2014年6月議会:上原ひでき 公務・公共サービスの充実を求める請願に賛成

請願第3号「住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実を求める請願書」に対する賛成討論

2014年6月14日

日本共産党議員団 上原秀樹

 請願第3号「住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実を求める請願書」に対する賛成の立場から討論をします。

 本請願は、政府が「道州制」の導入に向け、「道州制推進法案」を提出しようとしていることに関して、「道州制」が、憲法が定める基本的人権を保障する国の役割を放棄することになるという問題点を指摘し、国に対して、「道州制」の導入を行わないこと、国と自治体の人員・体制の充実、国の出先機関の存続・充実で地方自治体と協力して国民の安全・安心を確保することを求めるものです。

 自民党などが推進しようとしている「道州制」は、全国を10程度の地域に分割し、「関西州」などといった「広域自治体」を作る構想で、同時に現在約1700ある市町村の合併をさらに進め、将来300程度の「基礎自治体」への再編を強いることをもくろんでいます。
この構想は、何より国のやるべき仕事を外交・防衛など非常に狭い分野に限定し、医療・介護・教育などの仕事は「権限委譲」の名のもとに、道・州や基礎自治体に押し付ける国家の大リストラです。こうした国の「出先機関」を原則廃止する「権限委譲」は、地方の財政力で左右される福祉・教育の格差をもたらすもので、住民福祉の向上・増進に国が責任を持つことを定めた憲法25条の理念を放棄し、「地域分権」などではなく地方自治体の変質・破壊を招くことになります。

 こうした動きに対して、全国町村会が、大都市圏への人口集中や、自治体と住民の距離が遠くなることに危機感を表明し、住民自治が衰退し、ひいては国の後退につながる、と反対しているのは当然のことです。

 また、道州制を念頭においた、国の出先機関を府県でつくる広域連合に移管する「出先機関改革」には、東日本大震災で国の地方整備局の対応が大きな役割をはたしたことから、全国市長会が強く反対しています。

 さらに、国と地方自治体の人員・体制の充実に関しては、国民の安全・安心を支え、住民の福祉増進に必要な人員・体制は当然必要です。しかし、現実を見る限り、必要数を満たしているという認識に立つことはできません。しかも、日本の公務員数は、国際的に見て、OECD諸国との比較でも4番目に少ないという現実も直視する必要があります。

 請願趣旨にも書かれている通り、南海トラフ巨大地震が確実視される中、国民の命を守り安全・安心を確保するとともに、住民福祉の増進を推進するためには、「道州制」によるのではなく、国と地方それぞれの責任と役割を強化することが必要です。

 よって、本請願は願意妥当と考え賛成するものです。