2012年9月議会代表質問:ひさ村真知子 子どもの権利を保障し守るために

2012年9月19日
日本共産党伊丹市会議員団  ひさ村真知子

2012年9月議会 代表質問

 

■4、子どもの権利を保障し守るために

①伊丹でも子ども権利条例を制定すべきではないか。

 毎日のように子どもの命が犠牲になっている事件が報道されています。伊丹でも様々な対策を推進されていますが、残念な事件も起きています。

 日本の子どもたちのおかれている現状にかんしては、子どもの権利の保障がされているのかの検証が必要と感じます。子どもの権利に関しては、1989年11月国際連合総会において「子どもの権利に関する条約」が採択され、1994年4月、日本政府は、同条約に批准しています。この条約に沿って子どもの権利を守る施策がとられています。

 各市町村では、子どもの権利条例を設置し様々な施策を行っています。伊丹市議会で何度かこの条例の設置の検討にかんして、質問しておりますが、伊丹ではいまだ設置の検討はされていません。

 すでにお隣の宝塚市は2007年に、「宝塚市子ども条例」尼崎市も2009年12月「尼崎市子どもの育ち支援条例」川西市「子どもの人権オンブズパーソン条例」を1998年12月に制定されています。全国でも名称は様々ですが、すでに多くの自治体が条例制定しています。

 このことを見ましても

①伊丹市でも子どもの権利をきちんと守るために「子どもの権利条例の制定」を考えるべきと思いますがいかがでしょうか。

 条例を策定した、新潟県上越市では、子どもの権利に関しての認識度を調査されています。小学生の保護者44%、就学前の児童の保護者28,4%、中学生の保護者、23,5%、高校生26,7%とであり広く認知されていないことが分かりました。

 その調査の結果、条例を制定し、その位置づけとして「誰もが子どもの権利を真に大切にするためには、他者の権利を実際に尊重し守ることができる行動力を身につけなければならない。権利の主体である子どもが虐待やいじめなどの権利侵害から自分を守り、また他者の権利を尊重するためには、子ども期に子どもの権利を学習することが重要です。さらにすべての人が子どもの権利を大切にできるよう大人に対しても積極的に学習の機会を提供していく必要があります。現在子どもの権利について学習する機会が少ないことから、権利学習を推進する必要があります。」と権利条例を制定されています。

②伊丹市でも子どもの権利に関しての認識を市民・保護者・子ども自身がしっかり持つことが必要と思いますが、子どもの権利に関しての認識がどれくらいあるのかの調査が必要ではないでしょうか。いかがお考えか御伺い致します。

③子どもが「子どもの権利」を学習するために

 上越市の前文には、「現在、子どもの権利について学習する機会が少ないことから、権利学習を推進する必要があります。」と書かれています。まさしくその通りだと思います。他市の条例も同じような目的となっています。大人に言われての行動するのでなく自らが考え行動する、また自尊心をきちんと持てるような教育が必要と大震災の経験からそのようなプログラムでの教育を進めているところもあることも報道もされています。自らが考え自ら行動するそのためにも子どもの権利学習のために、「子どもの権利に関する条約」の内容を子どもに分かりやすく理解できるような資料があれば、学習することができます。

 そのような資料を作り子どもが読めるように各所に配布することを求めますがいかがでしょうかお聞きいたします。

 次に④いじめ対策についてですが

 毎日のように子どものいじめ、自殺や虐待が報道され心が痛みます。このような問題に関しての対策が大変難しいとも思いますが、「子どもの権利」についての学びが普及すれば、自らが困っていることを人に聞いてもらおう、相談しようと動くことが今以上に活発になるのではないかと期待します。そのような状況を作り出さなければとも思います。

 子どもたちの気持ちを受け止めるためにも、電話相談の充実を要望したいと思います。現在も少年愛護センターはじめ様々に電話相談を行っても頂いていますが、決算報告書では、少年愛護センターへの電話相談は、22年度は228件、23年度は144件で、半分に減少しています。またセンターに来所面接相談は、22年37件23年7件です。電話のほうが、相談しやすいということが分かります。気軽に利用して悩み相談の糸口になればと思います。

 相談内容としていじめに関しては来所相談は22年も、23年のゼロ件ですが、問題によってはいかに来所しにくいかということだと思います。電話では、いじめに関しても数件ですが、がかかっています。

 以前命の電話をボランティアでされていた方の話では、多くの電話がかかってきますよとお聞きしました。いじめに関しては、子どもたちは親には中々心配かけるという気持ちからもいえない。先生にも難しいという点もあると思います。

 報告の数字からも電話のほうが、利用しやすいようですので、誰もが利用できるということをより一層工夫してアピールしていただくこと。またセンターに関しては、子どもたちの悩みの解決の居場所として来所しやすくなるように工夫していただければと思いますので要望とさせていただきます。