日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2022年春号

日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2022年春号

市民との共同で、2022年度予算で実現
子どもの医療費 中学3年生まで無料に

 日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告 2022年春号(PDF)

日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告2022年春号1面
日本共産党伊丹市議会議員団 議会報告2022年春号2面

[1面]

 党議員団が議会のたびに求めてきた子どもの医療費が、7月から中学3年生まで無料になります。ただし所得制限付き(保護者の市民税所得割額23. 5万円、4人世帯でおよそ収入811万円、約75%が無料)です。党議員団は、所得制限の撤廃と高校3年生までの無料化実現を求めました。

保育所待機児童解消 前進
 保育所待機児童の解消に向けて210名分の保育所整備予算が計上されました。

若者の就労 支援
 若者就労支援事業として、市内在住かつ市内で働く30歳までの若者が学生支援機構等の奨学金返済中の場合、年間返済額のうち自己負担分の2分の1の範囲内で最大6万円を3年間助成されます。

国保税の子どもの均等割り 半額に
 党議員団が議会で要求してきた国保税の未就学児の均等割りが半額になります。対象世帯は750世帯、999人。引き続き均等割りをなくし、国保税の大幅な引き下げを求めました。国保税は9年連続据え置きです。

児童くらぶ、保育士の待遇改善 一歩前進
 児童くらぶ指導員や保育士などのエッセンシャルワーカーの賃金が引き上げられます。今までこれらの職種の賃金が極めて低いことを問題としてきました。今回はその第一歩。党議員団は引き続きさらなる賃金の引き上げを求めました。

市営住宅にエレベーター 設置
 議会で何度も市営住宅の耐震補強や修繕、エレベーターの設置を求めてきました。このたび玉田団地6号館及び9号館にエレベーターが設置されることになりました。また、山道団地3号館、荻野団地1、2、3号館、天神川団地3、5号館、鶴田団地1、2号館の耐震補強、屋上防水改修などを行います。

JR伊丹駅前トイレ 改修
 市内公衆トイレが暗い・怖い・汚いという声を議会でも紹介し、改修を求めてきました。予算には実施設計が計上され、2023年度にJR伊丹駅西側、カリヨン塔の南側に新たにトイレが設置されます。党議員団は、引き続き阪急伊丹駅南側トイレなどの改修も求めました。

ジェンダー平等の社会実現に前進
 男女共同参画課が復活します。また、痴漢防止対策として「痴漢は犯罪です」のポスターが掲示されることになりました。

ロシアによるウクライナ侵略中止を

[2面]

市民の暮らし、営業を守れ  積極的に提案
日本共産党議員団―2022年度予算審議

コロナ感染対策拡充を
 「まん延防止等重点措置」が解除されたとはいえ、第5波のピーク時の約1.5倍前後の感染者数です。保育所が休園となった場合の「代替保育所」の設置、PCR検査の拡充、生活困窮者や小規模事業者への独自支援策を求めました。

近畿中央病院の跡地に 急性期病床の医療機関誘致を
 コロナ禍で感染者が入院できたのは急性期病院。伊丹市は病院の統合再編で急性期病床を200床も減らす計画です。コロナ禍の教訓を踏まえて県地域医療構想を見直し、近畿中央病院の跡地に急性期病床を含む医療機関の誘致を求めました。

地方財源の増額を国に求めよ
 国は前年度並みの地方一般財源は確保したと言っています。しかし、地方自治体では新型コロナ対策や高齢者・子どもなどに対する社会保障経費の増、公共施設・道路等の修繕費用などの重要は高まっており、余裕のない財政運用を余儀なくされています。「前年度並み」ではなく増額を国に求めるよう要望しました。

年度途中の保育所待機児童の解消を
 毎年4月1日には待機児童を解消しているとされていますが、年度末には700人を超える待機児童が発生します。認可保育所の増設とともに、年度途中の待機児童は「公立」が担って解消することを求めました。

安心・安全な市営住宅を
 党議員団の要求で新たに玉田団地にエレベーターが設置されますが、他の市営住宅へのエレベーター設置と各室内の改修も要望しました。

障がい者(児)医療費の軽減を
 伊丹市の障がい者(児)医療費の減免制度に関して、身体障がい1、2級を4級までに、療育医療費A判定をB(1)までに、精神医療1級を2級までに拡充することを求めました。

気候変動危機打開に全力を
 伊丹市は「ゼロカーボンシティ宣言」をしていません。全国598自治体、総人口に占める割合が90.7%(2月末現在)の自治体が「宣言」をしています。「宣言」をすることで市民参加を進めカーボンゼロをめざすことができます。

ジェンダー平等社会の実現を
  市が責任をもってジェンダー平等政策を推進するため、男女平等
参画センター(ここいろ)の直営化と男女共同参画条例制定を求めました。

2022年度予算 ここが問題
コロナ感染症対策 市の独自施策なし
 党議員団は、高齢者施設や学校、就学前施設などでのPCR検査拡充、困窮世帯や事業者への独自支援を求めましたが、市の施策は、遅れに遅れた国の対策の範囲内でしかありません。

相変わらず「同和教育」の推進
 「伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針」の改定で、同和問題に関する市民の差別意識の解消のための教育・啓発を継続する問題です。アンケートにおいても実体のない「いわゆる同和地区」という表現を使うことによって、あたかも同和に関する差別がいまだに根強いという印象を市民に与えます。実体的差別がほとんどない中で、差別意識をことさら強調する同和教育は必要ありません

文化保護行政の管轄を教育委員会から市長に移管
 文化財保護における権限は、収集・保管・展示・教育・調査・研究という基本的な機能は市長の権限とは分離され、市長の権限に束縛されない、自由で自律的な学芸活動として展開されてきました。市長に権限を委譲することで、専門性、政治的中立性が担保される保障はありません。

児童くらぶの育成料引き上げ
 伊丹市立児童くらぶ条例の一部改正の提案では、2 0 2 3 年度から月額育成料6,200円を8,000円に引き上げ、延長時間に応じて午後5時から午後6時までが1,800円、午5時から午後7時が3,600円と区分されていた育成料を一律3,000円にするものです。
 その理由は、指導員の処遇改善や長期休業中の昼食提供とされますが、これらの改善を育成料の引き上げによって行うということは、サービスを良くすればよくするほど保護者の負担を増やすというやり方であり、この受益者負担の原則は子育て支援策、福祉行政としてはなじみません。

アイホール(演劇ホール)事業の縮減
 アイホールの存続が危ぶまれています。当面3年間は継続することとなりましたが、今まで公演等の事業が36事業あったのを10事業にして事業費削減、自主事業をなくして貸館中心の管理に伴い職員を10名から6名に削減するなどで経費を3,300万円削減する提案がされました。しかし、アイホールは30年以上の歴史の中で「関西小劇場の聖地」の地位を築き、優れた演劇文化を発信するとともに、中高生などの学びの場としての機能も発揮してきました。自主事業の廃止などこれらの機能を縮小することは質の高い文化の発信と市の文化振興策の縮減につながります。