2015年3月議会:ひさ村真知子 障がい者の参政権行使/中学校給食調理の民間委託

日本共産党議員団 ひさ村真知子 議員

1、「障がい者の参政権行使は保障されているか」について

 ただいま議長の発言の許可をいただきましたので、私は共産党議員団を代表して質問いたします。

 障害者の参政権行使は保障されているか、に関してですが、参政権は、政策形成過程に参加する権利,つまり,国民が主権者として直接あるいは代表を通じて,国の政治に参加する権利です。日本では,原則として,国民の代表者によって国政が運営されることになっているので,国民の意見を忠実に国政に反映させて,国民の人権を守り、実現するために,「参政権」の保障はとても重要なことだと思います。なかなか投票率が上がらない現状がありますが、身体的事情により行きたくても行けない等の事情もあります。しかしそのような方も含め、すべての国民に憲法で保障されている参政権の行使にたいして、行政は責任を持たなければなりません。

・私は、この立場から、障がい者の参政権、投票権の行使に関してお伺いいたします。

 「障害者基本法の一部を改正する法律」が、2011年8月に公布,施行され、障害者の定義が見直されて,新たな規定が追加されました。障がい者の定義については、身体障害,知的障害,精神障害(発達障害を含む。)という点です。

 当然このような障がい者の方々が選挙に参加できるようにしなくてはなりません。そのためにこの法には、選挙時における配慮として新たに、国及び地方公共団体は,法律又は条例の定めるところにより行われる選挙,国民審査又は投票において,障害者が円滑に投票できるようにするため,投票所の施設又は設備の整備その他必要な施策を講じなければならない。とされています。この法に関連してお伺いいたします。

 伊丹市としては「改正、障がい者基本法」をうけて、投票に関してどのような施策を行っているのでしょう。

① 今日まで、重度の障害や要介護5等の認定者で、投票所に行くことが困難なかたを対象にした郵送による不在者投票制度がありますが、皆さんにどれだけ周知しているのでしょうか。対象者の方がどれだけこの制度を利用しているのでしょうか。お伺いいたします。

② 次に投票所ですが、すべての投票所は、バリアフリーとなっているのでしょうか。
 毎回投票に行っている人が、「体が弱ってきているので、会場までは歩いていけなくなったし、階段もあるので、今回はあきらめるわ」といわれた高齢の方、このことは今後高齢化社会の中で誰にでも起こることです。私も自分のこととして不安を感じました。その方も熱心に投票に行かれていた方ですので大変残念な思いをされているだろうと感じました。

 また車イスの方が、何回も投票しなければならないのに投票所が狭くて動きにくかったという声も有りました。

 このような状況は急いで改善されなければならないと思いますが市内の投票所のバリアフリーの状況はどうでしょうか。お伺いいたします。

③ また、高齢者等移動が困難になってきている方への対応が必要ですが、現状をどのように把握されているのでしょうかお伺いいたします。

④ 知的障がい者の支援に関しては、いかがでしょうか。現状ではその権利が十分に守られているとは思えないのですが。対象となる方の投票率はどうでしょうか、また、どのように本人の意思確認を行われているのでしょうか。

 いつもと違う環境におかれるのは、誰しも同じではじめての選挙は大変緊張するものです。会場に入れば、緊張もしますのでなれない若い人が行かないという気持ちも少しはわかるような気もしますが、このような中での知的障害の方の受ける緊張感というのは計り知れないかもしれません。何とか緊張をほぐして投票を行うようにもって行くのは大変ではないかと思います。しかし家族の方も周りの方も、権利の行使を願っていると思います。あるお母さんは「周りの事を気にして連れて行かないようにしてしまう」ということを言われていました。このような状況を変革していかなければなりませんが、どのような手立てを伊丹市として行っておられますか、お伺いいたします。ある方は子どもが数字を少し書けるので候補者名のところに数字を打ってほしい。また写真を見せての意思確認を行ってくれれば投票に連れて行けるのにともいわれていました。 

 このような問題で様々な要望が障がい者や家族から出ていると思います。様々な障害により要望もそれぞれに違っていると思いますが、きめ細やかな施策を行うためにはそのような声を施策に取り入れ、障害者の権利をしっかりと守っていただきたいと思います。

⑤ 病院、施設に入所されている方は投票がそこで出来ますが、投票を書くところを見られているので書きにくかったなど耳にしたこともありますが、投票が厳格に行われているのでしょうか。また選挙情報、広報などはすべての対象者に行き届いているのでしょうか。

 病状も様々でしょうが、投票の仕方も政党名を書く、また個人名を書く、○や×等もありますので、きちんとした説明が行き届かないと大変難しいことになってしまい正しく投票が出来ないという状況も生まれてきます。どの程度理解できる手立てが行われているのでしょうかお伺いいたします。

2、中学校給食の調理部門の民間委託に関して

 市民の皆さんは、安全でおいしい給食をと願われやっと実現することを大変喜ばれています。

 しかし調理部門の民間i委託に関しては不安の声もあります。市民団体でこの問題を街頭で「中学校給食は市の直営で」の署名のお願いをしましたら結構反応はありますので、やはり伊丹市への信頼や、食の安全に関しての関心が高いのだと感じます。伊丹市の中学校給食をセンター方式で調理部門を民間委託で始めることに関して、伊丹市として市民への説明をしっかりと、しなければならないと思います。

 今回私たち共産党伊丹議員団が、アンケート活動を行い、給食の民間委託に関してもお聞きいたしました。その答えは、小学校のように直営に、賛成の方、312人わからないが、277人。安全性に関しての「不安だ」という意見の書き込みが多くありました。

 「メリット・デメリットがわからない。民間委託で給食が業者の儲けの対象になっては困る。親が作るべきだ」など様々な意見が書かれています。このような状況から見て市民の理解はまだ半分にも達していないと感じますし、「わからない」と言ってる方が、正直このままわからないで終わってしまうこともいいとは思いません。

① 伊丹市としてのこの施策に関して市民の理解はどうなのか考えるべきだと思いますが、どれだけの理解がされているとお考えなのかお伺いいたします。

次に② 給食を実施すれば大なり小なりの様々な問題が起こるかもしれません。

 民間委託の一番の問題は議会でも何度も上原議員、加柴議員も質しておりますが、偽装請負の問題があります。伊丹市の管理栄養士が、現場で直接民間の調理員に指導をしてはならないのが鉄則ですから、現場で注意せざる得ないことや緊急な問題などがあれば誰が指揮をして動くのかと不安があります。

 ですから民間会社に対しての作業に関しての検証などが必要と思います。たとえば、東京の小金井市で9校の小学校のうち5校での民間委託が行われていますが、委託で、「質は落ちていない」という教育委員会は言われているということですが、同委員会がその根拠としているのが毎年度実施している、「検証」作業と、その結果をまとめた「学校給食調理業務等委託評価報告」があります。

 検証委員会は、教育委員会事務局、学校調理員、栄養士代表らで構成され、最近では毎年1回、中学校5校と小学校1校に出向き、給食内容、衛生面などの6項目について評価を行っている。

 報告に中で、食器や釜の洗浄方法が不適切(第1中)、じゃがいもの水のさらしが不十分(第2中)、ドライ運用の床が濡れていた(東中)、白衣を脱いで仕事をしていた/異物混入の可能性があり好ましくない(緑中)、すすぎが不十分なまま食器を食器洗浄に投入していた(南中)など各校ごとに調理員らの厳しい指摘がなされている。ということですが。このような検証は伊丹でも必要なのではないでしょうか。民間委託の一番の問題は、管理栄養士が現場で直接調理員には指示できないということです。この問題をどうカバーするのかが問題ではないでしょうか。作業の仕方などに対して誰が検証するのか、小金井市のように評価する機関が必要だと思います。

 おいしさに関してもこのような問題や先ほどの例の細かい問題に関しても、現場での対処が必要でしょうが、どのように誰がきちんと行うのかなどの、対処の仕方や、緊急時には、その指揮命令が誰がきちんと行うのかなどに関しては、市民の方も関心と不安を持たれているのではないでしょうか。

 問題が起こって生徒に影響が出てからでは遅すぎます。どのようにお考えでしょうか。楽しく給食を食べることが食育に大きく関係します。先ほどの検証例は他市のものですが、やはり民間委託では市民から見て責任の所在が明らかでは有りません、学校給食法には、給食は教育の一環と位置づけられていますから、やはり伊丹市教育委員会が直営で行うことが市民から見れば一番安心です。

 民間委託に関しての考えはしっかり市民の説明も行い、意見も聞き新たな方向を探ることも必要ではないかと思いますが、いかがお考えかお伺いいたします。