2014年5月14日
伊丹市長藤原保幸様
日本共産党伊丹市議会議員団
団長 上原秀樹
議員 加柴優美
議員 久村真知子
事務局長 服部好廣
2014年度兵庫県・阪神地域合同防災訓練への米軍参加の中止を求める申し入れ
8月31日に南芦屋浜を中心に兵庫県と阪神8市町の主催で実施する合同防災訓練に、米軍の参加を兵庫県が要請していることが明らかとなっています。
そもそも防災訓練は、甚大な被害をもたらした阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓を生かし、今後想定される南海トラフ巨大地震・津波などから住民の生命と安全、財産を守る取り組みの一環としてきわめて重要なものです。
ところが、兵庫県は、今年度の防災訓練に自衛隊姫路基地を通じ、在日米軍の参加を要請しています。また、去る4月23日付神戸新聞は「在日米軍が始めて参加することが取材でわかった」「オスプレイの投入も調整中だが、今回は見送られる見通し」と報じています。兵庫県は、米軍の参加の理由を、南海トラフ巨大地震では広域災害が想定され、多方面からの応援が必要としています。
しかし、これは、日本政府と米軍の意向に沿ったものです。すなわち、2013年7月6日付沖縄タイムスは、小野寺五典防衛相が、在日米海兵隊を統括するグラック海兵隊中隊と会談し、「今週にも南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震を想定した日米合同の防災実動訓練を実施することで一致した。MVオスプレイも始めて投入する」と報じていること、また、今年10月の防災訓練への在日米軍の参加を受け入れた和歌山県知事は、「防衛省から在日米軍の協力を得てよいかという打診があり」、オスプレイの活用の打診もあったことを述べていることからも明らかです。先の神戸新聞でも、東日本大震災での米軍による「トモダチ作戦」を踏まえて、米軍は自治体との関係構築をさらに広げる狙いがあると指摘しています。
兵庫県が必要としていることよりも、震災支援を利用して日米同盟の「深化」を図ろうとする米軍と日本政府の意向に沿ったものといわざるを得ません。
さらに、どんな被害想定でどんな訓練を行うかも明確になっていない段階で、参加要請の形を取っているのは「米軍参加ありき」と指摘せざるを得ません。
このような米軍の防災訓練への参加は、県民・市民の厳しい批判をまねがれないものです。
よって、以下のことを強く申し入れるものです。
記
1.2014年度の県・阪神地域の合同防災訓練への米軍参加は取りやめること。
2.兵庫県、阪神8市町が行うべきは、自治体と住民、消防、警察など関係機関が協力して、震災発生直後の人命の救出と救助、消防等の訓練を積み上げることであり、関係機関や住民の意向も踏まえた防災訓練とすること。
以上