2018年9月議会 上原秀樹:「市道路線の認定について」に対する反対討論

 都市計画道路山田伊丹線昆陽泉町工区に関して、まだ事業認可されたばかりで道路の形状もないところを、市道として認定する議案が出され、反対しました。

 討論は以下の通り。

2018年9月議会 本会議討論

議案第92号「市道路線の認定について」に対する反対討論

2018.9.21
日本共産党伊丹市会議員団 上原秀樹

 議案第92号「市道路線の認定について」に対して反対の立場から意見を述べます。

 本議案は、8月24日に事業認可された都市計画道路山田伊丹線における昆陽泉町工区の道路計画路線を、「昆陽南昆陽泉町線」として市道に認定しようとするものです。

 日本共産党議員団は、当初予算の討論で、「党議員団は延伸に反対の立場をとってきました。しかし、周辺住民が立ち退きやそれに伴う補償の問題に直面する中で、関係自治会や補償の対象となる当事者の間で、賛否両論の意見が出てきています。このことから昨年12月議会での予備設計委託料と、常任委員会における地元住民への十分な説明と権利者への丁寧な相談と納得を得ることを求める旨の付帯決議に賛成しました。改めてこの付帯決議の立場を尊重して、拙速なやり方ではなく、周辺住民や権利者が納得できるように慎重な対応を求めておきます」と述べ、当初予算での本計画路線における事前評価業務と詳細設計業務にはあえて反対しませんでした。そのことは補償問題に直面する住民のことを考えてのことです。

 ところが今回、兵庫県から事業認可され、土地収用法によって伊丹市が土地を取得することができるようになりましたが、そのこととは関係のない市道路線認定の議案が提案されています。まさに、関係住民に対して追い打ちをかけるかのような提案と言わざるを得ません。当初予算の時もそうでしたが、現在でも本計画路線に対する地域住民のみなさんの考え方には、賛成、反対を含めて多様な意見が存在します。そのことは、伊丹市が開催した9月8日の説明会でも明らかです。このような状況の中での市道路線の認定は納得できません。

 また、道路の形状がない中での市道路線の認定は過去にあったのかという本会議の質疑で、山田伊丹線行基町工区と昆陽5429号線をあげられました。しかし、山田伊丹線行基町工区の場合、市道路線認定の議案をあげられた時点では、すでに事業認可から5年が経過し、用地取得は70%の進捗状況にあり、その時に無電柱化等の共同溝の必要性から議案として提出されたものでした。今回とは全く状況が異なっています。無電柱化、共同溝の設置は環境・防災面で意義あることと考えますが、行基町工区で土地取得70%の時点で共同溝を含む道路設計のための市道路線認定の提案がされている通り、昆陽泉町工区においても急ぐ必要はありません。市道路線の認定によって権利者に新たな権利制限を設けるものではありませんが、道路新設に関して賛否両論がある中で、昨年12月の常任委員会における地元住民への十分な説明と権利者への丁寧な相談と納得を得ることを求める旨の付帯決議の立場から見れば、住民・権利者に対して新たな重圧を与えることになります。

 よって、議案第92号、山田伊丹線昆陽泉町工区の市道路線認定に反対するものです。