2022年9月議会:久村 真知子 個人質問

2022年9月議会

2022年9月22日
日本共産党伊丹市議会議員団 久村 真知子

1.権利としての生活保護申請手続のために

(1) 「扶養照会を保護申請の要件とはしない」厚労省通知について

 生活保護を必要とする方々からの相談を受けた時に、扶養照会の件については、「親族に迷惑をかけてきたので、生活保護の話は出来ない、」「生活が大変な状況を知っているので到底支援は受けられないのに連絡が必要なのか。」「断ることは出来ないのか」と申請相談の皆さんは、そのことがネックになり申請するかどうかについては結構悩んでおられる方がおられます。

 親族を含め周りの方から「生活保護に陥ったと」一段下の人間との見方をされるのではないかとの心配、そのような周りの目が、自己嫌悪、どうしても恥ずかしい、というような感情となり、到底政府がいうように「生活保護は権利です」等とは思えないというのが現状です。

 国民年金受給の方など「年金もかけ税金も払ってきたのに、こんな金額の年金では生活はできない。」

 またシングルマザーの方も仕事を「掛け持ちして働いても賃金は安く生活ができません。」その様な方も先ほどの理由などで、申請することをためらわれます。

 しかし生活できないのですから、相談のあった方に対して、「扶養照会については、どうしてもいやなら連絡しないでくださいと言ってみてください」と何とかいろいろ励ましたりしながらやっと申請を行っているというのが現状です。

 このような状況が反映され、国会で「扶養照会を保護申請の要件とはしない」との政府答弁が得られたことは、生活に困っている方には大きな朗報だと思います。すでに改善の通知が厚労省から送られているわけですが、伊丹でも改善され、そのような取り扱いがされていると思います。通知前と後での申請者の状況はどうでしょうか。状況をお伺いいたします。

(2) 「生活保護のしおり」に「扶養照会は保護申請の要件とはしない」と明記を

 生活保護保の申請に行きますと、相談という形で、まずは面接をされ、「生活保護のしおり」を手元に内容の説明を詳しくされています。一度聞くだけでは到底覚えられないので、「しおり」は一冊もらって帰れています。受給が認められてからも、わからないとき結構見ておられるようです。

 相談時の説明を聞いてから、付属書類を沢山書くのですから、説明時に「扶養照会は保護申請の要件とはしない」との内容は、きちんと説明すべきであります。そのことは、まだ「しおり」には記載されていませんので、当然早急に記載すべきであります。見解をお伺いいたします。

生活様式の変化の扱いついてわかりやすく

 また、生活保護を受けてから様々に生活様式が変化もします。例えば、子どもが、高校生になったとき、大学生になったときはどの様に扱買われるのか等、その変化時にどう対応するのか、理解が難しいところなども見受けられますが、明確には説明がありません。受給者の方も間違って理解しているところもあると思いますので、受給者の意見なども参考にしていただき、誤解がないように理解しやすい内容のしおりとしていただきたいと思いますが、如何でしょうか。 

(3) 借家入居時、保証人のなり手がない人への対策を

 借家に入居時に、保証人のなり手がない人に対しての対策が必要ではないか。

 市営住宅の入居時には、保証人が要らなくなっていますが、民間の賃貸住宅に入居の際は必ず、保証人や緊急連絡先などが条件となっています。

 しかし保証人を引き受けてもらえる人をお願いするのも難しい状況となってきています。様々な審査もあり入居がスムーズには行きません。特に生活保護に対しての理解も十分でない場合など保証人を探すのは大変です。市営住宅に入れない方に対して、民間の賃貸住宅にも保証人が見つからない方に対して、生活の居場所を確保するために、伊丹市がその代わりをするなりの手立てを考えていただきたいと思います。如何お考えでしょうか。

2.市バス路線の新設

 市バス路線の新設についてについてお伺いいたします。

 質問内容は、西野8丁目付近のバス停の要望についてと、西野8丁目から鴻池6丁目付近へのバス路線の新設についてお伺いいたします。

 伊丹市バスは市内をくまなく走り、多くの方から利用され大変便利に思われています。

 特に高齢者が特別乗車券制度でいつでも出かけられることは、健康を維持するためにも大いに役立っていることとなっています。このような制度は近隣にお住みの方からも「伊丹はいい制度があっていいね」とよく言われます。この制度は今後もしっかり持続させていただきたいと思います。バス停のベンチなども徐々に設置され、高齢者体の弱い人などの声も実現さてきていますのでより安心して出かけられます。

 しかし「もっと利用しやすくして欲しい」という声も上がっています。それはこれからも利用したいけど、住宅からバス停が遠いという問題です。残念な事ですが、高齢の為歩いてバス停まで行くことがだんだん難しくなっているということです。地域によって様々な状況があるとは思いますが、今後も高齢者の利用は増えるわけですから、市民の移動手段としての役割は大きなものと思いますので、何とか対策を考えなければならないと思います。若い方は関心がない問題のようですが、高齢者は、陸の孤島に住んでいる状況となり交通難民となってしまっています。

 私の知るところでは、西野8丁目ですが、県営住宅が300戸ほどあります。建て替えをされてからはバリアフリーで本当に気持ちよく過ごせる建物となっています。 しかしこの地域の生活環境は、大変です。病院も近くには多くはありませんし、生鮮食料品店や洋服店等もありません。食料品仕入れのためには、どうしてもバスで買い物に出かけなければなりません。

 ある高齢の方は、週に一度は一番近いスーパーに歩いてきておられます。手押し車に食料品、トイレットペーパー、洗剤など一人では運べないくらいの荷物となっています。2人家族の方ですが、ご主人は体調が悪くほぼ出掛けることは出来ません。奥さんも高齢ですが、歩いて往復すれば一時間くらいはかかってしまいます。本当に気の毒に思います。この方も、バス停をもっと団地寄りに設けてほしいといわれています。

 安心して生活するために、市バスを利用したいと思っている方々の思いをぜひ実現していただきたいと思います。

 またもう一点の路線は、武庫川センターバス停前から鴻池6丁目方面へ通っています宝塚池田線4車線の道路についてです。鴻池6丁目あたりは、新興住宅地帯となっていますが、現状では、バス停が離れていますので、「帰宅途中、人気も少なく不安を感じるので、新興住宅寄りにバス停を作ってほしい」との声もあります。宝塚池田線にバス路線が新設され、鴻池6丁目付近にバス停が設置されれば、安心できると思います。

 すでにこの道路は阪神バスや阪急バスのバス停もあり宝塚方面にも行けるようにもなっています。伊丹市バスも伊丹の中心街に行けるような路線の新設をしていただければと思います。この両地域についてはどの様な見解をお持ちなのでしょうか。利用者の調査など行われているのでしょうか。お伺いいたします。

3.性感染症、梅毒が特に若い女性に広がっている。防止のための手立てについて

(1) 「梅毒」若い方に知識を

 性感染症の梅毒が、今年は過去最高の1万人を超える恐れがあると国立感染症研究所が発表しています。このような状況を押さえる手立てを早急に考えていかなくてはならないと思います。自覚症状がすぐに消えてしまい、その間に病気が進んでしまいます。

 専門家からは、近年急増している背景には、最近は出会いを求めるためにネットで不特定多数のよく知らない人との性交渉の増加を指摘する声が上がっています。

 昨年の集計では、3分の2が男性で、幅広い年齢層に感染が見られています。女性は、6割近くが20代です。女性で懸念されるのが母子感染であり、感染に気が付かなければ胎児にも大きな影響があるわけです。特に若い方は知識がないままで性交渉を行い、子どもができる状況にもなってしまったり、エイズ、梅毒等性病にかかってしまったりしているという状況であるようです。    

 きちんとした正しい知識があればそのような事にも感染しないような手立てをとることもできるかと思いますが、その危険性を予防することについての性教育は日本では大変遅れているといわれています。性感染症にかからないような対策、また怪しいと思った時には手おくれにならないように、早くに医者にいけるようにしなければなりませんが。特に若い方がそのような知識をしっかりと持つことが必要です。その為の手立てを伊丹市としても急いできちんととっていかなくてはならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。

(2) 「子宮頸がん」早期発見のための検診

 「子宮頸がん」の早期発見のための検診についてですが、このがんは20代から40代の女性の発症が多いといわれています。何故そのような年齢かは以前の質問でも述べましたが、この病気の発症はヒトパピローマウイルスの感染で起こるのですが、このウイルスを持っているのは男性です。ほぼ10年後に発症するという事ですので、早期の検診を行っていないと手おくれとなってしまいます。子宮頸がんの早期発見につなげるためには、本来は10代からの検診が有効です。これは子宮がんワクチンを中高生に行う事と同じ理由です。早期発見であれば命は助かるのですから、検診をしっかり受けるように自覚してもらうことが必要です。

 この病気についての見解を改めてお伺いいたします。また検診についての有効性をどのように、お考えなのでしょうか。とくに若い方への検診対策が必要と思いますが、見解をお伺いいたします。

4.女性の健康問題への理解を

 女性の体をきちんと守ることは、ジェンダー平等社会に向けて当然大事にされるべきであります。今日まで女性の体をきちんと守ることはないがしろにされてきていました。(生理用品の貧困問題等もそうだと思います)自分の体は自分で守れなかったのが、今日までの女性の置かれてきた状況です。望まない妊娠をすることも、痴漢や強制性交被害にあったりすることもすべて女性に責任があるような認識等されてきていたのではないでしょうか。
 しかし今日、女性自身が自分の体、健康に責任をとれるような条件をきちんと作ろうという動きが始まっています。女性が望まない妊娠をしないような手立て、性感染症にならないような十分な知識、検診に自発的に行くための知識手立てが求められています。
 このようなことを実現するためには、リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)(自分の身体に関することを自分自身で決められる権利)ですが、このような観点から、女性の健康問題への理解を男性にもまた女性にも広げることが必要ではないでしょうか。どのようにお考えでしょうか見解をお伺いいたします。