2018年12月議会 加柴優美:小学校の英語教育、包括支援センタ-のあり方

12 月議会一般質問

2018年12月6日
日本共産党伊丹市議団  加柴優美

 ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告にもとづいて質問いたします。

 初めに小学校の英語教育についてうかがいます。

 2017年3月に公示された小学校学習指導要領において、小学校における中学年での「外国語活動」、高学年での「外国語科」が2020年4月から本格施行するとされています。伊丹市ではすでに「移行措置期間」として今年度は、小学校5・6年生で実施してきた外国語活動を、新たに3・4年生から実施していますが、小学校における英語教育の目的を教育委員会としてどのように捉えているのかまずうかがっておきます。

 その中で3・4年生が「外国語活動」、5・6年生が「外国語科」と区別していますが、それぞれ教える内容について、また「外国語科」という教科となった場合の「性格」について伺がっておきます。

 また19年度までは本格実施に向けての移行措置期間となっています。この間英語の授業時間は、年間で3・4年生は15時間、5・6年生は50時間となっていますが、時間数の確保、指導体制などどのように手立てをとっているのかうかがいます。

 次に包括支援センタ-のあり方についてであります。

 伊丹市第6期介護保険事業計画では、地域の総合相談窓口として関係を築いてきた9か所の介護支援センタ-を新たに地域包括支援センタ-として位置づけ、さらに伊丹市地域包括支援センタ-を9か所のセンタ-の後方支援、総合調整を行い、センタ-間の役割分担・連携強化を扱う基幹型地域包括支援センタ-として位置づけました。現在、市内には9か所の地域包括支援センタ-を拠点とする、9つの日常生活圏域が設定されており、今年度から始まった第7期計画においても継続されています。

 第7期計画では地域包括支援センタ-の機能強化がうたわれていますが、伊丹市でも高齢者人口の増加に対応し、地域包括システムを着実に構築するためには、地域包括支援センタ-の人員体制や運営体制等について、機能強化を図る必要がありとしています。こうした点をふまえて以下3点うかがいます。

 一点目は、業務量の増大への対策・対応についてであります。

 この間の伊丹における指標をみると、2006年度から2016年度の間 で要支援者数は2034人から3096人へと約1.5倍、介護予防ケアプラン作成件数は1464件から2740件へと約1.9倍、総合相談受付件数は6977件から9274件へと約1.3倍と大きく伸びています。こうした数字にも裏付けられている通り、高齢者の増加を要因として地域包括支援センタ-の業務量も大きく増大しているのですが、それに対して市は人員体制強化などどのような対策を打ってきたのかお聞きします。  

 二点目は、介護予防プラン作成に関して、

 介護保険による包括支援センタ-とは、「要支援1・2」と認定された方の介護予防ケアプランの作成・評価を行い、包括的・継続的にケアマネジメントができるようにするのが目的とされています。一方市の地域包括支援センタ-運営協議会での議論の中で、介護予防ケアプラン作成を居宅介護支援事業所に委託しようとしても受けてもらえないことが問題となっています。このような事態になっている要因と対策についてうかがいます。

 三点目は、認知症等への対応についてです。

 市は高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画にもとづいてさまざまな認知症施策を推進しています。その中で2015年4月から認知症地域支援推進員を配置する、2018年度からは初期集中支援チ-ムによる支援などの取組みしていますが、これまでの具体的な成果等についてうかがいます。

【小学校の英語教育について・一問一答方式】

1問.先ほど目的等について答弁をいただきましたが、英語教育の導入は、小
学3年生から6年生では年間で35時間もの授業時数増となり、また6校時目の日が増えるなど子どもたちに大きな負担となるのではと危惧しますが、いかがでしょうか。

2問.2020年度に向けて各校において行事等の見直しを行いながら児童の負担に配慮するとのことでが、2020年度から全面実施になると5・6年生は35時間増えて年間70時間すなわち週2時間の実施にもなるようです。時間数をどのように確保する予定なのかうかがいます。

3問.外国語教育の早期化について専門家などから、「英語の学習は中学校ではなく小学校(できれば就学以前の幼年期)から取り組む方が、その教育効果は大きい」と指摘する英語学習賛成派もあれば、「母国語の習熟も不完全なうちから表面的な英語力を身につけても、言語力の育成がはかれるわけではなく、かえって“正しい日本語”の習得を阻害する危険がある。」「いっそうの学力較差を生み出すのでは」との意見もあることについてどのように受け止めされるのか見解をうかがいます。

4問.文部科学省の「小学校英語活動実践の手引き」では、子どもの興味・関心をいかに維持・向上させるのかが(すなわち、いかに楽しませるかが)指導の重要なポイントとされているようです。このことがうまくできなければ「英語嫌いを増やすことにもなる」などの指摘があることについて教育委員会のどのように受け止められるでしょうか。

5問.外国語教育の早期化については、先程述べたように賛否両論あります。現場の教職員のなかでも英語教育のやり方・方法についてさまざまな考え方があるとうかがっていますが、当局の見解を求めておきます。

6問.多くの小学校教員は英語免許を取得していない状況で、子どもたちに十分な指導を行うことができるのか危惧される中で、逆に「負担」増になるのではと考えますがいかがでしょうか。

7問.「学級担任に外国人英語指導助手、英語指導補助員の協力のもと実施するので負担の軽減がはかられる」との答弁でしたが、小学校においては英語活動という授業そのものの責任は学級担任が負うことになるわけで、外国人英語指導助手、英語指導補助員とどのような協力のもとで授業をすすめていくのかを工夫しなければならない点で、「英語教員免許」を持っていないことが負担になっていく恐れがあると思います。
 一回目の答弁の中で、学級担任や外国語を担当する教師が、外国人英語指導助手、英語指導補助員を活用して指導を行っているとありました。今後永続して英語免許持つ教師(県からの加配)等の派遣の保証はあるのかどうかうかがっておきます。

まとめ的要望
 一連の答弁の中でも、「2020年度からの本格施行に向けて児童の負担に配慮した時数確保を検討しているところ」、「来年度以降の英語教員免許を有する教員の専科の全面実施後の配置については、現時点ではしめされておらず、今後も国や県に加配を要望していく」とのことでした。様々な面で不安が募ってきます。

 いっそうの詰込み教育による子供への負担増の改善、教員の働き方改革が叫ばれている今日であります。英語教育実施にあたってはあらゆる面で必要な条件整備を行うことを強く求めておきます。

【包括支援センタ-のあり方について・一問一答方式】

1.業務量の増大への対策・対応について

 業務量の増大の背景には独居老人や認知症高齢者、老人に対する虐待などの増加があげられる。今年度から日常生活圏域別の人口推計で高齢者人口が7000人を上回る地区(伊丹・摂陽と笹原・鈴原)に各1名増員しているとのことです。2地区以外でも例えば天神川・荻野圏域では65歳以上の人口が6000人台であっても、例年活動・相談延べ件数が多く、実態も踏まえた人員配置が必要ではないでしょうか。

2.介護予防プラン作成に関して、

 介護予防プラン作成にかかる「委託」については改めて検討を要する問題だと受け止めています。1回目の質問でも指摘しましたが、本来介護保険による包括支援センタ-とは、「要支援1・2」と認定された方の介護予防ケアプランの作成・評価を行い、包括的・継続的にケアマネジメントができるようにするのが目的。介護保険制度では包括から「居宅介護支援事業所」等に委託することは可能ですが、原則的にはセンタ―で作成することを基本としその立場から市は人員配置を厚くしていくことが大事ではないでしょうか。

3.認知症等への対応について

 先ほどの答弁で、伊丹は基幹型包括支援センタ-に専従の認知症地域支援推進員を配置しているとありました。県下では神戸市、芦屋市で認知症地域支援推進員を各包括支援センタ-にも配してきめ細かい対応していると聞いています。伊丹市でも今後こうした対応が必要だと考えますが見解をうかがいます。

まとめ的発言

 答弁で、今年度より介護予防ケアプランの作成を原則行わないこととし、市内の居宅介護支援事業所に委託を進めているとありました。しかし地域包括支援センタ-の中立性・公平性に関して、相談援助を希望してきた高齢者およびその家族に対する地域の事業所の紹介が運営受託法人優先になる傾向があり、利用者・関係事業者へ公平な対応がなされていない実態もこれまで指摘されてきたこともあります。全面委託しても「点検および管理」を行っているから大丈夫ではすまされないことも指摘しておきます。

③センタ-事業委託料について

 今年度から一か所当たりの人件費を150万円増やしているが、充分と考えるのか。

 一方プラン作成の原則ゼロによる充実の方向性とは何か→センタ-職員の負担軽減

  ・3職種でそれぞれ一人当たり作成は25件以下と決まっている。

②介護予防プラン作成の委託状況について

 プラン作成単価(加算なしの場合)-単価は3年ごとに見直ししている
  ・要支援1・2…4601円  ・要介護1・2…11,267円
  ・要介護3・4・5… 14,637円