新型コロナ対策で市長への申し入れ(13回目)(8月4日)

日本共産党議員団は8月4日、新型コロナウイルス感染対策、特に検査体制の充実・強化を求めて、13回目の市長への申し入れを行いました。

pdfアイコン新型コロナ対策で市長への申し入れ(13回目)

2020年8月4日

伊丹市長  藤原保幸 様

新型コロナウイルス対策、特に検査体制の充実・強化に関する申し入れ

日本共産党伊丹市議会議員団
団長  上原 秀樹
議員  久村真知子

 新型コロナウイルスの感染急拡大は、都市部を中心にきわめて憂慮すべき事態となっています。感染の急激な拡大が、医療の逼迫、さらに医療崩壊を引き起こし、救える命が失われることが、強く懸念されます。

 にもかかわらず政府が、感染拡大抑止のための実効ある方策を打ち出さず、反対に感染拡大を加速させる危険をもつ「Go To トラベル」の実施を強行するなどの姿勢をとっていることは、重大です。

 現在の感染急拡大を抑止するには、PCR等検査を文字通り大規模に実施し、陽性者を隔離・保護するとりくみを行う以外にありません。

 この立場から、以下、緊急に申し入れます。

1.伊丹市も大きな影響を受ける大阪、兵庫での感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対して、PCR等検査を実施することを、政府と兵庫県に求めること。

 現在の感染拡大は、全国でいくつかの感染震源地(エピセンター)――感染者・とくに無症状の感染者が集まり、感染が持続的に集積する地域が形成され、そこから感染が広がることによって起こっていると考えられます。

 東京都では、新宿区は、感染者数、陽性率ともに抜きんでて高くなっており、区内に感染震源地が存在することを示しています。伊丹市民の通勤圏にある大阪市にも感染震源地の広がりが危惧されています。早急に対策をとらなければ、伊丹市や神戸市にも感染拡大の危険性があります。

 従って、政府として、感染震源地を明確にし、そこに検査能力を集中的に投入して、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止するべきです。

 これらの大規模で網羅的な検査を行う目的は、診断目的でなく防疫目的であること、すなわち無症状者を含めて「感染力」のある人を見つけ出して隔離・保護し、感染拡大を抑止し、安全・安心の社会基盤をつくることにあることを明確にしてとりくむことを、政府と兵庫県に求めて下さい。

2.医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR等検査を行うこと。必要におうじて、施設利用者全体を対象にした検査を行うことを求めます。

 感染拡大にともなって、これらの施設の集団感染が全国で発生しており、それを防止することは急務です。

 そのためにも、兵庫県が8ヶ所の設置を計画している「地域外来・検査センター」を伊丹市に急いで設置できるように、伊丹市医師会とも協力して進めることとともに、兵庫県に対して保健所職員増員等による体制強化を求めてください。

3.地域ごとの感染状態がどうなっているのかの情報を住民に開示すること。

 たとえば、東京都では、新規感染者数とともに、検査数、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体は、14区市にとどまっており、他の自治体では検査数、陽性率が明らかにされていません。

 全国をみても、20の政令市のすべてで、市内の地域ごとの検査数、陽性率が明らかにされていません。これではどこが感染震源地なのかを、住民が知ることができません。

 伊丹市も保健所がないこともあって、感染者数は公表されても、伊丹市民の検査数と陽性率は不明です。

 ニューヨークや韓国などでは、地域ごとの感染状態が細かくわかる「感染マップ」を作成し、明らかにしています。感染状態の情報開示は、あらゆる感染対策の土台となるものです。

 伊丹市民の感染者数だけではなく、そのうちの退院者数、検査数と陽性率を明らかにするとともに、市町ごとの感染状況、検査数と陽性率がわかるマップを作成して公表することを兵庫県に要望することを求めます。

 また、伊丹市対策本部会議の議事録も公表することを求めます。

 もはや一刻も猶予はなりません。日本のPCR検査の人口比での実施数は、世界で159位であり、この異常な遅れは、どんな言い訳も通用するものではありません。政府に対して、自治体、大学、研究機関、民間の検査会社など、あらゆる検査能力を総動員し、すみやかに行動することを強く求めてください。

以上