報告第7号「平成25年度伊丹市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」の認定に同意できない立場からの討論
(2014.10.9)
日本共産党伊丹市会議員団 上原秀樹
日本共産党議員団を代表して、報告第7号「平成25年度伊丹市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場から意見を述べます。
本会計は、当初予算で国保税条例を改定し、国民健康保険税における基礎課税分(医療分)の均等割額25,200円を28,500円に、また平等割額23,600円を23,800円に、さらに所得割税率8.21%を9.10%に増税したものです。
伊丹市の国民健康保険に加入されている世帯は、平均所得が約90万円、所得なしの世帯が23.1%、また所得200万円未満の世帯が74.8%を占めています。この改定によって、これらの世帯に新たに2.9億円の負担を求めることになりました。
具体的には、年所得200万円の夫婦子ども3人世帯の国保税は、それまでの353,000円から7.1%引きあがって378,000円となり、所得の約19%を国保税が占めることになりました。このことで、生活保護基準以下の生活を余儀なくされることになり、まさに国保が貧困をさらに広げる事態となったと言わざるを得ません。
一方、歳入歳出決算では、実質収支が3億1,630万円、単年度収支も1億8,954万円の黒字となりました。しかしこの黒字額は、当初予算で計上されていた一般会計からの法定外繰り入れ額5億4,796万円を、全額更正減とし、一般会計の財政調整基金に積み立てたことによるもので、本来なら実質収支は8億6,400万円、単年度収支も7億3,800万円となるべきものです。基金に積み立てた金額は赤字になったときに国保のために使うとしていますが、国保税引き下げをしないとの宣言でもあります。
もともとこの法定外繰り出しに関しては、事務費超過分や福祉医療波及分は、被保険者の責めに帰さないものとして繰り入れたものであり、税未収額の2分の1もまじめに納税している被保険者に未収部分を税に転嫁させないようにとその2分の1を繰り入れるもので、黒字になったからと言って別会計の基金に積み立てる理由にはなりません。
よって本会歳入歳出決算の認定に同意できません。
なお、来年度予算に対する要望として、一つは、国は、国民健康保険に関しても、憲法第25条の国民の生存権と国の社会保障義務に基づく責任を果たしていません。引き続き国に対して強く補助金の増額を求めていただきたいと思います。二つには、国保税が貧困を広げる要素となっていることを認識していただき、8億6,400万円の黒字分を使って、国保税を引き下げることを強く求めるものです。
以上、報告第7号に対し、その決算の認定に同意できない立場からの討論とします。