2015年9月議会:上原秀樹 議案質疑/JR伊丹駅駐輪ラック/マンナンバー/防犯カメラ

2015年9月議会 本会議 議案質疑

2015年9月7日
日本共産党議員団 上原秀樹

1.議案第93号「平成27年度伊丹市一般会計補予算(第3号)」について

 第1条歳入歳出補正予算の内の歳出、第2款総務費、第1項総務管理費、第10目都市安全対策費、放置自転車対策費197万4千円について

 本補正予算は、JR伊丹駅西側のスロープ高架下に駐輪ラックを設置するため、フェンス工事並びにスタンド方バリケードを設置しようとするものです。

 駐輪ラックに関しては、社会実験を行って市民からの意見を聴取し、阪急伊丹周辺とJR伊丹駅周辺に駐輪ラップを設置されようとしています。しかし、この場所に関しては、社会実験の対象とはなっておらず、地元市民から、人通りが多く大変混雑する場所で、ここに構築物を設置するのはきわめて危険であるとの意見が出ています。

 そこでいくつかお聞きします。

1)JR伊丹駅西側における路上駐輪の状況、駐輪場はどのくらい不足しているのか。この場所に何台の駐輪施設を予定されているのか。また、現地での路上駐輪はどのくらいあるのか。

2)現地で早朝宣伝をするのだが、現地付近は、駅利用者を中心に、朝夕のラッシュには特に多くの歩行者・自転車・車椅子利用者などが歩行者優先道路を利用して、大変混雑している。通行量はどうなっているか。調査をした上で安全と判断したのか。

 スロープ高架下とはいえ、朝のラッシュアワーには10mの道路をいっぱい使って、西からの歩行者と自転車、バス降車客のエスカレーター方面行きと横断歩道を渡る人が交差している。この場所に駐輪フェンスで5m、バリケードで2.5mを取るとすると、通行可能な有効幅員は2.5mということになる。

 その場所を西側からの自転車と歩行者が通行することを考えても、きわめて危険であり、バスの降者客が加わるとさらに危険は増加する。密度が4倍となり、自転車と人の接触事故、自転車同士の衝突事故などが発生することが予想されるのではないか。どのような予想をしているのか。

3)地元住民から安全性を危惧する声が上がっているが、どのように地元意見を聴取したのか。

 JR伊丹駅の乗降客は、1日5万人近くとなっており、伊丹の玄関口となっている。また、駅利用者をはじめ、多くの市民や来街者が市のメインストリートであるこの歩行者優先道路を利用している。そのエントランス部分は、通行が輻輳しているため、交通安全面に配慮するとともに、玄関口としての景観などゆとりある空間と環境面にも配慮しなければならない。この点ではどうお考えなのか。この点での市民の意見を聞いているのか。

4)様々な危惧の声が上がっているが、改めて住民の意見を聴き、安全性に配慮する観点から見直しは考えられないのか。

2.議案第103号「伊丹市個人番号の利用に関する条例の制定について」

 本条例は、行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、すなわちマイナンバー法、番号法施行に伴い、番号法第9条第2項の規定に基づき、伊丹市が条例を定めることによって、法で定められている事務以外に独自に個人番号を利用できるようにするため、並びに伊丹市内部で特定個人情報の授受を行うため設置するものと理解しています。

1)番号法第9条第1項では、番号法別表第1の上欄に掲げている行政事務を処理するものは、同表の下欄にある事務の処理に関して、個人番号を利用することができると規定しているが、伊丹市としては、上欄に「市町村」と掲げている事務の内、どの分野で個人番号を利用されようとしているのか。

2)条例の別表1に掲げられている、法定事務意外に伊丹市独自に個人番号を利用しなければならない理由は何か。

3)番号法別表第1に掲げられている事務は膨大な量になっている。年金データの流出事件が起こり、改めて情報管理の脆弱性が明らかとなった。専門家も「セキュリティ対策は漏洩の危険性は軽減するけれど、絶対安全ではない」と指摘している。当局として制度上の安全性は確保されたと考えておられるのでしょうか。

3.議案第104号「伊丹市安全安心のまちづくりのためのカメラの設置に関する条例の制定について」

1)第3条「カメラの設置」について、関係地域の意見を聴くとされているが、どのような方法を考えているのか、またどの範囲の関係住民を対象とするのか、さらに、意見を聴くとされているが合意は必要ないとするのか。

2)第4条「関係機関との連携」とは、どの機関をさしているのか。またその目的はなにか。

3)第6条「権利保護」において、カメラの設置に当たっての市民等の基本的人権を擁護するための十分な配慮とは、具体的にどういうことなのか。

 カメラの運用並びに画像データの取り扱い及び開示等について、伊丹市個人情報保護条例で定めるところによるとされている。どういうことを想定されているのか。その条例第14条の「利用及び提供の制限」では、たとえば警察による犯罪捜査のために必要とされた場合、具体的な画像提供の制限ができるのか。

4)第8条「管理責任者の設置等」で、第1項-管理責任者等の設置、第3項-カメラ及び画像データを取り扱う事務、第4項-関連機器の操作や画像等の閲覧の乱用防止に関して、規則の内容はどういうものか。またなぜ本条例に明記せず規則に委任しなければならないのか。

4.議案第108号「伊丹市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定について」

 本条例改正も、マイナンバー法施行に伴うもので、個人番号を含む個人情報の取り扱いについて、利用及び提供の制限、開示請求等にかかる特例を定めるものとなっている。

1)第1条による改正の内、第14条の2「保有特定個人情報の提供の制限」では、番号法第19条各号のいずれかに該当するものを除き、保有特定個人情報を提供してはならないとされている。

 番号法第19条では、個人情報を提供することができる範囲を定め、これに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならないとされている。一方、その第12項の最後部分で、「その他政令で定める公益上の必要があるとき」とされている。このことによって政府が捜査や公益のためにと例外規定を定めることができ、その範囲が拡大するのではないかと危惧する。現にすでに26項目が明記されている。これでは、捜査関係での利用には歯止めがなくなるのではないか。

2)第2条による改正の内、第14条の2「保有特定個人情報の利用の制限」第2項に関して、具体的にどんな場合が想定されるのか。

3)第2条による改正の内、第17条「開示請求権」第2項で、改正前は、実施機関が保有する個人情報を開示請求できるのは本人と未成年者または青年後見人の法定代理人に限られていた。今回の改正で、保有特定個人情報にあっては、本人の委任による代理人が追加されている。その代理人が「なりすまし」となる可能性はないのか。

2回目以降の質疑

1.議案第93号「平成27年度伊丹市一般会計補予算(第3号)」について(駐輪ラック)

1)答弁…JR伊丹駅西側での放置自転車は多いときで143台、駐輪場の収容可能台数に対して約400台の空きがあること、補正予算で予定されている場所の設置台数は46台分、設置予定場所での放置自転車は1台、2台であること。

・駐輪スペースに空きがあり、ほとんど誰も放置しない場所に駐輪ラックを設置して、放置自転車対策は前進するとお考えなのか。

2)答弁…通行量の調査はしていないが、朝夕は大変混雑しているとの認識。

・通行量の調査をしていないとのことだが、普通は、混雑時等を中心に、歩行者、自転車、車椅子の通行量、バスの降車人数、エスカレーターや横断歩道の利用者数の調査を行い、通行可能面積に対する人や自転車、車椅子などの密度等を計算して、安全かどうかを判断するのではないか。その対象となる場所ではないか。

・安全対策のためにバリケードを設置するというが、駐輪ラックを除いた通行可能幅員が余計狭くなる。先ほどの質問で、2.5mしか残らないところに人などが集中して危険性が高まるのではないかということに対して、安全な通行は可能と。朝夕の混雑時に本当に安全なのか、自転車の出入の際本当に安全なのか、社会実験をしないでなぜそういえるのか。

3)答弁…地元の方の意見聴取に関しては、意見を反映できたと。

・しかし、結果として地元住民から、この場所に構築物を設置することはきわめて危険との意見が出され、市長にも文書が届いていると聞いている。このことをどう認識されておられるのか。

・景観に関しては、駐輪ラック設置で良好な景観が維持できると答弁。しかし、予定されている場所には放置されている自転車はほとんどない。根本的解決にはならない。

 もともと伊丹市の中心市街地は、4極2軸のまちづくりを行い、この場所を含めた歩行者優先道路で、「歩いて回遊性を楽しめるまちづくり」を基本としている。また、この場所は伊丹市を訪れる人の玄関口。さらには有岡城跡の石垣のある通りでもある。こういう環境、景観の観点、快適な歩行者空間での問題点に関する検討は行ったのか。

4)見直しに対する答弁…地元の人に説明し、意見を伺いながら設置を進めていくと。

・交通量調査を行ったうえで、ラック設置の安全面での検証が必要ではないか。

・地元意見、通行客の意見の聴取、景観面での検討が必要ではないか。

・安全安心のまちづくりをすすめるためにも。