2018年12月議会 久村真知子:子どもの朝食 幼稚園 スクールソーシャルワーカー

2018年12月議会一般討論

2018年12月7日
日本共産党伊丹市議団 久村真知子

1.朝食抜きの子どもが依然として多いことについて

 子どもたちの健康を支える食育が大切なことは長年当然のことのように言われてきています。しかし朝ごはんを食べてきていない子供たちが依然として多く、また増えてきているといわれています。その原因は生活習慣の乱れといわれ、学習意欲や体力気力の低下の要因の一つと言われています。このようなことは個々の家庭や子供の問題として見過ごすことなく社会全体の問題として、また地域での取り組みが重要な課題となってきているとして、文科省は「早寝早起き朝ごはん」運動の推進について、2006年(平成18年)4月にPTAや子供会、食育推進団体などが参加して「早寝早起き朝ごはん」全国協議会を設立しています。

 また最近は、全国学力調査時に、朝ご飯を食べているか等の生活習慣について、アンケートで調査され、その結果朝ごはんを食べている子供たちは比較的成績が良いとされています。成績の問題も大事かと思いますが、食べたくても家庭によって食べられない事情があるのか、食べてきていない子は、空腹状態で、学習や体育の授業が受けているのかと思うと、力も発揮できないどろうし、大変かわいそうに感じます。朝ごはんを食べることがなぜ、どのように成績につながっているのかの認識も必要だと思いますが、成績面からだけでなく、子どもの健康な成長のために、そのための食育の面から見ましても朝食をしっかり食べられる状況を作る必要があると思います。

 最近の報道ですが、朝ごはんが大事だということで、大阪市のある(西淡路)小学校では、二年前から学校の家庭科室を借りて、月、水、金曜日に希望するこどもたちに朝食を市の補助を受け、地域のボランティアで60歳から80歳での方々が、1食50円ほどで提供する取り組みを行っています。また、広島の廿日市市では県が主導して希望する全児童に、朝食を無償で提供する取り組みを開始しています。遅刻者が減り、授業に集中できるようになり、「おなかと心が満たされ、子どもの表情が明るくなる」と校長先生は話されています。このような取り組みを伊丹でも考えることが必要になっているのではないかと思いますので、数点お伺いいたします。

① 伊丹市内ではどのくらいの子供が朝食の欠食となっているのでしょうか、その現状についていかがでしょうか。

② 子ども達の欠食となっている理由はどうとらえているのでしょうか。

③ 朝食をとらないことは、体にどのような影響を及ばすのかについてお伺いいたします。

④ 子どもたちの朝食については学校でも努力はされていると思いますが、その結果、どの程度改善され、どのような変化があったとみているのか。お聞きいたします

⑤ 朝食をとっていない子供たちに、他市では様々な方法で朝ごはんを学校で食べられるようにしているところがありますが、伊丹市でも他市のように朝ごはん提供のために学校の施設を利用することは可能でしょうか。ご見解はいかがでしょうか。

2.幼稚園の応募状況と今後の教育の在り方はどのようにおこなうのか。

 わが子が初めて集団生活をしながら様々なことを学び成長するという、親にとっても大変喜ばしい子どもの大きな成長の第一歩である幼稚園入園なのですが、今年度は、公立幼稚園の統廃合計画の影響で保護者は、大変とまどい悩みながらの応募となったのではないでしょうか。統廃合については、何度もの説明会が行われましたが、保護者の心配が払拭されたわけではないと思います。しかしそれでも子どもの教育をきちんとしていきたいという保護者の皆さんは、心配を抱えながらの応募となったと思いますが、状況を伺いしておきたいを思います。

① 初めに入園希望者の保護者は説明会に来ておられてとは思いますが、応募時にも疑問や、不安、悩みをお持ちだったのではないでしょうが、現場では、どのような反応があったのか状況をお聞かせください。

② 応募者が少ないとの予想で、統廃合の方向を出されているのですが、現状での応募状況はどのようになっているのでしょうか。

③ 4歳児5歳児も少ないところは、教育を行うのに適切な環境となるのでしょうか。少人数での教育はどのようにされるのでしょうか。お伺いいたします。

3.スクールソーシャルワーカーの配置を増やすことが必要ではないか。

 今日、子どもたちの健全な成長が危ぶまれている状況が様々に言われています。子どもの貧困問題・虐待問題等このようなことなどを改善するための手立ても、様々に行われていますが、解決には程遠いのが現状です。問題の原因がなかなか表に見えないことに、解決の難しさがあるのではないかとも思います。その様な状況の中で、学校での子供たちの問題に対しては、スクールソーシャルワーカ-が対応し、解決へ向くよう大変重要な役割を果たされています。またこれからもますます重要になるのではないかと思いますので、ソーシャルワーカーの各校への常駐ができるように配慮していただきたいと思いますので、数点お伺いいたします。

① 伊丹でのソーシャルワーカーの状況ですが、配置の現状やどのような役割、業務を行っているのか、扱ってきた問題はどのような内容があったのでしょうか、またその件数はどの程度か、どのようにして解決の方向に向かったのか何件くらいが解決されたのか等の、状況を教えていただきたいと思います。

② 不登校やいじめ問題などがよく言われますが、そのような問題について、解決を見出すのは大変難しいとことだと思います。様々な関係する機関との連携を行うことが必要ではないかと思いますので、どのような機関と連携し、どのように問題を解決されているのでしょうか、お伺いいたします。

③ スクールソーシャルワーカーの役割として、一人一人の問題点の発見をし、解決に向けるのか大変難しいことかと思いますが、そのような役割を行うソーシャルワーカーの、役割にたいして、どのように評価されているのでしょうか。

④ 子ども達の様々な様子から、早くに問題点を探りだし解決に結びついているためには、関係者や、保護者、生徒が積極的に相談ができることが大事だと思いますが、そのような、方々に、スクールソーシャルワーカーの存在や役割をきちんと周知することが大切だと思いますが、保護者や生徒に十分に周知されているのでしょうか。お伺いいたします。

⑤ ソーシャルワーカーの増員についてですが、これからも、ソーシャルワーカーの力はますます必要とされるでしょうから、各校に常駐されることが、必要だと思います。子供たちがしっかり学習し、健全に育つためには、今後もソーシャルワーカーの身分の保証を行い、増員をすることが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

要望

1.朝食

 朝食に関しては、国のほうでも2005年に食育基本法が制定され、学校においても、食に関する指導計画を策定し食育を推進してこられたのですが、すでに13年もたっていますが、一割に近い子供たちが、きちんと食べてきていないわけです。全国平均並みにいるという結果となっています。もっと力を入れていく問題だと思います。

 先日「子どもの貧困対策」に関して議員研修会が行われました。講演をされた湯浅誠さんの話の中にありましたが、今日の子どもの貧困対策については、「人と人がふれあうやさしくて、あったかいにぎわいを地域に作ること」が子どもの貧困対策であり、そのにぎわいからはじかれる子どもを作ってはならないと話されていました。そのことはまさしく、朝おなかがすいている子供に、温かいご飯を準備し、やさしく接することではないかと思います。

 伊丹市での中学校給食実施に至るまでに長い時間がかかりましたが、その間お弁当を持ってこられない子供たちが、どれだけ心が傷ついてきたのか、私はいつもそのことを考えると心が痛みました。

 みんなで同じものを食べることで心も温かくなり元気になるのではないでしょうか。中学校給食での議論の中で、木下教育長が話をされましたが、生徒が「おなかがすた」と、校長室に来たことを話されていましたが、その子たちを含め、お昼の弁当が作れない家庭の子は、きっと今考えれば、朝ごはんも食べてはいなかったのだと思います。親が悪いからと話は終わるのでしょうか。子どもの貧困は深刻な状況ですから、学校としても他市がすでに行っているように、朝が食べられない子どもに朝食を、様々な形で提供できるように考えていただき、友達と食べることで、にぎわい、ふれあいの中で朝食の大切さを、また学校や地域の人のやさしさ、あたたかさの中で知ることができればと思います。

 ダイエットで朝食を抜くと逆に肥える原因になってしまう、ことなど朝食の意味により力を入れていただけることで、正しく理解することにつながるでしょうが、そのような子どもたちを含め、是非食べられていない子どもたちにそのようなにぎわいの場を地域の方々と協力しながら、学校の場所を提供できるよう考えていただくよう要望しておきます。

2.公立幼稚園

 公立幼稚園の統廃合問題は、保護者の皆さんも大変心配されたことであり、多くの反対署名も集まっていましたので、今後の幼稚園教育、こども園にしましても、保護者の気持ち意見を大切にして運営を進めていっていただくよう要望をしておきます。

3.スクールソーシャルワーカー

 スクールソーシャルワーカーの配置を増やすことが必要ではないか。
 子供たちの育つ環境を整えることは、日本の未来にかかる大変大切なことであり一つ一つの問題を解決するためには、スクールソーシャルワーカーが、大変大きな役割を果たしていることが、答弁内容でよくわかりました。

 一つの問題にも、総合的に取り組まないと解決しないわけですから、関係団体や地域の方々、家庭とのかかわりでの解決の方向が見いだされるわけですし、専門的な立場から、速やかに、早期に計画的に行うことは大変重要だと思います。

 学校からの依頼が何年増えている。信頼も得てきているということですし、相談件数も毎年増加し、2017年度は3554件もの活動件数となっているということで、複雑な問題が多くあると思います。問題を早く解決し、子どもの安全を守り健やかに成長するためには、ソーシャルワーカーの配置を増やし常駐できることが望ましいのではと思います。予算の関係があるとのことですが、今日の子供たちの健全な成長を助けるのは、私たち大人の責任でありますし、その手助けを行うソーシャルワーカーを全校に安定的に、配置することは大変重要なことだと思いますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思いますので要望しておきます。