2015年9月議会:服部よしひろ 個人質問/子どもの貧困、住み続けたいまち伊丹

2015年9月議会 個人質問

2015年9月24日
日本共産党議員団 服部好廣

 議長の発言許可をいただきましたので、発言通告に従って、日本共産党議員団を代表して質問を行います。

1、子どもの貧困問題に関連して

(1) 生活困窮世帯の生活実態は

 まず、最初に、子どもの貧困問題に関連して、伊丹市に置ける生活困窮世帯、ひとり親家庭、生活保護世帯も含めて生活困窮世帯の生活実態についてお聞きします。

 NHK報道番組ディレクターの新井直行氏の「チャイルド・プア 社会を蝕む子どもの貧困」という本がありますが、そこでは政府の2011年の調査で子どもの相対的貧困率が16.8%つまり6人にひとりが貧困状態に置かれていると記されています。ネット上にも6人にひとりの子どもがこの夏休み、学校の給食が無い期間まともな昼食をとれないという状況になっているとの記事が出ていました。この夏休み、伊丹市における生活困窮世帯やひとり親家庭などでの実態はどのようになっていたでしょうか。現場で体験されて把握されていればお伺いしたいと思います。

(2) 夏休み中の昼食の支援は

 なかなか全体の実態を把握するのは困難とは思いますが、問題の一端は把握されているとの前提で話を進めます。保護者がパート収入だけなどで低収入だったり、生活上の支障、たとえば保護者の精神的疾患のために子どもたちが負の連鎖に巻き込まれていく状態から救い出すには私たちに何ができるか、たとえば、一人親世帯において経済的理由や多忙その他で保護者が子どもにまともな食事の提供ができないなどの困難を抱えていることもあることから、子育て支援の施策の中で昼食の提供を支援できないか、その可能性あるでしょうか。

 現実問題として夏休みに昼食がとりにくい児童に対する直接的な支援の方法として放課後児童くらぶに通う児童に、夏休みなど長期休暇中も継続して給食を実施するという方法があります。当然、夏休みの場合は真夏である上に、通常の教室では無いために衛生管理上の制約から内容が限定されるかもしれませんが、現状は各家庭からお弁当を持参しているところを、全員に同じ内容の給食を実施することにより困難な児童も含めての昼食の提供が行えて、結果的に困難な児童への支援が自然な形で実施できると考えますが、実施の可能性と、可能な方法をお示し願いたいと思います。この質問は期せずして午前中の川井田議員と重複しましたが簡潔にご答弁お願いします。

(3) 貧困の連鎖を断ち切るために住環境の改善を

 次に、貧困の連鎖を断ち切るために住環境の(抜本的な)改善を図れないかということです。

 1点目は、子どもの成長にとって心休まる空間としての自宅と、自分の居場所を確保することが必要です。そのためにも良質な住宅の確保が必要と考えます。

 今年8月から国の新しい制度「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」が創設されました。まずはこの制度がどのような事業なのか、また伊丹市ではどのように取り組んでいくのかお伺いします。

 2点目は、伊丹市では市営住宅の増設を行わない方針のなか、生活保護世帯の住宅扶助で入居できる住宅は限られています。また、生活困窮世帯、特にひとり親家庭など子育て困窮世帯に良質な住宅を安く提供することが必要と考えますが、伊丹市として、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。

 3点目は、2013年度から実施されています厚生労働省の「居住の安定確保支援事業」についてもその制度の概要と伊丹市での実施についてお伺いします。

2、「住み続けたいまち伊丹」に向けて

 次に「伊丹創生総合戦略」(案)に関連して、質問します。
 「住み続けたいまち伊丹」に必要なものは何か。基本目標の1には「さらなる安全・安心を実現するまち」が掲げられています。市民の個人情報やプライバシーが守られ、情報管理が徹底されることを前提に、市民の平穏な生活環境を高めていくことには大いに賛同するところです。

(1) 通学路等の安全対策事業(阪急電車の御願塚北踏切)

 1-1では(3)で通学路等の安全対策事業が記されています。

 夏祭りなどで地域の方々といろいろお話する中で南小学校の通学路で危険な踏切があり、自動車の通行帯と分離した歩道を設置できないか、という要望を受けました。

 通学時間帯は同時に出勤時間帯でもあり、狭い踏切で自動車と児童が行きかい、交通指導の皆さんが緊張した表情でがんばっています。

 この踏み切りは阪急電車の御願塚北踏切ですが、同様に車道と歩道の分離が十分でない踏み切りは他にもあります。これらの踏み切りの拡幅と歩道の設置につき、状況をお伺いいたします。

(2) 空き家対策としての中古住宅有効活用施策

 次に基本目標3 にぎわいと活力にあふれるまちの3-3 住宅・住環境整備施策にかんして、空き家対策としての中古住宅有効活用施策の充実についてお尋ねします。

 案では(2) 空き家利用促進事業などが掲げられています。

 「空き家利用促進事業」と「空き家対策特別措置法」に関する事業についてお伺いします。

 「空き家対策特別措置法」に基づく「伊丹市空き家等対策協議会条例」は、6月議会で審議されましたが、すでにそれに基づく協議会は設置され、空き家等対策計画について審議されているとお聞きしております。

 空き家の有効活用で空き家の所有者と住宅を求める市民の双方の利益にかなう制度の構築を検討して頂くようお願いいたしまして1回目の質問といたします。

個人質問(2回目)

 それぞれご答弁を頂きましたので、2回目は要望といたします。

1、子どもの貧困問題に関連して

(1) 子どもの貧困問題に関連して、伊丹市に置ける生活困窮世帯の生活実態についてお聞きしました。

 現場で体験されて直接把握されている実態もお示しいただいたと思います。

 貧困の連鎖から子どもたちを救うために可能性を今後も追求いただきたいと思います。

(2) 放課後児童くらぶに通う児童に、夏休みなどの長期休暇中も継続して給食を実施できないかとお伺いしました。

 島根県益田市での先進的な事例もホームページで紹介されております。島根県益田市では、益田市現業労働組合が2004年から公共サービスの充実を課題にして運動を展開してきており、市民ニーズにこたえて放課後児童くらぶへの給食提供を検討し、共働き家庭の増加、自治体職員の夏休み、冬休み、春休みの稼働日数、稼働時間の偏りなど、学校給食業務にかかる問題点を市民から指摘されている状況から、民間ではできないサービスとして、市職員が担わなくてはならない。と、文教分野と福祉分野の垣根を越えて取り組みを行い、実現させてきました。

 私も若いころは子どもの学童保育のために弁当を作った経験がありますが、夏場は食中毒を恐れ、どうしても画一的なメニューになってしまいました。また、保護者の状況で内容のばらつきも大きくなります。これらを克服する上ために、伊丹でもぜひ研究願いたいと思います。

(3) 次に、住環境の(抜本的な)改善について伺いました。

 国の制度を最大限生かしてよりよい住環境を提供できるようがんばっていただきたいと思います。

2、「住み続けたいまち伊丹」に向けて

 通学路等の安全対策事業について伺いました。

 踏み切りの安全対策について地域の皆さんの心配をしっかり受け止めて改善に努力いただいていますが、その経過も踏まえて、車道と歩道の分離を行うなど、抜本的な改善に向けて自治会、保護者の皆さんのご要望もお聞きして電鉄会社にも働きかけをしていただきたいと思います。

 空き家対策としての中古住宅有効活用施策の充実についてお伺いしました。

 「伊丹市空き家等対策協議会条例」に基づく協議会が動き出したところという状況だということは理解いたしました。

 地域にはしっかりした住宅が住まわれずに残っている例も見かけます。国の資金も有効に使って、困難な家庭への良質な住居の提供を含め、空き家の有効活用を進めて頂くようお願いいたしまして発言を終わります。