも、加入が当然加入から任意加入に変わったことで、加入者の減少などのため災害への安定した対応が困難になることなどが、県1組合化の理由とされました。県1組合化により、阪神事務所は三田市に置かれることになりますが、災害への対応や農業者への指導・助言が十分行き届かなる可能性があります。また、伊丹市が農業者支援事務として情報や問い合わせの取次等をしていくとされましたが、その財政保障はありません。

 したがって、本条例を廃止することで農業者に不利益となる可能性があり、反対とします。同時に、この議案に関連する議案第106号にも反対とします。

第114号「伊丹市立男女共同参画センターの指定管理者の指定について」

 次に、第114号「伊丹市立男女共同参画センターの指定管理者の指定について」です。

 本議案は、同施設の指定管理者に、特定非営利活動法人女性と子どものエンパワメント関西を指定しようとするものです。

 この施設の目的は、男女共同参画社会の形成を促進するためとされており、この目的を達成するため条例3条では本施設の事業内容が明記されています。その内容は、男女共同参画社会の形成に関する啓発及び講座の開催、情報の収集及び提供、市民活動及び交流の支援、調査及び研究、その他とされています。この事業はまさしく伊丹市行政における男女共同参画社会形成のための事業そのものであり、専門性の高い事業等重要なものばかりです。伊丹市行政としてこれらの事業を直接行うことによって、労働における男女不平等の解消のための労働行政等行政内部での連携を強化することができ、あらゆる分野における男女共同参画社会をつくるうえでの施策を進めることができます。また、行政内部にこの事業の実績・経験を蓄積し、継承していくことも必要です。一方、多様な男女共同参画に関わる市民や団体との協働は大いに進めていくことはいうまでもありません。

 したがって、男女共同参画センターは指定管理者による管理運営はすべきではなく、伊丹市が直接管理運営すべきであります。よって、第4条「指定管理者にセンターの管理を行わせる」の項目の削除を求めるとともに、本議案に反対とします。

議案第116号「伊丹市立労働福祉会館等の指定管理者の指定について」

 次に、議案第116号「伊丹市立労働福祉会館等の指定管理者の指定について」です。

 本議案は、同施設の指定管理者に、三菱電機ライフサービス株式会社を指定しようとするものです。

 労働福祉会館等のうち、青少年センターに関しては、青少年の健全な育成と福祉の増進を図るための各種の事業を積極的に推進することを目的とし、青少年の文化,体育活動の促進に関すること及び勤労青少年ホームの運営に関すること等の事業を行う施設です。その勤労青少年ホームの運営に関しては、かつての根拠法が勤労青少年福祉法から青少年の雇用の促進等に関する法律に変わり、雇用の促進等を図ることを通じて青少年がその有する能力を有効に発揮することができるようにすること等を目的としました。同時に地方公共団体は、適職の選択を可能とする環境の整備等青少年の福祉の増進を図るために必要な施策を推進するとともに、職業生活を円滑に営む上での困難を有するものに対して、相談の機会の提供、職業生活における自立を支援するための必要な措置を講じることを求めています。

 現在若者の雇用をめぐる状況は、企業における人権を無視した働かせ方による、「ブラック企業」「ブラックバイト」による使い捨てやニート、過労自殺、パワハラによる自殺などが大きな社会問題となっています。このことから、若者に対するあらゆる機会を通じての多様な相談体制の強化とともに、義務教育課程から高校生、学生、そして就労している若者までの連続した教育を実施することにおいて、働く人の権利をきちんと学ぶことが必要となっています。

 したがって青少年センターは、教育委員会や国・県等の労働行政との連携が必要な施設となり、伊丹市が直接管理運営すべきものと考えます。

 よって本議案における青少年センターの指定管理者の指定にあたっては、本施設の条例第4条「指定管理者に管理を行わせる」の項目の削除を求め、議案に反対とします。

 以上、議員各位のご賛同をお願いしまして討論を終わります。